説明

照明制御システムおよび照明制御方法

【課題】管理グループ毎に灯具の照明状態の調整を実行可能にする。
【解決手段】照明制御システム100は複数の灯具104と複数のアクセスポイント105とコントローラ109と全体管理端末106とを有する。アクセスポイント105は灯具104への第1の操作信号を受信する。コントローラ109はアクセスポイント105から第1の操作信号を受信する。コントローラ109は灯具104に照明動作を実行する。全体管理端末106は灯具104をそれぞれ複数の管理グループのいずれかに対応付ける。全体管理端末106はアクセスポイント105をそれぞれ複数の管理グループのいずれかに対応付ける。コントローラ109はアクセスポイント105への第1の操作信号に基づいてアクセスポイント105と同じ管理グループに対応付けられた灯具104に対して照明動作を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる管理グループのエリアに配置される灯具の動作を制御する照明制御システムおよび照明制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各灯具は単独のスイッチによって点灯と消灯の切替操作が行われていた。しかし、近年、灯具による照明状態の調整および灯具の管理などを行う照明制御装置が提案されている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−191575号公報
【特許文献2】特開2010−251938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような照明制御装置は、多量の灯具を設けるビルなどに用いられることが想定される。ビルでは、複数の顧客に別々のエリアが賃貸されることがある。各顧客は、独自に自身の賃貸エリアの照明状態の調整および灯具を管理することを望むことが一般的である。しかし、従来の照明制御装置では、顧客が独自に自身の賃貸エリアのみの照明状態の調整などを行うことが出来なかった。
【0005】
したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、顧客などの管理グループ毎に、自身の賃貸エリアの照明状態の調整などを実行可能な照明制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した諸課題を解決すべく、本発明による照明制御システムは、
複数の灯具と、
灯具への第1の操作信号を操作端末から受信可能で、複数のアクセスポイントと、
複数のアクセスポイントを接続する設備ネットワークと、
設備ネットワークを通じてアクセスポイントから第1の操作信号を受信し、灯具の照明動作を実行するコントローラと、
設備ネットワークを通じてコントローラに接続され、灯具をそれぞれ複数の管理グループのいずれかに対応付け、アクセスポイントをそれぞれ複数の管理グループのいずれかに対応付ける全体管理端末とを備え、
コントローラは、アクセスポイントへの第1の操作信号に基づいて、アクセスポイントと同じ管理グループに対応付けられた灯具に対して照明動作を実行する
ことを特徴とするものである。
【0007】
また本発明を方法として実現させた照明制御方法は、
複数の灯具と、複数のアクセスポイントと、複数のアクセスポイントを接続する設備ネットワークと、灯具の照明動作を実行するコントローラとを有する照明制御システムにおける照明制御方法であって、
灯具をそれぞれ複数の管理グループのいずれかに対応付けるステップと
アクセスポイントをそれぞれ複数の管理グループのいずれかに対応付けるステップと、
灯具への第1の操作信号をアクセスポイントに受信させるステップと、
設備ネットワークを通じてアクセスポイントから第1の操作信号をコントローラに受信させるステップと、
コントローラに、アクセスポイントへの第1の操作信号に基づいて、アクセスポイントと同じ管理グループに対応付けられた灯具に対して照明動作を実行するステップとを備える
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成された本発明に係る照明制御システムおよび照明制御方法によれば、灯具およびアクセスポイントが何れかの管理グループに対応付けられるので、管理グループ毎に灯具の照明状態の調整などを実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る照明制御システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した照明制御装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る照明制御システムの構成を示すブロック図である。照明制御システム100は、設備ネットワーク101、通信ネットワーク102、信号伝送線103、灯具104、アクセスポイント105、例えばタッチパネルなどの全体管理端末106、例えばノートパソコンなどの部分管理端末107、例えばスマートフォンなどの操作端末108、コントローラ109、サーバ110、およびイントラネット111を含んで構成される。
【0012】
