説明

照明用レンズ、発光装置、面光源および液晶ディスプレイ装置

【課題】光源の指向性を広くしながらも、光源から広い角度で放射される光を有効に配光させることができる照明用レンズを提供する。
【解決手段】照明用レンズ(1)は、入射面(110)と出射面(120)とを備え、出射面は、光源の光軸上の点に向かって窪む第1出射面(121)と、第1出射面の周縁部から外側に形成される第2出射面(122)と、第2出射面の外側周縁部から光軸側に向かって形成される第3出射面(123)と、第3出射面の光軸側周縁部から外側に広がりながら凸面を形成する第4出射面(124)と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば発光ダイオード等の光源の指向性を広くする照明用レンズ、およびこの照明用レンズを用いた発光装置に関する。さらに、本発明は、複数の発光装置を備える面光源、およびこの面光源がバックライトとして液晶パネル後方に配置された液晶ディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の大型の液晶ディスプレイ装置のバックライトでは、冷陰極管が液晶パネル直下に多数配置され、これらの冷陰極管が拡散板や反射板等の部材と共に使われていた。近年では、バックライトの光源として発光ダイオードが使用されるようになっている。発光ダイオードは近年効率が向上し、蛍光灯に変わる消費電力の少ない光源として期待されている。また液晶ディスプレイ装置用の光源としては映像に応じて発光ダイオードの明暗を制御することで液晶ディスプレイ装置の消費電力を下げることができる。
【0003】
液晶ディスプレイ装置の発光ダイオードを光源とするバックライトでは、冷陰極管の代わりに多数の発光ダイオードを配置することとなる。多数の発光ダイオードを用いることでバックライト表面で均一な明るさを得ることができるが、発光ダイオードが多数必要で安価にできない問題があった。1個の発光ダイオードの出力を大きくし、発光ダイオードの使用する個数を減らす取り組みがなされており、例えば特許文献1では、少ない個数の発光ダイオードでも均一な面光源が得られるようにするレンズが提案されている。
【0004】
少ない個数の発光ダイオードで均一な面光源を得るためには、1個の発光ダイオードが照明する被照明領域を大きくする必要がある。すなわち発光ダイオードからの光を拡張して指向性を広くすることが必要である。このために特許文献1では、チップ状の発光ダイオードの指向性を制御する平面視で円形状のレンズを発光ダイオードの上に配置している。このレンズの形状は、光を出射させる出射面における光軸近傍部分が凹面となっており、その外側部分が凹面と連続する凸面となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3875247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
少ない個数の発光ダイオードで均一な面光源を得るためには、1個の発光ダイオードが照明する被照明領域を大きくする必要がある。すなわち発光ダイオードからの光を拡張して指向性を広くすることが必要である。このために特許文献1では、チップ状の発光ダイオードの指向性を制御する平面視で円形状のレンズを発光ダイオードの上に配置している。このレンズの形状は、光を出射させる出射面における光軸近傍部分が凹面となっており、その外側部分が凹面と連続する凸面となっている。
【0007】
発光ダイオードでは、発光ダイオードのチップの正面方向に最も多くの光が発光しており、特許文献1に開示された面光源では、照明用レンズを用いて光軸近傍の凹面でチップからの正面方向に向かう光を屈折により発散させている。これにより、被照射面における光軸近傍の照度を抑えて広がりのある照度分布にすることができる。
【0008】
しかしながら、特許文献1の面光源では、レンズによって光源からの光を屈折させる必要性から凹面と凸面との間の高低差をある程度小さく抑える必要があり、光源の指向性を広くするには限界がある。
【0009】
本発明は、光源の指向性をより広くすることが可能な照明用レンズを提供するとともに、この照明用レンズを含む発光装置、面光源、および液晶ディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明は、光源からの光を拡張して被照射面に照射する照明用レンズであって、光源からの光が入射する入射面と、入射した光を出射させる出射面と、を備え、前記出射面は、前記光源の光軸上の点に向かって窪む第1出射面と、前記第1出射面の周縁部から外側に広がりながら形成される第2出射面と、前記第2出射面の外側周縁部から前記光軸側に向かって形成される第3出射面と、前記第3出射面の光軸側周縁部から外側に広がりながら凸面を形成する第4出射面と、を有し、前記第1出射面は、前記光軸上の前記光源の位置を基点としたときに、前記基点から放射される放射光のうち前記光軸からの角度が所定角度未満の放射光を透過させ、前記第2出射面は、前記基点から放射される放射光のうち前記光軸からの角度が前記所定角度以上の放射光を全反射させ、前記第3出射面は、前記第2出射面で全反射された光を屈折して透過させ、前記第4出射面は、前記基点から放射される放射光を屈折して透過させる、照明用レンズを提供する。
