説明

照明装置および照明制御システム

【課題】
不所望のときに、人を照明エリアから高確率で退場させられる安価に形成可能な照明装置およびこの照明装置を具備する照明制御システムを提供する。
【解決手段】
照明装置2は、発光ダイオード6を配設している照明装置本体4と、発光ダイオード6を点灯する点灯装置5を有してなり、点灯装置5は、交流電圧を直流電圧に変換するAC−DC変換回路8、当該直流電圧を所定の直流電圧に変換して出力するDC−DC変換回路9および発光ダイオード6に100%未満のオンデューティ比で電流が流れるようにDC−DC変換回路9を制御する制御回路10を備え、制御回路10は、外部から特定信号が入力されたときには発光ダイオード6に流れる電流の周波数が100Hz未満となるようにDC−DC変換回路9を制御するように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、光源として発光ダイオードが搭載された照明装置およびこの照明装置を具備する照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、消費電力が小さく、長寿命であるので、近年、地球温暖化や環境保全等に対する一対策として、一般照明器具に使用されている。そして、当該照明器具を一般照明の他に、例えば防犯灯として使用することが行われている。すなわち、照明器具は、所定エリア内への侵入者を検知する人体検知センサを備え、人体検知センサが侵入者を検知した際に、光源としての発光ダイオードを点滅動作させる。この発光ダイオードの点滅により、侵入者の存在などの異常状態を知ることができるものである(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
また、主光源として赤・緑・青の3個の発光ダイオードを設けて、人感センサが人を一定時間以上検知すると、各発光ダイオードを所定の割合で点灯させることにより、不審者を威嚇できるような色を点滅させる照明器具が提案されている(特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−113752号公報(第6頁、第1図)
【特許文献2】特開2010−33810号公報(第4頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
所定エリアや照明器具の近辺に所有者や管理者等が存在しないと、発光ダイオードが点滅しても、侵入者等を所有者や管理者等に知らせることができない。そして、発光ダイオードの点滅は、侵入者等に相応に威嚇や違和感などを与えるが、侵入者等を自ら所定エリアから退場させられないおそれがある。
【0006】
また、不審者を威嚇できるような色光は、人によって異なるものである。したがって、不審者等によっては、威嚇を与えることができず、侵入者等を自ら所定エリアから退場させられないおそれがある。
【0007】
本発明は、不所望のときに、人を照明エリアから高確率で退場させられる安価に形成可能な照明装置およびこの照明装置を具備する照明制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態の照明装置は、照明装置本体および点灯装置を有して構成される。
【0009】
本実施形態の照明装置本体は、光源として発光ダイオードが用いられ、この発光ダイオードを配設している。
【0010】
本実施形態の点灯装置は、交流電圧を直流電圧に変換するAC−DC変換回路、前記直流電圧を所定の直流電圧に変換して発光ダイオードに出力するDC−DC変換回路および発光ダイオードに100%未満のオンデューティ比で電流が流れるようにDC−DC変換回路を制御する制御回路を有して構成されている。
【0011】
そして、制御回路は、外部から特定信号が入力されたときには発光ダイオードに流れる電流の周波数が100Hz未満となるように、かつ特定信号が入力されないときには発光ダイオードに流れる電流の周波数が300Hz以上となるようにDC−DC変換回路を制御するものである。
【発明の効果】
【0012】
本実施形態によれば、点灯装置は、外部から特定信号が入力されたときには発光ダイオードに流れる電流の周波数が100Hz未満となるように制御するので、発光ダイオードは、100Hz未満の周波数で点滅することになり、照明装置の照明エリアに停留している人に対して視覚効果により不快感や不安感等の心理的効果を与えることができて、高確率で照明エリアから退場させることが可能であるという効果を有する。
【0013】
また、点灯装置は、外部から特定信号が入力されないときには発光ダイオードに流れる電流の周波数が300Hz以上となるように制御するので、発光ダイオードは、300Hz以上の周波数で点滅することになり、照明装置の照明エリアに停留している人に不快感等を与えることがなく、照明エリアをオンデューティ比に応じた明るさで照明できるという効果を有する。
