説明

照明器具の自動消灯装置

【課題】待機電力の消費をなくする。
【解決手段】照明器具FL、FL…を点消灯する操作スイッチ11と、照明器具FL、FL…の光を受光する太陽電池21と、室内の人を検出する人感センサ22と、制御回路12、電源ユニット13とを設け、操作スイッチ11は、制御回路12からの消灯信号S3 により照明器具FL、FL…を自動消灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば学校の教室などのように不特定多数の人が使用する場所の照明器具に対して特に好適に適用することができる照明器具の自動消灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人の存在を検出する赤外線式の人感センサと、周囲の明るさを検出する照度センサとを設け、周囲が暗いときに人が近付くと照明器具を自動点灯させ、人が遠去かると所定時間後に照明器具を自動消灯させる自動点滅スイッチが広く実用されている(たとえば特許文献1、2)。
【0003】
自動点滅スイッチは、人感センサ、照度センサの各出力信号に基づき、照明器具を点消灯させる開閉部を適切に制御するために、たとえばマイクロコンピュータによる判断処理部を備えている。また、マイクロコンピュータは、商用電源から分岐する電源回路から所定の直流電圧が常時給電されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−48689号公報
【特許文献2】特開2001−237085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる従来技術によるときは、自動点滅スイッチは、照明器具の点灯時、消灯時に拘らず、商用電源に直結する電源回路から常時給電する必要があるから、待機電力を消費し、不経済であるという問題があった。
【0006】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、点灯中の照明器具の光を受光する太陽電池の出力電力、または照明器具の点消灯用の操作スイッチの下流側から分岐する商用電力を利用することによって、少なくとも照明器具の消灯中において商用電源から完全に切り離して待機電力を消費することがない照明器具の自動消灯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための請求項1の発明の構成は、室内の照明器具を手動で点消灯する操作スイッチと、室内の照明器具の光を受光する太陽電池と、室内の人を検出する人感センサと、太陽電池、人感センサの各出力信号を入力し、室内の照明器具が点灯中であって室内が無人である状態が継続して設定時間を超えると消灯信号を出力する制御回路と、太陽電池の出力電力を利用して制御回路に給電する電源ユニットとを備えてなり、操作スイッチは、制御回路からの消灯信号により室内の照明器具を自動消灯させる開放機構を有することをその要旨とする。
【0008】
請求項2の発明の構成は、室内の照明器具を手動で点消灯する操作スイッチと、室内の照明器具の光を受光する光センサと、室内の人を検出する人感センサと、光センサ、人感センサの各出力信号を入力し、室内の照明器具が点灯中であって室内が無人である状態が継続して設定時間を超えると消灯信号を出力する制御回路と、操作スイッチの下流側から分岐する商用電力を利用して制御回路に給電する電源ユニットとを備えてなり、操作スイッチは、制御回路からの消灯信号により室内の照明器具を自動消灯させる開放機構を有することをその要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
かかる請求項1の発明の構成によるときは、制御回路は、室内の照明器具の点灯中の光を受光する太陽電池と、室内に居る人を検出する人感センサとの各出力信号を入力し、室内の照明器具が点灯中であって室内が無人である状態が継続して設定時間を超えたと判断すると、操作スイッチに消灯信号を出力して操作スイッチの開放機構を作動させ、操作スイッチを開放させて室内の照明器具を自動消灯させることができる。すなわち、室内の照明器具は、無人の室内を長時間に亘って無駄に照明することがなく、いわゆる消し忘れ防止対策を実現して電力消費を節減することができる。なお、操作スイッチは、手動操作により、消灯中の照明器具を点灯させ、点灯中の照明器具を消灯させることができる。また、制御回路は、太陽電池、人感センサの各出力信号を処理するために、必要な論理判断要素、タイマ要素を備えている。
