説明

照明構造

【課題】建材パネル間の目地に照明装置を配設した場合でも、建材パネルを明るくして部屋の明るさ感を向上させることが可能な照明構造を提供する。
【解決手段】建材パネル60間の目地50に照明装置1が配設されている照明構造であって、照明装置1は、光源70と、建材パネル60よりも突出し目地50に沿って形成され光源70からの光の一部を反射によって建材パネル60側に照射するレンズ部31とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建材パネル間の目地の照明構造に関する。
【背景技術】
【0002】
非点灯時に照明装置が目立たないようにするため、近年、天井や壁などの建材パネル間の目地に照明装置を配設することが検討されている。例えば、特許文献1では、タイル間の目地にLEDを設けたLED付建材が提案されている。このLED付建材は、目地に備え付けたLEDによって、建材に電飾機能や照明機能などを持たせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−140439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のLED付建材はLEDを目地に点在して配置していることに加え、個々のLEDの発光面積が小さいこと、タイル面を直接照らすものでもないことなどから、タイル面が暗く見え、部屋全体の明るさ感がない。
【0005】
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、建材パネル間の目地に照明装置を配設した場合でも、建材パネルを明るくして部屋の明るさ感を向上させることが可能な照明構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の照明構造は、建材パネル間の目地に照明装置が配設されている照明構造であって、照明装置は、光源と、建材パネルよりも突出し目地に沿って形成され光源からの光の一部を反射によって建材パネル側に照射するレンズ部とを有することを特徴とする。
【0007】
この照明構造においては、光源は、建材パネルよりも内側に配設されていることが好ましい。
【0008】
この照明構造においては、レンズ部は、先端側が凹状に形成されていることが好ましい。
【0009】
この照明構造においては、レンズ部は、先端側が凸状に形成されていることが好ましい。
【0010】
この照明構造においては、レンズ部の先端に化粧部材が配設され、この化粧部材の表面側が、建材パネル又は目地と略同柄及び/又は略同色調であることが好ましい。
【0011】
この照明構造においては、化粧部材は、その幅寸法がレンズ部の幅寸法と略同一であることが好ましい。
【0012】
この照明構造においては、化粧部材は、幅方向両側端部に、互いに対向する一対の係止部が形成され、レンズ部には、化粧部材の係止部と嵌合する係合部が形成されていることが好ましい。
【0013】
この照明構造においては、レンズ部は、先端側が凹状に形成されており、化粧部材は、レンズ部の先端側に形成されている凹状部に嵌合する係止部が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の照明構造によれば、建材パネル間の目地に照明装置を配設した場合でも、建材パネルを明るくして部屋の明るさ感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の照明構造の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の照明構造のA−A線断面図である。
【図3】本発明の照明構造に用いられる照明ユニットの一実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明の照明構造に用いられる光源ユニットの一実施形態を示す分解斜視図である。
【図5】(a)(b)はそれぞれ、導光部材に入光した光の光学特性を説明するための模式図である。
【図6】レンズ部からの光の照射方向を説明するための模式図である。
【図7】図1の照明構造に用いられる導光部材の別の実施形態を示す要部拡大断面図である。
【図8】本発明の照明構造の別の実施形態を示す断面図である。
【図9】(a)(b)はそれぞれ、本発明の照明構造のさらに別の実施形態を示す要部拡大断面図である。
