説明

照明装置および表示装置

【課題】スキャン方式において高輝度を得ることの可能な照明装置および表示装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、離間して互いに対向配置された一対の透明基板と、一対の透明基板のいずれか一方の側面に配置された光源と、一対の透明基板の双方の表面に設けられた電極と、一対の透明基板の間隙に設けられた光変調層とを備える。電極は、一対の透明基板の側面のうち前記光源からの光が入射する光入射面と直交する方向に配列された複数の部分電極を有する。光変調層は、電極によって生じる電場の大きさおよび方向に応じて、光源からの光に対して全体的もしくは部分的に散乱性もしくは透明性を示すようになっている。駆動回路は、複数の部分電極を所定の単位ごとに順次駆動することにより、光変調層のうち散乱性を示す部分を光入射面と直交する方向に走査するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、光に対して散乱性または透明性を示す光変調素子を有する照明装置およびそれを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶テレビの動画応答性の改善を目的に、スキャン方式のバックライトが使われている。さらに、最近ではシャッターめがね方式を用いて3D表示を行う場合に、クロストークの抑制を目的に、同方式が注目されている。また、特に大型テレビにおいては、薄型化の要求から、エッジライトと導光板の組み合わせが主流となってきており、導光板方式においてスキャン駆動できるバックライトが望まれている(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−082019号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/00075616号明細書
【特許文献3】特開2001−92370号公報
【特許文献4】特開2009−283383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなスキャン方式のバックライトでは、表示輝度が暗くなるという問題がある。例えば、画面を8分割した場合に、分割した1つの箇所での表示に、8倍の輝度が得られるだけの電力を光源に投入することができれば、表示輝度は、原理的にはスキャンしない場合と同様の輝度となる。しかし、実際には2倍程度の電力投入しかできないので、表示輝度が低くなってしまっている。
【0005】
また、大型テレビにおいても、バックライトの薄型化の要求から、中小型液晶ディスプレイと同様に、エッジライト導光板の採用が進んでいる。例えば、特許文献3には、エッジライト導光板方式において、導光板を複数のブロックで構成し、ブロック間に反射板を設けることにより、帯状照明光のスキャンを実現することが開示されている。また、例えば、特許文献4には、導光板を分割する代わりに、導光板の主面にプリズム状構造体を形成することにより、帯状照明光のスキャンを実現することが開示されている。しかし、これらの文献に記載の方法でも、表示輝度において問題がある。
【0006】
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、スキャン方式において高輝度を得ることの可能な照明装置およびそれを備えた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の照明装置は、離間して互いに対向配置された一対の透明基板と、一対の透明基板のいずれか一方の側面に配置された光源と、一対の透明基板の双方の表面に設けられた電極と、一対の透明基板の間隙に設けられた光変調層と、駆動回路とを備えている。電極は、一対の透明基板の側面のうち光源からの光が入射する光入射面と直交する方向に配列された複数の部分電極を有している。光変調層は、電極によって生じる電場の大きさおよび方向に応じて、光源からの光に対して全体的もしくは部分的に散乱性もしくは透明性を示すようになっている。駆動回路は、複数の部分電極を所定の単位ごとに順次駆動することにより、光変調層のうち散乱性を示す部分を光入射面と直交する方向に走査するようになっている。
【0008】
本技術の表示装置は、照明光を出力する照明装置と、照明光を変調して映像を出力する表示パネルと、照明装置および表示パネルを駆動する駆動回路とを備えたものである。この表示装置に含まれる照明装置は、上記の照明装置と同一の構成要素を備えている。
【0009】
本技術の照明装置および表示装置では、光入射面と直交する方向に配列された複数の部分電極が所定の単位ごとに順次駆動される。これにより、光源から射出された光が透明基板内を伝播していく過程で、光変調層のうち散乱性を示す部分(以下「散乱部分」と称する。)が光入射面と直交する方向に走査される。その結果、散乱部分で散乱され、照明装置の上面から外部に射出される光が光入射面と直交する方向に走査される。このとき、光源から射出された光は、光変調層のうち透明性を示す部分(以下「透明部分」と称する。)ではほとんど散乱されないので、透明部分からの漏れ光はほとんどない。従って、光源から射出された光は透明部分から散乱部分に導光するので、光源をスキャン駆動する従来方式よりも高輝度が得られる。
【発明の効果】
【0010】
本技術の照明装置および表示装置によれば、光変調層内の散乱部分を走査することにより、照明装置の上面から外部に射出される光を走査するようにしたので、スキャン方式において高輝度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本技術の第1の実施の形態に係るバックライトの構成の一例を表す断面図である。
【図2】図1の光源の構成の一例を表す斜視図である。
【図3】図1の光源の構成の他の例を表す斜視図である。
【図4】図1の電極の構成の一例を表す斜視図である。
【図5】図1のバックライトの構成の他の例を表す断面図である。
【図6】図1の光変調素子に電圧が印加されていないときの構成について説明するための模式図である。
【図7】図1の光変調素子に電圧が印加されているときの構成について説明するための模式図である。
【図8】図1のバックライトの作用について説明するための模式図である。
【図9】光変調素子内の散乱領域のスキャンについて説明するための模式図である。
【図10】光変調素子内の散乱領域のスキャンについて説明するための模式図である。
【図11】光変調素子内の散乱領域のスキャンについて説明するための模式図である。
【図12】光変調素子内の散乱領域のスキャンについて説明するための模式図である。
【図13】図1のバックライトの製造工程について説明するための断面図である。
【図14】図13に続く製造工程について説明するための断面図である。
【図15】図14に続く製造工程について説明するための断面図である。
【図16】本技術の第2の実施の形態に係るバックライトの構成の一例を表す断面図である。
【図17】図16の光変調素子に電圧が印加されていないときの構成について説明するための模式図である。
【図18】図16の光変調素子に電圧が印加されているときの構成について説明するための模式図である。
【図19】部分電極のスキャンのタイミングと、光源の点滅のタイミングとの関係の一例について説明するための模式図である。
【図20】部分電極のスキャンのタイミングと、光源の点滅のタイミングとの関係の他の例について説明するための模式図である。
【図21】部分電極のスキャンのタイミングと、光源の点滅のタイミングとの関係のその他の例について説明するための模式図である。
【図22】図1の導光板の構成の一変形例を表す斜視図である。
【図23】図1の導光板の構成の他の変形例を表す斜視図および断面図である。
【図24】図22、図23の導光板の作用の一例を表す平面図である。
【図25】図1の電極の構成の第1変形例を表す平面図である。
【図26】図1の電極の構成の第2変形例を表す平面図である。
【図27】図26の各細線電極に印加する電圧の一例を表す図である。
【図28】図26の各細線電極に印加する電圧の他の例を表す図である。
【図29】図26の各細線電極に印加する電圧のその他の例を表す図である。
【図30】図1の電極の構成の第3変形例を表す平面図である。
【図31】図1,図16のバックライトの構成の第1変形例を表す断面図である。
【図32】図1,図16のバックライトの構成の第2変形例を表す断面図である。
【図33】図1,図16のバックライトの構成の第3変形例を表す断面図である。
【図34】図1の光源の構成のその他の例を表す図である。
【図35】図1の光変調素子の構成の一変形例を表す図である。
【図36】図1の光変調素子の構成の他の変形例を表す図である。
【図37】図1の光変調素子の構成のその他の変形例を表す図である。
【図38】一適用例にかかる表示装置の一例を表す断面図である。
【図39】図38の表示装置における表示パネルの画素のスキャンのタイミングと、部分電極のスキャンのタイミングとの関係の一例について説明するための模式図である。
【図40】他の適用例にかかる3次元表示装置の一例を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.第1の実施の形態(図1〜図15)
バックライト内に、水平配向反転PDLCが設けられている例
2.第2の実施の形態(図16〜図18)
バックライト内に、垂直配向反転PDLCが設けられている例
3.変形例(図19〜図37)
4.適用例(図38〜図40)
バックライトが表示装置の光源として用いられている例
【0013】
<1.第1の実施の形態>
図1(A)は、本技術の第1の実施の形態に係るバックライト1の概略構成の一例を表す断面図である。バックライト1は、本技術の照明装置の一具体例に相当するものである。図1(B)は、図1(A)のバックライト1内の光変調素子の概略構成の一例を表す断面図である。なお、図1(A),(B)は、模式的に表したものであり、実際の寸法や形状と同一であるとは限らない。このバックライト1は、上面から照明光を出力するものであり、例えば、液晶表示パネルなどを背後から照明する用途などに使用されるものである。バックライト1は、例えば、導光板10と、導光板10の側面に配置された光源20と、導光板10の背後に配置された光変調素子30および反射板40と、光源20および光変調素子30を駆動する駆動回路50とを備えている。
【0014】
導光板10は、導光板10の側面に配置した光源20からの光を導光板10の上面に導くものである。この導光板10は、導光板10の上面に配置される表示パネル(図示せず)に対応した形状、例えば、上面、下面および側面で囲まれた直方体状となっている。なお、以下では、導光板10の側面のうち光源20からの光が入射する側面を光入射面10Aと称するものとする。導光板10は、例えば、上面および下面の少なくとも一方の面に、所定のパターン化された形状を有しており、光入射面10Aから入射した光を散乱し、均一化する機能を有している。なお、バックライト1に印加する電圧を変調することによって輝度の均一化を行う場合には、パターン化されていない平坦な導光板を導光板10として用いることも可能である。この導光板10は、例えば、表示パネルとバックライト1との間に配置される光学シート(例えば、拡散板、拡散シート、レンズフィルム、偏光分離シートなど)を支持する支持体としても機能する。導光板10は、例えば、ポリカーボネート樹脂(PC)やアクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート(PMMA)などの透明熱可塑性樹脂を主に含んで構成されており、透明基板の一種である。
【0015】
光源20は、例えば、図2(A)に示したように、線状光源21と、反射ミラー22とにより構成されている。線状光源21は、例えば、熱陰極管(HCFL;Hot Cathode Fluorescent Lamp)、または、冷陰極管(CCFL;Cold Cathode Fluorescent Lamp)からなる。反射ミラー22は、線状光源21から発せられた光のうち光入射面10Aに直接入射しない方向に向かう光を光入射面10A側に反射するものである。光源20は、例えば、図2(B)または図2(C)に示したように、複数の点状光源23を一列に配置して構成されたものであってもよい。各点状光源23は、光入射面10Aに向かって光を射出するようになっており、例えば、光入射面10Aとの対向面に発光スポットを有する発光素子からなる。そのような発光素子としては、例えば、LED、または、レーザダイオード(LD;Laser Diode)などが挙げられる。
【0016】
複数の点状光源23は、例えば、図2(B)または図2(C)に示したように、2個以上の点状光源23ごとに、共通の基板24上に設けられていてもよい。この場合、1つの基板24と、その基板24上に設けられた複数の点状光源23とにより、光源ブロック25が構成されている。基板24は、例えば、点状光源23と駆動回路50とを電気的に接続する配線が形成された回路基板であり、各点状光源23は、この回路基板上に実装されている。共通の基板24上に設けられた各点状光源23(光源ブロック25内の各点状光源23)は、駆動回路50によって一括で(非独立に)駆動されるようになっており、例えば、図示しないが、互いに並列に、または互いに直列に、接続されている。また、互いに異なる基板24上に設けられた点状光源23(各光源ブロック25内の点状光源23)は、例えば、駆動回路50によって一括で(非独立に)駆動されるようになっており、例えば、図2(B)に示したように、互いに並列に接続されていたり、例えば、図示しないが、互いに直列に接続されていたりしている。互いに異なる基板24上に設けられた点状光源23(各光源ブロック25内の点状光源23)は、例えば、駆動回路50によって互いに独立に駆動されるようになっていてもよい。この場合、互いに異なる基板24上に設けられた点状光源23(各光源ブロック25内の点状光源23)は、例えば、図2(C)に示したように、互いに異なる電流経路に接続されている。
【0017】
光源20は、図2(A)〜図2(C)に示したように、導光板10の1つの側面にだけ設けられていてもよいし、図3に示したように、導光板10の2つの側面(例えば互いに対向する2つの側面)に設けられていてもよい。
【0018】
反射板40は、導光板10の背後から光変調素子30を介して漏れ出てきた光を導光板10側に戻すものであり、例えば、反射、拡散、散乱などの機能を有している。これにより、光源20からの射出光を効率的に利用することができ、また、正面輝度の向上にも役立っている。この反射板40は、例えば、発泡PET(ポリエチレンテレフタレート)や銀蒸着フィルム、多層膜反射フィルム、白色PETなどからなる。
【0019】
光変調素子30は、本実施の形態において、導光板10の背後(下面)に空気層を介さずに密着しており、例えば接着剤(図示せず)を介して導光板10の背後に接着されている。この光変調素子30は、例えば、図1(B)に示したように、透明基板31、下側電極32、配向膜33、光変調層34、配向膜35、上側電極36および透明基板37をバックライト1の裏面側(例えば反射板40側)から順に配置したものである。
【0020】