設備ネットワーク101とは、灯具104などの設備を駆動する信号を伝達するための設備用ネットワークである。設備ネットワーク101は、後述する各管理グループ112、113によって共用される。また、設備ネットワーク101は、コントローラ109により管理される信号伝送線103に接続される。設備ネットワーク101は、全体管理端末106による操作および設定と、操作端末108による操作とに用いられる。
【0013】
後述するように、設備ネットワーク101および信号伝送線103を通じて、全体管理端末106が灯具104を操作する。さらに、後述するように、設備ネットワーク101を通じて、全体管理端末106がコントローラ109における灯具104およびアクセスポイント105のアクセス対応を設定する。また、後述するように、設備ネットワーク101を通じて、全体管理端末106が後述する管理設定を変更する。さらに、後述するように、操作端末108はアクセスポイント105および設備ネットワーク101を通じてコントローラ109にアクセスし、灯具104を操作する。
【0014】
通信ネットワーク102は、データを通信するための、インターネットに代表されるネットワークである。セキュリティの観点から、各管理グループ112、113は通信ネットワーク102に対して独立している。通信ネットワーク102では、httpを通信に用いる。通信ネットワーク102は、全体管理端末106によるサーバ110の設定と、部分管理端末107による操作および設定とにおいて用いられる。
【0015】
後述するように、通信ネットワーク102を通じて、全体管理端末106は部分管理端末107のサーバ110へのアクセス権の設定を行う。さらに、後述するように、通信ネットワーク102を通じて、部分管理端末107はコントローラ109にアクセスし、灯具104の操作と、灯具104およびアクセスポイント105の設定とを行うこともできる。なお、通信ネットワーク102を介して、部分管理端末107からコントローラ109へアクセスする際、特にVPN(Virtual Private Network)を利用することになる。
【0016】
複数の灯具104は、信号伝送線103を通じてコントローラ109に接続される。通信ネットワーク102および設備ネットワーク101とは異なる独自のプロトコルでコントロールされる。複数のアクセスポイント105および全体管理端末106は、設備ネットワーク101を通じてコントローラ109に接続される。操作端末108は、アクセスポイント105を通じてコントローラ109と通信を行う。
【0017】
コントローラ109は、インターネットなどの通信ネットワーク102を通じてサーバ110に接続される。部分管理端末107は、イントラネット111を通じて通信ネットワーク102に接続される。
【0018】
灯具104は、例えばLED光源などの照明光源を有しており、発光および消灯を切替可能である。また、照明光の光量や発光色の色彩を調整することも可能である。各灯具104は、部屋の特定の位置に固定される。
【0019】
アクセスポイント105は、例えば無線LANのアクセスポイントであって、操作端末108と通信可能である。アクセスポイント105は、後述するように操作端末108が送信した灯具104の照明動作を実行させる操作信号(第1の操作信号)を受信する。アクセスポイント105は、設備ネットワーク101を通じて第1の操作信号をコントローラ109に伝達する。各アクセスポイント105は、部屋の特定の位置に固定される。すなわち、各アクセスポイント105と各灯具104の物理的位置関係は変動しない。
【0020】
全体管理端末106は、灯具104およびアクセスポイント105同士の関連付けに関する操作(第3の操作)を検出可能なアプリケーションを有する。また、当該全体管理端末106のアプリケーションは、灯具104およびアクセスポイント105に対し、管理グループのいずれかを関連付ける操作についても検出可能である。さらに、全体管理端末106のアプリケーションは、サーバ110における新規な管理グループの登録の操作についても検出可能である。
【0021】
また、全体管理端末106のアプリケーションでは、灯具104の照明動作を実行させる操作(第1の操作)、および灯具104およびアクセスポイント105に関する管理設定を実行させる操作(第2の操作)を検出可能である。そして、全体管理端末106のアプリケーションは、コントローラ109に対してログインしている状態で、第1の操作、第2の操作、あるいは第3の操作を検出すると、照明制御システム100を構成する全灯具104および全アクセスポイント105に対する指示を行うよう、第1の操作に基づく第1の操作信号、第2の操作に基づく第2の操作信号あるいは第3の操作信号に基づく第3の操作信号を生成し、コントローラ109に対して送出する。
【0022】
ここで、照明動作とは、灯具104の発光および消灯の切替、照明光の光量調整あるいは発光色の色彩調整(すなわち調光)の少なくとも一つを含む。また、管理設定とは、例えば、灯具104とアクセスポイント105との対応付けの切替、調光などの照明設定、自動調光モードのような特殊な動作モードの実行、特殊な動作モードを実行する灯具104のグループ登録、コントローラ109における照明動作の履歴あるいは管理設定の履歴のログデータの送信などのように、灯具104およびアクセスポイント105の少なくとも一方を管理する設定である。
【0023】
