説明

照明システムおよび方法、これに使用するためのリフレクタ

【課題】より効率的な光線の案内を可能にする照明システムを提供する。
【解決手段】照明のためのシステムと方法と装置は、放物面セグメントを有するリフレクタを備えている。一の照明システムは、1つ以上のリフレクタセグメント210bを有するリフレクタを含む。各リフレクタセグメントは、ほぼ放物面状であり、対称中心軸140bを有する。照明システムはまた、1つ以上の光源を有する照射部分も含む。各光源は、リフレクタセグメントの一つに対応し、照射中心軸130を有している。照射中心軸は、対応するセグメントに向けられており、対応するセグメントの対称中心軸に対してほぼ直角である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね照明システムの分野に関連する。より詳細には、本発明は、照射が改良された照明システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明システムは概して、電球などの光源と、所望の方向に光線を案内するためのリフレクタとを含む。一般的な電球は、光線を球形パターンで分散させる。光線を所望の方向に集中させるために、従来の照明システムは、光源の後方に配置されたリフレクタを使用して、球形パターンの2分の1からの光線を反射する。しかし、それでも反射光線と、球形パターンの非反射の2分の1からの直接光線は、かなり散乱する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、より効率的な光線の案内を可能にする照明システムを設けることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示される本発明の実施の形態では、照明のためのシステムと方法と装置が提供される。本発明の実施の形態による装置は、放物面セグメントを備えるリフレクタを含む。LEDなどの光源は、光源からの光線がリフレクタへと横方向に案内されるように配置される。こうして光源からの光線のほぼすべてがリフレクタの表面に当たる。光源が放物面セグメントの焦点またはその付近に配置されると、光線はほぼ平行なビームとして反射する。
【0005】
一つの態様において、本発明には、1つ以上のリフレクタセグメントを有するリフレクタを含む照明システムが含まれる。各リフレクタセグメントは、ほぼ放物面状であり、対称中心軸を有する。照明システムも、1つ以上の光源を有する照射部分を含む。各光源は、リフレクタセグメントの一つに対応し、照射中心軸を有する。照射中心軸は、対応セグメントに向けられており、対応するセグメントの対称中心軸に対してほぼ直角である。
【0006】
「リフレクタ」は、光線を反射するのに適した表面を含む。リフレクタは、金属を含む様々な材料で製造されてもよい。
【0007】
「リフレクタセグメント」は、ほぼ連続した表面を備えるリフレクタまたはリフレクタの一部分である。ここで、「リフレクタセグメント」は部分的放物面を含む。部分的放物面は、270度までの回転により形成される放物面、特定の実施例では約90度と約180度の間の回転により形成される放物面の一部分を含んでもよい。
【0008】
ここで、「放物面状」は、放物面の一部である三次元形状を有するものを指す。放物面は、対称中心軸を中心とする放物線の回転面である。放物面は、焦点にある光源からの発散光のビームを平行ビームに変えることができるという有益な性質を持つ。
【0009】
「対称中心軸」は、それを中心に放物線が回転して放物面を生成する軸である。
【0010】
「光源」は、電球、発光ダイオード、または光線の発生に適した他の要素である。
【0011】
「照射中心軸」は、光源からの光線ビームの中心線を指す。したがって、例えば、半球状の光線分布を持つ光源については、照射中心軸は、球の中心と半球の頂点を通る。
【0012】
ここで、「ほぼ直角な」は、およそ90度での交差を指す。これに関して、「ほぼ直角な」は60度と120度の間の角度を含んでもよい。特定の実施例では、「ほぼ直角な」は、70度と110度の間、より詳しくは80度と100度の間の角度を含んでもよい。
【0013】
一実施例において、各光源は対応のリフレクタセグメントの焦点に配置される。
【0014】
「焦点」は、放物面の表面に当たってそこから反射される平行線が交差する放物面の内部の点である。
【0015】
一実施例において、各光源は発光ダイオード(LED)を含む。
【0016】
リフレクタは、閉じたリフレクタを形成する2つ以上のリフレクタセグメントを含んでもよい。一実施例において、リフレクタは3つのリフレクタセグメントを含む。特定の実施例において、各リフレクタセグメントの対称軸は、閉じたリフレクタのリフレクタ中心軸からオフセットしている。