【0014】
そして、発光ダイオードに流れる電流の周波数の制御は、制御回路によるDC−DC変換回路の制御により行えるので、発光ダイオードを所定の周波数で点滅させる別のスイッチング回路や遮断回路などを省略することができて、点灯装置を安価に形成することができ、これにより、安価に形成可能な照明装置が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1を示す照明制御システムのブロック図である。
【図2】同じく、点灯装置の概略回路図である。
【図3】同じく、オンデューティの期間を示す波形図である。
【図4】本発明の実施例2を示す照明制御システムのブロック図である。
【図5】本発明の実施例3を示す照明制御システムのブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0017】
本実施例の照明制御システム1は、図1に示すように、照明装置2および検出機器としての人体検出装置3を有して構成される。そして、照明装置2は、照明装置本体4および点灯装置5を有して構成される。照明装置本体4は、その内部に点灯装置5および光源としての発光ダイオード6を配設している。
【0018】
照明装置本体4は、周知の形状や構造等に形成される。発光ダイオード6は、図示しない基板に複数個が実装され、その放射光を照明装置本体4から外方に放射可能に照明装置本体4内に配設されている。
【0019】
そして、点灯装置5は、発光ダイオード6を100%未満のオンデューティ比で点灯するとともに、本実施形態では、外部から入力した調光信号に応じて調光点灯するように形成されている。また、点灯装置5は、人体検出装置3から出力された特定信号を入力し、当該特定信号に応じて発光ダイオード6の点灯状態を制御するように形成されている。
【0020】
人体検出装置3は、例えば図示しない人体検出センサや防犯カメラの画像認識等により、照明装置2の照明エリアに侵入した人体を検出し、この検出が所定時間以上に亘るときに人体検出信号としての特定信号を出力する周知の構成で形成されている。ここで、人体を所定時間以上に亘って検出している状態は、不所望な特定の状態を意味する。そして、人体検出装置3は、照明装置本体4に配設されてもよく、照明装置本体4と別置されるように設けられてもよい。
【0021】
以下、点灯装置5について詳述する。
【0022】
点灯装置5は、図2に示すように、AC−DC変換回路8、DC−DC変換回路9および制御回路10を有して構成されている。そして、入力端子11a,11bが商用交流電源Vsに接続され、出力端子12a,12bが照明装置本体4に配設された発光ダイオード6に接続されて、発光ダイオード6を点灯させるLED点灯装置に形成されている。発光ダイオード6は、その複数個が直列接続されている。
【0023】
AC−DC変換回路8は、全波整流回路13、昇圧チョッパ回路14および平滑用コンデンサC1を有して構成されている。そして、全波整流回路13は、全波整流器15およびトランスT1を有して形成されたノイズフィルタ回路16を有して形成されている。全波整流器15の入力端子は、ノイズフィルタ回路16を介して入力端子11a,11bに接続されている。全波整流器15の低電位側の出力端子は、コンデンサC2を介してアースEに接続されている。全波整流回路13は、商用交流電源Vsの交流電圧例えばAC100Vを全波整流し、全波整流電圧を全波整流器15の出力端子間に出力する。
【0024】
昇圧チョッパ回路14は、スイッチング素子である電界効果トランジスタQ1のオンオフ動作により、全波整流回路13から出力された全波整流電圧をチョッピングして一定の直流電圧例えばDC400Vを出力するものであり、周知の構成で形成されている。すなわち、全波整流器15の出力端子間に接続されたインダクタL1および電界効果トランジスタQ1の直列回路と、インダクタL1および電界効果トランジスタQ1のドレインに接続された逆流防止用のダイオードD1を有して形成されている。ダイオードD1および電界効果トランジスタQ1のソース間に、平滑用コンデンサC1が接続されている。
【0025】
昇圧チョッパ回路14は、電界効果トランジスタQ1が制御回路10により設定の周波数およびオンデューティでオンオフ制御されることにより、平滑用コンデンサC1の両端間に一定の直流電圧例えばDC400Vを発生させる。
【0026】
DC−DC変換回路9は、降圧チョッパ回路に形成されている。すなわち、平滑用コンデンサC1に並列的に接続されたスイッチング素子としての電界効果トランジスタQ2およびダイオードD2の直列回路と、電界効果トランジスタQ2のソースおよびダイオードD2に接続されたインダクタL2を有して形成されている。インダクタL2およびダイオードD2のアノードの間には、抵抗R1を介して平滑用コンデンサC3が接続されている。すなわち、DC−DC変換回路9の出力側は、平滑用コンデンサC3に接続されている。
