照明装置、電気光学装置及び電子機器
【課題】光源と光拡散板の間の空間の温度上昇を抑制できるとともに、当該空間に塵埃が入り込みにくい構造を実現する。
【解決手段】本発明の照明装置110は、光源112と、該光源から出射された光を拡散する光拡散板113と、前記光源と前記光拡散板との間にある空間を画成する隔壁111a,111bと、該隔壁に設けられ、前記空間内の温度が低下すると開度が低下若しくは閉鎖し、前記空間内の温度が上昇すると開度が増大若しくは開放する開閉部110Vと、を具備することを特徴とする。
【解決手段】本発明の照明装置110は、光源112と、該光源から出射された光を拡散する光拡散板113と、前記光源と前記光拡散板との間にある空間を画成する隔壁111a,111bと、該隔壁に設けられ、前記空間内の温度が低下すると開度が低下若しくは閉鎖し、前記空間内の温度が上昇すると開度が増大若しくは開放する開閉部110Vと、を具備することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置、電気光学装置及び電子機器に係り、特に、光源と光拡散板との間に空間が画成された照明装置に好適な構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示体などの電気光学パネルを備えた電気光学装置には、電気光学パネルを照明するための照明装置が設けられる場合があり、この照明装置としては、例えば、LED(発光ダイオード)等よりなる複数の光源と、これらの複数の光源から所定の距離離間した位置に配置される光拡散板とを有する直下型の照明装置がある。この直下型の照明装置は比較的大きな面積を高い照度で照明する場合に適しているが、光源と光拡散板との間の空間が支持体や反射シートなどによって仕切られるので、当該空間の温度が上昇しやすくなり、光源に熱劣化が生じたりするなどの問題があった。
【0003】
そこで、従来は、光源と光拡散板の間の空間を仕切る支持体に複数の開口を設け、この開口を通して外部より気流を導入することによって上記空間の温度上昇を抑制していた。
【0004】
また、照明装置全体の放熱性を高める方法としては、例えば以下の特許文献1及び2に記載されているように、複数の光源を実装してなる基板の背後に放熱板を設置し、この放熱板の外面に多数のフィンを設けたり、複数の突出部を設けてこれらの突出部間にファンによって形成される気流を流通させたりする方法もあった。
【特許文献1】特開2006−018175号公報
【特許文献2】特開2006−114501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述のように支持体に複数の開口を設ける方法では、上記空間が開口を通して常時外部と連通しているため、上記空間に塵埃が入りやすくなり、当該塵埃により黒点が生ずるなど照明性能が低下するという問題点がある。
【0006】
また、上記特許文献1及び2の放熱構造では光源を実装した基板の背後から放熱を行うようにしていることから、光源の前方にある光拡散板との間の空間の温度上昇を十分に抑制することができないという問題点があるとともに、背後にフィンや気流の流通路を設けることで照明装置全体の厚みが大きくなるといった問題点もある。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、光源と光拡散板の間の空間の温度上昇を抑制できるとともに、当該空間に塵埃が入り込みにくい構造を実現することにある。また、副次的な目的として、上記構造を設けたにも拘わらずコンパクトに構成できる照明装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
斯かる実情に鑑み、本発明の照明装置は、光源と、該光源から出射された光を拡散する光拡散板と、前記光源と前記光拡散板との間にある空間を画成する隔壁と、該隔壁に設けられ、前記空間内の温度が低下すると開度が低下若しくは閉鎖し、前記空間内の温度が上昇すると開度が増大若しくは開放する開閉部と、を具備することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、隔壁に設けられた開閉部は、空間内の温度が低下すると開度が低下若しくは閉鎖し、温度が上昇すると開度が増大若しくは開放するので、温度と開度の関係を適宜に設定することにより、光源が消灯している常温では開閉部の開度が小さいか或いは閉鎖し、光源が点灯して上記空間の温度が或る程度上昇すると開度が大きくなるか或いは開放するように構成できるので、上記空間の温度が低いときには開閉部を通した塵埃等の侵入を抑制できるとともに、光源が点灯して光源から発せられる熱で上記空間内の温度が上昇すると、開閉部が開放されることにより上記空間と外部が連通して外部からの気流の流通が可能になるため、上記空間の温度上昇を抑制することが可能になる。
【0010】
この場合に、前記開閉部は少なくとも一部の温度領域において温度が上昇するに従って開度が漸次増大することが好ましい。これによれば、上記一部の温度領域では温度が上昇するに従って開度が漸次増大することにより、温度上昇に応じて気流の流通性を高めることができるので、上記空間の温度上昇をさらに効率的に抑制できる。
【0011】
本発明の一の態様においては、前記開閉部は、熱膨張率が相互に異なる第1の素材と第2の素材を含み、前記光源の消灯と点灯に起因する温度変化により前記第1の素材と前記第2の素材の熱膨張率の相違に基づく相対的な変形が生じて開度が変化する。これによれば、第1の素材と第2の素材の熱膨張率の差により開閉部が開閉動作するので、温度の検出手段や駆動機構を別途設ける必要がなくなるため、開閉部を簡易な構造で低コストに、しかもコンパクトに構成できる。
【0012】
具体的には、前記開閉部は、前記第1の素材で構成された前記隔壁に設けられた開口と、前記隔壁に対し前記開口から離間した固定部位にて固定されるとともに該固定部位以外の部分が固定されずに前記隔壁に対し平面的に重ねて配置された前記第2の素材で構成された閉鎖部材とを有し、前記隔壁に対し前記閉鎖部材の前記固定部位以外の部分が熱膨張率の差により平面的に相対移動することにより、前記開口が前記閉鎖部材により覆われることで前記開閉部が閉鎖され、前記開口の少なくとも一部が前記閉鎖部材に覆われなくなることで前記開閉部が開放される。これによれば、隔壁と閉鎖部材の熱膨張率の差により平面的な相対移動が生じることで開閉部が開閉動作するので、開閉部の厚みをより薄く構成できるため、さらにコンパクトに構成でき、また、任意の位置に容易に設置することが可能になる。
【0013】
また、前記開閉部は、第1の開口を備えた前記第1の素材よりなる第1の部材と、第2の開口を備えた前記第2の素材よりなる第2の部材とが前記第1の開口及び前記第2の開口から離間した固定部位にて固定されるとともに該固定部位以外の部分が固定されずに平面的に重なり配置されてなり、前記第1の部材に対し前記第2の部材の前記固定部位以外の部分が熱膨張率の差により平面的に相対移動することにより、前記第1の開口の開口範囲と前記第2の開口の開口範囲がずれることで前記開閉部が閉鎖され、前記第1の開口の開口範囲と前記第2の開口の開口範囲の少なくとも一部が平面的に重なることで開放される。これによれば、第1の素材と第2の素材の熱膨張率が異なることにより第1の開口と第2の開口の開口範囲が平面的に相対移動することで開閉部が開閉動作するので、開閉部の厚みをより薄く構成できるため、さらにコンパクトに構成でき、また、任意の位置に容易に設置することが可能になる。
【0014】
この場合に、前記第1の部材は前記隔壁であり、前記第2の部材は前記隔壁とは別の閉鎖部材であることが好ましい。このようにすると、隔壁に第1の開口を設けるとともに、この隔壁に第2の開口を備えた閉鎖部材を固定するだけで開閉部が構成されるので、きわめて簡易かつ容易に開閉部を形成できる。
【0015】
また、前記開閉部は、前記隔壁に設けられた開口と、該開口を覆うように前記隔壁に一端が取り付けられ他端が自由端とされ、前記第1の素材よりなる第1層と前記第2の素材よりなる第2層が積層されてなる閉鎖部材とを有してなり、前記開閉部は、前記閉鎖部材が前記開口を覆うことで閉鎖され、前記閉鎖部材が前記第1層と前記第2層の熱膨張率の差により前記隔壁とは反対側に湾曲して前記開口から離間することで開放される。これによれば、第1の素材と第2の素材が積層されてなる閉鎖部材が開口を覆うことで開閉部が閉鎖され、閉鎖部材が隔壁とは反対側に湾曲して開口から離間することで開放されるので、簡易な構造にも拘わらず容易に開閉部を構成することができる。
【0016】
さらに、前記開閉部は、前記開閉部は、前記第1の素材で構成される前記隔壁に設けられた開口と、該開口を覆うように前記隔壁に両端が取り付けられ、前記第2の素材で構成される閉鎖部材とを有してなり、前記開閉部は、前記閉鎖部材の中央部が前記開口を覆うことで閉鎖され、前記閉鎖部材が前記隔壁に比べて熱膨張により延伸して前記閉鎖部材の中央部が前記隔壁とは反対側に離間することで開放される。これによれば、閉鎖部材の中央部が開口を覆うことで開閉部が閉鎖され、隔壁とは反対側に離間することで開放されるので、簡易な構造にも拘わらず容易に開閉部を構成することができる。
【0017】
次に、本発明の電気光学装置は、上記のいずれか一項に記載の照明装置と、前記光拡散板に対し前記光源とは反対側に配置される電気光学パネルとを具備することを特徴とする。これによれば、光源の熱劣化を防止することにより、電気光学パネルの表示品位を安定的に得ることができる。
【0018】
また、本発明の電子機器は、上記に記載の電気光学装置と、該電気光学装置の制御手段とを具備することを特徴とする。このような電子機器としては特に限定されないが、光源と光拡散板の間に空間が設けられる照明装置を用いる場合に好適な比較的大型の表示装置であることが好ましく、このような装置としては、例えば、テレビジョン受像機やカーナビゲーションシステムなどが挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[第1実施形態]
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は本発明に係る第1実施形態の照明装置の一部省略平面図、図2及び図3は当該照明装置の縦断面図である。
【0020】
本実施形態の照明装置110は、皿状に構成された支持体111と、この支持体111の内部に少なくとも発光部が配置された光源112と、この光源112と間隔を有して前方に対向するように(図示例では支持体111の前縁上に)配置された光拡散板113とを有する。なお、本明細書において、視認側若しくは視認方向を前側或いは前方、視認側若しくは視認方向とは反対側若しくは反対方向を後側あるいは後方という。
