説明

照明器具の取付治具

【課題】照明器具を目立たないよう天井に取り付ける取付治具を得る。
【解決手段】取付治具1は,照明器具取付用の開口11aが形成された底板11の四辺より立設した側板12〜15を有する全体として略箱型を成す治具本体10を天井ボード50に固定する一対の固定具20を有する。固定具は,治具固定片21とネジ孔となる多数の小孔25が形成さた天井ボード固定片22を備えた略L字状であり,対向する一対の側板12,13に設けられた取付部16に形成された複数の嵌合溝18a〜18cのいずれかに,前記固定具の治具固定片の上端に設けた位置決め片24を嵌合した状態で固定具を取付部に固定して,前記天井ボード固定片の配置高さを天井ボードの厚みに対応して可変とすることができ,これにより室内側における天井ボードの表面と,治具本体の底板11の底面とを同一平面上乃至はこれに近い状態に配置して両者間の段差を解消する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明器具の取付治具に関し,より詳細には,天井埋込型の照明器具を天井ボードに形成された開口内に埋め込んだ状態に取り付けるための照明器具の取付治具に関する。
【背景技術】
【0002】
天井に照明器具を取り付けて照明を行う場合,天井より多数の照明器具が吊り下がっていると,天井が雑然とした雰囲気となり室内の景観を損ねる場合があることから,天井に対して照明器具を取り付ける場合,天井に設けた取付口内に照明器具を埋め込んだ状態で取り付ける,所謂「天井埋込型」の照明器具を使用する場合も多い。
【0003】
このような天井埋込型の照明器具の一例として,図8(A),(B)を参照して天井埋込型のダウンライトを取り付ける場合を例に挙げて説明すると,このようなダウンライトの取り付けに際しては,ダウンライト本体170の取り付けに先立ち,先ず,天井ボード150に設けた取付口151内にダウンライト本体170を取り付けるための取付治具の取り付けが行われる。
【0004】
図8(A),(B)に示す例では,このような取付治具として円環状の枠体110を設けている。
【0005】
図示の例においてこの円環状の枠体110は,天井ボード150に形成した取付口151内に嵌合可能な外径を有すると共に,内径にダウンライト本体170を嵌合可能な大きさに形成された略円筒状の本体部分112と,前記本体部分の下端縁より外周に突出したフランジ111とを備え,この枠体110の本体部分112を室内側より天井ボード150に設けた取付口151内に挿入してフランジ111を取付口151の周縁に当接させた状態で,図8(B)に示すように取付機構113,114に設けた取付金具124を下降させつつ,この取付金具124に設けた外板131を枠体110の外周方向に突出させて天井ボード150の裏面に係止することで,外板131とフランジ111との間に天井ボード150を挟持して枠体110が天井ボード150に設けた取付口151内に固定される。
【0006】
そして,このようにして取付口151に取り付けられた枠体110に,ダウンライト本体170の構成部品を取り付けることで,天井ボード150に設けた取付口151内に,ダウンライトを埋め込み状態で取り付けることができるように構成されている(特許文献1)。
【0007】
また,天井ボード150に形成した取付口151内に照明器具を埋め込み状態で取り付ける別の方法としては,図9に示すように下向きに開口した箱型を成す器具取付枠140の底部開口を,天井ボード150に形成した取付口151に向けて天井裏に配置し,この器具取付枠140内に照明器具を取り付けることも行われており,このような器具取付枠140を天井に設けた取付口151内に固定するために,パンチングメタル等によって形成された固定片120を器具取付枠140の側面より水平方向に突出し,室内側の適当な位置よりこの固定片120に向けてビスを打ち込むことで,固定片120に形成された小孔125のいずれかに対してビスが挿入されると共に螺合することで,ビスの打ち込み位置の位置合わせ等の煩雑な作業を行うことなく,器具取付枠140の固定を行うことができるようにすることも提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−346957号公報(図1,2)
【特許文献2】特開2007−188720号公報(図1,2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上説明した従来技術のうち,特許文献1として紹介したダウンライトでは,円環状に形成された前述の枠体110が,ダウンライト本体170を天井ボード150に設けた取付口151に取り付けるための取付治具として機能し,この枠体110を,天井に形成した取付口151に予め取り付けることにより,ダウンライト本体170を比較的容易に取付孔151に着脱することができる点で便利である。
【0010】
