照明装置および表示装置、ならびに電子機器
【課題】より良好な映像が得られる表示装置を提供する。
【解決手段】この表示装置は、照明装置と、その照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部とを備える。照明装置は、互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、この導光板を支持する基体と、導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部とを有する。第1の支持部は、第1の方向への導光板の変位を制限しつつ、第2の方向への導光板の変位を許容するものであり、第2の支持部は、第2の方向への導光板の変位を制限しつつ、第1の方向への導光板の変位を許容するものである。
【解決手段】この表示装置は、照明装置と、その照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部とを備える。照明装置は、互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、この導光板を支持する基体と、導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部とを有する。第1の支持部は、第1の方向への導光板の変位を制限しつつ、第2の方向への導光板の変位を許容するものであり、第2の支持部は、第2の方向への導光板の変位を制限しつつ、第1の方向への導光板の変位を許容するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置、その表示装置を備えた電子機器、および、その表示装置に搭載される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の表示装置としては、例えばプラズマディスプレイや有機ELディスプレイなどの自発光型の表示装置のほか、例えば液晶ディスプレイなどの非発光型の表示装置が知られている。それらのうちの液晶ディスプレイは、例えば透過型の光変調素子としての液晶パネルと、その液晶パネルに照明光を照射するバックライト装置とを備える。液晶パネルでは、バックライト装置からの照明光の透過率を制御することにより、所定の映像を表示するようになっている。
【0003】
ところで、近年、表示装置に対する薄型化の要請が強まっている。そこで、液晶パネルの背後(表示面と反対側)に導光板を配置し、その導光板の端面と対向するようにバックライト装置の光源を配置する構造が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
【0004】
ところが、光源と導光板との距離が近すぎると、光源が発光する際の熱に起因して、導光板の膨張や歪みが生じる場合があった。このような問題を解決するものとして、例えば特許文献3に記載の構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−110811号公報
【特許文献2】特開2009−32664号公報
【特許文献3】特開2011−150264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3記載の構造では、導光板が、その膨張により液晶パネルに対して全体的に移動してしまうこととなる。すなわち、導光板と液晶パネルとの面内方向における相対位置が、導光板の熱膨張によりずれてしまう。このような相対位置ずれは、例えば立体映像を表示する場合、その表示性能が劣化するという問題を招く。立体映像表示の際には、液晶パネルにおける表示画素とパララックスバリアとの相対位置が高い精度で維持される必要があるが、導光板がパララックスバリアとしての機能をも発揮する場合も想定されるからである。また、導光板と液晶パネルとを接着する方法も考えられるが、両者の構成材料が異なる場合には、熱膨張係数の差により接着面などに不要な応力が発生し、導光板もしくは液晶パネルの反りや歪みが生じる。そのため、映像の劣化を招く。特に表示面積の大きな表示装置では、このような問題は顕著に現れる。
【0007】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、薄型かつ簡素な構成でありながら良好な立体映像を形成可能な表示装置、その表示装置を備えた電子機器、および、その表示装置に好適に搭載される照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の照明装置は、表示装置用のものであって、互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、この導光板を支持する基体と、導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部とを有する。第1の支持部は、第1の方向への導光板の変位を制限しつつ第2の方向への導光板の変位を可能とするものであり、第2の支持部は、第2の方向への導光板の変位を制限しつつ第1の方向への導光板の変位を可能とするものである。
【0009】
本開示の表示装置は、上記の照明装置と、その照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部とを備えるものである。また、本開示の電子機器は、上記表示装置を備えたものである。
【0010】
本開示の照明装置では、第1の方向への導光板の変位を制限しつつ第2の方向への導光板の変位を可能とする第1の支持部と、第2の方向への導光板の変位を制限しつつ第1の方向への導光板の変位を可能とする第2の支持部とを設けるようにした。これにより、導光板の熱膨張が生じた場合であっても、初期位置からの導光板の全体的な移動が抑制される。導光板のうち、第2の方向において第1の支持部を通過する延長線(便宜上、第1の延長線と呼ぶ。)上に位置する部分は、第2の方向へ移動するものの、第1の方向へ移動することはない。一方、導光板のうち、第1の方向において第2の支持部を通過する延長線(便宜上、第2の延長線と呼ぶ。)上に位置する部分は、第1の方向へ移動するものの、第2の方向へ移動することはない。よって、導光板のうち、第1の支持部を通過する第2の方向への延長線(第1の延長線)と第2の支持部を通過する第1の方向への延長線(第2の延長線)とが交差する位置(中心位置)ではいずれの方向へも移動が生じないからである。また、導光板が熱膨張を生じた際には、導光板は、第1の延長線と第2の延長線とが交差する中心部分を中心として外側へ広がるように変位する。反対に、導光板が冷却され、収縮を生じた際には、導光板は中心部分を中心として収束するように変位する。このように、導光板は、その中心部分を中心として可逆的に振る舞うこととなる。このとき、中心位置に近い部分ほど、変位は小さくなる。
【発明の効果】
【0011】
本開示の照明装置によれば、薄型化を妨げることなく、熱膨張時における導光板の変位を低減することができる。よって、この照明装置を搭載した表示装置および電子機器によれば、薄型化を実現しつつ、導光板と表示部との相対位置を比較的正確に維持することができるので、薄型でありながら良好な立体映像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の一構成例を、第1の光源のみをオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態と共に示す断面図である。
【図2】図1に示した表示装置の一構成例を、第2の光源のみをオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態と共に示す断面図である。
【図3】図1に示した表示装置の一構成例を、第1の光源および第2の光源の双方をオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態と共に示す断面図である。
【図4】図1に示した表示装置の一構成例における要部を表す平面図および断面図である。
【図5】図1に示した表示装置における導光板表面の第1の構成例を示す断面図、および、その導光板表面での光線の散乱反射状態を模式的に示す説明図である。
【図6】図1に示した表示装置における導光板表面の第2の構成例を示す断面図、および、その導光板表面での光線の散乱反射状態を模式的に示す説明図である。
【図7】図1に示した表示装置における導光板表面の第3の構成例を示す断面図、および、その導光板表面での光線の散乱反射状態を模式的に示す説明図である。
【図8】表示部の画素構造の一例を示す平面図である。
【図9】図8の画素構造において、2つの視点画像を割り当てた場合の割り当てパターンと散乱エリアの配置パターンとの対応関係の第1の例を示す平面図および断面図である。
【図10】本開示の第2の実施の形態に係る表示装置の一構成例における要部を表す平面図である。
【図11】表示装置を用いた電子機器としてのテレビジョン装置の構成を表す斜視図である。
【図12】図1に示した表示装置の他の構成例(変形例1)における要部を表す平面図である。
【図13】図1に示した表示装置の他の構成例(変形例2)における要部を表す平面図である。
【図14】図1に示した表示装置の他の構成例(変形例3)における要部を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
<第1の実施の形態>
[表示装置の全体構成]
図1から図3は、本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の一構成例を示している。この表示装置は、画像表示を行う表示部1と、表示部1の背面側に配置され、表示部1に向けて画像表示用の光を射出する照明装置とを備えている。照明装置は、第1の光源2(2D/3D表示用光源)と、導光板3と、第2の光源7(2D表示用光源)とを備えている。導光板3は、表示部1と対向して配置される第1の内部反射面3Aと、第2の光源7と対向して配置される第2の内部反射面3Bとを有している。表示部1と導光板3とは、相互に対向するように保持フレーム6によって保持されている(図1)。保持フレーム6は、表示部1を保持する第1のフレーム6Aと、導光板3を保持する第2のフレーム6Bとが、ねじ(図示せず)などによって接合されたものである。導光板3は、導光板3および第2のフレーム6Bの各々の一部に設けられた2種類の支持部(後出の第1および第2の支持部61,62)によって第2のフレーム6Bに支持されている。第2のフレーム6Bもまた、照明装置の構成要素である。なお、図2,3では、保持フレーム6の図示を省略している。また、表示部1と導光板3とは対向配置されているものの、相互に接着剤等で固着されているわけではない。よって、表示部1と導光板3との間には、微小な空間が生じている。但し、図1では、光線の経路を説明するため、その空間の厚さ(すなわち、表示部1と導光板3とのギャップ)を、表示部1や導光板3の厚さに対して相対的に大きく描いている。また、この表示装置は、その他にも、表示に必要な表示部1の制御を行う制御回路等を備えているが、その構成は一般的な表示用の制御回路等と同様であるので、その説明を省略する。また、光源デバイスは、図示しないが、第1の光源2および第2の光源7のオン(点灯)・オフ(非点灯)制御を行う制御回路を備えている。
【0015】
この表示装置は、全画面での2次元(2D)表示モードと、全画面での3次元(3D)表示モードとを任意に選択的に切り替えることが可能とされている。2次元表示モードと3次元表示モードとの切り替えは、表示部1に表示する画像データの切り替え制御と、第1の光源2および第2の光源7のオン・オフの切り替え制御とを行うことで可能となっている。図1は、第1の光源2のみをオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態を模式的に示しているが、これは3次元表示モードに対応している。図2は、第2の光源7のみをオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態を模式的に示しているが、これは2次元表示モードに対応している。また、図3は、第1の光源2および第2の光源7の双方をオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態を模式的に示しているが、これも2次元表示モードに対応している。
【0016】