【0010】
制御回路は、太陽電池の出力電力を利用する電源ユニットから給電され、商用電源から切り離されている。そこで、制御回路は、それに接続する人感センサとともに、室内の照明器具の点灯中、消灯中に拘らず、商用電力を消費することがなく、待機電力を消費することもない。なお、電源ユニットには、太陽電池からの出力電力を蓄えるバッテリまたはコンデンサなどの蓄電要素を設け、制御回路からの消灯信号を介して操作スイッチの開放機構を作動させるに十分な電力を確保することが好ましい。
【0011】
請求項2の発明の構成によるときは、制御回路は、室内の照明器具の点灯中の光を受光する光センサと、室内の人を検出する人感センサとの各出力信号を入力することにより、請求項1の制御回路と同様に作動し、請求項1の発明と同様の効果を実現することができる。
【0012】
なお、請求項2の制御回路は、操作スイッチの下流側からの商用電力を利用する電源ユニットから給電されている。そこで、制御回路は、それに接続する光センサ、人感センサとともに、少なくとも操作スイッチが開放されて室内の照明器具が消灯中であるとき、商用電力を待機電力として消費することがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】全体構成ブロック系統図
【図2】設置状態を示す要部模式図
【図3】他の実施の形態を示す図1相当図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0015】
照明器具の自動消灯装置は、操作スイッチ11と、制御回路12と、電源ユニット13とを備えてなる(図1)。
【0016】
操作スイッチ11は、手動で開閉操作することにより、商用電源ACによって給電する室内の照明器具FL、FL…を点消灯することができる。なお、照明器具FL、FL…は、たとえば学校の教室Rの天井部に設備されている。
【0017】
教室Rには、照明器具FL、FL…の点灯中の光を受光する太陽電池21が設置されている。また、教室Rには、教室R内に人が居ることを検出する人感センサ22が設置されている。太陽電池21は、いわゆるソーラバッテリまたはソーラパネルであり、人感センサ22は、フォトダイオード、フォトトランジスタや、PZTなどの焦電素子が使用可能である。太陽電池21、人感センサ22の各出力信号S1 、S2 は、制御回路12に入力され、制御回路12の出力は、消灯信号S3 として、操作スイッチ11内の図示しない開放機構を構成する引外しコイルTCに導かれている。ただし、操作スイッチ11は、引外しコイルTCにパルス状の消灯信号S3 を供給して開放機構を作動させることにより、閉成中の接点を開放して点灯中の照明器具FL、FL…を自動消灯させることができる。
【0018】
太陽電池21の出力は、電源ユニット13を介して制御回路12に分岐接続されている。電源ユニット13は、直列接続する逆流防止用のダイオードD1 、D2 と、ダイオードD1 、D2 の接続点に接続する蓄電用のバッテリBとを有する。なお、バッテリBは、必要十分な蓄電能力がある限り、コンデンサなどの他の蓄電要素に代えてもよい。電源ユニット13は、太陽電池21の出力電力を利用して制御回路12に給電することができ、人感センサ22の作動電圧は、制御回路12から給電されている。
【0019】
操作スイッチ11を手動で投入すると、商用電源ACにより照明器具FL、FL…を点灯させることができる。また、点灯中の照明器具FL、FL…は、操作スイッチ11を手動で開放して消灯させることができる。
【0020】
照明器具FL、FL…が点灯しているとき、太陽電池21は、照明器具FL、FL…からの光を受光して発電し、電源ユニット13内のバッテリBを充電するとともに制御回路12に給電する。また、このときの太陽電池21は、出力信号S1 を制御回路12に入力させる。さらに、人感センサ22は、教室R内の人を検出して出力信号S2 を制御回路12に入力させる。
【0021】
そこで、制御回路12は、出力信号S1 、S2 に基づき、照明器具FL、FL…が点灯中であるにも拘らず、教室R内が無人であることを検知すると、その状態の継続時間を計測し、所定の設定時間を超えると消灯信号S3 を操作スイッチ11に出力し、操作スイッチ11を開放して照明器具FL、FL…を自動消灯させることができる。なお、制御回路12は、照明器具FL、FL…が点灯中で教室R内が無人である状態の継続時間が設定時間を超えることなく中断されたときは、それまでの継続時間をクリアして再計測に備えるものとする。