【0011】
また、本発明は、光を放射する発光ダイオードと、前記発光ダイオードからの光を拡張して被照射面に照射する照明用レンズと、を備える発光装置であって、前記照明用レンズは、上記の照明用レンズである、発光装置を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、平面的に配置された複数の発光装置と、前記複数の発光装置を覆うように配置され、前記複数の発光装置から一方面に照射された光を他方面から拡散した状態で放射する拡散板と、を備える面光源であって、前記複数の発光装置のそれぞれは、上記の発光装置である、面光源を提供する。
【0013】
また、本発明は、液晶パネルと、前記液晶パネルの裏側に配置された上記の面光源と、を備える液晶ディスプレイ装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
上記の構成によれば、光源から出射され、第1出射面に到達する光の多くは、屈折して被照射面におけるレンズの光軸を中心とするエリアに照射される。一方、光源から出射され、第1出射面の外周側に位置する第2出射面に到達する光は、全反射し、第3出射面から遠方に出射される。さらに、光軸から出射され、第4出射面に到達する光の多くは、被照射面におけるレンズの光軸から離れたエリアに照射される。従って、本発明によれば、第2出射面に到達した光が全反射されて外側へ広げられて第3出射面から遠方に出射されるため、光源の指向性をより広くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1に係る照明用レンズの構成図
【図2】照明用レンズの形状を説明するための説明図
【図3】本発明の実施の形態2に係る発光装置の第1出射面に到達する光線の光路図
【図4】本発明の実施の形態2に係る発光装置の第2出射面に到達する光線の光路図
【図5】本発明の実施の形態2に係る発光装置の第4出射面に到達する光線の光路図
【図6】本発明の実施の形態3に係る面光源の構成を示す斜視図
【図7】本発明の実施の形態3に係る面光源の構成を示す断面図
【図8】本発明の実施の形態4に係る液晶ディスプレイ装置の構成を示す斜視図
【図9】本発明の実施の形態4に係る液晶ディスプレイ装置の構成を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る照明用レンズついて、図面を参照しつつ説明する。図1は、実施の形態1に係る照明用レンズ1の構成図である照明用レンズ1は、指向性を有する光源(図1では省略)と被照射面300との間に配置され、光源からの光を拡張して被照射面300に照射するものである。すなわち、照明用レンズ1によって光源の指向性が広くされる。被照射面300の照度分布は、照明用レンズ1の設計上の中心線である光軸A上が最大で周囲に行くほど略単調に減少する。なお、光源と照明用レンズ1とは、互いの光軸が合致するように配置される。
【0017】
具体的に、照明用レンズ1は、光源からの光が入射する入射面110と、入射した光を出射させる出射面120とを有している。また、照明用レンズ1は、入射面110の周囲で出射面120と反対側を向く底面130を有している。本実施の形態においては、出射面120は光軸Aに対して軸対称である。照明用レンズ1の平面視における輪郭は、光軸Aに対して軸対称である必要はない。入射面110は光軸Aに対して軸対称である必要はない。入射面110を取り巻く環状の底面130は、フラットであることが好ましい。図例では、入射面110と底面130とが同一平面上に位置しているが、入射面110と底面130との間に段差があってもよい。例えば、入射面110が底面130よりも出射面120に近くにあり、それらの段差で形成される窪みに光源が嵌り込むようになっていてもよい。
【0018】
光源からの光は、入射面110から照明用レンズ1内に入射した後に出射面120から出射されて、被照射面300に到達する。光源から放射される光は、出射面120の作用で拡張され、被照射面300の広い範囲に到達するようになる。
【0019】
光源としては、例えば発光ダイオードを採用することができる。発光ダイオードは、通常は空気に触れないように封止樹脂で覆われている。従来の発光ダイオードの封止樹脂としては、エポキシ樹脂またはシリコンゴム等が用いられている。
【0020】
