説明

照明器具

【課題】LEDを使用しているにもかかわらず、自然な印象を与える照明器具を提供する。
【解決手段】調光スイッチ104をONとすると、電池106からLED102に電力が供給され、LED102が発光する。LED102から出力された光は、底部から水晶玉32に入射し、これを透過して外部に放出される。このとき、水晶玉32自身が光学レンズとして作用するため、あたかも水晶玉32の底から光が湧き上がってくるような神秘的な輝きが醸し出され、水晶が持つ魅力がより引き立てられるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明器具にかかり、具体的には水晶を利用した照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
宝石に関する照明器具としては、例えば下記特許文献1記載の「ダイヤモンド等の宝石用照明器具」がある。これは、ダイヤモンド自体を回転させることなく、ダイヤモンドに特有のキラキラとした美しい輝きを生じさせることができ、また、装身具の大小や展示形態に関係なく使用できる宝石用照明器具を提供することを目的とするもので、ランプを旋回運動させることによりダイヤモンドに当る光の方向を連続的に変化させ、定位置から観察した場合にダイヤモンドからの反射光の方向と強さが連続的に変化し、ダイヤモンド特有のキラキラした多彩な色の輝きが生じるようにしたものである。
【特許文献1】実開平6−36119号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、最近は、白色光の発光が可能となったことから、LED(発光ダイオード)が照明手段として注目されており、これを利用した照明器具ないし照明装置が提供されつつある。しかしながら、LEDの光は、極めて人工的な印象を与え、白熱電灯や蛍光灯の照明と比較して無機質な感じがする。本発明は、かかる点に着目したもので、LEDを使用しているにもかかわらず、自然な印象を与える照明器具を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するため、本発明は、水晶を利用した照明器具であって、前記水晶に対して光を射出する少なくとも一つのLED,このLEDに対して駆動用の電力を供給する調光手段,を備えたことを特徴とする。主要な形態の一つは、前記LEDから射出された光が底部から前記水晶に入射するように、前記LEDを配置したことを特徴とする。他の形態の一つは、前記水晶を透明クッションを介して固定し、前記LEDの光が前記透明クッションを介して前記水晶に入射するように前記LEDを配置したことを特徴とする。更に他の形態は、前記LEDを複数配列したLEDアレイによって前記水晶を照明することを特徴とする。更に他の形態は、前記調光手段が、前記LEDを駆動するための電力源として内臓電池と外部電源のいずれかを選択する切換スイッチを備えていることを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、LEDによって水晶が照明されるので、光が自然な印象を与えるようになり、優れた照明効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0007】
図1には、本発明の実施例1の外観が示されている。同図中(A)は斜視図,(B)は背面図である。これらの図に示すように、照明器具10は、基台12上に収納部30を備えており、収納部30内には水晶玉32が収納されている。収納部30は、プラスチック,ガラス,アクリルなどの透明な素材で形成されている。基台12内には、後述するようにLED及び調光回路が設けられており、これらによって前記水晶玉32が下側から照明されるようになっている。基台12の正面には、調光スイッチ104が設けられており、ON,OFFの切り換え及び明るさの調節を行うことができる。また、基台12の背面には、電池106の収納部14と、外部電源アダプタ(図示せず)を接続するためのアダプタ端子108と、切換スイッチ110が設けられている。切換スイッチ110により、電池106と、外部電源アダプタのいずれから電力を供給するかを切り換えることができる。
【0008】
図2には、照明器具10の内部構造が示されている。同図(A)に示すように、基台12内には調光回路100が収納されており、その上に多数のLED102が設けられている。このLED102上に、上述した水晶玉32の底部が位置している。すなわち、LED102から出力された光は、水晶玉32の底部から水晶玉32内に入り、水晶玉32を通って外部に射出する。
【0009】
図2(B)には、上述した調光回路100の一例が示されている。同図に示すように、上述したLED102のアノード側は、調光スイッチ104の一端に接続されており、調光スイッチ104の他端は、制限抵抗R1を介して電池106の+側及びアダプタ端子108にそれぞれ接続されている。電池106の−側及び前記アダプタ端子108は、切換スイッチ110の切換端子にそれぞれ接続されている。また、切換スイッチ110の共通端子は、LED102のカソード側に接続されている。
【0010】
以上の各部のうち、調光スイッチ104は、電源のON・OFFの切り換えを行なうスイッチSと、調光を行なう可変抵抗R2によって構成されており、LED102の点灯と調光を行うことができる構成となっている。切換スイッチ110は、LED102のカソード側を、電池106もしくはアダプタ端子108のいずれに接続するかを切り換えるためのスイッチで、図示の状態では、電池106から電力がLED102に供給される。制限抵抗R1は、LED102に流れる電流を所定値以下に制限するためのものである。
【0011】
一例を示すと、制限抵抗R1は例えば10Ω,可変抵抗R2は例えば100Ωに設定されており、調光スイッチ104により、例えば2.8Vから3.6Vの電圧がLED102に印加される。
【0012】
次に、上記実施例の全体的動作を説明する。図2(B)に示すように、切換スイッチ110が電池106側に切り換えられているものとする。この状態で調光スイッチ104をONとし、所望の明るさの位置となるように回すと、電池106から抵抗R1,調光スイッチ104を介してLED102に電力が供給される。これにより、LED102が発光する。LED102から出力された光は、水晶玉32に入射し、これを透過して外部に放出される。このとき、水晶玉32自身が光学レンズとして作用するため、外から見ると、あたかも水晶玉32の底から光が湧き上がってくるような神秘的な輝きが醸し出され、水晶が持つ魅力がより引き立てられるようになる。また、水晶玉32から射出された光による照明を行なうこともできる。
