照明器具用吊下げコード長さ調整具
【課題】天井から垂下するとともに下端部に照明器具が設けられた吊下げコードの長さ方向中間領域に取外し可能に取り付けられる照明器具用吊下げコード長さ調整具であって、吊下げコードの長さ調整を容易に行うことができる調整具を提供する。
【解決手段】調整具1は、一方向に延びるとともに、吊下げコードに沿って配置される芯体2を備える。芯体2には、吊下げコード20の長さ方向中間領域における互いに離間した任意の2箇所20U、20Lを該両箇所間の距離を短縮した状態に係止保持する係止部3が設けられている。芯体2の周面には、係止部3に係止保持される吊下げコード20の両箇所20U、20L間の余り部21を二つに折り曲げた状態にして芯体2の長さ方向に沿うように保持する第1保持部5が、芯体2の長さ方向に沿って設けられている。
【解決手段】調整具1は、一方向に延びるとともに、吊下げコードに沿って配置される芯体2を備える。芯体2には、吊下げコード20の長さ方向中間領域における互いに離間した任意の2箇所20U、20Lを該両箇所間の距離を短縮した状態に係止保持する係止部3が設けられている。芯体2の周面には、係止部3に係止保持される吊下げコード20の両箇所20U、20L間の余り部21を二つに折り曲げた状態にして芯体2の長さ方向に沿うように保持する第1保持部5が、芯体2の長さ方向に沿って設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井から照明器具を吊り下げる吊下げコードの長さを調整するために用いられる照明器具用吊下げコード長さ調整具に関する。
【背景技術】
【0002】
天井から吊り下げて使用するペンダントライト等の吊下げ型照明器具は、一般に、天井から垂下した給電コードからなる吊下げコードの下端部に取り付けられている。この照明器具では、例えば、天井に固定状態に設けられた引掛けシーリングに、吊下げコードの上端に設けられたプラグを接続することにより、照明器具が吊下げコードを介して吊り下げられる。この照明器具においてその高さ位置の変更は、吊下げコードの長さを調整することにより行われている。
【0003】
吊下げコードの長さを調整するための調整具として、例えば、吊下げコードの上端のプラグに巻き芯体を固定状態に取り付け、この巻き芯体にその周方向に吊下げコードの上端部を巻き付けることにより、吊下げコードの長さを調整するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この調整具では、巻き芯体はプラグに直接、取り付けられて使用されるものであるため、プラグの形状に応じた専用の巻き芯体を必要とし、汎用性に欠けていた。
【0004】
そこで、吊下げコードに対して広く適用可能な調整具として、天井から垂下した吊下げコードの長さ方向中間領域に取外し可能に取り付けて吊下げコードの長さを調整する調整具が幾つか知られている(例えば、特許文献2及び3参照)。その代表的な調整具の構成について図12を参照して以下に説明する。
【0005】
図12において、120は、天井130から垂下した給電コードからなる吊下げコードである。この吊下げコード120の上端には、天井130に固定状態に設けられた引掛けシーリング131に対応するプラグ132が設けられる一方、この吊下げコード120の下端部には吊下げ型照明器具(灯具)133が設けられている。そして、この吊下げコード120における上端部や下端部ではなく長さ方向中間領域に、吊下げコード120の長さを調整する調整具101が取外し可能に取り付けられている。
【0006】
この調整具101では、その巻き芯体102の上端部に形成された上係止部103Uに吊下げコード120の長さ方向中間領域の任意の一箇所102Uを係止し、次いで、吊下げコード120を巻き芯体102にその周方向にコイル状に巻き付けたのち、吊下げコード120の長さ方向中間領域の任意の他の箇所102Lを巻き芯体102の下端部に形成された下係止部103Lに係止保持することにより、吊下げコード120の長さ調整が行われる。そして、巻き芯体102を筒状カバー体110で覆うことにより、外観体裁が高められている。
【特許文献1】特開2003−338216号公報
【特許文献2】特開平8−129905号公報
【特許文献3】特開2001−236815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、同図に示した調整具101には、次のような幾つかの難点があった。
【0008】
すなわち、この調整具101では、吊下げコード120の巻き芯体102への巻付け作業が完了した後で、照明器具133が所望する高さに配置されているかどうか確認する必要がある。そのため、もし吊下げコード120の巻付け作業が完了した後で照明器具133の高さが低いと確認された場合には、再度、吊下げコード120の巻付け作業を開始しなけばならないし、一方、もし照明器具133の高さが高いと確認された場合には、せっかく巻き芯体102に吊下げコード120を巻き付けたのにこれを巻き戻さなければならない。このような吊下げコード120の巻付け作業と巻戻し作業を繰り返し行うことで、吊下げコード120の長さが所望する長さに調整される(即ち、照明器具133が所望する高さに調整される)ため、調整作業がとても面倒であった。
【0009】
さらに、吊下げコード120の巻き芯体102への巻き数が5回とか6回等の整数値に制限されるので、照明器具133の高さ調整を細かく行うことができなかった。
【0010】
しかも、吊下げコード120の一端側(例えば上端側)から他端側(例えば下端側)に向かって吊下げコード120を巻き芯体102に巻き付けていくことで、吊下げコード120の長さが調整されるので、長さ調整後における巻き芯体120(調整具101)の吊下げコード120への取付け高さ位置を所望する高さ位置に設定するのが非常に困難であった。
【0011】
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、天井から垂下するとともに下端部に照明器具が設けられた吊下げコードの長さ方向中間領域に取外し可能に取り付けられる照明器具用吊下げコード長さ調整具であって、吊下げコードの長さ調整を容易に行うことができ、更に照明器具の高さ調整を細かく行うことができ、しかも、調整具の吊下げコードへの取付け高さ位置を所望する高さ位置に容易に設定することできる照明器具用吊下げコード長さ調整具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は以下の手段を提供する。
【0013】
[1] 天井から垂下するとともに下端部に照明器具が設けられた吊下げコードの長さ方向中間領域に取外し可能に取り付けられる照明器具用吊下げコード長さ調整具であって、
一方向に延びるとともに、吊下げコードに沿って配置される芯体を備え、
前記芯体には、吊下げコードの長さ方向中間領域における互いに離間した任意の2箇所を該両箇所間の距離を短縮した状態に係止保持する係止部が設けられるとともに、
前記芯体の周面には、前記係止部に係止される吊下げコードの前記両箇所の間の余り部を二つに折り曲げた状態にして芯体の長さ方向に沿うように保持する第1保持部が、芯体の長さ方向に沿って設けられていることを特徴とする照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【0014】
[2] 前記芯体の周面には、前記第1保持部に保持されるとともに芯体の長さ方向の端位置から前記第1保持部の反対側に折り返された余り部を、前記芯体の長さ方向に沿うように保持する第2保持部が、芯体の長さ方向に沿って設けられている前項1記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【0015】
[3] 前記係止部は、前記芯体の長さ方向中間部よりも一端側に設けられ、
前記第1保持部は、前記芯体の係止部よりも他端側に設けられている前項1又は2記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【0016】
[4] 前記芯体の係止部に係止される吊下げコードの前記両箇所のうち、上側に位置する箇所を上被係止箇所とし、下側に位置する箇所を下被係止箇所とするとき、
