照明システム、管理装置及びその制御方法、並びにプログラム
【課題】照明部にフィルターを装着可能な複数の照明装置を備えた照明システムにおいて、フィルターの誤装着を防止する照明システム、管理装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供する。
【解決手段】照明システム150は、照明部にフィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を、複数の照明装置ごとに取得し、取得されたフィルター情報により定まる基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定し、特定された照明装置が基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する。
【解決手段】照明システム150は、照明部にフィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を、複数の照明装置ごとに取得し、取得されたフィルター情報により定まる基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定し、特定された照明装置が基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システム、管理装置及びその制御方法、並びにプログラムに関し、特に、被写体を照明する照明システム、管理装置及びその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、環境光に撮影用の照明光の色をあわせる為に、照明光を照射する照射部にカラーフィルターを装着している。
【0003】
例えば、撮影用の照明光を照射する照射部に装着可能な装着物の識別をし、装着物がフィルターであると認識した場合に撮影画像のデータの色情報を補正する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−020298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、個々の照明装置が装着されているフィルターの種類を認識する技術であり、他の照明装置のフィルター装着状況を確認するものではない。
【0006】
従って、複数の照明装置の一部に性質の違うフィルターを誤装着してしまっていたり、フィルターの装着し忘れがあった場合でも、それらを認識できず、意図しない撮影が行われてしまう可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、照明部にフィルターを装着可能な複数の照明装置を備えた照明システムにおいて、フィルターの誤装着を防止する照明システム、管理装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の照明システムは、照明部にフィルターを装着可能な複数の照明装置を備えた照明システムであって、前記照明部にフィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を、前記複数の照明装置ごとに取得する取得手段と、前記取得手段により取得されたフィルター情報により定まる基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された照明装置が前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する警告手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、照明部にフィルターを装着可能な複数の照明装置を備えた照明システムにおいて、フィルターの誤装着を防止する照明システム、管理装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る照明システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1におけるマスターのストロボの構成を示す図である。
【図3】図2における制御部により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】図1におけるストロボの表示部、またはカメラの表示部での警告表示例を示す図である。
【図5】図1におけるマスターのトランスミッターの構成を示す図である。
【図6】図5における制御部により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図1におけるカメラの表示部での警告表示例を示す図である。
【図8】図2における制御部、または図5における制御部により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】警告表示要求によって発光したスレーブを示す図である。
【図10】図2における制御部、または図5における制御部により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】警告表示要求によって発光したスレーブを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る照明システム150の概略構成を示す図である。
【0013】
図1において、照明システム150は、撮影用の照明光の作動指示をするマスター171、及びマスター171より空間的に離れた位置に配置されるスレーブ170により構成されている。すなわち、照明システム150は、複数の照明装置を備えた照明システムとなっている。本実施の形態では、上記マスター171に管理装置が対応している。
【0014】
本実施の形態の場合、スレーブ170は、5台のスレーブ110,111,112,113,114となっているが、5台に限るものではない。
【0015】
マスター171は、2種類あり、そのうちの1つが照明部を備えたマスター140である。もう1つは、照明部を備えていないマスター141である。
【0016】
マスター140は、ストロボ100、ストロボ100の表示部101、照明部106、マスターストロボが装着されるカメラ102、及びカメラ102の表示部103を備えている。なお、照明部106は、図に示される方向からは見えないため、便宜的に図のように示している。また、照明部106は、環境光に合わせた照明光にするためのフィルターが装着可能となっており、照明部106には、フィルターAが装着されている。
【0017】
マスター141は、トランスミッター104、カメラ130、及びカメラ130の表示部131を備えている。
【0018】
一方、スレーブ110,111,112,113,114は、それぞれ照明部120,121,122,123,124を備えている。そして、照明部120,121,122,123,124は、環境光に合わせた照明光にするためのフィルターが装着可能となっている。
【0019】
図1の場合、照明部122,123,124には、フィルターAが装着されている。また、照明部120には、フィルターBが装着されている。そして、照明部121には、フィルターが装着されていない。
【0020】
すなわち、照明部120,121は、マスター140の照明部106に装着されているフィルターとは異なっている。
【0021】
上述した図1の構成を用いて、4つの実施の形態を説明する。
【0022】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態では、マスター140の場合について説明する。
【0023】
図2は、図1におけるマスター140のストロボ100の構成を示す図である。
【0024】
なお、スレーブ170の構成も図2に示される構成と同様の構成となっている。
【0025】