【0021】
支持体111は、底壁111aと、該底壁111aの外縁部より立ち上がった周壁111bと、該周壁111bの前縁より外側に張り出した外枠111cとを備えている。図示例の場合、底壁111aは矩形状に構成され、上記周壁111b及び外枠111cは共に矩形枠状に構成される。また、底壁111aには複数の細孔111dが縦横に配列された状態で形成され、この細孔111dから光源112の前部(発光部)が突出している。周壁111bは底壁111aの外縁より斜め外側に立ち上がることで傾斜した内面を備えている。
【0022】
周壁111bは上述のように底壁111aの外縁より斜め外側へ向けて傾斜して伸び、外枠111cは周壁111bの外縁よりさらに外側へ水平に伸びた後、直角に屈折して後方へ伸びるように構成されている。支持体111の少なくとも底壁111a及び周壁111bの内面は反射面として構成される。この反射面は支持体111の構成素材そのもので構成されていてもよく、支持体111の構成素材上に反射層を被着したり、反射シートを重ねたりすることで構成されていてもよい。
【0023】
光源112は発光素子で構成され、例えば、図示例ではトップビュータイプのLEDで構成される。光源112は上記底壁111aの後方に配置された基板114に実装されている。基板114は短冊状の平面形状を有し、その表面上に一列に光源112が実装される。本実施形態では、上記のように複数の光源112が一列に実装された複数の基板114が光源112の配列方向と直交する方向に複数配列される。そして、上記構成によって複数の光源112が底壁111a上において縦横に配列される。ただし、本発明においてはこのような光源112及び基板114の構成並びに配列態様に限定されるものではない。例えば、一枚の基板上に複数の光源112を縦横に実装した構造であってもよい。
【0024】
支持体111の外枠111bの前縁上には光拡散板113の外周部が載置され、必要に応じて接着固定される。光拡散板113は複数の光源112から出射される光を拡散し、光拡散板113の表面から均一化された照明光を出射するためのものである。光拡散板113としては、表面に光拡散用の微細な凹凸を設けたもの、内部に光散乱用の微粒子を分散させたものなど、公知の種々のものを用いることができる。光源112と光拡散板113の間隔は、光源112の配光特性(光の指向性など)に応じて適宜に設定されるが、通常、1〜10cm、特に2〜6cmの範囲内であり、3〜5cmの範囲内であることが最も望ましい。
【0025】
光源112と光拡散板113との間には上記支持体111を隔壁として空間が画成される。この空間は、支持体111の底壁111aと、周壁111bと、光拡散板113によって取り囲まれている。以下の説明では、当該空間を画成する支持体111の部分(図示例では底壁111a又は周壁111b)を隔壁と呼ぶこととする。
【0026】
本実施形態において、支持体111の隔壁には、複数の開閉部110Vが形成される。この開閉部110Vは、隔壁自体(上記の第1の部材に相当する。)に設けられる第1の開口(上記の開口に相当する。)111eと、この隔壁に対して平面的に重なり配置された閉鎖板(上記の第2の部材又は閉鎖部材に相当する。)116とから構成される。この閉鎖板116は第2の開口116aを備え、上記第1の開口111e及び第2の開口116aから見て同じ側に離間した固定部位116bにおいて隔壁に固定されている。ここで、図示例では閉鎖板116の固定部位116bは接着剤等により隔壁に固定されているが、固定方向は特に限定されず、例えば、固定ねじ、ボルト及びナット、溶接などの各種の固定方法を用いることができる。
【0027】
なお、本実施形態では複数の開閉部110Vが設けられるが、これらは底壁111aと周壁111bにそれぞれ形成されている。また、底壁111aに設けられる開閉部110Vは、上記基板114の設けられていない領域、すなわち、基板114間の間隙部分に形成される。
【0028】
閉鎖板116は上記固定部位116b以外では隔壁に対して固定されておらず、隔壁に対し平面的に重ねられた状態とされる。固定部位116bに対して第1の開口111e及び第2の開口116aは方向Fの同じ側に離間して配置され、第1の開口111eと第2の開口116aの開口範囲は相互に上記方向Fにずれている。ここで、両開口間の平面距離は、固定部位116bから第1の開口111eまでの第1の平面距離S1(図4(a)参照)及び固定部位116bから第2の開口116aまでの第2の平面距離S2(図4(a)参照)のいずれに比べても十分に小さくなっている。図示例の場合、第1の開口111eと第2の開口116aは常温(一般的には−10℃〜+30℃の範囲が好ましく、例えば20〜25℃が望ましい。)において開口範囲が上記方向Fにずれて配置される。ここで、図示例では両開口の開口範囲が互いに隣接しているが、このような態様に特に限定されるものではなく、常温において両開口の外縁同士が離間していてもよい。
【0029】
また、図示例の場合、第1の開口111eに対して第2の開口116aを常温においてやや小さくなるように構成している。これは、第1の開口111eと第2の開口116aの開口範囲が平面的に重なって開閉部110Vが開放されたとき、閉鎖板116の熱膨張により第2の開口116aの開口範囲も拡大するので、その分を見込んで常温においては第2の開口116aを小さく形成したからである。このようにすると、第2の開口116aの開口範囲が小さいことで、閉鎖板16を小さく形成でき、開閉部110Vを平面的にもコンパクトに構成できる。
【0030】
本実施形態では、隔壁を構成する第1の素材と、閉鎖板116を構成する第2の素材の熱膨張率が相互に異なる。より具体的には、本実施形態の場合、図示例のように第1の開口111eが固定部位116b側とは反対側に配置され、第2の開口116aが固定部位116b側に配置され、閉鎖板116を構成する第2の素材は隔壁を構成する第1の素材より熱膨張率が大きく構成される。なお、図示例とは逆に、第1の開口111eが固定部位116b側に配置され、第2の開口116aが固定部位116bとは反対側に配置されていてもよく、この場合には、第2の素材は第1の素材よりも熱膨張率が小さく構成される。
【0031】
第1の素材と第2の素材の例としては、例えば、樹脂材料であれば、熱膨張率(線膨張係数)の大きい素材としてポリカーボネート、熱膨張率(線膨張係数)の小さい素材としてポリエステルが挙げられる。ここで、ポリカーボネートはポリエステルの約5倍の熱膨張率を有する。また、金属材料であれば、熱膨張率(線膨張係数)の大きいものとして亜鉛やアルミニウム、熱膨張率(線膨張係数)の小さいものとしてステンレス鋼や鉄などが挙げられる。また、熱膨張率の小さい素材としては、ガラス、木材、インバー(低熱膨張率を有する合金)などもある。第1の素材と第2の素材の組み合わせとしては、上記のような同種材料の組み合わせに限らず、樹脂、金属、無機材料、有機材料等から適宜の組み合わせを選定して用いることができる。
【0032】
図4は図1乃至図3並びに開閉部を隔壁内側から見た様子を描いたものであり、図4(a)は常温時の様子を、図4(b)は光源112が点灯して上記空間の温度が上昇したときの様子を示す。上記のように構成された本実施形態では、図4(a)に示すように、光源112が消灯している常温では第1の開口111eと第2の開口116aの開口範囲が平面的にずれることにより開閉部110Vが閉鎖されているが、光源112が点灯して支持体111の温度が上昇すると、第2の素材で構成される閉鎖板116が第1の素材で構成される隔壁(底壁111a及び周壁111b)に比べて熱膨張でより大きく伸びる。このため、図4(b)に示すように、第2の開口116aが第1の開口111eに対し固定部位116bより遠ざかる方向に相対移動し、第1の開口111eと第2の開口116aの開口範囲が平面的に重なり始め、この開口範囲の重なり度合は温度の上昇とともに漸次増大していく。そして、温度上昇が或る程度に達すると、図4(b)や図5及び図6に示すように、第1の開口111eと第2の開口116aとが開口範囲が平面的にほぼ合致する態様で重なり、開度が最大となる。
【0033】
ここで、図示例では常温において第1の開口111eと第2の開口116aの外縁同士が隣接しているので、温度が上昇すると直ちに開閉部110Vが開放され始めるが、常温において第1の開口111eと第2の開口116aの外縁同士を離間させておけば(すなわち、図4(a)に示す第1の平面距離S1と第2の平面距離S2の差を大きくすれば、所定の温度(熱膨張率の差や開口の外縁間の距離等に依存する。)を越えたときに初めて開閉部110Vが開放され始める。
【0034】
なお、本実施形態では、閉鎖板116に第2の開口116aを設けているが、開閉部110Vは閉鎖板116に第2の開口116aを設けなくても構成できる。例えば、隔壁を閉鎖板116より熱膨張率の大きい第1の素材で構成した場合には、常温で第1の開口111eが閉鎖板116によって覆われるが、温度が上昇すると熱膨張により隔壁の第1の開口111eが閉鎖板116に対して相対移動し、閉鎖板116で覆われる範囲から脱するように構成することができる。
【0035】
また、本実施形態では、支持体111の底壁111aと周壁111bのいずれにも第1の開口111eを形成し、ここに閉鎖板116を平面的に重なるように取り付けてそれぞれ開閉部110Vを構成しているが、底壁111aと周壁111bのいずれか一方にのみ開閉部110Vを構成してもよい。ただし、いずれの場所に設けるにしても、複数の開閉部110Vを設けることで気流の流通性を向上させて温度上昇の抑制効果を高めることができる。また、底壁111aと周壁111bの双方に開閉部110Vを設けることで複数の開閉部110Vの開口方向が相互に異なることになるため、気流の流通性をさらに向上させることが可能である。
【0036】
さらに、本実施形態では、支持体111の少なくとも一部である隔壁(底壁111a又は周壁111b)を第1の素材で構成し、閉鎖板116を第1の素材より熱膨張率の大きい第2の素材で構成しているため、閉鎖板116の寸法変化は大きいものの、支持体111は相対的に熱膨張率が低いので、照明装置の寸法精度を高めることにより、各部の支障、例えば、光源112と底壁111aの細孔111dとの干渉などを防止できる。
【0037】
また、本実施形態では閉鎖板116を支持体111の外側に配置したことにより、照明効果(支持体111の内面の光反射特性)に影響を与えないように構成できる。ただし、閉鎖板116を隔壁の内側に配置することも可能である。このとき、閉鎖板116は隔壁の内側の空間内の温度により確実に晒されることになるので、閉鎖板116の光源112から放射される熱による膨張度合をより高めることができ、その分、開閉部110Vの開閉動作を高感度に設定できる。