前記芯体の周面には、吊下げコードの前記上被係止箇所よりも上側のコード部を前記係止部から芯体の上端に向かって芯体の長さ方向に沿うように保持する第3保持部と、吊下げコードの前記下被係止箇所よりも下側のコード部を前記係止部から芯体の下端に向かって芯体の長さ方向に沿うように保持する第4保持部と、のうち少なくとも一方が設けられている前項1〜3のいずれかに記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【0017】
[5] 前記芯体の係止部に吊下げコードの前記両箇所が係止され且つ前記第1保持部に前記余り部が保持された状態のままで、前記芯体を収容する筒状カバー体を備えている前項1〜4のいずれかに記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以下の効果を奏する。
【0019】
[1]の発明に係る照明器具用吊下げコード長さ調整具によれば、照明器具が所望する高さに配置されるように吊下げコードの長さ方向中間領域における互いに離間した任意の2箇所を接近させて該両箇所間の距離を短縮し、次いで、該両箇所を芯体の係止部に係止することにより、両箇所間の距離が短縮状態に保持されて照明器具が所望する高さに配置される。そのため、必ずしも従来のように吊下げコードを巻き付け、長さ調整後に照明器具が所望する高さに配置されているかどうか確認する必要がなく、吊下げコードの長さ調整を容易に行うことができる。
【0020】
さらに、この調整具によれば、芯体の係止部に係止する吊下げコードの2つの箇所は、照明器具の高さに応じて任意に選択可能であるから、照明器具の高さ調整を細かく行うことができるし、更に、調整具(芯体)の吊下げコードへの取付け高さ位置を所望する高さ位置に容易に設定することができる。
【0021】
その上、芯体の係止部に係止される吊下げコードの両箇所の間の余り部を二つに折り曲げ状態にして、芯体の長さ方向に沿うように芯体の第1保持部に保持することにより、余り部を芯体にその周方向に巻き付けて保持するものと比べて、余り部を保持した状態での芯体の全体直径を小さくすることができ、これにより調整具のスリム化を図ることができる。
【0022】
さらに、第1保持部は、芯体の長さ方向に沿って設けられているので、様々な長さの余り部をこの第1保持部で保持することができる。
【0023】
[2]の発明では、芯体の周面には、第1保持部に保持されるとともに芯体の長さ方向の端位置から第1保持部の反対側に折り返された余り部を、芯体の長さ方向に沿うように保持する第2保持部が芯体の長さ方向に沿って設けられている。そのため、吊下げコードの余り部の長さが比較的長い場合であっても、当該余り部を芯体の長さ方向に沿うように第1保持部と第2保持部とで保持することができる。
【0024】
さらに、第2保持部は、芯体の長さ方向に沿って設けられているので、様々な長さの余り部を第2保持部で保持することができる。
【0025】
[3]の発明では、芯体の係止部は、芯体の長さ方向中間部よりも一端側に設けられる一方、第1保持部は、芯体の係止部よりも他端側に設けられている。そのため、第1保持部で保持可能な余り部の長さを、芯体の係止部が芯体の長さ方向中間部に設けられているものと比べて、長くすることができる。
【0026】
[4]の発明では、芯体の第3保持部と第4保持部のうち少なくもと一方で、吊下げコードの対応するコード部を芯体の長さ方向に沿うように保持することができる。これにより、芯体を吊下げコードに沿って確実に配置することができるし、更に、吊下げコードの上被係止箇所の係止部への係止状態や下被係止箇所の係止部への係止状態をしっかりと保持することができる。
【0027】
[5]の発明では、外観体裁をより一層向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明の一実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0029】
図1〜11は、本発明の一実施形態に係る照明器具用吊下げコード長さ調整具を説明するための図である。
【0030】
図1において、1は本実施形態に係る調整具であり、20は吊下げコードである。吊下げコード20は、照明器具33への給電コードからなるフレキシブルなものであって、天井30に固定状態に設けられた引掛けシーリング31を介して天井30から垂下している。この吊下げコード20の下端部には吊下げ型照明器具(灯具)が取り付けられている。一方、この吊下げコード20の上端には、天井30の引掛けシーリング31に対応するプラグ32が設けられている。そして、このプラグ32が引掛けシーシング31に接続されることにより、照明器具33が吊下げコード20を介して所定の高さ位置に吊下げ保持されている。
【0031】
本実施形態の調整具1は、吊下げコード20の長さを調整することで照明器具33を所望する高さに配置させるために用いられるものであり、吊下げコード20の上端部や下端部ではなく長さ方向中間領域に取外し可能に取り付けられている。
【0032】
図2〜5に示すように、この調整具1は、プラスチック製の芯体2と、プラスチック製の円筒状カバー体10とを備えている。
【0033】
芯体2は、一方向に延びた棒状のものであって、吊下げコード20に沿って配置されるものである。芯体2の断面形状は略U字状である。芯体2の長さは特に限定されるものではないが、例えば100〜200mmであることが望ましい。
【0034】
図6、8及び10に示すように、芯体2の長さ方向中間部よりも上端側(一端側)の部分には、吊下げコード20の長さ方向中間領域における互いに離間した任意の2箇所20U、20Lを該両箇所間の距離を短縮した状態に係止保持する係止部3が設けられている。
【0035】
ここで説明の便宜上、芯体2の係止部3に係止される吊下げコード20の両箇所20U、20Lのうち、上側に位置する箇所を「上被係止箇所20U」といい、下側に位置する箇所を「下被係止箇所20L」という。
【0036】
芯体2の係止部3は、吊下げコード20の上被係止箇所20Uと下被係止箇所20Lとをそれぞれ係脱可能に差込み係止する上係止凹部3Uと下係止凹部3Lとからなる。上下両係止凹部3U、3Lは、互いに隔壁部4を介して隣接配置されている。各係止凹部3U、3Lは、芯体2の周壁部がその一側縁部からU字状に切り欠かれて形成されたものである。
【0037】
また、芯体2の周面の上係止凹部3Uよりも上側の部分には、上係止凹部3Uに係止された吊下げコード20の上被係止箇所20Uよりも上側近傍のコード部22を上係止凹部3Uから芯体2の上端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように着脱可能に保持する断面U字状の上保持溝部7(第3保持部)が、上係止凹部3Uから芯体2の上端に向かって芯体2の中心軸に沿って形成されている。さらに、芯体2の上端面に上保持溝部7の上端開口が形成されている。
【0038】
また、芯体2の周面の下係止凹部3Lよりも下側の部分には、下係止凹部3Lに係止された吊下げコード20の下被係止箇所20Lよりも下側近傍のコード部23を下係止凹部3Lから芯体2の下端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように着脱可能に保持する断面U字状の下保持溝部8(第4保持部)が、下係止凹部3Lから芯体2の下端に向かって芯体2の中心軸に沿って形成されている。さらに、芯体2の下端面に下保持溝部8の下端開口が形成されている。
【0039】
芯体2の係止部3(即ち上下両係止凹部3U、3L)よりも下端側の部分は、芯体2の係止部3及びその上側の部分よりも径大に形成されており、この部分を「径大部2a」という。
【0040】
さらに、図4、6、9〜11に示すように、芯体2の係止部3よりも下側の径大部2aの周面における周方向の一部には、係止部3(即ち上下両係止凹部3U、3L)に係止された吊下げコード20の上下両被係止箇所20U、20L間のループ状の余り部21を二つに折り曲げた状態にして(図10及び11参照)、芯体2の長さ方向に沿うように着脱自在に保持する第1保持溝部5(第1保持部)が、芯体2の長さ方向に沿って形成されている。さらに、芯体2の下端面に第1保持溝部5の下端開口が形成されている。
【0041】
本実施形態では、この第1保持溝部5は、吊下げコード20の二つに折り曲げられた状態の余り部21を、該余り部21における互いに平行に配置された左右一対の平行コード部21a、21aを一つにをまとめた状態にして、芯体2の下端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように着脱自在に保持するように構成されている。この第1保持溝部5の構成について詳述すると、図3及び9に示すように、第1保持溝部5の開口部の幅方向両側縁部には、第1保持溝部5内に嵌め込まれた余り部21の両平行コード部21a、21aが第1保持溝部5内から不慮に飛び出さないように両平行コード部21a、21aをそれぞれ押さえ止める左右一対の押さえ爪部5a、5aが、第1保持溝部5の開口部の幅方向中間部に向かって僅かに突出して芯体2の長さ方向に沿って一体形成されている。