図2において、ストロボ100は、電池202が装着されることにより電源回路203が作動し、ストロボ100を制御する制御部200に電源が供給される。
【0026】
制御部200は、CPU、ROM、RAMなどにより構成され、ストロボ100全体を制御する。この制御部200は、SW回路209におけるPOWERスイッチの状態を検出し、電源のオン、オフをコントロールする。
【0027】
また、制御部200は、SW回路209におけるMENUスイッチがユーザにより押下されると、表示回路215によりLCD220をパラメータ設定モード表示とする。そして、制御部200は、ダイアルユニット210やSETスイッチに対するユーザの操作によって、制御に必要なパラメータを設定する。
【0028】
上記ダイアルユニット210には回転方向によってパルスの出方が変わるDIAL1、及びDIAL2の切片があり、回転方向と回転数を収得する事により、スムーズにパラメータの変更が行えるようになっている。
【0029】
さらに、制御部200は、ワイヤレスセレクター211の状態により、ワイヤレスモードでの作動状態を設定する。ワイヤレスセレクター211の状態がOFFのときはワイヤレスモードで動作しない。ワイヤレスセレクター211の状態がMASTERのときはマスターとして動作する。ワイヤレスセレクター211の状態がSLAVEのときはスレーブとして動作する。
【0030】
従って、ストロボ100、及びスレーブ170のワイヤレスセレクター211の状態は、それぞれMASTER、SLAVEとなっている。
【0031】
SW回路209のPOWERスイッチによってユーザにより電源がオンとされると、それと同時に充電回路204を作動させ発光のための充電が行われる。
【0032】
接続端子213は、ストロボ100とカメラ102とを接続する端子であり、これにより、カメラ102との通信が可能となる。
【0033】
カメラ102から、レリーズ信号を受信すると、制御部200は発光回路205に指令を出してXe管206にトリガーをかけて発光させる。
【0034】
フィルター検出回路207は、フィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を検出する。
【0035】
スレーブとして動作しているとき、このフィルター情報は、通信回路212の無線ユニット(RF−u)によりマスター140へ送信される。通信手段を無線としているが有線、光通信等、いかなる手段であってもよい。
【0036】
ワイヤレス機能がOFF、またはMASTERとなっているときは、接続端子213によりカメラ102にフィルター情報が送信される。
【0037】
さらに、ワイヤレス機能がMASTERとなっているときは、通信回路212の無線ユニット(RF−u)により、スレーブ170から各々のフィルター情報を取得する。
【0038】
図3は、図2における制御部200により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【0039】
図3の警告処理は、ストロボ100の起動時などに実行される。
【0040】
図3において、スレーブ170へフィルター情報要求を送信することで(ステップS301)、スレーブ170からフィルター情報を取得する(ステップS302)。フィルター情報は、制御部200のRAMに保持される。このステップS302は、照明部にフィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を、複数の照明装置ごとに取得する取得手段に対応する。
【0041】
全てのスレーブ170からフィルター情報を取得すると(ステップS303でYES)、フィルター情報を確認する(ステップS304)。この確認とは、ストロボ100のフィルター情報、及びスレーブ170のフィルター情報が一致するか否かの確認である。このステップS304は、取得されたフィルター情報により定まる基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定する特定手段に対応する。なお、ここでの基準フィルター情報は、予め定められた照明装置がマスターであるので、マスターのフィルター情報となる。
【0042】
フィルター情報が一致しているとき(ステップS305でYES)、本処理を終了する。一方、フィルター情報が一致していないとき(ステップS305でNO)、警告表示し(ステップS306)、警告表示が終了すると(ステップS307でYES)、本処理を終了する。このステップS306は、特定された照明装置が基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する警告手段に対応する。
【0043】
上記ステップS306における警告表示とは、誤装着となっていることを警告するものである。
【0044】
この誤装着か否かの判断基準は、本実施の形態では2つある。1つは、マスター140のストロボ100のフィルター情報を用いた基準である。この基準の場合は、ストロボ100のフィルター情報が基準フィルター情報であり、これとは異なるフィルター情報となっているときは、誤装着と判断される。
【0045】
もう1つの判断基準は、ストロボ100及びスレーブ170のフィルター情報のうち、最も多いフィルター情報を用いた基準である。この基準の場合は、最も多いフィルター情報が基準フィルター情報であり、これとは異なるフィルター情報となっているときは、誤装着と判断される。なお、判断基準は、上記2つの判断基準に限るものではない。
【0046】
図1の構成の場合では、2つのいずれの基準でも、スレーブ110、及びスレーブ111が誤装着として表示対象となる。
【0047】
図4は、図1におけるストロボ100の表示部101、またはカメラ102の表示部103での警告表示例を示す図である。
【0048】
図4において、警告表示401では、例としてストロボ100のフィルター情報とは異なるフィルター情報を持つスレーブ110を示すアイコンを反転表示させることで警告を表示し、確認を促すようになっている。なお、図4のように、―,A,Bなどのフィルターの種類は表示せずに、ストロボ100のフィルター情報とは異なるフィルター情報を持つスレーブ110を示すアイコンを反転表示させるだけでもよい。また、ストロボ100のフィルター情報とは異なるフィルター情報を持つスレーブ110を示すアイコンを反転表示させるのではなく、ストロボ100のフィルター情報と同じフィルター情報を持つスレーブ110を示すアイコンを表示しないようにしてもよい。
【0049】
このように、上記ステップS306では、表示部101,103が情報を表示する表示手段に対応しており、基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を示す情報を表示部101,103に表示することにより警告する。
【0050】
なお、意図して他のスレーブと異なるフィルターを装着している場合はSW回路209のSETスイッチの操作により、警告発生を解除できる。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態によれば、フィルターの誤装着による意図しない撮影を行ってしまう事を防ぐという効果がある。
【0052】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、マスター141の場合について説明する。
【0053】
図5は、図1におけるマスター141のトランスミッター104の構成を示す図である。
【0054】
トランスミッター104は照明部を備えてなく、トランスミッター104は電池801が装着されることにより電源回路802が作動し、トランスミッター104を制御するとともに、CPU、ROM、RAMなどで構成された制御部800に電源が供給される。
