照明器具
【課題】 セードの意匠創作を自由に行うことができ、また、セード交換が不慣れなユーザであっても、吊下用電線を接続したままセードの交換を容易に行うことが可能な照明器具の提供を目的とする。
【解決手段】 吊下用電線60に吊下げられる照明器具100であって、吊下用電線60に装着されるセード保持部材10と、吊下用電線60、及びセード保持部材10が挿通する取付孔21を設けたセード20と、セード保持部材10に着脱自在に係止されるとともに、セード20の内側であって取付孔21の周縁に当接するソケット保持部材30と、ソケット保持部材30に保持されるランプソケット45と、吊下用電線60とランプソケット45との接続を電気的に接離自在し、取付孔21を通過可能な接続部50と、を備えた照明器具100である。
【解決手段】 吊下用電線60に吊下げられる照明器具100であって、吊下用電線60に装着されるセード保持部材10と、吊下用電線60、及びセード保持部材10が挿通する取付孔21を設けたセード20と、セード保持部材10に着脱自在に係止されるとともに、セード20の内側であって取付孔21の周縁に当接するソケット保持部材30と、ソケット保持部材30に保持されるランプソケット45と、吊下用電線60とランプソケット45との接続を電気的に接離自在し、取付孔21を通過可能な接続部50と、を備えた照明器具100である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吊り下げ形式の照明器具の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吊り下げ形式の照明器具において、吊り下げ用電線を天井に吊り下げた状態でセードの交換を行うことのできる照明器具が知られている。
【0003】
例えば、上部に突設したパイプからコードを引き出したランプソケットと、パイプに嵌め合わす孔から外端に向かいパイプが通過できなくコードが通過できる切欠部を形成したセード係止板と、ランプソケットの外径より大きい孔の孔縁をセード係止板上に横方向の位置決め手段をもって係止したセードとを備えた照明器具が発明されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、セードの上部に係止孔と挿入孔を連続して設け、係止孔と挿入孔の連続部に突起を設け、セードの挿入孔にコードを有するソケットを挿入し、コードを係止孔に挿入し、ソケットによりセードを係止する構成である照明器具が発明されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開昭61−66302号公報
【特許文献2】実公昭43−3876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の照明器具においては、ランプソケットがセードの孔を通過できるように、セードの上部にはランプソケットの径より大きい径の孔を設けなければならない。このため、セード上部の意匠性の障害となり、セードの意匠創作に制限を強いるという問題点があった。また、セードの交換作業時に、セードの孔からコードを接続したままのランプソケットを分離しなくてはならないため、セードの交換作業が煩雑になるという問題点があった。
【0006】
本発明は、前記課題を解消するためになされたものであり、セードの意匠創作を自由に行うことができ、また、セード交換が不慣れなユーザであっても、吊下用電線を接続したままセードの交換を容易に行うことが可能な照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、第1の発明に係る照明器具は、
吊下用電線に吊下げられる照明器具であって、
前記吊下用電線に装着されるセード保持部材と、
前記吊下用電線、及びセード保持部材が挿通する取付孔を設けたセードと、
該セード保持部材に着脱自在に係止されるとともに、前記セードの内側であって前記取付孔の周縁に当接するソケット保持部材と、
該ソケット保持部材に保持されるランプソケットと、
前記吊下用電線と前記ランプソケットとの接続を電気的に接離自在とし、前記取付孔を通過可能な接続部と、
を備えたものである。
【0009】
第2の発明に係る照明器具は、第1の発明に係る照明器具において、
前記ソケット保持部材は、
前記セードの内側であって前記取付孔の周縁に当接する当接部を具備し、
該当接部は、
前記セード保持部材が挿通可能な挿通部と、
該挿通部の縁に形成され、前記挿通部の開口より小さく、且つ前記吊下用電線の幅より大きく開口する切欠部と、
を有するものである。
【0010】
第3の発明に係る照明器具は、第1の発明に係る照明器具において、
前記ソケット保持部材は、
前記セードの内側であって前記取付孔の周縁に当接する当接部を具備し、
前記セード保持部材は、前記当接部に回り止め係止させるものである。
【0011】
第4の発明に係る照明器具は、第1から第3の発明に係る照明器具において、
前記セードの外側であって前記取付孔の周縁に当接する固定部材を備え、
該固定部材は、前記セード保持部材に装着されるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
第1の発明に係る照明器具においては、吊下用電線に装着されるセード保持部材と、吊下用電線、及びセード保持部材が挿通する取付孔を設けたセードと、セード保持部材に着脱自在に係止されるとともに、セードの内側であって取付孔の周縁に当接するソケット保持部材と、を備えることから、ソケット保持部材がセード保持部材に係止されている状態では、ソケット保持部材はセードの取付孔を通過せずセードの内側であって取付孔の周縁に当接し、セードを保持する。また、ソケット保持部材とセード保持部材との係止を解除すると、ソケット保持部材はセード保持部材を装着する吊下用電線と切れ離され、セード保持部材は取付孔を通過可能となるため、セードが吊下用電線から容易に外れる。これらのことから、セードの交換作業時に、吊下用電線を接続したままのランプソケットをセードの取付孔から分離するといった煩雑な作業をすることはなく、セードの交換を簡単に行うことができる。また、第1の発明に係る照明器具においては、ソケット保持部材がセード保持部材との係止を解除し、接続部との接続を解除することで、ランプソケットを保持するソケット保持部材が吊下用電線から外れることから、ランプソケットをセードの取付孔に挿通させることなく、セードを交換することができる。そのため、セードの取付孔の径をランプソケットの径より大きく設ける必要がなく、セードの意匠創作をより自由に行うことができる。
【0014】
第2の発明に係る照明器具においては、ソケット保持部材は、セードの内側であって取付孔の周縁に当接する当接部を具備し、当接部は、セード保持部材が挿通可能な挿通部と、挿通部の縁に形成され、挿通部の開口より小さく、且つ吊下用電線の幅より大きく開口する切欠部とを有するから、ソケット保持部材をセード保持部材に係止する際には、セード保持部材が照明器具の側方に外れることが無いため、セードと、ソケット保持部材と、をさらに確実に固定することができる。また、ソケット保持部材をセード保持部材の係止から解除する際には、吊下用電線が切欠部を通過可能となるため、ソケット保持部材を吊下用電線に対して容易に着脱することができる。
【0015】