【0038】
なお、上述のように固定部位116bに対する第1の開口111eと第2の開口116aの平面距離の大小を逆に構成すれば、第2の素材を第1の素材より熱膨張率の小さいものとすることもできる。この場合、支持体111そのものが熱膨張により大きく寸法変化を生ずることになるが、開閉部の機能そのものは上記と同様に実現できる。
【0039】
また、本実施形態では、開閉部110Vにおいて、隔壁(底壁111a又は周壁111b)と閉鎖板116の間に多少の隙間が存在しても構わない。この隙間が存在する場合には、第1の開口111eと第2の開口116aの開口範囲が平面的に完全にずれていても開閉部110Vは厳密に言えば完全に閉鎖されているとは言えないが、塵埃の侵入を防止する上では実質的には開閉部110Vは閉鎖されているとみなすことができるので、本明細書では第1の開口111eと第2の開口116aの開口範囲が完全に平面的にずれていれば閉鎖されているとする。
【0040】
以上述べた本実施形態によれば、支持体111の隔壁に開閉部110Vを設けたことにより、光源112が消灯している常温においては開閉部110Vの開度が小さくなるか或いは閉鎖され、光源112が点灯して昇温すると開閉部110Vの開度が大きくなるか或いは開放されるので、光源112と光拡散板113の間の空間の温度上昇を抑制することができるとともに、当該空間に塵埃が侵入することを低減できる。特に、第1の開口111eと第2の開口116aの開口範囲が平面的に重なり始めたときから両開口の開口範囲がほぼ完全に一致するように重なるまでの間は温度上昇に応じて開閉部110Vの開口面積が漸次増大するので、温度の上昇を抑制する効果も高くなる。
【0041】
また、本実施形態では、第1の素材よりなる隔壁に第1の開口111eを設け、第2の素材よりなる閉鎖板116に第2の開口116aを設けて、閉鎖板116を隔壁に平面的に重ねるとともに、第1の素材と第2の素材の熱膨張率の差により第1の開口111eと第2の開口116aが平面的に重なるか否かによって開閉動作を実現しているので、開閉部110Vを簡易かつ容易に実現でき、コストも低減できる。特に開閉部110Vの厚みを低減できるため、照明装置をさらにコンパクトに構成できる。
【0042】
さらに、本実施形態では、開閉部110Vにおいて、隔壁を構成する第1の素材を熱膨張率の小さいものとし、閉鎖板116を構成する第2の素材を熱膨張率が大きいものとすることで、隔壁(支持体111)の構造精度を高めることができる。
【0043】
[第2実施形態]
次に、図7を参照して本発明に係る第2実施形態について説明する。なお、本実施形態では、開閉部110V′以外は上記第1実施形態と同様に構成できるので、対応する部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0044】
第1実施形態では、第1の開口111eと第2の開口116aがいずれも円形に構成されていたが、両開口の開口形状は、円形に限らず、楕円、矩形、屈折形状など、それぞれ任意である。そこで、本実施形態では、図7(a)に示すように、第1の開口111eを円形とし、第2の開口116aを液滴型(或いは砲弾型)としている。すなわち、第2の開口116aの開口幅を第1の開口111e側で小さく、その反対側で大きく形成する。これによって、閉鎖板116が隔壁に対して相対的に膨張したとき、図7(b)及び(c)に示すように第1の開口111eに対して第2の開口116aの開口範囲が重なり始めた当初は開口面積が小さく、開口範囲の重なり部分の増大とともに急激に開口面積が増大するので、所定の閾値を越えた温度領域において温度上昇に応じた開度の増大率を上記第1実施形態より大きくすることができる。これによって、開閉部110V′の開閉動作の温度に対する感度を高めることができる。なお、この開度の増大率は、第1の開口及び第2の開口の開口形状を変えることで図示例に限らず任意に設定できる。
【0045】
[第3実施形態]
次に、図8及び図9を参照して本発明に係る第3実施形態について説明する。なお、本実施形態では、開閉部110V″以外は上記第1実施形態と同様に構成できるので、対応する部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0046】
本実施形態では、図8(a)に示すように、隔壁111a、111bの第1の開口111eと、閉鎖板116の第2の開口116aとをそれぞれ複数形成し、複数組の第1の開口111e及び第2の開口116aによって上記各実施形態と同様の開閉部110V″の開閉動作を実現している。このように複数組の開口を用いることによって、上記空間と外部との気流の流通性をより柔軟に設定することが可能になる。また、第1及び第2実施形態の複数の開閉部110V、110V′をまとめて形成できるので、簡易かつ低コストに形成できる。なお、上記の開口の組は図示の二つに限らず、三以上でも良い点は当然である。
【0047】
この場合、隔壁111a,111bと閉鎖板116は共通であるので、図中一点鎖線で示すように、固定部位116bの中心点116cから第1の開口111e及び第2の開口116aの中心点(開口形状によっては重心点)が直線L1、L2上に一列に並ぶように構成することで、熱膨張が生じたときに第1の開口111eと第2の開口116aの接近・離間方向がずれることを防止できる。すなわち、上記のように構成すると、図8(b)に示すように、第1の開口111eと第2の開口116aは温度変化によって常に上記直線L1、L2上に沿って相互に接近又は離間する。
【0048】
図9は、複数組の第1の開口111e及び第2の開口116aを設ける点(並びに、それぞれの開口を直線L1〜L3に沿って配置する点)では図8に示す例と同様であるが、各組において、固定部位116bの中心点116cから第1の開口111e及び第2の開口116aの中心点(重心点)までの第1及び第2の平面距離S1,S2及び両平面距離の差S1−S2を変えて形成してある点で異なる。このようにすると、図9(a)に示すように常温で全ての第1の開口111eと第2の開口116aの組の開口範囲がずれていて閉鎖している場合でも、図9(b)に示すように上記平面距離S1,S1及びそれらの差S1−S2が各組で相違することにより各組の開口範囲が平面的に重なり始める温度や開口範囲の平面的に重なっている温度範囲が相互に異なるものとなる。したがって、より広い温度範囲で開閉部110V″を開放状態に維持できたり、開度の変化態様をさらに自由に設定したりすることが可能になる。
【0049】
なお、この例において第1及び第2の平面距離S1、S2と両平面距離の差S1−S2のいずれか一方のみを各組で異なるものとしてもよい。また、本実施形態に限らず、上記第1及び第2実施形態で複数の開閉部110V、110V′を設ける場合、これらの各開閉部間で、第1及び第2の平面距離S1、S2と両平面距離の差S1−S2の少なくとも一方を異なるものとすることも可能である。この場合も上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0050】
[第4実施形態]
次に、図10を参照して本発明に係る第4実施形態について説明する。なお、本実施形態では、開閉部110W以外は上記第1実施形態と同様に構成できるので、同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0051】
本実施形態では、図10(a)に示すように、開閉部110Wは、先の各実施形態と同様の支持体に設けられた隔壁(底壁111a又は周壁111b)に開口111fを設け、この開口111fを閉鎖板(上記閉鎖部材に相当する。)117で被覆した構造を有する。閉鎖板117の一端117xは開口111fに隣接する隔壁の外面上に固定され、他端117yは自由端とされる。
【0052】
閉鎖板117は、隔壁側に第1の素材よりなる第1層117a、その反対側に第2の素材よりなる第2層117bを有する積層板で構成される。ここで、第1の素材は第2の素材より熱膨張率の大きいものが用いられる。常温では図10(a)に示すように閉鎖板117は平坦に構成され、開口111fを覆う状態にあって開閉部110Wは閉鎖されているが、温度が上昇すると、図10(b)に示すように第1の素材と第2の素材の熱膨張率の差により閉鎖板117は外側(隔壁とは反対側)に湾曲し、これによって他端117yが外側へ移動して閉鎖板117が開口111fから離間することにより、開閉部110Wは開放される。
【0053】
本実施形態では、閉鎖板117が外側へ湾曲するためのスペースは必要となるものの、開閉部110W自体の構成はきわめて簡易であり、平面的な占有面積も小さいので、コンパクトに構成できる。また、開閉部110Wの開放時においても、閉鎖板117のほとんどは開口111fの外側に配置されるので、塵埃の侵入を抑制できる。
【0054】
なお、閉鎖板117の一端117xは図示例では固定ねじ等によって固定されているが、固定方法は特に限定されず、例えば接着剤による接着や溶接などによって固定されていてもよい。この点は以下の第5実施形態の閉鎖板118の両端118x、118yの固定方法でも同様である。
【0055】
[第5実施形態]
次に、図11を参照して本発明に係る第5実施形態について説明する。なお、本実施形態では、開閉部110W′以外は上記第1実施形態と同様に構成できるので、同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0056】
本実施形態では、図11(a)に示すように、開閉部110W′は、隔壁(底壁111a又は周壁111b)に開口111fを設け、この開口111fを閉鎖板118で被覆した構造を有する。閉鎖板118の両端118x、118yは開口111fに隣接する隔壁の外面上に固定される。
【0057】
閉鎖板118は、第1の素材よりなる隔壁111a又は111bよりも熱膨張率の大きい第2の素材で構成される。その結果、温度が上昇すると、図11(b)に示すように、閉鎖板118の両端118x、118y間が膨張することで閉鎖板118が全体として外側へ湾曲して閉鎖板118の中央部118zが開口111fより外側へ離間することにより、閉鎖板118の側縁(図示せず)と隔壁との間に隙間が生ずるので、開閉部110W′は開放される。
【0058】
本実施形態でも、閉鎖板118が外側へ湾曲するためのスペースは必要となるものの、開閉部110W′自体の構成はきわめて簡易であり、平面的な占有面積も小さいので、コンパクトに構成できる。また、閉鎖板118は常に開口111fの外側に配置されるので、開閉部110W′の開放時においても塵埃の進入を抑制できる。