【図10】本発明の照明構造のさらに別の実施形態を示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明の照明構造の一実施形態を示す斜視図であり、図2は、図1の照明構造のA−A線断面図である。図3は、本発明の照明構造に用いられる照明ユニットの一実施形態を示す断面図である。図4は、本発明の照明構造に用いられる光源ユニットの一実施形態を示す分解斜視図である。図5(a)(b)はそれぞれ、導光部材に入光した光の光学特性を説明するための模式図である。図6は、レンズ部からの光の照射方向を説明するための模式図である。
【0018】
本実施形態の照明構造は、図1に示されるように、天井の建材パネル60と建材パネル60との間の目地50に照明装置1が配設されている。この照明装置1は、長尺状であり、図1−2に示されるように、光源70としての照明ユニット2と、この照明ユニット2からの光の一部を反射によって建材パネル60側に照射するレンズ部31とを有している。
【0019】
照明ユニット2は、線状に光るライン照明であり、導光板3と、この導光板3に光を出射する光源ユニット10と、導光板3及び光源ユニット10を収納する照明ケース20とを備えている。
【0020】
導光板3は単数もしくは複数でもよく、複数の場合には長手方向に沿って連続して配列されて照明ケース20に収納される。本実施形態では、図3に示されるように、導光板3が複数長手方向に配列され、隣接する導光板3の端部同士が互いに当接するように連続して配置されている。
【0021】
導光板3は、透光性を有し屈折率の高いアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの合成樹脂で構成され、例えば、押出工法により長尺状に形成される。ガラスなどの部材で構成することもできる。
【0022】
この導光板3は、断面視略矩形状に形成され、短辺側の一方の側面に、光源ユニット10からの光を受光する入光面4を有し、長辺側の一側面に、入光面4で受光した光を出射する発光面5を有する。この発光面5とは反対側の側面は、入光面4からその反対側の側面に向かって漸近する傾斜面6を有しており、導光板3は、弓形形状(楔形形状ともいう)に形成されている。この傾斜面6によって、入光面4で受光した光の繰り返し反射による減衰が抑えられる。この効果を高めるために、傾斜面6に光拡散面を設けることができる。光拡散面は、例えば、反射シートを傾斜面に貼着したり反射性の物質を傾斜面に印刷ないし蒸着したりすることによって形成される。また光拡散面は、導光板3の長手方向と直交する方向に断面視V字状の溝条を長手方向に沿って加工することによっても形成することができる。このような光拡散面は導光板3の長手方向全長にわたって設けることができる。
【0023】
また、この導光板3は、長辺側の側面のうち発光面5に隣接する面において、発光面5側の部分に、突起部7が長手方向に沿って所定間隔で形成されている。
【0024】
光源ユニット10は、図4に示されるように、LEDなどの発光体11と、この発光体11を搭載する基板12と、この基板12を収納する基板ケース13とを有している。基板ケース13は、例えば、合成樹脂製又は金属製などの剛性部材で構成される。
【0025】
本実施形態の基板ケース13は、矩形状の底壁15とこの底壁15の外周四辺から立ち上がる矩形状の周側壁14で構成され、底壁15の対向面は開口16を有している。発光体11を搭載した基板12は、基板ケース13の開口16側に発光体11が配置されるように基板ケース13の底壁15に配設される。基板ケース13に収納された基板12の発光体11からの光は開口16を通して導光板3に向けて照射される。
【0026】
照明ケース20は、アルミニウムなどの金属、合成樹脂などの剛性部材で構成されている。図2に示されるように、照明ケース20は、対向する一対の平板状の長尺な縦板21と、一対の縦板21間を縦板21の短手方向一端部において連結する平板状の長尺な横板22とから形成され、長手方向両側端部には開口を有している。
【0027】
各縦板21は、短手方向他端部に、内方(対向する縦板に向かう方向)に突出する導光部材保持部23が長手方向全長にわたって形成されている。この導光部材保持部23は、後述する導光部材30を保持するものであり、横板22と略平行に形成されている。各導光部材保持部23同士は離間しており、その離間距離は導光板3の幅寸法(発光面に隣接する二つの長辺側の側面間の寸法)と同程度に設定され、導光板3の発光面5から出射される光が導光部材保持部23によって阻害されないようにされている。
【0028】
