説明

照光表示装置

【課題】 導光板の端面に光を照射して導光板内に導入することにより、この導光板の表面に配設した表示シートを照光する照光表示装置において、薄肉で大版サイズの導光板であっても、全面的に均一な明るさでもって照光して明確に表示し得る装置を提供する。
【解決手段】 アクリル板からなる導光板1の四方端面に取付けている枠材4内に、対向面に発光ダイオードからなる複数個の光源7を備え、且つ導光板1の厚みに応じて対向面間の間隔を調節可能な表裏ベース6、6'を配設してこの表裏ベース6、6'の内側端面を導光板1の端面における表裏面側に当接させた状態で固定することにより、光源7から表裏ベース6、6'間を通じて導光板1の表裏面に入射する光の入射角(表裏面の法線に対する角度)を大きくし、導光板1の奥深くまで導光して導光板1の全面から照光させるように構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードからなる光源からの光をアクリル板等の透明な合成樹脂板の端面から該導光板内に導入してこの導光板の表面に配設している透明な表示シートを照光し、該表示シートの図柄や文字等を鮮明に表示させて宣伝用や展示用或いは標識用等のディスプレーとしての使用に適した照光表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種の照光表示装置としては、特許文献1に記載されているように、一定厚みを有するアクリル板等の透明性板材よりなる導光板の裏面に反射層を設けると共に表面に透明な表示シートを貼着し、この導光板の一端部に、内部に導光板の端面に向かって発光する発光ダイオードからなる光源を複数個、導光板の端面の長さに沿って一定間隔ごとに配設してなる枠部材を装着して、これらの光源から発光する光を導光板の端面全面から内部に導入し、反射層によって反射する光によって表示フイルムを照光して表示シートに記載された文字等を表示させるように構成した装置が知られている。
【0003】
また、特許文献2には、導光板の四方端面に発光ダイオードからなる光源を複数個、長さ方向に一定間隔毎に設けている枠部材を導光板の四方端面に額縁状に装着して光源からの光を導光板の四方端面から導光板内に導入し、導光板の裏面の反射板により反射する光によって表面に塗布されている文字や図柄等を明確に表示するように構成している標識板が記載されている。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3076141号公報
【特許文献2】実開昭63−2990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1、2においては、導光板の端面に装着した枠部材に内装している発光ダイオードからなる光源は、導光板の端面に沿って該枠部材の長さ方向に一定間隔毎に一列状に設けられていると共にこれらの光源からの光が導光板の厚みが変わっても常に導光板の端面全面から導光板内に入り、導光板の表裏両面において反射されながら導光板内を進行するように構成しているため、導光板の厚みが薄い場合には、一端面から他端面に向かって繰り返し反射する光の屈折距離が短くなり、導光板の他端面に行くに従って導光板の裏面の反射面により反射されて表面から出射する光量が減少して明るさが低下し、薄くて大版サイズの導光板に採用した場合には全面を均等な明るさでもって表示することが困難になるといった問題点がある。
【0006】
さらに、導光板の端面に装着する枠部材は、導光板の厚みの大小に応じて装着可能な構造になっていないために、導光板の厚さが異なるとその厚みに応じた枠部材を作製する必要があってコスト高になる。また、導光板の厚さに応じて枠部材の厚みを調整することにより厚みの異なる導光板に装着可能に構成しても、その内部に設けている上記光源の配置状態は変わらず、常に導光板の端面全面に対して照射する位置に設けられているため、上記問題点を依然として解消することができない。