透明基板31,37は、離間して互いに対向配置されている。透明基板31,37は、光変調層34を支持するものであり、一般に、可視光に対して透明な基板、例えば、ガラス板や、プラスチックフィルムによって構成されている。下側電極32は、透明基板31のうち光変調層34側の表面上に設けられたものであり、図4(A),(B)に示したように、帯状の複数の部分電極32Aを互いに並列配置したものである。各部分電極32Aは、図2(A)〜(C)、図3および図4(A),(B)のXYZ座標軸の向きからわかるように、導光板10の光入射面10Aと平行な方向に延在しており、かつ、光入射面10Aと直交する方向に配列されている。一方、上側電極36は、透明基板37のうち光変調層34側の表面上に設けられたものであり、例えば、図4(A)に示したように、面内全体に渡って形成された単一のシート状の電極である。
【0021】
なお、上側電極36は、例えば、図4(B)に示したように、部分電極32Aの延在方向と交差(または直交)する方向に延在する帯状の複数の部分電極36Aを互いに並列配置したものであってもよい。また、上側電極36は、例えば、図示しないが、部分電極32Aの延在方向と平行な方向に延在する帯状の複数の部分電極36Aを互いに並列配置するとともに、部分電極32Aと対向する位置に配置したものであってもよい。なお、上側電極36が複数の部分電極36Aに分割されている場合に、各部分電極36Aが互いに電気的に接続されていてもよいし、互いに電気的に分離されていてもよい。
【0022】
下側電極32および上側電極36は、例えば、透明な導電性材料、例えば、酸化インジウムスズ(ITO;Indium Tin Oxide)からなる。透明な導電性材料は、可能な限り可視光の吸収が小さい材料であることが好ましい。ただし、下側電極32は、透明な材料でなくてもよく、例えば、金属によって構成されていてもよい。なお、下側電極32が金属によって構成されている場合には、下側電極32は、光を反射する機能も兼ね備えていることになる。従って、この場合には、例えば、図5に示したように、反射板40を省略することも可能である。
【0023】
光変調素子30を光変調素子30の法線方向から見たときに、光変調素子30のうち部分電極32Aと対向する箇所が光変調セル30−1を構成している。例えば、図1(B)に破線で例示したような箇所が光変調セル30−1となっている。複数の光変調セル30−1は、複数の部分電極32Aと同様、光入射面10Aと平行な方向に延在しており、かつ光入射面10Aと直交する方向に配列されている。各変調セル30−1は、部分電極32Aおよび上側電極36に所定の電圧を印加することにより別個独立に駆動することの可能な部位であり、部分電極32Aおよび上側電極36に印加される電圧値の大きさに応じて、光源20からの光に対して透明性を示したり、散乱性を示したりする。なお、透明性、散乱性については、光変調層34を説明する際に詳細に説明する。
【0024】
配向膜33,35は、例えば、光変調層34に用いられる液晶やモノマーを配向させるものである。配向膜の種類としては、例えば、垂直配向膜および水平配向膜があるが、本実施の形態では、配向膜33,35には水平配向膜が用いられる。水平配向膜としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニルアルコールなどをラビング処理することにより形成された配向膜、転写やエッチングなどにより溝形状が付与された配向膜が挙げられる。また、水平配向膜としては、例えば、酸化ケイ素などの無機材料を斜方蒸着することにより形成された配向膜、イオンビーム照射により形成されたダイヤモンドライクカーボン配向膜、電極パターンスリットの形成された配向膜が挙げられる。透明基板31,36としてプラスチックフィルムを用いる場合には、製造工程において、透明基板31,36の表面に配向膜33,35を塗布した後の焼成温度ができるだけ低いことが好ましいことから、配向膜33,35として、100℃以下の温度で形成可能なポリアミドイミドを用いることが好ましい。
【0025】
なお、水平配向膜として、当該水平配向膜に接する液晶分子にプレチルトを付与する機能を有するものが用いられていることが好ましい。水平配向膜にプレチルト機能を発現させる方法としては、例えば、ラビングなどが挙げられる。プレチルトとは、例えば、配向膜に近接する液晶分子の長軸が「配向膜の表面と平行な面」または「配向膜の法線」と僅かな角度で交差することを意味している。上記の水平配向膜は、例えば、当該水平配向膜に近接する液晶分子の長軸を光入射面10Aと平行な面内であって、かつ当該水平配向膜の表面と僅かな角度で交差させる機能を有していることが好ましい。そのような機能を有する水平配向膜は、例えば、ラビング方向を光入射面10Aと平行にすることで実現することができる。
【0026】
また、垂直、水平いずれの配向膜においても、液晶とモノマーを配向させる機能があれば十分であり、通常の液晶ディスプレイに要求される電圧の繰り返し印加による信頼性などは必要ない。デバイス作成後の電圧印加による信頼性は、モノマーを重合したものと液晶との界面で決まるためである。また、配向膜33,35を用いなくても、例えば、下側電極32および上側電極36間に電場や磁場を印加することによっても、光変調層34に用いられる液晶やモノマーを配向させることが可能である。つまり、下側電極32および上側電極36間に電場や磁場を印加しながら、紫外線を照射して電圧印加状態での液晶やモノマーの配向状態を固定させることができる。配向膜33,35の形成に電圧を用いる場合には、配向用と駆動用とで別々の電極を形成するか、液晶材料に周波数によって誘電率異方性の符号が反転する二周波液晶などを用いることができる。また、配向膜33,35の形成に磁場を用いる場合、配向膜33,35として磁化率異方性の大きい材料を用いることが好ましく、例えば、ベンゼン環の多い材料を用いることが好ましい。
【0027】
光変調層34は、一対の透明基板31,37の間隙に設けられている。光変調層34は、電場の大きさに応じて、光源20からの光に対して全体的もしくは部分的に散乱性もしくは透明性を示すものである。具体的には、光変調層34は、部分電極32Aおよび上側電極36に電圧が印加されていない時に光源20からの光に対して透明性を示し、部分電極32Aおよび上側電極36に電圧が印加されている時に光源20からの光に対して散乱性を示すものである。光変調層34は、例えば、図1(B)に示したように、バルク34Aと、バルク34A内に分散された微粒子状の複数の微粒子34Bとを含んだ複合層となっている。バルク34Aおよび微粒子34Bは光学異方性を有している。
【0028】
図6は、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時の、バルク34Aおよび微粒子34B内の配向状態の一例を模式的に表したものである。図6中の楕円体134Aは、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時の、バルク34Aの屈折率異方性を示す屈折率楕円体の一例を表したものである。図6中の楕円体134Bは、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時の、微粒子34Bの屈折率異方性を示す屈折率楕円体の一例を表したものである。この屈折率楕円体は、様々な方向から入射した直線偏光の屈折率をテンソル楕円体で表したものであり、光が入射する方向からの楕円体の断面を見ることによって、幾何的に屈折率を知ることができるものである。
【0029】
図7は、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されている時の、バルク34Aおよび微粒子34B内の配向状態の一例を模式的に表したものである。図7中の楕円体134Aは、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されている時の、バルク34Aの屈折率異方性を示す屈折率楕円体の一例を表したものである。図7中の楕円体134Bは、下側電極32および上側電極36間に電圧が印加されている時の、微粒子34Bの屈折率異方性を示す屈折率楕円体の一例を表したものである。
【0030】
バルク34Aおよび微粒子34Bは、例えば、図6に示したように、下側電極32および上側電極36間に電圧が印加されていない時に、バルク34Aの光軸AX1(具体的には楕円体134Aの長軸)および微粒子34Bの光軸AX2(具体的には楕円体134Bの長軸)の向きが互いに一致する(平行となる)構成となっている。なお、光軸AX1,AX2とは、偏光方向によらず屈折率が1つの値になるような光線の進行方向と平行な線を指している。また、下側電極32および上側電極36間に電圧が印加されていない時に、光軸AX1および光軸AX2の向きは常に互いに一致している必要はなく、光軸AX1の向きと光軸AX2の向きとが、例えば製造誤差などによって多少ずれていてもよい。
【0031】
また、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時に、光軸AX2は、導光板10の光入射面10Aと平行(またはほぼ平行)となると共に、透明基板31の表面と平行(またはほぼ平行)となっている。つまり、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時に、光軸AX2は、部分電極32Aまたは上側電極36を含む面と平行(またはほぼ平行)となっており、かつ部分電極32Aの延在方向と平行(またはほぼ平行)となっている。
【0032】
なお、水平配向膜が上述したようなプレチルト機能を有している場合には、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時に、光軸AX2は、導光板10の光入射面10Aと平行(またはほぼ平行)となると共に、透明基板31の表面と所定のプレチルト角で交差している。
【0033】
一方、バルク34Aは、部分電極32Aおよび上側電極36間への電圧印加の有無に拘らず、光軸AX1が一定となる構成となっている。具体的には、光軸AX1は、導光板10の光入射面10Aと平行(またはほぼ平行)となると共に、透明基板31の表面と平行(またはほぼ平行)となっている。つまり、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時に、光軸AX1は、光軸AX2と平行(またはほぼ平行)となっている。
【0034】
なお、水平配向膜が上述したようなプレチルト機能を有している場合には、光軸AX1は、導光板10の光入射面10Aと平行(またはほぼ平行)となると共に、透明基板31の表面と所定のプレチルト角で交差している。つまり、この場合にも、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時には、光軸AX1は、光軸AX2と平行(またはほぼ平行)となっている。
【0035】
ここで、バルク34Aおよび微粒子34Bの常光屈折率が互いに等しく、かつバルク34Aおよび微粒子34Bの異常光屈折率が互いに等しいことが好ましい。この場合に、例えば、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時には、正面方向および斜め方向を含むあらゆる方向において屈折率差がほとんどなく、高い透明性が得られる。これにより、例えば、正面方向に向かう光および斜め方向に向かう光は、光変調層34内で散乱されることなく、光変調層34を透過する。その結果、例えば、図8(A),(B)に示したように、光源20からの光L1(斜め方向からの光)は、光変調素子30内で透明となった領域(透過領域30A)の界面(透明基板31または導光板10と空気との界面)において全反射され、透過領域30Aの輝度(黒表示の輝度)が、光変調素子30を設けていない場合(図8(B)中の一点鎖線)と比べて下がる。なお、図8(B)のグラフは、図8(A)に示したように導光板10の上に拡散シート41を配置した状態で、正面輝度を計測したときのものである。
【0036】
また、バルク34Aおよび微粒子34Bは、例えば、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されている時には、図7に示したように、光軸AX1および光軸AX2の向きが互いに異なる(交差もしくは直交する)構成となっている。また、微粒子34Bは、例えば、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されている時に、光軸AX2が導光板10の光入射面10Aと平行(もしくはほぼ平行)となると共に透明基板31の法線と平行(もしくはほぼ平行)となる構成となっている。つまり、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されている時に、光軸AX2は、部分電極32Aまたは上側電極36を含む面と直交(もしくはほぼ直交)している。
【0037】
したがって、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されている時には、光変調層34において、光入射面10Aと平行な面内のあらゆる方向において屈折率差が大きくなり、高い散乱性が得られる。これにより、例えば、正面方向に向かう光および斜め方向に向かう光は、光変調層34内で散乱される。その結果、例えば、図8(A),(B)に示したように、光源20からの光L1(斜め方向からの光)は、光変調素子30内で散乱状態となった領域(散乱領域30B)の界面(透明基板31または導光板10と空気との界面)を透過すると共に、反射板40側に透過した光は反射板40で反射され、光変調素子30を透過する。従って、散乱領域30Bの輝度は、光変調素子30を設けていない場合(図8(B)中の一点鎖線)と比べて極めて高くなり、しかも、透過領域30Aの輝度が低下した分だけ、部分的な白表示の輝度(輝度突き上げ)が大きくなる。
【0038】
なお、バルク34Aおよび微粒子34Bの常光屈折率は、例えば製造誤差などによって多少ずれていてもよく、例えば、0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。また、バルク34Aおよび微粒子34Bの異常光屈折率についても、例えば製造誤差などによって多少ずれていてもよく、例えば、0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。
【0039】
また、バルク34Aの屈折率差(=異常光屈折率−常光屈折率)や、微粒子34Bの屈折率差(=異常光屈折率−常光屈折率)は、できるだけ大きいことが好ましく、0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましく、0.15以上であることがさらに好ましい。バルク34Aおよび微粒子34Bの屈折率差が大きい場合には、光変調層34の散乱能が高くなり、導光条件を容易に破壊することができ、導光板10からの光を取り出しやすいからである。
【0040】
また、バルク34Aおよび微粒子34Bは、電場に対する応答速度が互いに異なっている。バルク34Aは、例えば、電場に対して応答しない筋状構造もしくは多孔質構造となっているか、または微粒子34Bの応答速度よりも遅い応答速度を有する棒状構造となっている。バルク34Aは、例えば、低分子モノマーを重合化することにより得られた高分子材料によって形成されている。バルク34Aは、例えば、微粒子34Bの配向方向または配向膜33,35の配向方向に沿って配向した、配向性および重合性を有する材料(例えばモノマー)を熱および光の少なくとも一方によって重合させることにより形成されている。
【0041】
