説明

無鉛焼結潤滑材料及びその製造のための焼結粉末

発明は、Cu又はCuSnを基材とする焼結基材と、固体潤滑剤とを含む無鉛滑りベアリング材料に関する。固体潤滑剤は、平均粒度を10μm以下とする微細粒分布の六方晶窒化硼素を含み、六方晶窒化硼素の粒子(16)の凝集塊が200μm未満である。発明はまた、滑りベアリング配合物材料が鋼保護層と、そのような焼結滑りベアリング材料から成るベアリング層とを含む滑りベアリング材料の製造のための焼結粉末に関する。発明はまた、上記種の滑りベアリング材料から成るベアリング部材に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Cu又はCuSnを主成分とする焼結基材と固体潤滑剤を含む無鉛潤滑材料に係る。本発明はまた、それの製造のための焼結粉末;鋼支持層と焼結溶着潤滑材料のベアリング金属層とを含む潤滑配合物材料;及び潤滑部材に係る。
【背景技術】
【0002】
銅又は銅及び錫、特に青銅基材を主成分とする無鉛焼結潤滑材料は、鉛を含む同様の材料と比較して、熱伝導性が良好であり、耐摩耗性、引裂抵抗及び耐腐食性が高いことで知られている。そのような材料の開発は、鉛が環境に有害な物質として分類されていることから、鉛含有潤滑材料の代替を求める願望に基づくものであった。材料内で鉛は固体潤滑剤の機能をもつので、代替材料にはそれが見出されなければならない。さもないと、例えば、潤滑軟質相に欠ける一相青銅材料は混合摩擦条件下で詰まりを起す傾向が増大する。この観点から、文献において、また実際上、一連の種々の組み合わせが検討され、用いられるようになっている。
【0003】
鉛はさておき、最も一般に用いられている固体潤滑剤は二硫化モリブデン(MoS)とグラファイトであり、これ等は固体潤滑剤として別の基材材料に基づく他の潤滑被膜にも用いられている。
【0004】
例えばUS6613453B2には、Cuを主成分とし、錫含有率が7〜13重量%、銀含有率が0.7〜2重量%、要すれば二硫化モリブデンを上限9.5重量%まで、要すればグラファイトを上限2重量%まで含む焼結潤滑層が固体潤滑剤として提案されている。
【0005】
異なる手法に基づくが、EP0224619A1には、銅合金中の鉛含有率を低減させ、同時にビスマス比率5〜25重量%を与えることにより耐腐食性が改善されるものが提案されている。鉛を回避するのに、ビスマスの比率を12〜20重量%とし、錫の比率を1〜2重量%とすることが好ましくものと確認されている。
【0006】
この点から出発するDE102004011831B3には、錫10〜15重量%、ビスマス1〜12重量%及び残部銅の焼結潤滑材料が提案されている。グラファイトを添加し、且つ錫の比率を増大することにより、ビスマスの量を低減させ、それにより潤滑材料のコストを低減されことができる。更に、この配合物は鉛を完全に除去することができ、優れた減摩特性を示す。勿論、この材料で固体潤滑グラファイトの結合材として用いられる錫は、比較的高価な合金材料である。結合材である錫を低減すると同時に、潤滑剤であるビスマスを低減することは可能とは思われない。
【0007】
更に、ビスマスは錫と同様に融点が低いが、錫より硬く、脆性が高い。潤滑材としてのグラファイトや二硫化モリブデンには、問題もある。それ等は支持層の鋼と、場合によってはエキスペラー(expeller)材料と、化合物を形成して、ベアリングの流動性に影響を及ぼす。
【0008】
特に普通のベアリング及びブッシュ用途、特にギヤケースや燃焼機関で発生する高い負荷及び高温下では、焼結材料内で固体潤滑剤としてのカーボンや二硫化モリブデンの示す化学的耐久性は不十分である。この傾向は、錫の量が増加するにつれ、基材の熱伝導率は低下し、その結果、ベアリング温度が高くなると云うことにより更に強まる。
【0009】
六方晶窒化硼素(Hexagonal bornitride:h−BN)もまた、固体潤滑剤として知られている。例えばDE19708197には、混合粉末状の、比率0.1〜3.5重量%までの六方晶窒化硼素と比率0.1〜3.5重量%のグラファイトとを、鉄を主成分とする基材物質に添加することが提案されている。この粉末混合物は次いで、濃縮され、銅又は銅合金との接触下で焼結され、そこで銅又は銅合金が焼結体の気孔内に浸透する。
【0010】
