説明

照明器具

【課題】生活シーンや嗜好に合わせて部屋を照らし分けできる照明器具を提供する。
【解決手段】器具本体20において施工面11に対して略平行な取付面部23に配設されている第1のLEDユニット31で、光を真下に照射して部屋を照明する。また、第1のLEDユニット31の外側に配設され側方へ光を照射する第2のLEDユニット32および第3のLEDユニット33を、点灯切替手段40により同時にあるいは選択的に切り替えることにより、部屋全体の照らし分けができ、部屋の演出効果や、ユーザの嗜好に合わせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを光源に用い天井面等に取り付けられて下方を照明する照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、LEDを光源に用いて天井面に取り付けられる照明器具であるシーリングライトが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図7に示すように、特許文献1に記載の照明器具100は、天井面101に取り付けられて下方を照明するものであり、天井面101に取り付けられる断面台形状の器具本体102を有する。
すなわち、器具本体102は、天井面101に平行な取付面部103と、この取付面部103から外側に向かって天井面101側に傾斜する傾斜面部104を有する。取付面部103および傾斜面部104には、それぞれ光源として複数のLED105が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3156721号公報(第6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の照明器具においては、器具本体102の取付面部103および傾斜面部104に複数のLED105を配設しているので、照射範囲を拡げることができるものの、部屋の床面の一部を照らしたり、壁面を明るく照らしたり等の生活シーンや嗜好に合わせた照明の照らし分けができず、変化に乏しいという問題があった。
【0005】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、生活シーンや嗜好に合わせて部屋を照らし分けできる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の照明器具は、施工面に対して略平行な取付面部および当該取付面部の外側に設けられた側部を有する器具本体と、前記取付面部に配設されて真下へ照明光を照射する第1のLEDユニットと、前記第1のLEDユニットの外側に配設され側方へ照明光を照射する第2のLEDユニットと、前記第2のLEDユニットとは異なる側方へ照射する第3のLEDユニットと、を有し、少なくとも前記第2のLEDユニットおよび前記第3のLEDユニットを同時または選択的に点灯させる点灯切替手段を設けたものである。
【0007】
また、本発明の照明器具は、前記側部に、前記取付面部から外側に向かって前記施工面に近付くように傾斜した傾斜面を設け、前記傾斜面に前記第2のLEDユニットを設けたものである。
【0008】
また、本発明の照明器具は、前記傾斜面の傾斜角度が、前記施工面に対して0度から90度であるものである。
【0009】
さらに、本発明の照明器具は、対向する前記傾斜面の一方に前記第2のLEDユニットを配設するとともに、他方に第3のLEDユニットを配設したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、器具本体において施工面に対して略平行な取付面部に配設されている第1のLEDユニットの外側に配設されて、側方へ光を照射する第2のLEDユニットおよび第3のLEDユニットを、点灯切替手段により同時にあるいは選択的に切り替えることにより、部屋全体の照らし分けができ、部屋の演出効果や、ユーザの嗜好に合わせることができるという効果を有する照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る実施形態の照明器具を下方から見た斜視図
【図2】図1中II方向から見た底面図
【図3】図1中III方向から見た側面図
【図4】LEDユニットの分解斜視図
【図5】本発明に係る実施形態の照明器具における制御系統を示すブロック図
【図6】(A)〜(E)は配光パターンおよびこのとき使用するLEDユニットを示す図表
【図7】(A)は従来の照明器具の斜視図であり、(B)は(A)中B−B位置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明に係る実施形態の照明器具10は、施工面である天井面11等に取り付けられて主に下方を照明するものであり、天井面11に取り付けられる例えば正方形状の器具本体20を有する。
なお、図1においては、器具本体20の前方(下方)に取り付けられる透光性カバー26(図3参照)を外した状態を示している。
また、天井面11には、照明器具10を取り付けるための引っ掛けシーリング12(図3参照)が取り付けられている。
【0013】