【0059】
なお、上記の照明装置110の各実施形態の開閉部は、熱膨張率が相互に異なる第1の素材と第2の素材を含み、光源の消灯と点灯に起因する温度変化により第1の素材と前記第2の素材の熱膨張率の相違に基づく相対的な変形が生じて開度が変化するものとしたが、本発明の光源と光拡散板の間の空間の温度上昇を抑制できるとともに、当該空間に塵埃が入り込みにくい構造を実現するという主たる課題を解決する上では、開閉部がこのような構造になっている必要はなく、例えば、隔壁にこれとは別体の開閉部が取り付けられていてもよく、また、開閉部が温度センサ等の信号に基づいて開閉動作する電磁弁などで構成されていてもよい。
【0060】
[電気光学装置]
次に、図12を参照して上記照明装置110を備えた電気光学装置100の例について説明する。この電気光学装置100は、上記の照明装置110及び電気光学パネル120を合成樹脂等よりなる支持枠101内に収容し、ステンレス鋼板等よりなる下枠102と上枠103でそれぞれ保持してなる。
【0061】
照明装置110は、支持枠101の後方部分に収容され、下枠102を支持枠101に図示しない係合構造等によって取り付けることにより保持される。また、電気光学パネル120は支持枠101の前方部分に収容され、照明装置110の照明範囲内に駆動領域が配置されるように平面的に重ねて配置される。なお、照明装置110と電気光学パネル120との間には集光シート(プリズムシート)等の光学シート105を適宜に配置してもよい。
【0062】
電気光学パネル120は、ガラス等よりなる基板121と122をシール材123で貼り合わせ、その間に液晶124を封止してなり、基板121及び122の外面には偏光板125,126が貼着等により配置される。
【0063】
電気光学パネル120は、支持枠101に対して必要に応じて例えば両面テープ106等により固定され、上枠103を支持枠101に図示しない係合構造等によって取り付けることにより上枠103によって保持される。電気光学パネル120と上枠103の間には必要に応じてゲルシート等の緩衝材107が配置される。
【0064】
この電気光学装置100では照明装置110がバックライトとして機能し、照明装置110の光拡散板113から出射された照明光は光学シート105を通過して電気光学パネル120に入射し、電気光学パネル120によって変調されて前方(視認側)から視認可能な所定の画像が形成される。
【0065】
[電子機器]
最後に、図13及び図14を参照して上記各種の電気光学装置を搭載した電子機器の実施形態について説明する。図13は本発明に係る電子機器の一例の外観を示す概略斜視図である。図示例の電子機器200は車載用のカーナビゲーションシステムであり、本体210と、この本体210に接続された表示部220とを備えている。本体210には操作ボタン等を配設した操作面211が設けられるとともに、DVD等の記録媒体の導入口212が設けられている。表示部220の内部には上記の電気光学装置100が格納され、この電気光学装置100の表示領域に形成される画像、すなわちナビゲーション画像の表示が表示部220の表示画面220aにて視認できるように構成されている。
【0066】
図14は電子機器200における電気光学装置100に対する制御系(表示制御系)の全体構成を示す概略構成図である。電子機器200は、表示情報出力源291と、表示情報処理回路292と、電源回路293と、タイミングジェネレータ294と、照明体110への電力供給を行う光源制御回路295とを含む表示制御回路290を有する。
【0067】
また、電気光学装置100には、上述の構成を有する電気光学パネル120と、この電気光学パネル120を駆動する駆動回路129と、バックライトである上記の照明装置110とが設けられている。この駆動回路129は、電気光学パネル120に直接実装されている上記のICチップで構成されてもよく、電気光学パネル120の基板表面上に形成された電子部品や回路パターン、或いは、電気光学パネル120に導電接続された回路基板に実装されたICチップ若しくは回路パターンなどによっても構成することができる。
【0068】
表示情報出力源291は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ294によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路292に供給するように構成されている。
【0069】
表示情報処理回路292は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路129へ供給する。駆動回路129は、走査線駆動回路、信号線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路293は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0070】
光源制御回路295は、電源回路293から供給される電圧に基づいて照明装置120の光源に電力を供給し、所定の制御信号に基づいて光源の点灯の有無及びその輝度等を制御するようになっている。
【0071】
また、本発明に係る電子機器としては、図13に示すカーナビゲーションシステムの他に、液晶テレビ、携帯電話機、電子時計、電子手帳、電卓、ワークステーション、テレビ電話、POS端末機などが挙げられる。
【0072】
尚、本発明の電気光学装置及び電子機器は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】第1実施形態の照明装置の平面図。
【図2】第1実施形態の照明装置の基板に沿った断面を示す縦断面図。
【図3】第1実施形態の照明装置の基板の間隙に沿った断面を示す縦断面図。
【図4】第1実施形態の開閉部の閉鎖時の平面図(a)及び開放時の平面図(b)。
【図5】第1実施形態の開閉部の閉鎖時の図2に相当する縦断面図。
【図6】第1実施形態の開閉部の開放時の図3に相当する縦断面図。
【図7】第2実施形態の開閉部の閉鎖時の平面図(a)及び開放時の平面図(b)及び(c)。
【図8】第3実施形態の一例の開閉部の閉鎖時の平面図(a)及び開放時の平面図(b)。
【図9】第3実施形態の他の例の開閉部の閉鎖時の平面図(a)及び開放時の平面図(b)。
【図10】第4実施形態の開閉部の閉鎖時の縦断面図(a)及び開放時の縦断面図(b)。
【図11】第5実施形態の開閉部の閉鎖時の縦断面図(a)及び開放時の縦断面図(b)。
【図12】電気光学装置の縦断面図。
【図13】電子機器の概略斜視図。
【図14】電子機器の表示制御系の構成ブロック図。
【符号の説明】
【0074】
100…電気光学装置、110…照明装置、110V…開閉部、111…支持体、111a…底壁(隔壁)、111b…周壁(隔壁)、111e…第1の開口(開口)、112…光源、113…光拡散板、114…基板、116…閉鎖板(閉鎖部材)、116a…第2の開口、116b…固定部位、120…電気光学パネル、200…電子機器
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置、電気光学装置及び電子機器に係り、特に、光源と光拡散板との間に空間が画成された照明装置に好適な構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示体などの電気光学パネルを備えた電気光学装置には、電気光学パネルを照明するための照明装置が設けられる場合があり、この照明装置としては、例えば、LED(発光ダイオード)等よりなる複数の光源と、これらの複数の光源から所定の距離離間した位置に配置される光拡散板とを有する直下型の照明装置がある。この直下型の照明装置は比較的大きな面積を高い照度で照明する場合に適しているが、光源と光拡散板との間の空間が支持体や反射シートなどによって仕切られるので、当該空間の温度が上昇しやすくなり、光源に熱劣化が生じたりするなどの問題があった。
【0003】
そこで、従来は、光源と光拡散板の間の空間を仕切る支持体に複数の開口を設け、この開口を通して外部より気流を導入することによって上記空間の温度上昇を抑制していた。
【0004】
また、照明装置全体の放熱性を高める方法としては、例えば以下の特許文献1及び2に記載されているように、複数の光源を実装してなる基板の背後に放熱板を設置し、この放熱板の外面に多数のフィンを設けたり、複数の突出部を設けてこれらの突出部間にファンによって形成される気流を流通させたりする方法もあった。
【特許文献1】特開2006−018175号公報
【特許文献2】特開2006−114501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述のように支持体に複数の開口を設ける方法では、上記空間が開口を通して常時外部と連通しているため、上記空間に塵埃が入りやすくなり、当該塵埃により黒点が生ずるなど照明性能が低下するという問題点がある。
【0006】
また、上記特許文献1及び2の放熱構造では光源を実装した基板の背後から放熱を行うようにしていることから、光源の前方にある光拡散板との間の空間の温度上昇を十分に抑制することができないという問題点があるとともに、背後にフィンや気流の流通路を設けることで照明装置全体の厚みが大きくなるといった問題点もある。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、光源と光拡散板の間の空間の温度上昇を抑制できるとともに、当該空間に塵埃が入り込みにくい構造を実現することにある。また、副次的な目的として、上記構造を設けたにも拘わらずコンパクトに構成できる照明装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
斯かる実情に鑑み、本発明の照明装置は、光源と、該光源から出射された光を拡散する光拡散板と、前記光源と前記光拡散板との間にある空間を画成する隔壁と、該隔壁に設けられ、前記空間内の温度が低下すると開度が低下若しくは閉鎖し、前記空間内の温度が上昇すると開度が増大若しくは開放する開閉部と、を具備することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、隔壁に設けられた開閉部は、空間内の温度が低下すると開度が低下若しくは閉鎖し、温度が上昇すると開度が増大若しくは開放するので、温度と開度の関係を適宜に設定することにより、光源が消灯している常温では開閉部の開度が小さいか或いは閉鎖し、光源が点灯して上記空間の温度が或る程度上昇すると開度が大きくなるか或いは開放するように構成できるので、上記空間の温度が低いときには開閉部を通した塵埃等の侵入を抑制できるとともに、光源が点灯して光源から発せられる熱で上記空間内の温度が上昇すると、開閉部が開放されることにより上記空間と外部が連通して外部からの気流の流通が可能になるため、上記空間の温度上昇を抑制することが可能になる。