第3の発明に係る照明器具においては、ソケット保持部材は、セードの内側であって取付孔の周縁に当接する当接部を具備し、セード保持部材は、当接部に回り止め係止させることから、セード保持部材とソケット保持部材とが回転することなく固定することができる。そのため、ソケット保持部材に保持されたソケットと、セード保持部材に装着された
吊下用電線とを確実に固定することができる。
【0016】
第4の発明に係る照明器具においては、セードの外側であって取付孔の周縁に当接する固定部材を備え、固定部材はセード保持部材に装着されることから、セードの外側の固定部材とセードの内側のソケット保持部材とがセードを挟着するため、セードと、ソケット保持部材とを確実に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の照明器具100の第1実施例について、図面を用いて説明する。図1は、照明器具100の概略図、図2は、セード保持部材10近傍の拡大断面図、図3(a)は、セード保持ボルト11の平面図、図3(b)は、セード保持ボルト11の断面図(図3(a)のA−A断面図)、図4は、ソケット保持部材30、ランプソケット45の斜視図、図5(a)は、ソケット保持部材30の平面図、図5(b)は、ソケット保持部材30の断面図(図5(a)のB−B断面図)、図6は、照明器具100の各部を分離した際の概略図である。
【0018】
図1に示すように、照明器具100は、吊り下げ形式の照明器具である。照明器具100は、セード保持部材10と、セード20と、ソケット保持部材30と、固定部材40と、ランプソケット45と、接続部50と、吊下用電線60と、ランプ70と、から構成されている。
【0019】
セード保持部材10は、吊下用電線60に装着される。セード保持部材10は、セード20の上部に設けられ、セード20を保持する。図2に示すように、セード保持部材10は、セード保持ボルト11と、セード保持ナット12と、から構成されている。
【0020】
図2、及び図3に示すように、セード保持ボルト11は、ネジ部11aと、頭部11bと、から構成されている。ネジ部11aは、吊下用電線60が挿通可能な筒状の部材であり、雄ネジが形成されている。ネジ部11aの内径は、吊下用電線60の幅より若干大きく設けられている。ネジ部11aの外壁面には雄ネジが切られており、セード保持ナット12が装着可能となっている。頭部11bは、ネジ部11aに螺着されている。頭部11bは、ネジ部11aに螺着されることで、ネジ部11aに対して側方に突出するため、当該突出する部分に、後述するソケット保持部材30が係止可能となる。
【0021】
図2に示すように、セード保持ナット12は、セード保持ボルト11のネジ部11aに螺着される。セード保持ナット12には、吊下用電線60が挿通される。
【0022】
図1に示すように、セード20は、ソケット保持部材30と、ランプソケット45と、接続部50と、ランプ70とを覆うように設けられている。図1、及び図2に示すように、セード20は上部に取付孔21を有する。
【0023】
取付孔21は、セード保持部材10、接続部50、及び吊下用電線60が挿通可能である。取付孔21は、セード保持部材10のネジ部11a、及び接続部50より径の大きい開口部を有する。図2に示すように、セード20の内側(セード20の上部内壁面)であって取付孔21の周縁にソケット保持部材30が当接する。また、セード20の外側(セード20の上部外壁面)であって取付孔21の周縁に固定部材40が当接する。取付孔21の周縁にソケット保持部材30と固定部材40が当接することにより、セード保持部材10のセード保持ボルト11を取付孔21に挿通し、セード保持ナット12をセード保持ボルト11に螺着することで、セード20と、ソケット保持部材30とが確実に固定される。
【0024】
図1に示すように、ソケット保持部材30は、セード20の内部に設けられ、セード保持部材10に着脱自在に係止される。図4、及び図5に示すように、ソケット保持部材30は、当接部31と、当接部31と平行に設けられランプソケット45を支持する支持部32と、当接部31と支持部32とを接合する接合部33と、から構成される略コ字状の部材である。
【0025】
図1及び図2に示すように、当接部31は、セード20の内側(セード20の上部内壁面)であって、取付孔21の周縁に当接する。当接部31は、取付孔21の径より大きな幅を有する。これにより、ソケット保持部材30が、取付孔21を通過することなく、セード20の上部内壁面に当接する。図5(a)に示すように、当接部31は、挿通部31Aと、切欠部31Bと、を具備する。
【0026】
挿通部31Aは、当接部31の中心部に設けられている。挿通部31Aの径は、セード保持ボルト11のネジ部11aの外径より若干大きく、且つセード保持ボルト11の頭部11bの幅より小さく設けられている。これにより、ネジ部11aが当接部31を挿通可能であるとともに、当接部31が頭部11bに係止される。
【0027】
切欠部31Bは、挿通部31Aの縁に設けられている。切欠部31Bの開口幅は、挿通部31Aの開口より小さく、且つ吊下用電線60の幅より大きく設けられている。これにより、ソケット保持部材30がセード保持部材10に係止されている状態では、セード保持部材10のセード保持ボルト11が照明器具100の側方に外れることが無く、セード保持部材10にソケット保持部材30を確実に固定できる。そして、ソケット保持部材30とセード保持部材10との係止を解除すると、吊下用電線60が切欠部31Bを通過可能となるため、ソケット保持部材30を吊下用電線60に対して容易に着脱することができる。
【0028】
図2に示すように、固定部材40は、セード20の外側(セード20の上部外壁面)であって、取付孔21の周縁に当接する。固定部材40は、セード保持ボルト11、及び吊下用電線60が挿通可能な孔部15aを有する。固定部材40の外径は、セード20の取付孔21の径より大きく設けられている。
【0029】
図4に示すように、ランプソケット45は、ソケット保持部材30の支持部32に当接して設けられている。図6に示すように、ランプソケット45の上部には、接続部50が接続されている。
【0030】
図1に示すように、接続部50は、メス部51と、オス部52と、から構成されている。メス部51は、配線53、53を介して、ランプソケット45に接続されている。オス部52は、吊下用電線60の電線62、62と接続されている。メス部51、及びオス部52を着脱することにより、ランプソケット45と、吊下用電線60とが電気的に接離自在に接続される。
【0031】
図1、及び図2に示すように、吊下用電線60は、セード保持ボルト11を介して、セード20の取付孔21に挿通される。図6に示すように、吊下用電線60は、電線保護部61と、電線保護部61に覆われた電線62、62とから構成されている。吊下用電線60は、端部に接続部50のオス部52が接続されている。吊下用電線60は、接続部50側端部に、係止部63を有する。係止部63は、セード保持部材10を吊下用電線60に装着する際に、セード保持ボルト11の頭部11bと当接することにより、セード保持部材10の位置決めを行う。また、係止部63は、ソケット保持部材30の当接部31がセード保持ボルト11の頭部11bに係止された際、吊下用電線60にかかる力を緩和する機能を有する。
図1に示すように、ランプ70は、ランプソケット45に装着される。
【0032】
次に、照明器具100の各構成の配置について説明する。