【0017】
ここで、「閉じたリフレクタ」は、閉じた断面を有するリフレクタを形成するように相互に隣接して配置されたほぼ放物面状のセグメントを備えるリフレクタを指す。
【0018】
ここで、「オフセット」は、ほぼ平行な軸の間に距離があることを指す。
【0019】
「リフレクタ中心軸」は、閉じたリフレクタの重心に沿った軸であってよい。
【0020】
リフレクタは、1つ以上のリフレクタアレイを形成する2つ以上のリフレクタセグメントを含んでもよい。一実施例において、各リフレクタアレイは線形アレイである。特定実施例においては、2つ以上のリフレクタアレイが、リフレクタマトリックスを形成するように配置される。
【0021】
「アレイ」は、連続する1つ以上のリフレクタセグメントを指す。
【0022】
「線形アレイ」は、リフレクタセグメントがほぼ直線に沿って並べられたアレイである。
【0023】
「マトリックス」は、複数のアレイが配列されたものである。
【0024】
本発明の別の態様において、照明方法は、1つ以上のリフレクタセグメントを有するリフレクタを設けることを含む。各リフレクタセグメントはほぼ放物面状であって、対称中心軸を有する。この方法は、光源の照射中心軸がリフレクタセグメントの一つに向けられかつリフレクタセグメントの対称中心軸に対してほぼ直角となる状態に、光源を配置することも含む。光源の配置は、必要であれば追加のリフレクタセグメントの各々について繰り返される。
【0025】
別の態様では、照明システムのリフレクタは、2つ以上のリフレクタセグメントを含む。各リフレクタセグメントは、ほぼ放物面状であって対称中心軸を有する。リフレクタセグメントは、閉じたリフレクタを形成するように構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1〜4を参照すると、照明システム10の一実施形態が例示されている。照明システム10は、照射部分100とリフレクタ200とを含む。照射部分100は、ベース120と光源110a〜cとを含む。ベース120は、光源110a〜cを取り付けるためのものであって、光源110a〜cへの電力の制御・供給を行う適当な電気接続のために設けられてもよい。電力は、例えばバッテリまたは電気コンセントから供給されてもよい。ベースは基板などの絶縁材料で形成され、電気接続が埋設されるか表面に配置されてもよい。
【0027】
図1〜4に例示された照明システムの一実施形態は、3つの光源110a〜cを含み、ベース120は、3つの光源110a〜cを支持するようにほぼ三角形の形態を持つ構造である。他の形態では、適当な形態のベースとともに他の数の光源が使用されてもよい。さらに後述するように、対応する形態のリフレクタ200が使用されてもよい。
【0028】
上記のように、例示された照射システム100の実施形態は、3つの光源110a〜cを備える。光源110a〜cは、ベース120上の制御用・電力用接点との電気接続を行う電気導線を含んでもよい。一実施例において、光源110a〜cは発光ダイオード(LED)である。LEDは一般的に、ほぼ半球パターンで光線を分散させる。各LED光源110a〜cは、LED光源110a〜cからの光線ビームの中心線である照射中心軸130を有する(図4参照)。LEDなど半球状の光線分布を持つ光源では、照射中心軸130は一般的に半球の球中心と頂点とを通る。
【0029】
リフレクタ200は、1つ以上のリフレクタセグメント210a〜cを備える。図1〜4に例示された実施形態では、リフレクタ200は、各々が光源110a〜cに対応する3つのリフレクタセグメント210a〜cを備える。リフレクタ200は、光線の反射に適した表面を含み、アルミニウムなどの金属を含む様々な材料で製造されてもよい。各リフレクタセグメント210a〜cは、ほぼ連続する表面を備えるリフレクタまたはリフレクタの一部分である。各リフレクタセグメント210a〜cは、ほぼ放物面状であって、部分的放物面を含む。放物面形状は、放物線が回転して放物面を生成する際の中心となる対称中心軸を中心とする放物線の回転面である放物面の一部である三次元形状である。図4に例示されているように、各放物面リフレクタセグメント210bは、対称中心軸140bに対応する。
【0030】
様々な実施形態では、各放物面リフレクタセグメント210a〜cは、270度までの回転により形成される放物面の一部分を含んでもよい。LEDについては、約90度と180度の間の回転により形成されるリフレクタセグメントが望ましい。3つの光源110a〜cと3つのリフレクタセグメント210a〜cとを備える図1から4に例示された実施形態では、各リフレクタセグメント210a〜cは120度と135度の間の回転により形成されてもよい。
【0031】
