説明

照明付厨房装置

【課題】カウンターを照らす場合に照明手段でカウンター全面を照らして電力が無駄になってしまうのを防止する照明付厨房装置を提供する。
【解決手段】左右方向を長手方向とする調理台2と、調理台2の左右方向にずれた複数の領域31をそれぞれ照らす各領域31毎の照明手段6と、調理台2の前記各照明手段が照らす領域31の前方に位置する人体8をそれぞれ検知するように前記各照明手段6に対応して設けられる人体検知センサ7と、一人体検知センサ7で人体8を検知した時に該人体検知センサ7に対応する照明手段6を点灯する制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明手段を備えた厨房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、シンク及びコンロを有するカウンターと、照明手段と、を備えた厨房装置が利用されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
カウンターは、左右方向の一側部にシンクが設置され、他側部にコンロが設置されており、カウンターの全面を照らす照明手段が設けられており、調理を行う時には照明手段を点灯してカウンターを照らし、調理を行わない時には照明手段を消灯する。
【0004】
しかしながら、上記従来例にあっては、照明手段でカウンター全面を照らすか消灯するかのいずれかであるため、使用者がシンクのみあるいはコンロのみを使用しようとする時でもカウンター全面を照らすこととなり、照らす必要がない部分まで照らして電力が無駄になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−000308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、カウンターを照らす場合に照明手段でカウンター全面を照らして電力が無駄になってしまうのを防止する照明付厨房装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明付厨房装置は、左右方向を長手方向とする調理台2と、調理台2の左右方向にずれた複数の領域31をそれぞれ照らす各領域31毎の照明手段6と、調理台2の前記各照明手段が照らす領域31の前方に位置する人体8をそれぞれ検知するように前記各照明手段6に対応して設けられる人体検知センサ7と、一人体検知センサ7で人体8を検知した時に該人体検知センサ7に対応する照明手段6を点灯する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、照明手段6が照らす各領域31毎に対応する人体検知センサ7と照明手段6がそれぞれ設けられているため、人体が検知されて照明が必要な領域のみ照明手段6で照らすことができる。
【0009】
また本発明は、隣接する両領域31に対応するそれぞれの人体検知センサ7a、7bが人体8を検知する検知領域71a、71bが重複部分71cを有し、前記検知領域71a、71bの重複部分71cに位置する人体8がそれぞれの人体検知センサ7に検知された時には該人体検知センサ7a、7bに対応する照明手段6a、6bをそれぞれ点灯することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、検知領域71a、71bの重複部分71cに人体が位置する場合にカウンター3の両領域31a、31bを照らすことができ、陰になる部分を小さく又はなくすことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の照明付厨房装置は、照明が必要でない領域まで点灯することにより生じる電力の無駄をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の照明付厨房装置の一実施形態の斜視図である。
【図2】同上の実施形態の正面図である。
【図3】同上の実施形態を示し、(a)はコンロ領域の人体検知センサが人体を検知している場合の正面図であり、(b)はシンク領域の人体検知センサが人体を検知している場合の正面図である。
【図4】他の実施形態を示し、(a)はコンロ領域の人体検知センサが人体を検知している場合の正面図であり、(b)はシンク領域の人体検知センサが人体を検知している場合の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0014】
本発明における照明付厨房装置1は、図1及び図2に示すように、コンロ4、シンク5を備えた調理台2により主体が構成してある。調理台2は、調理台キャビネット21と、調理台キャビネット21の上面部に設置されるカウンター3とを備えている。
【0015】