しかし,天井に取り付けられる照明器具を天井埋込型とする理由は,前述したように室内より観察した際に天井に設けられた照明器具の存在を隠すために行われるものであり,天井に取り付けられる照明器具の存在は,室内側より観察した際に可能な限り目立たなくすることが求められる。
【0011】
しかし,特許文献1に記載されている前述の円環状の枠体110を使用してダウンライトの取り付けを行う場合,天井の材質等とは異質の材料によって形成された前述の円環状の枠体110により,ダウンライトを収容する取付口151の外周が縁取られているために,取付口151,ひいてはダウンライトの存在が強調されるものとなっている。
【0012】
しかも,この円環状の枠体110は,前述したように取付金具124の外板131との間で天井ボード150を挟持するフランジ111を備えることから,天井ボード150と枠体110との間にはこのフランジ111の厚み分の段差が生じている。
【0013】
このような段差の存在は,例えば天井の仕上げがクロス貼りによって行われる場合,天井ボード150と一体に枠体110上に対してクロス貼りを行うことを不可能としている。
【0014】
また,天井の仕上げを塗装によって行う場合には,枠体110を天井と同一色に塗装することにより枠体110をある程度は目立たなくすることができても,前述のような段差の存在自体を消すことはできない。
【0015】
その結果,このような枠体110の存在により室内側より天井を見た際の見栄えが悪く,特に複数のダウンライトを隣接して配置するような場合には,枠体110が視界に入ることで天井に設けられたダウンライトの存在が強調される。
【0016】
一方,特許文献2として紹介したように,天井裏に照明器具を収容するための箱型の器具取付枠140を取り付ける場合,この器具取付枠140がフランジを有しないものであれば天井ボード150に設けた取付口151の開口縁が縁取られることはない。
【0017】
しかし,前述した特許文献1に記載の円環状の枠体110では,この枠体110の内径は,ダウンライト本体170によって埋められるために,天井ボード150に形成した取付口151はこの枠体110とダウンライト本体170とによって塞がれることとなるが,特許文献2として紹介した器具取付枠140では,器具取付枠140内に照明器具を取り付けた後の状態においても,天井に形成された比較的大きな取付口151(器具取付枠140の下端開口)は,塞がれることなく残る。
【0018】
その結果,室内側より観察した際に,天井に存在する取付口151(器具取付枠140の下端開口)が視界に入り,照明器具の存在を明確に認識し得るものとなっている。
【0019】
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するためになされたものであり,天井埋込型の照明器具を可及的に目立たない状態で天井に取り付けることが可能で,しかも,天井に対する取り付け作業が容易な天井埋込型照明器具の取付治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために,本発明の照明器具の取付治具1は,照明器具が嵌合される開口11aが形成された矩形の底板11と,前記底板11の四辺それぞれより立設した側板12〜15を有し,全体として略箱型を成す治具本体10と,
前記治具本体10の外周に取り付けられる治具固定片21と,前記治具固定片21の下端より前記治具固定片21に対して直交方向に突出した天井ボード固定片22とを備えた略L字状を成す一対の固定具20,20を設け,
前記各固定具20,20の少なくとも前記天井ボード固定片22にネジ孔となる多数の小孔25を形成すると共に,前記治具固定片21の上端に,好ましくは前記天井ボード固定片22と平行に,前記天井ボード固定片22とは逆方向に突出する位置決め片24を設け,
前記治具本体10の前記側板12〜15のうち,対向する一対の側板12,13に前記固定具20の前記治具固定片21を取り付ける取付部16をそれぞれ設け,該取付部16に,前記位置決め片24を嵌合可能な複数の嵌合溝18a〜18cを,好ましくは前記底板11の底面に対してそれぞれ平行に,設けると共に,
前記位置決め片24を前記いずれか任意の前記嵌合溝18a〜18cに嵌合させた状態で前記固定具20の前記治具固定片21を前記取付部16に固定する固定手段を設け,前記治具本体10の底板11底面に対する前記天井ボード固定片22の配置高さを可変としたことを特徴とする(請求項1)。
【0021】
前記構成の取付治具1において,前記取付部16に,前記嵌合溝18a〜18cと平行を成す上端縁16aを形成すると共に,前記位置決め片24の底面を前記上端16aに載置した状態において前記固定具20の前記治具固定片21を前記取付部16に固定可能に構成することができる(請求項2)。
【0022】
また,このような治具取付片21の固定は,前記治具固定片21に高さ方向を長さ方向とする長孔23を形成すると共に,前記長孔23に挿入されるネジ62と,前記ネジ62と螺合する前記取付部16に設けたネジ孔17により前記固定手段を形成することにより行うことができる(請求項3)。