表示部1は、透過型の2次元表示パネル、例えば透過型の液晶表示パネルを用いて構成され、例えば図8に示したように、R(赤色)表示用画素11R、G(緑色)表示用画素11G、およびB(青色)表示用画素11Bからなる画素を複数有し、それら複数の画素がマトリクス状に配置されている。表示部1は、光源デバイスからの光を画像データに応じて画素ごとに変調させることで2次元的な画像表示を行うようになっている。表示部1には、3次元画像データに基づく複数の視点画像と2次元画像データに基づく画像とが任意に選択的に切り替え表示されるようになっている。なお、3次元画像データとは、例えば、3次元表示における複数の視野角方向に対応した複数の視点画像を含むデータである。例えば2眼式の3次元表示を行う場合、右眼表示用と左眼表示用の視点画像のデータである。3次元表示モードでの表示を行う場合には、例えば、1画面内にストライプ状の複数の視点画像が含まれる合成画像を生成して表示する。なお、表示部1の各画素に複数の視点画像を割り当てる、その割り当てパターンと散乱エリア31の配置パターンとの対応関係の具体例は後に詳述する。
【0017】
第1の光源2は、例えば、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)等の蛍光ランプや、LED(Light Emitting Diode)を用いて構成されている。第1の光源2は、導光板3内部に向けて側面方向から第1の照明光L1(図1)を照射するようになっている。第1の光源2は、導光板3の側面に少なくとも1つ配置されている。例えば、導光板3の平面形状が四角形である場合、側面は4つとなるが、第1の光源2は、少なくともいずれか1つの側面に配置されていれば良い。図1では、導光板3における互いに対向する2つの側面に第1の光源2を配置した構成例を示している。第1の光源2は、2次元表示モードと3次元表示モードとの切り替えに応じて、オン(点灯)・オフ(非点灯)制御されるようになっている。具体的には第1の光源2は、表示部1に3次元画像データに基づく画像を表示する場合(3次元表示モードの場合)には点灯状態に制御されると共に、表示部1に2次元画像データに基づく画像を表示する場合(2次元表示モードの場合)には非点灯状態または点灯状態に制御されるようになっている。
【0018】
第2の光源7は、導光板3に対して第2の内部反射面3Bが形成された側に対向配置されている。第2の光源7は、第2の内部反射面3Bに向けて外側から第2の照明光L10を照射するようになっている(図2、図3参照)。第2の光源7は、一様な面内輝度の光を発する面状光源であれば良く、その構造自体は特定のものには限定されず、市販の面状バックライトを使用することが可能である。例えばCCFLやLED等の発光体と、面内輝度を均一化するための光拡散板とを用いた構造などが考えられる。第2の光源7は、2次元表示モードと3次元表示モードとの切り替えに応じて、オン(点灯)・オフ(非点灯)制御されるようになっている。具体的には第2の光源7は、表示部1に3次元画像データに基づく画像を表示する場合(3次元表示モードの場合)には非点灯状態に制御されると共に、表示部1に2次元画像データに基づく画像を表示する場合(2次元表示モードの場合)には点灯状態に制御されるようになっている。
【0019】
導光板3は、例えばアクリル樹脂等による透明なプラスチック板により構成されている。導光板3は、第2の内部反射面3B以外の面は、全面に亘って透明とされている。例えば、導光板3の平面形状が四角形である場合、第1の内部反射面3Aと、4つの側面とが全面に亘って透明とされている。
【0020】
第1の内部反射面3Aは、全面に亘って鏡面加工がなされており、導光板3内部において全反射条件を満たす入射角で入射した光線を内部全反射させると共に、全反射条件から外れた光線を外部に射出するようになっている。
【0021】
第2の内部反射面3Bは、散乱エリア31と全反射エリア32とを有している。散乱エリア31は、後述するように、導光板3の表面にレーザ加工、サンドブラスト加工、塗装加工、またはシート状の光散乱部材を貼り付けるなどすることで形成されている。第2の内部反射面3Bにおいて、散乱エリア31は3次元表示モードにしたときに、第1の光源2からの第1の照明光L1に対してパララックスバリアとしての開口部(スリット部)として機能し、全反射エリア32は遮蔽部として機能するようになっている。第2の内部反射面3Bにおいて、散乱エリア31と全反射エリア32は、パララックスバリアに相当する構造となるようなパターンで設けられている。すなわち、全反射エリア32はパララックスバリアにおける遮蔽部に相当するパターンで設けられ、散乱エリア31はパララックスバリアにおける開口部に相当するパターンで設けられている。なお、パララックスバリアのバリアパターンとしては例えば、縦長のスリット状の開口部が遮蔽部を介して水平方向に多数、並列配置されたようなストライプ状のパターン等、種々のタイプのものを用いることができ、特定のものには限定されない。
【0022】
第1の内部反射面3Aと第2の内部反射面3Bにおける全反射エリア32は、全反射条件を満たす入射角θ1で入射した光線を内部全反射させる(所定の臨界角αよりも大きい入射角θ1で入射した光線を内部全反射させる)ようになっている。これにより、全反射条件を満たす入射角θ1で入射した第1の光源2からの第1の照明光L1は、第1の内部反射面3Aと第2の内部反射面3Bにおける全反射エリア32との間で、内部全反射により側面方向に導光されるようになっている。全反射エリア32はまた、図2または図3に示したように、第2の光源7からの第2の照明光L10を透過させ、第1の内部反射面3Aに向けて全反射条件を外れた光線として射出するようになっている。
【0023】
なお、導光板3の屈折率をn1、導光板3の外側の媒質(空気層)の屈折率をn0(<n1)とすると臨界角αは、以下で表される。α,θ1は、導光板表面の法線に対する角度とする。全反射条件を満たす入射角θ1は、θ1>αとなる。
sinα=n0/n1
【0024】
散乱エリア31は、図1に示したように、第1の光源2からの第1の照明光L1を散乱反射させ、第1の照明光L1の少なくとも一部の光を第1の内部反射面3Aに向けて全反射条件を外れた光線(散乱光線L20)として射出するようになっている。
【0025】
[導光板3を支持する構造の例]
次に、図4(A),4(B)を参照して、第2のフレーム6Bが導光板3を支持する構造の一例について説明する。図4(A)は、本実施の形態の表示装置のうちの照明装置を表す平面図であり、第2のフレーム6Bと導光板3との位置関係を表すものである。図4(B)は、図4(A)に示した直線XLに沿った断面を表している。なお、図4(A),4(B)では、第1の光源2および第2の光源7の図示を省略している。導光板3は、第1および第2の支持部61,62によって第2のフレーム6Bに支持されている。
【0026】
第1および第2の支持部61,62は、図4(A)に示したように、例えばそれぞれ2つずつ設けられ、いずれも、導光板3の周縁部に位置する。一対の第1の支持部61は、例えば画面垂直方向に対応するY軸方向(第1の方向)への導光板3の変位を制限しつつ、画面水平方向に対応するX軸方向(第2の方向)への導光板3の変位を許容するものである。一方、一対の第2の支持部62は、X軸方向への導光板3の変位を制限しつつ、Y軸方向への導光板3の変位を許容するものである。また、一対の第1の支持部61は、X軸方向に伸びる同一の直線XL上に配置されており、一対の第2の支持部62は、Y軸方向に伸びる同一の直線YL上に配置されている。また、第1の支持部61は、例えばY軸方向における導光板3の中心位置に配置され、第2の支持部62は、X軸方向における導光板3の中心位置に配置されている。
【0027】
第1および第2の支持部61,62は、例えば、第2のフレーム6Bに立設し固定された突起部61A,62Aと、導光板3に設けられ、突起部61A,62AをX軸方向またはY軸方向へそれぞれ案内するガイド部61B,62Bとをそれぞれ有している。第1の支持部61におけるガイド部61Bは、例えばX軸方向に伸びる切り欠きであり、第2の支持部62におけるガイド部62Bは、Y軸方向に伸びる切り欠きである。突起部61A,62Aは、ガイド部61B,62Bとしての切り欠きに係合している。ここで、第1の支持部61では、Y軸方向における、突起部61Aの寸法とガイド部61Bの寸法とがほぼ一致している一方、X軸方向におけるガイド部61Bの寸法は、X軸方向における突起部61Aの寸法よりも十分に大きい。すなわち、Y軸方向においては、突起部61Aの外面とガイド部61Bの内面とが接する状態にある一方、X軸方向においては多少の遊びが生じている。これに対し、第2の支持部62では、X軸方向における、突起部62Aの寸法とガイド部62Bの寸法とがほぼ一致している一方、Y軸方向におけるガイド部61Bの寸法は、Y軸方向における突起部61Aの寸法よりも十分に大きい。すなわち、X軸方向においては、突起部61Aの外面とガイド部61Bの内面とが接する状態にある一方、Y軸方向においては多少の遊びが生じている。
【0028】
このような構造を有することで、例えば加熱および冷却によって導光板3が膨張および収縮を生じる場合、導光板3の各部分は、直線XLと直線YLとが交差する位置(中心位置)CPを中心とした変位を生じることとなる。すなわち、導光板3のうち直線XL上に位置する部分は、第1の支持部61の存在により、X軸方向へ変位するもののY軸方向へ実質的に変位することはない。一方、導光板3のうち直線YL上に位置する部分は、第2の支持部62の存在により、Y軸方向へ変位するもののX軸方向へ実質的に変位することはない。よって、導光板3における中心位置CPではいずれの方向へも移動が生じないからである。
【0029】
なお、導光板3が熱膨張を生じた際には、導光板3は、中心位置CPを中心として外側へ広がるように変位する。導光板3が冷却されて収縮する場合は、中心位置CPへ集まるように変位する。したがって、中心位置CPに近い部分ほど変位は小さい。よって、第1の支持部61を、Y軸方向における導光板3の中心位置に配置し、第2の支持部62を、X軸方向における導光板3の中心位置に配置するとよい。表示部1に対する導光板3の全体の変位を、バランスよく低減することができるからである。
【0030】
[散乱エリア31の構成例]
図5(A)は、導光板3における第2の内部反射面3Bの第1の構成例を示している。図5(B)は図5(A)に示した第1の構成例における第2の内部反射面3Bでの光線の反射状態および散乱状態を模式的に示している。この第1の構成例は、散乱エリア31を、全反射エリア32に対して凹形状の散乱エリア31Aにした構成例である。このような凹形状の散乱エリア31Aは例えば、サンドブラスト加工やレーザ加工により形成することができる。例えば、導光板3の表面を鏡面加工した後、散乱エリア31Aに対応する部分をレーザ加工することで形成することができる。この第1の構成例の場合、第2の内部反射面3Bにおいて、全反射条件を満たす入射角θ1で入射した第1の光源2からの第1の照明光L11は、全反射エリア32で内部全反射される。一方、凹形状の散乱エリア31Aでは、全反射エリア32と同じ入射角θ1で入射したとしても、入射した第1の照明光L12の光線の一部が凹形状の側面部分33では全反射条件を満たさなくなり、一部が散乱透過し、その他は散乱反射する。この散乱反射した光線(散乱光線L20)の一部またはすべてが、図1に示したように、第1の内部反射面3Aに向けて全反射条件を外れた光線として射出される。
【0031】
図6(A)は、導光板3における第2の内部反射面3Bの第2の構成例を示している。図6(B)は図6(A)に示した第2の構成例における第2の内部反射面3Bでの光線の反射状態および散乱状態を模式的に示している。この第2の構成例は、散乱エリア31を、全反射エリア32に対して凸形状の散乱エリア31Bにした構成例である。このような凸形状の散乱エリア31Bは例えば、導光板3の表面を金型による成型加工することで形成することができる。この場合、金型の表面により全反射エリア32に対応する部分については鏡面加工を行う。この第2の構成例の場合、第2の内部反射面3Bにおいて、全反射条件を満たす入射角θ1で入射した第1の光源2からの第1の照明光L11は、全反射エリア32で内部全反射される。一方、凸形状の散乱エリア31Bでは、全反射エリア32と同じ入射角θ1で入射したとしても、入射した第1の照明光L12の光線の一部が凸形状の側面部分34では全反射条件を満たさなくなり、一部が散乱透過し、その他は散乱反射する。この散乱反射した光線(散乱光線L20)の一部またはすべてが、図1に示したように、第1の内部反射面3Aに向けて全反射条件を外れた光線として射出される。