【0042】
さらに、図5、6、9〜11に示すように、芯体2の係止部3よりも下側の径大部2aの周面における第1保持溝部5とは反対側の部分には、第1保持溝部5に保持されるとともに芯体2の下端位置から第1保持溝部5の反対側に折り返された余り部21(詳述すると余り部21の折り返し部21X)を、芯体2の長さ方向に沿うように着脱自在に保持する第2保持溝部6(第2保持部)が、芯体2の長さ方向に沿って形成されている。
【0043】
本実施形態では、この第2保持溝部6は、第1保持溝部5と同様の構成である。すなわち、この第2保持溝部6は、芯体2の下端位置から折り返された余り部21の折り返し部21Xを、その両平行コード部21a、21aを一つにをまとめた状態にして、芯体2の上端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように着脱自在に保持するように構成されている。この第2保持溝部6の構成について詳述すると、図3及び9に示すように、第2保持溝部6の開口部の幅方向両側縁部には、第2保持溝部6内に嵌め込まれた余り部21の折り返し部21Xの両平行コード部21a、21aが第2保持溝部6内から不慮に飛び出さないように両平行コード部21a、21aをそれぞれ押さえ止める左右一対の押さえ爪部6a、6aが、第2保持溝部6の開口部の幅方向中間部に向かって僅かに突出して芯体2の長さ方向に沿って一体形成されている。
【0044】
カバー体10は、図2〜5に示すように、芯体2の係止部3(上下両係止凹部3U、3L)に吊下げコード20の上下両被係止箇所20U、20Lが係止され且つ第1保持溝部5及び第2保持溝部6にそれぞれ余り部21及びその折り返し部21Xが保持され、更に上保持溝部7及び下保持溝部8にそれぞれ吊下げコード20の所定のコード部22、23が保持された状態のままで、芯体2を収容するものである。
【0045】
このカバー体10は、一方向に延びた円筒状に形成されるとともに、吊下げコード20に沿って配置されるものである。カバー体10の円形状の上壁部及び下壁部の中央部には、それぞれ、吊下げコード20を遊挿する断面円形状の吊下げコード挿通孔11が設けられている。この吊下げコード挿通孔11の直径は、吊下げコード20の直径よりも若干大きく設定されている。
【0046】
さらに、このカバー体10は、縦に二分割されて構成されたものであり、各分割片10a、10aには、両分割片10a、10aを互いに円筒状に分離可能に組み付け保持する複数個の係止爪部12a及び係止溝部12bが設けられている。また、各分割片10aの半円形状の上壁半部及び下壁半部には、ぞれぞれ、吊下げコード挿通孔11が二分割されてなる断面半円状の吊下げコード挿通溝部11aが形成されている。
【0047】
次に、本実施形態の調整具1を用いて吊下げコード20の長さを調整する方法について以下に説明する。
【0048】
まず、図10に示すように、天井30から引掛けシリング31を介して垂下した吊下げコード20の下端部に設けられた照明器具33が所望する高さに配置されるように、吊下げコード20の長さ方向中間領域における互いに離間した任意に選択した2箇所20U、20Lを接近させて該両箇所20U、20L間の距離を短縮し、次いでこの状態で、該両箇所20U、20Lをそれぞれ芯体2の上係止凹部3U及び下係止凹部3Lに係止する。これにより、吊下げコード20の上下両被係止箇所20U、20L間の距離が短縮状態に保持されて照明器具33が所望する高さに配置される。このとき、吊下げコード20の上下両被係止箇所20U、20L間の余り部21は、芯体2の側方に突出したループ状となる。
【0049】
また、吊下げコード20の上下両被係止箇所20U、20Lをそれぞれ芯体2の上下両係止凹部3U、3Lに係止するのと同時に、吊下げコード20の上被係止箇所20Uよりも上側近傍のコード部22を芯体2の上保持溝部7内にきつく嵌め込むことにより、当該上側コード部22を上係止凹部3Uから芯体2の上端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように保持するとともに、上側コード部22を芯体2の上端面に形成された上保持溝部7の上端開口から上方へ突出させる。これと同じく、吊下げコード20の下被係止箇所20Lよりも下側近傍のコード部23を芯体2の下保持溝部8内にきつく嵌め込むことにより、当該下側コード部23を下係止凹部3Lから芯体2の下端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように保持するとともに、下側コード部23を芯体2の下端面に形成された下保持溝部8の下端開口から下方へ突出させる。
【0050】
次いで、同図に示すように、吊下げコード20の上下両被係止箇所20U、20L間のループ状の余り部21を二つに折り曲げることにより、該余り部21を構成する一対の直線状コード部21a、21aを互いに平行に対向配置させる。そして、このように余り部21を二つに折り曲げた状態のままで該余り部21を芯体2の径大部2aの周面側から第1保持溝部5内にきつく嵌め込むことにより、図11に示すように、余り部21を芯体2の長さ方向に沿うように保持する。この保持状態において、同図に示すように、もし余り部21が第1保持溝部5の全長よりも長くて第1保持溝部5の下端開口から下方へ突出する場合には、余り部21の突出部(折り返し部21X)を芯体2の下端位置から第1保持溝部5の反対側、即ち第2保持溝部6側へ折り返す。そして、余り部21の折り返された折り返し部21Xを、芯体2の周面側から第2保持溝部6内にきつく嵌め込むことにより、図5に示すように、余り部21の折り返し部21Xを芯体2の長さ方向に沿うように保持する。
【0051】
図3に示すように、吊下げコード20の余り部21が第1保持溝部5内に保持された状態では、余り部21における一対の平行コード部21a、21aは、それぞれ、第1保持溝部5の一対の押さえ爪部5a、5aにより第1保持溝部5内から不慮に飛び出さないように押さえ止められている。また同じく、吊下げコード20の余り部21の折り返し部21Xが第2保持溝部6内に保持された状態では、余り部21の折り返し部21Xにおける一対の平行コード部21a、21aは、それぞれ、第2保持溝部6の一対の押さえ爪部6a、6aにより第2保持溝部6内から不慮に飛び出さないように押さえ止められている。
【0052】
次いで、図4及び5に示すように、カバー体10の両分割片10a、10aの間に芯体2を配置して該両分割片10a、10aを円筒状に組み付けることにより、カバー体10の内部に芯体2を配置し、これにより芯体2が外部から見えないようにカバー体10で芯体2を覆う。なおこの状態では、図2に示すように、吊下げコード20は、カバー体10の上壁部の吊下げコード挿通孔11と下壁部の吊下げコード挿通孔11とに遊挿状態に挿通されている。
【0053】
一方、このように吊下げコード20の長さが調整具1により所望する長さに調整された状態から、吊下げコード20の長さを元の長さに戻す場合には、上述した手順を逆に行い、芯体2を吊下げコード20から取り外せば良い。
【0054】
而して、本実施形態の調整具1には次の利点がある。
【0055】
この調整具1によれば、照明器具33が所望する高さに配置されるように吊下げコード20の長さ方向中間領域における互いに離間した任意の2箇所20U、20Lを接近させて両箇所20U、20L間の距離を短縮し、次いで、該両箇所20U、20Lをそれぞれ芯体2の上下両係止凹部3U、3Lに係止することにより、両箇所20U、20L間の距離が短縮状態に保持されて照明器具33が所望する高さに配置される。そのため、必ずしも従来のように吊下げコード20の長さ調整後に照明器具33が所望する高さに配置されているかどうか確認する必要がなく、吊下げコード20の長さ調整(即ち照明器具33の高さ調整)を容易に行うことができる。
【0056】
さらに、芯体2の上下両係止凹部3U、3Lに係止する吊下げコード20の2つの箇所20U、20Lは、照明器具30の高さに応じて任意に選択可能であるから、照明器具33の高さ調整を細かく行うことができるし、更に、調整具1(芯体2)の吊下げコード20への取付け高さ位置を所望する高さ位置に容易に設定することができる。