一方、微粒子34Bは、例えば、液晶材料を主に含んで構成されており、バルク34Aの応答速度よりも十分に早い応答速度を有している。微粒子34B内に含まれる液晶材料(液晶分子)は、例えば棒状分子である。微粒子34B内に含まれる液晶分子として、正の誘電率異方性を有するもの(いわゆるポジ型液晶)を用いることが好ましい。
【0042】
ここで、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時には、微粒子34B内において、液晶分子の長軸方向は、光軸AX1と平行となっている。このとき、微粒子34B内の液晶分子の長軸は、導光板10の光入射面10Aと平行(もしくはほぼ平行)となると共に透明基板31の表面と平行(もしくはほぼ平行)となっている。また、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されている時には、微粒子34B内において、液晶分子の長軸方向は、光軸AX1と交差(もしくは直交)している。このとき、微粒子34B内の液晶分子の長軸は、導光板10の光入射面10Aと平行(もしくはほぼ平行)となると共に透明基板31の法線と平行(もしくはほぼ平行)となっている。
【0043】
上記した、配向性および重合性を有するモノマーとしては、光学的に異方性を有しており、かつ液晶と複合する材料であればよいが、本実施の形態では紫外線で硬化する低分子モノマーであることが好ましい。電圧無印加の状態で、液晶と、低分子モノマーを重合化することにより形成されたもの(高分子材料)との光学的異方性の方向が一致していることが好ましいので、紫外線硬化前において、液晶と低分子モノマーが同一方向に配向していることが好ましい。微粒子34Bとして液晶が用いられる場合に、その液晶が棒状分子であるときには、使用するモノマー材料の形状も棒状であることが好ましい。以上のことから、モノマー材料としては重合性と液晶性を併せ持つ材料を用いることが好ましく、例えば、重合性官能基として、アクリレート基、メタクリレート基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルエーテル基およびエポキシ基からなる群から選ばれた少なくとも1つの官能基を有することが好ましい。これらの官能基は、紫外線、赤外線または電子線を照射したり、加熱したりすることによって重合させることができる。紫外線照射時の配向度低下を抑制するために、多官能基をもつ液晶性材料を添加することもできる。バルク34Aを上述した筋状構造とする場合には、バルク34Aの原料として、2官能液晶性モノマーを用いることが好ましい。また、バルク34Aの原料に対して、液晶性を示す温度の調整を目的に単官能モノマーを添加したり、架橋密度向上を目的に3官能以上のモノマーを添加したりすることもできる。
【0044】
駆動回路50は、例えば、ある光変調セル30−1において微粒子34Bの光軸AX2がバルク34Aの光軸AX1と平行もしくはほぼ平行となり、他の光変調セル30−1において微粒子34Bの光軸AX2がバルク34Aの光軸AX1と交差もしくは直交するように各光変調セル30−1の一対の電極(部分電極32Aおよび上側電極36)へ印加する電圧の大きさを制御するようになっている。つまり、駆動回路50は、電場制御によって、バルク34Aおよび微粒子34Bの光軸AX1,AX2の向きを互いに一致(もしくはほぼ一致)させたり、互いに異ならせたり(もしくは直交させたり)することができるようになっている。
【0045】
駆動回路50は、さらに、複数の部分電極32Aを所定の単位ごとに順次、駆動することにより、光変調層34のうち散乱性を示す部分(散乱領域30B)を光入射面10Aと直交する方向に走査するようになっている。これにより、駆動回路50は、光源20から射出された光が導光板内を伝播していく過程で、散乱領域30Bで散乱され、バックライト1の上面から外部に射出される光を光入射面10Aと直交する方向に走査するようになっている。
【0046】
図9(A),(B)〜図12(A),(B)は、散乱領域30Bが光入射面10Aと直交する方向に走査されている様子を模式的に表したものである。駆動回路50は、例えば、図9(A),(B)、図10(A),(B)に示したように、バックライト1内の全ての光源20を点灯させた状態で、複数の部分電極32Aを所定の単位ごとに順次、駆動することにより、散乱領域30B(光射出領域)を光入射面10Aと直交する方向に走査するようになっている。なお、図9(A),(B)、図10(A),(B)には、複数の部分電極32AをX軸の正方向に1行ずつ順番に駆動する場合が例示されている。
【0047】
導光板10の2つの側面に光源20を1つずつ設けている場合には、駆動回路50は、駆動対象の部分電極32Aの光源20からの距離に応じて、いずれか一方の光源20を消灯したり暗くしたりするようにしてもよい。例えば、駆動回路50は、2つの光源20のうち駆動対象の部分電極32Aに近い方の光源20を、2つの光源20のうち駆動対象の部分電極32Aから遠い方の光源20よりも明るくし、2つの光源20のうち駆動対象の部分電極32Aから遠い方の光源20を、2つの光源20のうち駆動対象の部分電極32Aに近い方の光源20よりも暗くするようにしてもよい。
【0048】
例えば、図11(A),(B)、図12(A),(B)に示したように、駆動回路50は、複数の部分電極32Aを所定の単位ごとに順次、駆動している際に、2つの光源20のうち駆動対象の部分電極32Aに近い方の光源20だけを点灯させ、2つの光源20のうち駆動対象の部分電極32Aから遠い方の光源20を消灯させるようになっていてもよい。言い換えると、駆動回路50は、駆動対象の部分電極32Aが一方の光源20(便宜的に光源Aとする。)寄りに位置しているときには光源Aだけを点灯させ、駆動対象の部分電極32Aが他方の光源20(便宜的に光源Bとする。)寄りに位置しているときには光源Bだけを点灯させるようになっていてもよい。このようにした場合には、光変調層34のうち透明性を示す部分(透過領域30A)を伝播する光の光量が減るので、黒輝度を小さくすることができる。
【0049】
また、例えば、図示しないが、駆動回路50は、双方の光源20を点灯させた上で、2つの光源20のうち駆動対象の部分電極32Aから遠い方の光源20を、2つの光源20のうち駆動対象の部分電極32Aに近い方の光源20よりも暗く点灯させるようになっていてもよい。このようにした場合にも、一方の光源20の光量を小さくした分だけ、光変調層34のうち透明性を示す部分(透過領域30A)を伝播する光の光量が減るので、黒輝度を小さくすることができる。
【0050】
以下に、本実施の形態のバックライト1の製造方法について、図13(A)〜(C)から図15(A)〜(C)を参照しながら説明する。
【0051】
まず、ガラス基板またはプラスチックフィルム基板からなる透明基板31上に、ITOなどの透明導電膜32Dを形成する(図13(A))。次に、透明導電膜32D上に、パターニングされたレジスト層(図示せず)を形成したのち、レジスト層をマスクとして透明導電膜32Dを選択的にエッチングする。その結果、下側電極32が形成される(図13(B))。
【0052】
次に、表面全体に配向膜33を塗布したのち、乾燥させ、焼成する(図13(C))。配向膜33としてポリイミド系材料を用いる場合には、溶媒にNMP(N−メチル−2−ピロリドン)を用いることが多いが、そのときには、大気下では200℃程度の温度が必要である。なお、この場合に、透明基板31,37としてプラスチック基板を用いる場合には、配向膜33を100℃で真空乾燥させ、焼成することもできる。その後、配向膜33に対してラビング処理を行う。これにより、配向膜33が水平配向用の配向膜として機能することが可能となる。
【0053】
次に、配向膜33上に、セルギャップを形成するためのスペーサ38を乾式または湿式で散布する(図14(A))。なお、真空貼り合わせ法にて光変調セル30−1を作成する場合には、滴下する混合物中にスペーサ38を混合しておいてもよい。また、スペーサ38の替わりとして、フォトリソ法によって柱スペーサを形成することもできる。
【0054】
続いて、上記と同様の方法で作製しておいた配向膜35上に、貼り合わせおよび液晶の漏れを防止するためのシール剤39を、例えば額縁状に塗布する(図14(B))。このシール剤パターン39はディスペンサー法やスクリーン印刷法にて形成することができる。
【0055】
以下に、真空貼り合わせ法(One Drop Fill法、ODF法)について説明するが、真空注入法やロール貼合方式などで光変調セル30−1を作成することも可能である。
【0056】
まず、セルギャップ、セル面積などから決まる体積分にあたる液晶とモノマーの混合物42を面内に均一に滴下する(図14(C))。混合物42の滴下にはリニアガイド方式の精密ディスペンサーを用いることが好ましいが、シール剤パターン39を土手として利用して、ダイコータなどを用いてもよい。
【0057】
液晶とモノマーは前述の材料を用いることができるが、液晶とモノマーの重量比は98:2〜50:50、好ましくは95:5〜75:25、より好ましくは92:8〜85:15である。液晶の比率を多くすることで駆動電圧を低くすることができるが、あまり液晶を多くしすぎると電圧印加時の白色度が低下したり、電圧オフ後に応答速度が低下するなど透明時に戻りにくくなったりする傾向がある。
【0058】
混合物42には、液晶とモノマーの他には、重合開始剤を添加する。使用する紫外線波長に応じて、添加する重合開始剤のモノマー比を0.1〜10重量%の範囲内で調整する。混合物42には、この他に、重合禁止剤や可塑剤、粘度調整剤なども必要に応じて添加可能である。モノマーが室温で固体やゲル状である場合には、口金やシリンジ、基板を加温することが好ましい。
【0059】
透明基板31および透明基板36を真空貼り合わせ機(図示せず)に配置したのち、真空排気し、貼り合わせを行う(図15(A))。その後、貼り合わせたものを大気に解放し、大気圧での均一加圧によってセルギャップを均一化する。セルギャップは白輝度(白色度)と駆動電圧の関係から適宜選定できるが、5〜40μm、好ましくは6〜20μm、より好ましくは7〜10μmである。
【0060】
貼り合わせ後、必要に応じて配向処理を行うことが好ましい(図示せず)。クロスニコル偏光子の間に、貼り合わせたセルを挿入した際に、光り漏れが生じている場合には、セルをある一定時間加熱処理したり、室温で放置したりして配向させる。その後、紫外線L3を照射してモノマーを重合させてポリマー化する(図15(B))。このようにして、光変調素子30が製造される。
【0061】
紫外線を照射している時には、セルの温度が変化しないようにすることが好ましい。赤外線カットフィルターを用いたり、光源にUV−LEDなどを用いたりすることが好ましい。紫外線照度は複合材料の組織構造に影響を与えるので、使用する液晶材料やモノマー材料、これらの組成から適宜調整することが好ましく、0.1〜500mW/cm2の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5〜30mW/cm2である。紫外線照度が低いほど駆動電圧が低くなる傾向にあり、生産性と特性の両面から好ましい紫外線照度を選定することができる。
【0062】
そして、導光板10に光変調素子30を貼り合わせる(図15(C))。貼り合わせには、粘着、接着のいずれでもよいが、導光板10の屈折率と光変調素子30の基板材料の屈折率とにできるだけ近い屈折率の材料で粘着、接着することが好ましい。最後に、下側電極32および上側電極36に引き出し線(図示せず)を取り付ける。このようにして、本実施の形態のバックライト1が製造される。
【0063】
このように、光変調素子30を作成し、最後に導光板10に光変調素子30を貼り合わせるプロセスを説明したが、導光板10の表面に、配向膜35を形成した透明基板36を予め貼り合わせてから、バックライト1を作成することもできる。また、枚葉方式、ロール・ツー・ロール方式のいずれでもバックライト1を作成することができる。
【0064】
次に、本実施の形態のバックライト1の作用および効果について説明する。
【0065】
本実施の形態のバックライト1では、例えば、光変調セル30−1において微粒子34Bの光軸AX2がバルク34Aの光軸AX1と平行もしくはほぼ平行となり、別の光変調セル30−1において微粒子34Bの光軸AX2がバルク34Aの光軸AX1と交差もしくは直交するように、各光変調セル30−1の部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加される。これにより、光源20から射出され、導光板10内に入射した光は、光変調素子30のうち、光軸AX1と光軸AX2とが互いに平行もしくはほぼ平行となっている透過領域30Aを透過する。一方、光源20から射出され、導光板10内に入射した光は、光変調素子30のうち、光軸AX1と光軸AX2とが互いに交差もしくは直交している散乱領域30Bにおいて散乱される。この散乱光のうち散乱領域30Bの下面を透過した光は反射板40で反射され、再度、導光板10に戻されたのち、バックライト1の上面から射出される。また、散乱光のうち、散乱領域30Bの上面に向かった光は、導光板10を透過したのち、バックライト1の上面から射出される。このように、本実施の形態では、透過領域30Aの上面からは光はほとんど射出されず、散乱領域30Bの上面から光が射出される。このようにして、正面方向の変調比を大きくしている。
【0066】
一般に、PDLCは、液晶材料と等方性の低分子材料とを混合し、紫外線照射や溶媒の乾燥などにより相分離を起こさせることによって形成され、液晶材料の微小粒子が高分子材料中に分散された複合層となっている。この複合層中の液晶材料は、電圧無印加時にはランダムな方向を向いているので散乱性を示すが、電圧印加時には電場方向に配向するので、液晶材料の常光屈折率と高分子材料の屈折率とが互いに等しい場合には、正面方向(PDLCの法線方向)において高い透明性を示す。しかし、この液晶材料では、斜め方向においては、液晶材料の異常光屈折率と高分子材料との差が顕著となり、正面方向が透明性であっても斜め方向において散乱性が発現してしまう。
【0067】
通常、PDLCを使った光変調素子は、表面に透明導電膜の形成された2枚のガラス板の間にPDLCを挟み込んだ構造となっていることが多い。上述したような構造を有する光変調素子に対して空気中から斜めに光が入射した場合には、その斜め方向から入射した光は空気とガラス板の屈折率差によって屈折し、より小さな角度でPDLCに入射することになる。そのため、このような光変調素子においては、大きな散乱は生じない。例えば、空気中から80°の角度で光が入射した場合には、その光のPDLCへの入射角はガラス界面での屈折によって40°程度にまで小さくなる。
【0068】
しかし、導光板を用いたエッジライト方式では、導光板越しに光が入射するので、光が80°程度の大きな角度でPDLC中を横切ることになる。そのため、液晶材料の異常光屈折率と高分子材料の屈折率との差が大きく、さらに、より大きな角度で光がPDLC中を横切るので、散乱を受ける光路も長くなる。例えば、常光屈折率1.5、異常光屈折率1.65の液晶材料の微小粒子が屈折率1.5の高分子材料中に分散されている場合には、正面方向(PDLCの法線方向)においては屈折率差がないが、斜め方向においては屈折率差が大きくなる。このため、斜め方向の散乱性を小さくすることができないので、視野角特性が悪い。さらに、導光板上に拡散フィルムなどの光学フィルムを設けた場合には、斜め漏れ光が拡散フィルムなどによって正面方向にも拡散されるので、正面方向の光漏れが大きくなり、正面方向の変調比が低くなってしまう。