【0032】
図7(A)は、導光板3における第2の内部反射面3Bの第3の構成例を示している。図7(B)は図7(A)に示した第3の構成例における第2の内部反射面3Bでの光線の反射状態および散乱状態を模式的に示している。図5(A)および図6(A)の構成例では、導光板3の表面を全反射エリア32とは異なる形状に表面加工することにより散乱エリア31を形成するようにした。これに対して図7(A)の構成例による散乱エリア31Cは、表面加工ではなく、第2の内部反射面3Bに対応する導光板3の表面に、導光板3の材料とは異なる材料による光散乱部材35を配置したものである。この場合、光散乱部材35として例えば白色塗料(例えば硫酸バリウム)をスクリーン印刷で導光板3の表面にパターニングすることで散乱エリア31Cを形成することができる。この第3の構成例の場合、第2の内部反射面3Bにおいて、全反射条件を満たす入射角θ1で入射した第1の光源2からの第1の照明光L11は、全反射エリア32で内部全反射される。一方、光散乱部材35を配置した散乱エリア31Cでは、全反射エリア32と同じ入射角θ1で入射したとしても、入射した第1の照明光L12が光散乱部材35によって一部が散乱透過し、その他は散乱反射する。この散乱反射した光線の一部またはすべてが、第1の内部反射面3Aに向けて全反射条件を外れた光線として射出される。
【0033】
[表示装置の基本動作]
この表示装置において、3次元表示モードでの表示を行う場合、表示部1には3次元画像データに基づく画像表示を行うと共に、第1の光源2と第2の光源7とを3次元表示用にオン(点灯)・オフ(非点灯)制御する。具体的には、図1に示したように、第1の光源2をオン(点灯)状態にすると共に、第2の光源7をオフ(非点灯)状態に制御する。この状態では、第1の光源2からの第1の照明光L1は、導光板3において第1の内部反射面3Aと第2の内部反射面3Bの全反射エリア32との間で、繰り返し内部全反射されることにより、第1の光源2が配置された側の一方の側面から、対向する他方の側面へと導光され、他方の側面から射出される。その一方で、第1の光源2による第1の照明光L1の一部が、導光板3の散乱エリア31で散乱反射されることで、導光板3の第1の内部反射面3Aを透過し、導光板3の外部に射出される。これにより、導光板自体にパララックスバリアとしての機能を持たせることが可能となる。すなわち、第1の光源2による第1の照明光L1に対しては、等価的に、散乱エリア31を開口部(スリット部)とし、全反射エリア32を遮蔽部とするようなパララックスバリアとして機能させることができる。これにより、等価的に、表示部1の背面側にパララックスバリアを配置したパララックスバリア方式による3次元表示が行われる。
【0034】
一方、2次元表示モードでの表示を行う場合には、表示部1には2次元画像データに基づく画像表示を行うと共に、第1の光源2と第2の光源7とを2次元表示用にオン(点灯)・オフ(非点灯)制御する。具体的には、例えば図2に示したように、第1の光源2をオフ(非点灯)状態にすると共に、第2の光源7をオン(点灯)状態に制御する。この場合、第2の光源7による第2の照明光L10が、第2の内部反射面3Bにおける全反射エリア32を透過することで、第1の内部反射面3Aのほぼ全面から、全反射条件を外れた光線となって導光板3の外部に射出される。すなわち導光板3は、通常のバックライトと同様の面状光源として機能する。これにより、等価的に、表示部1の背面側に通常のバックライトを配置したバックライト方式による2次元表示が行われる。
【0035】
なお、第2の光源7のみを点灯させたとしても導光板3のほぼ全面から、第2の照明光L10が射出されるが、必要に応じて、図3のように第1の光源2を点灯するようにしても良い。これにより、例えば、第2の光源7のみを点灯しただけでは、散乱エリア31と全反射エリア32とに対応する部分で輝度分布に差が生じるような場合、第1の光源2の点灯状態を適宜調整する(オン・オフ制御、または点灯量の調整をする)ことで全面に亘って輝度分布を最適化することが可能である。ただし、2次元表示を行う場合において、例えば表示部1側で十分に輝度の補正を行える場合には、第2の光源7のみの点灯で構わない。
【0036】
[視点画像の割り当てパターンと散乱エリア31の配置パターンとの対応関係]
この表示装置では、3次元表示モードでの表示を行う場合、表示部1には複数の視点画像を所定の割り当てパターンで各画素に割り当てて表示する。導光板3における複数の散乱エリア31は、その所定の割り当てパターンに対応した所定の配置パターンで設けられている。
【0037】
以下、視点画像の割り当てパターンと散乱エリア31の配置パターンとの対応関係の具体例を説明する。表示部1の画素構造は、図8に示したように、赤色用画素11R、緑色用画素11G、および青色用画素11Bからなる画素を複数有し、それら複数の画素が第1の方向(垂直方向)および第2の方向(水平方向)にマトリクス状に配置されているものとする。水平方向に3つの色の各画素11R,11G,11Bが周期的に交互に配列され、垂直方向には同一色の各画素11R,11G,11Bが配列されている。この画素構造の場合、表示部1に通常の2次元画像を表示する状態(2次元表示モード)では、水平方向に連続する3つの色の各画素11R,11G,11Bの組み合わせが、2次元のカラー表示を行うための1画素(2Dカラー表示の1単位画素)となる。図9では、2Dカラー表示の1単位画素を、水平方向に6画素分、垂直方向に3画素分、図示している。
【0038】
図9(A)は図8の画素構造において、表示部1の各画素に2つの視点画像(第1および第2の視点画像)を割り当てた場合の割り当てパターンと散乱エリア31の配置パターンとの対応関係の一例を示している。図9(B)は図9(A)のA−A’部分の断面に相当している。図9(B)では、2つの視点画像の分離状態を模式的に示している。この例では、2Dカラー表示の1単位画素を、1つの視点画像を表示するための1画素として割り当てている。そして、第1の視点画像と第2の視点画像とを水平方向に交互に表示するように画素を割り当てている。従って、2Dカラー表示の1単位画素を水平方向に2つ分、組み合わせたものが、3次元表示としての1単位画像(1立体画素)となる。図9(B)に示したように、第1の視点画像が観察者の右眼10Rのみに到達し、第2の視点画像が観察者の右眼10Rのみに到達する状態となることで、立体視が行われる。この例では、散乱エリア31の水平方向の配置位置が、3次元表示としての1単位画像の略中央部分に位置するように配置されている。
【0039】
ここで、散乱エリア31の水平方向の幅D1は、1つの視点画像を表示するための1画素の幅D2に対して所定の関係を有する大きさとされている。具体的には、散乱エリア31の幅D1は、幅D2に対して0.5倍以上1.5倍以下の大きさであることが好ましい。散乱エリア31の幅D1が大きくなるほど、散乱エリア31で散乱される光の量が多くなり、導光板3から射出する光の量が増加する。このため、輝度を増加させることができる。ただし、散乱エリア31の幅D1が、幅D2の1.5倍を超えると、複数の視点画像からの光が混じって観察されてしまう、いわゆるクロストークが生じるので好ましくない。逆に、散乱エリア31の幅D1が小さくなるほど、散乱エリア31で散乱される光の量が少なくなり、導光板3から射出する光の量が減少する。このため、輝度が低減する。散乱エリア31の幅D1が、幅D2の0.5倍を下回ると、輝度が低くなりすぎて画像表示として暗くなりすぎてしまうので、好ましくない。
【0040】
[効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る表示装置によれば、照明装置において、導光板3を第1および第2の支持部61,62によって支持するようにした。これにより、導光板3の熱膨張(収縮)が生じた場合であっても、初期位置からの導光板3の全体的な移動を回避することができる。具体的には、導光板3が熱膨張(収縮)を生じても、その中心位置CPが第2のフレーム6Bに対して相対的に変化しないうえ、中心位置CPに近い部分ほど変位が小さくなる。これは、一対の第1の支持部61が、導光板3の変位を、Y軸方向において制限しつつX軸方向において許容し、一対の第2の支持部62が、導光板3の変位を、X軸方向において制限しつつY軸方向において許容するからである。
【0041】
また、一対の第1の支持部61がいずれも直線XL上に位置するようにしたので、Y軸方向における導光板3の変位に伴う歪みを生じさせない。仮に、一対の第1の支持部61がY軸方向においてギャップを有していた場合、導光板3のうちのそれらに挟まれた部分が膨張・収縮を生じることで、その部分に応力が発生してしまう。一対の第1の支持部61は、いずれもY軸方向への導光板3の変位を制限しているからである。
【0042】
このように、本実施の形態の照明装置によれば、自らの薄型化を妨げることなく、熱膨張時における導光板3の変位を低減することができる。よって、この照明装置を搭載した表示装置によれば、薄型化を実現しつつ、導光板3と表示部1との相対位置を比較的正確に維持することができるので、薄型でありながら良好な立体映像を形成することができる。特に、中心位置CPを表示部1の有効表示領域における中心位置と一致させれば、観察者にとってより快適な立体映像の実現が期待できる。
【0043】
<第2の実施の形態>
次に、本開示の第2の実施の形態に係る表示装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態に係る表示装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0044】
上記第1の実施の形態では、照明装置において、第1の支持部61のガイド部61Bの案内方向をX軸方向と一致させ、かつ、第2の支持部62のガイド部62Bの案内方向をY軸方向と一致させるようにした。これは、導光板3において、パララックスバリアを形成する散乱エリア31および全反射エリア32がY軸方向に延在すると共にX軸方向に並ぶような構成(いわゆるストライプバリア構造)を採用したためである。
【0045】
[照明装置の構成例]
本実施の形態では、図10に示したように、導光板3においていわゆる斜めバリア構造を採用し、それに応じてガイド部61B,62Bの案内方向をX軸方向およびY軸方向に対して傾斜させるようにした。図10は、本実施の形態の表示装置における照明装置の要部構成を表す平面図であり、図4(A)に対応するものである。
【0046】
本実施の形態では、画面垂直方向であるY軸方向から角度θだけ傾いたY1方向に沿って散乱エリア31および全反射エリア32が延在している。これに伴い、一対の第1の支持部61は、導光板3の周縁部分のうちのY1方向と直交するX1方向に沿った直線XL1上に配置されている。また、第1の支持部61のガイド部61Bは、X1方向に沿って突起部61Aを案内する形状を有している。一方、一対の第2の支持部62は、導光板3の周縁部分のうちのY1方向に沿った直線YL1上に配置されている。また、第2の支持部62のガイド部62Bは、Y1方向に沿って突起部62Aを案内する形状を有している。
【0047】
[効果]
本実施の形態では、例えば加熱および冷却によって導光板3が膨張および収縮を生じる場合、導光板3の各部分は、直線XL1と直線YL1とが交差する位置(中心位置)CP1を中心とした変位を生じることとなる。この場合、導光板3における中心位置CP1は、いずれの方向へも移動しない。よって、本実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。また、本実施の形態では、導光板3において形成されるパララックスバリアの方向に応じて第1および第2の支持部61,62を配置するようにした。このため、対応する表示画素とパララックスバリアとの相対位置の変位のばらつき(偏り)を十分に低減することができる。したがって、より視認性に優れた立体映像を形成することができる。
【0048】
<適用例>
次に、上記した照明装置を有する表示装置の適用例について説明する。
【0049】