【0055】
制御部800はSW回路803におけるPOWERスイッチの状態を検出し、電源のオン、オフをコントロールする。
【0056】
ユーザにより不図示のMODEボタンが押下されることにより、スレーブとして制御するためのチャンネル設定等を行うモードに入る。トランスミッター104は、表示回路808によりLED810による表示も行うことでユーザに情報を明示することができる。
【0057】
一方、複雑な設定などは接続端子806により接続されたカメラ102との通信により、カメラ102の表示部103が用いられる。
【0058】
制御部800は、ダイアルユニット804やSETスイッチに対するユーザの操作によって、制御に必要なパラメータを設定する。
【0059】
ダイアルユニット804には回転方向によってパルスの出方が変わるDIAL1、DIAL2の切片があり、回転方向と回転数を収得する事により、スムーズにパラメータの変更が行える。
【0060】
また、通信回路805の無線ユニット(RF−u)により、スレーブ170から各々のフィルター情報を取得する。接続端子213によりカメラ102に取得されたフィルター情報が送信される。
【0061】
図6は、図5における制御部800により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【0062】
図6の警告処理は、トランスミッター104の起動時などに実行される。
【0063】
図6において、スレーブ170へフィルター情報要求を送信することで(ステップS601)、スレーブ170からフィルター情報を取得する(ステップS602)。フィルター情報は、制御部800のRAMに保持される。
【0064】
全てのスレーブ170からフィルター情報を取得すると(ステップS603でYES)、フィルター情報を確認する。この確認とは、スレーブ170のフィルター情報が一致するか否かの確認である。
【0065】
フィルター情報が一致しているとき(ステップS605でYES)、本処理を終了する。一方、フィルター情報が一致していないとき(ステップS605でNO)、警告表示し(ステップS606)、警告表示が終了すると(ステップS607でYES)、本処理を終了する。
【0066】
上述した図6の警告表示処理における、警告表示、及び誤装着か否かの判断基準は、第1の実施の形態と同じである。
【0067】
図1の構成の場合では、2つのいずれの基準でも、スレーブ110、及びスレーブ111が誤装着として表示対象となる。
【0068】
図7は、図1におけるカメラ130の表示部131での警告表示例を示す図である。
【0069】
図7において、警告表示601では、例として最も多いフィルター情報とは異なるフィルター情報とは異なるフィルター情報を持つスレーブ110を示すアイコンを反転表示させることで警告を表示し、確認を促すようになっている。なお、警告表示は、第1の実施形態で説明した例を適用してもよい。
【0070】
なお、意図して他のスレーブと異なるフィルターを装着している場合はSW回路803のSETスイッチの操作により、警告発生を解除できる。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態によれば、フィルターの誤装着による意図しない撮影を行ってしまう事を防ぐという効果がある。
【0072】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、スレーブ170を用いて警告表示を実行する処理について説明する。また、本実施の形態では、マスター140,141のいずれのマスターであってもよい。
【0073】
図8は、図2における制御部200、または図5における制御部800により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【0074】
図8の警告処理は、ストロボ100、またはトランスミッター104の起動時などに実行される。なお、警告処理により警告が必要と判断した場合にはスレーブ170を発光させるので、ユーザによるフィルターの誤装着を判断する指示、例えば、ユーザにより不図示の判断ボタンが押下されたことに応じて警告処理を実行するようにするのが望ましい。また、このフローチャートでは、動作主体を制御部200として説明する。
【0075】
図8において、スレーブ170へフィルター情報要求を送信することで(ステップS801)、スレーブ170からフィルター情報を取得する(ステップS802)。フィルター情報は、制御部200のRAMに保持される。
【0076】
全てのスレーブ170からフィルター情報を取得すると(ステップS803でYES)、フィルター情報を確認する。この確認とは、スレーブ170のフィルター情報が一致するか否かの確認である。
【0077】
フィルター情報が一致しているとき(ステップS805でYES)、本処理を終了する。一方、フィルター情報が一致していないとき(ステップS805でNO)、警告表示要求を送信し(ステップS806)、警告表示要求の送信が終了すると(ステップS807でYES)、本処理を終了する。
【0078】
上述した図8の警告表示処理における、警告表示、及び誤装着か否かの判断基準は、第1の実施の形態と同じである。
【0079】
また、上記警告表示要求は、フィルター情報が異なるスレーブ170に対して、発光をさせる要求である。従って、ステップS806、807は、フィルター情報が異なるスレーブ170の個数だけループされる。ループ処理に要する時間はわずかであるので、フィルター情報が異なるスレーブ170が略同時に発光することとなる。
【0080】
図9は、警告表示要求によって発光したスレーブを示す図である。
【0081】
マスター140によって、スレーブ110,111により警告表示要求が送信され、それに応じてスレーブ110,111がほぼ同時に発光することとなる。
【0082】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ユーザの視覚的にわかりやすいように警告表示でき、その結果、フィルターの誤装着による意図しない撮影を行ってしまう事を防ぐという効果がある。
【0083】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態では、スレーブ170を用いて警告表示を実行する処理について説明する。また、本実施の形態では、マスター140,141のいずれのマスターであってもよい。
【0084】
図10は、図2における制御部200、または図5における制御部800により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【0085】
図10の警告処理は、ストロボ100、またはトランスミッター104の起動時などに実行される。なお、本実施の形態も、第3の実施の形態と同様に、ユーザによるフィルターの誤装着を判断する指示、例えば、ユーザにより不図示の判断ボタンが押下されたことに応じて警告処理を実行するようにするのが望ましい。また、このフローチャートでは、動作主体を制御部200として説明する。
【0086】
図10において、スレーブ170へフィルター情報要求を送信することで(ステップS1001)、スレーブ170からフィルター情報を取得する(ステップS1002)。フィルター情報は、制御部200のRAMに保持される。
【0087】
全てのスレーブ170からフィルター情報を取得すると(ステップS1003でYES)、フィルター情報を確認する。この確認とは、スレーブ170のフィルター情報が一致するか否かの確認である。
【0088】
フィルター情報が一致しているとき(ステップS1005でYES)、本処理を終了する。一方、フィルター情報が一致していないとき(ステップS1005でNO)、警告表示要求を送信する(ステップS1006)。この警告表示要求は、フィルター情報が一致していないスレーブ170に対して送信される。