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、内部に導光板の端面に向かって光を照射する光源を配設している枠材を、厚みの異なる導光板に簡単に装着し得るようにすると共に、導光板の厚みの大小に応じて該導光板の端面に対する光源からの入射角度を調整可能にして薄くて大版サイズの導光板に対しても、表面全面に亘って均一な明るさでもって表示し得るようにした照光表示装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の照光表示装置は、請求項1に記載したように、裏面に光反射層を設けている矩形状の透明な合成樹脂板からなる導光板の端部に、内部に発光ダイオードからなる光源を長さ方向に一定間隔毎に配設している発光部を設けた枠材を装着して、発光部の上記光源から発光される光を導光板の端面から導光板内に導入し、該導光板の表面に配設している透明な表示シートを照光するように構成した照光表示装置において、上記発光部は、導光板の厚さ方向に間隔を存して導光板の端面に沿って並設された細長長方形状の表裏一対のベースと、これらのベースの対向面における幅方向の中央部に、長さ方向に一定間隔毎に取付けられた発光ダイオードからなる上記光源と、表裏ベースの対向面間の間隔を導光板の厚みに応じて調節する調節手段とからなり、さらに、この発光部を内蔵している上記枠材を表裏フレームによって形成し、これらの表裏フレームの内側端部で該導光板の端部を挟着させることにより枠材を導光板に装着してなる構造を有している。
【0009】
このように構成した照光表示装置において、請求項2に係る発明は、上記表裏ベースの間隔調節手段は、表裏ベースの対向面間の複数箇所に設けられて表裏ベースを一体に連結しているスタッドを長さの異なるスタッドと交換することによって行うように構成している。
【0010】
さらに、請求項3に係る発明は、枠材を形成している上記表裏フレームは互いに分割されていると共に、これらの表裏フレームの外側端部に互いに対向する方向に直角に屈折してなる突縁部を一体に設けてあり、さらに、表裏ベースにそれぞれ表裏支持部材を一体に取付けてこれらの支持部材の外端縁部を上記表裏フレームの突縁部の内面に重ね合わせ、この状態で表裏フレームの突縁部と支持部材の外側端部とを内外挟持板によって挟持させていると共にこれらの内外挟持板をビスにより一体に固着していることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、上記枠材を導光板の四方端部に額縁状に装着してこれらの枠材内に設けている発光ダイオードからなる光源からの光を導光板の四方端面から内部に導入するように構成している。
【0012】
請求項5に係る発明は、上記導光板の裏面に設けている反射層を、シルク印刷等を施してなる反射板によって形成している一方、導光板の表面に設けている透明な表示シートを導光板の表面に拡散板を介して配設していると共にこの表示シートの表面を透明な保護板によって被覆してあり、さらに、表裏フレームにおける裏側フレームの内側端部を上記反射板の端部押さえ部に形成し、表側フレームの内側端部を上記保護板の端部の押さえ部に形成していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、枠材内に設けている発光部は、導光板の厚さ方向に間隔を存して導光板の端面に沿って並設された細長長方形状の表裏一対のベースと、これらのベースの対向面における幅方向の中央部に、それぞれ長さ方向に一定間隔毎に取付けられた上記発光ダイオードからなる光源と、表裏ベースの対向面間の間隔を導光板の厚みに応じて調節する調節手段とからなるので、導光板の厚みの大小に応じて表裏ベースの対向面間の間隔を調節することができると共に、その表裏ベースの対向面間の間隔が導光板の厚みよりも狭くなって、導光板の厚みが薄い場合には、これらの表裏ベースの対向面に配設している光源から表裏ベース間の開口端を通じて導光板内に入射した際における導光板の表裏面とこの表裏面に接する空気層等の外部媒質との境界面(以下、単に導光板の表裏面とする)に対する入射角度、即ち、入射光線と導光板の表裏面への法線とのなす角度が大きくなり、そのため、導光板内で一端面から他端面に向かって繰り返し反射する光の屈折距離が長くなって導光板の他端面に到るまで十分な光量を到達させることができ、従って、導光板の裏面によって反射されて表面から出射する光の量を大版サイズの導光板であっても、全面に亘って略均等に分散させて導光板の表面全面を極めて明るく光輝させることができ、導光板の表面に配設している透明な表示フイルムを明確に表示させることができる。
【0014】
さらに、上記発光部を内蔵している枠材を表裏フレームによって形成し、これらの表裏フレームの内側端部で該導光板の端部を挟着させることにより枠材を導光板に装着しているので、導光板の厚さが異なってもこの発光部を内蔵している枠材を導光板の端部に容易に装着することができる。
【0015】