また、各縦板21は、導光部材保持部23からやや横板22寄りの位置に、内方に突出する導光板保持部24が長手方向全長にわたって形成され、さらに横板22寄りの位置に、内方に突出する光源ユニット保持部25が長手方向全長にわたって形成されている。導光板保持部24及び光源ユニット保持部25は、横板22と略平行に形成されている。各導光板保持部24同士及び各光源ユニット保持部25同士は離間しており、その離間距離は導光板3を挟持可能に導光板3の幅寸法と同程度に設定されている。
【0029】
次に、照明ケース20への導光板3及び光源ユニット10の収納について説明する。
導光板3の収納は、まず、導光板3の発光面5が照明ケース20から露出するように導光板3の発光面5側を導光板保持部24側に向けて導光板3を配置する。次いで、照明ケース20の長手方向両側端部の一方の端部の開口から導光板3を照明ケース20内に差し込むことによってなされる。その際、導光板3の突起部7が導光板保持部24と光源ユニット保持部25との間に案内されるように導光板3を差し込む。差し込まれた導光板3は、突起部7が導光板保持部24で支持されることによって、照明ケース20内で保持される。また、導光板3の突起部7が導光板保持部24と光源ユニット保持部25との間に案内されているため、導光板3の高さ方向(縦板21の短手方向)の移動が規制される。さらに導光板保持部24と光源ユニット保持部25によって導光板3が挟持されているため、導光板3の幅方向の移動が規制される。このように照明ケース20内で保持、固定された状態で導光板3は収納される。
【0030】
光源ユニット10の収納は、基板ケース13の開口16が導光板3の入光面4に対向するように、照明ケース20の長手方向両側端部の一方の端部の開口から光源ユニット10を照明ケース20内に差し込むことによってなされる。その際、光源ユニット10が照明ケース20の横板22と光源ユニット保持部25との間に案内されるように光源ユニット10を差し込む。差し込まれた光源ユニット10は、照明ケース20の横板22と光源ユニット保持部25との間に案内されているため、光源ユニット10の高さ方向の移動が規制される。さらに照明ケース20の縦板21によって光源ユニット10が挟持されているため、光源ユニット10の幅方向の移動が規制される。このように照明ケース20内で保持、固定された状態で光源ユニット10は収納される。収納された光源ユニット10は導光板3の入光面4に対峙し、光源ユニット10から導光板3の入光面4に向かって光が出射される。
【0031】
導光板3及び光源ユニット10を複数、照明ケース20に収納する場合、照明ケース20の長手方向両側端部の一方の端部の開口から上記した手順で導光板3と光源ユニット10を交互に順次差し込んでいけばよい。導光板3は楔形形状を有しているため、収納された複数の導光板3は、光源ユニット10に干渉されずに、端部同士が互いに当接するように連続して配置される。連続配置された導光板3において、導光板3の入光面4で受光した光源ユニット10からの光は発光面5から出射されるが、発光面5以外にも入光面4とは反対側の面から、長手方向に配置した別の隣接する導光板3に向かって出射される。導光板3の長手方向端部から出射した光は隣接する導光板3に入光されるので、発光効率を向上させることができる。連続配置した隣接する導光板3間の連結部が目立たない良好な外観が実現される。また、本実施形態では導光板3に対応する数だけ光源ユニット10を設けているが、導光板3よりも光源ユニット10の数を少なくすることができる。
【0032】
レンズ部31は、本実施形態では、図2に示されるように、導光部材30の一部として構成されている。導光部材30は、照明ユニット2の導光板3と同様、透光性を有し屈折率の高いアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの合成樹脂で構成され、例えば、押出工法により長尺状に形成される。ガラスなどの部材で構成することもできる。導光部材30は平板状に形成されており、レンズ部31は、短手方向一端部に、長手方向に沿って形成されている。導光部材30は単数もしくは複数でもよく、複数の場合には長手方向に沿って連続して配列される。本実施形態では、導光部材30は導光板3とは別体として形成されているが、導光板3と一体に形成することもできる。
【0033】