【0089】
次いで、警告表示要求の送信が終了したか否か判別する(ステップS1007)。ステップS1007の判別の結果、警告表示要求の送信が終了すると(ステップS1007でYES)、本処理を終了する。
【0090】
一方、警告表示要求の送信が終了していないとき(ステップS1007でNO)、予め定められた時間Tミリ秒だけウェイトし(ステップS1008)、上記ステップS1006に戻る。上記予め定められた時間Tミリ秒は、例えば500ミリ秒など、ユーザが順次発光したことを識別可能な時間であればよい。
【0091】
従って、フィルター情報が一致していないスレーブ170が複数存在する場合は、この個数分だけステップS1006〜ステップS1008がループされる。
【0092】
上述した図10の警告表示処理における、警告表示、及び誤装着か否かの判断基準は、第1の実施の形態と同じである。
【0093】
また、上記警告表示要求は、フィルター情報が異なるスレーブ170に対して、発光をさせる要求である。図10の場合は、ウェイトが存在するので、フィルター情報が異なるスレーブ170のすべてに対して順次送信される。それに応じてフィルター情報が異なるスレーブ170が順次に発光することとなる。
【0094】
図11は、警告表示要求によって発光したスレーブを示す図である。
【0095】
マスター140によって、スレーブ110,111により警告表示要求が順次送信され、それに応じてスレーブ110,111が順次発光することとなる。
【0096】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ユーザの視覚的にわかりやすいように警告表示でき、その結果、フィルターの誤装着による意図しない撮影を行ってしまう事を防ぐという効果がある。
【0097】
第3,4の実施の形態によれば、基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を、略同時または時間差をおいて発光させることにより警告することとなる。
【0098】
以上説明した第1〜4の実施の形態によれば、基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定し、特定された照明装置が基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する。その結果、フィルターの誤装着を防止することができる。
【0099】
(他の実施の形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0100】
100 ストロボ
101,103,131 表示部
102,130 カメラ
104 トランスミッター
106,120,121,122,123,124 照明部
110,111,112,113,114,170 スレーブ
140,141,171 マスター
200,800 制御部
150 照明システム
401,601 警告表示
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システム、管理装置及びその制御方法、並びにプログラムに関し、特に、被写体を照明する照明システム、管理装置及びその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、環境光に撮影用の照明光の色をあわせる為に、照明光を照射する照射部にカラーフィルターを装着している。
【0003】
例えば、撮影用の照明光を照射する照射部に装着可能な装着物の識別をし、装着物がフィルターであると認識した場合に撮影画像のデータの色情報を補正する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−020298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、個々の照明装置が装着されているフィルターの種類を認識する技術であり、他の照明装置のフィルター装着状況を確認するものではない。
【0006】
従って、複数の照明装置の一部に性質の違うフィルターを誤装着してしまっていたり、フィルターの装着し忘れがあった場合でも、それらを認識できず、意図しない撮影が行われてしまう可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、照明部にフィルターを装着可能な複数の照明装置を備えた照明システムにおいて、フィルターの誤装着を防止する照明システム、管理装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の照明システムは、照明部にフィルターを装着可能な複数の照明装置を備えた照明システムであって、前記照明部にフィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を、前記複数の照明装置ごとに取得する取得手段と、前記取得手段により取得されたフィルター情報により定まる基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された照明装置が前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する警告手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、照明部にフィルターを装着可能な複数の照明装置を備えた照明システムにおいて、フィルターの誤装着を防止する照明システム、管理装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る照明システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1におけるマスターのストロボの構成を示す図である。
【図3】図2における制御部により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】図1におけるストロボの表示部、またはカメラの表示部での警告表示例を示す図である。
【図5】図1におけるマスターのトランスミッターの構成を示す図である。
【図6】図5における制御部により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図1におけるカメラの表示部での警告表示例を示す図である。
【図8】図2における制御部、または図5における制御部により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】警告表示要求によって発光したスレーブを示す図である。
【図10】図2における制御部、または図5における制御部により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】警告表示要求によって発光したスレーブを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る照明システム150の概略構成を示す図である。
【0013】
図1において、照明システム150は、撮影用の照明光の作動指示をするマスター171、及びマスター171より空間的に離れた位置に配置されるスレーブ170により構成されている。すなわち、照明システム150は、複数の照明装置を備えた照明システムとなっている。本実施の形態では、上記マスター171に管理装置が対応している。
【0014】
本実施の形態の場合、スレーブ170は、5台のスレーブ110,111,112,113,114となっているが、5台に限るものではない。
【0015】
マスター171は、2種類あり、そのうちの1つが照明部を備えたマスター140である。もう1つは、照明部を備えていないマスター141である。