また、上記表裏ベースの間隔調節手段は、請求項2に記載したように、これらの表裏ベースの対向面間の複数箇所に設けられて表裏ベースを一体に連結しているスタッドにおいて、長さの異なるスタッドと交換することによって調節を行うように構成しているので、スタッドのみを変更するだけで、表裏ベース間の間隔を導光板の厚さの大小に応じて簡単且つ正確に調節することができ、これらの表裏ベースの対向面に設けている光源からの光を導光板の厚さに応じた入射角度でもって導光板内に導入することができて、効果的な照光表示を可能にすることができる。
【0016】
さらに、請求項3に係る発明によれば、導光板の端部に装着した上記枠材を形成している表裏フレームは分割されてあり、これらの表裏フレームの対向面間の空間部内に、上記表裏ベースとこれらの対向面に配設された光源と、表裏ベース間の間隔調節手段とからなる発光部を設けていると共に、この表裏ベースにそれぞれ表裏支持部材を一体に取付けてこれらの支持部材の外端縁部を上記表裏フレームの外側端部の突縁部の内面に重ね合わせ、この状態で表裏フレームの突縁部と支持部材の外側端部とを内外挟持板によって挟持させてこれらの内外挟持板をビスにより一体に固着しているので、導光板の厚みの大小に応じて表裏フレームの対向面間の間隔を調節して、これらの表裏フレームの内端部で導光板の端部表裏面を簡単に挟持させることができると共に、この状態にしてビスを外部操作によって締め付けることにより、内外挟持板で表裏フレームの突縁部と支持部材の外側端部とを一体に挟着させて表裏フレームからなる枠材を導光板の端部に簡単且つ強固に取付けることができると同時に、発光部の表裏ベースを支持部材を介して表裏フレームに一体に固定させることができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、上記枠材を導光板の四方端部に額縁状に装着してこれらの枠材内に設けている発光部の光源からの光を導光板の四方端面から内部に導入するように構成しているので、導光板の四方端面から導光板内に導入される光によって導光板の表面に配設している透明な表示シートを全面的に均等にして一層増大した明るさでもって明確に照光させることができる。
【0018】
また、請求項5に係る発明によれば、導光板の表面に設けている透明な表示シートは導光板の表面に拡散板を介して配設されているので、導光板から出射する光をさらに拡散させて表示シートを明瞭に表出させることができると共にこの表示シートの表面を透明な保護板によって被覆しているので、表示シートの劣化を防止して長期間に亘り一定の明るさでもって表示させることができ、宣伝用や展示用或いは標識用等のディスプレーとして優れた表示効果を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1は照光表示装置全体の一部切欠簡略正面図、図2はその一部分の拡大断面図で、照光表示装置は一定厚みを有する正面矩形状の透明なアクリル樹脂板からなる導光板1と、この導光板1の表面に配設されている表示シート2と、導光板1の裏面に設けている光反射層3と、導光板1の四方端部に額縁状に取付けている枠材4と、この枠材4内に配設されている発光部5とを主な構成要素として備えてなり、発光部5から発光される光を導光板1の端面から該導光板1内に導入して、光反射層3によって反射された光により導光板1の表面に配設している上記表示シート2を照光するように構成している。
【0020】
上記発光部5は、導光板1の厚さ方向に間隔を存して導光板1の表裏面側の端面部に沿ってそれぞれ並設された細長長方形状の表裏一対のベース6、6'と、これらのベース6、6'の対向面における幅方向の中央部に、長さ方向に一定間隔毎に取付けられている発光ダイオードからなる光源7と、表裏ベース6、6'の対向面間を導光板1の厚みに応じた間隔を存した状態でもって連結させている複数本の小径筒状のスタッド8とから構成されている。さらに、表裏ベース6、6'における導光板1側に位置する内側端部の対向面に光反射板11、11を取付けているがこれらの光反射板11、11は必ずしも必要としない。
【0021】
表裏ベース6、6'は、このベース上に配設している光源7やその他の電子部品等に接続した配線回路をプリントしている一定厚みと一定幅を有するプリント基板からなり、導光板1の端面における表裏側部(図においては上下端部)にこれらの表裏ベース6、6'をそれぞれ当接させた状態で配設されている。従って、表裏ベース6、6'の対向面間の間隔は導光板1の厚みよりも狭くなり、ベース6、6'の幅方向の中央部に取付けられている光源7から表裏ベース6、6'間の開口部9を通じて導光板1に入った際に、導光板1の表裏面(外部との境界面)で反射する光の入射角、即ち、入射光線と導光板の表裏面への法線とのなす角度が導光板1の端面全面から光が導光板1の表裏面で反射する光の入射角度よりも大きくなって、大版サイズの導光板1であっても導光板1の裏面の光反射層3によって反射されて導光板1内から表面に出射する光の量を全面に亘って略均等に分散させることができる。