【0027】
抵抗R1は、ダイオードD2のアノードと平滑用コンデンサC3の負極側との間に接続され、DC−DC変換回路9内に流れる電流を検出する。制御回路10は、当該電流に基づいて電界効果トランジスタQ2をオンオフ制御し、平滑用コンデンサC3の両端間に所定の直流電圧を発生させる。
【0028】
DC−DC変換回路9は、制御回路10により電界効果トランジスタQ2がオンオフ制御されることにより、平滑用コンデンサC1の両端間に発生した一定の直流電圧を降圧し、平滑用コンデンサC3の両端間に所定の直流電圧を発生させる。このように、DC−DC変換回路9は、AC−DC変換回路8から出力された直流電圧例えばDC400Vを所定の直流電圧に変換して出力する。
【0029】
平滑用コンデンサC3の両端は、出力端子12a,12bに接続されている。平滑用コンデンサC3の両端間に発生した所定の直流電圧は、出力端子12a,12bに出力される。出力端子12a,12bには、直列接続された複数個の発光ダイオード6が接続されている。この直列接続された発光ダイオード6は、前記所定の直流電圧が印加されることにより、所定の電流が流れて発光(点灯)する。
【0030】
制御回路10は、集積回路(IC)を含んで構成されている。制御回路10には、図1に示す人体検出装置3から特定信号が入力され、図示しない調光装置から調光信号が入力される。
【0031】
そして、制御回路10は、平滑用コンデンサC1の両端間に一定の直流電圧例えばDC400Vが発生するように昇圧チョッパ回路14の電界効果トランジスタQ1をオンオフ制御し、平滑用コンデンサC3の両端間に所定の直流電圧が発生するようにDC−DC変換回路9の電界効果トランジスタQ2をオンオフ制御するように形成されている。
【0032】
そして、制御回路10は、発光ダイオード6に100%未満のオンデューティ比で電流が流れるように、DC−DC変換回路9の電界効果トランジスタQ2をオンオフ制御するように形成されている。発光ダイオード6は、図3に示すように、オンデューティの期間に平滑用コンデンサC3から供給される電流が流れて点灯する。一方、オフデューティの期間では、平滑用コンデンサC3からの電流供給が非常に小さくなって消灯する。制御回路10は、オンデューティの期間では、電界効果トランジスタQ2を数十Kzでオンオフ動作させ、オフデューティの期間では、電界効果トランジスタQ2のオンオフ動作を停止させる。電界効果トランジスタQ2が停止すると、平滑用コンデンサC3にAC−DC変換回路8からの電流が供給されなくなり、平滑用コンデンサC3の両端間電圧が急速に低下する。これにより、発光ダイオード6に電流が供給できなくなる。
【0033】
オンデューティ比は、オンデューティの期間とオフデューティの期間の合計期間(1周期)に対するオンデューティの期間の割合である。そして、100%未満のオンデューティ比は、例えば30〜80%とすることができる。80%のオンデューティ比があれば、発光ダイオード6の放射光で十分な照明光を得ることが可能である。また、30%を下回るオンデューティ比であると、後述の不所望な特定の状態ときに、照明光によるちらつきの効果が得られないおそれがある。
【0034】
発光ダイオード6を100%未満のオンデューティ比で点灯させることにより、発光ダイオード6にオフデューティの期間には電流が流れないので、その分、省電力を図ることができる。
【0035】
さらに、制御回路10は、人体検出装置3から特定信号が入力されていないときには、発光ダイオード6に流れる電流の周波数が300Hz以上となるように電界効果トランジスタQ2をオンオフ制御するように形成されている。これにより、発光ダイオード6は、所定のオンデューティ比で、300Hz以上の周波数で点灯(点滅)する。ここで、300Hzの周波数は、発光ダイオード6の点滅において、人に光のちらつきが目立たない程度となるものである。また、300Hz以上の上限値は、制御回路10の制御能力に応じて適宜設定すればよく、例えば100KHzである。この100KHzの周波数は、制御回路10を高機能化させなくても可能である。
【0036】
また、制御回路10は、外部の人体検出装置3から特定信号が入力されたときには、発光ダイオード6に流れる電流の周波数が100Hz未満の周波数となるように電界効果トランジスタQ2をオンオフ制御するように形成されている。発光ダイオード6は、所定のオンデューティ比、例えば全光時のオンデューティ比で、100Hz未満の周波数で点滅する。ここで、100Hzの周波数は、発光ダイオード6の点滅において、人に光のちらつきが強く目立って不快感等を与えるものである。また、100Hz未満の下限値は、人に光のちらつきが強く目立って不快感や不安感などの心理的効果を与えることができる周波数とすればよい。下限値が1Hzであっても前記心理的効果を与えることが可能であるが、本実施形態では、下限値を10Hzとすることにより、人に対して強く前記心理的効果が与えられる。