【0057】
その上、芯体2の上下両係止凹部3U、3Lに係止された吊下げコード20の上下両被係止箇所20U、20L間の余り部21を二つに折り曲げ状態にして、芯体2の長さ方向に沿うように芯体2の第1保持溝部5に保持することにより、外観体裁が良くなることがもとより、更に、余り部21を芯体2にその周方向に巻き付けて保持するものと比べて、余り部21を保持した状態での芯体2の全体直径を小さくすることができ、これにより調整具1のスリム化を図ることができる。
【0058】
さらに、第1保持溝部5は、芯体2の長さ方向に沿って設けられているので、様々な長さの余り部21をこの第1保持溝部5で保持することができる。
【0059】
また、芯体2の周面には、第1保持溝部5に保持されるとともに芯体2の下端位置から第1保持溝部5の反対側に折り返された余り部21(詳述すると余り部21の折り返し部21X)を、芯体2の長さ方向に沿うように保持する第2保持溝部6が芯体2の長さ方向に沿って設けられている。そのため、吊下げコード20の余り部21の長さが比較的長い場合であっても、当該余り部21を芯体2の長さ方向に沿うように第1保持溝部5と第2保持溝部6とで保持することができる。
【0060】
さらに、第2保持溝部6は、芯体2の長さ方向に沿って設けられているので、様々な長さの余り部21をこの第2保持溝部6で保持することができる。
【0061】
また、芯体2の上下両係止凹部3U、3Lは、ともに、芯体2の長さ方向中間部よりも一端側(上端側)に設けられる一方、第1保持溝部5は、芯体2の上下両係止凹部3U、3Lよりも他端側(下端側)に設けられている。そのため、第1保持溝部5で保持可能な余り部21の長さを、芯体2の上下両係止凹部3U、3Lが芯体2の長さ方向中間部に設けられているものと比べて、長くすることができる。
【0062】
また、芯体2の周面には、吊下げコード20の上被係止箇所20Uよりも上側近傍のコード部22を上係止凹部3Uから芯体2の上端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように保持する上保持溝部7と、吊下げコード20の下被係止箇所20Lよりも下側近傍のコード部23を下係止凹部3Lから芯体2の下端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように保持する下保持溝部8とが設けられている。したがって、芯体2の上保持溝部7と下保持溝部8とで、吊下げコード20の対応するコード部22、23を芯体2の長さ方向に沿うように保持することができる。これにより、芯体2を吊下げコード20に沿って確実に配置することができるし、更に、吊下げコード20の上被係止箇所20Uの上係止凹部3Uへの係止状態と下被係止箇所20Lの下係止凹部3Lへの係止状態とをしっかりと保持することができる。
【0063】
さらに、この調整具1は、芯体2を収容する円筒状カバー体10を備えているので、外観体裁をより一層向上させることができる。
【0064】
以上で、本発明の一実施形態に係る調整具を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々に変更可能である。
【0065】
例えば本発明では、上記実施形態の調整具1の芯体2を上下逆にして使用しても良い。
【0066】
また本発明では、芯体2は、上保持溝部7(第3保持部)と下保持溝部8(第4保持部)とのうちいずれか一方だけを備えていても良いし、本実施形態のように両方を備えていても良い。
【0067】
また本発明では、芯体2の周面には、吊下げコード20の余り部21を保持する保持溝部5、6(保持部)の個数は、2個であることに限定されるものではなく、その他に、1個であっても良いし、3個以上であっても良い。
【0068】
また本発明では、調整具1が取り付けられる吊下げコード20は、本実施形態のように天井30に設けられた引掛けシーリング31を介して天井30から垂下したものであることに限定されるものではなく、その他に、例えば、天井30に設けられたローゼットを介して天井30から垂下したものであっても良いし、天井30に設けられたダクトレールを介して天井30から垂下したものであっても良いし、天井30に固定された環状フランジ体の中心部に設けられた吊下げコード挿通孔に天井30の上側から下側へ吊下げコード20が挿通されることで、吊下げコード20が天井30から垂下したものであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、天井から照明器具を吊り下げる吊下げコードの長さを調整するために用いられる照明器具用吊下げコード長さ調整具に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る照明器具用吊下げコード長さ調整具を吊下げコードに取り付けた状態で示す正面図である。
【図2】図2は、同調整具の斜視図である。
【図3】図3は、図2中のX−X線断面図である。
【図4】図4は、同調整具の分解斜視図である。
【図5】図5は、同調整具における図4とは別の方向から見た分解斜視図である。
【図6】図6は、同調整具の芯体の斜視図である。
【図7】図7は、同芯体における図6とは別の方向から見た斜視図である。
【図8】図8は、同芯体における図6とは更に別の方向から見た斜視図である。
【図9】図9は、図6中のX−X断面図である。
【図10】図10は、同芯体の係止部に吊下げコードの2箇所を係止した状態の斜視図である。
【図11】図11は、同芯体の第1保持溝部(第1保持部)に保持された吊下げコードの余り部を芯体の下端位置から折り返す途中の状態を示す斜視図である。
【図12】図12は、従来の照明器具用吊下げコード長さ調整具を吊下げコードに取り付けた状態で示す断面図である。
【符号の説明】
【0071】
1:調整具
2:芯体
3:係止部
3U:上係止凹部
3L:下係止凹部
5:第1保持溝部(第1保持部)
6:第2保持溝部(第2保持部)
7:上保持溝部(第3保持部)
8:下保持溝部(第4保持部)
10:カバー体
20:吊下げコード
20U:上被係止箇所
20L:下被係止箇所
21:余り部
21X:余り部の折り返し部
22:上側コード部
23:下側コード部
30:天井
33:照明器具
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井から照明器具を吊り下げる吊下げコードの長さを調整するために用いられる照明器具用吊下げコード長さ調整具に関する。
【背景技術】
【0002】
天井から吊り下げて使用するペンダントライト等の吊下げ型照明器具は、一般に、天井から垂下した給電コードからなる吊下げコードの下端部に取り付けられている。この照明器具では、例えば、天井に固定状態に設けられた引掛けシーリングに、吊下げコードの上端に設けられたプラグを接続することにより、照明器具が吊下げコードを介して吊り下げられる。この照明器具においてその高さ位置の変更は、吊下げコードの長さを調整することにより行われている。
【0003】
吊下げコードの長さを調整するための調整具として、例えば、吊下げコードの上端のプラグに巻き芯体を固定状態に取り付け、この巻き芯体にその周方向に吊下げコードの上端部を巻き付けることにより、吊下げコードの長さを調整するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この調整具では、巻き芯体はプラグに直接、取り付けられて使用されるものであるため、プラグの形状に応じた専用の巻き芯体を必要とし、汎用性に欠けていた。
【0004】
そこで、吊下げコードに対して広く適用可能な調整具として、天井から垂下した吊下げコードの長さ方向中間領域に取外し可能に取り付けて吊下げコードの長さを調整する調整具が幾つか知られている(例えば、特許文献2及び3参照)。その代表的な調整具の構成について図12を参照して以下に説明する。
【0005】
図12において、120は、天井130から垂下した給電コードからなる吊下げコードである。この吊下げコード120の上端には、天井130に固定状態に設けられた引掛けシーリング131に対応するプラグ132が設けられる一方、この吊下げコード120の下端部には吊下げ型照明器具(灯具)133が設けられている。そして、この吊下げコード120における上端部や下端部ではなく長さ方向中間領域に、吊下げコード120の長さを調整する調整具101が取外し可能に取り付けられている。