【0069】
また、上記のPDLCの代わりに、ホログラフィックPDLC(H−PDLC)を用いることも考えられる。このH−PDLCでは、H−PDLCの一部の領域に電圧が印加されると、その領域に存在する液状分子の向きが変移する。そのようにして液状分子の向きが変移した領域(変移領域)の周囲には、電圧が印加されず、液状分子の向きが変移していない領域(非変移領域)が存在しており、この2種類の領域の境界が回折格子を構成する。この回折格子は、p偏光波を回折し、s偏光波を透過させる。そのため、導光板内を伝播してきた光のうちp偏光波については回折格子で回折され、回折光が外部に取り出されるが、導光板内を伝播してきた光のうちs偏光波については回折格子を透過してしまう。従って、H−PDLCでは、正面方向の変調比が原理的に低い。
【0070】
一方、本実施の形態では、光変調素子30においてバルク34Aおよび微粒子34Bが光学異方性材料を主に含んで形成されているので、斜め方向において、散乱性が小さくなり、透明性を向上させることができる。例えば、バルク34Aおよび微粒子34Bが、互いに常光屈折率が等しく、かつ互いに異常光屈折率も等しい光学異方性材料を主に含んで構成され、かつ、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない領域では、これらの光軸の向きが一致もしくはほぼ一致する。これにより、正面方向(光変調素子30の法線方向)および斜め方向を含むあらゆる方向において屈折率差が少なくなるか、またはなくなり、高い透明性が得られる。その結果、視野角の大きい範囲における光の漏洩を低減またはほとんどなくすることができ、視野角特性を良くすることができる。
【0071】
例えば、常光屈折率1.5、異常光屈折率1.65の液晶と、常光屈折率1.5、異常光屈折率1.65の液晶性モノマーとを混合し、配向膜または電界によって液晶と液晶性モノマーを配向させた状態で液晶性モノマーを重合させると、液晶の光軸と、液晶性モノマーが重合することによって形成されたポリマーの光軸とが互いに一致する。これにより、あらゆる方向で屈折率を一致させることができるので、そのようにした場合には、透明性が高い状態を実現でき、より一層、視野角特性を良くすることができる。
【0072】
また、本実施の形態では、例えば、図8(A),(B)に示したように、透過領域30Aの輝度(黒表示の輝度)が、光変調素子30を設けていない場合(図8(B)中の一点鎖線)と比べて下がっている。他方、散乱領域30Bの輝度は、光変調素子30を設けていない場合(図8(B)中の一点鎖線)と比べて極めて高くなり、しかも、透過領域30Aの輝度が低下した分だけ、部分的な白表示の輝度(輝度突き上げ)が大きくなる。
【0073】
ところで、輝度突き上げとは、全面白表示した場合に比べて、部分的に白表示を行った場合の輝度を高くする技術である。CRTやPDPなどでは一般によく使われている技術である。しかし、液晶ディスプレイでは、バックライトは画像にかかわらず全体に均一発光しているので、部分的に輝度を高くすることはできない。もっとも、バックライトを、複数のLEDを2次元配置したLEDバックライトとした場合には、LEDを部分的に消灯することは可能である。しかし、そのようにした場合には、LEDを消灯した暗領域からの拡散光がなくなるので、全てのLEDを点灯した場合と比べて、輝度が低くなってしまう。また、部分的に点灯しているLEDに対して流す電流を大きくすることにより、輝度を増やすことも可能であるが、そのようにした場合には、非常に短時間に大電流が流れるので、回路の負荷や信頼性の点で問題が残る。
【0074】
一方、本実施の形態では、光変調素子30においてバルク34Aおよび微粒子34Bが光学異方性材料を主に含んで形成されているので、斜め方向の散乱性が抑制され、暗状態での導光板からの漏れ光が少ない。これにより、導光板10を伝播している光は、部分的な暗状態の部分から部分的な明状態の部分に、わずかな光損失で伝播するので、バックライト1への投入電力を増やすことなく、輝度突き上げを実現することができる。その結果、高輝度を実現することができる。
【0075】
また、本実施の形態において、水平配向膜が上述したようなプレチルト機能を有している場合には、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない領域において、微粒子34Bの光軸AX2が、導光板10の光入射面10Aと平行(またはほぼ平行)となっており、かつ透明基板31の表面と所定のプレチルト角で交差している。つまり、微粒子34B内に含まれる液晶分子が、光入射面10Aと平行な面内において所定のプレチルト角だけ傾斜した状態で配向している。そのため、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加された時に、微粒子34B内に含まれる液晶分子は、ランダムな方位に立ち上がることはなく、光入射面10Aと平行な面内で立ち上がる。このとき、バルク34Aおよび微粒子34Bの光軸AX1,AX2が、光入射面10Aと平行な面内において互いに交差もしくは直交する。従って、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加された領域において、正面方向(光変調素子30の法線方向)および斜め方向を含むあらゆる方向において屈折率差が大きくなり、高い散乱性が得られる。その結果、表示輝度を向上させることができる。また、上記の輝度突き上げの効果により、輝度をさらに向上させることができる。
【0076】
また、本実施の形態では、光入射面10Aと直交する方向に配列された複数の部分電極32Aが所定の単位ごとに順次、駆動される。これにより、光源20から射出された光が導光板10内を伝播していく過程で、光変調層34のうち散乱性を示す部分(散乱領域30B)が光入射面10Aと直交する方向に走査される。その結果、散乱領域30Bで散乱され、バックライト1の上面から外部に射出される光が光入射面10Aと直交する方向に走査される。このとき、光源20はスキャン駆動されていないので、上記の輝度突き上げの効果により、光源をスキャン駆動する従来方式よりも高輝度が得られる。また、本実施の形態では、上述したように、光源20がスキャン駆動されていないことから、非常に短い期間に光源に大きな電力を投入してスキャン駆動する場合に生じる突入電力(具体的には光源に電力を投入したときに一時的に流れる大電力)を考慮する必要がほとんどなく、回路基板の信頼性を損なうことがない。
【0077】
このように、本実施の形態では、光源20をスキャン駆動する代わりに、光変調層34内の散乱領域30Bを走査することにより、バックライト1の上面から外部に射出される光を走査するようにしたので、スキャン方式において、高輝度、低消費電力、および回路基板の高信頼性の全てを同時に実現することができる。
【0078】
<2.第2の実施の形態>
図16(A)は、本技術の第2の実施の形態に係るバックライト2の概略構成の一例を表す断面図である。バックライト2は、本技術の照明装置の一具体例に相当するものである。図16(B)は、図16(A)のバックライト2に含まれる光変調素子60の概略構成の一例を表す断面図である。なお、図16(A),(B)は、模式的に表したものであり、実際の寸法や形状と同一であるとは限らない。
【0079】
本実施の形態のバックライト2は、光変調素子30の代わりに光変調素子60を備えている点で、第1の実施の形態に係るバックライト1の構成と相違する。そこで、以下では、上記実施の形態との相違点について主に説明し、上記実施の形態との共通点についての説明を適宜省略するものとする。
【0080】
光変調素子60は、本実施の形態において、導光板10の背後(下面)に空気層を介さずに密着しており、例えば接着剤(図示せず)を介して導光板10の背後に接着されている。この光変調素子60は、例えば、図16(B)に示したように、透明基板31、下側電極32、配向膜63、光変調層64、配向膜65、上側電極36および透明基板37を反射板40側から順に配置したものである。
【0081】
配向膜63,65は、例えば、光変調層64に用いられる液晶やモノマーを配向させるものである。配向膜の種類としては、例えば、垂直配向膜および水平配向膜があるが、本実施の形態では、配向膜63,65には垂直配向膜が用いられる。垂直配向膜としては、シランカップリング材料や、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリイミド系材料、界面活性剤などを用いることが可能である。また、透明基板31,37としてプラスチックフィルムを用いる場合には、製造工程において、透明基板31,37の表面に配向膜33,35を塗布した後の焼成温度ができるだけ低いことが好ましいことから、配向膜63,65としてアルコール系溶媒を使用することの可能なシランカップリング材料を用いることが好ましい。
【0082】
なお、垂直配向膜として、当該垂直配向膜に接する液晶分子にプレチルトを付与する機能を有するものが用いられていることが好ましい。垂直配向膜にプレチルト機能を発現させる方法としては、例えば、ラビングなどが挙げられる。上記の垂直配向膜は、例えば、当該垂直配向膜に近接する液晶分子の長軸を光入射面10Aと平行な面内であって、かつ当該垂直配向膜の法線と僅かな角度で交差させる機能を有していることが好ましい。そのような機能を有する垂直配向膜は、例えば、ラビング方向を光入射面10Aと平行にすることで実現することができる。
【0083】
ただし、配向膜63,65として垂直配向膜を用いるに際しては、後述の微粒子64B内に含まれる液晶分子として、負の誘電率異方性を有するもの(いわゆるネガ型液晶)を用いることが好ましい。
【0084】
次に、本実施の形態の光変調層64について説明する。光変調層64は、例えば、図16(B)に示したように、バルク64Aと、バルク64A内に分散された微粒子状の複数の微粒子64Bとを含んだ複合層となっている。バルク64Aおよび微粒子64Bは光学異方性を有している。
【0085】
図17は、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時の、バルク64Aおよび微粒子64B内の配向状態の一例を模式的に表したものである。図17中の楕円体164Aは、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時の、バルク64Aの屈折率異方性を示す屈折率楕円体の一例を表したものである。図17中の楕円体164Bは、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時の、微粒子64Bの屈折率異方性を示す屈折率楕円体の一例を表したものである。
【0086】
図18は、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されている時の、バルク64Aおよび微粒子64B内の配向状態の一例を模式的に表したものである。図18中の楕円体164Aは、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されている時の、バルク64Aの屈折率異方性を示す屈折率楕円体の一例を表したものである。図18中の楕円体164Bは、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されている時の、微粒子64Bの屈折率異方性を示す屈折率楕円体の一例を表したものである。
【0087】
バルク64Aおよび微粒子64Bは、例えば、図17に示したように、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時に、バルク64Aの光軸AX3(具体的には楕円体164Aの長軸)および微粒子64Bの光軸AX4(具体的には楕円体164Bの長軸)の向きが互いに一致する(平行となる)構成となっている。なお、光軸AX3,AX4とは、偏光方向によらず屈折率が一つの値になるような光線の進行方向と平行な線を指している。また、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時に、光軸AX3および光軸AX4の向きは常に互いに一致している必要はなく、光軸AX3の向きと光軸AX4の向きとが、例えば製造誤差などによって多少ずれていてもよい。
【0088】
また、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時に、光軸AX4は、導光板10の光入射面10Aと平行(またはほぼ平行)となると共に、透明基板31の表面の法線と平行(またはほぼ平行)となっている。つまり、下側電極32および上側電極36間に電圧が印加されていない時に、光軸AX4は、下側電極32または上側電極36を含む面と直交(またはほぼ直交)している。
【0089】
なお、垂直配向膜が上述したようなプレチルト機能を有している場合には、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時に、光軸AX4は、導光板10の光入射面10Aと平行(またはほぼ平行)となると共に、透明基板31の法線と所定のプレチルト角で交差している。
【0090】
一方、バルク64Aは、部分電極32Aおよび上側電極36間への電圧印加の有無に拘らず、光軸AX3が一定となる構成となっている。具体的には、光軸AX3は、導光板10の光入射面10Aと平行(またはほぼ平行)となると共に、透明基板31の表面の法線と平行(またはほぼ平行)となっている。つまり、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時に、光軸AX3は、光軸AX4と平行(またはほぼ平行)となっている。
【0091】
なお、垂直配向膜が上述したようなプレチルト機能を有している場合には、光軸AX3は、導光板10の光入射面10Aと平行(またはほぼ平行)となると共に、透明基板31の法線と所定のプレチルト角で交差している。つまり、この場合にも、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時には、光軸AX3は、光軸AX4と平行(またはほぼ平行)となっている。
【0092】
ここで、バルク64Aおよび微粒子64Bの常光屈折率が互いに等しく、かつバルク64Aおよび微粒子64Bの異常光屈折率が互いに等しいことが好ましい。この場合に、例えば、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時には、正面方向および斜め方向を含むあらゆる方向において屈折率差がほとんどなく、高い透明性が得られる。これにより、例えば、正面方向に向かう光および斜め方向に向かう光は、光変調層64内で散乱されることなく、光変調層64を透過する。その結果、例えば、光源20からの光(斜め方向からの光)は、光変調素子60内で透明となった領域(透過領域30A)の界面(透明基板31または導光板10と空気との界面)において全反射され、透過領域30Aの輝度(黒表示の輝度)が、光変調素子60を設けていない場合と比べて下がる(図8(A),(B)参照)。
【0093】