本技術の表示装置は、各種用途の電子機器に適用可能であり、その電子機器の種類は特に限定されない。この表示装置は、例えば、以下の電子機器に搭載可能である。ただし、以下で説明する電子機器の構成はあくまで一例であるため、その構成は適宜変更可能である。
【0050】
図11は、テレビジョン装置の外観構成を表している。このテレビジョン装置は、例えば、表示装置としての映像表示画面部200を備えている。映像表示画面部200は、フロントパネル210およびフィルターガラス220を含むものである。
【0051】
本技術の表示装置は、図11に示したテレビジョン装置のほか、例えばタブレット型パーソナルコンピュータ(PC)、ノート型PC、モバイルフォン、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラあるいはカーナビゲーションシステムにおける映像表示部分として用いることができる。
【0052】
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態等では、第1および第2の支持部61,62を2つずつ設けるようにしたが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば図12に示したように、例えば第2の支持部62のうちの一方を1つのみ設けるようにしてもよい。ここで、一の第2の支持部62におけるガイド部62Bは、例えばY軸方向に突起部62Aを案内するようになっている。この場合であっても、一の第2の支持部62の存在により、X軸方向の導光板3の変位が中心位置CPを中心として生じ、直線YLの右側と左側との変位のバランスが確保される。また、例えばY軸方向を鉛直方向とした場合、導光板3の自重を一対の第1の支持部61によってバランスよく支えることができる。その際、Y軸方向の導光板3の変位は、直線XLを中心として、上下方向にバランスよく生じることとなる。なお、第2の支持部62の替わりに、例えば下方(−Y方向)へ導光板3を付勢する付勢部材63(弾性体もしくはばねなど)を設けることで、導光板3のがたつきを抑えるようにしてもよい。図12では、弾性体からなる付勢部材63を、導光板3と第2のフレーム6Bの壁部6Wとの間に2つ配置した例を示しているが、付勢部材63の配置位置や個数はこれに限定されるものではない。
【0053】
また、上記実施の形態では、第1および第2の支持部61,62におけるガイド部61B,62Bを切り欠きとしたが、これに限定されるものではない。例えば、図13および図14に示したように、それぞれ第2および第1の方向へ伸びる溝や開口であってもよい。また、第1および第2の支持部61,62において、突起部61A,62Aを第2のフレーム6Bに立設させるようにしたが、それらを導光板3に設けるようにしてもよい。その場合、ガイド部61B,62Bを第2のフレーム6Bに設けるようにすればよい。
【0054】
また、本技術は以下のような構成を取り得るものである。
(1)
表示装置用の照明装置であって、
互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、
前記導光板を支持する基体と、
前記導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部と
を有し、
前記第1の支持部は、前記第1の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第2の方向への前記導光板の変位を許容するものであり、
前記第2の支持部は、前記第2の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第1の方向への前記導光板の変位を許容するものである
照明装置。
(2)
複数の前記第1の支持部は、前記第2の方向に伸びる同一直線上に配置されている
上記(1)記載の照明装置。
(3)
複数の前記第2の支持部は、前記第1の方向に伸びる同一直線上に配置されている
上記(2)記載の照明装置。
(4)
前記第1の支持部は、前記第1の方向における前記導光板の中心位置に配置され、
前記第2の支持部は、前記第2の方向における前記導光板の中心位置に配置されている
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の照明装置。
(5)
前記第1および第2の支持部は、それぞれ、
前記導光板または前記基体のいずれか一方に設けられた突起部と、
前記導光板または前記基体の他方に設けられ、前記突起部を前記第2の方向または前記第1の方向へ案内するガイド部と
を有する
上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の照明装置。
(6)
前記第1の支持部における前記ガイド部は、前記第2の方向に伸びる溝、切り欠き、または開口であり、
前記第2の支持部における前記ガイド部は、前記第1の方向に伸びる溝、切り欠き、または開口である
上記(5)記載の照明装置。
(7)
前記第1および第2の支持部は、前記導光板の周縁部に位置する
上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の照明装置。
(8)
前記導光板の内部へ向けて照明光を照射する光源をさらに備え、
前記導光板は、互いに対向する第1の内部反射面と第2の内部反射面とを有し、
前記第1および第2の内部反射面のうちの少なくとも一方に、前記光源からの前記照明光を散乱させて前記導光板の外部へ射出させる複数の散乱エリアが設けられている
上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の照明装置。
(9)
照明装置と、
前記照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部と
を備え、
前記照明装置は、
互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、
前記導光板を支持する基体と、
前記導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部と
を有し、
前記第1の支持部は、前記第1の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第2の方向への前記導光板の変位を許容するものであり、
前記第2の支持部は、前記第2の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第1の方向への前記導光板の変位を許容するものである
表示装置。
(10)
前記基体は、前記表示部をも支持している
上記(9)記載の表示装置。
(11)
表示装置を備えた電子機器であって、
前記表示装置は、
照明装置と、
前記照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部と
を含み、
前記照明装置は、
互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、
前記導光板を支持する基体と、
前記導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部と
を有し、
前記第1の支持部は、前記第1の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第2の方向への前記導光板の変位を許容するものであり、
前記第2の支持部は、前記第2の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第1の方向への前記導光板の変位を許容するものである
電子機器。
【符号の説明】
【0055】
1…表示部、2…第1の光源(2D/3D表示用光源)、3…導光板、3A…第1の内部反射面、3B…第2の内部反射面、6…保持フレーム、6A…第1のフレーム、6B…第2のフレーム、7…第2の光源(2D表示用光源)、8…スペーサ、10L…左眼、10R…右眼、11R…赤色表示用画素、11G…緑色表示用画素、11B…青色表示用画素、31…散乱エリア、32…全反射エリア、33…凹形状の側面部分、34…凸形状の側面部分、35…光散乱部材、200…映像表示画面部、210…フロントパネル、220…フィルターガラス、L1,L11,L12…第1の照明光、L10…第2の照明光,L20…散乱光線、θ1…入射角、CP…中心位置。
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置、その表示装置を備えた電子機器、および、その表示装置に搭載される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の表示装置としては、例えばプラズマディスプレイや有機ELディスプレイなどの自発光型の表示装置のほか、例えば液晶ディスプレイなどの非発光型の表示装置が知られている。それらのうちの液晶ディスプレイは、例えば透過型の光変調素子としての液晶パネルと、その液晶パネルに照明光を照射するバックライト装置とを備える。液晶パネルでは、バックライト装置からの照明光の透過率を制御することにより、所定の映像を表示するようになっている。
【0003】
ところで、近年、表示装置に対する薄型化の要請が強まっている。そこで、液晶パネルの背後(表示面と反対側)に導光板を配置し、その導光板の端面と対向するようにバックライト装置の光源を配置する構造が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
【0004】
ところが、光源と導光板との距離が近すぎると、光源が発光する際の熱に起因して、導光板の膨張や歪みが生じる場合があった。このような問題を解決するものとして、例えば特許文献3に記載の構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−110811号公報
【特許文献2】特開2009−32664号公報
【特許文献3】特開2011−150264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3記載の構造では、導光板が、その膨張により液晶パネルに対して全体的に移動してしまうこととなる。すなわち、導光板と液晶パネルとの面内方向における相対位置が、導光板の熱膨張によりずれてしまう。このような相対位置ずれは、例えば立体映像を表示する場合、その表示性能が劣化するという問題を招く。立体映像表示の際には、液晶パネルにおける表示画素とパララックスバリアとの相対位置が高い精度で維持される必要があるが、導光板がパララックスバリアとしての機能をも発揮する場合も想定されるからである。また、導光板と液晶パネルとを接着する方法も考えられるが、両者の構成材料が異なる場合には、熱膨張係数の差により接着面などに不要な応力が発生し、導光板もしくは液晶パネルの反りや歪みが生じる。そのため、映像の劣化を招く。特に表示面積の大きな表示装置では、このような問題は顕著に現れる。
【0007】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、薄型かつ簡素な構成でありながら良好な立体映像を形成可能な表示装置、その表示装置を備えた電子機器、および、その表示装置に好適に搭載される照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の照明装置は、表示装置用のものであって、互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、この導光板を支持する基体と、導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部とを有する。第1の支持部は、第1の方向への導光板の変位を制限しつつ第2の方向への導光板の変位を可能とするものであり、第2の支持部は、第2の方向への導光板の変位を制限しつつ第1の方向への導光板の変位を可能とするものである。
【0009】
本開示の表示装置は、上記の照明装置と、その照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部とを備えるものである。また、本開示の電子機器は、上記表示装置を備えたものである。
【0010】