【0013】
ところで、水晶などの天然石は、古来より開運,招福,縁起物,守護石として、お守りや厄除け(魔除け)に使われている。本実施例によれば、LED102の光がそのまま射出されるのではなく水晶を通じて射出されるので、自然な印象を与えるとともに、水晶が持つ優れた効能も得ることができる。また、LED102を使用しているため、電池106を使用する場合でも、長時間にわたって高輝度の発光が可能である。通常は外部電源アダプタを使用して商用電源や電池パックから電力を供給し、停電時に内臓電池を使用することで、非常灯として活用することができる。加えて、調光回路により最適な明るさに設定することができるとともに、内臓電源と外部電源を簡便に切り換えることができる。
【実施例2】
【0014】
次に、図3を参照しながら、他の実施例について説明する。上述した実施例は、水晶玉に本発明を適用した例であるが、図3(A)に示すように、角柱状の水晶200に対しても同様に適用することができる。このとき、水晶200の底面の形状によって良好に姿勢を保持できないときは、例えば透明クッション202を使用して底面の凹凸を吸収するようにする。同図の例では、透明基板204の略中央の凹部にLED206を配置するとともに、このLED206と水晶200との間に透明クッション202を挟んだ構成となっている。透明クッション202としては、例えばシリコンジェルや接着粘土のような変形自在のものや、透明樹脂(接着剤)が利用できる。
【0015】
図3(B)の例は、LEDアレイ300を光源とした例である。LEDアレイ300は、多数のLEDチップ302を基板上に設けたものである。LEDアレイ300のうち、一部のLEDのみを発光させたり、一部を強く発光させるとともに一部を弱く発光させる,異なる色で発光させるなど、多様な発光形態が可能となる。
【0016】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得る。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例は、LEDから射出された光が底部から水晶玉に入射するようにしたが、側面など他の面から入射するようにしてもよい。
(2)前記実施例に示した調光回路は一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。
(3)前記実施例では、LEDから射出された光をそのまま水晶玉に入射させたが、例えばレンズなどの光学素子を介在させるようにしてもよい。例えば、光学素子によってLEDの射出光を拡散させたり、あるいは逆に絞ってビーム状として、水晶玉に入射させることで、趣向性のある照明が可能となる。
(4)水晶にドリルなどで穴ないし凹部を形成し、その部分にLEDを埋め込み、水晶内部から発光させるようにしてもよい。
(5)前記実施例ではLEDの調光(光の強弱の調整)を行なったが、点滅を行うようにしてもよいし、発光の色を変更するようにしてもよい。
(6)多数のLEDを配列する場合に、水晶の形状に対応してLEDを配列するようにしてもよい。例えば、水晶の底面形状が6角形の場合に、その6角形(もしくはその相似形)に沿ってLEDを配列する,具体的には6角形の頂点にLEDを配置する,もしくは6角形の各辺の中央にLEDを配置する,6角形の輪郭となるように多数のLEDを配置するという具合である。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明の照明器具の用途としては、室内におけるインテリア照明,レストランやアロマショップなどにおけるテーブル・サブ照明,アクセサリーショップにおけるショーケース照明,イベント会場におけるワンポイント照明,公園等におけるライトアップ,非常灯などが好適な例である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例1の照明器具を示す図である。(A)は斜視図,(B)は背面図である。
【図2】(A)は前記実施例の内部構造を示す図,(B)は調光回路の一例を示す回路図である。
【図3】(A)は水晶柱の場合の実施例の主要部を示す図,(B)はLEDアレイの実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
10:照明器具
12:基台
14:収納部
30:収納部
32:水晶玉
100:調光回路
104:調光スイッチ
106:電池
108:アダプタ端子
110:切換スイッチ
200:水晶
202:透明クッション
204:透明基板
300:アレイ
302:チップ
R1:制限抵抗
R2:可変抵抗
S:スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水晶を利用した照明器具であって、
前記水晶に対して光を射出する少なくとも一つのLED,
このLEDに対して駆動用の電力を供給する調光手段,
を備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記LEDから射出された光が底部から前記水晶に入射するように、前記LEDを配置したことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記水晶を透明クッションを介して固定し、前記LEDの光が前記透明クッションを介して前記水晶に入射するように前記LEDを配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
前記LEDを複数配列したLEDアレイによって前記水晶を照明することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明器具。
【請求項5】
前記調光手段が、前記LEDを駆動するための電力源として内臓電池と外部電源のいずれかを選択する切換スイッチを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−110831(P2009−110831A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282840(P2007−282840)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(507360081)有限会社 松本情報企画 (1)
【Fターム(参考)】