導光部材30は、レンズ部31の反対側の端部に、照明ユニット2と連結する連結部32が設けられている。この連結部32は、照明ケース20の導光部材保持部23に対応する形状を有する凹溝として構成され、長手方向全長にわたって形成されている。この連結部32に照明ケース20の導光部材保持部23が係合するように、照明ケース20の長手方向両側端部の一方の端部の開口から導光部材30を差し込むことによって、照明ユニット2と導光部材30とを連結することができる。導光部材30が複数の場合、照明ケース20の長手方向両側端部の一方の端部の開口から上記した手順で順次差し込んでいけばよい。導光部材30と照明ユニット2とが連結された状態において、レンズ部31の反対側の端部は導光板3の発光面5と当接している。
【0034】
照明装置1は、照明ユニット2と導光部材30とが連結した状態で構成され、建材パネル60と建材パネル60との間の目地50に配設される。本実施形態では、照明ユニット2を建材パネル面60aよりも内側(室内側の反対側)に配設している。そして、少なくとも導光部材30の先端部分を建材パネル面60aから突出させるようにして照明装置1を目地50に配設している。導光部材30の先端部分が建材パネル面60aから突出されていることにより、レンズ部31は建材パネル面60aから突出した状態で配置される。
【0035】
照明装置1の目地50への配設は、例えば、建材パネル60が固着されている下地材に照明装置1の照明ケース20の横板22を当接させ、ネジやビスなどの固定具を下地材に向かって打ち込み、固定することによってなされる。
【0036】
建材パネル60間の目地50に配設された照明装置1の照明ユニット2は、光源ユニット10からの光を導光板3の入光面4で受光して発光面5から出射する。照明ユニット2からの光は導光部材30に入光され、全反射を繰り返して先端に到達し、レンズ部31から外部に出射される。レンズ部31から出射される光の一部は建材パネル60に向かう。照射された建材パネル60は明るくなり、部屋全体の明るさ感を向上させることができる。本実施形態では、照明ユニット2を建材パネル面60aの内側に配設し、導光部材30の一部を建材パネル面60aから突出させるなどして建材パネル面60aからの照明装置1の突出量を少なくしているので、照明装置1が目立ち難くなっている。導光部材30が透明部材で形成されている場合には、消灯時及び点灯時において目立ち難くすることが可能となるため、意匠性を向上させ、見栄えの低下を低減することができる。レンズ部31以外を建材パネル面60aよりも内側に配設することもできる。この場合、照明装置1をより一層目立ち難くすることができる。
【0037】
本実施形態のレンズ部31は、図1−2に示されるように、先端側が凹状に形成されている。図5に示されるように、導光部材30において、入射角が小さいと光は屈折して室内側(空気)に照射され(図5(a))、入射角が大きいと反射する(図5(b))。このため、図6に示されるように、導光部材30に入光した光は、先端側が凹状に形成されているレンズ部31によって、光の反射により建材パネル60側に照射され、図1で示される建材パネル60の領域Wを明るく照らすことができる。また、室内側には光を広げて広範囲に照射される。この建材パネル60側への照射と室内側への広範囲な照射との相乗効果により、部屋全体の明るさ感をより一層向上させることができる。
【0038】
図7は、図1の照明構造に用いられる導光部材の別の実施形態を示す要部拡大断面図である。図1−6に示した実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、レンズ部31は、先端側が凸状に形成されている。本実施形態においても、導光部材30に入光した光は、光の反射により建材パネル60側に照射され、室内側にも照射される。先端側が凸状に形成されているレンズ部31によって、光がより集光される。このため、先端側が凹状に形成されているレンズ部と比べて、建材パネル60をより強く照らすことができる。また室内をより強く照らすことができる。この相乗効果により、部屋全体の明るさ感をより一層向上させることができる。
【0039】
図8は、本発明の照明構造の別の実施形態を示す断面図である。図1−7に示した実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、レンズ部31の先端に、レンズ部31の幅寸法と略同一の幅寸法を有する化粧部材40が長手方向に沿って配設されている。化粧部材40の表面側は平坦面41とされ、建材パネル60と略同柄に形成されている。化粧部材40は透光性接着剤などでレンズ部31に固着されている。
【0040】
化粧部材40はレンズ部31の幅寸法と略同一の幅寸法を有するため、レンズ部31の凹面36の略全体を覆うことができる。化粧部材40の見えがかり面が周囲の建材パネル60と略同柄であることから、照明装置1は周囲の建材パネル60と調和が図られ、あるいは隠蔽されるなど照明装置1の存在感が低減し、目立ち難くなっている。