また、バルク64Aおよび微粒子64Bは、例えば、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されている時には、図18に示したように、光軸AX3および光軸AX4の向きが互いに異なる(交差もしくは直交する)構成となっている。また、微粒子64Bは、例えば、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されている時に、光軸AX4が導光板10の光入射面10Aと平行(もしくはほぼ平行)となると共に透明基板31の表面と平行(もしくはほぼ平行)となる構成となっている。つまり、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されている時に、光軸AX4は、部分電極32Aまたは上側電極36を含む面と平行(もしくはほぼ平行)となっており、かつ部分電極32Aの延在方向と平行(もしくはほぼ平行)となっている。
【0094】
したがって、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されている時には、光変調層64において、光入射面10Aと平行な面であって、かつ透明基板31の表面と直交する面内のあらゆる方向において屈折率差が大きくなり、高い散乱性が得られる。これにより、例えば、正面方向に向かう光および斜め方向に向かう光は、光変調層64内で散乱される。その結果、例えば、光源20からの光L(斜め方向からの光)は、散乱領域30Bの界面(透明基板31または導光板10と空気との界面)を透過すると共に、反射板40側に透過した光は反射板40で反射され、光変調素子60を透過する。従って、散乱領域30Bの輝度は、光変調素子60を設けていない場合と比べて極めて高くなり、しかも、透過領域30Aの輝度が低下した分だけ、部分的な白表示の輝度(輝度突き上げ)が大きくなる。
【0095】
なお、バルク64Aおよび微粒子64Bの常光屈折率は、例えば製造誤差などによって多少ずれていてもよく、例えば、0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。また、バルク64Aおよび微粒子64Bの異常光屈折率についても、例えば製造誤差などによって多少ずれていてもよく、例えば、0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。
【0096】
また、バルク64Aの屈折率差(=異常光屈折率−常光屈折率)や、微粒子64Bの屈折率差(=異常光屈折率−常光屈折率)は、できるだけ大きいことが好ましく、0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましく、0.15以上であることがさらに好ましい。バルク64Aおよび微粒子64Bの屈折率差が大きい場合には、光変調層64の散乱能が高くなり、導光条件を容易に破壊することができ、導光板10からの光を取り出しやすいからである。
【0097】
また、バルク64Aおよび微粒子64Bは、電場に対する応答速度が互いに異なっている。バルク64Aは、例えば、電場に対して応答しない筋状構造もしくは多孔質構造となっているか、または微粒子64Bの応答速度よりも遅い応答速度を有する棒状構造となっている。バルク64Aは、例えば、低分子モノマーを重合化することにより得られた高分子材料によって形成されている。バルク64Aは、例えば、微粒子64Bの配向方向または配向膜63,65の配向方向に沿って配向した、配向性および重合性を有する材料(例えばモノマー)を熱および光の少なくとも一方によって重合させることにより形成されている。一方、微粒子64Bは、例えば、液晶材料を主に含んで構成されており、バルク64Aの応答速度よりも十分に早い応答速度を有している。微粒子64B内に含まれる液晶材料(液晶分子)は、例えば棒状分子である。
【0098】
ここで、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない時には、微粒子64B内において、液晶分子の長軸方向は、光軸AX3と平行となっている。このとき、微粒子64B内の液晶分子の長軸は、導光板10の光入射面10Aと平行(もしくはほぼ平行)となると共に透明基板31の表面と平行(もしくはほぼ平行)となっている。また、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されている時には、微粒子64B内において、液晶分子の長軸方向は、光軸AX3と交差(もしくは直交)している。このとき、微粒子64B内の液晶分子の長軸は、導光板10の光入射面10Aと平行(もしくはほぼ平行)となると共に透明基板31の表面と平行(もしくはほぼ平行)となっている。
【0099】
上記した、配向性および重合性を有するモノマーとしては、光学的に異方性を有しており、かつ液晶と複合する材料であればよいが、本実施の形態では紫外線で硬化する低分子モノマーであることが好ましい。電圧無印加の状態で、液晶と、低分子モノマーを重合化することにより形成されたもの(高分子材料)との光学的異方性の方向が一致していることが好ましいので、紫外線硬化前において、液晶と低分子モノマーが同一方向に配向していることが好ましい。微粒子64Bとして液晶が用いられる場合に、その液晶が棒状分子であるときには、使用するモノマー材料の形状も棒状であることが好ましい。以上のことから、モノマー材料としては重合性と液晶性を併せ持つ材料を用いることが好ましく、例えば、重合性官能基として、アクリレート基、メタクリレート基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルエーテル基およびエポキシ基からなる群から選ばれた少なくとも1つの官能基を有することが好ましい。これらの官能基は、紫外線、赤外線または電子線を照射したり、加熱したりすることによって重合させることができる。紫外線照射時の配向度低下を抑制するために、多官能基をもつ液晶性材料を添加することもできる。バルク64Aを上述した筋状構造とする場合には、バルク64Aの原料として、2官能液晶性モノマーを用いることが好ましい。また、バルク64Aの原料に対して、液晶性を示す温度の調整を目的に単官能モノマーを添加したり、架橋密度向上を目的に3官能以上のモノマーを添加したりすることもできる。
【0100】
駆動回路50は、例えば、ある光変調セル30−1において微粒子64Bの光軸AX4がバルク64Aの光軸AX3と平行もしくはほぼ平行となり、他の光変調セル30−1において微粒子64Bの光軸AX4がバルク64Aの光軸AX3と交差もしくは直交するように各光変調セル30−1の一対の電極(部分電極32Aおよび上側電極36)へ印加する電圧の大きさを制御するようになっている。つまり、駆動回路50は、電場制御によって、バルク64Aおよび微粒子64Bの光軸AX3,AX4の向きを互いに一致(もしくはほぼ一致)させたり、互いに異ならせたり(もしくは直交させたり)することができるようになっている。
【0101】
駆動回路50は、さらに、複数の部分電極32Aを所定の単位ごとに順次、駆動することにより、光変調層64のうち散乱性を示す部分(散乱領域30B)を光入射面10Aと直交する方向に走査するようになっている。これにより、駆動回路50は、光源20から射出された光が導光板内を伝播していく過程で、散乱領域30Bで散乱され、バックライト2の上面から外部に射出される光を光入射面10Aと直交する方向に走査するようになっている。
【0102】
次に、本実施の形態のバックライト2の作用および効果について説明する。
【0103】
本実施の形態のバックライト2では、例えば、光変調セル30−1において微粒子64Bの光軸AX4がバルク64Aの光軸AX3と平行もしくはほぼ平行となり、別の光変調セル30−1において微粒子64Bの光軸AX4がバルク64Aの光軸AX3と交差もしくは直交するように、各光変調セル30−1の部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加される。これにより、光源20から射出され、導光板10内に入射した光は、光変調素子60のうち、光軸AX3と光軸AX4とが互いに平行もしくはほぼ平行となっている透過領域30Aを透過する。一方、光源20から射出され、導光板10内に入射した光は、光変調素子60のうち、光軸AX3と光軸AX4とが互いに交差もしくは直交している散乱領域30Bにおいて散乱される。この散乱光のうち散乱領域30Bの下面を透過した光は反射板40で反射され、再度、導光板10に戻されたのち、バックライト2の上面から射出される。また、散乱光のうち、散乱領域30Bの上面に向かった光は、導光板10を透過したのち、バックライト2の上面から射出される。このように、本実施の形態では、透過領域30Aの上面からは光はほとんど射出されず、散乱領域30Bの上面から光が射出される。このようにして、正面方向の変調比を大きくしている。
【0104】
ところで、本実施の形態では、バルク64Aおよび微粒子64Bが光学異方性材料を主に含んで形成されているので、斜め方向において、散乱性が小さくなり、透明性を向上させることができる。例えば、バルク64Aおよび微粒子64Bが、互いに常光屈折率が等しく、かつ互いに異常光屈折率も等しい光学異方性材料を主に含んで構成され、かつ、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない領域では、これらの光軸の向きが一致もしくはほぼ一致する。これにより、正面方向(光変調素子60の法線方向)および斜め方向を含むあらゆる方向において屈折率差が少なくなるか、またはなくなり、高い透明性が得られる。その結果、視野角の大きい範囲における光の漏洩を低減またはほとんどなくすることができ、視野角特性を良くすることができる。
【0105】
例えば、常光屈折率1.5、異常光屈折率1.65の液晶と、常光屈折率1.5、異常光屈折率1.65の液晶性モノマーとを混合し、配向膜または電界によって液晶と液晶性モノマーを配向させた状態で液晶性モノマーを重合させると、液晶の光軸と、液晶性モノマーが重合することによって形成されたポリマーの光軸とが互いに一致する。これにより、あらゆる方向で屈折率を一致させることができるので、そのようにした場合には、透明性が高い状態を実現でき、より一層、視野角特性を良くすることができる。
【0106】
また、本実施の形態では、例えば、透過領域30Aの輝度(黒表示の輝度)が、光変調素子60を設けていない場合と比べて下がる。他方、散乱領域30Bの輝度は、光変調素子60を設けていない場合と比べて極めて高くなり、しかも、透過領域30Aの輝度が低下した分だけ、部分的な白表示の輝度(輝度突き上げ)が大きくなる。これは、バルク64Aおよび微粒子64Bが光学異方性材料を主に含んで形成されており、斜め方向の散乱性が抑制され、暗状態での導光板からの漏れ光が少ないからである。従って、部分的な暗状態の部分から部分的な明状態の部分に導光するので、バックライト2への投入電力を増やすことなく、輝度突き上げを実現することができる。
【0107】
また、本実施の形態において、垂直配向膜が上述したようなプレチルト機能を有している場合には、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加されていない領域において、微粒子64Bの光軸AX4が、導光板10の光入射面10Aと平行(またはほぼ平行)となっており、かつ透明基板31の法線と所定のプレチルト角で交差している。つまり、微粒子64B内に含まれる液晶分子が、光入射面10Aと平行な面内において所定のプレチルト角だけ傾斜した状態で配向している。そのため、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加された時に、微粒子64B内に含まれる液晶分子は、ランダムな方位に立ち下がることはなく、光入射面10Aと平行な面内で立ち下がる。このとき、バルク64Aおよび微粒子64Bの光軸AX3,AX4が、光入射面10Aと平行な面内において互いに交差もしくは直交する。従って、部分電極32Aおよび上側電極36間に電圧が印加された領域において、正面方向(光変調素子60の法線方向)および斜め方向を含むあらゆる方向において屈折率差が大きくなり、高い散乱性が得られる。その結果、表示輝度を向上させることができる。また、上記の輝度突き上げの効果により、輝度をさらに向上させることができる。
【0108】
また、本実施の形態でも、光入射面10Aと直交する方向に配列された複数の部分電極32Aが所定の単位ごとに順次、駆動される。これにより、光源20から射出された光が導光板10内を伝播していく過程で、光変調層64のうち散乱性を示す部分(散乱領域30B)が光入射面10Aと直交する方向に走査される。その結果、散乱領域30Bで散乱され、バックライト2の上面から外部に射出される光が光入射面10Aと直交する方向に走査される。このとき、光源20はスキャン駆動されていないので、上記の輝度突き上げの効果により、光源をスキャン駆動する従来方式よりも高輝度が得られる。また、本実施の形態では、上述したように、光源20がスキャン駆動されていないことから、非常に短い期間に光源に大きな電力を投入してスキャン駆動する場合に生じる突入電力を考慮する必要がほとんどなく、回路基板の信頼性を損なうことがない。
【0109】
このように、本実施の形態でも、光源20をスキャン駆動する代わりに、光変調層64内の散乱領域30Bを走査することにより、バックライト2の上面から外部に射出される光を走査するようにしたので、スキャン方式において、高輝度、低消費電力、および回路基板の高信頼性の全てを同時に実現することができる。
【0110】
<3.変形例>
[第1変形例]
上記各実施の形態において、駆動回路50は、複数の部分電極32Aを所定の単位ごとに順次、駆動していく過程で、光源20を常時、点灯させるようになっていてもよい。例えば、図19(A),(B)に示したように、駆動回路50は、1または複数の部分電極32Aを1つのブロックとみなしたときに、複数の部分電極32Aをブロックごとに順次、駆動していく過程で、1ブロック目の駆動と同期して光源20を点灯させ、全てのブロックの走査が終了するまでの間、継続して点灯させるようになっていてもよい。
【0111】
なお、図19(A)は、部分電極32Aへの電圧印加のタイミングの一例を概念的に表したものであり、図19(B)は、光源20への印加電圧の波形の一例を模式的に表したものである。図19(A),(B)には、駆動回路50が1ブロック目の駆動の開始と同時に光源20を点灯させる場合が例示されているが、駆動回路50が1ブロック目の駆動の開始前に光源20を点灯させるようになっていてもよい。また、液晶が電圧印加の瞬間から遅れて応答する性質を考慮して、駆動回路50が1ブロック目の駆動の開始直後に光源20を点灯させるようになっていてもよい。
【0112】
[第2変形例]
また、上記各実施の形態において、駆動回路50は、複数の部分電極32Aを所定の単位ごとに順次、駆動していく過程で、光源20を、部分電極32Aの駆動タイミングに同期して点滅させるようになっていてもよい。例えば、図20(A),(B)に示したように、駆動回路50は、複数の部分電極32Aを所定の単位ごとに順次、駆動していく過程で、部分電極32Aに電圧を印加している期間だけ、光源20を点灯させるようになっていてもよい。
【0113】
なお、図20(A)は、部分電極32Aへの電圧印加のタイミングの一例を概念的に表したものであり、図20(B)は、光源20への印加電圧の波形の一例を模式的に表したものである。図20(A),(B)には、駆動回路50が各ブロックの駆動の開始と同時に光源20を点灯させる場合が例示されているが、駆動回路50が各ブロック目の駆動の開始前に光源20を点灯させるようになっていてもよい。また、液晶が電圧印加の瞬間から遅れて応答する性質を考慮して、駆動回路50が各ブロックの駆動の開始直後に光源20を点灯させるようになっていてもよい。