照明用レンズ1は、所定の屈折率を有する透明材料で構成される。透明材料の屈折率は、例えば1.4から2.0程度である。このような透明材料としては、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネイト等の樹脂、硝子、またはシリコンゴム等のゴムを用いることができる。中でも、発光ダイオードの封止樹脂として用いられるエポキシ樹脂またはシリコンゴム等を用いることが好ましい。
【0021】
出射面120は、光軸A上の点に向かって窪む第1出射面121と、第1出射面121の周縁部から外側に広がりながら形成される第2出射面122と、第2出射面122の外側周縁部から光軸A側に向かって形成される第3出射面123と、第3出射面123の光軸A側周縁部から外側に広がりながら凸面を形成する第4出射面123と、を有する。入射面110から照明用レンズ1の内部に入射する光は大きな角度範囲を持っている。光軸Aからの角度が小さい光は第1出射面121に到達し、光軸Aからの角度が大きくなると、光は第2出射面122で全反射して第3出射面123に、もしくは、第4出射面124に到達する。第1出射面121は、光軸A上の光源の位置を基点としたときに、基点から放射される放射光のうち光軸Aからの角度が所定角度未満の放射光を透過させる。第2出射面122は、基点から放射される放射光のうち光軸Aからの角度が所定角度以上の放射光を全反射させる。第3出射面123は、第2出射面122で全反射された光を屈折して透過させる。第4出射面124は、基点から放射される放射光を屈折して透過させる。
【0022】
次に、第1出射面121および第2出射面122、第3出射面123、第4出射面124の形状について図2を参照して説明する。そのために、まず基点Qを規定し、この基点Qから放射される放射光を観念する。ここで、基点Qとは、光軸A上の光源200の位置のことであり、光源200として発光ダイオードを採用した場合は光軸Aと発光ダイオードの正面である出射面との交点となる。また、基点Qから放射される放射光のうち、第1出射面121と第2出射面122の境界、第3出射面と第4出射面の境界、のそれぞれに到達する放射光が光軸Aとのなす出射角度をそれぞれθb、θcとする。基点Qから放射される放射光は、θb、θcを境に、第1出射面121に到達する光、第2出射面122を全反射して第3出射面123に到達する光、第4出射面124に到達する光のそれぞれに分けられる。本実施の形態では、第3出射面123は、基点Qから放射されて入射面110を入射した光のうち第3出射面123の光源側周縁部に到達する光の光路と平行な面である。
【0023】
第1出射面121は、基点Qから放射される放射光のうち光軸からの角度がθbまでの放射光を透過させる。第1出射面121は、到達した光を光軸から外側に広げる方向に屈折させて出射する。また、第2出射面122は、基点Qから放射される放射光のうち光軸Aからの角度がθbからθcまでの放射光を全反射し、第3出射面123を透過させる。
【0024】
一方、第4出射面124は、基点Qから放射される放射光を全面に亘って透過させる形状を有している。第4出射面124の外側に行くほど基点Qからの放射光と光軸Aとの角度は大きくなるが、放射光が第4出射面124に到達する点での法線に対する放射線の光線の角度は第4出射面124に対する入射角であり、入射角が大きくなりすぎると全反射してしまう。全反射させないためには入射角を大きくさせないことが必要で、第4出射面124の形状は、光軸Aより遠くなるに従って、法線と光軸Aとの角度が大きくなるような形状、すなわち凸面になる。
【0025】
以上のような照明用レンズ1であれば、光源から出射され、第1出射面121の透過領域に到達する光の多くは、第1出射面121で屈折して被照射面300におけるレンズの光軸Aを中心とするエリアに照射される。一方、光源から出射され、第1出射面121の外周側に位置する第2出射面122に到達する光は、全反射され、第3出射面123に到達した後、第3出射面で屈折して被照射面300におけるレンズの光軸Aから離れたエリアに照射される。さらに、光軸から出射され、第4出射面124に到達する光の多くは、第4出射面124で屈折して被照射面300におけるレンズの光軸Aから離れたエリアに照射される。従って、本実施形態の照明用レンズ1によれば、光源の指向性をより広くすることが可能である。このため、凹面で屈折だけさせる従来のレンズと比べて、レンズの外径をより小さくすることも可能である。
【0026】
以上では、本実施形態の照明用レンズ1の基本的な態様について説明したが、以下では、本実施形態の照明用レンズ1の好ましい態様について説明する。
【0027】
前述した角度θb(図2参照)は、以下の式(1)、
5°<θb<20°・・・(1)