【0022】
図3は上記発光部5の側面図、図4はその正面図であって、表裏ベース6、6'はその四隅部と長辺縁部の中間部とにおいて、上記スタット8により該スタッド8の長さ間隔を存して連結、固定している。具体的には、図5に示すように、表裏ベース6、6'の対向面間にスタッド8を介在させたのち、表裏ベース6、6'を厚み方向に貫通させてビス10をスタッド8の中心孔に螺合させることにより連結、固定している。このスタッド8によって表裏ベース6、6'の間隔調節手段を構成してあり、導光板1の厚みが大きい場合には長いスタッドを使用し、薄い場合には短いスタッドを使用する。
【0023】
なお、図3に示すように、表側ベース6に設けている隣接する光源7、7間の中間部に裏面側ベース6'に設けている光源7が位置してあり、従って、光源7はベース6、6'の長さ方向に千鳥状に配列している。また、表裏ベース6、6'の長さは、一定長さを有するベース部材を直列状に連結することによって導光板1の縦幅や横幅に等しい長さに形成している。
【0024】
さらに、表側ベース6の表面(図2において上面)と裏側ベース6'の裏面(図2において下面)とにそれぞれABS樹脂等の硬質樹脂からなる細長長方形状の板材からなる支持部材12、12' を、表裏ベース6、6'の外側端面からこれらの支持部材12、12' の外側端部を外側方に一定幅だけ突出させた状態にして固着している。その固着手段としては、表裏ベース6、6'に支持部材12、12' の重ね合わせ面を接着剤によって固着してもよいが、図においては、表裏ベース6、6'の複数箇所に表裏面間に貫通する取付孔13を設ける一方、こと取付孔13に対向する支持部材12、12' の面に該取付孔13と同径若しくは僅かに小径に形成している突軸片14を突設し、この突軸片14を取付孔13に圧入、嵌着させることによって表裏ベース6、6'に支持部材12、12' をそれぞれ一体に固着している。また、表裏ベース6、6'から外側方に突出したこれらの支持部材12、12' における外側端に、互いに対向する方向に直角に突設している一定の突出長を有する突縁部12a 、12b を設けている。
【0025】
上記発光部5を内部に配設している枠材4はアルミ合金製であって上記表裏ベース6、6'よりも幅広い一定幅を有し、且つ、導光板1の端面を全長に亘って被覆し得る長さを有する細長長方形に形成されている表裏フレーム4A、4Bからなり、これらの表裏フレーム4A、4Bは互いに分離していて、導光板1側に位置する内側端部と導光板1の端面から外側に位置する外側端部とにおける対向面に互いに対向する面に向かって突出した一定の突出長を有する突縁部4a1 、4a2 、4b1 、4b2 を設けている。
【0026】
これらの突縁部4a1 、4a2 、4b1 、4b2 は表裏フレーム4A、4Bの幅方向に対して直角に屈折してあり、表裏フレーム4A、4Bの内側の突縁部4a1 、4b1 によって導光板1の端部の表裏面を挟持させた状態で外側突縁部4a2 、4b2 間を固着することにより、枠材4を導光板1の端部に取付けると共にその取付けと同時に内部の発光部5における表裏ベース6、6'の内側端面を導光板1の端面における上下部(表面側と裏面側)に当接させた状態で表裏フレーム4A、4Bに一体に固定するように構成している。
【0027】
この固定手段は、上記表裏ベース6、6'に一体に設けている表裏支持部材12、12' の突縁部12a 、12b の内側端面に上下端部を当接させてこれらの突縁部12a 、12b の内側端面上間に架設状態に重ね合わせる内側挟持板15と、表裏フレーム4A、4Bの外側突縁部4a2 、4b2 の外側端面に上下端部を当接させてこれらの突縁部4a2 、4b2 の外側端面上間に架設状態に重ね合わせる外側挟持板16と、この外側挟持板16の幅方向の中央部に、長さ方向に間隔を存して穿設されている数個のタップ孔からなるネジ取付孔17と、このネジ取付孔17に対応して上記内側挟持板15の幅方向の中央部に設けられたネジ孔18と、ネジ19とからなる。
【0028】