カウンター3は左右方向を長手方向とし、キッチンとダイニングとを仕切っている。調理台2の奥側(ダイニング側)に仕切りとして機能する立ち上がり部22が立設される。カウンター3には一側部にシンク5が設けられ、他側部にコンロ4が設けられる。
【0016】
カウンター3には、左右方向に分割される複数の領域31が設定される。本実施形態では、シンク5が設けられるシンク領域31aと、コンロ4が設けられるコンロ領域31bと、に分割されて設定される。
【0017】
カウンター3には、各領域31を照らす各領域31毎の照明手段6が設けられる。本実施形態では、照明手段6は、シンク領域31aを照らすシンク領域31aの照明手段6aと、コンロ領域31bを照らすコンロ領域31bの照明手段6bと、で構成される。シンク領域31aの照明手段6aは、立ち上がり部22のシンク領域31aに対応する部分に設けられ、コンロ領域31bの照明手段6bは、立ち上がり部22のコンロ領域31bに対応する部分に設けられる。照明手段6の発光源としてはLEDが好適に用いられるが、白熱灯や蛍光灯でもよい。
【0018】
また、照明付厨房装置には、カウンター3の各領域31に対応する部分の前方に位置する人体8をそれぞれ検知する各領域31毎の人体検知センサ7が設けられる。本実施形態では、シンク領域31aの前方のシンク検知領域71aに位置する人体8を検知するシンク領域31aの人体検知センサ7aと、コンロ領域31bの前方のコンロ検知領域71bに位置する人体8を検知するコンロ領域31bの人体検知センサ7bと、で構成される。
【0019】
いずれかの領域31の人体検知センサ7で人体8を検知して該検知信号がマイクロコンピュータからなる制御部に入力されると、該領域31に対応する照明手段6が該領域31を照らし、人体検知センサ7が人体8を検知していない領域31の照明手段6は消灯するように制御部に制御される。図3(a)に示すように、シンク領域31aの人体検知センサ7aが人体8を検知してコンロ領域31bの人体検知センサ7bが人体8を検知していない時には、シンク領域31aの照明手段6aが点灯すると共にコンロ領域31bの照明手段6bが消灯し、図3(b)に示すように、コンロ領域31bの人体検知センサ7bが人体8を検知してシンク領域31aの人体検知センサ7aが人体8を検知していない時には、コンロ領域31bの照明手段6bが点灯すると共にシンク領域31aの照明手段6aが消灯する。なお、図3中の実線がのびている人体検知センサ7は人体8が検知されていることを示し、破線がのびている人体検知センサ7は人体8が検知されていないことを示し、また、図3中の実線がのびている照明手段6は点灯していることを示し、破線がのびている照明手段6は消灯していることを示す。
【0020】
ここで点灯とは、作業するのに必要な所定の照度で照らすことをいい、後述する「弱点灯」に対して「通常点灯」というものとする。
【0021】
また、人体検知センサ7が人体8を検知していない領域31の照明手段6は、消灯ではなく通常点灯よりも暗い照度で点灯する弱点灯を行ってもよい。この場合、シンク領域31aの人体検知センサ7aが人体8を検知してコンロ領域31bの人体検知センサ7bが人体8を検知していない時には、シンク領域31aの照明手段6aが点灯すると共にコンロ領域31bの照明手段6bが弱点灯し、コンロ領域31bの人体検知センサ7bが人体8を検知してシンク領域31aの人体検知センサ7aが人体8を検知していない時には、コンロ領域31bの照明手段6bが点灯すると共にシンク領域31aの照明手段6aが弱点灯する。また、いずれの領域31の人体検知センサ7も人体8を検知していない時には、いずれの照明手段6も消灯する。
【0022】
上述した照明付厨房装置1においては、分割された各領域31に対応する人体検知センサ7と照明手段6が設けられているため、人体8が検知されて照明が必要な領域31のみ照明手段6で照らすことができて、人体8が検知されておらず照明が不要な領域31を消灯したり弱点灯したりすることができ、照明が不要な領域31まで点灯することにより生じる電力の無駄をなくすことができる。
【0023】
また、人体検知センサ7が照明手段6を作動させるスイッチとして機能することで、押し操作するスイッチのように使用者が指で操作する必要がなく手間が省けると共に、手を洗ってからスイッチを押さなければならないというような面倒なこともない。このため、使用者の移動に伴って自動で照明手段6の点灯、消灯、弱点灯が行われ、使用者が自ら逐一スイッチの切り替えを行う必要がない。
【0024】
また、本実施形態では領域31がシンク領域31aとコンロ領域31bの二領域31であるが、三以上の領域31に分割してもよい。このように三以上の領域31に分割することで、各領域31を狭くして各照明手段6を消費電力の小さいものとすることができて、消費電力をより一層抑えることができる。