を満足することが好ましい。式(1)は、第1出射面121の範囲を規定した式であり、第1出射面121の範囲を基点Qからの角度(極座標)で定義し、被照射面300におけるレンズの光軸Aを中心とするエリア(以下「光軸近傍エリア」という)に照射される光と被照射面300におけるレンズの光軸Aから離れたエリア(以下「外周エリア」という)に照射される光を適量に分割することのできる範囲を与えている。θbが20°以上になると、第1出射面121の範囲が大きくなり、光源からの光軸近傍の光が外側に過大に分配されるため、被照射面300における光軸近傍エリアの照度不足が発生し、照度ムラが生じてしまう。また、θbが5°以下になると、第1出射面121の範囲が小さくなり、被照射面300における光軸近傍エリアに照射される光が多くなる一方で外周エリアに照射される光が不足するため、照度ムラが生じるだけでなく、指向性も狭くなる。
【0028】
また、図2に示すように、角度θcは、以下の式(2)、
35°<θc<65°・・・(2)
を満足することが好ましい。式(2)は、透過領域である第4出射面124の範囲を規定した式である。θcが65°以上になると、第2出射面122の範囲が大きくなり、光源からの光軸近傍の光が外側に過大に分配されるため、被照射面300における光軸近傍エリアの照度不足が発生し、照度ムラが生じてしまう。また、θcが35°以下になると、第2出射面122の範囲が小さくなり、被照射面300における光軸近傍エリアに照射される光が多くなる一方で外周エリアに照射される光が不足するため、照度ムラが生じるだけでなく、指向性も狭くなる。
【0029】
なお、本発明の照明用レンズは、発光ダイオード以外の光源(例えば、レーザーまたは有機EL)にも適用可能である。
【0030】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る発光装置7の構成図である。この発光装置7は、光を放射する発光ダイオード200と、発光ダイオード200からの光を拡張して被照射面300に照射する、実施の形態1で説明した照明用レンズ1とを備えている。
【0031】
発光ダイオード200は、照明用レンズ1の入射面110からドーム状の空間を空けて離れて配置されている。照明用レンズ1の出射面120から出射した光は被照射面300に到達し、被照射面300を照明する。
【0032】
発光ダイオード200内での発光は指向性を持たない発光であるが、発光領域の屈折率は2.0以上であり、屈折率が低い領域に光が侵入すると、界面の屈折の影響で、界面の法線方向に最大の強度を持ち、法線方向から角度が大きくなるほど、光の強度は小さくなる。このように発光ダイオード200は指向性を持っており、広い範囲を照明するためには照明用レンズ1で指向性を広くすることが必要である。
【0033】
図3は発光装置7の光路図である。図3では光源からの光のうち小さな角度で出射して、第1出射面121に到達する光線の光路を説明する。発光ダイオード200から出射した光は入射面110を透過し、第1出射面121に到達する。到達した光は、第1出射面121を屈折しながら透過し、その後被照射面300に到達する。
【0034】
図4は発光装置7の光路図である。図4では光源からの光のうちθb(図2参照)よりも大きい角度で出射して全反射領域の第2出射面122に到達する光線の光路を説明する。発光ダイオード200から出射した光は入射面110を透過し、全反射領域である第2出射面122に到達する。全反射領域の第2出射面122では到達した光が全反射する。全反射によって第3出射面123に到達した光は、第3出射面123を屈折しながら透過する。そして、第3出射面123を透過する光は、一部は光源200側に設けられる反射板等で反射されるなどして、第3出射面123を透過する光の略全量が被照射面300に到達する。
【0035】
図5は発光装置7の光路図である。図5では光源からの光のうちθc(図2参照)よりも大きな角度で出射して、第4出射面124に到達する光線の光路を説明する。発光ダイオード200から出射した光は入射面110を透過し、第4出射面124に到達する。到達した光は、第4出射面124を屈折しながら透過し、その後被照射面300に到達する。
【0036】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3に係る面光源9の構成を示す斜視図である。また、図7はその断面図である。この面光源9は、基板8上に平面的に配置された、複数の発光装置7と、これらの発光装置7を覆うように配置された拡散板400とを備えている。また基板8上には、発光装置7を避ける形で反射板6が設けられている。発光装置7は、実施の形態2で説明した発光装置である。なお、発光装置7は、本実施の形態に示すように基板8上にマトリクス状に配置されていてもよいし、千鳥状に配置されていてもよい。
【0037】