図6に示すように、照明器具100は、上方(図6の上方向)から順に、セード保持ナット12、固定部材40、セード20、及びセード保持ボルト11が、吊下用電線60に挿通されている。照明器具100は、ソケット保持部材30の当接部31が、セード保持ボルト11の頭部11bに係止される。セード保持ボルト11が取付孔21に挿通され、固定部材40がセード保持ボルト11に装着され、セード保持ナット12がセード保持ボルト11に螺着され、ソケット保持部材30の当接部31がセード保持ボルト11の頭部11bに係止されることにより、ランプソケット45がソケット保持部材30を介して吊下用電線60と物理的に接続される。また、接続部50のメス部51とオス部52が接続されることにより、ランプソケット45が、吊下用電線60と電気的に接続される。
【0033】
照明器具100は、ソケット保持部材30の当接部31をセード保持ボルト11の頭部11bに係止し、セード20の取付孔21へ挿通したセード保持ボルト11のネジ部11aに、固定部材40を装着し、セード保持ナット12を螺着することにより、セード20と、ソケット保持部材30と、が確実に固定される。これは、セード保持ナット12を装着した際に、セード20が、固定部材40、及び当接部31により挟着されるからである。
【0034】
次に、吊下用電線60が天井等に吊下げられている場合のセード20の交換作業について、図6に基づいて説明する。
まず、セード保持ナット12をセード保持ボルト11から脱離する。これにより、セード20と、ソケット保持部材30との固定が解除される。この時、セード20がソケット保持部材30の当接部31に当接するため、セード20を下方(図6下方向)から脱離することはできない。
【0035】
セード20、及びソケット保持部材30を上方(図6上方向)に引き上げる。ソケット保持部材30を引き上げることにより、当接部31がセード保持ボルト11のネジ部11aから脱離する。この時、当接部31の挿通部31A(図5)には、吊下用電線60が挿通された状態となる。
【0036】
ソケット保持部材30を照明器具100の側方(図6矢印25方向)に移動させる。この時、当接部31の挿通部31A(図5)に挿通されていた吊下用電線60が、当接部31の切欠部31B(図5)から外れる。これにより、ソケット保持部材30が吊下用電線60から脱離される。
【0037】
ソケット保持部材30が吊下用電線60から脱離されることで、セード20がソケット保持部材30の当接部31と当接しなくなる。従って、セード20を下方(図6下方向)へ降ろすことにより、セード20が吊下用電線60から脱離し、セード20が交換可能となる。なお、セード20を装着する際には、上記操作の逆の操作を行えばよい。
【0038】
以上のように、照明器具100においては、吊下用電線60に装着されるセード保持部材10と、吊下用電線60、及びセード保持部材10が挿通する取付孔21を設けたセード20と、セード保持部材10に着脱自在に係止されるとともに、セード20の内側であって取付孔21の周縁に当接するソケット保持部材30と、を備えることから、ソケット保持部材30がセード保持部材10に係止されている状態では、ソケット保持部材30はセード20の取付孔21を通過せずセード20の内側であって取付孔21の周縁に当接し、セード20を保持する。また、ソケット保持部材30とセード保持部材10との係止を解除すると、ソケット保持部材30は、セード保持部材10を装着する吊下用電線60と切れ離されるため、セード20が吊下用電線60から容易に外れる。これらのことから、セード20の交換作業時に、吊下用電線60を接続したままのランプソケット45をセード20の取付孔21から分離するといった煩雑な作業をすることはなく、セード20の交換を簡単に行うことができる。
【0039】
また、照明器具100においては、ソケット保持部材30がセード保持部材10との係止を解除し、接続部50との接続を解除することで、ランプソケット45を保持するソケット保持部材30が吊下用電線60から外れることから、ランプソケット45をセード20の取付孔21に挿通させることなく、セード20を交換することができる。そのため、セード20の取付孔21の径をランプソケット45の径より大きく設ける必要がなく、セード20の意匠創作をより自由に行うことができる。
【0040】
さらに、照明器具100においては、セード20の外側であって取付孔21の周縁に当接する固定部材40を備え、固定部材40は、セード保持部材10に装着されることから、セード20の外側の固定部材40とセード20の内側のソケット保持部材30の当接部31とが、セード20を挟着するため、セード20と、ソケット保持部材30とを確実に固定することができる。
【0041】
さらにまた、照明器具100においては、ソケット保持部材30は、セード20の内側であって取付孔21の周縁に当接する当接部31を具備し、当接部31は、セード保持部材10が挿通可能な挿通部31Aと、挿通部31Aの縁に形成され、挿通部31Aの開口より小さく、且つ吊下用電線60の幅より大きく開口する切欠部31Bと、を有するから、ソケット保持部材30をセード保持部材10に係止する際には、セード保持部材10が照明器具100の側方に外れることが無いため、セード20と、ソケット保持部材30とをさらに確実に固定することができる。また、ソケット保持部材30をセード保持部材10の係止から解除する際には、吊下用電線60が切欠部31Bを通過可能となるため、ソケット保持部材30を吊下用電線60に対して容易に着脱することができる。
【0042】
次に、本発明の照明器具100の第2実施例について、図面を用いて説明する。図7は、セード保持部材10近傍の拡大断面図、図8(a)は、セード保持ボルト11の平面図、図8(b)は、セード保持ボルト11の断面図(図8(a)のC−C断面図)、図9(a)は、ソケット保持部材30の平面図、図9(b)は、ソケット保持部材30の断面図(図9(a)のD−D断面図)である。なお、第2実施例に係る照明器具100は、セード保持部材10、及びソケット保持部材30以外の構成については、第1実施例に係る照明器具100の当該構成と同様であるため説明を省略する。
【0043】
セード保持部材10は、吊下用電線60に装着される。セード保持部材10は、セード20の上部に設けられ、セード20を保持する。図7に示すように、セード保持部材10は、セード保持ボルト11と、セード保持ナット12と、から構成されている。
【0044】
図7、及び図8に示すように、セード保持ボルト11は、ネジ部11cと、頭部11dと、から構成されている。ネジ部11cは、吊下用電線60が挿通可能な筒状の部材である。ネジ部11cの内径は、吊下用電線60の幅より若干大きく設けられている。ネジ部11cは、雄ネジ部11eと、回止部11fとを有する。
【0045】
雄ネジ部11eは、ネジ部11cの外壁面に設けられ、セード保持ナット12が装着可能となっている。回止部11fは、ネジ部11cの外壁面に設けられ、後述するソケット保持部材30の回止係止部31Cの幅より若干小さい幅となるように径方向に切り落とされている。回止部11fは、ソケット保持部材30がセード保持部材10に係止される際に、回止係止部31Cと当接する。
【0046】
頭部11dは、ネジ部11cに螺着されている。頭部11dは、ネジ部11cに螺着されることで、ネジ部11cに対して側方に突出するため、当該突出する部分に、ソケット保持部材30が係止可能となる。
【0047】