【0114】
本変形例において、駆動回路50は、光変調層34,64が一部の領域で散乱性を示している時に光源20を点灯させ、光変調層34,64が全領域で透明性を示している時に光源20を消灯させるようになっているとも言える。
【0115】
ところで、上記各実施の形態において、スキャン駆動を高速に(例えば数百Hzで)行う場合、部分電極32Aの配線抵抗および光変調層34(または光変調層64)の静電容量で決まる時定数によって、部分電極32Aに印加した電圧の波形が鈍り、部分電極32Aの末端において、印加される波形が遅れてしまう可能性がある。その場合、バックライト1(またはバックライト2)から出力された光において、部分電極32Aの延在方向と対応する方向で明るさに差が生じたり、隣接する走査領域と干渉したりするなどの、画像品質上の不具合が生じる可能性がある。そこで、そのような不具合が生じる場合には、例えば、図20(A),(B)に示したように、複数の部分電極32Aが所定の単位ごとに順次、駆動されていく過程で、光源20を、部分電極32Aの駆動タイミングに同期して点滅することが好ましい。このようにすることで、高速スキャン駆動時の画像品質を改善することができる。
【0116】
[第3変形例]
上記の第1変形例および第2変形例において、駆動回路50は、複数の部分電極32Aを所定の単位ごとに順次、駆動していく過程で、例えば、図21(A),(B)に示したように、光源20を部分的に点灯するようになっていてもよい。つまり、駆動回路50が、複数の部分電極32Aを所定の単位ごとに順次、駆動していく過程で、光源20の一部を必要に応じて適宜、消灯するようになっていてもよい。このとき、光源20に含まれる複数の点状光源23が、個々に、もしくは、光源ブロック25単位で、独立駆動可能になっている。このようにすることで、高輝度を得ることができるだけでなく、消費電力を低減することもできる。
【0117】
ここで、バックライト1,2が、表示パネルのバックライトとして用いられている場合には、部分電極32Aの走査方向が表示パネルの走査方向と同じ方向となるように、バックライト1,2が配置されていることが好ましい。さらに、この場合に、駆動回路50は、部分電極32Aの走査と、表示パネルの走査とを互いに同期させるとともに、外部から入力される制御信号(例えば映像信号)に応じて、光源20全体を点灯または消灯したり、光源20を部分的に点灯したりするようになっていることが好ましい。このようにすることで、高輝度および低消費電力を実現することができるだけでなく、画質および応答性を改善することができる。
【0118】
なお、上記の場合に、駆動回路50は、光源20を部分的に点灯する代わりに、光源20を部分的に明るく点灯すると同時に部分的に暗く点灯するようになっていてもよい。
【0119】
なお、本変形例において、導光板10が、例えば、図22(A)に示したように、帯状の複数の凸部11を上面に有していてもよい。なお、導光板10は、例えば、図22(B)に示したように、帯状の複数の凸部11を下面に有していてもよい。また、導光板10は、例えば、図示しないが、帯状の複数の凸部11を導光板10の内部に有していてもよい。また、導光板10の内部が空洞状になっていてもよいし、密に充填されていてもよい。このように、導光板10の表面(上面または下面)またはその内部に、帯状の複数の凸部11が設けられていることで、部分的に点灯された光源20の光の直進性が向上する。その結果、駆動対象の部分電極32Aと、光源20から出射された光とが互いに交差する部分(つまり、バックライト1,2の発光部分)の形状および面積を、光源20の部分点灯制御によって容易に制御することができる。
【0120】
各凸部11は、光入射面10Aの法線と平行な方向に延在しており、例えば、図22(A),(B)に示したように、導光板10の一の側面から、その側面と対向する他の側面まで連続して形成されている。各凸部11の配列方向の断面は、例えば、矩形状、台形状、または三角形状となっている。各凸部11の配列方向の断面が矩形状となっている場合には、光の直進性が非常に高く、大型のバックライトに適している。各凸部11の配列方向の断面が台形状となっている場合には、射出成型、溶融押し出し成型、熱プレス成型などで各凸部11を形成する際に使用する金型の加工が容易であり、かつ成型時の離型性もよく、欠陥の減少による歩留まりや成型速度を向上させることができる。
【0121】
互いに隣り合う凸部11同士の間には、平坦面が設けられていてもよいし、平坦面がなくてもよい。各凸部11の高さは、面内で均一になっていてもよいし、面内で不均一になっていてもよい。例えば、図23(A),(B)に示したように、導光板10の1つの側面が光入射面10Aとなっているときに、各凸部11の高さが、光入射面10A側で相対的に低く、光入射面10Aと対向する側面側で相対的に高くなっていてもよい。また、例えば、導光板10の側面のうち互いに対向する一対の側面が光入射面10Aとなっているときに、各凸部11の高さが、双方の光入射面10Aおよびその近傍で相対的に低く、それ以外の部分で相対的に高くなっていてもよい。各凸部11のうち、光入射面10Aおよびその近傍の高さは、ゼロまたは実質的にゼロとなっていてもよい。例えば、図23(A),(B)に示したように、各凸部11の高さが、光入射面10A側から、光入射面10Aから遠ざかるにつれて高くなっていてもよい。このとき、各凸部11の高さが、光入射面10A側から、光入射面10Aと対向する側面側に向かう中途で、一定になるようになっていてもよい。なお、図23(A)に示したような高さの不均一な複数の凸部11が導光板10の上面以外の箇所に設けられていてもよく、例えば、導光板10の下面または内部に設けられていてもよい。
【0122】
上述のように、凸部11の高さ(言い換えると、凸部11同士の間に形成される溝の深さ)を変えることにより、光の直進性を変化させることができる。例えば、図22(A),(B)に示したように、各凸部11を光入射面10Aおよびその近傍にも設けた場合には、例えば、図24(A)に例示したように、1つの光源ブロック25を点灯させると、その光源ブロック25から出力された光L1は、横方向(幅方向)にあまり広がらずに導光板10内を伝播するようになる。この場合、光入射面10Aの近傍において、点状光源23同士の間に暗い部分が発生する場合があり、その場合には、画質が低下する虞がある。そこで、そのような場合には、例えば、図23(A),(B)に示したように、各凸部11の高さを光入射面10Aおよびその近傍で相対的に低くしたり、またはゼロにしたりすることが好ましい。このようにすることにより、光源ブロック23から出力された光L1を、例えば、図24(B)に示したように、光入射面10Aおよびその近傍において、点状光源23の発散角で横方向(幅方向)に広げ、光入射面10Aから離れた領域においては、ほぼ一定の幅で伝播させることができる。
【0123】
[第4変形例]
また、上記各実施の形態およびそれらの変形例(以下、単に「上記各実施の形態等」と称する。)において、例えば、図25に示したように、部分電極32Aの延在方向に延在する金属配線43が、各部分電極32に1つずつ接して設けられていてもよい。金属配線43は、できるだけ表面が鏡面になるような材料であって、かつできるだけ配線抵抗の小さな材料で構成されていることが好ましい。そのような材料としては、例えば、Al(アルミニウム)、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、Mo(モリブデン)Ta(タンタル)などが挙げられる。金属配線43の幅は、金属配線43がバックライト1,2の暗線とならない程度となっていることが好ましく、500μm以下となっていることが好ましく、300μm以下となっていることがより好ましく、150μm以下となっていることがさらに好ましい。
【0124】
[第5変形例]
また、上記各実施の形態等において、駆動回路50は、駆動対象の部分電極32Aの、光源20からの距離に応じて、光源20の光量を調整するようになっていてもよい。例えば、駆動回路50は、駆動対象の部分電極32Aの、光源20からの距離が遠くなるにつれて、光源20の光量を増大させるようになっていてもよい。
【0125】
[第6変形例]
また、上記各実施の形態等において、図26に示したように、各部分電極32Aが複数の細線電極32Bによって構成されていてもよい。なお、細線電極32Bは、本技術の「部分電極」の一具体例に相当する場合がある。ところで、本変形例において、駆動回路50は、複数の部分電極32Aを所定の単位ごとに順次駆動する際に、駆動対象の部分電極32Aに含まれる複数の細線電極32Bに対して、光源20からの距離に応じて変調された電圧を印加するようになっていてもよい。例えば、図27に示したように、駆動回路50は、複数の部分電極32Aを所定の単位ごとに順次駆動する際に、駆動対象の部分電極32Aに含まれる複数の細線電極32Bに対して、光源20からの距離が遠くなるにつれて、波高値のより大きな電圧を印加するようになっていてもよい。このとき、駆動回路50は、例えば、図28(A),(B)に示したように、光源20からの距離が遠くなるにつれて、細線電極32Bに印加する電圧の波高値を大きくすることが好ましい。
【0126】
また、本変形例において、駆動回路50は、複数の細線電極32Bを所定の単位ごとに(例えば部分電極32Aごとに)、順次駆動するようになっていてもよいし、複数の細線電極32Bを1つずつ順番に駆動するようになっていてもよい。また、本変形例において、駆動回路50は、複数の部分電極32Aを所定の単位ごとに順次駆動する際に、駆動対象の部分電極32Aに隣接する他の部分電極32Aに含まれる1または複数の細線電極32Bに対して、当該細線電極32Bが駆動対象の部分電極32Aに該当しているときに印加する電圧の波高値よりも小さな波高値の電圧を印加するようになっていてもよい。例えば、図29(A),(B)に示したように、駆動回路50は、ある時刻において、駆動対象の部分電極32Aに印加する電圧の波高値と、駆動対象の部分電極32Aに隣接する他の部分電極32Aに含まれる1または複数の細線電極32Bに印加する電圧の波高値とにより形成される波高値の空間分布(細線電極32Bの配列方向の空間分布)が山なり(curved lineもしくはarc line)となるように、各細線電極32Bに電圧を印加するようになっていてもよい。
【0127】
[第7変形例]
また、上記各実施の形態等において、各部分電極32Aがパターニングされたものであってもよい。例えば、図30(A),(B)に示したように、各部分電極32Aが、複数の開口32Cを有していてもよい。開口32Cは、例えば、円形状、楕円形状、または多角形状となっている。このとき、各部分電極32Aに設けられた複数の開口32Cの密度(単位面積当たりの開口32Bの占有率)が、光源20からの距離に応じて異なっている。例えば、図30(A)に示したように、単位面積当たりの開口32Cの数が、光源20からの距離に拘わらず一定となっており、開口32Cの径が、光源20からの距離が遠くなるにつれて小さくなっている。また、例えば、図30(B)に示したように、開口32Cの径が、光源20からの距離に拘わらず一定となっており、単位面積当たりの開口32Cの数が、光源20からの距離が遠くなるにつれて少なくなっている。従って、上記のいずれの例においても、開口32Cの密度が、光源20からの距離が遠くなるにつれて疎になっている(小さくなっている)。言い換えると、部分電極32Aのパターン密度(部分電極32Aのうち開口32C以外の部分の単位面積当たりの占有率)が、光源20からの距離が遠くなるにつれて密になっている(大きくなっている)。
【0128】
このように、部分電極32Aのパターン密度を、光源20からの距離に応じて異ならせることにより、バックライト1,2の光射出領域における透明領域30Aおよび散乱領域30Bの密度分布を所望の分布にすることができる。これにより、バックライト1,2の光射出領域のうち光源20に近い側の輝度を、光変調素子30,60を設けていない場合よりも低く抑え、かつバックライト1,2の光射出領域のうち光源20から遠く離れた側の輝度を、光変調素子30,60を設けていない場合よりも高くすることができる。その結果、例えば、バックライト1,2の光射出領域全体を暗状態とした場合だけでなく、バックライト1,2の光射出領域全体を明状態とした場合にも、面内輝度を均一化することができる。従って、例えば、光源20に近い領域と、光源20から遠い領域とにおいて白表示をしたときに、双方の領域の白輝度を等しくすることが可能となる。また、例えば、光源20に近い領域と、光源20から遠い領域とにおいて黒表示をしたときにも、これらの領域の黒輝度を等しくすることが可能となる。以上のことから、本変形例では、面内輝度を均一化しつつ、変調比を高くすることができる。
【0129】
[第8変形例]
また、上記各実施の形態等では、光変調素子30,60は、導光板10の背後(下面)に空気層を介さずに密着して接合されていたが、例えば、図31に示したように、導光板10の上面に空気層を介さずに密着して接合されていてもよい。また、光変調素子30,60は、例えば、図32に示したように、導光板10の内部に設けられていてもよい。ただし、この場合でも、光変調素子30,60は、導光板10と空気層を介さずに密着して接合されていることが必要である。
【0130】
[第9変形例]
また、上記実施の形態等では、導光板10の上に特に何も設けられていなかったが、例えば、図33に示したように、光学シート70(例えば、拡散板、拡散シート、レンズフィルム、偏光分離シートなど)を設けてもよい。このようにした場合には、導光板10から斜め方向に射出した光の一部が正面方向に立ち上がるので、変調比を効果的に向上させることができる。
【0131】
[第10変形例]
また、上記各実施の形態等において、駆動回路50は、駆動対象の部分電極32Aの、光源20からの距離に応じて、光源20の色を調整するようになっていてもよい。光源20が、例えば、図34に示したように、色調整用の光源26(例えば、赤色LED26R、緑色LED26Gおよび青色LED26Bからなる3色LED)をさらに備え、駆動回路50が、駆動対象の部分電極32Aの、光源20からの距離に応じて、光源26から発せられる光の色を調整するようになっていてもよい。このとき、光源26は、所定の数の光源23ごとに1つずつ設けられていてもよい。このように、光源26を設けた場合には、面内の色むらを低減することができる。
【0132】
[第11変形例]
また、上記実施の形態等において、透明基板31および透明基板37のうち少なくとも一方が、導光板10と一体に形成されたものであってもよい。例えば、上記実施の形態等において、透明基板37が導光板10と接している場合には、図35に示したように、透明基板37が導光板10と一体に形成されていてもよい。このとき、一体形成された部材(透明基板)に対して、上記第3変形例で言及した帯状の複数の凸部11が設けられていてもよい。また、例えば、上記実施の形態等において、透明基板31が導光板10と接している場合には、図36に示したように、透明基板31が導光板10と一体に形成されていてもよい。このとき、一体形成された部材(透明基板)に対して、上記第3変形例で言及した帯状の複数の凸部11が設けられていてもよい。また、例えば、上記実施の形態およびそれらの変形例において、透明基板31,37がともに導光板10と接している場合には、透明基板31,37が導光板10と一体に形成されていてもよい。このとき、透明基板31側の一体形成部材(透明基板)および透明基板37側の一体形成部材(透明基板)の少なくとも一方に対して、上記第3変形例で言及した帯状の複数の凸部11が設けられていてもよい。