【0010】
この場合に、前記開閉部は少なくとも一部の温度領域において温度が上昇するに従って開度が漸次増大することが好ましい。これによれば、上記一部の温度領域では温度が上昇するに従って開度が漸次増大することにより、温度上昇に応じて気流の流通性を高めることができるので、上記空間の温度上昇をさらに効率的に抑制できる。
【0011】
本発明の一の態様においては、前記開閉部は、熱膨張率が相互に異なる第1の素材と第2の素材を含み、前記光源の消灯と点灯に起因する温度変化により前記第1の素材と前記第2の素材の熱膨張率の相違に基づく相対的な変形が生じて開度が変化する。これによれば、第1の素材と第2の素材の熱膨張率の差により開閉部が開閉動作するので、温度の検出手段や駆動機構を別途設ける必要がなくなるため、開閉部を簡易な構造で低コストに、しかもコンパクトに構成できる。
【0012】
具体的には、前記開閉部は、前記第1の素材で構成された前記隔壁に設けられた開口と、前記隔壁に対し前記開口から離間した固定部位にて固定されるとともに該固定部位以外の部分が固定されずに前記隔壁に対し平面的に重ねて配置された前記第2の素材で構成された閉鎖部材とを有し、前記隔壁に対し前記閉鎖部材の前記固定部位以外の部分が熱膨張率の差により平面的に相対移動することにより、前記開口が前記閉鎖部材により覆われることで前記開閉部が閉鎖され、前記開口の少なくとも一部が前記閉鎖部材に覆われなくなることで前記開閉部が開放される。これによれば、隔壁と閉鎖部材の熱膨張率の差により平面的な相対移動が生じることで開閉部が開閉動作するので、開閉部の厚みをより薄く構成できるため、さらにコンパクトに構成でき、また、任意の位置に容易に設置することが可能になる。
【0013】
また、前記開閉部は、第1の開口を備えた前記第1の素材よりなる第1の部材と、第2の開口を備えた前記第2の素材よりなる第2の部材とが前記第1の開口及び前記第2の開口から離間した固定部位にて固定されるとともに該固定部位以外の部分が固定されずに平面的に重なり配置されてなり、前記第1の部材に対し前記第2の部材の前記固定部位以外の部分が熱膨張率の差により平面的に相対移動することにより、前記第1の開口の開口範囲と前記第2の開口の開口範囲がずれることで前記開閉部が閉鎖され、前記第1の開口の開口範囲と前記第2の開口の開口範囲の少なくとも一部が平面的に重なることで開放される。これによれば、第1の素材と第2の素材の熱膨張率が異なることにより第1の開口と第2の開口の開口範囲が平面的に相対移動することで開閉部が開閉動作するので、開閉部の厚みをより薄く構成できるため、さらにコンパクトに構成でき、また、任意の位置に容易に設置することが可能になる。
【0014】
この場合に、前記第1の部材は前記隔壁であり、前記第2の部材は前記隔壁とは別の閉鎖部材であることが好ましい。このようにすると、隔壁に第1の開口を設けるとともに、この隔壁に第2の開口を備えた閉鎖部材を固定するだけで開閉部が構成されるので、きわめて簡易かつ容易に開閉部を形成できる。
【0015】
また、前記開閉部は、前記隔壁に設けられた開口と、該開口を覆うように前記隔壁に一端が取り付けられ他端が自由端とされ、前記第1の素材よりなる第1層と前記第2の素材よりなる第2層が積層されてなる閉鎖部材とを有してなり、前記開閉部は、前記閉鎖部材が前記開口を覆うことで閉鎖され、前記閉鎖部材が前記第1層と前記第2層の熱膨張率の差により前記隔壁とは反対側に湾曲して前記開口から離間することで開放される。これによれば、第1の素材と第2の素材が積層されてなる閉鎖部材が開口を覆うことで開閉部が閉鎖され、閉鎖部材が隔壁とは反対側に湾曲して開口から離間することで開放されるので、簡易な構造にも拘わらず容易に開閉部を構成することができる。
【0016】
さらに、前記開閉部は、前記開閉部は、前記第1の素材で構成される前記隔壁に設けられた開口と、該開口を覆うように前記隔壁に両端が取り付けられ、前記第2の素材で構成される閉鎖部材とを有してなり、前記開閉部は、前記閉鎖部材の中央部が前記開口を覆うことで閉鎖され、前記閉鎖部材が前記隔壁に比べて熱膨張により延伸して前記閉鎖部材の中央部が前記隔壁とは反対側に離間することで開放される。これによれば、閉鎖部材の中央部が開口を覆うことで開閉部が閉鎖され、隔壁とは反対側に離間することで開放されるので、簡易な構造にも拘わらず容易に開閉部を構成することができる。
【0017】
次に、本発明の電気光学装置は、上記のいずれか一項に記載の照明装置と、前記光拡散板に対し前記光源とは反対側に配置される電気光学パネルとを具備することを特徴とする。これによれば、光源の熱劣化を防止することにより、電気光学パネルの表示品位を安定的に得ることができる。
【0018】
また、本発明の電子機器は、上記に記載の電気光学装置と、該電気光学装置の制御手段とを具備することを特徴とする。このような電子機器としては特に限定されないが、光源と光拡散板の間に空間が設けられる照明装置を用いる場合に好適な比較的大型の表示装置であることが好ましく、このような装置としては、例えば、テレビジョン受像機やカーナビゲーションシステムなどが挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[第1実施形態]
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は本発明に係る第1実施形態の照明装置の一部省略平面図、図2及び図3は当該照明装置の縦断面図である。
【0020】
本実施形態の照明装置110は、皿状に構成された支持体111と、この支持体111の内部に少なくとも発光部が配置された光源112と、この光源112と間隔を有して前方に対向するように(図示例では支持体111の前縁上に)配置された光拡散板113とを有する。なお、本明細書において、視認側若しくは視認方向を前側或いは前方、視認側若しくは視認方向とは反対側若しくは反対方向を後側あるいは後方という。
【0021】
支持体111は、底壁111aと、該底壁111aの外縁部より立ち上がった周壁111bと、該周壁111bの前縁より外側に張り出した外枠111cとを備えている。図示例の場合、底壁111aは矩形状に構成され、上記周壁111b及び外枠111cは共に矩形枠状に構成される。また、底壁111aには複数の細孔111dが縦横に配列された状態で形成され、この細孔111dから光源112の前部(発光部)が突出している。周壁111bは底壁111aの外縁より斜め外側に立ち上がることで傾斜した内面を備えている。
【0022】
周壁111bは上述のように底壁111aの外縁より斜め外側へ向けて傾斜して伸び、外枠111cは周壁111bの外縁よりさらに外側へ水平に伸びた後、直角に屈折して後方へ伸びるように構成されている。支持体111の少なくとも底壁111a及び周壁111bの内面は反射面として構成される。この反射面は支持体111の構成素材そのもので構成されていてもよく、支持体111の構成素材上に反射層を被着したり、反射シートを重ねたりすることで構成されていてもよい。
【0023】
光源112は発光素子で構成され、例えば、図示例ではトップビュータイプのLEDで構成される。光源112は上記底壁111aの後方に配置された基板114に実装されている。基板114は短冊状の平面形状を有し、その表面上に一列に光源112が実装される。本実施形態では、上記のように複数の光源112が一列に実装された複数の基板114が光源112の配列方向と直交する方向に複数配列される。そして、上記構成によって複数の光源112が底壁111a上において縦横に配列される。ただし、本発明においてはこのような光源112及び基板114の構成並びに配列態様に限定されるものではない。例えば、一枚の基板上に複数の光源112を縦横に実装した構造であってもよい。
【0024】
支持体111の外枠111bの前縁上には光拡散板113の外周部が載置され、必要に応じて接着固定される。光拡散板113は複数の光源112から出射される光を拡散し、光拡散板113の表面から均一化された照明光を出射するためのものである。光拡散板113としては、表面に光拡散用の微細な凹凸を設けたもの、内部に光散乱用の微粒子を分散させたものなど、公知の種々のものを用いることができる。光源112と光拡散板113の間隔は、光源112の配光特性(光の指向性など)に応じて適宜に設定されるが、通常、1〜10cm、特に2〜6cmの範囲内であり、3〜5cmの範囲内であることが最も望ましい。
【0025】
光源112と光拡散板113との間には上記支持体111を隔壁として空間が画成される。この空間は、支持体111の底壁111aと、周壁111bと、光拡散板113によって取り囲まれている。以下の説明では、当該空間を画成する支持体111の部分(図示例では底壁111a又は周壁111b)を隔壁と呼ぶこととする。
【0026】
本実施形態において、支持体111の隔壁には、複数の開閉部110Vが形成される。この開閉部110Vは、隔壁自体(上記の第1の部材に相当する。)に設けられる第1の開口(上記の開口に相当する。)111eと、この隔壁に対して平面的に重なり配置された閉鎖板(上記の第2の部材又は閉鎖部材に相当する。)116とから構成される。この閉鎖板116は第2の開口116aを備え、上記第1の開口111e及び第2の開口116aから見て同じ側に離間した固定部位116bにおいて隔壁に固定されている。ここで、図示例では閉鎖板116の固定部位116bは接着剤等により隔壁に固定されているが、固定方向は特に限定されず、例えば、固定ねじ、ボルト及びナット、溶接などの各種の固定方法を用いることができる。
【0027】
なお、本実施形態では複数の開閉部110Vが設けられるが、これらは底壁111aと周壁111bにそれぞれ形成されている。また、底壁111aに設けられる開閉部110Vは、上記基板114の設けられていない領域、すなわち、基板114間の間隙部分に形成される。
【0028】
閉鎖板116は上記固定部位116b以外では隔壁に対して固定されておらず、隔壁に対し平面的に重ねられた状態とされる。固定部位116bに対して第1の開口111e及び第2の開口116aは方向Fの同じ側に離間して配置され、第1の開口111eと第2の開口116aの開口範囲は相互に上記方向Fにずれている。ここで、両開口間の平面距離は、固定部位116bから第1の開口111eまでの第1の平面距離S1(図4(a)参照)及び固定部位116bから第2の開口116aまでの第2の平面距離S2(図4(a)参照)のいずれに比べても十分に小さくなっている。図示例の場合、第1の開口111eと第2の開口116aは常温(一般的には−10℃〜+30℃の範囲が好ましく、例えば20〜25℃が望ましい。)において開口範囲が上記方向Fにずれて配置される。ここで、図示例では両開口の開口範囲が互いに隣接しているが、このような態様に特に限定されるものではなく、常温において両開口の外縁同士が離間していてもよい。