本開示の照明装置では、第1の方向への導光板の変位を制限しつつ第2の方向への導光板の変位を可能とする第1の支持部と、第2の方向への導光板の変位を制限しつつ第1の方向への導光板の変位を可能とする第2の支持部とを設けるようにした。これにより、導光板の熱膨張が生じた場合であっても、初期位置からの導光板の全体的な移動が抑制される。導光板のうち、第2の方向において第1の支持部を通過する延長線(便宜上、第1の延長線と呼ぶ。)上に位置する部分は、第2の方向へ移動するものの、第1の方向へ移動することはない。一方、導光板のうち、第1の方向において第2の支持部を通過する延長線(便宜上、第2の延長線と呼ぶ。)上に位置する部分は、第1の方向へ移動するものの、第2の方向へ移動することはない。よって、導光板のうち、第1の支持部を通過する第2の方向への延長線(第1の延長線)と第2の支持部を通過する第1の方向への延長線(第2の延長線)とが交差する位置(中心位置)ではいずれの方向へも移動が生じないからである。また、導光板が熱膨張を生じた際には、導光板は、第1の延長線と第2の延長線とが交差する中心部分を中心として外側へ広がるように変位する。反対に、導光板が冷却され、収縮を生じた際には、導光板は中心部分を中心として収束するように変位する。このように、導光板は、その中心部分を中心として可逆的に振る舞うこととなる。このとき、中心位置に近い部分ほど、変位は小さくなる。
【発明の効果】
【0011】
本開示の照明装置によれば、薄型化を妨げることなく、熱膨張時における導光板の変位を低減することができる。よって、この照明装置を搭載した表示装置および電子機器によれば、薄型化を実現しつつ、導光板と表示部との相対位置を比較的正確に維持することができるので、薄型でありながら良好な立体映像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の一構成例を、第1の光源のみをオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態と共に示す断面図である。
【図2】図1に示した表示装置の一構成例を、第2の光源のみをオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態と共に示す断面図である。
【図3】図1に示した表示装置の一構成例を、第1の光源および第2の光源の双方をオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態と共に示す断面図である。
【図4】図1に示した表示装置の一構成例における要部を表す平面図および断面図である。
【図5】図1に示した表示装置における導光板表面の第1の構成例を示す断面図、および、その導光板表面での光線の散乱反射状態を模式的に示す説明図である。
【図6】図1に示した表示装置における導光板表面の第2の構成例を示す断面図、および、その導光板表面での光線の散乱反射状態を模式的に示す説明図である。
【図7】図1に示した表示装置における導光板表面の第3の構成例を示す断面図、および、その導光板表面での光線の散乱反射状態を模式的に示す説明図である。
【図8】表示部の画素構造の一例を示す平面図である。
【図9】図8の画素構造において、2つの視点画像を割り当てた場合の割り当てパターンと散乱エリアの配置パターンとの対応関係の第1の例を示す平面図および断面図である。
【図10】本開示の第2の実施の形態に係る表示装置の一構成例における要部を表す平面図である。
【図11】表示装置を用いた電子機器としてのテレビジョン装置の構成を表す斜視図である。
【図12】図1に示した表示装置の他の構成例(変形例1)における要部を表す平面図である。
【図13】図1に示した表示装置の他の構成例(変形例2)における要部を表す平面図である。
【図14】図1に示した表示装置の他の構成例(変形例3)における要部を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
<第1の実施の形態>
[表示装置の全体構成]
図1から図3は、本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の一構成例を示している。この表示装置は、画像表示を行う表示部1と、表示部1の背面側に配置され、表示部1に向けて画像表示用の光を射出する照明装置とを備えている。照明装置は、第1の光源2(2D/3D表示用光源)と、導光板3と、第2の光源7(2D表示用光源)とを備えている。導光板3は、表示部1と対向して配置される第1の内部反射面3Aと、第2の光源7と対向して配置される第2の内部反射面3Bとを有している。表示部1と導光板3とは、相互に対向するように保持フレーム6によって保持されている(図1)。保持フレーム6は、表示部1を保持する第1のフレーム6Aと、導光板3を保持する第2のフレーム6Bとが、ねじ(図示せず)などによって接合されたものである。導光板3は、導光板3および第2のフレーム6Bの各々の一部に設けられた2種類の支持部(後出の第1および第2の支持部61,62)によって第2のフレーム6Bに支持されている。第2のフレーム6Bもまた、照明装置の構成要素である。なお、図2,3では、保持フレーム6の図示を省略している。また、表示部1と導光板3とは対向配置されているものの、相互に接着剤等で固着されているわけではない。よって、表示部1と導光板3との間には、微小な空間が生じている。但し、図1では、光線の経路を説明するため、その空間の厚さ(すなわち、表示部1と導光板3とのギャップ)を、表示部1や導光板3の厚さに対して相対的に大きく描いている。また、この表示装置は、その他にも、表示に必要な表示部1の制御を行う制御回路等を備えているが、その構成は一般的な表示用の制御回路等と同様であるので、その説明を省略する。また、光源デバイスは、図示しないが、第1の光源2および第2の光源7のオン(点灯)・オフ(非点灯)制御を行う制御回路を備えている。
【0015】
この表示装置は、全画面での2次元(2D)表示モードと、全画面での3次元(3D)表示モードとを任意に選択的に切り替えることが可能とされている。2次元表示モードと3次元表示モードとの切り替えは、表示部1に表示する画像データの切り替え制御と、第1の光源2および第2の光源7のオン・オフの切り替え制御とを行うことで可能となっている。図1は、第1の光源2のみをオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態を模式的に示しているが、これは3次元表示モードに対応している。図2は、第2の光源7のみをオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態を模式的に示しているが、これは2次元表示モードに対応している。また、図3は、第1の光源2および第2の光源7の双方をオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態を模式的に示しているが、これも2次元表示モードに対応している。
【0016】
表示部1は、透過型の2次元表示パネル、例えば透過型の液晶表示パネルを用いて構成され、例えば図8に示したように、R(赤色)表示用画素11R、G(緑色)表示用画素11G、およびB(青色)表示用画素11Bからなる画素を複数有し、それら複数の画素がマトリクス状に配置されている。表示部1は、光源デバイスからの光を画像データに応じて画素ごとに変調させることで2次元的な画像表示を行うようになっている。表示部1には、3次元画像データに基づく複数の視点画像と2次元画像データに基づく画像とが任意に選択的に切り替え表示されるようになっている。なお、3次元画像データとは、例えば、3次元表示における複数の視野角方向に対応した複数の視点画像を含むデータである。例えば2眼式の3次元表示を行う場合、右眼表示用と左眼表示用の視点画像のデータである。3次元表示モードでの表示を行う場合には、例えば、1画面内にストライプ状の複数の視点画像が含まれる合成画像を生成して表示する。なお、表示部1の各画素に複数の視点画像を割り当てる、その割り当てパターンと散乱エリア31の配置パターンとの対応関係の具体例は後に詳述する。
【0017】
第1の光源2は、例えば、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)等の蛍光ランプや、LED(Light Emitting Diode)を用いて構成されている。第1の光源2は、導光板3内部に向けて側面方向から第1の照明光L1(図1)を照射するようになっている。第1の光源2は、導光板3の側面に少なくとも1つ配置されている。例えば、導光板3の平面形状が四角形である場合、側面は4つとなるが、第1の光源2は、少なくともいずれか1つの側面に配置されていれば良い。図1では、導光板3における互いに対向する2つの側面に第1の光源2を配置した構成例を示している。第1の光源2は、2次元表示モードと3次元表示モードとの切り替えに応じて、オン(点灯)・オフ(非点灯)制御されるようになっている。具体的には第1の光源2は、表示部1に3次元画像データに基づく画像を表示する場合(3次元表示モードの場合)には点灯状態に制御されると共に、表示部1に2次元画像データに基づく画像を表示する場合(2次元表示モードの場合)には非点灯状態または点灯状態に制御されるようになっている。
【0018】
第2の光源7は、導光板3に対して第2の内部反射面3Bが形成された側に対向配置されている。第2の光源7は、第2の内部反射面3Bに向けて外側から第2の照明光L10を照射するようになっている(図2、図3参照)。第2の光源7は、一様な面内輝度の光を発する面状光源であれば良く、その構造自体は特定のものには限定されず、市販の面状バックライトを使用することが可能である。例えばCCFLやLED等の発光体と、面内輝度を均一化するための光拡散板とを用いた構造などが考えられる。第2の光源7は、2次元表示モードと3次元表示モードとの切り替えに応じて、オン(点灯)・オフ(非点灯)制御されるようになっている。具体的には第2の光源7は、表示部1に3次元画像データに基づく画像を表示する場合(3次元表示モードの場合)には非点灯状態に制御されると共に、表示部1に2次元画像データに基づく画像を表示する場合(2次元表示モードの場合)には点灯状態に制御されるようになっている。
【0019】
導光板3は、例えばアクリル樹脂等による透明なプラスチック板により構成されている。導光板3は、第2の内部反射面3B以外の面は、全面に亘って透明とされている。例えば、導光板3の平面形状が四角形である場合、第1の内部反射面3Aと、4つの側面とが全面に亘って透明とされている。
【0020】
第1の内部反射面3Aは、全面に亘って鏡面加工がなされており、導光板3内部において全反射条件を満たす入射角で入射した光線を内部全反射させると共に、全反射条件から外れた光線を外部に射出するようになっている。
【0021】
第2の内部反射面3Bは、散乱エリア31と全反射エリア32とを有している。散乱エリア31は、後述するように、導光板3の表面にレーザ加工、サンドブラスト加工、塗装加工、またはシート状の光散乱部材を貼り付けるなどすることで形成されている。第2の内部反射面3Bにおいて、散乱エリア31は3次元表示モードにしたときに、第1の光源2からの第1の照明光L1に対してパララックスバリアとしての開口部(スリット部)として機能し、全反射エリア32は遮蔽部として機能するようになっている。第2の内部反射面3Bにおいて、散乱エリア31と全反射エリア32は、パララックスバリアに相当する構造となるようなパターンで設けられている。すなわち、全反射エリア32はパララックスバリアにおける遮蔽部に相当するパターンで設けられ、散乱エリア31はパララックスバリアにおける開口部に相当するパターンで設けられている。なお、パララックスバリアのバリアパターンとしては例えば、縦長のスリット状の開口部が遮蔽部を介して水平方向に多数、並列配置されたようなストライプ状のパターン等、種々のタイプのものを用いることができ、特定のものには限定されない。
【0022】
第1の内部反射面3Aと第2の内部反射面3Bにおける全反射エリア32は、全反射条件を満たす入射角θ1で入射した光線を内部全反射させる(所定の臨界角αよりも大きい入射角θ1で入射した光線を内部全反射させる)ようになっている。これにより、全反射条件を満たす入射角θ1で入射した第1の光源2からの第1の照明光L1は、第1の内部反射面3Aと第2の内部反射面3Bにおける全反射エリア32との間で、内部全反射により側面方向に導光されるようになっている。全反射エリア32はまた、図2または図3に示したように、第2の光源7からの第2の照明光L10を透過させ、第1の内部反射面3Aに向けて全反射条件を外れた光線として射出するようになっている。