部分管理端末107は、灯具104およびアクセスポイント105に関する管理設定を実行させる第2の操作、および灯具104の照明動作を実行させる第1の操作を検出可能なアプリケーションを有する。そして、部分管理端末107のアプリケーションが第1の操作あるいは第2の操作を検出すると、第1の操作に基づく第1の操作信号あるいは第2の操作に基づく第2の操作信号を生成し、自身の管理グループに属する全灯具104および全アクセスポイント105に対する指示を行うよう、自社イントラネット111および通信ネットワーク102を介してサーバ110に送信する。そして、サーバ110が、第1の操作信号あるいは第2の操作信号をVPN経由でコントローラ109に対して送出し、対応する管理グループに属する全灯具104および全アクセスポイント105に対する指示を、コントローラ109から行うこととなる。
【0024】
操作端末108は、灯具104の照明動作を実行させるための第1の操作を検出可能なアプリケーションを有する。操作端末108のアプリケーションは第1の操作を検出すると、検出した第1の操作に基づく第1の操作信号を生成し、最も近くのアクセスポイント105に無線により送出する。そして、この第1の操作信号がコントローラ109に送出され、第1の操作が行われた操作端末108の物理的位置に対応する灯具104に対し、コントローラ109から第1の操作信号に基づいた制御を行うこととなる。
【0025】
コントローラ109は、灯具104の照明動作と、灯具104およびアクセスポイント105の管理設定とを実行可能である。また、コントローラ109は、全体管理端末106のログインの承認を実行可能である。
【0026】
サーバ110は、全体管理端末106のコントローラ109へのログインの承認、管理グループの新規登録、部分管理端末107のサーバ110へのログインの承認を実行可能である。
【0027】
全体管理端末106は、第1の操作、第2の操作、または第3の操作のそれぞれに基づく操作信号を、全体管理端末106がコントローラ109にログイン中にのみ送出可能なように全体管理端末106のアプリケーション側で制御する。あるいはコントローラ109側で操作信号を受信してもアクセス権のない端末からの信号は破棄するように制御する。ところで、サーバ110は、予め全体管理端末106として受入れ可能な端末を特定するためのアカウント、およびパスワードの組合せを記憶している。そして、全体管理端末106から、全体管理端末106自身に付与されるアカウントおよびパスワードの組合せがサーバ110に送信されると、サーバ110は、受信した組合せがメモリ114に予め記憶している組合せと合致する場合にのみ、当該全体管理端末106にアクセス権を付与する。
【0028】
全体管理端末106がアクセス権を取得すると、コントローラ109にログイン可能となる。コントローラ109にログインした状態で、第1の操作、第2の操作、あるいは第3の操作を検出すると、全体管理端末106のアプリケーションが、操作に対応した操作信号を生成し、これをコントローラ109が受信する。
【0029】
コントローラ109は、第3の操作を受信すると、コントローラ109に設けられるメモリ115に記憶させた対応表(表1参照)を更新する。対応表は、管理設定を行うための灯具104とアクセスポイント105との物理的位置関係、さらに、灯具104およびアクセスポイント105に対して割当てられた管理グループとの対応関係を表している。
【0030】
【表1】

【0031】
対応関係を定めるために、各灯具104に異なるアドレスが付与され、また各アクセスポイント105に異なるアドレスが付与される。これらのアドレスによりコントローラ109は、信号伝送線103にて使用されるプロトコルにおいて、各灯具104と各アクセスポイント105とを把握することが可能となる。
【0032】
本実施形態におけるアドレスは、1から始まる通し番号によって表記される。ただし、アドレスは、ビル内における階数あるいは部屋番号毎の2次元座標などの他の方法により表記されてもよい。図1における各灯具104および各アクセスポイント105に付された数字は、それぞれ各灯具104および各アクセスポイント105のアドレスである。
【0033】
コントローラ109が操作端末108からの第1の操作信号および第2の操作信号を受信した場合、それぞれの信号の伝送に使用されたアクセスポイント105を識別し、識別されたアクセスポイント105に対応する灯具104を特定し、特定された灯具104のアドレスを指定した上でコントローラ109が操作信号に応じた照明動作および管理設定を実行する。
【0034】
全体管理端末106では、照明動作を実行させる灯具104を全灯具104から選択可能である。また、全体管理端末106では、管理設定を実行させる灯具104およびアクセスポイント105を、それぞれ全灯具104および全アクセスポイント105から選択可能である。すなわち、コントローラ109に設けられるメモリ115に記憶させた対応表に基づいて、全灯具104および全アクセスポイント105のうち、送信する操作信号の制御対象とする灯具104あるいはアクセスポイント105のアドレスを全体管理端末106が特定した上で、操作信号をコントローラ109に対して送信する。コントローラ109は、アドレス指定された灯具104およびアクセスポイント105に対して受信した操作信号に基づいた照明動作または管理設定を実行する。
【0035】
全体管理端末106が新規な管理グループを登録する操作を検知すると、全体管理端末106は新規な管理グループをサーバ110に送信する。サーバ110は、新規な管理グループ登録の操作として管理グループの種類、アカウント、およびパスワードを受信して、メモリ114に記憶させる。