【0029】
また、図示例の場合、第1の開口111eに対して第2の開口116aを常温においてやや小さくなるように構成している。これは、第1の開口111eと第2の開口116aの開口範囲が平面的に重なって開閉部110Vが開放されたとき、閉鎖板116の熱膨張により第2の開口116aの開口範囲も拡大するので、その分を見込んで常温においては第2の開口116aを小さく形成したからである。このようにすると、第2の開口116aの開口範囲が小さいことで、閉鎖板16を小さく形成でき、開閉部110Vを平面的にもコンパクトに構成できる。
【0030】
本実施形態では、隔壁を構成する第1の素材と、閉鎖板116を構成する第2の素材の熱膨張率が相互に異なる。より具体的には、本実施形態の場合、図示例のように第1の開口111eが固定部位116b側とは反対側に配置され、第2の開口116aが固定部位116b側に配置され、閉鎖板116を構成する第2の素材は隔壁を構成する第1の素材より熱膨張率が大きく構成される。なお、図示例とは逆に、第1の開口111eが固定部位116b側に配置され、第2の開口116aが固定部位116bとは反対側に配置されていてもよく、この場合には、第2の素材は第1の素材よりも熱膨張率が小さく構成される。
【0031】
第1の素材と第2の素材の例としては、例えば、樹脂材料であれば、熱膨張率(線膨張係数)の大きい素材としてポリカーボネート、熱膨張率(線膨張係数)の小さい素材としてポリエステルが挙げられる。ここで、ポリカーボネートはポリエステルの約5倍の熱膨張率を有する。また、金属材料であれば、熱膨張率(線膨張係数)の大きいものとして亜鉛やアルミニウム、熱膨張率(線膨張係数)の小さいものとしてステンレス鋼や鉄などが挙げられる。また、熱膨張率の小さい素材としては、ガラス、木材、インバー(低熱膨張率を有する合金)などもある。第1の素材と第2の素材の組み合わせとしては、上記のような同種材料の組み合わせに限らず、樹脂、金属、無機材料、有機材料等から適宜の組み合わせを選定して用いることができる。
【0032】
図4は図1乃至図3並びに開閉部を隔壁内側から見た様子を描いたものであり、図4(a)は常温時の様子を、図4(b)は光源112が点灯して上記空間の温度が上昇したときの様子を示す。上記のように構成された本実施形態では、図4(a)に示すように、光源112が消灯している常温では第1の開口111eと第2の開口116aの開口範囲が平面的にずれることにより開閉部110Vが閉鎖されているが、光源112が点灯して支持体111の温度が上昇すると、第2の素材で構成される閉鎖板116が第1の素材で構成される隔壁(底壁111a及び周壁111b)に比べて熱膨張でより大きく伸びる。このため、図4(b)に示すように、第2の開口116aが第1の開口111eに対し固定部位116bより遠ざかる方向に相対移動し、第1の開口111eと第2の開口116aの開口範囲が平面的に重なり始め、この開口範囲の重なり度合は温度の上昇とともに漸次増大していく。そして、温度上昇が或る程度に達すると、図4(b)や図5及び図6に示すように、第1の開口111eと第2の開口116aとが開口範囲が平面的にほぼ合致する態様で重なり、開度が最大となる。
【0033】
ここで、図示例では常温において第1の開口111eと第2の開口116aの外縁同士が隣接しているので、温度が上昇すると直ちに開閉部110Vが開放され始めるが、常温において第1の開口111eと第2の開口116aの外縁同士を離間させておけば(すなわち、図4(a)に示す第1の平面距離S1と第2の平面距離S2の差を大きくすれば、所定の温度(熱膨張率の差や開口の外縁間の距離等に依存する。)を越えたときに初めて開閉部110Vが開放され始める。
【0034】
なお、本実施形態では、閉鎖板116に第2の開口116aを設けているが、開閉部110Vは閉鎖板116に第2の開口116aを設けなくても構成できる。例えば、隔壁を閉鎖板116より熱膨張率の大きい第1の素材で構成した場合には、常温で第1の開口111eが閉鎖板116によって覆われるが、温度が上昇すると熱膨張により隔壁の第1の開口111eが閉鎖板116に対して相対移動し、閉鎖板116で覆われる範囲から脱するように構成することができる。
【0035】
また、本実施形態では、支持体111の底壁111aと周壁111bのいずれにも第1の開口111eを形成し、ここに閉鎖板116を平面的に重なるように取り付けてそれぞれ開閉部110Vを構成しているが、底壁111aと周壁111bのいずれか一方にのみ開閉部110Vを構成してもよい。ただし、いずれの場所に設けるにしても、複数の開閉部110Vを設けることで気流の流通性を向上させて温度上昇の抑制効果を高めることができる。また、底壁111aと周壁111bの双方に開閉部110Vを設けることで複数の開閉部110Vの開口方向が相互に異なることになるため、気流の流通性をさらに向上させることが可能である。
【0036】
さらに、本実施形態では、支持体111の少なくとも一部である隔壁(底壁111a又は周壁111b)を第1の素材で構成し、閉鎖板116を第1の素材より熱膨張率の大きい第2の素材で構成しているため、閉鎖板116の寸法変化は大きいものの、支持体111は相対的に熱膨張率が低いので、照明装置の寸法精度を高めることにより、各部の支障、例えば、光源112と底壁111aの細孔111dとの干渉などを防止できる。
【0037】
また、本実施形態では閉鎖板116を支持体111の外側に配置したことにより、照明効果(支持体111の内面の光反射特性)に影響を与えないように構成できる。ただし、閉鎖板116を隔壁の内側に配置することも可能である。このとき、閉鎖板116は隔壁の内側の空間内の温度により確実に晒されることになるので、閉鎖板116の光源112から放射される熱による膨張度合をより高めることができ、その分、開閉部110Vの開閉動作を高感度に設定できる。
【0038】
なお、上述のように固定部位116bに対する第1の開口111eと第2の開口116aの平面距離の大小を逆に構成すれば、第2の素材を第1の素材より熱膨張率の小さいものとすることもできる。この場合、支持体111そのものが熱膨張により大きく寸法変化を生ずることになるが、開閉部の機能そのものは上記と同様に実現できる。
【0039】
また、本実施形態では、開閉部110Vにおいて、隔壁(底壁111a又は周壁111b)と閉鎖板116の間に多少の隙間が存在しても構わない。この隙間が存在する場合には、第1の開口111eと第2の開口116aの開口範囲が平面的に完全にずれていても開閉部110Vは厳密に言えば完全に閉鎖されているとは言えないが、塵埃の侵入を防止する上では実質的には開閉部110Vは閉鎖されているとみなすことができるので、本明細書では第1の開口111eと第2の開口116aの開口範囲が完全に平面的にずれていれば閉鎖されているとする。
【0040】
以上述べた本実施形態によれば、支持体111の隔壁に開閉部110Vを設けたことにより、光源112が消灯している常温においては開閉部110Vの開度が小さくなるか或いは閉鎖され、光源112が点灯して昇温すると開閉部110Vの開度が大きくなるか或いは開放されるので、光源112と光拡散板113の間の空間の温度上昇を抑制することができるとともに、当該空間に塵埃が侵入することを低減できる。特に、第1の開口111eと第2の開口116aの開口範囲が平面的に重なり始めたときから両開口の開口範囲がほぼ完全に一致するように重なるまでの間は温度上昇に応じて開閉部110Vの開口面積が漸次増大するので、温度の上昇を抑制する効果も高くなる。
【0041】
また、本実施形態では、第1の素材よりなる隔壁に第1の開口111eを設け、第2の素材よりなる閉鎖板116に第2の開口116aを設けて、閉鎖板116を隔壁に平面的に重ねるとともに、第1の素材と第2の素材の熱膨張率の差により第1の開口111eと第2の開口116aが平面的に重なるか否かによって開閉動作を実現しているので、開閉部110Vを簡易かつ容易に実現でき、コストも低減できる。特に開閉部110Vの厚みを低減できるため、照明装置をさらにコンパクトに構成できる。
【0042】
さらに、本実施形態では、開閉部110Vにおいて、隔壁を構成する第1の素材を熱膨張率の小さいものとし、閉鎖板116を構成する第2の素材を熱膨張率が大きいものとすることで、隔壁(支持体111)の構造精度を高めることができる。
【0043】
[第2実施形態]
次に、図7を参照して本発明に係る第2実施形態について説明する。なお、本実施形態では、開閉部110V′以外は上記第1実施形態と同様に構成できるので、対応する部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0044】
第1実施形態では、第1の開口111eと第2の開口116aがいずれも円形に構成されていたが、両開口の開口形状は、円形に限らず、楕円、矩形、屈折形状など、それぞれ任意である。そこで、本実施形態では、図7(a)に示すように、第1の開口111eを円形とし、第2の開口116aを液滴型(或いは砲弾型)としている。すなわち、第2の開口116aの開口幅を第1の開口111e側で小さく、その反対側で大きく形成する。これによって、閉鎖板116が隔壁に対して相対的に膨張したとき、図7(b)及び(c)に示すように第1の開口111eに対して第2の開口116aの開口範囲が重なり始めた当初は開口面積が小さく、開口範囲の重なり部分の増大とともに急激に開口面積が増大するので、所定の閾値を越えた温度領域において温度上昇に応じた開度の増大率を上記第1実施形態より大きくすることができる。これによって、開閉部110V′の開閉動作の温度に対する感度を高めることができる。なお、この開度の増大率は、第1の開口及び第2の開口の開口形状を変えることで図示例に限らず任意に設定できる。
【0045】
[第3実施形態]
次に、図8及び図9を参照して本発明に係る第3実施形態について説明する。なお、本実施形態では、開閉部110V″以外は上記第1実施形態と同様に構成できるので、対応する部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0046】