図7に示すように、セード保持ナット12は、セード保持ボルト11のネジ部11cに螺着される。セード保持ナット12には、吊下用電線60が挿通される。
【0048】
図9に示すように、ソケット保持部材30は、当接部31と、当接部31と平行に設けられランプソケット45を支持する支持部32と、当接部31と支持部32とを接合する接合部33と、から構成される略コ字状の部材である。
【0049】
図7に示すように、当接部31は、セード20の内側(セード20の上部内壁面)であって、取付孔21の周縁に当接する。当接部31は、取付孔21の径より大きな幅を有する。これにより、ソケット保持部材30が、取付孔21を通過することなく、セード20の上部内壁面に当接する。図9(a)に示すように、当接部31は、挿通部31Aと、切欠部31Bと、回止係止部31Cを具備する。
【0050】
挿通部31Aは、当接部31の中心部に設けられている。挿通部31Aの径は、セード保持ボルト11のネジ部11cの外径より若干大きく、且つセード保持ボルト11の頭部11dの幅より小さく設けられている。これにより、ネジ部11cが当接部31を挿通可能であるとともに、当接部31が頭部11dに係止される。
【0051】
切欠部31Bは、挿通部31Aの縁に設けられている。切欠部31Bの開口幅は、挿通部31Aの開口より小さく、且つ吊下用電線60の幅より大きく設けられている。これにより、ソケット保持部材30がセード保持部材10に係止されている状態では、セード保持部材10のセード保持ボルト11が照明器具100の側方に外れることが無く、セード保持部材10にソケット保持部材30を確実に固定できる。そして、ソケット保持部材30とセード保持部材10との係止を解除すると、吊下用電線60が切欠部31Bを通過可能となるため、ソケット保持部材30を吊下用電線60に対して容易に着脱することができる。
【0052】
回止係止部31Cは、挿通部31Aの縁であって、切欠部31Bと対向する側に設けられている。回止係止部31Cは、ネジ部11cの回止部11fの幅より若干大きい幅となるように設けられている。回止係止部31Cは、ソケット保持部材30がセード保持部材10に係止される際、すなわち、当接部31がセード20の取付孔21の周縁に当接する際に、回止部11fと当接する。これにより、セード保持部材10が当接部31に回り止め係止される。従って、ソケット保持部材30がセード保持部材10を軸として回動することを防止できる。
【0053】
次に、本発明の照明器具100の第3実施例について、図面を用いて説明する。図10は、セード保持部材10近傍の拡大断面図、図11(a)は、セード保持ボルト11の平面図、図11(b)は、セード保持ボルト11の断面図(図11(a)のE−E断面図)である。なお、第3実施例に係る照明器具100は、セード保持部材10以外の構成については、第1実施例に係る照明器具100の当該構成と同様であるため説明を省略する
【0054】
セード保持部材10は、吊下用電線60に装着される。セード保持部材10は、セード20の上部に設けられ、セード20を保持する。図10に示すように、セード保持部材10は、セード保持ボルト11と、セード保持ナット12と、から構成されている。
【0055】
図10、及び図11に示すように、セード保持ボルト11は、ネジ部11gと、頭部11hと、から構成されている。ネジ部11gは、吊下用電線60が挿通可能な筒状の部材である。ネジ部11gの内径は、吊下用電線60の幅より若干大きく設けられている。ネジ部11gは、雄ネジ部11jと、突出部11kとを有する。
【0056】
雄ネジ部11jは、ネジ部11gの外壁面に設けられ、セード保持ナット12が装着可能となっている。突出部11kは、ネジ部11gの下部の外壁面から突出して設けられている。突出部11kは、当接部31の切欠部31Bの幅より若干小さい幅を有する。突出部11kは、当接部31の厚みより大きい厚みを有する。突出部11kは、ソケット保持部材30がセード保持部材10に係止される際、当接部31がセード20の取付孔21の周縁に当接する際に、当接部31の切欠部31Bに嵌り込む。これにより、セード保持部材10が当接部31に回り止め係止される。従って、ソケット保持部材30がセード保持部材10を軸として回動することを防止できる。
【0057】
頭部11hは、ネジ部11gに螺着されている。頭部11hは、ネジ部11gに螺着されることで、ネジ部11gに対して側方に突出するため、当該突出する部分に、ソケット保持部材30が係止可能となる。
【0058】
図10に示すように、セード保持ナット12は、セード保持ボルト11のネジ部11gに螺着される。セード保持ナット12は、吊下用電線60が挿通される。
【0059】
以上説明した本発明の技術的範囲は、上記の実施例に限定されるものではなく、上記実施例の形状に限定されない。本発明の技術的範囲は、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】照明器具100の概略図。
【図2】セード保持部材10近傍の拡大断面図。
【図3】(a)はセード保持ボルト11の平面図、(b)は(a)におけるA−A矢視断面図。
【図4】ソケット保持部材30、ランプソケット45の斜視図。
【図5】(a)はソケット保持部材30の平面図、(b)は(a)におけるB−B矢視断面図。
【図6】照明器具100の各部を分離した際の概略図。
【図7】第2実施例に係る照明器具100のセード保持部材10近傍の拡大断面図。
【図8】(a)は第2実施例に係る照明器具100のセード保持ボルト11の平面図、(b)は(a)におけるC−C矢視断面図。
【図9】(a)は第2実施例に係る照明器具100のソケット保持部材30の平面図、(b)は(a)におけるD−D矢視断面図。
【図10】第3実施例に係る照明器具100のセード保持部材10近傍の拡大断面図。
【図11】(a)は第3実施例に係る照明器具100のセード保持ボルト11の平面図、(b)は(a)におけるE−E矢視断面図。
【符号の説明】
【0061】
10 セード保持部材
20 セード
21 取付孔
30 ソケット保持部材
31A 挿通部
31B 切欠部
40 固定部材
45 ランプソケット
50 接続部
60 吊下用電線
100 照明器具
【技術分野】
【0001】
本発明は吊り下げ形式の照明器具の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吊り下げ形式の照明器具において、吊り下げ用電線を天井に吊り下げた状態でセードの交換を行うことのできる照明器具が知られている。
【0003】
例えば、上部に突設したパイプからコードを引き出したランプソケットと、パイプに嵌め合わす孔から外端に向かいパイプが通過できなくコードが通過できる切欠部を形成したセード係止板と、ランプソケットの外径より大きい孔の孔縁をセード係止板上に横方向の位置決め手段をもって係止したセードとを備えた照明器具が発明されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、セードの上部に係止孔と挿入孔を連続して設け、係止孔と挿入孔の連続部に突起を設け、セードの挿入孔にコードを有するソケットを挿入し、コードを係止孔に挿入し、ソケットによりセードを係止する構成である照明器具が発明されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開昭61−66302号公報