このように、各光源110a〜cは、リフレクタセグメント210a〜cの一つに対応している。特定の実施例では、各光源110a〜cは、対応する放物面リフレクタセグメント210a〜cのほぼ焦点に配置される。焦点は、放物面の表面に当たってそこから反射する平行線が交差する放物面の内部の点である。
【0032】
各光源110a〜cの照射中心軸130は、対応するリフレクタセグメント210a〜cに向けられており、対応するリフレクタセグメント210a〜cの対称中心軸140bに対してほぼ直角である。したがって、各光源110a〜cは、照射中心軸130と対称中心軸140bとの間の角度がおよそ90度となるように配置される。この角度は、60度と120度の間、詳しくは70度と110度の間、より詳しくは80度と100度の間の角度を含んでもよい。
【0033】
図1〜4に例示されたようなある実施形態では、リフレクタ200は、閉じたリフレクタを形成する2つ以上のリフレクタセグメント210a〜cを含んでもよい。図1〜4に例示された特定の実施形態では、リフレクタ200は、3つのリフレクタセグメント210a〜cを含む。上記のように、各リフレクタセグメント210a〜cは、270度までの回転により形成される放物面の一部分を含んでもよい。3つのリフレクタセグメント210a〜cで形成されるリフレクタ200の場合には、各リフレクタセグメント210a〜cはおよそ130度の回転により形成されてもよい。これに関して、各リフレクタセグメント210a〜cの対称軸140bは、閉じたリフレクタ200のリフレクタ中心軸150からオフセットしている。例示された実施形態では、リフレクタ中心軸150は、ベース120の中心を通るだけでなく、閉じたリフレクタ200の重心を通る。一方、各リフレクタセグメント210a〜cの対称軸140bは、対応する光源110a〜cまたは焦点を通る。
【0034】
他の実施の形態では、リフレクタは1つ以上のリフレクタアレイを形成する2つ以上のリフレクタセグメントを含んでもよい。2つのこのような実施例が、図5と6に例示されている。最初に図5を参照すると、照明システム300は、ハウジング310内に配置された照明装置320を有するものとして例示されている。照明装置320は、アレイに配列された、連続する放物面リフレクタセグメント322を含む。図5に例示された実施例では、リフレクタアレイは、直線上に配置されたリフレクタセグメント322を備える線形アレイである。各リフレクタセグメント322は、LEDなどの対応する光源324を備える。
【0035】
図6に例示された別の実施形態では、照明システム400はリフレクタマトリックスを形成するように配列された2つ以上のリフレクタアレイを備えてもよい。このようにして、各アレイが4つのリフレクタセグメントで構成される2つのアレイから二次元マトリックスが形成される。
【0036】
以上の本発明の実施例の説明は、例示と説明を目的として提示されたものである。ここでは、発明を網羅的に記載することや、開示されたもの自体に発明を限定することは意図されていない。上述の教示や本発明の実施で得られるものに鑑みて、修正および変形が可能である。実施の形態は、本発明の原理および実際の用途を説明して当該技術の熟練者が様々な実施形態および考えられる特定の用途に適した様々な修正に本発明を利用できるようにするために、選択および記載された。発明の範囲は、添付された特許請求の範囲およびその均等物により規定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態における照明システムの分解斜視図である。
【図2】組み立てた状態における図1の照明システムの斜視図を示す。
【図3】図1の照明システムの正面図を示す。
【図4】図1〜3の照明システムのIV−IV断面図である。
【図5】照明システムの別の実施形態の平面図である。
【図6】照明システムのさらに別の実施形態の平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のリフレクタセグメントを有するリフレクタであって、前記リフレクタセグメントの各々がほぼ放物面状であるとともに対称中心軸を有する前記リフレクタと、
1つ以上の光源を有する照射部分であって、前記光源の各々が前記リフレクタセグメントの一つに対応するとともに照射中心軸を有する前記照射部分と、
を備え、
前記照射中心軸が、前記対応するセグメントに向けられ、かつ、前記対応セグメントの前記対称中心軸に対してほぼ直角であることを特徴とする照明システム。
【請求項2】
各光源が前記対応するリフレクタセグメントの焦点に配置されることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