【0006】
この調整具101では、その巻き芯体102の上端部に形成された上係止部103Uに吊下げコード120の長さ方向中間領域の任意の一箇所102Uを係止し、次いで、吊下げコード120を巻き芯体102にその周方向にコイル状に巻き付けたのち、吊下げコード120の長さ方向中間領域の任意の他の箇所102Lを巻き芯体102の下端部に形成された下係止部103Lに係止保持することにより、吊下げコード120の長さ調整が行われる。そして、巻き芯体102を筒状カバー体110で覆うことにより、外観体裁が高められている。
【特許文献1】特開2003−338216号公報
【特許文献2】特開平8−129905号公報
【特許文献3】特開2001−236815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、同図に示した調整具101には、次のような幾つかの難点があった。
【0008】
すなわち、この調整具101では、吊下げコード120の巻き芯体102への巻付け作業が完了した後で、照明器具133が所望する高さに配置されているかどうか確認する必要がある。そのため、もし吊下げコード120の巻付け作業が完了した後で照明器具133の高さが低いと確認された場合には、再度、吊下げコード120の巻付け作業を開始しなけばならないし、一方、もし照明器具133の高さが高いと確認された場合には、せっかく巻き芯体102に吊下げコード120を巻き付けたのにこれを巻き戻さなければならない。このような吊下げコード120の巻付け作業と巻戻し作業を繰り返し行うことで、吊下げコード120の長さが所望する長さに調整される(即ち、照明器具133が所望する高さに調整される)ため、調整作業がとても面倒であった。
【0009】
さらに、吊下げコード120の巻き芯体102への巻き数が5回とか6回等の整数値に制限されるので、照明器具133の高さ調整を細かく行うことができなかった。
【0010】
しかも、吊下げコード120の一端側(例えば上端側)から他端側(例えば下端側)に向かって吊下げコード120を巻き芯体102に巻き付けていくことで、吊下げコード120の長さが調整されるので、長さ調整後における巻き芯体120(調整具101)の吊下げコード120への取付け高さ位置を所望する高さ位置に設定するのが非常に困難であった。
【0011】
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、天井から垂下するとともに下端部に照明器具が設けられた吊下げコードの長さ方向中間領域に取外し可能に取り付けられる照明器具用吊下げコード長さ調整具であって、吊下げコードの長さ調整を容易に行うことができ、更に照明器具の高さ調整を細かく行うことができ、しかも、調整具の吊下げコードへの取付け高さ位置を所望する高さ位置に容易に設定することできる照明器具用吊下げコード長さ調整具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は以下の手段を提供する。
【0013】
[1] 天井から垂下するとともに下端部に照明器具が設けられた吊下げコードの長さ方向中間領域に取外し可能に取り付けられる照明器具用吊下げコード長さ調整具であって、
一方向に延びるとともに、吊下げコードに沿って配置される芯体を備え、
前記芯体には、吊下げコードの長さ方向中間領域における互いに離間した任意の2箇所を該両箇所間の距離を短縮した状態に係止保持する係止部が設けられるとともに、
前記芯体の周面には、前記係止部に係止される吊下げコードの前記両箇所の間の余り部を二つに折り曲げた状態にして芯体の長さ方向に沿うように保持する第1保持部が、芯体の長さ方向に沿って設けられていることを特徴とする照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【0014】
[2] 前記芯体の周面には、前記第1保持部に保持されるとともに芯体の長さ方向の端位置から前記第1保持部の反対側に折り返された余り部を、前記芯体の長さ方向に沿うように保持する第2保持部が、芯体の長さ方向に沿って設けられている前項1記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【0015】
[3] 前記係止部は、前記芯体の長さ方向中間部よりも一端側に設けられ、
前記第1保持部は、前記芯体の係止部よりも他端側に設けられている前項1又は2記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【0016】
[4] 前記芯体の係止部に係止される吊下げコードの前記両箇所のうち、上側に位置する箇所を上被係止箇所とし、下側に位置する箇所を下被係止箇所とするとき、
前記芯体の周面には、吊下げコードの前記上被係止箇所よりも上側のコード部を前記係止部から芯体の上端に向かって芯体の長さ方向に沿うように保持する第3保持部と、吊下げコードの前記下被係止箇所よりも下側のコード部を前記係止部から芯体の下端に向かって芯体の長さ方向に沿うように保持する第4保持部と、のうち少なくとも一方が設けられている前項1〜3のいずれかに記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【0017】
[5] 前記芯体の係止部に吊下げコードの前記両箇所が係止され且つ前記第1保持部に前記余り部が保持された状態のままで、前記芯体を収容する筒状カバー体を備えている前項1〜4のいずれかに記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以下の効果を奏する。
【0019】
[1]の発明に係る照明器具用吊下げコード長さ調整具によれば、照明器具が所望する高さに配置されるように吊下げコードの長さ方向中間領域における互いに離間した任意の2箇所を接近させて該両箇所間の距離を短縮し、次いで、該両箇所を芯体の係止部に係止することにより、両箇所間の距離が短縮状態に保持されて照明器具が所望する高さに配置される。そのため、必ずしも従来のように吊下げコードを巻き付け、長さ調整後に照明器具が所望する高さに配置されているかどうか確認する必要がなく、吊下げコードの長さ調整を容易に行うことができる。
【0020】
さらに、この調整具によれば、芯体の係止部に係止する吊下げコードの2つの箇所は、照明器具の高さに応じて任意に選択可能であるから、照明器具の高さ調整を細かく行うことができるし、更に、調整具(芯体)の吊下げコードへの取付け高さ位置を所望する高さ位置に容易に設定することができる。
【0021】
その上、芯体の係止部に係止される吊下げコードの両箇所の間の余り部を二つに折り曲げ状態にして、芯体の長さ方向に沿うように芯体の第1保持部に保持することにより、余り部を芯体にその周方向に巻き付けて保持するものと比べて、余り部を保持した状態での芯体の全体直径を小さくすることができ、これにより調整具のスリム化を図ることができる。
【0022】
さらに、第1保持部は、芯体の長さ方向に沿って設けられているので、様々な長さの余り部をこの第1保持部で保持することができる。
【0023】
[2]の発明では、芯体の周面には、第1保持部に保持されるとともに芯体の長さ方向の端位置から第1保持部の反対側に折り返された余り部を、芯体の長さ方向に沿うように保持する第2保持部が芯体の長さ方向に沿って設けられている。そのため、吊下げコードの余り部の長さが比較的長い場合であっても、当該余り部を芯体の長さ方向に沿うように第1保持部と第2保持部とで保持することができる。
【0024】
さらに、第2保持部は、芯体の長さ方向に沿って設けられているので、様々な長さの余り部を第2保持部で保持することができる。
【0025】
[3]の発明では、芯体の係止部は、芯体の長さ方向中間部よりも一端側に設けられる一方、第1保持部は、芯体の係止部よりも他端側に設けられている。そのため、第1保持部で保持可能な余り部の長さを、芯体の係止部が芯体の長さ方向中間部に設けられているものと比べて、長くすることができる。
【0026】
[4]の発明では、芯体の第3保持部と第4保持部のうち少なくもと一方で、吊下げコードの対応するコード部を芯体の長さ方向に沿うように保持することができる。これにより、芯体を吊下げコードに沿って確実に配置することができるし、更に、吊下げコードの上被係止箇所の係止部への係止状態や下被係止箇所の係止部への係止状態をしっかりと保持することができる。
【0027】