【特許文献2】実公昭43−3876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の照明器具においては、ランプソケットがセードの孔を通過できるように、セードの上部にはランプソケットの径より大きい径の孔を設けなければならない。このため、セード上部の意匠性の障害となり、セードの意匠創作に制限を強いるという問題点があった。また、セードの交換作業時に、セードの孔からコードを接続したままのランプソケットを分離しなくてはならないため、セードの交換作業が煩雑になるという問題点があった。
【0006】
本発明は、前記課題を解消するためになされたものであり、セードの意匠創作を自由に行うことができ、また、セード交換が不慣れなユーザであっても、吊下用電線を接続したままセードの交換を容易に行うことが可能な照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、第1の発明に係る照明器具は、
吊下用電線に吊下げられる照明器具であって、
前記吊下用電線に装着されるセード保持部材と、
前記吊下用電線、及びセード保持部材が挿通する取付孔を設けたセードと、
該セード保持部材に着脱自在に係止されるとともに、前記セードの内側であって前記取付孔の周縁に当接するソケット保持部材と、
該ソケット保持部材に保持されるランプソケットと、
前記吊下用電線と前記ランプソケットとの接続を電気的に接離自在とし、前記取付孔を通過可能な接続部と、
を備えたものである。
【0009】
第2の発明に係る照明器具は、第1の発明に係る照明器具において、
前記ソケット保持部材は、
前記セードの内側であって前記取付孔の周縁に当接する当接部を具備し、
該当接部は、
前記セード保持部材が挿通可能な挿通部と、
該挿通部の縁に形成され、前記挿通部の開口より小さく、且つ前記吊下用電線の幅より大きく開口する切欠部と、
を有するものである。
【0010】
第3の発明に係る照明器具は、第1の発明に係る照明器具において、
前記ソケット保持部材は、
前記セードの内側であって前記取付孔の周縁に当接する当接部を具備し、
前記セード保持部材は、前記当接部に回り止め係止させるものである。
【0011】
第4の発明に係る照明器具は、第1から第3の発明に係る照明器具において、
前記セードの外側であって前記取付孔の周縁に当接する固定部材を備え、
該固定部材は、前記セード保持部材に装着されるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
第1の発明に係る照明器具においては、吊下用電線に装着されるセード保持部材と、吊下用電線、及びセード保持部材が挿通する取付孔を設けたセードと、セード保持部材に着脱自在に係止されるとともに、セードの内側であって取付孔の周縁に当接するソケット保持部材と、を備えることから、ソケット保持部材がセード保持部材に係止されている状態では、ソケット保持部材はセードの取付孔を通過せずセードの内側であって取付孔の周縁に当接し、セードを保持する。また、ソケット保持部材とセード保持部材との係止を解除すると、ソケット保持部材はセード保持部材を装着する吊下用電線と切れ離され、セード保持部材は取付孔を通過可能となるため、セードが吊下用電線から容易に外れる。これらのことから、セードの交換作業時に、吊下用電線を接続したままのランプソケットをセードの取付孔から分離するといった煩雑な作業をすることはなく、セードの交換を簡単に行うことができる。また、第1の発明に係る照明器具においては、ソケット保持部材がセード保持部材との係止を解除し、接続部との接続を解除することで、ランプソケットを保持するソケット保持部材が吊下用電線から外れることから、ランプソケットをセードの取付孔に挿通させることなく、セードを交換することができる。そのため、セードの取付孔の径をランプソケットの径より大きく設ける必要がなく、セードの意匠創作をより自由に行うことができる。
【0014】
第2の発明に係る照明器具においては、ソケット保持部材は、セードの内側であって取付孔の周縁に当接する当接部を具備し、当接部は、セード保持部材が挿通可能な挿通部と、挿通部の縁に形成され、挿通部の開口より小さく、且つ吊下用電線の幅より大きく開口する切欠部とを有するから、ソケット保持部材をセード保持部材に係止する際には、セード保持部材が照明器具の側方に外れることが無いため、セードと、ソケット保持部材と、をさらに確実に固定することができる。また、ソケット保持部材をセード保持部材の係止から解除する際には、吊下用電線が切欠部を通過可能となるため、ソケット保持部材を吊下用電線に対して容易に着脱することができる。
【0015】
第3の発明に係る照明器具においては、ソケット保持部材は、セードの内側であって取付孔の周縁に当接する当接部を具備し、セード保持部材は、当接部に回り止め係止させることから、セード保持部材とソケット保持部材とが回転することなく固定することができる。そのため、ソケット保持部材に保持されたソケットと、セード保持部材に装着された
吊下用電線とを確実に固定することができる。
【0016】
第4の発明に係る照明器具においては、セードの外側であって取付孔の周縁に当接する固定部材を備え、固定部材はセード保持部材に装着されることから、セードの外側の固定部材とセードの内側のソケット保持部材とがセードを挟着するため、セードと、ソケット保持部材とを確実に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の照明器具100の第1実施例について、図面を用いて説明する。図1は、照明器具100の概略図、図2は、セード保持部材10近傍の拡大断面図、図3(a)は、セード保持ボルト11の平面図、図3(b)は、セード保持ボルト11の断面図(図3(a)のA−A断面図)、図4は、ソケット保持部材30、ランプソケット45の斜視図、図5(a)は、ソケット保持部材30の平面図、図5(b)は、ソケット保持部材30の断面図(図5(a)のB−B断面図)、図6は、照明器具100の各部を分離した際の概略図である。
【0018】
図1に示すように、照明器具100は、吊り下げ形式の照明器具である。照明器具100は、セード保持部材10と、セード20と、ソケット保持部材30と、固定部材40と、ランプソケット45と、接続部50と、吊下用電線60と、ランプ70と、から構成されている。
【0019】
セード保持部材10は、吊下用電線60に装着される。セード保持部材10は、セード20の上部に設けられ、セード20を保持する。図2に示すように、セード保持部材10は、セード保持ボルト11と、セード保持ナット12と、から構成されている。
【0020】
図2、及び図3に示すように、セード保持ボルト11は、ネジ部11aと、頭部11bと、から構成されている。ネジ部11aは、吊下用電線60が挿通可能な筒状の部材であり、雄ネジが形成されている。ネジ部11aの内径は、吊下用電線60の幅より若干大きく設けられている。ネジ部11aの外壁面には雄ネジが切られており、セード保持ナット12が装着可能となっている。頭部11bは、ネジ部11aに螺着されている。頭部11bは、ネジ部11aに螺着されることで、ネジ部11aに対して側方に突出するため、当該突出する部分に、後述するソケット保持部材30が係止可能となる。
【0021】
図2に示すように、セード保持ナット12は、セード保持ボルト11のネジ部11aに螺着される。セード保持ナット12には、吊下用電線60が挿通される。
【0022】