各光源が発光ダイオード(LED)を含むことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記リフレクタは、閉じたリフレクタを形成する2つ以上のリフレクタセグメントを含むことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記リフレクタが3つのリフレクタセグメントを含むことを特徴とする請求項4記載のシステム。
【請求項6】
各リフレクタセグメントの前記対称中心軸は、前記閉じたリフレクタのリフレクタ中心軸からオフセットしていることを特徴とする請求項4記載のシステム。
【請求項7】
前記リフレクタは、1つ以上のリフレクタアレイを形成する2つ以上のリフレクタセグメントを含むことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項8】
各リフレクタアレイが線形アレイであることを特徴とする請求項7記載のシステム。
【請求項9】
2つ以上のリフレクタアレイが、リフレクタマトリックスを形成するように配置されることを特徴とする請求項8記載のシステム。
【請求項10】
a)1つ以上のリフレクタセグメントを有するリフレクタであって、前記リフレクタセグメントの各々がほぼ放物面状であるとともに対称中心軸を有する前記リフレクタを設けることと、
b)光源の照射中心軸が前記リフレクタセグメントの一つに向けられかつ前記リフレクタセグメントの前記対称中心軸に対してほぼ直角となる状態に、光源を配置することと、
c)追加のリフレクタセグメントの各々について、必要に応じて前記光源の配置を繰り返すことと、
を含むことを特徴とする照明方法。
【請求項11】
前記光源の配置が、前記対応するリフレクタセグメントの焦点に各光源を配置することを含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
各光源が発光ダイオード(LED)を含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記リフレクタは、閉じたリフレクタを形成する2つ以上のリフレクタセグメントを含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項14】
前記リフレクタが3つのリフレクタセグメントを含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
各リフレクタセグメントの前記対称中心軸は、前記閉じたリフレクタのリフレクタ中心軸からオフセットしていることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記リフレクタは、1つ以上のリフレクタアレイを形成する2つ以上のリフレクタセグメントを含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項17】
各リフレクタアレイが線形アレイであることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
2つ以上のリフレクタアレイが、リフレクタマトリックスを形成するように配置されることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
2つ以上のリフレクタセグメントを備え、
前記リフレクタセグメントの各々は、ほぼ放物面状であるとともに対称中心軸を有し、
前記リフレクタセグメントは、閉じたリフレクタを形成するように配置されることを特徴とする照明システムのリフレクタ。
【請求項20】
前記2つ以上のリフレクタセグメントは、3つのリフレクタセグメントを含むことを特徴とする請求項19記載のリフレクタ。
【請求項21】
各リフレクタセグメントの前記対称中心軸は、前記閉じたリフレクタのリフレクタ中心軸からオフセットしていることを特徴とする請求項19記載のリフレクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−58485(P2013−58485A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−232553(P2012−232553)
【出願日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【分割の表示】特願2007−556379(P2007−556379)の分割
【原出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(508313150)アンダーウォーター・キネティクス・リミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ (2)
【氏名又は名称原語表記】UNDERWATER KINETICS, LLP
【Fターム(参考)】