【0037】
また、制御回路10は、外部の調光装置から入力される調光信号に応じて、発光ダイオード6を調光点灯させるように形成されている。すなわち、調光信号に応じて、電界効果トランジスタQ2をオンオフ制御し、発光ダイオード6に電流が流れるオンデューティの期間を可変させる。
【0038】
なお、制御回路10は、発光ダイオード6を100%未満の所定のオンデユーティ比で点灯させるとともに、調光信号に応じて電界効果トランジスタQ2をオンオフ制御して、平滑用コンデンサC3の両端間に発生する所定の直流電圧を可変するようにしてもよい。これにより、直列接続された発光ダイオード6の両端間には、調光信号に応じた直流電圧が印加され、発光ダイオード6は、そのオンデューティの期間に調光信号に応じた電流が流れて調光点灯する。
【0039】
次に、本発明の実施例1の作用について述べる。
【0040】
図1において、通常時、点灯装置5は、光源である発光ダイオード6に流れる電流を調光信号に応じた100%未満の所定のオンデューティ比でかつ300Hz以上の周波数で点滅させる。なお、通常時、照明装置2は、人体検出装置3からの特定信号を無効としている。照明装置2の照明エリアは、調光信号に応じた照度で照明される。そして、照明エリア内に停留している人は、発光ダイオード6からの照明光に対してちらつきを感じることがなく、照明光により不快感など感情を害することがないものである。
【0041】
そして、照明装置2の照明エリアに人が侵入しないことを所望するときには、例えば設定により、照明装置2は、人体検出装置3からの特定信号を有効とするものである。
【0042】
そして、照明エリアに人が侵入し、所定時間に亘って停留しているときには、すなわち不所望な特定の状態であるときには、人体検出装置3から特定信号が出力され、点灯装置5の制御回路10に入力される。点灯装置5は、発光ダイオード6に流れる電流が全光時のオンデューティ比(例えば80%)でかつ100Hz未満の周波数となるようにして、発光ダイオード6を点滅させる。照明エリアは、発光ダイオード6のちらつきの照明光で照明される。照明エリア内に停留している人は、照明光のちらつきに対して不快感等が起きて感情が害されるようになり、行動が抑制されるようになり、やがて、不快感などに耐え切れなくなって照明エリアから退場する。
【0043】
照明エリアから人が退場すると、人体検出装置3から特定信号が出力されなくなり、点灯装置5は、発光ダイオード6に流れる電流が調光信号に応じた所定のオンデューティ比でかつ300Hz以上の周波数となるようにして発光ダイオード6を点滅させる。また、発光ダイオード6の消灯時に、発光ダイオード6を100Hz未満の周波数で点滅させたときには、発光ダイオード6を消灯させる。
【0044】
このように、照明エリアに侵入した人は、発光ダイオード6の100Hz未満の周波数での点滅により、自ら照明エリアから退場するので、不所望な特定の状態である時間帯に照明エリアに人が侵入することが抑制されるとともに、照明装置2の所有者や管理員などに人の侵入を報知することを要しないものである。
【0045】
上述したように、本実施形態の照明制御システム1によれば、照明装置2の点灯装置5は、人体検出装置3から特定信号が入力されたときには発光ダイオード6が100Hz未満の周波数で点滅するように制御するので、照明装置2の照明エリアは、発光ダイオード6の照明光が100Hz未満の周波数でちらつく。これにより、照明エリアに停留している人に対して視覚効果により不快感や不安感等の心理的効果を与えることができて、高確率で照明エリアから退場させることが可能であるという効果を有する。
【0046】
そして、点灯装置5は、人体検出装置3から特定信号が入力されないときには発光ダイオード6が100%未満の所定のオンデューティ比で300Hz以上の周波数で点滅するように制御するので、照明装置2(点灯装置5)の省電力を図ることができるとともに、照明装置2の照明エリアは、人が発光ダイオード6の照明光にちらつきを感じることなく照明され、照明エリアに停留している人に不快感などを与えることがなく、照明エリアを調光信号に応じた明るさで照明できるという効果を有する。
【0047】
そして、発光ダイオード6に流れる電流のオンデューティ比および周波数の制御は、制御回路10によるDC−DC変換回路9の電界効果トランジスタQ2のオンオフ制御により行えるので、発光ダイオード6に流れる電流の周波数を可変させて発光ダイオード6を点滅させる別のスイッチング回路や遮断回路などを省略することができて、点灯装置5を安価に形成することができる。これにより、照明装置2および照明制御システム1を安価に形成可能であるという効果を有する。