[5]の発明では、外観体裁をより一層向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明の一実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0029】
図1〜11は、本発明の一実施形態に係る照明器具用吊下げコード長さ調整具を説明するための図である。
【0030】
図1において、1は本実施形態に係る調整具であり、20は吊下げコードである。吊下げコード20は、照明器具33への給電コードからなるフレキシブルなものであって、天井30に固定状態に設けられた引掛けシーリング31を介して天井30から垂下している。この吊下げコード20の下端部には吊下げ型照明器具(灯具)が取り付けられている。一方、この吊下げコード20の上端には、天井30の引掛けシーリング31に対応するプラグ32が設けられている。そして、このプラグ32が引掛けシーシング31に接続されることにより、照明器具33が吊下げコード20を介して所定の高さ位置に吊下げ保持されている。
【0031】
本実施形態の調整具1は、吊下げコード20の長さを調整することで照明器具33を所望する高さに配置させるために用いられるものであり、吊下げコード20の上端部や下端部ではなく長さ方向中間領域に取外し可能に取り付けられている。
【0032】
図2〜5に示すように、この調整具1は、プラスチック製の芯体2と、プラスチック製の円筒状カバー体10とを備えている。
【0033】
芯体2は、一方向に延びた棒状のものであって、吊下げコード20に沿って配置されるものである。芯体2の断面形状は略U字状である。芯体2の長さは特に限定されるものではないが、例えば100〜200mmであることが望ましい。
【0034】
図6、8及び10に示すように、芯体2の長さ方向中間部よりも上端側(一端側)の部分には、吊下げコード20の長さ方向中間領域における互いに離間した任意の2箇所20U、20Lを該両箇所間の距離を短縮した状態に係止保持する係止部3が設けられている。
【0035】
ここで説明の便宜上、芯体2の係止部3に係止される吊下げコード20の両箇所20U、20Lのうち、上側に位置する箇所を「上被係止箇所20U」といい、下側に位置する箇所を「下被係止箇所20L」という。
【0036】
芯体2の係止部3は、吊下げコード20の上被係止箇所20Uと下被係止箇所20Lとをそれぞれ係脱可能に差込み係止する上係止凹部3Uと下係止凹部3Lとからなる。上下両係止凹部3U、3Lは、互いに隔壁部4を介して隣接配置されている。各係止凹部3U、3Lは、芯体2の周壁部がその一側縁部からU字状に切り欠かれて形成されたものである。
【0037】
また、芯体2の周面の上係止凹部3Uよりも上側の部分には、上係止凹部3Uに係止された吊下げコード20の上被係止箇所20Uよりも上側近傍のコード部22を上係止凹部3Uから芯体2の上端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように着脱可能に保持する断面U字状の上保持溝部7(第3保持部)が、上係止凹部3Uから芯体2の上端に向かって芯体2の中心軸に沿って形成されている。さらに、芯体2の上端面に上保持溝部7の上端開口が形成されている。
【0038】
また、芯体2の周面の下係止凹部3Lよりも下側の部分には、下係止凹部3Lに係止された吊下げコード20の下被係止箇所20Lよりも下側近傍のコード部23を下係止凹部3Lから芯体2の下端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように着脱可能に保持する断面U字状の下保持溝部8(第4保持部)が、下係止凹部3Lから芯体2の下端に向かって芯体2の中心軸に沿って形成されている。さらに、芯体2の下端面に下保持溝部8の下端開口が形成されている。
【0039】
芯体2の係止部3(即ち上下両係止凹部3U、3L)よりも下端側の部分は、芯体2の係止部3及びその上側の部分よりも径大に形成されており、この部分を「径大部2a」という。
【0040】
さらに、図4、6、9〜11に示すように、芯体2の係止部3よりも下側の径大部2aの周面における周方向の一部には、係止部3(即ち上下両係止凹部3U、3L)に係止された吊下げコード20の上下両被係止箇所20U、20L間のループ状の余り部21を二つに折り曲げた状態にして(図10及び11参照)、芯体2の長さ方向に沿うように着脱自在に保持する第1保持溝部5(第1保持部)が、芯体2の長さ方向に沿って形成されている。さらに、芯体2の下端面に第1保持溝部5の下端開口が形成されている。
【0041】
本実施形態では、この第1保持溝部5は、吊下げコード20の二つに折り曲げられた状態の余り部21を、該余り部21における互いに平行に配置された左右一対の平行コード部21a、21aを一つにをまとめた状態にして、芯体2の下端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように着脱自在に保持するように構成されている。この第1保持溝部5の構成について詳述すると、図3及び9に示すように、第1保持溝部5の開口部の幅方向両側縁部には、第1保持溝部5内に嵌め込まれた余り部21の両平行コード部21a、21aが第1保持溝部5内から不慮に飛び出さないように両平行コード部21a、21aをそれぞれ押さえ止める左右一対の押さえ爪部5a、5aが、第1保持溝部5の開口部の幅方向中間部に向かって僅かに突出して芯体2の長さ方向に沿って一体形成されている。
【0042】
さらに、図5、6、9〜11に示すように、芯体2の係止部3よりも下側の径大部2aの周面における第1保持溝部5とは反対側の部分には、第1保持溝部5に保持されるとともに芯体2の下端位置から第1保持溝部5の反対側に折り返された余り部21(詳述すると余り部21の折り返し部21X)を、芯体2の長さ方向に沿うように着脱自在に保持する第2保持溝部6(第2保持部)が、芯体2の長さ方向に沿って形成されている。
【0043】
本実施形態では、この第2保持溝部6は、第1保持溝部5と同様の構成である。すなわち、この第2保持溝部6は、芯体2の下端位置から折り返された余り部21の折り返し部21Xを、その両平行コード部21a、21aを一つにをまとめた状態にして、芯体2の上端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように着脱自在に保持するように構成されている。この第2保持溝部6の構成について詳述すると、図3及び9に示すように、第2保持溝部6の開口部の幅方向両側縁部には、第2保持溝部6内に嵌め込まれた余り部21の折り返し部21Xの両平行コード部21a、21aが第2保持溝部6内から不慮に飛び出さないように両平行コード部21a、21aをそれぞれ押さえ止める左右一対の押さえ爪部6a、6aが、第2保持溝部6の開口部の幅方向中間部に向かって僅かに突出して芯体2の長さ方向に沿って一体形成されている。
【0044】
カバー体10は、図2〜5に示すように、芯体2の係止部3(上下両係止凹部3U、3L)に吊下げコード20の上下両被係止箇所20U、20Lが係止され且つ第1保持溝部5及び第2保持溝部6にそれぞれ余り部21及びその折り返し部21Xが保持され、更に上保持溝部7及び下保持溝部8にそれぞれ吊下げコード20の所定のコード部22、23が保持された状態のままで、芯体2を収容するものである。
【0045】
このカバー体10は、一方向に延びた円筒状に形成されるとともに、吊下げコード20に沿って配置されるものである。カバー体10の円形状の上壁部及び下壁部の中央部には、それぞれ、吊下げコード20を遊挿する断面円形状の吊下げコード挿通孔11が設けられている。この吊下げコード挿通孔11の直径は、吊下げコード20の直径よりも若干大きく設定されている。
【0046】
さらに、このカバー体10は、縦に二分割されて構成されたものであり、各分割片10a、10aには、両分割片10a、10aを互いに円筒状に分離可能に組み付け保持する複数個の係止爪部12a及び係止溝部12bが設けられている。また、各分割片10aの半円形状の上壁半部及び下壁半部には、ぞれぞれ、吊下げコード挿通孔11が二分割されてなる断面半円状の吊下げコード挿通溝部11aが形成されている。
【0047】
次に、本実施形態の調整具1を用いて吊下げコード20の長さを調整する方法について以下に説明する。
【0048】