【0023】
更に,前記治具本体10の前記側板12〜15のうち,前記固定具20が取り付けられる前記一対の側板12,13を除く他の一対の側板14,15の外壁が,底板11側から上方に向かって徐々に外向きに傾斜する一方の傾斜面14a,15aと,底板11側から上方に向かって徐々に内向きに傾斜する他方の傾斜面14b,15bによって二の傾斜面に分割形成されていると共に,前記他の一対の側板14,15相互を同一形状に形成するものとしても良い(請求項4)。
【0024】
この場合,前記他の一対の側板14,15それぞれの共通する位置に,同一形状の貫通孔32を設けるものとしても良く(請求項5),
更には,前記他の一対の側板14,15のそれぞれに,前記一方の傾斜面14a,15a,又は他方の傾斜面14b,15bの上端縁14e,15eより治具本体10の外周側に突出する舌片19を設けると共に,該舌片19の底面は,他の前記舌片19を形成していない傾斜面の上端縁14f,15fに係止する。(請求項6)。
【0025】
なお,前記治具本体10の底板11上面には,好ましくはリブ11bを形成することができる(請求項7)。
【発明の効果】
【0026】
以上で説明した本発明の構成により,天井ボード50に形成した取付口51内に天井裏側から治具本体10を底板11側より挿入することで,この取付口51内に治具本体10が嵌合すると共に,固定具20の天井ボード固定片22が開口縁に係止されて治具の落下が防止されると共に,室内側よりビスを打ち込み,その先端を天井ボード固定片22に設けた小孔25に螺合させることで,治具本体10の下端縁にフランジを設けることなく治具本体10を取付口51内に固定することができた。
【0027】
また,固定具20の天井ボード固定片22の位置調整によって治具本体10の底板11底面と,固定具20の天井ボード固定片22の底面間の間隔sを,天井ボード50の厚みに対応させて調整することができ,これにより治具本体10の底板11底面を,室内側における天井ボード50の表面と同一の平面,乃至は同一平面に近付けて配置することができた。
【0028】
その結果,本発明の取付治具1にあっては,室内側において天井ボード50と治具本体10間における段差の発生が解消でき,例えば天井ボード50に形成した取付口51の開口縁と,治具本体10との間に生じた僅かな隙間や,室内側より天井ボード50に打ち込んだビス60の頭部等を目止め材で埋めるだけで,天井と取付治具の底面に共通のクロスを一連に貼着したり,天井の塗装時に治具についても一体的に塗装をすることで,取付治具1を,その存在が判別できないように施工することが可能となった。
【0029】
しかも,固定具20の天井ボード固定片22に,ネジ孔となる多数の小孔25形成した構成としたことにより,室内側より天井裏の天井ボード固定片22に向かって適当にビス60を打ち込むだけで,ネジ孔の位置合わせ等の煩雑な作業を行うことなく,容易に取り付けることができた。
【0030】
前記取付部16に,前記嵌合溝18a〜18cと平行を成す上端縁16aを形成すると共に,前記位置決め片24の底面を前記上端縁16aに載置した状態において前記固定具20の前記治具固定片21を前記取付部16に固定可能に構成した構成にあっては,取付部16の上端縁16aによって嵌合溝の代わりを行わせることができ,これにより,嵌合溝の形成数を減少させることができる結果,治具本体10の製造を容易なものとすることができた。
【0031】
また,前記治具固定片21に高さ方向を長さ方向とする長孔23を形成すると共に,前記長孔23に挿入されるネジ62と,前記ネジ62と螺合する前記取付部16に設けたネジ孔17を設けた構成では,比較的簡単な構成により治具固定片21の取付位置を可変と成す固定手段を形成することができた。
【0032】
前記治具本体10の前記側板12〜15のうち,前記固定具が取り付けられる前記一対の側板12,13以外の他の一対の側板14,15の外壁を,前述の傾斜面14a,14b,15a,15bを有する構成に形成したことにより,複数の取付治具1を連続した取り付ける際,一方の治具本体の側板14と,他方の治具本体10の側板15とを突き合わせて配置することで,取付治具1,1相互の中心の位置合わせが容易であると共に,治具本体10,10間の位置ずれを防止することができた。
【0033】
この場合,前記傾斜面を有する前記他の一対の側板14,15それぞれの対称位置に,同一形状を有する貫通孔32を設けたことにより,治具本体10を連結する際に,この貫通孔32にボルト等を挿入して2つの治具本体10を容易に連結することが可能であると共に,貫通孔32に挿入されたボルトにナットを螺合する等して両治具本体10間を連結すると,前述した傾斜面14a,15a,14b,15b同士の接触により治具本体10間が強固に連結されると共に,位置ずれが生じ難い状態で治具本体10間を連結することができた。
【0034】
更に,傾斜面の一方側の上端に舌片19を設けた構成にあっては,前記舌片19により連結した治具本体10間の高さ合わせが容易となり,連結された治具本体10の底板11底面間に高さのずれが生じることも防止できた。