軟質化合物又は固体潤滑剤としての六方晶硼化窒素の使用は、論文”Wear mechanism of Ni-P-BN(h) composite autocatalytic coatings(Ni−P−BN(h)自動触媒被膜の摩耗機構)”by Leon et al., published in Surface & Coatings Technology 200 (2005), 1825 〜 1829 から知られている。この論文では、ニッケル燐を主成分とする触媒付着潤滑層が記載され、その減摩特定に付いて検討されている。
【0011】
本発明の主題は、簡単に製造でき、特に機械的に受ける圧力の大きいベアリングに対して良好な熱伝導度と、混合摩擦条件下での良好な潤滑挙動とで効果が著しい、銅又は銅−錫を主成分とする潤滑材料である。
【0012】
窒化硼素又はh−BNを銅基材に用いることはDE1293967A及びDE10305808A1で提案されている。それにもかかわらず、使用条件に関する正確な情報は全く知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】US6613453B2
【特許文献2】EP0224619A1
【特許文献3】DE102004011831B3
【特許文献4】DE19708197
【特許文献5】DE1293967A
【特許文献6】DE10305808A1
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】”Wear mechanism of Ni-P-BN(h) composite autocatalytic coatings” by Leon et al., published in Surface & Coatings Technology 200 (2005), 1825 〜 1829
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、銅又は銅―錫を基材とし、h−BNを固体潤滑剤として含む改良された材料であって、優れたドライランニング特性、高耐久性及び低干渉性を有する滑材が生成でき、鋼支持層に対する良好な焼結及び結合能力が保証される材料を利用可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の上記目的は、請求項1に記載の潤滑材料、請求項14に記載の焼結粉末、請求項12に記載の潤滑配合物材料及び請求項13に記載の潤滑部材により解決される。
【0017】
本発明者は、六方晶窒化硼素粉末を銅又は銅−錫を主成分とする基材粉末と混合させ、それに付随して粉末混合物を鋼棘上で直接焼結溶着及び圧延することにより材料配合物、即ち一方において鋼基体とベアリング材料間の結合が十分強く、他方において焼結片が相互に並んで存在する配合物を生成できることを特定した。
【0018】
セラミックの六方晶窒化硼素は粒子間に存在し、金属材料又は金属基材との物理又は化学結合には入り込まない。カーボン又は二硫化モリブデンとは対照に、ベアリング又はエキスペラーの流動性を減ずることもある、支持層の鋼又はエキスペラーの金属との干渉は無い。加えて、上限700℃までの温度では、それはモータとギヤ油等の、ガス及び液体に対して完全に不活性であり、従って自動車エンジン及びギヤケースで支配する攻撃的条件下での使用に特に適している。
【0019】
六方晶窒化硼素は、有毒でも、発癌性のものでもなく、従って生態学的反対理由は生じないと云う意味で、鉛及びビスマスの潤滑能力を凌駕する。
【0020】
本発明における潤滑材料における六方晶窒化硼素自体、比較的高い熱伝導能力を有する。だが、固体潤滑剤の介入固定が結合材である錫に左右されるように、基材における錫含有率の低下は熱の伝導率を本質的に純銅の熱伝導率にまで、著しく増大する。このようにして、第1に摩擦熱の急速な分散と、第2に材料内の熱の均一な分布が保証される。これにより、温度安定微細構造と、それと共に高い動作温度でも、固体潤滑剤と基材間の一貫して良好な結合とが保証される。潤滑材料は従って、モータ、内燃機関及び自動車ギヤケースに用いるのに特に適している。
【0021】
更に、六方晶窒化硼素は、特に混合摩擦条件下で、且つベアリング温度、特に潤滑機能停止条件又は潤滑油の一貫しない準備とは無関係に、その優れた潤滑特性に基づいて不動作になる傾向を低下、そしてブッシュ又は普通のベアリングの耐磨耗性及び引裂抵抗性を増大する。
【0022】