【0023】
なお、導光板3の屈折率をn1、導光板3の外側の媒質(空気層)の屈折率をn0(<n1)とすると臨界角αは、以下で表される。α,θ1は、導光板表面の法線に対する角度とする。全反射条件を満たす入射角θ1は、θ1>αとなる。
sinα=n0/n1
【0024】
散乱エリア31は、図1に示したように、第1の光源2からの第1の照明光L1を散乱反射させ、第1の照明光L1の少なくとも一部の光を第1の内部反射面3Aに向けて全反射条件を外れた光線(散乱光線L20)として射出するようになっている。
【0025】
[導光板3を支持する構造の例]
次に、図4(A),4(B)を参照して、第2のフレーム6Bが導光板3を支持する構造の一例について説明する。図4(A)は、本実施の形態の表示装置のうちの照明装置を表す平面図であり、第2のフレーム6Bと導光板3との位置関係を表すものである。図4(B)は、図4(A)に示した直線XLに沿った断面を表している。なお、図4(A),4(B)では、第1の光源2および第2の光源7の図示を省略している。導光板3は、第1および第2の支持部61,62によって第2のフレーム6Bに支持されている。
【0026】
第1および第2の支持部61,62は、図4(A)に示したように、例えばそれぞれ2つずつ設けられ、いずれも、導光板3の周縁部に位置する。一対の第1の支持部61は、例えば画面垂直方向に対応するY軸方向(第1の方向)への導光板3の変位を制限しつつ、画面水平方向に対応するX軸方向(第2の方向)への導光板3の変位を許容するものである。一方、一対の第2の支持部62は、X軸方向への導光板3の変位を制限しつつ、Y軸方向への導光板3の変位を許容するものである。また、一対の第1の支持部61は、X軸方向に伸びる同一の直線XL上に配置されており、一対の第2の支持部62は、Y軸方向に伸びる同一の直線YL上に配置されている。また、第1の支持部61は、例えばY軸方向における導光板3の中心位置に配置され、第2の支持部62は、X軸方向における導光板3の中心位置に配置されている。
【0027】
第1および第2の支持部61,62は、例えば、第2のフレーム6Bに立設し固定された突起部61A,62Aと、導光板3に設けられ、突起部61A,62AをX軸方向またはY軸方向へそれぞれ案内するガイド部61B,62Bとをそれぞれ有している。第1の支持部61におけるガイド部61Bは、例えばX軸方向に伸びる切り欠きであり、第2の支持部62におけるガイド部62Bは、Y軸方向に伸びる切り欠きである。突起部61A,62Aは、ガイド部61B,62Bとしての切り欠きに係合している。ここで、第1の支持部61では、Y軸方向における、突起部61Aの寸法とガイド部61Bの寸法とがほぼ一致している一方、X軸方向におけるガイド部61Bの寸法は、X軸方向における突起部61Aの寸法よりも十分に大きい。すなわち、Y軸方向においては、突起部61Aの外面とガイド部61Bの内面とが接する状態にある一方、X軸方向においては多少の遊びが生じている。これに対し、第2の支持部62では、X軸方向における、突起部62Aの寸法とガイド部62Bの寸法とがほぼ一致している一方、Y軸方向におけるガイド部61Bの寸法は、Y軸方向における突起部61Aの寸法よりも十分に大きい。すなわち、X軸方向においては、突起部61Aの外面とガイド部61Bの内面とが接する状態にある一方、Y軸方向においては多少の遊びが生じている。
【0028】
このような構造を有することで、例えば加熱および冷却によって導光板3が膨張および収縮を生じる場合、導光板3の各部分は、直線XLと直線YLとが交差する位置(中心位置)CPを中心とした変位を生じることとなる。すなわち、導光板3のうち直線XL上に位置する部分は、第1の支持部61の存在により、X軸方向へ変位するもののY軸方向へ実質的に変位することはない。一方、導光板3のうち直線YL上に位置する部分は、第2の支持部62の存在により、Y軸方向へ変位するもののX軸方向へ実質的に変位することはない。よって、導光板3における中心位置CPではいずれの方向へも移動が生じないからである。
【0029】
なお、導光板3が熱膨張を生じた際には、導光板3は、中心位置CPを中心として外側へ広がるように変位する。導光板3が冷却されて収縮する場合は、中心位置CPへ集まるように変位する。したがって、中心位置CPに近い部分ほど変位は小さい。よって、第1の支持部61を、Y軸方向における導光板3の中心位置に配置し、第2の支持部62を、X軸方向における導光板3の中心位置に配置するとよい。表示部1に対する導光板3の全体の変位を、バランスよく低減することができるからである。
【0030】
[散乱エリア31の構成例]
図5(A)は、導光板3における第2の内部反射面3Bの第1の構成例を示している。図5(B)は図5(A)に示した第1の構成例における第2の内部反射面3Bでの光線の反射状態および散乱状態を模式的に示している。この第1の構成例は、散乱エリア31を、全反射エリア32に対して凹形状の散乱エリア31Aにした構成例である。このような凹形状の散乱エリア31Aは例えば、サンドブラスト加工やレーザ加工により形成することができる。例えば、導光板3の表面を鏡面加工した後、散乱エリア31Aに対応する部分をレーザ加工することで形成することができる。この第1の構成例の場合、第2の内部反射面3Bにおいて、全反射条件を満たす入射角θ1で入射した第1の光源2からの第1の照明光L11は、全反射エリア32で内部全反射される。一方、凹形状の散乱エリア31Aでは、全反射エリア32と同じ入射角θ1で入射したとしても、入射した第1の照明光L12の光線の一部が凹形状の側面部分33では全反射条件を満たさなくなり、一部が散乱透過し、その他は散乱反射する。この散乱反射した光線(散乱光線L20)の一部またはすべてが、図1に示したように、第1の内部反射面3Aに向けて全反射条件を外れた光線として射出される。
【0031】
図6(A)は、導光板3における第2の内部反射面3Bの第2の構成例を示している。図6(B)は図6(A)に示した第2の構成例における第2の内部反射面3Bでの光線の反射状態および散乱状態を模式的に示している。この第2の構成例は、散乱エリア31を、全反射エリア32に対して凸形状の散乱エリア31Bにした構成例である。このような凸形状の散乱エリア31Bは例えば、導光板3の表面を金型による成型加工することで形成することができる。この場合、金型の表面により全反射エリア32に対応する部分については鏡面加工を行う。この第2の構成例の場合、第2の内部反射面3Bにおいて、全反射条件を満たす入射角θ1で入射した第1の光源2からの第1の照明光L11は、全反射エリア32で内部全反射される。一方、凸形状の散乱エリア31Bでは、全反射エリア32と同じ入射角θ1で入射したとしても、入射した第1の照明光L12の光線の一部が凸形状の側面部分34では全反射条件を満たさなくなり、一部が散乱透過し、その他は散乱反射する。この散乱反射した光線(散乱光線L20)の一部またはすべてが、図1に示したように、第1の内部反射面3Aに向けて全反射条件を外れた光線として射出される。
【0032】
図7(A)は、導光板3における第2の内部反射面3Bの第3の構成例を示している。図7(B)は図7(A)に示した第3の構成例における第2の内部反射面3Bでの光線の反射状態および散乱状態を模式的に示している。図5(A)および図6(A)の構成例では、導光板3の表面を全反射エリア32とは異なる形状に表面加工することにより散乱エリア31を形成するようにした。これに対して図7(A)の構成例による散乱エリア31Cは、表面加工ではなく、第2の内部反射面3Bに対応する導光板3の表面に、導光板3の材料とは異なる材料による光散乱部材35を配置したものである。この場合、光散乱部材35として例えば白色塗料(例えば硫酸バリウム)をスクリーン印刷で導光板3の表面にパターニングすることで散乱エリア31Cを形成することができる。この第3の構成例の場合、第2の内部反射面3Bにおいて、全反射条件を満たす入射角θ1で入射した第1の光源2からの第1の照明光L11は、全反射エリア32で内部全反射される。一方、光散乱部材35を配置した散乱エリア31Cでは、全反射エリア32と同じ入射角θ1で入射したとしても、入射した第1の照明光L12が光散乱部材35によって一部が散乱透過し、その他は散乱反射する。この散乱反射した光線の一部またはすべてが、第1の内部反射面3Aに向けて全反射条件を外れた光線として射出される。
【0033】
[表示装置の基本動作]
この表示装置において、3次元表示モードでの表示を行う場合、表示部1には3次元画像データに基づく画像表示を行うと共に、第1の光源2と第2の光源7とを3次元表示用にオン(点灯)・オフ(非点灯)制御する。具体的には、図1に示したように、第1の光源2をオン(点灯)状態にすると共に、第2の光源7をオフ(非点灯)状態に制御する。この状態では、第1の光源2からの第1の照明光L1は、導光板3において第1の内部反射面3Aと第2の内部反射面3Bの全反射エリア32との間で、繰り返し内部全反射されることにより、第1の光源2が配置された側の一方の側面から、対向する他方の側面へと導光され、他方の側面から射出される。その一方で、第1の光源2による第1の照明光L1の一部が、導光板3の散乱エリア31で散乱反射されることで、導光板3の第1の内部反射面3Aを透過し、導光板3の外部に射出される。これにより、導光板自体にパララックスバリアとしての機能を持たせることが可能となる。すなわち、第1の光源2による第1の照明光L1に対しては、等価的に、散乱エリア31を開口部(スリット部)とし、全反射エリア32を遮蔽部とするようなパララックスバリアとして機能させることができる。これにより、等価的に、表示部1の背面側にパララックスバリアを配置したパララックスバリア方式による3次元表示が行われる。
【0034】
一方、2次元表示モードでの表示を行う場合には、表示部1には2次元画像データに基づく画像表示を行うと共に、第1の光源2と第2の光源7とを2次元表示用にオン(点灯)・オフ(非点灯)制御する。具体的には、例えば図2に示したように、第1の光源2をオフ(非点灯)状態にすると共に、第2の光源7をオン(点灯)状態に制御する。この場合、第2の光源7による第2の照明光L10が、第2の内部反射面3Bにおける全反射エリア32を透過することで、第1の内部反射面3Aのほぼ全面から、全反射条件を外れた光線となって導光板3の外部に射出される。すなわち導光板3は、通常のバックライトと同様の面状光源として機能する。これにより、等価的に、表示部1の背面側に通常のバックライトを配置したバックライト方式による2次元表示が行われる。
【0035】
なお、第2の光源7のみを点灯させたとしても導光板3のほぼ全面から、第2の照明光L10が射出されるが、必要に応じて、図3のように第1の光源2を点灯するようにしても良い。これにより、例えば、第2の光源7のみを点灯しただけでは、散乱エリア31と全反射エリア32とに対応する部分で輝度分布に差が生じるような場合、第1の光源2の点灯状態を適宜調整する(オン・オフ制御、または点灯量の調整をする)ことで全面に亘って輝度分布を最適化することが可能である。ただし、2次元表示を行う場合において、例えば表示部1側で十分に輝度の補正を行える場合には、第2の光源7のみの点灯で構わない。
【0036】
[視点画像の割り当てパターンと散乱エリア31の配置パターンとの対応関係]
この表示装置では、3次元表示モードでの表示を行う場合、表示部1には複数の視点画像を所定の割り当てパターンで各画素に割り当てて表示する。導光板3における複数の散乱エリア31は、その所定の割り当てパターンに対応した所定の配置パターンで設けられている。
【0037】
以下、視点画像の割り当てパターンと散乱エリア31の配置パターンとの対応関係の具体例を説明する。表示部1の画素構造は、図8に示したように、赤色用画素11R、緑色用画素11G、および青色用画素11Bからなる画素を複数有し、それら複数の画素が第1の方向(垂直方向)および第2の方向(水平方向)にマトリクス状に配置されているものとする。水平方向に3つの色の各画素11R,11G,11Bが周期的に交互に配列され、垂直方向には同一色の各画素11R,11G,11Bが配列されている。この画素構造の場合、表示部1に通常の2次元画像を表示する状態(2次元表示モード)では、水平方向に連続する3つの色の各画素11R,11G,11Bの組み合わせが、2次元のカラー表示を行うための1画素(2Dカラー表示の1単位画素)となる。図9では、2Dカラー表示の1単位画素を、水平方向に6画素分、垂直方向に3画素分、図示している。