【0035】
なお,前記治具本体10の底板11上面にリブ11bを設けた構成にあっては,製造時のヒケなどによる収縮を防止することができ,収縮差により治具本体10のサイズにばらつきが生じることを防止でき,特に複数の取付治具1を連結して使用する場合において,治具本体10間に隙間やずれが生じることを防止することができた。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】取付治具であり,(A)は平面図,(B)は正面図,(C)は側面図,(D)は底面図。
【図2】図1(A)のII−II線断面図。
【図3】図1(A)のIII−III線断面図。
【図4】取付治具の天井ボードに対する取り付け状態の断面図。
【図5】取付治具における治具本体と固定具の取付部分の拡大図。
【図6】複数の取付治具の連結状態の(A)は平面図,(B)は正面図。
【図7】複数の取付治具の連結部の断面説明図であり(A)は図6(A)のA−A線要部断面図,(B)は図6(A)のB−B線要部断面図,(C)は図6(B)のC−C線要部断面図。
【図8】ダウンライトの取付例(従来)の説明図であり,(A)は分解斜視図,(B)は天井ボードの開口に取り付けた枠体の断面説明図(特許文献1の図1,2に対応)。
【図9】照明器具取付枠(従来)の取付状態の断面説明図(特許文献2の図2に対応)。
【発明を実施するための形態】
【0037】
次に,添付図面を参照しながら本発明の照明器具の取付治具1について説明する。
【0038】
〔取付治具の構造〕
本発明の照明器具の取付治具1は,図4に示すように,天井ボード50に形成した取付口51内に嵌合される治具本体10と,前記取付口51内に嵌合された治具本体10を天井ボード50に固定するための一対の固定具20,20により構成されている。
【0039】
このうちの治具本体10は,図1(A)〜(D)に示すように矩形状の底板11と,前記底板11の四辺より上方に向かって立ち上がる4つの側板12〜15を備えた,上方を開放する略箱型に形成されており,この治具本体10の前記底板11に,照明器具を取り付けるための開口11aが形成されている。
【0040】
この開口11aは,取付治具1に取り付けられる照明器具の下端縁の形状に対応した形状を有しており,この開口内に取り付けられる照明器具が例えばダウンライトである場合,ダウンライトに設けられた逆碗形状のリフレクタの開口部外周縁や,ダウンライトがリフレクタの開口部を前方に延長する略円筒状のコーンを備える場合には,コーンの開口部外周縁が嵌合されて,前記開口11aが照明器具の下端縁によって塞がれるように構成されている。
【0041】
この取付口の周縁には,開口11a内に突出する板バネ状の取付金具34が設けられており,開口11a内に照明器具を挿入すると,この取付金具34が照明器具の外周に押圧されて,照明器具を開口11a内に係止することができるように構成されている。
【0042】
治具本体10の前記底板11上面には,図1(A)に示すように底板11の厚みを部分的に増すことにより形成されたリブ11bが設けられており,このリブ11bの形成によって治具本体10の強度が向上されていると共に,成型時におけるヒケ(冷却収縮)等が生じることを防止して,得られる治具本体10の製造時に発生するサイズの誤差等が最小となるように構成されている。
【0043】
図示の実施形態にあっては,このリブ11bを格子状に設けるものとしているが,リブ11bの配置形状は図示の例に限定されず,治具本体10の強度向上とヒケなどによる冷却収縮等を防止し得るものであれば,その構成は特に限定されない。
【0044】
以上のような底板11が設けられた治具本体10の対向する一対の側板12,13〔図1(A)において紙面上下方向に対向する側板12,13〕には,治具本体10を天井ボード50に固定するための固定具20がそれぞれ取り付けられる。
【0045】
この固定具20は,図3に示すように固定具20の長さ方向と直交方向の断面において略L字状を成すアングル材に類似の形状を有し,L字状を構成する2つの片21,22のうちの一方を,前記一対の側板12,13の外壁側に取り付けられる治具固定片21と成すと共に,この治具固定片21の下端より直交方向に突出する他方の片を,天井ボード50に固定される天井ボード固定片22とし,前述の天井ボード固定片22が治具本体10の底板11底面に対して平行で,且つ,治具本体10の外周側に突出するように,治具固定片21を治具本体10の外周側において前記側板12,13に取り付けて使用される。
【0046】
従って,この状態で治具本体10の底面形状よりも僅かに大きく形成した天井ボード50の取付口51内に治具本体10を天井裏側から底板11側を下方にむけて挿入すると,天井ボード固定片22が天井裏側において天井ボード50上に載置されて,取付治具1が室内側に抜け落ちることがないようになっている(図4参照)。
【0047】