発光装置7は、拡散板4の一方面4aに光を照射する。すなわち、拡散板4の一方面4aは、実施の形態1および実施の形態2で説明した被照射面300となっている。拡散板4は、一方面4aに照射された光を他方面4bから拡散された状態で放射する。個々の発光装置7からは拡散板4の一方面4aに広い範囲で均一化された照度の光が照射され、この光が拡散板4で拡散されることにより、面内での輝度ムラが少ない面光源ができる。
【0038】
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4に係る液晶ディスプレイ装置の構成を示す斜視図である。また、図9はその断面図である。この液晶ディスプレイ装置10は、液晶パネル5と、液晶パネル5の裏側に配置された、実施の形態3で説明した面光源9とを備えている。
【0039】
基板8上に発光装置7が平面的に複数配置され、これらの発光装置7によって拡散板4が照明される。拡散板4に照射された光は、拡散されて液晶パネル5に照射される。
【0040】
なお、拡散シート4以外に、プリズムシート等の他の光学シートが配置されていてもよい。発光装置7からの光は、拡散板4で散乱されて、発光装置7側へ戻ったり、拡散板4を透過したりする。発光装置7側へ戻った光は、反射板6で反射されて、拡散板4に再度入射する。拡散板4を透過した光は、液晶パネル5を照明する。
【0041】
このような構成により、光源の指向性をより広くすることが可能な照明用レンズを含む液晶ディスプレイ装置を提供することができる。
【0042】
以上、実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記発光装置、面光源および液晶ディスプレイ装置の構成及び作用についての説明は例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更及び追加が可能であることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、例えば、液晶ディスプレイ装置のバックライト等に用いられる照明用レンズとして好適である。
【符号の説明】
【0044】
1 照明用レンズ
110 入射面
120 出射面
121 第1出射面
122 第2出射面
123 第3出射面
124 第4出射面
200 発光ダイオード(光源)
300 被照射面
4 拡散板
5 液晶パネル
6 反射板
7 発光装置
8 基板
9 面光源
10 液晶ディスプレイ装置
A 光軸
Q 基点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を拡張して被照射面に照射する照明用レンズであって、
光源からの光が入射する入射面と、入射した光を出射させる出射面と、を備え、
前記出射面は、前記光源の光軸上の点に向かって窪む第1出射面と、前記第1出射面の周縁部から外側に広がりながら形成される第2出射面と、前記第2出射面の外側周縁部から前記光軸側に向かって形成される第3出射面と、前記第3出射面の光軸側周縁部から外側に広がりながら凸面を形成する第4出射面と、を有し、
前記第1出射面は、前記光軸上の前記光源の位置を基点としたときに、前記基点から放射される放射光のうち前記光軸からの角度が所定角度未満の放射光を透過させ、
前記第2出射面は、前記基点から放射される放射光のうち前記光軸からの角度が前記所定角度以上の放射光を全反射させ、
前記第3出射面は、前記第2出射面で全反射された光を屈折して透過させ、
前記第4出射面は、前記基点から放射される放射光を屈折して透過させる、
照明用レンズ。
【請求項2】
前記第3出射面は、前記基点から放射されて前記入射面を入射した光のうち前記第3出射面の光源側周縁部に到達する光の光路と平行な面である、
請求項1記載の照明用レンズ。
【請求項3】
光を放射する発光ダイオードと、前記発光ダイオードからの光を拡張して被照射面に照射する照明用レンズと、を備える発光装置であって、
前記照明用レンズは、請求項1〜2のいずれか一項に記載の照明用レンズである、
発光装置。
【請求項4】
平面的に配置された複数の発光装置と、前記複数の発光装置を覆うように配置され、前記複数の発光装置から一方面に照射された光を他方面から拡散した状態で放射する拡散板と、を備える面光源であって、
前記複数の発光装置のそれぞれは、請求項3に記載の発光装置である、
面光源。
【請求項5】
液晶パネルと、前記液晶パネルの裏側に配置された請求項4に記載の面光源と、を備えた、
液晶ディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−228226(P2011−228226A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99471(P2010−99471)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】