図2および図3に示すように、器具本体20は、天井面11に取り付けられる例えば正方形上の形状のベースプレート21を有する。ベースプレート21の中央には、天井面11の引っ掛けシーリング12に取り付けることにより照明器具10を取り付けるための取付金具25が、ベースプレート21を貫通して設けられている。
また、ベースプレート21の下面211には、対向する2端辺212、213から各々一定幅の区間212A、213Aを除いて、端辺212、213に平行な断面が台形であるLEDユニット取付台22が取り付けられている。
【0014】
取付台22は、ベースプレート21と平行な取付面部23と、取付面部23の外側、すなわち四方に側部24を有する。側部24の一部(ここでは、例えば取付台22の端面231に直交する端部)には、取付面部23の端部とベースプレート21との間に設けられて外側に向かってベースプレート21に近付く方向へ傾斜した傾斜面241が設けられている。
傾斜面241の天井面11すなわち取付面部23に対する傾斜角度θ(図3参照)は、0度<θ<90度である。
【0015】
なお、取付面部23は、ベースプレート21の中央に設けられている取付金具25との干渉を避けるため、図1に示すように、2分割してもよい。
また、取付面部23の内部には、LEDユニット30に点灯電力を供給する電源装置27と、電源装置27を制御する制御部41が収容されている。
【0016】
取付面部23および側部24にはLEDユニット30が取り付けられている。例えば、取付面部23には、中央の取付金具25を挟んで両側に各々2個の第1のLEDユニット31が平行に配設されている。
そして、取付面部23における第1のLEDユニット31の外側には第2のLEDユニット32が配設されている。また、側部24における傾斜面241には、各々第2のLEDユニット32または第3のLEDユニット33が配設されており、下方または外向きに光を照射する。
【0017】
さらに、取付面部23の一対の端面231の両外側の側部24には、端面231とベースプレート21下面との間に、各々第2のLEDユニット32が、傾斜して取り付けられている。
この第2のLEDユニット32の取付角度は、調整可能とすることができる。
【0018】
なお、ここでは、LEDユニット取付台22として、ベースプレート21の対向する端辺212,213に沿った断面のみが台形となっている場合を示したが、端辺212,213に直交する方向にも傾斜面を設けて、全体を下方に尖った四角錐台形状とすることもできる。
【0019】
図3に示すように、ベースプレート21の下面211には、前述したLEDユニット30(第1のLEDユニット31,第2のLEDユニット32,第3のLEDユニット33の総称である。)を収容する透光性カバー26が着脱可能に取り付けられる。透光性カバー26は、下向きに尖る四角錐台形状を呈している。
【0020】
図4に示すように、LEDユニット30は全体細長い長方形状をしており、最下層(図4において最上部)に長方形の本体34を有する。本体34は、放熱性を向上させるため、アクリルにより形成されている。
これにより、LEDチップ351が発した熱を効率的に放熱できるので、LEDユニット30の寿命を大幅に延ばすことができる。
【0021】
本体34の上(図4において下)には、複数のLEDチップ351を実装したLED基板35が取り付けられる。少なくとも側部24に配設されているLEDユニット32、33においては、LEDチップ351は、LED基板35上に1列の直線上に配列されている。
本体34の上(図4において下)には、LEDチップ351およびLED基板35を覆う難燃性の樹脂で形成された透光性のカバー36が配設される。
【0022】
そして、LED基板35およびカバー36を本体34に取り付けるために、全体枠状のアンダーカバー37が本体34に取り付けられる。アンダーカバー37は、ABSで形成されており、ねじ等の締結手段を用いずに本体34に取り付けられて、アンダーカバー37と本体34との間にLED基板35およびカバー36を挟持する。従って、LEDユニット30を下方から見たときには、LEDユニット30を組み立てているねじ等の締結手段は見えない。
なお、上述したようなLEDユニット30は、取付面部23の第1のLEDユニット31、第2のLEDユニット32および側部24の第2のLEDユニット32、第3のLEDユニット33に同じLEDユニット30を用いることができる。
【0023】
図5に示すように、LEDユニット30に点灯電力を供給する電源装置27は、点灯切替手段40を構成する制御部41に接続されており、制御部41の制御によりLEDユニット30は点灯する。点灯切替手段40は、少なくとも第2のLEDユニット32および第3のLEDユニット33を同時または選択的に点灯させるものであるが、ここでは、第1のLEDユニット31の点灯もさせる。
また、制御部41はスイッチ機構42に接続されている。スイッチ機構42としては、例えば、部屋の壁に取り付けられているスイッチや、リモコンスイッチを用いることができる。
従って、ユーザがスイッチ機構42を操作することにより制御部41に指令を発し、制御部41の制御により電源装置27が第1のLEDユニット31、第2のLEDユニット32および第3のLEDユニット33の中から所望のLEDユニット30を点灯させる。
【0024】