【0041】
化粧部材40は、透光性を有する合成樹脂など透光性部材で構成され、レンズ部31からの光が透過可能とされている。本実施形態では、レンズ部31の先端側が凹状に形成されているので、導光部材30に入光した光は、反射により建材パネル60側に照射される。また、室内側には光を広げて広範囲に化粧部材40を通して照射される。この建材パネル60側への照射と室内側への広範囲な照射との相乗効果により、部屋全体の明るさ感をより一層向上させることができる。化粧部材40の材料の屈折率を変えるなど材料特性を変えることで、レンズ部31からの光の透過特性、反射特性などの光学特性を調整することができる。
【0042】
以上の実施形態では、化粧部材40の表面側を建材パネル60と略同柄にしているが、建材パネル60と略同色調、又は建材パネル60と略同柄かつ略同色調とすることができる。化粧部材40の表面側を目地50と略同柄及び/又は略同色調とすることもできる。いずれの場合においても、照明装置1と周囲の建材パネル60との間、照明装置1と周囲の目地50との間の調和が図られ、あるいは隠蔽されるなど照明装置1の存在感が低減し、目立ち難くすることができる。また、レンズ部31の先端側が凸状に形成されている照明構造においても適用できる。
【0043】
図9は、本発明の照明構造のさらに別の実施形態を示す要部拡大断面図である。図1−8に示した実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図9(a)(b)は、いずれもレンズ部31と化粧部材40との嵌合構造が照明装置1に付与された実施形態である。
【0044】
図9(a)は、レンズ部31の先端側が凹状に形成されている場合の実施形態である。
化粧部材40には、幅方向両側端部において表面側の平坦面41に対して略垂直に立ち上がり互いに対向する一対の起立部43が平坦面41とは反対側に長手方向に沿って連続して形成されている。各起立部43の先端部には、内方に突出する爪部44が長手方向に沿って連続して形成されており、係止部42はこの起立部43と爪部44とから形成されている。レンズ部31には、先端部に、化粧部材40の係止部42の爪部44に対応する形状を有する凹溝状の一対の係合部34が長手方向に沿って連続して形成されている。
【0045】
化粧部材40のレンズ部31への取り付けにあたっては、例えば、以下の手順で行うことができる。まず、化粧部材40の係止部42がレンズ部31に対峙するように化粧部材40をレンズ部31の先端側に配置する。次いで、化粧部材40をレンズ部31に向かって押しつけて、化粧部材40の係止部42の起立部43を外方に撓ませる。化粧部材40をさらにレンズ部31の方に押しつけることで、係止部42の爪部44がレンズ部31の係合部34に引っ掛かって係止部42と係合部34とが嵌合し、化粧部材40がレンズ部31に取り付けられる。
【0046】
このように本実施形態の照明構造は、化粧部材40をワンタッチでレンズ部31に取り付けることができるなど施工性に優れる。また、レンズ部31の先端側が凹状に形成されているので、上述した効果と同様の効果が奏され、部屋全体の明るさ感をより一層向上させることができる。
【0047】
図9(b)は、レンズ部31の先端側が凸状に形成されている場合の実施形態である。
本実施形態においても、図9(a)と同様、化粧部材40には起立部43と爪部44とからなる係止部42が形成され、レンズ部31には係合部34が形成されており、化粧部材40をワンタッチでレンズ部31に取り付けることができるなど施工性に優れる。また、レンズ部31の先端側が凸状に形成されているので、上述した効果と同様の効果が奏され、部屋全体の明るさ感をより一層向上させることができる。
【0048】
図10は、本発明の照明構造のさらに別の実施形態を示す要部拡大断面図である。図1−9に示した実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態は、その先端側が凹状に形成されているレンズ部31と化粧部材40との嵌合構造が照明装置1に付与された実施形態である。
【0049】
本実施形態のレンズ部31の先端側の凹状部33は、先端側の開口35が狭く形成されており、照明ユニット側に向かって徐々に広くなり、そしてまた狭くなるなど、先端側の開口35が内側よりも幅狭に形成されている。
【0050】