【0036】
部分管理端末107への第1の操作または第2の操作のそれぞれに基づく操作信号を、部分管理端末107がサーバ110にログイン中にのみ送出可能なように部分管理端末107のアプリケーション側で制御する。あるいはサーバ110側で操作信号を受信してもログイン中ではない端末からの信号は破棄するよう制御する。ところで、サーバ110は、予め部分管理端末107として受け入れ可能な端末を特定するための管理グループ、アカウント。およびパスワードの組合せを記憶している。そして、部分管理端末107から部分管理端末107に付与される管理グループ、アカウント、およびパスワードの組合せがサーバ110に送信されると、サーバ110は受信した組合せがメモリ114に記憶する組合せと合致する場合にのみ、部分管理端末107のログインを承認する。
【0037】
部分管理端末107がサーバ110にログイン中に第1の操作または第2の操作を検出すると、部分管理端末107のアプリケーションが、操作内容に対応する操作信号を生成し、これをサーバ110を介してコントローラ109に伝達することとなる。コントローラ109が第1の操作信号および第2の操作信号を受信すると、それぞれコントローラ109は操作信号に応じた照明動作および管理設定を実行する。
【0038】
部分管理端末107では、照明動作を実行させる灯具104を部分管理端末107と同じ管理グループに属する全灯具104から選択可能である。また、部分管理端末107では、管理設定を実行させる灯具104およびアクセスポイント105を、それぞれ部分管理端末107と同じ管理グループに属する全灯具104および全アクセスポイント105から選択可能である。すなわち、コントローラ109に設けられるメモリ115に記憶させた対応表に基づいて、実行対象とする灯具104およびアクセスポイント105のアドレスを特定した上で、操作信号をコントローラ109に対して送信することとなる。コントローラ109は、アドレス指定された灯具104およびアクセスポイント105に対して受信した操作信号に基づいた照明動作または管理設定を実行する。
【0039】
操作端末108への第1の操作は、操作検出のためのアプリケーションが動作中であれば常時検出可能であって、検出された操作に基づいて第1の操作信号が生成される。第1の操作信号は、操作端末108の最寄のアクセスポイント105を介してコントローラ109に伝達される。コントローラ109は第1の操作信号を受信したアクセスポイント105を検知する。コントローラ109は、検知したアクセスポイント105に対応付けられた灯具104を対応表に基づいて特定し、制御対象のアドレスを指定することにより特定した灯具104に対して照明動作を実行する。
【0040】
照明制御システム100は、例えば、1棟のビルの全灯具104の操作あるいは管理に用いられる。ここで、ビルの別々のエリアが、A会社およびB会社に賃貸されているとする。A会社の賃貸エリアに、複数の灯具104および複数のアクセスポイント105が配置されている。また、B会社の賃貸エリアにも、複数の灯具104および複数のアクセスポイント105が配置されている。
【0041】
ビル管理者は、全体管理端末106への第1の操作により、照明制御システム100に含まれるすべての灯具104の様々な照明動作を実行可能である。また、全体管理端末106への第2の操作により、すべての灯具104およびすべてのアクセスポイント105の管理設定を実行可能である。
【0042】
A会社の照明管理者は、部分管理端末107への操作により、A会社の管理グループ112に関連付けられたすべての灯具104の様々な照明動作を実行可能である。また、部分管理端末107への操作により、A会社の管理グループ112に関連付けられたすべての灯具104およびアクセスポイント105の管理設定を実行可能である。
【0043】
B会社でも同様に、部分管理端末107への操作により、B会社の管理グループ113に関連付けられたすべての灯具104の様々な照明動作を実行可能である。また、部分管理端末107への操作により、B会社の管理グループ113に関連付けられたすべての灯具104およびアクセスポイント105の管理設定を実行可能である。
【0044】
さらに、A会社の賃貸エリア内の在室者が操作端末108に第1の操作を入力すると、最寄のアクセスポイント105に関連付けられた灯具104の照明動作を実行する。また、B会社の賃貸エリア内の在室者が操作端末108に第1の操作を入力すると、最寄のアクセスポイント105に関連付けられた灯具104の照明動作を実行する。
【0045】
以上のような構成の本実施形態の照明制御システムでは、灯具104およびアクセスポイント105を管理グループに対応付け可能である。さらに、アクセスポイント105において受信する第1の操作信号に基づいて、コントローラ109は、同じ管理グループに対応付けられる灯具104の照明動作を実行可能である。したがって、特定のエリアの灯具104およびアクセスポイント105を同じ管理グループに関連付けることにより、特定のエリアの照明状態を管理グループ毎に調整可能である。
【0046】
また、本実施形態によれば、自身の管理グループのみに対応した灯具104およびアクセスポイント105の管理設定を実行させる第2の操作を、部分管理端末107によって検知可能である。したがって、任意の管理グループの照明管理者が、自身の管理グループのみの灯具104およびアクセスポイント105の管理を行うことが可能である。