【0022】
以上の説明において、太陽電池21は、図1に拘らず、たとえば教室Rの天井部に設置する照明器具FLの笠FL1 の内面に貼着するようにして設置してもよい(図2)。
【0023】
なお、照明器具FLは、笠FL1 、蛍光管FL2 を有する蛍光灯器具に限らず、白熱電灯器具やLED電灯器具を含む任意の形式であってもよい。また、人感センサ22は、室内の人の動きを検知するモーションセンサであってもよい。さらに、照明器具FLを設ける教室Rは、学校以外の任意の施設や建物などの任意の室内空間であってもよい。
【0024】
また、図2において、制御回路12、電源ユニット13は、操作スイッチ11、人感センサ22の一方または双方に組み込んでもよく、図示しない他のケースやボックスなどに組み込んでもよい。
【他の実施の形態】
【0025】
制御回路12は、操作スイッチ11の下流側から分岐する商用電力を利用する電源ユニット14を介して給電することができる(図3)。ただし、このとき、教室Rには、太陽電池21に代えて、照明器具FL、FL…の点灯中の光を受光する光センサ23が設置され、光センサ23の出力信号S1 は、制御回路12に入力されている。
【0026】
電源ユニット14は、図示しないトランス、整流回路、平滑回路、定電圧回路などを含み、制御回路12に給電し、人感センサ22、光センサ23の作動電圧を供給する。そこで、制御回路12は、光センサ23、人感センサ22の各出力信号S1 、S2 に基づき、照明器具FL、FL…が点灯中で教室R内が無人である状態の継続時間が設定時間を超えると消灯信号S3 を操作スイッチ11に出力し、全体として図1と同様に動作することができる。
【0027】
以上の説明において、太陽電池21または光センサ23は、それぞれ教室Rの面積に応じて教室R内に複数を設けてもよく、人感センサ22についても同様である。このとき、制御回路12は、複数の太陽電池21、21…または光センサ23、23…の出力信号S1 、S1 …、複数の人感センサ22、22…の出力信号S2 、S2 …に基づき、教室R内の少なくとも1基の照明器具FLが点灯中であるにも拘らず教室R内が無人であることを検知し、その状態の継続時間を計測すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0028】
この発明は、たとえば学校の教室Rなどの不特定多数の人が使用する場所の照明器具FL、FL…の消し忘れ防止の用途に対し、広く好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0029】
FL…照明器具
S1 、S2 …出力信号
S3 …消灯信号
11…操作スイッチ
12…制御回路
13、14…電源ユニット
21…太陽電池
22…人感センサ
23…光センサ

特許出願人 株式会社 キャダック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の照明器具を手動で点消灯する操作スイッチと、室内の照明器具の光を受光する太陽電池と、室内の人を検出する人感センサと、前記太陽電池、人感センサの各出力信号を入力し、室内の照明器具が点灯中であって室内が無人である状態が継続して設定時間を超えると消灯信号を出力する制御回路と、前記太陽電池の出力電力を利用して前記制御回路に給電する電源ユニットとを備えてなり、前記操作スイッチは、前記制御回路からの消灯信号により室内の照明器具を自動消灯させる開放機構を有することを特徴とする照明器具の自動消灯装置。
【請求項2】
室内の照明器具を手動で点消灯する操作スイッチと、室内の照明器具の光を受光する光センサと、室内の人を検出する人感センサと、前記光センサ、人感センサの各出力信号を入力し、室内の照明器具が点灯中であって室内が無人である状態が継続して設定時間を超えると消灯信号を出力する制御回路と、前記操作スイッチの下流側から分岐する商用電力を利用して前記制御回路に給電する電源ユニットとを備えてなり、前記操作スイッチは、前記制御回路からの消灯信号により室内の照明器具を自動消灯させる開放機構を有することを特徴とする照明器具の自動消灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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