化粧部材40は、レンズ部31側に、レンズ部31の凹状部33の形状に対応する形状の係止部42が形成されている。具体的には、係止部42は断面視略楕円形状を有している。また、中空形状を有している。このような係止部42は、透光性を有しエラストマー樹脂などの軟質材で構成され、外力によって変形可能に形成されている。化粧部材40全体をこのような透光性を有する軟質材で構成することもできる。
【0051】
化粧部材40のレンズ部31への取り付けにあたっては、化粧部材40をレンズ部31の先端側から押しつけて、化粧部材40の係止部42をレンズ部31の凹状部33に押し込めばよい。化粧部材40のレンズ部31への押しつけによって係止部42はレンズ部31の凹状部33の先端側の幅狭の開口35周縁と当接して外力が加えられて変形する。変形した係止部42はレンズ部31の凹状部33の先端側の幅狭の開口35を通過する。幅狭の開口35を通過した係止部42は、外力から解放され、レンズ部31の凹状部33の形状に対応する形状に復元する。この状態で化粧部材40の係止部42はレンズ部31の凹状部33と嵌合し、化粧部材40がレンズ部31に取り付けられる。
【0052】
このように本実施形態の照明構造は、化粧部材40をワンタッチでレンズ部31に取り付けることができるなど施工性に優れる。また、レンズ部31の先端側が凹状に形成されているので、上述した効果と同様の効果が奏される。すなわち、導光部材30に入光した光は、反射により建材パネル60側に照射され、室内側には光を広げて広範囲に化粧部材40を通して照射され、部屋全体の明るさ感をより一層向上させることができる。
【0053】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変更が可能である。例えば、照明装置の照明ユニットにおいて導光板を配設せず導光部材の上側に多数の光源ユニットを長手方向に並べて光源ユニットから直接導光部材に照射するように構成することもできる。また、天井の建材パネル間の目地に限らず、壁の建材パネル間の目地に照明装置を配設することもできる。
【符号の説明】
【0054】
1 照明装置
31 レンズ部
33 凹状部
34 係合部
40 化粧部材
42 係止部
50 目地
60 建材パネル
70 光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建材パネル間の目地に照明装置が配設されている照明構造であって、前記照明装置は、光源と、前記建材パネルよりも突出し前記目地に沿って形成され前記光源からの光の一部を反射によって前記建材パネル側に照射するレンズ部とを有することを特徴とする照明構造。
【請求項2】
前記光源は、前記建材パネルよりも内側に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の照明構造。
【請求項3】
前記レンズ部は、先端側が凹状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明構造。
【請求項4】
前記レンズ部は、先端側が凸状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明構造。
【請求項5】
前記レンズ部の先端に化粧部材が配設され、この化粧部材の表面側が、前記建材パネル又は前記目地と略同柄及び/又は略同色調であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の照明構造。
【請求項6】
前記化粧部材は、その幅寸法が前記レンズ部の幅寸法と略同一であることを特徴とする請求項5に記載の照明構造。
【請求項7】
前記化粧部材は、幅方向両側端部に、互いに対向する一対の係止部が形成され、前記レンズ部には、前記化粧部材の前記係止部と嵌合する係合部が形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の照明構造。
【請求項8】
前記レンズ部は、先端側が凹状に形成されており、前記化粧部材は、前記レンズ部の先端側に形成されている凹状部に嵌合する係止部が形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の照明構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−4463(P2013−4463A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137402(P2011−137402)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】