そして、表裏フレーム4A、4Bの外側突縁部4a2 、4b2 の内側面に表裏支持部材12、12'の突縁部12a 、12b を重ねあわせた状態でこれらの内外挟持板15、16により挟持させ、外側からネジ19を取付孔17を通じてネジ孔18に螺合させて内外挟持板15、16により表裏フレーム4A、4Bの外側突縁部4a2 、4b2 と支持部材12、12' の突縁部4a2 、4b2 とを緩く挟持させた状態にする。この状態にして発光部5の表裏ベース6、6'の内端端面を導光板1の対向端面における上下端部にそれぞれ当接させると共に表裏フレーム4A、4Bを互いに接近する方向に押圧してその内側突縁部4a1 、4b1 の突出端面を導光板1の端部における表裏面に圧着させ、この状態にしたのち、上記ネジ19をさらに螺進させて締めつけることにより、内外挟持板15、16により表裏フレーム4A、4Bの外側突縁部4a2 、4b2 と支持部材12、12' の突縁部4a2 、4b2 とを一体に強固に挟着すると共に表裏ベース6、6'の内側端面を導光板1の端面に、表裏フレーム4A、4Bの内側突縁部4a1 、4b1 を導光板1の端部の表裏面にそれぞれ当接させた状態で表裏フレーム4A、4Bを導光板1の端部に取付けている。
【0029】
さらに、この枠材4の取付けを導光板1の四方端部に対して行うことにより額縁状の周枠を形成し、これらの枠材4内に設けている上記発光部5の光源7からの光を導光板1の四方端面から内部に導入させるように構成している。
【0030】
導光板1の裏面に設けている上記光反射層3は、導光板1の裏面に接した面を反射面に形成している反射板からなり、このような反射板としては例えば、腐食性インクによりシルク印刷してなる白色反射シートを貼り付けた薄い板材又はシート状物を使用しているがその他の凹凸粗面からなる反射面を有する適宜な反射層を採用してもよい。また、導光板1の表面側においては、この導光板1の表面に直接、上記表示シート2を重ね合わせてもよいが、図2に示すように、導光板1の表面にアクリル樹脂板よりなる薄い拡散板20、21を2枚、重ね合わせ、表面側(上側)の拡散板20上に上記表示シート2を重ね合わせてこの表示シート2を同じくアクリル樹脂板よりなる薄い保護板22によって被覆した構造としている。なお、表示シート2はPETシート等の透明な樹脂シートの表面に文字や図柄をカラー印刷してなるものである。
【0031】
さらに、上記表裏フレーム4A、4Bにおける表側フレーム4Aの内端面には、内側突縁部4a1 の突出端面から上記導光板1上に配設した拡散板21の厚みを存して内側方に向かって突片23を突設してあり、この突片23の裏面によって上記導光板1上の拡散板21の表面外周端部を押さえていると共に表面上に上記表面側の拡散板20の裏面外周端部を受止している。また、表側フレーム4Aの表面における外側端部にカバー部材24の外側端部を起伏回動自在に取付けてあり、このカバー部材24の内側端部と上記裏側フレーム4Bの内側端部とを互いに接近する方向に屈曲させて押さえ部25、26に形成し、カバー部材24の押さえ部25によって上記突片23上に重ね合わせている拡散板20と表示シート2と保護板22とにおける保護板22の表面外周端部を押さえている一方、裏側フレーム4Bの押さえ部26によって反射板11の裏面外周端部を押さえている。なお、図示していないが上記カバー部材24を弾発片によって保護板22上に押圧させるように構成している。
【0032】
次に、上記のように、表面側に表示シート2を、裏面に光反射層3をそれぞれ配設している導光板1の四方端部に、内部に発光部5を有する枠材4、4、4、4を額縁状に装着することによって構成している照光表示装置の使用態様について説明する。上記発光部5を構成している表裏ベース6、6'は上述したように、配線回路をプリントしているプリント基板からなり、この配線回路に接続した配線コード(図示せず)を電源に接続し、該配線コード中に設けているスイッチを入れると、発光部5の表裏ベース6、6'の対向面に取付けている発光ダイオードからなる光源7からこの光源7が対向している導光板1の端面に向かって光が照射されて導光板1の端面から該導光板1内に入る。
【0033】
導光板1内に臨界角以上の角度でもって入射した光は、図6に示すように導光板1の表裏面において全反射を繰り返しながら他端面に向かって進行する一方、導光板1の表裏面に対して臨界角以下の角度で入射した光は導光板1の表裏面を通過し、導光板1の裏面を通過した光はその裏面に配設している光反射層3によって乱反射されて導光板1の表面から出射して拡散板20、21を通過し、表示シート2を裏面側から照光して表示シート2全面を外部に向かって明るく照らし出して図柄等を明瞭に表示させることができる。
【0034】