【0038】
図9(A)は図8の画素構造において、表示部1の各画素に2つの視点画像(第1および第2の視点画像)を割り当てた場合の割り当てパターンと散乱エリア31の配置パターンとの対応関係の一例を示している。図9(B)は図9(A)のA−A’部分の断面に相当している。図9(B)では、2つの視点画像の分離状態を模式的に示している。この例では、2Dカラー表示の1単位画素を、1つの視点画像を表示するための1画素として割り当てている。そして、第1の視点画像と第2の視点画像とを水平方向に交互に表示するように画素を割り当てている。従って、2Dカラー表示の1単位画素を水平方向に2つ分、組み合わせたものが、3次元表示としての1単位画像(1立体画素)となる。図9(B)に示したように、第1の視点画像が観察者の右眼10Rのみに到達し、第2の視点画像が観察者の右眼10Rのみに到達する状態となることで、立体視が行われる。この例では、散乱エリア31の水平方向の配置位置が、3次元表示としての1単位画像の略中央部分に位置するように配置されている。
【0039】
ここで、散乱エリア31の水平方向の幅D1は、1つの視点画像を表示するための1画素の幅D2に対して所定の関係を有する大きさとされている。具体的には、散乱エリア31の幅D1は、幅D2に対して0.5倍以上1.5倍以下の大きさであることが好ましい。散乱エリア31の幅D1が大きくなるほど、散乱エリア31で散乱される光の量が多くなり、導光板3から射出する光の量が増加する。このため、輝度を増加させることができる。ただし、散乱エリア31の幅D1が、幅D2の1.5倍を超えると、複数の視点画像からの光が混じって観察されてしまう、いわゆるクロストークが生じるので好ましくない。逆に、散乱エリア31の幅D1が小さくなるほど、散乱エリア31で散乱される光の量が少なくなり、導光板3から射出する光の量が減少する。このため、輝度が低減する。散乱エリア31の幅D1が、幅D2の0.5倍を下回ると、輝度が低くなりすぎて画像表示として暗くなりすぎてしまうので、好ましくない。
【0040】
[効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る表示装置によれば、照明装置において、導光板3を第1および第2の支持部61,62によって支持するようにした。これにより、導光板3の熱膨張(収縮)が生じた場合であっても、初期位置からの導光板3の全体的な移動を回避することができる。具体的には、導光板3が熱膨張(収縮)を生じても、その中心位置CPが第2のフレーム6Bに対して相対的に変化しないうえ、中心位置CPに近い部分ほど変位が小さくなる。これは、一対の第1の支持部61が、導光板3の変位を、Y軸方向において制限しつつX軸方向において許容し、一対の第2の支持部62が、導光板3の変位を、X軸方向において制限しつつY軸方向において許容するからである。
【0041】
また、一対の第1の支持部61がいずれも直線XL上に位置するようにしたので、Y軸方向における導光板3の変位に伴う歪みを生じさせない。仮に、一対の第1の支持部61がY軸方向においてギャップを有していた場合、導光板3のうちのそれらに挟まれた部分が膨張・収縮を生じることで、その部分に応力が発生してしまう。一対の第1の支持部61は、いずれもY軸方向への導光板3の変位を制限しているからである。
【0042】
このように、本実施の形態の照明装置によれば、自らの薄型化を妨げることなく、熱膨張時における導光板3の変位を低減することができる。よって、この照明装置を搭載した表示装置によれば、薄型化を実現しつつ、導光板3と表示部1との相対位置を比較的正確に維持することができるので、薄型でありながら良好な立体映像を形成することができる。特に、中心位置CPを表示部1の有効表示領域における中心位置と一致させれば、観察者にとってより快適な立体映像の実現が期待できる。
【0043】
<第2の実施の形態>
次に、本開示の第2の実施の形態に係る表示装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態に係る表示装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0044】
上記第1の実施の形態では、照明装置において、第1の支持部61のガイド部61Bの案内方向をX軸方向と一致させ、かつ、第2の支持部62のガイド部62Bの案内方向をY軸方向と一致させるようにした。これは、導光板3において、パララックスバリアを形成する散乱エリア31および全反射エリア32がY軸方向に延在すると共にX軸方向に並ぶような構成(いわゆるストライプバリア構造)を採用したためである。
【0045】
[照明装置の構成例]
本実施の形態では、図10に示したように、導光板3においていわゆる斜めバリア構造を採用し、それに応じてガイド部61B,62Bの案内方向をX軸方向およびY軸方向に対して傾斜させるようにした。図10は、本実施の形態の表示装置における照明装置の要部構成を表す平面図であり、図4(A)に対応するものである。
【0046】
本実施の形態では、画面垂直方向であるY軸方向から角度θだけ傾いたY1方向に沿って散乱エリア31および全反射エリア32が延在している。これに伴い、一対の第1の支持部61は、導光板3の周縁部分のうちのY1方向と直交するX1方向に沿った直線XL1上に配置されている。また、第1の支持部61のガイド部61Bは、X1方向に沿って突起部61Aを案内する形状を有している。一方、一対の第2の支持部62は、導光板3の周縁部分のうちのY1方向に沿った直線YL1上に配置されている。また、第2の支持部62のガイド部62Bは、Y1方向に沿って突起部62Aを案内する形状を有している。
【0047】
[効果]
本実施の形態では、例えば加熱および冷却によって導光板3が膨張および収縮を生じる場合、導光板3の各部分は、直線XL1と直線YL1とが交差する位置(中心位置)CP1を中心とした変位を生じることとなる。この場合、導光板3における中心位置CP1は、いずれの方向へも移動しない。よって、本実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。また、本実施の形態では、導光板3において形成されるパララックスバリアの方向に応じて第1および第2の支持部61,62を配置するようにした。このため、対応する表示画素とパララックスバリアとの相対位置の変位のばらつき(偏り)を十分に低減することができる。したがって、より視認性に優れた立体映像を形成することができる。
【0048】
<適用例>
次に、上記した照明装置を有する表示装置の適用例について説明する。
【0049】
本技術の表示装置は、各種用途の電子機器に適用可能であり、その電子機器の種類は特に限定されない。この表示装置は、例えば、以下の電子機器に搭載可能である。ただし、以下で説明する電子機器の構成はあくまで一例であるため、その構成は適宜変更可能である。
【0050】
図11は、テレビジョン装置の外観構成を表している。このテレビジョン装置は、例えば、表示装置としての映像表示画面部200を備えている。映像表示画面部200は、フロントパネル210およびフィルターガラス220を含むものである。
【0051】
本技術の表示装置は、図11に示したテレビジョン装置のほか、例えばタブレット型パーソナルコンピュータ(PC)、ノート型PC、モバイルフォン、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラあるいはカーナビゲーションシステムにおける映像表示部分として用いることができる。
【0052】
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態等では、第1および第2の支持部61,62を2つずつ設けるようにしたが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば図12に示したように、例えば第2の支持部62のうちの一方を1つのみ設けるようにしてもよい。ここで、一の第2の支持部62におけるガイド部62Bは、例えばY軸方向に突起部62Aを案内するようになっている。この場合であっても、一の第2の支持部62の存在により、X軸方向の導光板3の変位が中心位置CPを中心として生じ、直線YLの右側と左側との変位のバランスが確保される。また、例えばY軸方向を鉛直方向とした場合、導光板3の自重を一対の第1の支持部61によってバランスよく支えることができる。その際、Y軸方向の導光板3の変位は、直線XLを中心として、上下方向にバランスよく生じることとなる。なお、第2の支持部62の替わりに、例えば下方(−Y方向)へ導光板3を付勢する付勢部材63(弾性体もしくはばねなど)を設けることで、導光板3のがたつきを抑えるようにしてもよい。図12では、弾性体からなる付勢部材63を、導光板3と第2のフレーム6Bの壁部6Wとの間に2つ配置した例を示しているが、付勢部材63の配置位置や個数はこれに限定されるものではない。
【0053】
また、上記実施の形態では、第1および第2の支持部61,62におけるガイド部61B,62Bを切り欠きとしたが、これに限定されるものではない。例えば、図13および図14に示したように、それぞれ第2および第1の方向へ伸びる溝や開口であってもよい。また、第1および第2の支持部61,62において、突起部61A,62Aを第2のフレーム6Bに立設させるようにしたが、それらを導光板3に設けるようにしてもよい。その場合、ガイド部61B,62Bを第2のフレーム6Bに設けるようにすればよい。
【0054】
また、本技術は以下のような構成を取り得るものである。
(1)
表示装置用の照明装置であって、
互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、
前記導光板を支持する基体と、
前記導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部と
を有し、
前記第1の支持部は、前記第1の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第2の方向への前記導光板の変位を許容するものであり、
前記第2の支持部は、前記第2の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第1の方向への前記導光板の変位を許容するものである
照明装置。
(2)
複数の前記第1の支持部は、前記第2の方向に伸びる同一直線上に配置されている
上記(1)記載の照明装置。
(3)
複数の前記第2の支持部は、前記第1の方向に伸びる同一直線上に配置されている
上記(2)記載の照明装置。
(4)
前記第1の支持部は、前記第1の方向における前記導光板の中心位置に配置され、
前記第2の支持部は、前記第2の方向における前記導光板の中心位置に配置されている
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の照明装置。
(5)
前記第1および第2の支持部は、それぞれ、
前記導光板または前記基体のいずれか一方に設けられた突起部と、
前記導光板または前記基体の他方に設けられ、前記突起部を前記第2の方向または前記第1の方向へ案内するガイド部と
を有する
上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の照明装置。
(6)
前記第1の支持部における前記ガイド部は、前記第2の方向に伸びる溝、切り欠き、または開口であり、
前記第2の支持部における前記ガイド部は、前記第1の方向に伸びる溝、切り欠き、または開口である
上記(5)記載の照明装置。
(7)
前記第1および第2の支持部は、前記導光板の周縁部に位置する
上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の照明装置。
(8)
前記導光板の内部へ向けて照明光を照射する光源をさらに備え、
前記導光板は、互いに対向する第1の内部反射面と第2の内部反射面とを有し、
前記第1および第2の内部反射面のうちの少なくとも一方に、前記光源からの前記照明光を散乱させて前記導光板の外部へ射出させる複数の散乱エリアが設けられている
上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の照明装置。
(9)
照明装置と、
前記照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部と