まず、図10に示すように、天井30から引掛けシリング31を介して垂下した吊下げコード20の下端部に設けられた照明器具33が所望する高さに配置されるように、吊下げコード20の長さ方向中間領域における互いに離間した任意に選択した2箇所20U、20Lを接近させて該両箇所20U、20L間の距離を短縮し、次いでこの状態で、該両箇所20U、20Lをそれぞれ芯体2の上係止凹部3U及び下係止凹部3Lに係止する。これにより、吊下げコード20の上下両被係止箇所20U、20L間の距離が短縮状態に保持されて照明器具33が所望する高さに配置される。このとき、吊下げコード20の上下両被係止箇所20U、20L間の余り部21は、芯体2の側方に突出したループ状となる。
【0049】
また、吊下げコード20の上下両被係止箇所20U、20Lをそれぞれ芯体2の上下両係止凹部3U、3Lに係止するのと同時に、吊下げコード20の上被係止箇所20Uよりも上側近傍のコード部22を芯体2の上保持溝部7内にきつく嵌め込むことにより、当該上側コード部22を上係止凹部3Uから芯体2の上端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように保持するとともに、上側コード部22を芯体2の上端面に形成された上保持溝部7の上端開口から上方へ突出させる。これと同じく、吊下げコード20の下被係止箇所20Lよりも下側近傍のコード部23を芯体2の下保持溝部8内にきつく嵌め込むことにより、当該下側コード部23を下係止凹部3Lから芯体2の下端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように保持するとともに、下側コード部23を芯体2の下端面に形成された下保持溝部8の下端開口から下方へ突出させる。
【0050】
次いで、同図に示すように、吊下げコード20の上下両被係止箇所20U、20L間のループ状の余り部21を二つに折り曲げることにより、該余り部21を構成する一対の直線状コード部21a、21aを互いに平行に対向配置させる。そして、このように余り部21を二つに折り曲げた状態のままで該余り部21を芯体2の径大部2aの周面側から第1保持溝部5内にきつく嵌め込むことにより、図11に示すように、余り部21を芯体2の長さ方向に沿うように保持する。この保持状態において、同図に示すように、もし余り部21が第1保持溝部5の全長よりも長くて第1保持溝部5の下端開口から下方へ突出する場合には、余り部21の突出部(折り返し部21X)を芯体2の下端位置から第1保持溝部5の反対側、即ち第2保持溝部6側へ折り返す。そして、余り部21の折り返された折り返し部21Xを、芯体2の周面側から第2保持溝部6内にきつく嵌め込むことにより、図5に示すように、余り部21の折り返し部21Xを芯体2の長さ方向に沿うように保持する。
【0051】
図3に示すように、吊下げコード20の余り部21が第1保持溝部5内に保持された状態では、余り部21における一対の平行コード部21a、21aは、それぞれ、第1保持溝部5の一対の押さえ爪部5a、5aにより第1保持溝部5内から不慮に飛び出さないように押さえ止められている。また同じく、吊下げコード20の余り部21の折り返し部21Xが第2保持溝部6内に保持された状態では、余り部21の折り返し部21Xにおける一対の平行コード部21a、21aは、それぞれ、第2保持溝部6の一対の押さえ爪部6a、6aにより第2保持溝部6内から不慮に飛び出さないように押さえ止められている。
【0052】
次いで、図4及び5に示すように、カバー体10の両分割片10a、10aの間に芯体2を配置して該両分割片10a、10aを円筒状に組み付けることにより、カバー体10の内部に芯体2を配置し、これにより芯体2が外部から見えないようにカバー体10で芯体2を覆う。なおこの状態では、図2に示すように、吊下げコード20は、カバー体10の上壁部の吊下げコード挿通孔11と下壁部の吊下げコード挿通孔11とに遊挿状態に挿通されている。
【0053】
一方、このように吊下げコード20の長さが調整具1により所望する長さに調整された状態から、吊下げコード20の長さを元の長さに戻す場合には、上述した手順を逆に行い、芯体2を吊下げコード20から取り外せば良い。
【0054】
而して、本実施形態の調整具1には次の利点がある。
【0055】
この調整具1によれば、照明器具33が所望する高さに配置されるように吊下げコード20の長さ方向中間領域における互いに離間した任意の2箇所20U、20Lを接近させて両箇所20U、20L間の距離を短縮し、次いで、該両箇所20U、20Lをそれぞれ芯体2の上下両係止凹部3U、3Lに係止することにより、両箇所20U、20L間の距離が短縮状態に保持されて照明器具33が所望する高さに配置される。そのため、必ずしも従来のように吊下げコード20の長さ調整後に照明器具33が所望する高さに配置されているかどうか確認する必要がなく、吊下げコード20の長さ調整(即ち照明器具33の高さ調整)を容易に行うことができる。
【0056】
さらに、芯体2の上下両係止凹部3U、3Lに係止する吊下げコード20の2つの箇所20U、20Lは、照明器具30の高さに応じて任意に選択可能であるから、照明器具33の高さ調整を細かく行うことができるし、更に、調整具1(芯体2)の吊下げコード20への取付け高さ位置を所望する高さ位置に容易に設定することができる。
【0057】
その上、芯体2の上下両係止凹部3U、3Lに係止された吊下げコード20の上下両被係止箇所20U、20L間の余り部21を二つに折り曲げ状態にして、芯体2の長さ方向に沿うように芯体2の第1保持溝部5に保持することにより、外観体裁が良くなることがもとより、更に、余り部21を芯体2にその周方向に巻き付けて保持するものと比べて、余り部21を保持した状態での芯体2の全体直径を小さくすることができ、これにより調整具1のスリム化を図ることができる。
【0058】
さらに、第1保持溝部5は、芯体2の長さ方向に沿って設けられているので、様々な長さの余り部21をこの第1保持溝部5で保持することができる。
【0059】
また、芯体2の周面には、第1保持溝部5に保持されるとともに芯体2の下端位置から第1保持溝部5の反対側に折り返された余り部21(詳述すると余り部21の折り返し部21X)を、芯体2の長さ方向に沿うように保持する第2保持溝部6が芯体2の長さ方向に沿って設けられている。そのため、吊下げコード20の余り部21の長さが比較的長い場合であっても、当該余り部21を芯体2の長さ方向に沿うように第1保持溝部5と第2保持溝部6とで保持することができる。
【0060】
さらに、第2保持溝部6は、芯体2の長さ方向に沿って設けられているので、様々な長さの余り部21をこの第2保持溝部6で保持することができる。
【0061】
また、芯体2の上下両係止凹部3U、3Lは、ともに、芯体2の長さ方向中間部よりも一端側(上端側)に設けられる一方、第1保持溝部5は、芯体2の上下両係止凹部3U、3Lよりも他端側(下端側)に設けられている。そのため、第1保持溝部5で保持可能な余り部21の長さを、芯体2の上下両係止凹部3U、3Lが芯体2の長さ方向中間部に設けられているものと比べて、長くすることができる。
【0062】
また、芯体2の周面には、吊下げコード20の上被係止箇所20Uよりも上側近傍のコード部22を上係止凹部3Uから芯体2の上端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように保持する上保持溝部7と、吊下げコード20の下被係止箇所20Lよりも下側近傍のコード部23を下係止凹部3Lから芯体2の下端に向かって芯体2の長さ方向に沿うように保持する下保持溝部8とが設けられている。したがって、芯体2の上保持溝部7と下保持溝部8とで、吊下げコード20の対応するコード部22、23を芯体2の長さ方向に沿うように保持することができる。これにより、芯体2を吊下げコード20に沿って確実に配置することができるし、更に、吊下げコード20の上被係止箇所20Uの上係止凹部3Uへの係止状態と下被係止箇所20Lの下係止凹部3Lへの係止状態とをしっかりと保持することができる。
【0063】
さらに、この調整具1は、芯体2を収容する円筒状カバー体10を備えているので、外観体裁をより一層向上させることができる。
【0064】
以上で、本発明の一実施形態に係る調整具を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々に変更可能である。
【0065】
例えば本発明では、上記実施形態の調整具1の芯体2を上下逆にして使用しても良い。
【0066】
また本発明では、芯体2は、上保持溝部7(第3保持部)と下保持溝部8(第4保持部)とのうちいずれか一方だけを備えていても良いし、本実施形態のように両方を備えていても良い。
【0067】