図1に示すように、セード20は、ソケット保持部材30と、ランプソケット45と、接続部50と、ランプ70とを覆うように設けられている。図1、及び図2に示すように、セード20は上部に取付孔21を有する。
【0023】
取付孔21は、セード保持部材10、接続部50、及び吊下用電線60が挿通可能である。取付孔21は、セード保持部材10のネジ部11a、及び接続部50より径の大きい開口部を有する。図2に示すように、セード20の内側(セード20の上部内壁面)であって取付孔21の周縁にソケット保持部材30が当接する。また、セード20の外側(セード20の上部外壁面)であって取付孔21の周縁に固定部材40が当接する。取付孔21の周縁にソケット保持部材30と固定部材40が当接することにより、セード保持部材10のセード保持ボルト11を取付孔21に挿通し、セード保持ナット12をセード保持ボルト11に螺着することで、セード20と、ソケット保持部材30とが確実に固定される。
【0024】
図1に示すように、ソケット保持部材30は、セード20の内部に設けられ、セード保持部材10に着脱自在に係止される。図4、及び図5に示すように、ソケット保持部材30は、当接部31と、当接部31と平行に設けられランプソケット45を支持する支持部32と、当接部31と支持部32とを接合する接合部33と、から構成される略コ字状の部材である。
【0025】
図1及び図2に示すように、当接部31は、セード20の内側(セード20の上部内壁面)であって、取付孔21の周縁に当接する。当接部31は、取付孔21の径より大きな幅を有する。これにより、ソケット保持部材30が、取付孔21を通過することなく、セード20の上部内壁面に当接する。図5(a)に示すように、当接部31は、挿通部31Aと、切欠部31Bと、を具備する。
【0026】
挿通部31Aは、当接部31の中心部に設けられている。挿通部31Aの径は、セード保持ボルト11のネジ部11aの外径より若干大きく、且つセード保持ボルト11の頭部11bの幅より小さく設けられている。これにより、ネジ部11aが当接部31を挿通可能であるとともに、当接部31が頭部11bに係止される。
【0027】
切欠部31Bは、挿通部31Aの縁に設けられている。切欠部31Bの開口幅は、挿通部31Aの開口より小さく、且つ吊下用電線60の幅より大きく設けられている。これにより、ソケット保持部材30がセード保持部材10に係止されている状態では、セード保持部材10のセード保持ボルト11が照明器具100の側方に外れることが無く、セード保持部材10にソケット保持部材30を確実に固定できる。そして、ソケット保持部材30とセード保持部材10との係止を解除すると、吊下用電線60が切欠部31Bを通過可能となるため、ソケット保持部材30を吊下用電線60に対して容易に着脱することができる。
【0028】
図2に示すように、固定部材40は、セード20の外側(セード20の上部外壁面)であって、取付孔21の周縁に当接する。固定部材40は、セード保持ボルト11、及び吊下用電線60が挿通可能な孔部15aを有する。固定部材40の外径は、セード20の取付孔21の径より大きく設けられている。
【0029】
図4に示すように、ランプソケット45は、ソケット保持部材30の支持部32に当接して設けられている。図6に示すように、ランプソケット45の上部には、接続部50が接続されている。
【0030】
図1に示すように、接続部50は、メス部51と、オス部52と、から構成されている。メス部51は、配線53、53を介して、ランプソケット45に接続されている。オス部52は、吊下用電線60の電線62、62と接続されている。メス部51、及びオス部52を着脱することにより、ランプソケット45と、吊下用電線60とが電気的に接離自在に接続される。
【0031】
図1、及び図2に示すように、吊下用電線60は、セード保持ボルト11を介して、セード20の取付孔21に挿通される。図6に示すように、吊下用電線60は、電線保護部61と、電線保護部61に覆われた電線62、62とから構成されている。吊下用電線60は、端部に接続部50のオス部52が接続されている。吊下用電線60は、接続部50側端部に、係止部63を有する。係止部63は、セード保持部材10を吊下用電線60に装着する際に、セード保持ボルト11の頭部11bと当接することにより、セード保持部材10の位置決めを行う。また、係止部63は、ソケット保持部材30の当接部31がセード保持ボルト11の頭部11bに係止された際、吊下用電線60にかかる力を緩和する機能を有する。
図1に示すように、ランプ70は、ランプソケット45に装着される。
【0032】
次に、照明器具100の各構成の配置について説明する。
図6に示すように、照明器具100は、上方(図6の上方向)から順に、セード保持ナット12、固定部材40、セード20、及びセード保持ボルト11が、吊下用電線60に挿通されている。照明器具100は、ソケット保持部材30の当接部31が、セード保持ボルト11の頭部11bに係止される。セード保持ボルト11が取付孔21に挿通され、固定部材40がセード保持ボルト11に装着され、セード保持ナット12がセード保持ボルト11に螺着され、ソケット保持部材30の当接部31がセード保持ボルト11の頭部11bに係止されることにより、ランプソケット45がソケット保持部材30を介して吊下用電線60と物理的に接続される。また、接続部50のメス部51とオス部52が接続されることにより、ランプソケット45が、吊下用電線60と電気的に接続される。
【0033】
照明器具100は、ソケット保持部材30の当接部31をセード保持ボルト11の頭部11bに係止し、セード20の取付孔21へ挿通したセード保持ボルト11のネジ部11aに、固定部材40を装着し、セード保持ナット12を螺着することにより、セード20と、ソケット保持部材30と、が確実に固定される。これは、セード保持ナット12を装着した際に、セード20が、固定部材40、及び当接部31により挟着されるからである。
【0034】
次に、吊下用電線60が天井等に吊下げられている場合のセード20の交換作業について、図6に基づいて説明する。
まず、セード保持ナット12をセード保持ボルト11から脱離する。これにより、セード20と、ソケット保持部材30との固定が解除される。この時、セード20がソケット保持部材30の当接部31に当接するため、セード20を下方(図6下方向)から脱離することはできない。
【0035】
セード20、及びソケット保持部材30を上方(図6上方向)に引き上げる。ソケット保持部材30を引き上げることにより、当接部31がセード保持ボルト11のネジ部11aから脱離する。この時、当接部31の挿通部31A(図5)には、吊下用電線60が挿通された状態となる。
【0036】
ソケット保持部材30を照明器具100の側方(図6矢印25方向)に移動させる。この時、当接部31の挿通部31A(図5)に挿通されていた吊下用電線60が、当接部31の切欠部31B(図5)から外れる。これにより、ソケット保持部材30が吊下用電線60から脱離される。
【0037】
ソケット保持部材30が吊下用電線60から脱離されることで、セード20がソケット保持部材30の当接部31と当接しなくなる。従って、セード20を下方(図6下方向)へ降ろすことにより、セード20が吊下用電線60から脱離し、セード20が交換可能となる。なお、セード20を装着する際には、上記操作の逆の操作を行えばよい。
【0038】