周知のように、基材物質の硬度は中程度であるが,固体潤滑剤の添加により低下させることができる。これは、本発明による六方晶窒化硼素を用いた場合にも当てはまる。だが一方では、硬度は歪みの増大と共に増大することが知られている。さて、固体潤滑剤としてのh−BN粒子の介入結合により、材料のソリディティは基材の歪度への依存性が、標準的な固体潤滑剤より少ないと云う更なる効果も生まれる。この効果は、窒化硼素の比率が大きくなるにつれ更に強くなる。この材料はこのことから、そのソリディティを、従って具体的化合物により先ず設定される形態を調整する能力を、材料に課せられる要求とは無関係に、保持すると云う実利が結果として生じる。これにより、ベアリングとエキスペラー間の位置付けが不適切なことによる、支持縁におけるようなベアリング上の応力が不均一な場合には、ベアリングの寿命が延びることになる。
【0023】
本発明によれば、h−BNは平均粒度10μm以下内の微細粒分布にて発生する。平均粒度5μm〜7μmがより好ましい。
【0024】
h−BN粒子の粒度分布は焼結した結果も変わらず、従って、焼結粉末中の同一平均粒度の粒子が材料内にあると見なすことができる。H−BN粒子の良好な斉一分布は応力下平均粒度で設定され、従って、青銅基材内のこれ等粒子の介入結合は十分に強い。このようにして、耐久性のある良好、且つ一様な潤滑が耐用年数全体に亘って保証される。
【0025】
本発明によれば、六方晶窒化硼素の粒子は少なくとも部分的に凝集化され、粒子の凝集塊は大きさが200μm未満である。120μm未満の大きさがより好ましく、80μm未満の大きさが特に好ましい。凝集塊は、微細粉砕化部分を取り、光学顕微鏡の下で測定し、凝集塊の特定最大観測長を書き込むようにする既知の方法で設定される。
【0026】
窒化硼素凝集塊は好ましくは、焼結基材の平均観測粒度を上回らないものとする。これはASTM規格E−112により測定され、好ましくは、179.6〜106.8μmの断面に対応する2〜3.5である。
【0027】
h−BN凝集塊が長過ぎると、ベアリング金属層と鋼支持層間の縁部における焼結能力の低下及び結合問題を引き起こす。形成される凝集塊が大きくなる傾向は、ベアリング金属の全組成におけるh−BNの含有率に依存する。凝集度は、適切な粉砕技術と、所定h−BN含有率に対する焼結粉末の粉砕所要時間により調整することができる。
【0028】
潤滑材料の全組成における六方晶窒化硼素の比率は0.05〜5重量%、特に0.05〜0.3重量%であり、0.25〜2重量%が特に好ましい。最良の結果は、潤滑材料における窒化硼素0.5〜1重量%の範囲で得られる。
【0029】
全組成におけるh−BN粒子の比率が0.05重量%未満であると、特に混合摩擦条件下では十分な潤滑が保証されない。更に、焼結が何度も、低過h−BN含有率で行われると、自然発生のバルジが上面に現れることがある。
【0030】
基材は好ましくは錫が0〜10重量%、特に好ましくは2〜8重量%含まれる。
【0031】
特に有利な実施態様において、基材はCuSn6Ni又はCuSn8Ni青銅から成る。
【0032】
本発明の有利で更なる展開は、潤滑材料がFeP、MoSi、c−BN(立方晶窒化硼素)から成る群より選ばれた物質により少なくとも形成される硬質相を含むことを想定する。硬質相は最大3重量%の大きさが好ましく、使用後、上限1重量%までが特に好ましい。耐摩耗及び引裂性及び焼結能力に関して、最良の結果は0.01〜0.5重量%の範囲で観測される。
【0033】
本発明による潤滑材料は好ましくは、鋼支持層と潤滑ベアリング被膜をもつ潤滑剤配合物材料で用いられる。そのような潤滑ベアリング配合物から成る潤滑部材は、特にブッシュ又はベアリングシェルを製作する場合、特に好ましい。
【0034】
本発明の他の目的、特性及び利点を以下、図面を使って実施態様の一例に基づいてより正確に論じる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図面において:
図1は、本発明の特性を備えるベアリング半シェルの斜視図である。
図2は、図1のベアリングシェルを切断して表した拡大断面図である。
図3は、本発明による潤滑部材のテストのランニング図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明による潤滑材料の、ベアリング半シェル10として図1に示す実施態様は例えば、内燃機関のクランク軸受の大型接続ベアリング(軸受)に、又はクランク軸の主ベアリング(軸受)として用いられる。それは、外側に位置するラジアル鋼支持層12と、鋼支持層12の内側のラジアル焼結・溶着ベアリング金属層14をもつ。本発明によるベアリング金属層14は青銅基材と、青銅基材中に、図2に示すように十分均一に分布する、固体潤滑剤としての六方晶窒化硼素の粒子16を有している。