【0133】
<適用例>
[第1適用例]
次に、上記各実施の形態等のバックライト1,2の一適用例について説明する。
【0134】
図38は、本適用例にかかる表示装置3の概略構成の一例を表したものである。この表示装置3は、表示パネル80と、表示パネル80の背後に配置されたバックライト1,2とを備えている。
【0135】
表示パネル80は、バックライト1,2から出力された照明光を変調して映像を表示(出力)するものである。表示パネル80は、2次元配置された複数の画素を有すると共に、複数の画素が映像信号に基づいて駆動されることにより、映像を表示することが可能となっている。表示パネル80は、例えば、透過型の液晶表示パネルであり、液晶層を一対の透明基板で挟み込んだ構造となっている。表示パネル80は、例えば、図示しないが、バックライト1,2側から順に、偏光子、透明基板、画素電極、配向膜、液晶層、配向膜、共通電極、カラーフィルタ、透明基板および偏光子を有している。
【0136】
透明基板は、可視光に対して透明な基板、例えば板ガラスからなる。なお、バックライト1,2側の透明基板には、図示しないが、画素電極に電気的に接続されたTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)および配線などを含むアクティブ型の駆動回路が形成されている。画素電極および共通電極は、例えばITOからなる。画素電極は、透明基板上に規則的に配列されており、例えば、格子配列またはデルタ配列されている。画素電極は、画素ごとの電極として機能するものである。他方、共通電極は、カラーフィルタ上に一面に形成されたものである。共通電極は、各画素電極に対して対向する共通電極として機能するものである。配向膜は、例えばポリイミドなどの高分子材料からなり、液晶に対して配向処理を行うものである。液晶層は、例えば、VA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モード、またはSTN(Super Twisted Nematic)モードなどの液晶からなり、駆動回路(図示せず)からの印加電圧により、バックライト1,2からの射出光の偏光軸の向きを画素ごとに変える機能を有する。なお、液晶の配列を多段階で変えることにより画素ごとの透過軸の向きが多段階で調整される。カラーフィルタは、液晶層を透過してきた光を、例えば、赤(R)、緑(G)および青(B)の三原色にそれぞれ色分離したり、または、R、G、Bおよび白(W)などの四色にそれぞれ色分離したりするカラーフィルタを、画素電極の配列と対応させて配列したものである。フィルタ配列(画素配列)としては、一般的に、ストライプ配列や、ダイアゴナル配列、デルタ配列、レクタングル配列のようなものがある。
【0137】
偏光子は、光学シャッターの一種であり、ある一定の振動方向の光(偏光)のみを通過させる。なお、偏光子は、透過軸以外の振動方向の光(偏光)を吸収する吸収型の偏光素子であってもよいが、バックライト1,2側に反射する反射型の偏光素子であることが輝度向上の観点から好ましい。偏光子はそれぞれ、偏光軸が互いに90度異なるように配置されており、これによりバックライト1,2からの射出光が液晶層を介して透過し、あるいは遮断されるようになっている。
【0138】
バックライト1,2は、照明光を出力するものである。バックライト1,2において、複数の部分電極32Aは、表示パネル80の複数の画素(または画素電極)の1つの配列方向(例えば垂直方向)と平行な方向に配列されている。なお、複数の画素(または画素電極)が水平方向にも配列されている場合に、複数の部分電極32Aは、水平方向に延在していることが好ましい。各部分電極32Aの幅は、表示パネル80の各画素の幅と同一となっていてもよいが、それよりも広くなっていることが好ましい。バックライト1,2における各散乱領域30Bのスキャンは、表示パネル80における各画素のスキャンほど緻密である必要はないからである。なお、以下では、各部分電極32Aの幅が、表示パネル80の各画素の幅よりも広くなっているものとする。なお、図38には、バックライト1,2が光学シート70を備えている場合が例示されているが、省略されていてもよい。
【0139】
本適用例において、駆動回路50は、表示パネル80およびバックライト1,2を駆動するものである。駆動回路50は、表示パネル80の複数の画素(または画素電極)を所定の単位ごとに(例えばラインごとに)順次、駆動することにより、バックライト1,2から出力された光を表示パネル80で変調するようになっている。これにより、駆動回路50は、表示パネル80に映像を表示させるようになっている。また、駆動回路50は、バックライト1,2の複数の部分電極32Aを所定の単位ごとに順次、駆動することにより、光変調層34,64のうち散乱性を示す部分(散乱領域30B)を光入射面10Aと直交する方向に走査するようになっている。これにより、駆動回路50は、光源20から射出された光が導光板内を伝播していく過程で、散乱領域30Bで散乱され、バックライト1、2の上面から表示パネル80の背面に射出される光を光入射面10Aと直交する方向に走査するようになっている。
【0140】
駆動回路50は、さらに、複数の部分電極32Aを、表示パネル80の複数の画素の駆動と同期して駆動するようになっている。このとき、駆動回路50は、表示パネル80の複数の画素の走査方向と同じ方向に、複数の部分電極32Aを、走査(駆動)するようになっている。例えば、図39(A),(B)に示したように、駆動回路50は、複数の行(図では135行)に対応する複数の画素を1つのブロックとみなすとともに、そのブロックと対応する1または複数の部分電極32Aを1つのブロックとみなしたときに、表示パネル80の複数の画素を所定の単位ごとに(例えばラインごとに)順次、駆動していく過程で、駆動対象の画素を含むブロックと対応するブロックに含まれる全ての部分電極32A(1または複数の部分電極32A)を駆動するようになっている。なお、図39(A)は、表示パネル80の複数の画素への電圧印加のタイミングの一例を概念的に表したものであり、図39(B)は、部分電極32Aへの電圧印加のタイミングの一例を概念的に表したものである。
【0141】
図39(A),(B)には、駆動回路50が表示パネル80の画素の駆動の開始と同時に、部分電極32Aの駆動を開始している場合が例示されているが、駆動回路50が表示パネル80の画素の駆動の開始前に部分電極32Aの駆動を開始するようになっていてもよい。また、液晶が電圧印加の瞬間から遅れて応答する性質を考慮して、駆動回路50が表示パネル80の画素の駆動の開始直後に部分電極32Aの駆動を開始するようになっていてもよい。
【0142】
また、駆動回路50は、表示パネル80の複数の画素を所定の単位ごとに(例えばラインごとに)順次、駆動していく過程で、駆動対象の画素を含むブロックと対応するブロックに含まれる全ての部分電極32A(1または複数の部分電極32A)を駆動するとともに、光源20を、部分電極32Aの駆動タイミングに同期して点滅させるようになっていてもよい。駆動回路50は、例えば、上記の第2変形例で説明したように光源20を点灯させるようになっていてもよい。このようにした場合には、高輝度で、しかも動画応答性のぼけの改善された表示が可能となる。
【0143】
また、駆動回路50は、表示パネル80の複数の画素を所定の単位ごとに(例えばラインごとに)順次、駆動していく過程で、駆動対象の画素を含むブロックと対応するブロックに含まれる全ての部分電極32A(1または複数の部分電極32A)を駆動するとともに、光源20を、部分的に点灯するようになっていてもよい(図21(A),(B)参照)。つまり、駆動回路50が、複数の部分電極32Aを所定の単位ごとに順次、駆動していく過程で、光源20の一部を必要に応じて適宜、消灯するようになっていてもよい。このとき、光源20に含まれる複数の点状光源23が、個々に、もしくは、光源ブロック25単位で、独立駆動可能になっている。このようにすることで、消費電力を低減することができる。
【0144】
また、駆動回路50は、部分電極32Aの走査と、表示パネル80の走査とを互いに同期させるとともに、映像信号に応じて、光源20全体を点灯または消灯したり、光源20を部分的に点灯したりするようになっていることが好ましい。このようにすることで、高輝度および低消費電力を実現することができるだけでなく、画質および応答性を改善することができる。
【0145】
なお、上記の場合に、駆動回路50は、光源20を部分的に点灯する代わりに、光源20を部分的に明るく点灯すると同時に部分的に暗く点灯するようになっていてもよい。また、上記の場合に、導光板10が、上記第3変形例において言及した帯状の複数の凸部11をその表面(上面または下面)またはその内部に有していてもよい。このとき、透明基板37が導光板10と一体に形成されているときには、一体形成された部材(透明基板)に対して、上記第3変形例で言及した帯状の複数の凸部11が設けられていてもよい。また、透明基板31が導光板10と一体に形成されているときには、一体形成された部材(透明基板)に対して、上記第3変形例で言及した帯状の複数の凸部11が設けられていてもよい。また、透明基板31,37が導光板10と一体に形成されているときには、透明基板31側の一体形成部材(透明基板)および透明基板37側の一体形成部材(透明基板)の少なくとも一方に対して、上記第3変形例で言及した帯状の複数の凸部11が設けられていてもよい。
【0146】
このように、導光板10に対して帯状の複数の凸部11を設けることで、部分的に点灯された光源20の光の直進性が向上する。その結果、駆動対象の部分電極32Aと、光源20から出射された光とが互いに交差する部分(つまり、バックライト1,2の発光部分)の形状および面積を、光源20の部分点灯制御によって容易に制御することができる。
【0147】
本適用例では、表示パネル80を照明する光源として、上記実施の形態のバックライト1,2が用いられている。これにより、スキャン方式において、コントラストが高く、しかも表示輝度も高い画像を低消費電力で表示することができる。また、本適用例において、複数の部分電極32Aを、表示パネル80の複数の画素の駆動と同期して駆動するとともに、光源20を、部分電極32Aの所定の単位ごとの順次駆動に同期して点滅させるようにした場合には、高輝度で、しかも動画応答性のぼけの改善された表示が可能となる。
【0148】
[第2適用例]
次に、上記各実施の形態等のバックライト1,2の他の適用例について説明する。
【0149】
図40は、本適用例にかかる3次元表示装置4の概略構成の一例を表したものである。この3次元表示装置4は、時分割方式により立体画像の観察が可能なものであり、例えば、表示装置3と、シャッター眼鏡5とを備えている。表示装置3は、観察者(図示せず)がシャッター眼鏡5を用いて表示装置3の画像表示面3Aを観察することにより、立体映像を視認することの可能な表示装置(3Dディスプレイ)である。
【0150】
表示装置3において、駆動回路50は、例えば、図示しないが、映像信号処理回路、タイミング生成回路、信号線駆動回路、および走査線駆動回路を有している。映像信号処理回路は、外部から入力されたデジタルの映像信号に対して所定の補正を行うと共に、補正した後の映像信号を信号線駆動回路に出力するものである。映像信号の種類としては、例えば、右目用画像用の映像信号、左目用画像用の映像信号、黒画像用の映像信号などが挙げられる。また、所定の補正としては、例えば、ガンマ補正や、オーバードライブ補正などが挙げられる。
【0151】
タイミング生成回路は、信号線駆動回路、走査線駆動回路およびシャッター眼鏡5が連動して動作するように制御するものである。タイミング生成回路は、例えば、外部から入力された同期信号に応じて(同期して)、これらに対して制御信号を出力するようになっている。
【0152】
信号線駆動回路は、上述の制御信号の入力に応じて(同期して)、映像信号処理回路から入力された映像信号に対応するアナログの映像信号を、表示パネル80内の各信号線(図示せず)に印加して、アナログの映像信号またはそれに対応する信号を選択対象の画素に書き込むものである。信号線駆動回路は、例えば、1フレーム期間ごとに、黒画像用の映像信号に対応する信号電圧と、右目用画像用の映像信号に対応する信号電圧と、黒画像用の映像信号に対応する信号電圧と、左目用画像用の映像信号に対応する信号電圧とを、この順に各信号線に印加して、選択対象の画素への書き込みを行うものである。
【0153】
走査線駆動回路は、上述の制御信号の入力に応じて(同期して)、表示パネル80内の複数の走査線(図示せず)に選択パルスを順次印加して、複数の画素をラインごとに順次選択するものである。
【0154】
シャッター眼鏡5は、観察者(図示せず)の眼球の前に装着されるものであり、表示装置3の画像表示面3Aに映し出される画像を観察する際に観察者によって用いられるものである。シャッター眼鏡5は、例えば、右目用シャッター51と、左目用シャッター52と、右目用シャッター51の開閉および左目用シャッター52の開閉を制御する制御信号を印加する制御線(図示せず)とを有している。シャッター制御用の制御線は、表示装置3の駆動回路50に直接接続されていてもよいし、表示装置3の駆動回路50と通信可能な無線装置(図示せず)に接続されていてもよい。右目用シャッター51および左目用シャッター52は、画像表示面3Aから出力される画像の透過および遮断を制御信号に基づいて行うものである。右目用シャッター51は、画像表示面3Aから右目用画像が出力されている時にシャッターが開くようになっている。一方、左目用シャッター52は、画像表示面3Aから左目用画像が出力されている時にシャッターが開くようになっている。
【0155】
以下では、右目用画像の少なくとも一部が画像表示面3Aに表示されている期間を、右目用画像を表示する期間(右目用画像表示期間)と称するものとする。同様に、左目用画像の少なくとも一部が画像表示面3Aに表示されている期間を、左目用画像を表示する期間(左目用画像表示期間)と称するものとする。また、画像表示面3A全体に黒画像が表示されている期間を、黒画像を表示する期間(黒画像表示期間)と称するものとする。
【0156】
駆動回路50は、例えば、黒画像表示期間、右目用画像表示期間、黒画像表示期間、左目用画像表示期間をフレーム期間ごとに繰り返す。このとき、視聴者は、シャッター眼鏡5をかけた上で、左目用画像を左目のみで視認し、右目用画像を右目のみで視認する。駆動回路50は、例えば、左目用画像表示期間に、左目用シャッター52を開く(左目用眼鏡を透過状態にする)制御信号を出力し、それ以外の期間に、左目用シャッター52を閉じる(左目用眼鏡を非透過状態にする)制御信号を出力する。また、駆動回路50は、例えば、右目用画像表示期間に、右目用シャッターを開く(右目用眼鏡を透過状態にする)制御信号を出力し、それ以外の期間に、右目用シャッターを閉じる(右目用眼鏡を非透過状態にする)制御信号を出力する。これにより、左目用画像が左目のみで視認され、右目用画像が右目のみで視認されるので、左目用画像と右目用画像とが観察者の網膜で結像される。その結果、視聴者は立体映像を観察することができる。
【0157】