以上のように、照明器具100においては、吊下用電線60に装着されるセード保持部材10と、吊下用電線60、及びセード保持部材10が挿通する取付孔21を設けたセード20と、セード保持部材10に着脱自在に係止されるとともに、セード20の内側であって取付孔21の周縁に当接するソケット保持部材30と、を備えることから、ソケット保持部材30がセード保持部材10に係止されている状態では、ソケット保持部材30はセード20の取付孔21を通過せずセード20の内側であって取付孔21の周縁に当接し、セード20を保持する。また、ソケット保持部材30とセード保持部材10との係止を解除すると、ソケット保持部材30は、セード保持部材10を装着する吊下用電線60と切れ離されるため、セード20が吊下用電線60から容易に外れる。これらのことから、セード20の交換作業時に、吊下用電線60を接続したままのランプソケット45をセード20の取付孔21から分離するといった煩雑な作業をすることはなく、セード20の交換を簡単に行うことができる。
【0039】
また、照明器具100においては、ソケット保持部材30がセード保持部材10との係止を解除し、接続部50との接続を解除することで、ランプソケット45を保持するソケット保持部材30が吊下用電線60から外れることから、ランプソケット45をセード20の取付孔21に挿通させることなく、セード20を交換することができる。そのため、セード20の取付孔21の径をランプソケット45の径より大きく設ける必要がなく、セード20の意匠創作をより自由に行うことができる。
【0040】
さらに、照明器具100においては、セード20の外側であって取付孔21の周縁に当接する固定部材40を備え、固定部材40は、セード保持部材10に装着されることから、セード20の外側の固定部材40とセード20の内側のソケット保持部材30の当接部31とが、セード20を挟着するため、セード20と、ソケット保持部材30とを確実に固定することができる。
【0041】
さらにまた、照明器具100においては、ソケット保持部材30は、セード20の内側であって取付孔21の周縁に当接する当接部31を具備し、当接部31は、セード保持部材10が挿通可能な挿通部31Aと、挿通部31Aの縁に形成され、挿通部31Aの開口より小さく、且つ吊下用電線60の幅より大きく開口する切欠部31Bと、を有するから、ソケット保持部材30をセード保持部材10に係止する際には、セード保持部材10が照明器具100の側方に外れることが無いため、セード20と、ソケット保持部材30とをさらに確実に固定することができる。また、ソケット保持部材30をセード保持部材10の係止から解除する際には、吊下用電線60が切欠部31Bを通過可能となるため、ソケット保持部材30を吊下用電線60に対して容易に着脱することができる。
【0042】
次に、本発明の照明器具100の第2実施例について、図面を用いて説明する。図7は、セード保持部材10近傍の拡大断面図、図8(a)は、セード保持ボルト11の平面図、図8(b)は、セード保持ボルト11の断面図(図8(a)のC−C断面図)、図9(a)は、ソケット保持部材30の平面図、図9(b)は、ソケット保持部材30の断面図(図9(a)のD−D断面図)である。なお、第2実施例に係る照明器具100は、セード保持部材10、及びソケット保持部材30以外の構成については、第1実施例に係る照明器具100の当該構成と同様であるため説明を省略する。
【0043】
セード保持部材10は、吊下用電線60に装着される。セード保持部材10は、セード20の上部に設けられ、セード20を保持する。図7に示すように、セード保持部材10は、セード保持ボルト11と、セード保持ナット12と、から構成されている。
【0044】
図7、及び図8に示すように、セード保持ボルト11は、ネジ部11cと、頭部11dと、から構成されている。ネジ部11cは、吊下用電線60が挿通可能な筒状の部材である。ネジ部11cの内径は、吊下用電線60の幅より若干大きく設けられている。ネジ部11cは、雄ネジ部11eと、回止部11fとを有する。
【0045】
雄ネジ部11eは、ネジ部11cの外壁面に設けられ、セード保持ナット12が装着可能となっている。回止部11fは、ネジ部11cの外壁面に設けられ、後述するソケット保持部材30の回止係止部31Cの幅より若干小さい幅となるように径方向に切り落とされている。回止部11fは、ソケット保持部材30がセード保持部材10に係止される際に、回止係止部31Cと当接する。
【0046】
頭部11dは、ネジ部11cに螺着されている。頭部11dは、ネジ部11cに螺着されることで、ネジ部11cに対して側方に突出するため、当該突出する部分に、ソケット保持部材30が係止可能となる。
【0047】
図7に示すように、セード保持ナット12は、セード保持ボルト11のネジ部11cに螺着される。セード保持ナット12には、吊下用電線60が挿通される。
【0048】
図9に示すように、ソケット保持部材30は、当接部31と、当接部31と平行に設けられランプソケット45を支持する支持部32と、当接部31と支持部32とを接合する接合部33と、から構成される略コ字状の部材である。
【0049】
図7に示すように、当接部31は、セード20の内側(セード20の上部内壁面)であって、取付孔21の周縁に当接する。当接部31は、取付孔21の径より大きな幅を有する。これにより、ソケット保持部材30が、取付孔21を通過することなく、セード20の上部内壁面に当接する。図9(a)に示すように、当接部31は、挿通部31Aと、切欠部31Bと、回止係止部31Cを具備する。
【0050】
挿通部31Aは、当接部31の中心部に設けられている。挿通部31Aの径は、セード保持ボルト11のネジ部11cの外径より若干大きく、且つセード保持ボルト11の頭部11dの幅より小さく設けられている。これにより、ネジ部11cが当接部31を挿通可能であるとともに、当接部31が頭部11dに係止される。
【0051】
切欠部31Bは、挿通部31Aの縁に設けられている。切欠部31Bの開口幅は、挿通部31Aの開口より小さく、且つ吊下用電線60の幅より大きく設けられている。これにより、ソケット保持部材30がセード保持部材10に係止されている状態では、セード保持部材10のセード保持ボルト11が照明器具100の側方に外れることが無く、セード保持部材10にソケット保持部材30を確実に固定できる。そして、ソケット保持部材30とセード保持部材10との係止を解除すると、吊下用電線60が切欠部31Bを通過可能となるため、ソケット保持部材30を吊下用電線60に対して容易に着脱することができる。
【0052】
回止係止部31Cは、挿通部31Aの縁であって、切欠部31Bと対向する側に設けられている。回止係止部31Cは、ネジ部11cの回止部11fの幅より若干大きい幅となるように設けられている。回止係止部31Cは、ソケット保持部材30がセード保持部材10に係止される際、すなわち、当接部31がセード20の取付孔21の周縁に当接する際に、回止部11fと当接する。これにより、セード保持部材10が当接部31に回り止め係止される。従って、ソケット保持部材30がセード保持部材10を軸として回動することを防止できる。
【0053】
次に、本発明の照明器具100の第3実施例について、図面を用いて説明する。図10は、セード保持部材10近傍の拡大断面図、図11(a)は、セード保持ボルト11の平面図、図11(b)は、セード保持ボルト11の断面図(図11(a)のE−E断面図)である。なお、第3実施例に係る照明器具100は、セード保持部材10以外の構成については、第1実施例に係る照明器具100の当該構成と同様であるため説明を省略する