を備え、
前記照明装置は、
互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、
前記導光板を支持する基体と、
前記導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部と
を有し、
前記第1の支持部は、前記第1の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第2の方向への前記導光板の変位を許容するものであり、
前記第2の支持部は、前記第2の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第1の方向への前記導光板の変位を許容するものである
表示装置。
(10)
前記基体は、前記表示部をも支持している
上記(9)記載の表示装置。
(11)
表示装置を備えた電子機器であって、
前記表示装置は、
照明装置と、
前記照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部と
を含み、
前記照明装置は、
互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、
前記導光板を支持する基体と、
前記導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部と
を有し、
前記第1の支持部は、前記第1の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第2の方向への前記導光板の変位を許容するものであり、
前記第2の支持部は、前記第2の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第1の方向への前記導光板の変位を許容するものである
電子機器。
【符号の説明】
【0055】
1…表示部、2…第1の光源(2D/3D表示用光源)、3…導光板、3A…第1の内部反射面、3B…第2の内部反射面、6…保持フレーム、6A…第1のフレーム、6B…第2のフレーム、7…第2の光源(2D表示用光源)、8…スペーサ、10L…左眼、10R…右眼、11R…赤色表示用画素、11G…緑色表示用画素、11B…青色表示用画素、31…散乱エリア、32…全反射エリア、33…凹形状の側面部分、34…凸形状の側面部分、35…光散乱部材、200…映像表示画面部、210…フロントパネル、220…フィルターガラス、L1,L11,L12…第1の照明光、L10…第2の照明光,L20…散乱光線、θ1…入射角、CP…中心位置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置用の照明装置であって、
互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、
前記導光板を支持する基体と、
前記導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部と
を有し、
前記第1の支持部は、前記第1の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第2の方向への前記導光板の変位を許容するものであり、
前記第2の支持部は、前記第2の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第1の方向への前記導光板の変位を許容するものである
照明装置。
【請求項2】
複数の前記第1の支持部は、前記第2の方向に伸びる同一直線上に配置されている
請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
複数の前記第2の支持部は、前記第1の方向に伸びる同一直線上に配置されている
請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1の支持部は、前記第1の方向における前記導光板の中心位置に配置され、
前記第2の支持部は、前記第2の方向における前記導光板の中心位置に配置されている
請求項1記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1および第2の支持部は、それぞれ、
前記導光板または前記基体のいずれか一方に設けられた突起部と、
前記導光板または前記基体の他方に設けられ、前記突起部を前記第2の方向または前記第1の方向へ案内するガイド部と
を有する
請求項1記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1の支持部における前記ガイド部は、前記第2の方向に伸びる溝、切り欠き、または開口であり、
前記第2の支持部における前記ガイド部は、前記第1の方向に伸びる溝、切り欠き、または開口である
請求項5記載の照明装置。
【請求項7】
前記第1および第2の支持部は、前記導光板の周縁部に位置する
請求項1記載の照明装置。
【請求項8】
前記導光板の内部へ向けて照明光を照射する光源をさらに備え、
前記導光板は、互いに対向する第1の内部反射面と第2の内部反射面とを有し、
前記第1および第2の内部反射面のうちの少なくとも一方に、前記光源からの前記照明光を散乱させて前記導光板の外部へ射出させる複数の散乱エリアが設けられている
請求項1記載の照明装置。
【請求項9】
照明装置と、
前記照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部と
を備え、
前記照明装置は、
互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、
前記導光板を支持する基体と、
前記導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部と
を有し、
前記第1の支持部は、前記第1の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第2の方向への前記導光板の変位を許容するものであり、
前記第2の支持部は、前記第2の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第1の方向への前記導光板の変位を許容するものである
表示装置。
【請求項10】
前記基体は、前記表示部をも支持している
請求項9記載の表示装置。
【請求項11】
表示装置を備えた電子機器であって、
前記表示装置は、
照明装置と、
前記照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部と
を含み、
前記照明装置は、
互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、
前記導光板を支持する基体と、
前記導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部と
を有し、
前記第1の支持部は、前記第1の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第2の方向への前記導光板の変位を許容するものであり、
前記第2の支持部は、前記第2の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第1の方向への前記導光板の変位を許容するものである
電子機器。
【請求項1】
表示装置用の照明装置であって、
互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、
前記導光板を支持する基体と、
前記導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部と
を有し、
前記第1の支持部は、前記第1の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第2の方向への前記導光板の変位を許容するものであり、
前記第2の支持部は、前記第2の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第1の方向への前記導光板の変位を許容するものである
照明装置。
【請求項2】
複数の前記第1の支持部は、前記第2の方向に伸びる同一直線上に配置されている
請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
複数の前記第2の支持部は、前記第1の方向に伸びる同一直線上に配置されている
請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1の支持部は、前記第1の方向における前記導光板の中心位置に配置され、
前記第2の支持部は、前記第2の方向における前記導光板の中心位置に配置されている
請求項1記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1および第2の支持部は、それぞれ、
前記導光板または前記基体のいずれか一方に設けられた突起部と、
前記導光板または前記基体の他方に設けられ、前記突起部を前記第2の方向または前記第1の方向へ案内するガイド部と
を有する
請求項1記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1の支持部における前記ガイド部は、前記第2の方向に伸びる溝、切り欠き、または開口であり、
前記第2の支持部における前記ガイド部は、前記第1の方向に伸びる溝、切り欠き、または開口である
請求項5記載の照明装置。
【請求項7】
前記第1および第2の支持部は、前記導光板の周縁部に位置する
請求項1記載の照明装置。
【請求項8】
前記導光板の内部へ向けて照明光を照射する光源をさらに備え、
前記導光板は、互いに対向する第1の内部反射面と第2の内部反射面とを有し、
前記第1および第2の内部反射面のうちの少なくとも一方に、前記光源からの前記照明光を散乱させて前記導光板の外部へ射出させる複数の散乱エリアが設けられている
請求項1記載の照明装置。
【請求項9】
照明装置と、
前記照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部と
を備え、
前記照明装置は、
互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、
前記導光板を支持する基体と、
前記導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部と
を有し、
前記第1の支持部は、前記第1の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第2の方向への前記導光板の変位を許容するものであり、
前記第2の支持部は、前記第2の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第1の方向への前記導光板の変位を許容するものである
表示装置。
【請求項10】
前記基体は、前記表示部をも支持している
請求項9記載の表示装置。
【請求項11】
表示装置を備えた電子機器であって、
前記表示装置は、
照明装置と、
前記照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部と
を含み、
前記照明装置は、
互いに交差する第1および第2の方向を含む平面において延在する導光板と、
前記導光板を支持する基体と、
前記導光板および基体の一部に設けられた第1および第2の支持部と
を有し、
前記第1の支持部は、前記第1の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第2の方向への前記導光板の変位を許容するものであり、
前記第2の支持部は、前記第2の方向への前記導光板の変位を制限しつつ、前記第1の方向への前記導光板の変位を許容するものである
電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−101827(P2013−101827A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244826(P2011−244826)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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