【0025】
また、隣接する両領域31に対応する両人体検知センサ7が人体8を検知する領域71が重複し、該重複した領域71(重複領域71cという)に人体8が検知された時には両領域71に対応する両照明手段6を点灯するように制御してもよい。本実施形態では、シンク領域31aとコンロ領域31bの互いに隣接する調理面部の前方の領域71が、シンク領域31aの人体検知センサ7aとコンロ領域31bの人体検知センサ7bの両方が重複して検知する重複領域71cとなっている。この重複領域71cに人体8が位置すると両方の人体検知センサ7a、7bが人体8を検知し、シンク領域31aの照明手段6aとコンロ領域31bの照明手段6bの両方の照明手段6が点灯(通常点灯)するため、シンク領域31aとコンロ領域31bの両方を同時に照らすことができて、手元に陰がなく明るい状態で作業することができる。
【0026】
他の実施形態について図4に基づいて説明する。本実施形態の照明手段6は、一面が光の入射面62となると共に入射面62とは別の面が出射面63となる導光部材61と、入射面62に入射させる光を照射する光源64と、を備えている。
【0027】
導光部材61は、略角棒状をしており、長手方向の端面がそれぞれ入射面62となると共に、四側面のうちの一面が出射面63となるもので、カウンター3の立ち上がり部22に出射面63が前方(使用者から見て手前側)を向くように且つ左右方向が長手方向となるように設置される。導光部材61の出射面63と対向する背面には、光を散乱させる導光パターン(図示せず)が形成され、入射面62から入射した光は側面で反射しながら入射した側と反対側へ進行し、導光パターンで散乱されて出射面63から出射される。
【0028】
光源64は、左側の端部の光源64aがシンク領域31aの照明手段6aの光源64となり、右側の端部の光源64bがコンロ領域31bの照明手段6bの光源64となる。
【0029】
この照明手段6は、一方の光源64が発光すると、入射面62から入射された光が該入射面62と反対側の端部に向けて側面で反射しながら進行するが、導光パターンに当たった光は散乱されて出射面63から出射される。従って、光は減衰しながら入射面62と反対側の端部に向かって進行し、出射面63から出射する光も入射面62に近い程照度(単位面積当たりの光量)が高く、該入射面62と反対側の端部に行く程照度が低い。
【0030】
図4(a)に示すように、左側のシンク領域31aの照明手段6aの光源64aが発光すると、出射面63の左側へ行く程照度が高く右側へ行く程照度が低く、シンク領域31aは通常点灯がなされコンロ領域31bは弱点灯がなされる。
【0031】
図4(b)に示すように、右側のコンロ領域31bの照明手段6bの光源64bが発光すると、出射面63の右側へ行く程照度が高く左側へ行く程照度が低く、コンロ領域31bは通常点灯がなされシンク領域31aは弱点灯がなされる。
【0032】
本実施形態では、一つの照明手段6で複数の領域31を同時にそれぞれ点灯し且つ弱点灯することが可能となる。
【符号の説明】
【0033】
1 照明付厨房装置
3 カウンター
31 領域
31a シンク領域
31b コンロ領域
4 コンロ
5 シンク
6 照明手段
6a シンク領域の照明手段
6b コンロ領域の照明手段
7 人体検知センサ
7a シンク領域の人体検知センサ
7b コンロ領域の人体検知センサ
71 人体検知センサの検知領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向を長手方向とする調理台と、調理台の左右方向にずれた複数の領域をそれぞれ照らす各領域毎の照明手段と、調理台の前記各照明手段が照らす領域の前方に位置する人体をそれぞれ検知するように前記各照明手段に対応して設けられる人体検知センサと、一人体検知センサで人体を検知した時に該人体検知センサに対応する照明手段を点灯する制御部と、を備えて成ることを特徴とする照明付厨房装置。
【請求項2】
隣接する両領域に対応するそれぞれの人体検知センサが人体を検知する検知領域が重複部分を有し、前記検知領域の重複部分に位置する人体がそれぞれの人体検知センサに検知された時には該人体検知センサに対応する照明手段をそれぞれ点灯することを特徴とする請求項1記載の照明付厨房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−67441(P2011−67441A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221499(P2009−221499)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】