この固定具20の前記治具固定片21には,図1(B)及び図6(B)に示すように,その高さ方向を長さ方向とする長孔23が設けられている。
【0048】
図示の実施形態にあっては,この長孔23を治具固定片21の長さ方向における中央位置に1つのみ設けているが,この長孔23の形成位置は,治具本体10側に設けられるネジ孔17の形成位置,形成個数との相対的な関係によって定まるものであり,図示の実施形態に限定されない。
【0049】
この治具固体片21の上端には,図3〜5に示すように前述の天井ボード固定片22とは逆方向(治具本体10側)に突出した位置決め片24が設けられており,この位置決め片24が治具本体10に設けられた後述の嵌合溝18a〜18cのいずれかに嵌合し,又は,位置決め片24の底面を後述する取付部16の上端縁16aに載置することができるように構成されている。
【0050】
図示の実施形態にあっては,この位置決め片24を,治具固定片21の上端を成す一辺の全長に亘り設けているが,この位置決め片24の形成範囲は,必ずしも治具固定片21の全長に亘り設ける必要はなく,治具本体10に設ける後述の取付部16の形成範囲(嵌合溝18a〜18cの形成長さ)に対応して設けるものとしても良い。
【0051】
固定具20の,少なくとも前述の天井ボード固定片22の部分には,室内側より天井ボード固定片22に向けて天井ボード50に打ち込まれたビス60が螺合するネジ孔と成る多数の小孔25が形成されている〔図1(A),(D)参照〕。
【0052】
この小孔25は,使用するビス60の径よりも小径のものとし,天井ボード50を貫通して天井裏側に突出したビス60の先端がこの小孔25内に挿入された状態で回転すると,この小孔25を拡大,変形させながらビス60が螺合されるように構成したものであり,前述のようにネジ孔となる小孔25を多数形成したことにより,室内側の適当な位置より,天井ボード固定片22に向かってビス60を打ち込むだけで,小孔25との位置合わせ等を行うことなくビス留めができるようになっている。
【0053】
このような小孔25は,比較的軟質な金属,例えばアルミ材によって形成されたパンチングメタルをL字状に曲折して固定具20を形成することにより容易に設けることができ,この場合,小孔25は,前述した天井ボード固定片22のみならず,治具取付片21,位置決め片24を含む固定具20の全体に対して形成される。
【0054】
もっとも,このような小孔25は,天井ボード固定片22に対してビス60を螺合するために設けられるものであることから,少なくとも前述の天井ボード固定片22に対して設けられていれば良い。
【0055】
以上のように構成された固定具20を取り付けるために,この固定具20が取り付けられる前述の対向する一対の側板12,13には,それぞれ固定具取付用の取付部16が設けられている。
【0056】
図示の実施形態にあっては,図2に示すように対向する一対の側板12,13それぞれ(図2では側板13のみを表している。)の中央部分を矩形状に上方に延長し,この部分を固定具20の取付部16としているが,固定具20の取付は,側板12,13の外壁に対して直接行っても良く,この場合には,側板12,13の外壁に取付部16を設ける。
【0057】
また,取付部16は,各側板12,13のそれぞれに複数箇所設け,1つの固定具20を複数箇所で各側板12,13に取り付けるように構成しても良い。
【0058】
この固定具20の取付部16には,図3〜5に示すように前述した固定具20の治具固定片21に設けた長孔23に挿入されたネジ62が螺合されるネジ孔17が形成されていると共に,このネジ孔17の上方には,治具固定片21の上端に設けられた位置決め片24を嵌合するための複数の嵌合溝18a〜18cが設けられている。
【0059】
各嵌合溝18a〜18cは,いずれも治具本体10の底板11底面と平行に形成されていると共に,更に取付部16の上端縁16aが,これらの嵌合溝18a〜18cと平行に設けられている。
【0060】
従って,前述したように天井ボード固定片22と平行に設けられた位置決め片24を嵌合溝18a〜18cのいずれかに嵌合し,又は,位置決め片24の底面を取付部16の上端縁16aに載置した状態で,前記長孔23に挿入されたネジ62をネジ孔17に螺合して固定具20を取付部16に固定すると,位置決め片24の取付位置に対応して,天井ボード固定片22の底面が,治具本体10の底板11底面と所定の距離離れて平行に配置されるように構成されている。
【0061】
前述の各嵌合溝18a〜18c,及び取付部16の上端縁16a間の間隔は,市販の天井ボード50の厚さ,一例として12.5mm,19mm,22mm,25mmの各厚さに対応して,治具本体10の底板11底面と天井ボード固定片22の底面間の間隔sを調整できるように設定されており,従って前述した長孔23を介して治具固定片21を治具本体10に固定するネジ62を弛めて長孔23の長さ方向に治具固定片21をスライドさせて対応する位置の嵌合溝18a〜18cに位置決め片24を嵌合し,又は,位置決め片24の底面を取付部16の上端縁16aに載置した状態で再度ネジ62を締め込むことで,単一の取付治具1を使用しながら,各種の厚さの天井ボード50に対して取り付けを行うことができるように構成されている。