【0054】
セード保持部材10は、吊下用電線60に装着される。セード保持部材10は、セード20の上部に設けられ、セード20を保持する。図10に示すように、セード保持部材10は、セード保持ボルト11と、セード保持ナット12と、から構成されている。
【0055】
図10、及び図11に示すように、セード保持ボルト11は、ネジ部11gと、頭部11hと、から構成されている。ネジ部11gは、吊下用電線60が挿通可能な筒状の部材である。ネジ部11gの内径は、吊下用電線60の幅より若干大きく設けられている。ネジ部11gは、雄ネジ部11jと、突出部11kとを有する。
【0056】
雄ネジ部11jは、ネジ部11gの外壁面に設けられ、セード保持ナット12が装着可能となっている。突出部11kは、ネジ部11gの下部の外壁面から突出して設けられている。突出部11kは、当接部31の切欠部31Bの幅より若干小さい幅を有する。突出部11kは、当接部31の厚みより大きい厚みを有する。突出部11kは、ソケット保持部材30がセード保持部材10に係止される際、当接部31がセード20の取付孔21の周縁に当接する際に、当接部31の切欠部31Bに嵌り込む。これにより、セード保持部材10が当接部31に回り止め係止される。従って、ソケット保持部材30がセード保持部材10を軸として回動することを防止できる。
【0057】
頭部11hは、ネジ部11gに螺着されている。頭部11hは、ネジ部11gに螺着されることで、ネジ部11gに対して側方に突出するため、当該突出する部分に、ソケット保持部材30が係止可能となる。
【0058】
図10に示すように、セード保持ナット12は、セード保持ボルト11のネジ部11gに螺着される。セード保持ナット12は、吊下用電線60が挿通される。
【0059】
以上説明した本発明の技術的範囲は、上記の実施例に限定されるものではなく、上記実施例の形状に限定されない。本発明の技術的範囲は、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】照明器具100の概略図。
【図2】セード保持部材10近傍の拡大断面図。
【図3】(a)はセード保持ボルト11の平面図、(b)は(a)におけるA−A矢視断面図。
【図4】ソケット保持部材30、ランプソケット45の斜視図。
【図5】(a)はソケット保持部材30の平面図、(b)は(a)におけるB−B矢視断面図。
【図6】照明器具100の各部を分離した際の概略図。
【図7】第2実施例に係る照明器具100のセード保持部材10近傍の拡大断面図。
【図8】(a)は第2実施例に係る照明器具100のセード保持ボルト11の平面図、(b)は(a)におけるC−C矢視断面図。
【図9】(a)は第2実施例に係る照明器具100のソケット保持部材30の平面図、(b)は(a)におけるD−D矢視断面図。
【図10】第3実施例に係る照明器具100のセード保持部材10近傍の拡大断面図。
【図11】(a)は第3実施例に係る照明器具100のセード保持ボルト11の平面図、(b)は(a)におけるE−E矢視断面図。
【符号の説明】
【0061】
10 セード保持部材
20 セード
21 取付孔
30 ソケット保持部材
31A 挿通部
31B 切欠部
40 固定部材
45 ランプソケット
50 接続部
60 吊下用電線
100 照明器具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊下用電線に吊下げられる照明器具であって、
前記吊下用電線に装着されるセード保持部材と、
前記吊下用電線、及びセード保持部材が挿通する取付孔を設けたセードと、
該セード保持部材に着脱自在に係止されるとともに、前記セードの内側であって前記取付孔の周縁に当接するソケット保持部材と、
該ソケット保持部材に保持されるランプソケットと、
前記吊下用電線と前記ランプソケットとの接続を電気的に接離自在とし、前記取付孔を通過可能な接続部と、
を備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記ソケット保持部材は、
前記セードの内側であって前記取付孔の周縁に当接する当接部を具備し、
該当接部は、
前記セード保持部材が挿通可能な挿通部と、
該挿通部の縁に形成され、前記挿通部の開口より小さく、且つ前記吊下用電線の幅より大きく開口する切欠部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記ソケット保持部材は、
前記セードの内側であって前記取付孔の周縁に当接する当接部を具備し、
前記セード保持部材は、前記当接部に回り止め係止させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項4】
前記セードの外側であって前記取付孔の周縁に当接する固定部材を備え、
該固定部材は、前記セード保持部材に装着される、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項1】
吊下用電線に吊下げられる照明器具であって、
前記吊下用電線に装着されるセード保持部材と、
前記吊下用電線、及びセード保持部材が挿通する取付孔を設けたセードと、
該セード保持部材に着脱自在に係止されるとともに、前記セードの内側であって前記取付孔の周縁に当接するソケット保持部材と、
該ソケット保持部材に保持されるランプソケットと、
前記吊下用電線と前記ランプソケットとの接続を電気的に接離自在とし、前記取付孔を通過可能な接続部と、
を備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記ソケット保持部材は、
前記セードの内側であって前記取付孔の周縁に当接する当接部を具備し、
該当接部は、
前記セード保持部材が挿通可能な挿通部と、
該挿通部の縁に形成され、前記挿通部の開口より小さく、且つ前記吊下用電線の幅より大きく開口する切欠部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記ソケット保持部材は、
前記セードの内側であって前記取付孔の周縁に当接する当接部を具備し、
前記セード保持部材は、前記当接部に回り止め係止させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項4】
前記セードの外側であって前記取付孔の周縁に当接する固定部材を備え、
該固定部材は、前記セード保持部材に装着される、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−199754(P2009−199754A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37317(P2008−37317)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(505455945)コイズミ照明株式会社 (65)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(505455945)コイズミ照明株式会社 (65)
【Fターム(参考)】
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