【0016】
マスター140は、ストロボ100、ストロボ100の表示部101、照明部106、マスターストロボが装着されるカメラ102、及びカメラ102の表示部103を備えている。なお、照明部106は、図に示される方向からは見えないため、便宜的に図のように示している。また、照明部106は、環境光に合わせた照明光にするためのフィルターが装着可能となっており、照明部106には、フィルターAが装着されている。
【0017】
マスター141は、トランスミッター104、カメラ130、及びカメラ130の表示部131を備えている。
【0018】
一方、スレーブ110,111,112,113,114は、それぞれ照明部120,121,122,123,124を備えている。そして、照明部120,121,122,123,124は、環境光に合わせた照明光にするためのフィルターが装着可能となっている。
【0019】
図1の場合、照明部122,123,124には、フィルターAが装着されている。また、照明部120には、フィルターBが装着されている。そして、照明部121には、フィルターが装着されていない。
【0020】
すなわち、照明部120,121は、マスター140の照明部106に装着されているフィルターとは異なっている。
【0021】
上述した図1の構成を用いて、4つの実施の形態を説明する。
【0022】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態では、マスター140の場合について説明する。
【0023】
図2は、図1におけるマスター140のストロボ100の構成を示す図である。
【0024】
なお、スレーブ170の構成も図2に示される構成と同様の構成となっている。
【0025】
図2において、ストロボ100は、電池202が装着されることにより電源回路203が作動し、ストロボ100を制御する制御部200に電源が供給される。
【0026】
制御部200は、CPU、ROM、RAMなどにより構成され、ストロボ100全体を制御する。この制御部200は、SW回路209におけるPOWERスイッチの状態を検出し、電源のオン、オフをコントロールする。
【0027】
また、制御部200は、SW回路209におけるMENUスイッチがユーザにより押下されると、表示回路215によりLCD220をパラメータ設定モード表示とする。そして、制御部200は、ダイアルユニット210やSETスイッチに対するユーザの操作によって、制御に必要なパラメータを設定する。
【0028】
上記ダイアルユニット210には回転方向によってパルスの出方が変わるDIAL1、及びDIAL2の切片があり、回転方向と回転数を収得する事により、スムーズにパラメータの変更が行えるようになっている。
【0029】
さらに、制御部200は、ワイヤレスセレクター211の状態により、ワイヤレスモードでの作動状態を設定する。ワイヤレスセレクター211の状態がOFFのときはワイヤレスモードで動作しない。ワイヤレスセレクター211の状態がMASTERのときはマスターとして動作する。ワイヤレスセレクター211の状態がSLAVEのときはスレーブとして動作する。
【0030】
従って、ストロボ100、及びスレーブ170のワイヤレスセレクター211の状態は、それぞれMASTER、SLAVEとなっている。
【0031】
SW回路209のPOWERスイッチによってユーザにより電源がオンとされると、それと同時に充電回路204を作動させ発光のための充電が行われる。
【0032】
接続端子213は、ストロボ100とカメラ102とを接続する端子であり、これにより、カメラ102との通信が可能となる。
【0033】
カメラ102から、レリーズ信号を受信すると、制御部200は発光回路205に指令を出してXe管206にトリガーをかけて発光させる。
【0034】
フィルター検出回路207は、フィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を検出する。
【0035】
スレーブとして動作しているとき、このフィルター情報は、通信回路212の無線ユニット(RF−u)によりマスター140へ送信される。通信手段を無線としているが有線、光通信等、いかなる手段であってもよい。
【0036】
ワイヤレス機能がOFF、またはMASTERとなっているときは、接続端子213によりカメラ102にフィルター情報が送信される。
【0037】
さらに、ワイヤレス機能がMASTERとなっているときは、通信回路212の無線ユニット(RF−u)により、スレーブ170から各々のフィルター情報を取得する。
【0038】
図3は、図2における制御部200により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【0039】
図3の警告処理は、ストロボ100の起動時などに実行される。
【0040】
図3において、スレーブ170へフィルター情報要求を送信することで(ステップS301)、スレーブ170からフィルター情報を取得する(ステップS302)。フィルター情報は、制御部200のRAMに保持される。このステップS302は、照明部にフィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を、複数の照明装置ごとに取得する取得手段に対応する。
【0041】
全てのスレーブ170からフィルター情報を取得すると(ステップS303でYES)、フィルター情報を確認する(ステップS304)。この確認とは、ストロボ100のフィルター情報、及びスレーブ170のフィルター情報が一致するか否かの確認である。このステップS304は、取得されたフィルター情報により定まる基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定する特定手段に対応する。なお、ここでの基準フィルター情報は、予め定められた照明装置がマスターであるので、マスターのフィルター情報となる。
【0042】
フィルター情報が一致しているとき(ステップS305でYES)、本処理を終了する。一方、フィルター情報が一致していないとき(ステップS305でNO)、警告表示し(ステップS306)、警告表示が終了すると(ステップS307でYES)、本処理を終了する。このステップS306は、特定された照明装置が基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する警告手段に対応する。
【0043】
上記ステップS306における警告表示とは、誤装着となっていることを警告するものである。
【0044】
この誤装着か否かの判断基準は、本実施の形態では2つある。1つは、マスター140のストロボ100のフィルター情報を用いた基準である。この基準の場合は、ストロボ100のフィルター情報が基準フィルター情報であり、これとは異なるフィルター情報となっているときは、誤装着と判断される。
【0045】
もう1つの判断基準は、ストロボ100及びスレーブ170のフィルター情報のうち、最も多いフィルター情報を用いた基準である。この基準の場合は、最も多いフィルター情報が基準フィルター情報であり、これとは異なるフィルター情報となっているときは、誤装着と判断される。なお、判断基準は、上記2つの判断基準に限るものではない。
【0046】
図1の構成の場合では、2つのいずれの基準でも、スレーブ110、及びスレーブ111が誤装着として表示対象となる。
【0047】
図4は、図1におけるストロボ100の表示部101、またはカメラ102の表示部103での警告表示例を示す図である。
【0048】