【0062】
治具本体10の側板12〜15のうち,前述の固定具20が取り付けられる側板12,13とは別の対を成す,他の一対の側板14,15は,その外壁が以下に説明するような傾斜面として形成されている。
【0063】
なお,以下の説明で参照する図中には,前記側板14,15のうちの一方側のみが現れているものを参照する場合があるが,側板14と側板15とは,両者をいずれ共に正面に見た際に同一の形状に形成されており,側板14の傾斜面14aは,側板15の傾斜面15aと,側板14の傾斜面14bは側板15の傾斜面15bとそれぞれ同様に形成されている。
【0064】
前述の側板14,15の外壁に形成される傾斜面は,図1(C)に示すように幅方向の中央に対する一方側(図中左側)では,その外壁が底部側から上方に向かって治具本体10の外側に広がるように傾斜した傾斜面14a,15aを成し,他方側(図中右側)では,底部側から上方に向かって治具本体10の内側に向かって傾斜した傾斜面14b,15bとして形成されている〔図2及び図7(A),(B)参照〕。
【0065】
そして,このうちの一方の傾斜面(図示の例では傾斜面14a,15a)の上端縁14e,15eに,治具本体10の外周方向に突出する舌片19を設けると共に〔図1(A),(B)参照〕,この舌片19の底面を前記舌片19を形成しない側板14,15の上端縁14f,15fに係止する高さに形成している(図4参照)。
【0066】
なお,図示の実施形態にあっては,前述の舌片19を傾斜面14a,15aの形成位置における上端縁に設けているが,これとは逆に傾斜面14b,15bの形成部分における上端縁に設けるものとしても良い。
【0067】
以上の構成により,図7(A)に示すように複数の取付治具1の前記側板14,15間を突き合わせて並べて配置する場合,一方の治具本体10(図中左側)の側壁15に設けた傾斜面15aが,これとは逆向きに傾斜する他方の治具本体10(図中右側)の側壁14に設けた傾斜面14bと接合すると共に,図7(B)に示すように一方の治具本体10(図中左側)の側壁15に設けた傾斜面15bが,これとは逆向きに傾斜する他方の治具本体10(図中右側)の側壁14に設けた傾斜面14aと接合され,更に図7(C)に示すように一の側板14に形成された傾斜面14a,14b間に生じた段部14dと,他の側壁15に形成された傾斜面15a,15b間に生じた段部15dとが嵌合する。
【0068】
このように傾斜面(14aと15b;14bと15a)を接触させて連結すること,及び前記段部14d,15dの嵌合により,連結される2つの治具本体10,10の中心を容易に一致させることができると共に,舌片19が隣接する治具本体1の側板14,15の上縁に載置されることで,治具本体10の高さ,従って,治具本体10の底板11底面を正確に同一平面上に並べることができる。
【0069】
なお,図1(C),図3及び図4において符号32は,側板14,15に設けられた貫通孔であり,同一形状に形成された貫通孔32が,各側板14,15のそれぞれ対応する位置に設けられている。
【0070】
従って,図7(A)〜(C)に示すように一方(図中左側)の治具本体10の側板15と,他方(図中右側)の治具本体10の側板14とを接触させて連結する際に,側板15に設けた貫通孔と側板14に設けた貫通孔32の位置が一致して連通することから,このようにして連通した貫通孔32に共通の連結用ボルト(図示せず)を挿入すると共にナット(図示せず)を螺合等することで,2つの治具本体10,10間を容易に連結することができるように構成されている。
【0071】
しかも,前述したように側板15と側板14とは,傾斜面同士を接合した連結状態であることから,一旦,前述したナット等の螺合により両者間の連結,緊締を行うと,連結された治具本体10,10間に位置ずれ等が生じ難いものとなっている。
【0072】
なお,固定具20,20の取り付けが行われる前記一方の組の側壁12,13の外壁は,例えばこれを垂直壁として形成しても良いが,好ましくは図4に示すように,低部側から上方に向かって外向きに傾斜する形状に形成することが好ましい。
【0073】
このように,側板12,13の外壁形状を形成することで,天井裏側から天井ボード50に形成した取付口51内に治具本体10を嵌合した際に,取付口51内縁と側板12,13との間隔,従って両者間の隙間を狭めることができる。
【0074】
更に,図中の符号64は落下防止金具であり,図示せざる照明器具に取り付けられたワイヤ等をこの落下防止金具に取り付けておくことで,治具本体10の底板11に設けた開口11a内に嵌合された照明器具と係止金具34との係合が意図せずに解除された場合であっても,照明器具が落下することを防止して,事故等が発生することを防止する。
【0075】