駆動回路50は、複数の部分電極32Aを所定の単位ごとに順次、駆動することにより、光変調層34,64のうち散乱性を示す部分(散乱領域30B)を光入射面10Aと直交する方向に走査するようになっている。これにより、駆動回路50は、光源20から射出された光が導光板内を伝播していく過程で、散乱領域30Bで散乱され、バックライト1、2の上面から外部に射出される光を光入射面10Aと直交する方向に走査するようになっている。駆動回路50は、上記の第1の適用例と同様、複数の部分電極32Aを、表示パネル80の複数の画素の駆動と同期して駆動するようになっている。さらに、駆動回路50は、上記の第1の適用例と同様、複数の部分電極32Aを、表示パネル80の複数の画素の駆動と同期して駆動するとともに、光源20を、部分電極32Aの所定の単位ごとの順次駆動に同期して点滅させるようになっていてもよい。
【0158】
本適用例では、表示パネル80を照明する光源として、上記実施の形態のバックライト1,2が用いられている。これにより、スキャン方式において、コントラストが高く、しかも表示輝度も高い画像を低消費電力で表示することができる。また、本適用例において、複数の部分電極32Aを、表示パネル80の複数の画素の駆動と同期して駆動するとともに、光源20を、部分電極32Aの順次駆動に同期して点滅させるようにした場合には、高輝度で、しかも動画応答性のぼけの改善された表示が可能となり、さらに、左目用画像と右目用画像との間でクロストークが生じるのを低減することができる。
【0159】
[変形例]
上記適用例において、映像表示面3Aに、パララックスバリアや、レンチキュラーレンズ、アクティブレンズが設けられていてもよい。その場合に、駆動回路50は、外部から入力された三次元表示用の映像データに含まれる、視点の互いに異なる複数の二次元映像データを用いて1つの二次元映像データを作成し、作成した二次元映像データに応じた信号電圧を表示パネル80に印加するようになっている。駆動回路50は、例えば、三次元表示用の映像データに、視点の互いに異なる2つの二次元映像データが含まれている場合には、2つの二次元映像データを、水平方向に1つずつ交互に並べる処理を各行で行っていき、2つの二次元映像データが水平方向に交互に並んだ1つの映像データを作成するようになっている。このように、映像表示面3Aに、液晶バリアや、レンチキュラーレンズ、アクティブレンズが設けられるとともに、駆動回路50が上述したような信号処理を行うようになっている場合には、シャッター眼鏡5を省略することが可能であり、裸眼により立体画像の観察が可能である。
【0160】
上述のパララックスバリア、レンチキュラーレンズ、アクティブレンズは、視線の視差分割方式を利用して立体視を可能にするものである。アクティブレンズは、レンチキュラー形状の間隙に複屈折性物質が充填された光線制御素子と、この光線制御素子の光入射側に配置された可変偏光子とにより構成されており、複屈折性物質の長軸方向と可変偏光子の偏光方向とが互いに一致したときにレンチキュラーレンズとして機能するようになっている。
【0161】
また、例えば、本技術は以下のような構成を取ることができる。
(1)
照明光を出力する照明装置と、
前記照明光を変調して映像を出力する表示パネルと、
前記照明装置および前記表示パネルを駆動する駆動回路と
を備え、
前記照明装置は、
離間して互いに対向配置された一対の透明基板と、
前記一対の透明基板のいずれか一方の側面に配置された光源と、
前記一対の透明基板の双方の表面に設けられた電極と、
前記一対の透明基板の間隙に設けられた光変調層と
を有し、
前記電極は、前記一対の透明基板の側面のうち前記光源からの光が入射する光入射面と直交する方向に配列された複数の部分電極を有し、
前記光変調層は、前記電極によって生じる電場の大きさおよび方向に応じて、前記光源からの光に対して全体的もしくは部分的に散乱性もしくは透明性を示し、
前記駆動回路は、前記複数の部分電極を所定の単位ごとに順次駆動することにより、前記光変調層のうち散乱性を示す部分を前記光入射面と直交する方向に走査する
表示装置。
(2)
前記表示パネルは、2次元配置された複数の画素を有し、
前記複数の部分電極は、前記複数の画素の1つの配列方向と平行な第1の方向に配列されており、
前記駆動回路は、前記複数の画素を所定の単位ごとに前記第1の方向に順次駆動するとともに、前記複数の部分電極を前記複数の画素の駆動と同期して駆動する
(1)に記載の表示装置。
(3)
前記駆動回路は、常時、前記光源を点灯させる
(1)または(2)に記載の表示装置。
(4)
前記光源は、独立駆動可能な複数の点光源を有し、
前記駆動回路は、映像信号に応じて前記複数の点光源の全部または一部を点灯させる
(1)または(2)に記載の表示装置。
(5)
前記一対の透明基板のうち前記光源が側面に配置された基板は、その表面または内部に、前記第1の方向に延在する帯状の複数の凸部を有する
(4)に記載の表示装置。
(6)
前記駆動回路は、前記光変調層が散乱性を示している時に前記光源を点灯させ、前記光変調層が全体的に透明性を示している時に前記光源を消灯させる
(1)または(2)に記載の表示装置。
(7)
前記光源は、前記導光板の側面のうち互いに対向する第1側面および第2側面にそれぞれ配置され、
前記駆動回路は、前記複数の部分電極を所定の単位ごとに順次駆動すると共に、駆動対象の部分電極が前記第1側面寄りに位置しているときには前記第1側面に配置された光源を前記第2側面に配置された光源よりも明るくし、駆動対象の部分電極が前記第2側面寄りに位置しているときには前記第2側面に配置された光源を前記第1側面に配置された光源よりも明るくする
(1)、(2)、(4)、(5)または(6)に記載の表示装置。
(8)
前記駆動回路は、前記複数の部分電極のうち駆動対象の部分電極の、前記光源からの距離に応じて、前記光源の光量を調整する
(1)ないし(7)のいずれか1つに記載の表示装置。
(9)
各部分電極は、複数の細線電極からなり、
前記駆動回路は、前記複数の部分電極を所定の単位ごとに順次駆動する際に、駆動対象の部分電極に含まれる複数の細線電極に対して、前記光源からの距離に応じて変調された電圧を印加する
(1)ないし(8)のいずれか1つに記載の表示装置。
(10)
前記駆動回路は、前記複数の部分電極を所定の単位ごとに順次駆動する際に、駆動対象の部分電極に隣接する他の部分電極に含まれる1または複数の細線電極に対して、当該細線電極Bが駆動対象の部分電極に該当しているときに印加する電圧の波高値よりも小さな波高値の電圧を印加する
(9)に記載の表示装置。
(11)
各部分電極は、パターニングされたものであり、
各部分電極のパターン密度が前記光源からの距離に応じて異なっている
(1)ないし(10)のいずれか1つに記載の表示装置。
(12)
各部分電極は、複数の開口を有し、
前記開口の径は、前記光源からの距離に拘わらず一定となっており、
前記開口の密度が、前記光源からの距離に応じて異なっている
(11)に記載の表示装置。
(13)
各部分電極は、複数の開口を有し、
前記開口の径が、前記光源からの距離に応じて異なっており、
前記開口の密度が、前記光源からの距離に応じて異なっている
(11)に記載の表示装置。
(14)
各部分電極は、前記光入射面と平行な方向に延在する帯状の形状となっており、
前記光変調素子は、前記光入射面と平行な方向に延在するとともに、各部分電極に1つずつ電気的に接続された複数の金属配線を有する
(1)ないし(13)のいずれか1つに記載の表示装置。
(15)
離間して互いに対向配置された一対の透明基板と、
前記一対の透明基板のいずれか一方の側面に配置された光源と、
前記一対の透明基板の双方の表面に設けられた電極と、
前記一対の透明基板の間隙に設けられた光変調層と、
前記光源および前記電極を駆動する駆動回路と
を有し、
前記電極は、前記一対の透明基板の側面のうち前記光源からの光が入射する光入射面と直交する方向に配列された複数の部分電極を有し、
前記光変調層は、前記電極によって生じる電場の大きさおよび方向に応じて、前記光源からの光に対して全体的もしくは部分的に散乱性もしくは透明性を示し、
前記駆動回路は、前記複数の部分電極を所定の単位ごとに順次駆動することにより、前記光変調層のうち散乱性を示す部分を前記光入射面と直交する方向に走査する
照明装置。
【符号の説明】
【0162】
1,2…バックライト、3…表示装置、3A…画像表示面、4…3次元表示装置、5…シャッター眼鏡、10…導光板、10A…光入射面、20,26…光源、21…線状光源、22…反射ミラー、23…点状光源、24…基板、25…光源ブロック、30,60…光変調素子、30A…透過領域、30B…散乱領域、30−1…光変調セル、31,37…透明基板、32…下側電極、32A…部分電極、32B…細線電極、32C…開口、32D…透明導電膜、33,35,63,65…配向膜、34,64…光変調層、34A,64A…バルク、34B,64B…微粒子、38…スペーサ、39…シール剤パターン、40…反射板、41…拡散シート、42…混合物、43…金属配線、50…駆動回路、51…右目用シャッター、52…左目用シャッター、70…光学シート、80…表示パネル、134A,134B,164A,164B…楕円体、AX1〜AX4…光軸、L,L1…光、L3…紫外線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を出力する照明装置と、
前記照明光を変調して映像を出力する表示パネルと、
前記照明装置および前記表示パネルを駆動する駆動回路と
を備え、
前記照明装置は、
離間して互いに対向配置された一対の透明基板と、
前記一対の透明基板のいずれか一方の側面に配置された光源と、
前記一対の透明基板の双方の表面に設けられた電極と、
前記一対の透明基板の間隙に設けられた光変調層と
を有し、
前記電極は、前記一対の透明基板の側面のうち前記光源からの光が入射する光入射面と直交する方向に配列された複数の部分電極を有し、
前記光変調層は、前記電極によって生じる電場の大きさおよび方向に応じて、前記光源からの光に対して全体的もしくは部分的に散乱性もしくは透明性を示し、
前記駆動回路は、前記複数の部分電極を所定の単位ごとに順次駆動することにより、前記光変調層のうち散乱性を示す部分を前記光入射面と直交する方向に走査する
表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルは、2次元配置された複数の画素を有し、
前記複数の部分電極は、前記複数の画素の1つの配列方向と平行な第1の方向に配列されており、
前記駆動回路は、前記複数の画素を所定の単位ごとに前記第1の方向に順次駆動するとともに、前記複数の部分電極を前記複数の画素の駆動と同期して駆動する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記駆動回路は、常時、前記光源を点灯させる
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記光源は、独立駆動可能な複数の点光源を有し、
前記駆動回路は、映像信号に応じて前記複数の点光源の全部または一部を点灯させる
請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記一対の透明基板のうち前記光源が側面に配置された基板は、その表面または内部に、前記第1の方向に延在する帯状の複数の凸部を有する
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記駆動回路は、前記光変調層が散乱性を示している時に前記光源を点灯させ、前記光変調層が全領域で透明性を示している時に前記光源を消灯させる
請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記光源は、前記導光板の側面のうち互いに対向する第1側面および第2側面にそれぞれ配置され、
前記駆動回路は、前記複数の部分電極を所定の単位ごとに順次駆動すると共に、駆動対象の部分電極が前記第1側面寄りに位置しているときには前記第1側面に配置された光源を前記第2側面に配置された光源よりも明るくし、駆動対象の部分電極が前記第2側面寄りに位置しているときには前記第2側面に配置された光源を前記第1側面に配置された光源よりも明るくする
請求項2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記駆動回路は、前記複数の部分電極のうち駆動対象の部分電極の、前記光源からの距離に応じて、前記光源の光量を調整する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項9】
各部分電極は、複数の細線電極からなり、
前記駆動回路は、前記複数の部分電極を所定の単位ごとに順次駆動する際に、駆動対象の部分電極に含まれる複数の細線電極に対して、前記光源からの距離に応じて変調された電圧を印加する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項10】
前記駆動回路は、前記複数の部分電極を所定の単位ごとに順次駆動する際に、駆動対象の部分電極に隣接する他の部分電極に含まれる1または複数の細線電極に対して、当該細線電極Bが駆動対象の部分電極に該当しているときに印加する電圧の波高値よりも小さな波高値の電圧を印加する
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
各部分電極は、パターニングされたものであり、
各部分電極のパターン密度が前記光源からの距離に応じて異なっている
請求項2に記載の表示装置。
【請求項12】
各部分電極は、複数の開口を有し、
前記開口の径は、前記光源からの距離に拘わらず一定となっており、
前記開口の密度が、前記光源からの距離に応じて異なっている
請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
各部分電極は、複数の開口を有し、
前記開口の径が、前記光源からの距離に応じて異なっており、
前記開口の密度が、前記光源からの距離に応じて異なっている
請求項11に記載の表示装置。
【請求項14】
各部分電極は、前記光入射面と平行な方向に延在する帯状の形状となっており、
前記光変調素子は、前記光入射面と平行な方向に延在するとともに、各部分電極に1つずつ電気的に接続された複数の金属配線を有する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項15】
離間して互いに対向配置された一対の透明基板と、
前記一対の透明基板のいずれか一方の側面に配置された光源と、
前記一対の透明基板の双方の表面に設けられた電極と、
前記一対の透明基板の間隙に設けられた光変調層と、
前記光源および前記電極を駆動する駆動回路と
を有し、
前記電極は、前記一対の透明基板の側面のうち前記光源からの光が入射する光入射面と直交する方向に配列された複数の部分電極を有し、
前記光変調層は、前記電極によって生じる電場の大きさおよび方向に応じて、前記光源からの光に対して全体的もしくは部分的に散乱性もしくは透明性を示し、
前記駆動回路は、前記複数の部分電極を所定の単位ごとに順次駆動することにより、前記光変調層のうち散乱性を示す部分を前記光入射面と直交する方向に走査する
照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2012−141588(P2012−141588A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−264717(P2011−264717)
【出願日】平成23年12月2日(2011.12.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】