図4において、警告表示401では、例としてストロボ100のフィルター情報とは異なるフィルター情報を持つスレーブ110を示すアイコンを反転表示させることで警告を表示し、確認を促すようになっている。なお、図4のように、―,A,Bなどのフィルターの種類は表示せずに、ストロボ100のフィルター情報とは異なるフィルター情報を持つスレーブ110を示すアイコンを反転表示させるだけでもよい。また、ストロボ100のフィルター情報とは異なるフィルター情報を持つスレーブ110を示すアイコンを反転表示させるのではなく、ストロボ100のフィルター情報と同じフィルター情報を持つスレーブ110を示すアイコンを表示しないようにしてもよい。
【0049】
このように、上記ステップS306では、表示部101,103が情報を表示する表示手段に対応しており、基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を示す情報を表示部101,103に表示することにより警告する。
【0050】
なお、意図して他のスレーブと異なるフィルターを装着している場合はSW回路209のSETスイッチの操作により、警告発生を解除できる。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態によれば、フィルターの誤装着による意図しない撮影を行ってしまう事を防ぐという効果がある。
【0052】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、マスター141の場合について説明する。
【0053】
図5は、図1におけるマスター141のトランスミッター104の構成を示す図である。
【0054】
トランスミッター104は照明部を備えてなく、トランスミッター104は電池801が装着されることにより電源回路802が作動し、トランスミッター104を制御するとともに、CPU、ROM、RAMなどで構成された制御部800に電源が供給される。
【0055】
制御部800はSW回路803におけるPOWERスイッチの状態を検出し、電源のオン、オフをコントロールする。
【0056】
ユーザにより不図示のMODEボタンが押下されることにより、スレーブとして制御するためのチャンネル設定等を行うモードに入る。トランスミッター104は、表示回路808によりLED810による表示も行うことでユーザに情報を明示することができる。
【0057】
一方、複雑な設定などは接続端子806により接続されたカメラ102との通信により、カメラ102の表示部103が用いられる。
【0058】
制御部800は、ダイアルユニット804やSETスイッチに対するユーザの操作によって、制御に必要なパラメータを設定する。
【0059】
ダイアルユニット804には回転方向によってパルスの出方が変わるDIAL1、DIAL2の切片があり、回転方向と回転数を収得する事により、スムーズにパラメータの変更が行える。
【0060】
また、通信回路805の無線ユニット(RF−u)により、スレーブ170から各々のフィルター情報を取得する。接続端子213によりカメラ102に取得されたフィルター情報が送信される。
【0061】
図6は、図5における制御部800により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【0062】
図6の警告処理は、トランスミッター104の起動時などに実行される。
【0063】
図6において、スレーブ170へフィルター情報要求を送信することで(ステップS601)、スレーブ170からフィルター情報を取得する(ステップS602)。フィルター情報は、制御部800のRAMに保持される。
【0064】
全てのスレーブ170からフィルター情報を取得すると(ステップS603でYES)、フィルター情報を確認する。この確認とは、スレーブ170のフィルター情報が一致するか否かの確認である。
【0065】
フィルター情報が一致しているとき(ステップS605でYES)、本処理を終了する。一方、フィルター情報が一致していないとき(ステップS605でNO)、警告表示し(ステップS606)、警告表示が終了すると(ステップS607でYES)、本処理を終了する。
【0066】
上述した図6の警告表示処理における、警告表示、及び誤装着か否かの判断基準は、第1の実施の形態と同じである。
【0067】
図1の構成の場合では、2つのいずれの基準でも、スレーブ110、及びスレーブ111が誤装着として表示対象となる。
【0068】
図7は、図1におけるカメラ130の表示部131での警告表示例を示す図である。
【0069】
図7において、警告表示601では、例として最も多いフィルター情報とは異なるフィルター情報とは異なるフィルター情報を持つスレーブ110を示すアイコンを反転表示させることで警告を表示し、確認を促すようになっている。なお、警告表示は、第1の実施形態で説明した例を適用してもよい。
【0070】
なお、意図して他のスレーブと異なるフィルターを装着している場合はSW回路803のSETスイッチの操作により、警告発生を解除できる。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態によれば、フィルターの誤装着による意図しない撮影を行ってしまう事を防ぐという効果がある。
【0072】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、スレーブ170を用いて警告表示を実行する処理について説明する。また、本実施の形態では、マスター140,141のいずれのマスターであってもよい。
【0073】
図8は、図2における制御部200、または図5における制御部800により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【0074】
図8の警告処理は、ストロボ100、またはトランスミッター104の起動時などに実行される。なお、警告処理により警告が必要と判断した場合にはスレーブ170を発光させるので、ユーザによるフィルターの誤装着を判断する指示、例えば、ユーザにより不図示の判断ボタンが押下されたことに応じて警告処理を実行するようにするのが望ましい。また、このフローチャートでは、動作主体を制御部200として説明する。
【0075】
図8において、スレーブ170へフィルター情報要求を送信することで(ステップS801)、スレーブ170からフィルター情報を取得する(ステップS802)。フィルター情報は、制御部200のRAMに保持される。
【0076】
全てのスレーブ170からフィルター情報を取得すると(ステップS803でYES)、フィルター情報を確認する。この確認とは、スレーブ170のフィルター情報が一致するか否かの確認である。
【0077】
フィルター情報が一致しているとき(ステップS805でYES)、本処理を終了する。一方、フィルター情報が一致していないとき(ステップS805でNO)、警告表示要求を送信し(ステップS806)、警告表示要求の送信が終了すると(ステップS807でYES)、本処理を終了する。
【0078】
上述した図8の警告表示処理における、警告表示、及び誤装着か否かの判断基準は、第1の実施の形態と同じである。
【0079】
また、上記警告表示要求は、フィルター情報が異なるスレーブ170に対して、発光をさせる要求である。従って、ステップS806、807は、フィルター情報が異なるスレーブ170の個数だけループされる。ループ処理に要する時間はわずかであるので、フィルター情報が異なるスレーブ170が略同時に発光することとなる。
【0080】
図9は、警告表示要求によって発光したスレーブを示す図である。
【0081】
マスター140によって、スレーブ110,111により警告表示要求が送信され、それに応じてスレーブ110,111がほぼ同時に発光することとなる。
【0082】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ユーザの視覚的にわかりやすいように警告表示でき、その結果、フィルターの誤装着による意図しない撮影を行ってしまう事を防ぐという効果がある。