【0047】
部分管理端末107は、管理グループから独立したイントラネット、およびVPNを利用した上で通信ネットワーク102を通じて設備ネットワーク101に接続されるので、異なる管理グループのイントラネット111が互いに設備ネットワーク101に接続されることがない。それゆえ、異なるイントラネット111間のセキュリティを確保しながら、部分管理端末107による操作が可能である。
【0048】
照明制御システム100に設けられるすべての機能が部分管理端末107のみで操作される構成では、応答性および可用性の不十分なシステムとなる。本実施形態では、簡易な操作で入力可能な機能、または高い応答性および高い使用頻度の機能に対しては、通信ネットワーク102およびサーバ110を介することが無いよう構成しているため、操作端末108への操作によって即座に実行可能である。簡易な操作で入力可能な機能、または高い応答性および高い使用頻度である機能として、例えば照明光の発光/消灯の切替および照明光の調光機能が挙げられる。したがって、機能に応じて適切な応答性あるいは可用性を提供することが可能である。
【0049】
本発明を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形あるいは修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形あるいは修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
【符号の説明】
【0050】
100 照明制御システム
101 設備ネットワーク
102 通信ネットワーク
103 信号伝送線
104 灯具
105 アクセスポイント
106 全体管理端末
107 部分管理端末
108 操作端末
109 コントローラ
110 サーバ
111 イントラネット
112 A会社の管理グループ
113 B会社の管理グループ
114 メモリ
115 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の灯具と、
前記灯具への第1の操作信号を操作端末から受信可能で、複数のアクセスポイントと、
前記複数のアクセスポイントを接続する設備ネットワークと、
前記設備ネットワークを通じて前記アクセスポイントから前記第1の操作信号を受信し、前記灯具の照明動作を実行するコントローラと、
前記設備ネットワークを通じて前記コントローラに接続され、前記灯具をそれぞれ複数の管理グループのいずれかに対応付け、前記アクセスポイントをそれぞれ前記複数の管理グループのいずれかに対応付ける全体管理端末とを備え、
前記コントローラは、前記アクセスポイントへの前記第1の操作信号に基づいて、前記アクセスポイントと同じ前記管理グループに対応付けられた前記灯具に対して前記照明動作を実行する
ことを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の照明制御システムであって、
前記コントローラに、通信ネットワークを通じて接続されるサーバと、
前記複数の管理グループのいずれかに対応付けられ、同じ前記管理グループに対応付けられた前記灯具および前記アクセスポイントに関する管理設定の操作である第2の操作信号を検出し、前記通信ネットワークを通じて該第2の操作信号を前記サーバに送信する部分管理端末と、
前記コントローラは、前記通信ネットワークを通じて前記サーバから前記第2の操作信号を受信し、該第2の操作信号を発信した前記部分管理端末と同じ管理グループに対応付けられた前記灯具と前記アクセスポイントに対して前記管理設定を実行する
ことを特徴とする照明制御システム。
【請求項3】
複数の灯具と、複数のアクセスポイントと、前記複数のアクセスポイントを接続する設備ネットワークと、前記灯具の照明動作を実行するコントローラとを有する照明制御システムにおける照明制御方法であって、
前記灯具をそれぞれ複数の管理グループのいずれかに対応付けるステップと
前記アクセスポイントをそれぞれ前記複数の管理グループのいずれかに対応付けるステップと、
前記灯具への第1の操作信号を前記アクセスポイントに受信させるステップと、
前記設備ネットワークを通じて前記アクセスポイントから前記第1の操作信号を前記コントローラに受信させるステップと、
前記コントローラに、前記アクセスポイントへの前記第1の操作信号に基づいて、前記アクセスポイントと同じ前記管理グループに対応付けられた前記灯具に対して前記照明動作を実行するステップとを備える
ことを特徴とする照明制御方法。

【図1】
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【公開番号】特開2013−97866(P2013−97866A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236465(P2011−236465)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【出願人】(596100812)京セラコミュニケーションシステム株式会社 (38)
【出願人】(594135737)株式会社キルトプランニングオフィス (11)
【Fターム(参考)】