また本発明では、芯体2の周面には、吊下げコード20の余り部21を保持する保持溝部5、6(保持部)の個数は、2個であることに限定されるものではなく、その他に、1個であっても良いし、3個以上であっても良い。
【0068】
また本発明では、調整具1が取り付けられる吊下げコード20は、本実施形態のように天井30に設けられた引掛けシーリング31を介して天井30から垂下したものであることに限定されるものではなく、その他に、例えば、天井30に設けられたローゼットを介して天井30から垂下したものであっても良いし、天井30に設けられたダクトレールを介して天井30から垂下したものであっても良いし、天井30に固定された環状フランジ体の中心部に設けられた吊下げコード挿通孔に天井30の上側から下側へ吊下げコード20が挿通されることで、吊下げコード20が天井30から垂下したものであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、天井から照明器具を吊り下げる吊下げコードの長さを調整するために用いられる照明器具用吊下げコード長さ調整具に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る照明器具用吊下げコード長さ調整具を吊下げコードに取り付けた状態で示す正面図である。
【図2】図2は、同調整具の斜視図である。
【図3】図3は、図2中のX−X線断面図である。
【図4】図4は、同調整具の分解斜視図である。
【図5】図5は、同調整具における図4とは別の方向から見た分解斜視図である。
【図6】図6は、同調整具の芯体の斜視図である。
【図7】図7は、同芯体における図6とは別の方向から見た斜視図である。
【図8】図8は、同芯体における図6とは更に別の方向から見た斜視図である。
【図9】図9は、図6中のX−X断面図である。
【図10】図10は、同芯体の係止部に吊下げコードの2箇所を係止した状態の斜視図である。
【図11】図11は、同芯体の第1保持溝部(第1保持部)に保持された吊下げコードの余り部を芯体の下端位置から折り返す途中の状態を示す斜視図である。
【図12】図12は、従来の照明器具用吊下げコード長さ調整具を吊下げコードに取り付けた状態で示す断面図である。
【符号の説明】
【0071】
1:調整具
2:芯体
3:係止部
3U:上係止凹部
3L:下係止凹部
5:第1保持溝部(第1保持部)
6:第2保持溝部(第2保持部)
7:上保持溝部(第3保持部)
8:下保持溝部(第4保持部)
10:カバー体
20:吊下げコード
20U:上被係止箇所
20L:下被係止箇所
21:余り部
21X:余り部の折り返し部
22:上側コード部
23:下側コード部
30:天井
33:照明器具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井から垂下するとともに下端部に照明器具が設けられた吊下げコードの長さ方向中間領域に取外し可能に取り付けられる照明器具用吊下げコード長さ調整具であって、
一方向に延びるとともに、吊下げコードに沿って配置される芯体を備え、
前記芯体には、吊下げコードの長さ方向中間領域における互いに離間した任意の2箇所を該両箇所間の距離を短縮した状態に係止保持する係止部が設けられるとともに、
前記芯体の周面には、前記係止部に係止される吊下げコードの前記両箇所の間の余り部を二つに折り曲げた状態にして芯体の長さ方向に沿うように保持する第1保持部が、芯体の長さ方向に沿って設けられていることを特徴とする照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【請求項2】
前記芯体の周面には、前記第1保持部に保持されるとともに芯体の長さ方向の端位置から前記第1保持部の反対側に折り返された余り部を、前記芯体の長さ方向に沿うように保持する第2保持部が、芯体の長さ方向に沿って設けられている請求項1記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【請求項3】
前記係止部は、前記芯体の長さ方向中間部よりも一端側に設けられ、
前記第1保持部は、前記芯体の係止部よりも他端側に設けられている請求項1又は2記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【請求項4】
前記芯体の係止部に係止される吊下げコードの前記両箇所のうち、上側に位置する箇所を上被係止箇所とし、下側に位置する箇所を下被係止箇所とするとき、
前記芯体の周面には、吊下げコードの前記上被係止箇所よりも上側のコード部を前記係止部から芯体の上端に向かって芯体の長さ方向に沿うように保持する第3保持部と、吊下げコードの前記下被係止箇所よりも下側のコード部を前記係止部から芯体の下端に向かって芯体の長さ方向に沿うように保持する第4保持部と、のうち少なくとも一方が設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【請求項5】
前記芯体の係止部に吊下げコードの前記両箇所が係止され且つ前記第1保持部に前記余り部が保持された状態のままで、前記芯体を収容する筒状カバー体を備えている請求項1〜4のいずれかに記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【請求項1】
天井から垂下するとともに下端部に照明器具が設けられた吊下げコードの長さ方向中間領域に取外し可能に取り付けられる照明器具用吊下げコード長さ調整具であって、
一方向に延びるとともに、吊下げコードに沿って配置される芯体を備え、
前記芯体には、吊下げコードの長さ方向中間領域における互いに離間した任意の2箇所を該両箇所間の距離を短縮した状態に係止保持する係止部が設けられるとともに、
前記芯体の周面には、前記係止部に係止される吊下げコードの前記両箇所の間の余り部を二つに折り曲げた状態にして芯体の長さ方向に沿うように保持する第1保持部が、芯体の長さ方向に沿って設けられていることを特徴とする照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【請求項2】
前記芯体の周面には、前記第1保持部に保持されるとともに芯体の長さ方向の端位置から前記第1保持部の反対側に折り返された余り部を、前記芯体の長さ方向に沿うように保持する第2保持部が、芯体の長さ方向に沿って設けられている請求項1記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【請求項3】
前記係止部は、前記芯体の長さ方向中間部よりも一端側に設けられ、
前記第1保持部は、前記芯体の係止部よりも他端側に設けられている請求項1又は2記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【請求項4】
前記芯体の係止部に係止される吊下げコードの前記両箇所のうち、上側に位置する箇所を上被係止箇所とし、下側に位置する箇所を下被係止箇所とするとき、
前記芯体の周面には、吊下げコードの前記上被係止箇所よりも上側のコード部を前記係止部から芯体の上端に向かって芯体の長さ方向に沿うように保持する第3保持部と、吊下げコードの前記下被係止箇所よりも下側のコード部を前記係止部から芯体の下端に向かって芯体の長さ方向に沿うように保持する第4保持部と、のうち少なくとも一方が設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【請求項5】
前記芯体の係止部に吊下げコードの前記両箇所が係止され且つ前記第1保持部に前記余り部が保持された状態のままで、前記芯体を収容する筒状カバー体を備えている請求項1〜4のいずれかに記載の照明器具用吊下げコード長さ調整具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−259406(P2009−259406A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103597(P2008−103597)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(591112027)大光電機株式会社 (25)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(591112027)大光電機株式会社 (25)
【Fターム(参考)】
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