この落下防止金具64は,図示の実施形態にあってはこれを板バネ状のものとして形成し,照明器具の落下の際にワイヤを通して取付治具1に伝わる荷重によって生じる衝撃を干渉し得るように構成しているが,落下防止金具の構成は,図示の例に限定されず,各種の構造を採用でき,また,落下防止金具64は必ずしも設けなくとも良い。
【0076】
〔使用方法等〕
以上のように構成された本発明の取付治具1は,好ましくはクロス貼りや塗装等の,天井の仕上げ作業が行われる前の状態で天井に対して取り付ける。
【0077】
この取付に際して先ず,取付位置の天井ボード50に,取付治具1の治具本体10の底面平面形状に対し僅かに大きな取付口51を形成する。
【0078】
取付口51に対する取付に先立ち,必要に応じて治具本体10に固定具20を固定しているネジ62を弛め,固定具20の治具固定片21を長孔23の長さ方向にスライドさせて,治具固定片21の上端に設けた位置決め片24を天井ボードの厚みに対応した嵌合溝18a〜18cのいずれかに嵌合させ,又は,位置決め片24の底面を取付部16の上端縁16aに載置すると共に,この状態で再度,前記ネジ62を締め付けて,治具本体10に固定具20を固定する。
【0079】
この調整により,治具本体10の底板11底面と,天井ボード固定片22の底面間の間隔sを,取付対象とする天井ボード50の厚みに対応した幅とすることができる。
【0080】
このようにして,固定具20の取付位置の調整が完了した後,天井ボード50に形成した取付口51を利用して取付治具1を室内側より天井裏側に持ち上げ,その後,この取付治具1の治具本体10の底板11側を室内側に向けて前述の取付口51内に嵌合する。
【0081】
このようにして,取付口51内に治具本体10を嵌合すると,治具本体10の側板12,13に取り付けられた固定具20の天井ボード固定片22が,天井裏側において天井ボード50上に載置され,取付治具1は,これを室内側に抜き取ることができない状態となる。
【0082】
また,前述のように,治具本体10の底板11底面と,天井ボード固定片22の底面間の間隔s(図5参照)が,取付が行われる天井ボード50の厚みに対応して調整されていることから,この状態で治具本体10の底板11底面が,室内側において天井ボード50の表面と同一平面上に,又は同一平面に近接させた状態に配置される。
【0083】
この状態で,室内側より,天井ボード固定片22に向けて,天井ボード50にビス60を打ち込み,ビス60の先端を天井ボードを貫通させると,ビス60の先端は,その貫通位置にある天井ボード固定片22に設けたいずれかの小孔25内に入り込む。
【0084】
前述の固定具20は,アルミ等の比較的軟質な金属によって形成されていると共に,小孔25は,ビス60の径に対して小径に形成されていることから,このようにしてビス60の先端が小孔25内に挿入された状態でビス60の回転を継続すると,ビス60が小孔25を拡大,変形させながらこの小孔25内に螺合され,取付治具1が天井ボード50に固定される。
【0085】
このようにして,天井ボード50に設けた取付口51内に対する取付治具1の取付が完了した後,天井ボード50に形成した取付口51の開口縁と,この取付口51内に嵌合された治具本体10の間に生じている隙間を目止め材の充填等によって埋め,また,ビス60の頭部部分についても同様に目止め材等で充填すると,治具本体10の底板底面と,天井ボードとは,一続きの一体的な平面に形成される。
【0086】
従って,天井の仕上げ処理がクロス貼りである場合には,天井ボード50のみならず,天井ボード50と共に取付治具1の治具本体10底板11に対しても一体にクロス貼りを行うことにより,また,天井の仕上げ処理が塗装である場合には,天井ボード50と共に取付治具1の治具本体10底板11を塗装することにより,天井ボード50と取付治具1との境界が完全に失われて,一体的な美しい仕上がりを得ることができる。
【0087】
このようにして天井に対して取付治具1の取付が完了した後,治具本体10の底板11に形成した開口11a内に図示せざる照明器具を挿入して,固定金具34によって開口11a内に固定することで,照明器具の天井に対する取り付けが完了する。
【0088】
なお,複数の,実施形態では,2個の照明器具を隣接して取り付ける場合には,前述したように取付治具1を複数個,同様に2個繋ぎ合わせて使用することもできる。
【0089】
この場合,治具本体10の連結面となる側板14,15の外壁には,前述した形状の傾斜面14a,14b;15a,15bが形成されていることから,連結した際の治具本体10の中心位置を容易に一致させることができると共に,傾斜面同士の接触により連結された治具本体10間は位置ずれが生じ難い。
【0090】
また,一方の傾斜面(図示の例では14a,15a)上に舌片19を備えた構成にあっては,一方の治具本体10に設けられた舌片19が,他方の治具本体10の側板上縁に載置されることにより,治具本体10同士の高さ合わせが容易であり,貫通孔32を介してボルト等によって隣接する治具本体10間を連結することにより,複数の取付治具1を一体的なものとして連結することが可能である。