本実施形態では、図8(a)に示すように、隔壁111a、111bの第1の開口111eと、閉鎖板116の第2の開口116aとをそれぞれ複数形成し、複数組の第1の開口111e及び第2の開口116aによって上記各実施形態と同様の開閉部110V″の開閉動作を実現している。このように複数組の開口を用いることによって、上記空間と外部との気流の流通性をより柔軟に設定することが可能になる。また、第1及び第2実施形態の複数の開閉部110V、110V′をまとめて形成できるので、簡易かつ低コストに形成できる。なお、上記の開口の組は図示の二つに限らず、三以上でも良い点は当然である。
【0047】
この場合、隔壁111a,111bと閉鎖板116は共通であるので、図中一点鎖線で示すように、固定部位116bの中心点116cから第1の開口111e及び第2の開口116aの中心点(開口形状によっては重心点)が直線L1、L2上に一列に並ぶように構成することで、熱膨張が生じたときに第1の開口111eと第2の開口116aの接近・離間方向がずれることを防止できる。すなわち、上記のように構成すると、図8(b)に示すように、第1の開口111eと第2の開口116aは温度変化によって常に上記直線L1、L2上に沿って相互に接近又は離間する。
【0048】
図9は、複数組の第1の開口111e及び第2の開口116aを設ける点(並びに、それぞれの開口を直線L1〜L3に沿って配置する点)では図8に示す例と同様であるが、各組において、固定部位116bの中心点116cから第1の開口111e及び第2の開口116aの中心点(重心点)までの第1及び第2の平面距離S1,S2及び両平面距離の差S1−S2を変えて形成してある点で異なる。このようにすると、図9(a)に示すように常温で全ての第1の開口111eと第2の開口116aの組の開口範囲がずれていて閉鎖している場合でも、図9(b)に示すように上記平面距離S1,S1及びそれらの差S1−S2が各組で相違することにより各組の開口範囲が平面的に重なり始める温度や開口範囲の平面的に重なっている温度範囲が相互に異なるものとなる。したがって、より広い温度範囲で開閉部110V″を開放状態に維持できたり、開度の変化態様をさらに自由に設定したりすることが可能になる。
【0049】
なお、この例において第1及び第2の平面距離S1、S2と両平面距離の差S1−S2のいずれか一方のみを各組で異なるものとしてもよい。また、本実施形態に限らず、上記第1及び第2実施形態で複数の開閉部110V、110V′を設ける場合、これらの各開閉部間で、第1及び第2の平面距離S1、S2と両平面距離の差S1−S2の少なくとも一方を異なるものとすることも可能である。この場合も上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0050】
[第4実施形態]
次に、図10を参照して本発明に係る第4実施形態について説明する。なお、本実施形態では、開閉部110W以外は上記第1実施形態と同様に構成できるので、同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0051】
本実施形態では、図10(a)に示すように、開閉部110Wは、先の各実施形態と同様の支持体に設けられた隔壁(底壁111a又は周壁111b)に開口111fを設け、この開口111fを閉鎖板(上記閉鎖部材に相当する。)117で被覆した構造を有する。閉鎖板117の一端117xは開口111fに隣接する隔壁の外面上に固定され、他端117yは自由端とされる。
【0052】
閉鎖板117は、隔壁側に第1の素材よりなる第1層117a、その反対側に第2の素材よりなる第2層117bを有する積層板で構成される。ここで、第1の素材は第2の素材より熱膨張率の大きいものが用いられる。常温では図10(a)に示すように閉鎖板117は平坦に構成され、開口111fを覆う状態にあって開閉部110Wは閉鎖されているが、温度が上昇すると、図10(b)に示すように第1の素材と第2の素材の熱膨張率の差により閉鎖板117は外側(隔壁とは反対側)に湾曲し、これによって他端117yが外側へ移動して閉鎖板117が開口111fから離間することにより、開閉部110Wは開放される。
【0053】
本実施形態では、閉鎖板117が外側へ湾曲するためのスペースは必要となるものの、開閉部110W自体の構成はきわめて簡易であり、平面的な占有面積も小さいので、コンパクトに構成できる。また、開閉部110Wの開放時においても、閉鎖板117のほとんどは開口111fの外側に配置されるので、塵埃の侵入を抑制できる。
【0054】
なお、閉鎖板117の一端117xは図示例では固定ねじ等によって固定されているが、固定方法は特に限定されず、例えば接着剤による接着や溶接などによって固定されていてもよい。この点は以下の第5実施形態の閉鎖板118の両端118x、118yの固定方法でも同様である。
【0055】
[第5実施形態]
次に、図11を参照して本発明に係る第5実施形態について説明する。なお、本実施形態では、開閉部110W′以外は上記第1実施形態と同様に構成できるので、同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0056】
本実施形態では、図11(a)に示すように、開閉部110W′は、隔壁(底壁111a又は周壁111b)に開口111fを設け、この開口111fを閉鎖板118で被覆した構造を有する。閉鎖板118の両端118x、118yは開口111fに隣接する隔壁の外面上に固定される。
【0057】
閉鎖板118は、第1の素材よりなる隔壁111a又は111bよりも熱膨張率の大きい第2の素材で構成される。その結果、温度が上昇すると、図11(b)に示すように、閉鎖板118の両端118x、118y間が膨張することで閉鎖板118が全体として外側へ湾曲して閉鎖板118の中央部118zが開口111fより外側へ離間することにより、閉鎖板118の側縁(図示せず)と隔壁との間に隙間が生ずるので、開閉部110W′は開放される。
【0058】
本実施形態でも、閉鎖板118が外側へ湾曲するためのスペースは必要となるものの、開閉部110W′自体の構成はきわめて簡易であり、平面的な占有面積も小さいので、コンパクトに構成できる。また、閉鎖板118は常に開口111fの外側に配置されるので、開閉部110W′の開放時においても塵埃の進入を抑制できる。
【0059】
なお、上記の照明装置110の各実施形態の開閉部は、熱膨張率が相互に異なる第1の素材と第2の素材を含み、光源の消灯と点灯に起因する温度変化により第1の素材と前記第2の素材の熱膨張率の相違に基づく相対的な変形が生じて開度が変化するものとしたが、本発明の光源と光拡散板の間の空間の温度上昇を抑制できるとともに、当該空間に塵埃が入り込みにくい構造を実現するという主たる課題を解決する上では、開閉部がこのような構造になっている必要はなく、例えば、隔壁にこれとは別体の開閉部が取り付けられていてもよく、また、開閉部が温度センサ等の信号に基づいて開閉動作する電磁弁などで構成されていてもよい。
【0060】
[電気光学装置]
次に、図12を参照して上記照明装置110を備えた電気光学装置100の例について説明する。この電気光学装置100は、上記の照明装置110及び電気光学パネル120を合成樹脂等よりなる支持枠101内に収容し、ステンレス鋼板等よりなる下枠102と上枠103でそれぞれ保持してなる。
【0061】
照明装置110は、支持枠101の後方部分に収容され、下枠102を支持枠101に図示しない係合構造等によって取り付けることにより保持される。また、電気光学パネル120は支持枠101の前方部分に収容され、照明装置110の照明範囲内に駆動領域が配置されるように平面的に重ねて配置される。なお、照明装置110と電気光学パネル120との間には集光シート(プリズムシート)等の光学シート105を適宜に配置してもよい。
【0062】
電気光学パネル120は、ガラス等よりなる基板121と122をシール材123で貼り合わせ、その間に液晶124を封止してなり、基板121及び122の外面には偏光板125,126が貼着等により配置される。
【0063】
電気光学パネル120は、支持枠101に対して必要に応じて例えば両面テープ106等により固定され、上枠103を支持枠101に図示しない係合構造等によって取り付けることにより上枠103によって保持される。電気光学パネル120と上枠103の間には必要に応じてゲルシート等の緩衝材107が配置される。
【0064】
この電気光学装置100では照明装置110がバックライトとして機能し、照明装置110の光拡散板113から出射された照明光は光学シート105を通過して電気光学パネル120に入射し、電気光学パネル120によって変調されて前方(視認側)から視認可能な所定の画像が形成される。
【0065】
[電子機器]
最後に、図13及び図14を参照して上記各種の電気光学装置を搭載した電子機器の実施形態について説明する。図13は本発明に係る電子機器の一例の外観を示す概略斜視図である。図示例の電子機器200は車載用のカーナビゲーションシステムであり、本体210と、この本体210に接続された表示部220とを備えている。本体210には操作ボタン等を配設した操作面211が設けられるとともに、DVD等の記録媒体の導入口212が設けられている。表示部220の内部には上記の電気光学装置100が格納され、この電気光学装置100の表示領域に形成される画像、すなわちナビゲーション画像の表示が表示部220の表示画面220aにて視認できるように構成されている。
【0066】
図14は電子機器200における電気光学装置100に対する制御系(表示制御系)の全体構成を示す概略構成図である。電子機器200は、表示情報出力源291と、表示情報処理回路292と、電源回路293と、タイミングジェネレータ294と、照明体110への電力供給を行う光源制御回路295とを含む表示制御回路290を有する。
【0067】
また、電気光学装置100には、上述の構成を有する電気光学パネル120と、この電気光学パネル120を駆動する駆動回路129と、バックライトである上記の照明装置110とが設けられている。この駆動回路129は、電気光学パネル120に直接実装されている上記のICチップで構成されてもよく、電気光学パネル120の基板表面上に形成された電子部品や回路パターン、或いは、電気光学パネル120に導電接続された回路基板に実装されたICチップ若しくは回路パターンなどによっても構成することができる。
【0068】
表示情報出力源291は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ294によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路292に供給するように構成されている。
【0069】