この際、光源7は導光板1の端面から外側方に離間した表裏ベース6、6'の幅方向の中央部に設けられ、且つ、表裏ベース6、6'の内側端面が導光板1の端面における表面側と裏面側とに当接させてこれらの表裏ベース6、6'の表裏面をそれぞれ導光板1の表裏面に面一状態となるように配設しているので、これらの表裏ベース6、6'の内側端間の開口部9の開口幅が導光板1の厚みよりもこれらの表裏ベース6、6'の厚みの和に相当する幅だけ狭くなり、従って、光源7からの光が表裏ベース6、6'間の上記開口部9を通じて導光板1の端面から導光板1内に入った際の導光板1の表裏面に対する入射角θが大きくなって導光板1の表裏面で全反射しながら導光板1内を一端面から他端面に向かって進行すると共に、その屈折距離間が長くなって導光板1の裏面の光反射層で反射する光量を導光板全体に亘って略均等に分散させながら導光板1の表面から出射させ、表示シート2を裏面側から明るく照光して明確な表示を可能にすることができる。
【0035】
上記図6で示した照光表示装置における導光板1は薄くて大版サイズのものを使用しているが、導光板として図7に示したように、上記導光板1よりも厚い導光板1'を使用した照光表示装置を構成するには、この導光板1'の厚みに応じて上記表裏フレーム4A、4B間の間隔を広くすると共にそれに応じて拡幅する表裏ベース6、6'間を上記スタッド8よりも長いスタッド8'によって連結すればよい。
【0036】
具体的には、上記実施の形態と同様に、まず、表裏支持部材12、12' を一体に設けている表裏ベース6、6'の対向面の四隅部と中間部との数カ所に上記長いスタッド8'を介在させたのち、表裏ベース6、6を厚み方向に貫通させてビス10をスタッド8の中心孔に螺合させることにより連結、固定し、表裏ベース6、6'間の間隔をこれらの表裏ベース6、6'の内側端面が導光板1の端面における上下端部(表側端部と裏側端部)に当接し、且つ、その表裏面がそれぞれ導光板1の表裏面に面一となるように調節しておく。
【0037】
しかるのち、枠材4を構成する表裏フレーム4A、4Bの外側突縁部4a2 、4b2 の内側面に表裏ベース6、6'の表裏支持部材12、12' の突縁部12a 、12b を重ねあわせた状態にしてこれらの突縁部を内外挟持板15' 16' により挟持させ、外側からネジ19を外側挟持板15'に設けている取付孔17を通じて内側挟持板16' に設けているネジ孔18に螺合させて内外挟持板15' 16' により表裏フレーム4A、4Bの外側突縁部4a2 、4b2 と支持部材12、12' の突縁部4a2 、4b2 とを緩く挟持させた状態にする。なお、内外挟持板15' 、16' としては、上記図6で示した薄い導光板1を使用した場合よりも幅広い挟持板を採用している。
【0038】
次いで、発光部5の表裏ベース6、6'の内端端面を導光板1の対向端面における上下端部にそれぞれ当接させると共に表裏フレーム4A、4Bを互いに接近する方向に押圧してその内側突縁部4a1 、4b1 の突出端面を導光板1の端部における表裏面に圧着させ、この状態にしたのち、上記ネジ19をさらに螺進させて締めつけることにより、内外挟持板15' 、16' により表裏フレーム4A、4Bの外側突縁部4a2 、4b2 と支持部材12、12' の突縁部4a2 、4b2 とを一体に強固に挟着すると共に表裏ベース6、6'の内側端面を導光板1の端面に、表裏フレーム4A、4Bの内側突縁部4a1 、4b1 を導光板1'の端部の表裏面にそれぞれ当接させた状態で表裏フレーム4A、4Bを導光板1の端部に取付けている。
【0039】
なお、上記表裏フレーム4A、4Bにおける表側フレーム4Aの内端面に突設している突片23によって上記導光板1'上の拡散板21の表面外周端部を押さえている点や、この突片23上に上記表面側の拡散板20の裏面外周端部を受止している点、さらには、表側フレーム4Aの表面における外側端部にカバー部材24の外側端部を起伏回動自在に取付けて、このカバー部材24の内側端部と上記裏側フレーム4Bの内側端部とを互いに接近する方向に屈曲させて押さえ部25、26に形成し、カバー部材24の押さえ部25によって上記突片23上に重ね合わせている拡散板20と表示シート2と保護板22とにおける保護板22の表面外周端部を押さえている一方、裏側フレーム4Bの押さえ部26によって反射板11の裏面外周端部を押さえている構成等については上記図6で説明した構成と同じであるので、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0040】