【0037】
銅又は銅‐錫合金、特に青銅の1つと六方晶窒化硼素の粒子を含むベアリング金属層14の潤滑材料は、焼結能力が極めて高く、中間層の付着を要せず、鋼支持層12に直接、十分な結合堅牢度をもって、焼結・溶着できる。
【0038】
CuSn8Ni基材及び1重量%のh−BNを含んだ、本発明による潤滑材料の径4mmのサンプルを、炭素鋼100Cr6の回転ディスクに押圧するようにしたテストランの結果が、図3に示す測定において与えられる。図3の上図における摩擦値(引通線)は、試験時間に対して適用される。測定中、負荷の強さを100Nから1100Nまで徐々に増大した。材料は摩擦値が極めて低く、最大負荷印加時にも摩耗又は引裂きの徴候を示さないことが分かった。0.06前後から始めて、約10分の継続時間内の値は約0.015に低下し、その後は殆ど変化しない。
【0039】
より小さい温度上昇は、ピンの低い一定の摩擦値、即ち何か潤滑材料の高い熱伝導能力を示すものに関係している。図3の中央図から、一定のRPMにおける22分の時間に亘って、60°から80°の温度上昇が記録されていることが分かるであろう。
【0040】
図3の下図は、一方の側で摩耗及び引裂値を、他方の側で摩耗モーメントを示している。この図は10分の継続時間の後、負荷が増大しても、顕著な摩耗はもはや生じないことを示している。摩耗モーメント曲線は同じことを反映している。これは、増大する力の負荷のため適度の増大であれば、材料の潤滑能力の顕著な劣化は全くないことを示している。
【0041】
次の表1において、鋼支持層と、CuSn8Ni基材と1.0重量%のh−BN粒子から成る焼結・溶着ベアリング金属層を含む、本発明による潤滑配合物のサンプル4つが歪下で検討された。サンプル1〜4は、鋼支持層が初め同一厚みであること、サンプルの数が増えるにつれ、付着未焼結粉末層の厚みが増えることを示す。初期焼結後に、全サンプルは中間処置として圧延され、次いで個別層の厚み及び硬度値が測定された。更なる焼結工程と、もう1つの圧延工程において厚みを約5%薄くし、潤滑材料を最終寸法にした後、個別層の厚みと硬度を再度測定した。本質的に、金属ベアリング層の厚みは、同一最終寸法における焼結層の初期厚みに拘わらず、ベアリング金属層の変形及び薄化の程度に拘わらず、完全圧延状態でのものと同じままであることが分かる。材料の低最終硬度の設定は本質的に、第2の焼結工程及び引き続く圧延工程にかかっている。
【0042】
【表1】

【0043】
同一基材物質CuSn8Niから出発して、ベアリング金属層の硬度を、先ずh−BN含有率への依存性に関して、次にベアリング金属層の変形の程度への依存性に関して調べた。測定値は表2に与えられている。高純度の焼結基材物質(サンプル5)から出発して、このサンプルはその初期状態における硬度が比較的高く、変形の程度に依存して硬度が大きく増大することを示している。h−BN含有量が増大するにつれ、初期硬度も、ベアリング金属層の形成後の硬度の増大も低下する。これは第1に、h−BN含有率が高いと、軟質ベアリング金属層が生成可能であり、第2に、この部分の層の硬度はh−BN含有率の調整による以外にどのように後処理をしても殆ど調整不能であることを意味する。そのような層の利点は、歪の程度とは、従ってそれに置かれる負荷とは全く無関係に、その形態を調整させる能力が高いことである。従って、形態を調整する能力は、この材料を用いるとき負荷状況が違っても事実上不変である。より広い部分でベアリング金属層の硬度を調整できるように望む場合、調整を変形の大きさによりいっそう達成し得るように、より低いh−BN含有量が選択されなければならない。
【0044】
【表2】

【0045】
以下の表3では、本発明による潤滑材料が、鉛を固定潤滑剤としてCuSn3Pb23から成る比較材料と、高純度CuSn8Ni基材から成る2つの比較材料と対比されている。高純度青銅基材の両比較材料は、最後の圧延工程で圧縮を変え、バンド材料を105HBW〜130HBWの種々の硬度に設定した。典型的な鉛含有金属材料は硬度が70HBWと比較的低い。これ等の材料がベアリングシェルへの変形を通して受ける固化は極めて低い。これ等の特性に基づいて、それ等が形態を調整する能力は模範的なものであり、変形後にも、作動中の厳しく強い要求にも低下することはない。鉛含有材料は従って、測定基準として殆どの用途で用いられる。