表示情報処理回路292は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路129へ供給する。駆動回路129は、走査線駆動回路、信号線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路293は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0070】
光源制御回路295は、電源回路293から供給される電圧に基づいて照明装置120の光源に電力を供給し、所定の制御信号に基づいて光源の点灯の有無及びその輝度等を制御するようになっている。
【0071】
また、本発明に係る電子機器としては、図13に示すカーナビゲーションシステムの他に、液晶テレビ、携帯電話機、電子時計、電子手帳、電卓、ワークステーション、テレビ電話、POS端末機などが挙げられる。
【0072】
尚、本発明の電気光学装置及び電子機器は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】第1実施形態の照明装置の平面図。
【図2】第1実施形態の照明装置の基板に沿った断面を示す縦断面図。
【図3】第1実施形態の照明装置の基板の間隙に沿った断面を示す縦断面図。
【図4】第1実施形態の開閉部の閉鎖時の平面図(a)及び開放時の平面図(b)。
【図5】第1実施形態の開閉部の閉鎖時の図2に相当する縦断面図。
【図6】第1実施形態の開閉部の開放時の図3に相当する縦断面図。
【図7】第2実施形態の開閉部の閉鎖時の平面図(a)及び開放時の平面図(b)及び(c)。
【図8】第3実施形態の一例の開閉部の閉鎖時の平面図(a)及び開放時の平面図(b)。
【図9】第3実施形態の他の例の開閉部の閉鎖時の平面図(a)及び開放時の平面図(b)。
【図10】第4実施形態の開閉部の閉鎖時の縦断面図(a)及び開放時の縦断面図(b)。
【図11】第5実施形態の開閉部の閉鎖時の縦断面図(a)及び開放時の縦断面図(b)。
【図12】電気光学装置の縦断面図。
【図13】電子機器の概略斜視図。
【図14】電子機器の表示制御系の構成ブロック図。
【符号の説明】
【0074】
100…電気光学装置、110…照明装置、110V…開閉部、111…支持体、111a…底壁(隔壁)、111b…周壁(隔壁)、111e…第1の開口(開口)、112…光源、113…光拡散板、114…基板、116…閉鎖板(閉鎖部材)、116a…第2の開口、116b…固定部位、120…電気光学パネル、200…電子機器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
該光源から出射された光を拡散する光拡散板と、
前記光源と前記光拡散板との間にある空間を画成する隔壁と、
該隔壁に設けられ、前記空間内の温度が低下すると開度が低下若しくは閉鎖し、前記空間内の温度が上昇すると開度が増大若しくは開放する開閉部と、
を具備することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記開閉部は、熱膨張率が相互に異なる第1の素材と第2の素材を含み、前記光源の消灯と点灯に起因する温度変化により前記第1の素材と前記第2の素材の熱膨張率の相違に基づく相対的な変形が生じて開度が変化することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記開閉部は、前記第1の素材で構成された前記隔壁に設けられた開口と、前記隔壁に対し前記開口から離間した固定部位にて固定されるとともに該固定部位以外の部分が固定されずに前記隔壁に対し平面的に重ねて配置された前記第2の素材で構成された閉鎖部材とを有し、
前記隔壁に対し前記閉鎖部材の前記固定部位以外の部分が熱膨張率の差により平面的に相対移動することにより、前記開口が前記閉鎖部材により覆われることで前記開閉部が閉鎖され、前記開口の少なくとも一部が前記閉鎖部材に覆われなくなることで前記開閉部が開放されることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記開閉部は、第1の開口を備えた前記第1の素材よりなる第1の部材と、第2の開口を備えた前記第2の素材よりなる第2の部材とが前記第1の開口及び前記第2の開口から離間した固定部位にて固定されるとともに該固定部位以外の部分が固定されずに平面的に重ねて配置されてなり、
前記第1の部材に対し前記第2の部材の前記固定部位以外の部分が熱膨張率の差により平面的に相対移動することにより、前記第1の開口と前記第2の開口の開口範囲が平面的にずれることで前記開閉部が閉鎖され、前記第1の開口と前記第2の開口の開口範囲の少なくとも一部が平面的に重なることで前記開閉部が開放されることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1の部材は前記隔壁であり、前記第2の部材は前記隔壁とは別の閉鎖部材であることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記開閉部は、前記隔壁に設けられた開口と、該開口を覆うように前記隔壁に一端が取り付けられ他端が自由端とされ、前記第1の素材よりなる第1層と前記第2の素材よりなる第2層が積層されてなる閉鎖部材とを有してなり、
前記開閉部は、前記閉鎖部材が前記開口を覆うことで閉鎖され、前記閉鎖部材が前記第1層と前記第2層の熱膨張率の差により前記隔壁とは反対側に湾曲して前記開口から離間することで開放されることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項7】
前記開閉部は、前記第1の素材で構成される前記隔壁に設けられた開口と、該開口を覆うように前記隔壁に両端が取り付けられ、前記第2の素材で構成される閉鎖部材とを有してなり、
前記開閉部は、前記閉鎖部材の中央部が前記開口を覆うことで閉鎖され、前記閉鎖部材が前記隔壁に比べて熱膨張により延伸して前記閉鎖部材の中央部が前記隔壁とは反対側に離間することで開放されることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明装置と、前記光拡散板に対し前記光源とは反対側に配置される電気光学パネルとを具備することを特徴とする電気光学装置。
【請求項9】
請求項8に記載の電気光学装置と、該電気光学装置の制御手段とを具備することを特徴とする電子機器。
【請求項1】
光源と、
該光源から出射された光を拡散する光拡散板と、
前記光源と前記光拡散板との間にある空間を画成する隔壁と、
該隔壁に設けられ、前記空間内の温度が低下すると開度が低下若しくは閉鎖し、前記空間内の温度が上昇すると開度が増大若しくは開放する開閉部と、
を具備することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記開閉部は、熱膨張率が相互に異なる第1の素材と第2の素材を含み、前記光源の消灯と点灯に起因する温度変化により前記第1の素材と前記第2の素材の熱膨張率の相違に基づく相対的な変形が生じて開度が変化することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記開閉部は、前記第1の素材で構成された前記隔壁に設けられた開口と、前記隔壁に対し前記開口から離間した固定部位にて固定されるとともに該固定部位以外の部分が固定されずに前記隔壁に対し平面的に重ねて配置された前記第2の素材で構成された閉鎖部材とを有し、
前記隔壁に対し前記閉鎖部材の前記固定部位以外の部分が熱膨張率の差により平面的に相対移動することにより、前記開口が前記閉鎖部材により覆われることで前記開閉部が閉鎖され、前記開口の少なくとも一部が前記閉鎖部材に覆われなくなることで前記開閉部が開放されることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記開閉部は、第1の開口を備えた前記第1の素材よりなる第1の部材と、第2の開口を備えた前記第2の素材よりなる第2の部材とが前記第1の開口及び前記第2の開口から離間した固定部位にて固定されるとともに該固定部位以外の部分が固定されずに平面的に重ねて配置されてなり、
前記第1の部材に対し前記第2の部材の前記固定部位以外の部分が熱膨張率の差により平面的に相対移動することにより、前記第1の開口と前記第2の開口の開口範囲が平面的にずれることで前記開閉部が閉鎖され、前記第1の開口と前記第2の開口の開口範囲の少なくとも一部が平面的に重なることで前記開閉部が開放されることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1の部材は前記隔壁であり、前記第2の部材は前記隔壁とは別の閉鎖部材であることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記開閉部は、前記隔壁に設けられた開口と、該開口を覆うように前記隔壁に一端が取り付けられ他端が自由端とされ、前記第1の素材よりなる第1層と前記第2の素材よりなる第2層が積層されてなる閉鎖部材とを有してなり、
前記開閉部は、前記閉鎖部材が前記開口を覆うことで閉鎖され、前記閉鎖部材が前記第1層と前記第2層の熱膨張率の差により前記隔壁とは反対側に湾曲して前記開口から離間することで開放されることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項7】
前記開閉部は、前記第1の素材で構成される前記隔壁に設けられた開口と、該開口を覆うように前記隔壁に両端が取り付けられ、前記第2の素材で構成される閉鎖部材とを有してなり、
前記開閉部は、前記閉鎖部材の中央部が前記開口を覆うことで閉鎖され、前記閉鎖部材が前記隔壁に比べて熱膨張により延伸して前記閉鎖部材の中央部が前記隔壁とは反対側に離間することで開放されることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明装置と、前記光拡散板に対し前記光源とは反対側に配置される電気光学パネルとを具備することを特徴とする電気光学装置。
【請求項9】
請求項8に記載の電気光学装置と、該電気光学装置の制御手段とを具備することを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−102920(P2010−102920A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272806(P2008−272806)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】
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