このように構成した照光表示装置は、導光板1'の厚みが厚くなっても、該導光板1'の端面に対して開口した表裏ベース6、6'の開口部9の開口幅は、該表裏ベース6、6'の厚みの和しか幅狭くならないので、光源7からの光が表裏ベース6、6'間の上記開口部9を通じて導光板1の端面から導光板1内に入った際の導光板1の表裏面に対する入射角θが上記薄い導光板1の場合に比べて小さくなり、導光板1の裏面の光反射層3で屈折する光の屈折距離間が短くなって大版サイズの導光板1'では他端に達する光量が減少することになるので、肉厚で小版サイズの導光板1'に採用するのに適している。なお、以上の実施の形態において、表裏ベース6、6'間の間隔を導光板の厚みに応じて調節する調節手段として長さの異なるスタッド8、8'により構成しているが、ネジによる調節手段やその他の適宜な調節手段を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】照光表示装置全体の一部切欠簡略正面図。
【図2】その一部分の拡大断面図。
【図3】発光部の側面図。
【図4】その正面図。
【図5】スタッドによる表裏ベース間の固定状態を示す一部の簡略斜視図。
【図6】薄肉の導光板を採用している照光表示装置の一部の拡大断面図。
【図7】肉厚の導光板を採用している照光表示装置の一部の拡大断面図。
【符号の説明】
【0042】
1 導光板
2 表示シート
3 光反射板
4 枠材
5 発光部
6、6' 表裏ベース
7 光源
8 スタッド
9 開口部
12、12' 表裏支持部材
15、16 内外支持板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面に光反射層を設けている矩形状の透明な合成樹脂板からなる導光板の端部に、内部に発光ダイオードからなる光源を長さ方向に一定間隔毎に配設している発光部を設けた枠材を装着して、発光部の上記光源から発光される光を導光板の端面から導光板内に導入し、該導光板の表面に配設している透明な表示シートを照光するように構成した照光表示装置において、上記発光部は、導光板の厚さ方向に間隔を存して導光板の端面に沿って並設された細長長方形状の表裏一対のベースと、これらのベースの対向面における幅方向の中央部に、長さ方向に一定間隔毎に取付けられた発光ダイオードからなる上記光源と、表裏ベースの対向面間の間隔を導光板の厚みに応じて調節する調節手段とからなり、さらに、この発光部を内蔵している上記枠材を表裏フレームによって形成し、これらの表裏フレームの内側端部で該導光板の端部を挟着させることにより枠材を導光板に装着していることを特徴とする照光表示装置。
【請求項2】
表裏ベースの間隔調節手段は、表裏ベースの対向面間の複数箇所に設けられて表裏ベースを一体に連結しているスタッドを長さの異なるスタッドと交換することによって行うように構成していることを特徴とする請求項1に記載の照光表示装置。
【請求項3】
枠材を形成している表裏フレームは互いに分割されていると共にこれらの表裏フレームの外側端部に互いに対向する方向に直角に屈折してなる突縁部を一体に設けてあり、さらに、表裏ベースにそれぞれ表裏支持部材を一体に取付けてこれらの支持部材の外端縁部を上記表裏フレームの突縁部の内面に重ね合わせ、この状態で表裏フレームの突縁部と支持部材の外側端部とを内外挟持板によって挟持させていると共にこれらの内外挟持板をビスにより一体に固着していることを特徴とする請求項1に記載の照光表示装置。
【請求項4】
枠材を導光板の四方端部に額縁状に装着してこれらの枠材内に設けている発光ダイオードからなる光源からの光を導光板の四方端面から内部に導入するように構成していることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の照光表示装置。
【請求項5】
導光板の裏面に設けている反射層は、導光板と接した面を反射面に形成している反射板からなる一方、導光板の表面に設けている透明な表示シートは導光板の表面に拡散板を介して配設されていると共にこの表示シートの表面を透明な保護板によって被覆してあり、さらに、表裏フレームにおける裏側フレームの内側端部を上記反射板の端部押さえ部に形成し、表側フレームの内側端部を上記保護板の端部の押さえ部に形成していることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の照光表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−42360(P2009−42360A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−205346(P2007−205346)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(507265797)
【Fターム(参考)】