【実施例2】
【0048】
図4は、本発明の実施例2を示す照明制御システムのブロック図である。なお、図1と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0049】
図4に示す照明制御システム18は、図1に示す照明制御システム1において、人体検出装置3に替えて検出機器としての火災検知装置3Aを設けたものである。火災検知装置3Aは、熱線センサまたは煙センサ19が火災を検知すると、特定信号(火災信号)を点灯装置5の制御回路10に出力するように形成されている。ここで、熱線センサまたは煙センサ19は、照明装置2の近辺に設けられていてもよく、離間した位置に設けられていてもよい。熱線センサまたは煙センサ19が火災を検知することは、不所望な特定の状態を意味する。
【0050】
本実施形態の照明制御システム18は、火災検知装置3Aが火災発生を検知して特定信号を出力すると、照明装置本体4に配設された発光ダイオード6が100Hz未満の周波数で点滅される。照明装置2の照明エリアは、100Hz未満の周波数で照明光がちらつく。これにより、照明エリア内にいる人に対して視覚効果により不快感や不安感等の心理的効果を与えることができて、高確率で照明エリアから退場させることが可能である。したがって、照明エリアまたはその近辺で火災が発生したときに、避難者を自ら避難させることができるという効果を有する。
【実施例3】
【0051】
図5は、本発明の実施例3を示す照明制御システムのブロック図である。なお、図1と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0052】
図5に示す照明制御システム20は、図1に示す照明制御システム1において、人体検出装置3に替えて検出機器としての放射線検知装置3Bを設けたものである。放射線検知装置3Bは、放射線検出器21が人体に有害な放射線を検知すると、特定信号(放射線漏洩信号)を点灯装置5の制御回路10に出力するように形成されている。放射線検出器21は、照明装置2の照明エリア内、照明エリアの近辺または照明エリアから離間した位置に設けられている。放射線検出器21が人体に有害な放射線を検知することは、不所望な特定の状態を意味する。
【0053】
本実施形態の照明制御システム20は、放射線検知装置3Bが放射線漏れの発生を検知して特定信号を出力すると、照明装置本体4に配設された発光ダイオード6が100Hz未満の周波数で点滅される。照明装置2の照明エリアは、100Hz未満の周波数で照明光がちらつく。これにより、照明エリア内にいる人に対して視覚効果により不快感や不安感等の心理的効果を与えることができて、高確率で照明エリアから退場させることが可能である。したがって、照明エリアまたはその近辺で有害な放射線漏れが発生したときに、避難者を自ら迅速に避難させることができるという効果を有する。
【符号の説明】
【0054】
1,18,20…照明制御システム、 2…照明装置、 3…検出機器としての人体検出装置、 3A…検出機器としての火災検知装置、 3B…検出機器としての放射線検出装置、 4…照明装置本体、 5…点灯装置、 6…発光ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオードを配設している照明装置本体と;
交流電圧を直流電圧に変換するAC−DC変換回路、出力側が前記発光ダイオードに接続され前記直流電圧を所定の直流電圧に変換して出力するDC−DC変換回路および前記発光ダイオードに100%未満のオンデューティ比で電流が流れるように前記DC−DC変換回路を制御する制御回路を有してなり、前記制御回路は、外部から特定信号が入力されたときには前記発光ダイオードに流れる電流の周波数が100Hz未満となるように、かつ前記特定信号が入力されないときには前記電流の周波数が300Hz以上となるように前記DC−DC変換回路を制御するように形成されている点灯装置と;
を具備していることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
不所望な特定の状態を検出して特定信号を出力する検出機器と;
この検出機器から出力された特定信号が前記点灯装置の制御回路に入力される請求項1記載の照明装置と;
を具備していることを特徴とする照明制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−64525(P2012−64525A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209735(P2010−209735)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】