【0046】
本発明による潤滑材料は、その一連の有利な特性を、六方晶窒化硼素の量、その粒度、凝集の程度を最適化し、適切な基材物質を用いた上で、調整でき、且つ大凡でも一連の有利な特性を設定可能にし、且つ大凡でも鉛含有材料の形態及び耐久性を調整する効用を得ることができることが今や分かった。これにより、本発明による材料は、その良好な熱伝導能力故に、最後にその使用がどんな環境生態的反対理由に出会うことはないので、鉛含有材料を凌駕するものである。
【0047】
【表3】

【符号の説明】
【0048】
10: ベアリング半シェル
12: 鋼支持層
14: ベアリング金属層
16: 窒化硼素粒子
18: 基材
【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cu又はCuSn基材から成る焼結基材(18)と固体潤滑剤を含む無鉛潤滑材料であって、
1CuSn8Niから成る固体基材が六方晶窒化硼素を含み、六方晶窒化硼素が平均粒度10μm以下内の微細粒分布にて存在し、六方晶窒化硼素の粒子(16)の凝集塊が200μm未満の大きさであることを特徴とする潤滑材料。
【請求項2】
六方晶窒化硼素が平均粒度5μm〜7μmの微細粒分布にて存在することを特徴とする請求項1に記載の潤滑材料。
【請求項3】
凝集塊が80μm未満の大きさであることを特徴とする請求項1又は2に記載の潤滑材料。
【請求項4】
粒子の凝集塊が焼結基材(18)の平均観測粒度未満の大きさであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の潤滑材料。
【請求項5】
ASTM規格E−112で測定される焼結基材(18)の平均観測粒度が2〜3.5であることを特徴とする請求項4に記載の潤滑材料。
【請求項6】
六方晶窒化硼素が潤滑材料中の全配合物の0.05〜5重量%で存在することを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の潤滑材料。
【請求項7】
六方晶窒化硼素が潤滑材料中の全配合物の0.05〜1重量%で存在することを特徴とする請求項6に記載の潤滑材料。
【請求項8】
基材(18)に錫が0〜10重量%で含まれることを特徴とする請求項1〜7の何れか1つに記載の潤滑材料。
【請求項9】
基材(18)がCuSnNi又はCuSnNi青銅から成ることを特徴とする請求項8に記載の潤滑材料。
【請求項10】
FeP、MoSiz及びc−BNから成る群から選ばれた少なくとも1つにより硬質相が形成されて成ることを特徴とする請求項1〜9の何れか1つに記載の潤滑材料。
【請求項11】
鋼支持層(12)と、請求項1〜10の何れか1つに記載の潤滑材料の焼結溶着ベアリング金属層(14)とを含む潤滑配合物材料。
【請求項12】
潤滑部請求項11に記載の潤滑配合物材料から成る潤滑部材。
【請求項13】
請求項1〜10の何れか1つの記載の潤滑材料を製造するための、Cu又はCuSnを基材粉末とする焼結粉末であって、六方晶窒化硼素の粒子(16)が平均粒度10μm以下の微細粒分布にて存在し、六方晶窒化硼素の粒子(16)の凝集塊が200μm未満の大きさであることを特徴とする焼結粉末。
【請求項14】
六方晶窒化硼素の粒子(16)が平均粒度5μm〜7μmの微細粒分布にて存在する請求ことを特徴とする項13に記載の焼結粉末。
【請求項15】
凝集塊が80μm未満の大きさであることを特徴とする請求項13又は14に記載の焼結粉末。

【公表番号】特表2010−533756(P2010−533756A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516489(P2010−516489)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【国際出願番号】PCT/EP2008/059233
【国際公開番号】WO2009/013178
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(510010436)フェデラル−モーグル ヴィースバーデン ゲーエムベーハー (5)
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL−MOGUL WIESBADEN GMBH
【Fターム(参考)】