【0091】
このようにして連結された取付治具1は,連結した状態における治具本体10の底面形状に対応した形状の取付口51が形成された天井ボード50に対して,前述した場合と同様の方法によって取り付けることができる。
【0092】
なお,複数の取付治具1を連結して使用する場合には,治具本体10同士の連結部間に生じた隙間にも,前述した目止め材の充填を行う。
【0093】
この場合,目止め材の充填は,取付治具1を天井に取付る前に行っても良いが,取付後に天井ボード50の開口縁と治具本体10間の充填と共に行うことで,目止め作業を1回の作業で全て完了させることができる。
【符号の説明】
【0094】
1 取付治具
10 治具本体
11 底板
11a 開口
11b リブ
12〜15 側板
14a,14b,15a,15b 傾斜面
14d,15d 段部
14e,14f,15e,15f 上端縁
16 取付部
16a 上端縁(取付部の)
17 ネジ孔
18a〜18c 嵌合溝
19 舌片
20 固定具
21 治具固定片
22 天井ボード固定片
23 長孔
24 位置決め片
25 小孔
32 貫通孔
34 取付金具
50 天井ボード
51 取付口
60 ビス
62 ネジ
64 落下防止金具
110 枠体
111 フランジ
112 本体部分(枠体の)
113,114 取付機構
120 固定片
124 取付金具
125 小孔
131 外板
140 器具取付枠
150 天井ボード
151 取付口
170 ダウンライト本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具が嵌合される開口が形成された矩形の底板と,前記底板の四辺それぞれより立設した側板を有し,全体として略箱型を成す治具本体と,
前記治具本体の外周に取り付けられる治具固定片と,前記治具固定片の下端より前記治具固定片に対して直交方向に突出した天井ボード固定片とを備えた略L字状を成す一対の固定具を設け,
前記各固定具の少なくとも前記天井ボード固定片にネジ孔となる多数の小孔を形成すると共に,
前記治具本体の前記側板のうち,対向する一対の側板に前記固定具の前記治具固定片を取り付ける取付部をそれぞれ設け,該取付部に,前記位置決め片を嵌合可能な複数の嵌合溝を設けると共に,
前記位置決め片を前記いずれか任意の前記嵌合溝に嵌合させた状態で前記固定具の前記治具固定片を前記取付部に固定する固定手段を設け,前記治具本体の底板底面に対する前記天井ボード固定片の配置高さを可変としたことを特徴とする照明器具の取付治具。
【請求項2】
前記取付部に,前記嵌合溝と平行を成す上端縁を形成すると共に,前記位置決め片の底面を前記上端縁に載置した状態において前記固定具の前記治具固定片を前記取付部に固定可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の照明器具の取付治具。
【請求項3】
前記治具固定片に高さ方向を長さ方向とする長孔を形成すると共に,前記長孔に挿入されるネジと,前記ネジと螺合する前記取付部に設けたネジ孔により,前記固定手段を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具の取付治具。
【請求項4】
前記治具本体の前記側板のうち,前記固定具が取り付けられる前記一対の側板を除く他の一対の側板の外壁が,底板側から上方に向かって徐々に外向きに傾斜する一方の傾斜面と,底板側から上方に向かって徐々に内向きに傾斜する他方の傾斜面によって二の傾斜面に分割形成されていると共に,前記他の一対の側板を相互に同一形状に形成したことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の照明器具の取付治具。
【請求項5】
前記他の一対の側板それぞれの共通する位置に,同一形状の貫通孔を設けたことを特徴とする請求項4記載の照明器具の取付治具。
【請求項6】
前記他の一対の側板のそれぞれに,前記一方の傾斜面,又は他方の傾斜面の上端より治具本体の外周側に突出する舌片を設けると共に,該舌片の底面は,他の前記舌片を形成していない傾斜面の上端縁に係止することを特徴とする請求項4又は5記載の照明器具の取付治具。
【請求項7】
前記治具本体の底板上面にリブを形成したことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の照明器具の取付治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−40300(P2011−40300A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187388(P2009−187388)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(592064110)株式会社ウシオスペックス (16)