【0083】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態では、スレーブ170を用いて警告表示を実行する処理について説明する。また、本実施の形態では、マスター140,141のいずれのマスターであってもよい。
【0084】
図10は、図2における制御部200、または図5における制御部800により実行される警告処理の手順を示すフローチャートである。
【0085】
図10の警告処理は、ストロボ100、またはトランスミッター104の起動時などに実行される。なお、本実施の形態も、第3の実施の形態と同様に、ユーザによるフィルターの誤装着を判断する指示、例えば、ユーザにより不図示の判断ボタンが押下されたことに応じて警告処理を実行するようにするのが望ましい。また、このフローチャートでは、動作主体を制御部200として説明する。
【0086】
図10において、スレーブ170へフィルター情報要求を送信することで(ステップS1001)、スレーブ170からフィルター情報を取得する(ステップS1002)。フィルター情報は、制御部200のRAMに保持される。
【0087】
全てのスレーブ170からフィルター情報を取得すると(ステップS1003でYES)、フィルター情報を確認する。この確認とは、スレーブ170のフィルター情報が一致するか否かの確認である。
【0088】
フィルター情報が一致しているとき(ステップS1005でYES)、本処理を終了する。一方、フィルター情報が一致していないとき(ステップS1005でNO)、警告表示要求を送信する(ステップS1006)。この警告表示要求は、フィルター情報が一致していないスレーブ170に対して送信される。
【0089】
次いで、警告表示要求の送信が終了したか否か判別する(ステップS1007)。ステップS1007の判別の結果、警告表示要求の送信が終了すると(ステップS1007でYES)、本処理を終了する。
【0090】
一方、警告表示要求の送信が終了していないとき(ステップS1007でNO)、予め定められた時間Tミリ秒だけウェイトし(ステップS1008)、上記ステップS1006に戻る。上記予め定められた時間Tミリ秒は、例えば500ミリ秒など、ユーザが順次発光したことを識別可能な時間であればよい。
【0091】
従って、フィルター情報が一致していないスレーブ170が複数存在する場合は、この個数分だけステップS1006〜ステップS1008がループされる。
【0092】
上述した図10の警告表示処理における、警告表示、及び誤装着か否かの判断基準は、第1の実施の形態と同じである。
【0093】
また、上記警告表示要求は、フィルター情報が異なるスレーブ170に対して、発光をさせる要求である。図10の場合は、ウェイトが存在するので、フィルター情報が異なるスレーブ170のすべてに対して順次送信される。それに応じてフィルター情報が異なるスレーブ170が順次に発光することとなる。
【0094】
図11は、警告表示要求によって発光したスレーブを示す図である。
【0095】
マスター140によって、スレーブ110,111により警告表示要求が順次送信され、それに応じてスレーブ110,111が順次発光することとなる。
【0096】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ユーザの視覚的にわかりやすいように警告表示でき、その結果、フィルターの誤装着による意図しない撮影を行ってしまう事を防ぐという効果がある。
【0097】
第3,4の実施の形態によれば、基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を、略同時または時間差をおいて発光させることにより警告することとなる。
【0098】
以上説明した第1〜4の実施の形態によれば、基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定し、特定された照明装置が基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する。その結果、フィルターの誤装着を防止することができる。
【0099】
(他の実施の形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0100】
100 ストロボ
101,103,131 表示部
102,130 カメラ
104 トランスミッター
106,120,121,122,123,124 照明部
110,111,112,113,114,170 スレーブ
140,141,171 マスター
200,800 制御部
150 照明システム
401,601 警告表示
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明部にフィルターを装着可能な複数の照明装置を備えた照明システムであって、
前記照明部にフィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を、前記複数の照明装置ごとに取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたフィルター情報により定まる基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された照明装置が前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する警告手段と
を備えたことを特徴とする照明システム。
【請求項2】
情報を表示する表示手段をさらに備え、
前記警告手段は、前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を示す情報を前記表示手段に表示することにより警告することを特徴とする請求項1記載の照明システム。
【請求項3】
前記警告手段は、前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を、略同時または時間差をおいて発光させることにより警告することを特徴とする請求項1または2記載の照明システム。
【請求項4】
前記特定手段は、前記基準フィルター情報を、予め定められた照明装置のフィルター情報か、または前記取得手段により取得されたフィルター情報のうち、最も多いフィルター情報として照明装置を特定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項5】
照明部にフィルターを装着可能な複数の照明装置を備えた照明システムにおける管理装置であって、
前記照明部にフィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を、前記複数の照明装置ごとに取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたフィルター情報により定まる基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された照明装置が前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する警告手段と
を備えたことを特徴とする管理装置。
【請求項6】
情報を表示する表示手段をさらに備え、
前記警告手段は、前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を示す情報を前記表示手段に表示することにより警告することを特徴とする請求項5記載の管理装置。
【請求項7】
前記警告手段は、前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を、略同時または時間差をおいて発光させることにより警告することを特徴とする請求項5または6記載の管理装置。