図6(A)〜(E)には、配光パターンの例と、そのとき用いるLEDユニット30が示されている。
図6(A)に示す配光パターンでは、第1のLEDユニット31、第2のLEDユニット32および第3のLEDユニット33の全てを点灯させる。これは、部屋の床面全面および壁面の一部を照明するのに適する。
【0025】
図6(B)に示す配光パターンでは、第2のLEDユニット32および第3のLEDユニット33を点灯させる。この場合、部屋の中心部を真上から照明する第1のLEDユニット31が点灯されず、第2のLEDユニット32および第3のLEDユニット33を点灯させる。
従って、部屋の中央を暗くして、周囲および壁面を明るくすることができる。
【0026】
図6(C)に示す配光パターンでは、第3のLEDユニット33のみを点灯させる。
従って、第3のLEDユニット33側の壁面のみが照明され、床面は照明されないので、例えば、テレビを見る際に、テレビの後方の壁面のみを照明して、目に優しい照明とすることができる。
【0027】
図6(D)に示す配光パターンでは、第1のLEDユニット31のみを点灯させる。
従って、部屋の中央部のみが明るく、周囲は暗くなるので、例えば、部屋の中央にあるテーブルで食事をする場合に適する。
【0028】
図6(E)に示す配光パターンでは、第2のLEDユニット32のうち側部24にある第2のLEDユニット32および第3のLEDユニット33を点灯させる。
従って、壁面を主に照明するので、例えば、壁面に飾ってある絵画等を照明するのに適する。
【0029】
以上、説明した本発明に係る実施形態の照明器具10によれば、器具本体20において天井面11に対して略平行な取付面部23に配設されている第1のLEDユニット31で、光を真下に照射して部屋を照明する。また、第1のLEDユニット31の外側に配設され側方へ光を照射する第2のLEDユニット32および第3のLEDユニット33を、点灯切替手段40により同時にあるいは選択的に切り替える。これにより、部屋全体の照らし分けができ、部屋の演出効果や、ユーザの嗜好に合わせることができる。
【0030】
また、器具本体20の取付面部23の外側に設けられた側部24に傾斜面241を設け、この傾斜面241に第2のLEDユニット32を設けて側方へ光を照射することにより、LEDユニット30の指向性を生かして部屋の壁面を積極的に照明することができるので、真下に光を照射するだけの場合に比して、壁面を明るくできる。
【0031】
また、傾斜面241の傾斜角度θを、施工面である天井面11に対して0度から90度とするので、側方へ照射される光により照射範囲を拡げることができるとともに、天井面11を余分に照らすことを避けることができる。
【0032】
さらに、対向する傾斜面241の一方に第2のLEDユニット32を配設するとともに、他方に第2のLEDユニット32とは異なる側方へ光を照射する第3のLEDユニット33を配設したので、部屋全体の照らし分けができ、部屋の演出効果や、ユーザの嗜好に合わせることができる。
【0033】
なお、本発明の照明器具は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
【符号の説明】
【0034】
10 照明器具
11 天井面(施工面)
20 器具本体
23 取付面部
24 側部
241 傾斜面
31 第1のLEDユニット
32 第2のLEDユニット
40 点灯切替手段
θ 傾斜角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工面に対して略平行な取付面部および当該取付面部の外側に設けられた側部を有する器具本体と、
前記取付面部に配設されて真下へ照明光を照射する第1のLEDユニットと、
前記第1のLEDユニットの外側に配設され側方へ照明光を照射する第2のLEDユニットと、
前記第2のLEDユニットとは異なる側方へ照射する第3のLEDユニットと、を有し、
少なくとも前記第2のLEDユニットおよび前記第3のLEDユニットを同時または選択的に点灯させる点灯切替手段を設けた照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記側部に、前記取付面部から外側に向かって前記施工面に近付くように傾斜した傾斜面を設け、
前記傾斜面に前記第2のLEDユニットを設けた照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記傾斜面の傾斜角度が、前記施工面に対して0度から90度である照明器具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
対向する前記傾斜面の一方に前記第2のLEDユニットを配設するとともに、他方に第3のLEDユニットを配設した照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−133974(P2012−133974A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284355(P2010−284355)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】