【請求項8】
前記特定手段は、前記基準フィルター情報を、予め定められた照明装置のフィルター情報か、または前記取得手段により取得されたフィルター情報のうち、最も多いフィルター情報として照明装置を特定することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項9】
照明部にフィルターを装着可能な複数の照明装置を備えた照明システムにおける管理装置の制御方法であって、
前記照明部にフィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を、前記複数の照明装置ごとに取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得されたフィルター情報により定まる基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定された照明装置が前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する警告ステップと
を備えたことを特徴とする制御方法。
【請求項10】
照明部にフィルターを装着可能な複数の照明装置を備えた照明システムにおける管理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記制御方法は、
前記照明部にフィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を、前記複数の照明装置ごとに取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得されたフィルター情報により定まる基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定された照明装置が前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する警告ステップと
を備えたことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
照明部にフィルターを装着可能な複数の照明装置を備えた照明システムであって、
前記照明部にフィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を、前記複数の照明装置ごとに取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたフィルター情報により定まる基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された照明装置が前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する警告手段と
を備えたことを特徴とする照明システム。
【請求項2】
情報を表示する表示手段をさらに備え、
前記警告手段は、前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を示す情報を前記表示手段に表示することにより警告することを特徴とする請求項1記載の照明システム。
【請求項3】
前記警告手段は、前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を、略同時または時間差をおいて発光させることにより警告することを特徴とする請求項1または2記載の照明システム。
【請求項4】
前記特定手段は、前記基準フィルター情報を、予め定められた照明装置のフィルター情報か、または前記取得手段により取得されたフィルター情報のうち、最も多いフィルター情報として照明装置を特定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項5】
照明部にフィルターを装着可能な複数の照明装置を備えた照明システムにおける管理装置であって、
前記照明部にフィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を、前記複数の照明装置ごとに取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたフィルター情報により定まる基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された照明装置が前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する警告手段と
を備えたことを特徴とする管理装置。
【請求項6】
情報を表示する表示手段をさらに備え、
前記警告手段は、前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を示す情報を前記表示手段に表示することにより警告することを特徴とする請求項5記載の管理装置。
【請求項7】
前記警告手段は、前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を、略同時または時間差をおいて発光させることにより警告することを特徴とする請求項5または6記載の管理装置。
【請求項8】
前記特定手段は、前記基準フィルター情報を、予め定められた照明装置のフィルター情報か、または前記取得手段により取得されたフィルター情報のうち、最も多いフィルター情報として照明装置を特定することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項9】
照明部にフィルターを装着可能な複数の照明装置を備えた照明システムにおける管理装置の制御方法であって、
前記照明部にフィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を、前記複数の照明装置ごとに取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得されたフィルター情報により定まる基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定された照明装置が前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する警告ステップと
を備えたことを特徴とする制御方法。
【請求項10】
照明部にフィルターを装着可能な複数の照明装置を備えた照明システムにおける管理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記制御方法は、
前記照明部にフィルターが装着されているか否かを示すとともに、フィルターが装着されているときは、当該フィルターを特定するフィルター情報を、前記複数の照明装置ごとに取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得されたフィルター情報により定まる基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定された照明装置が前記基準フィルター情報と一致しないフィルター情報の照明装置であることを警告する警告ステップと
を備えたことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−109213(P2013−109213A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255054(P2011−255054)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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