照明装置及びこれを用いた照明装飾装置
【課題】点状光源を内蔵した態様において、点状光源の存在を外部から隠し且つ周囲を略均一に照射する。
【解決手段】照明装置1として、予め決められた間隔で配列される複数の点状光源2と、これら複数の点状光源2を内部に収容支持し且つ少なくとも点状光源2の配列方向に沿った領域にて点状光源2からの照射光を外部に透過させる透過支持体3とを備え、透過支持体3は、透過性材料からなり且つ複数の点状光源2の配列方向に沿った方向に延びて複数の点状光源2が覆われる透過性覆い5と、この透過性覆い5に一体的に形成され、点状光源2に対向する部位とそれ以外の部位との照度差をなくすように各点状光源2からの照射光が拡散される拡散層6とを有する。また、この照明装置1の透過性覆い5の外側に装飾用覆いを設けることにより照明装飾装置を提供する。
【解決手段】照明装置1として、予め決められた間隔で配列される複数の点状光源2と、これら複数の点状光源2を内部に収容支持し且つ少なくとも点状光源2の配列方向に沿った領域にて点状光源2からの照射光を外部に透過させる透過支持体3とを備え、透過支持体3は、透過性材料からなり且つ複数の点状光源2の配列方向に沿った方向に延びて複数の点状光源2が覆われる透過性覆い5と、この透過性覆い5に一体的に形成され、点状光源2に対向する部位とそれ以外の部位との照度差をなくすように各点状光源2からの照射光が拡散される拡散層6とを有する。また、この照明装置1の透過性覆い5の外側に装飾用覆いを設けることにより照明装飾装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点状光源を内蔵した照明装置並びにこれを用いた照明装飾装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の照明装置としては、LEDを利用した照明装置が既に提供されている(例えば特許文献1,2参照)。
特許文献1は、LEDの集合体からなる面状光源を用い、この光源の周囲に第1透光拡散手段、第2透光拡散手段を設けた技術である。
特許文献2は、自動車の乗員室内に取り付けられるイルミネーションモジュールであって、光源と、光源の光を散乱させる微小粒子が透明な母材樹脂に分散された光散乱導光樹脂からなる光輝体と、この光輝体の乗員室内側とは反対側の部位を当該光輝体の縁部を除いて覆う光遮断部材とを有する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4078050号公報(発明の実施の形態,図1)
【特許文献2】特許第4085053号公報(発明を実施するための最良の形態,図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、点状光源としてLEDを使用しているが、RGBの3色のLEDを面状に配置して使用しているため、実質的には面状光源を構成した上での配光技術に過ぎない。また、特許文献2は点状光源としてのLEDと光輝体との間に光遮断部材を配置することを前提とした配光技術に過ぎない。
本発明の技術的課題は、点状光源を内蔵した態様において、点状光源の存在を外部から隠し且つ周囲を略均一に照射することが可能な照明装置及びこれを用いた照明装飾装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、予め決められた間隔で配列される複数の点状光源と、これら複数の点状光源を内部に収容支持し且つ少なくとも点状光源の配列方向に沿った領域にて点状光源からの照射光を外部に透過させる透過支持体とを備え、透過支持体は、透過性材料からなり且つ複数の点状光源の配列方向に沿った方向に延びて複数の点状光源が覆われる透過性覆いと、この透過性覆いに一体的に形成され、点状光源に対向する部位とそれ以外の部位との照度差をなくすように各点状光源からの照射光が拡散される拡散層とを有することを特徴とする照明装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る照明装置において、透過支持体は、透過性覆いに対して固定され且つ透過性覆いの内部に複数の点状光源が支持される光源支持体を有することを特徴とする照明装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る照明装置において、透過性覆いは円筒状に形成されていることを特徴とする照明装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る照明装置において、透過性覆いは、透過性材料よりも高比重の拡散剤が含まれる拡散層を一体的に形成したものであることを特徴とする照明装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る照明装置において、透過性覆いは、透過性材料よりも高比重で且つ比重の異なる拡散剤が含まれる拡散層を一体的に形成し、比重の低い拡散剤が含まれる低比重拡散層よりも外側に比重の高い拡散剤が含まれる高比重拡散層を配置したものであることを特徴とする照明装置である。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係る照明装置において、透過性覆いは、点状光源からの照射光の波長成分が調整可能な波長成分調整剤を拡散層に含ませたことを特徴とする照明装置である。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係る照明装置において、点状光源は、当該点状光源からの照射光の波長成分が調整可能な波長成分調整層を有するものであることを特徴とする照明装置である。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7いずれかに係る照明装置と、この照明装置の透過性覆いの外側に設けられ且つ装飾模様が付された透過性素材からなる装飾用覆いとを備えたことを特徴とする照明装飾装置である。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る照明装飾装置において、装飾用覆いは和紙であることを特徴とする照明装飾装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に係る発明によれば、点状光源を内蔵した態様において、点状光源の存在を外部から隠し且つ周囲を略均一に照明することができる。
請求項2に係る発明によれば、透過性覆いの内部空間が広くても、透過性覆いの内部に複数の点状光源を安定的に支持することができる。
請求項3に係る発明によれば、点状光源を取り囲む周囲全体を略均一に照明することができる。
請求項4に係る発明によれば、遠心成形法を用いて透過性覆いに拡散層を簡単に構築することができる。
請求項5に係る発明によれば、遠心成形法を用いて透過性覆いに複数種の拡散層を簡単に構築することができる。
請求項6に係る発明によれば、点状光源を改良することなく、点状光源からの照射光の波長成分を調整し、外部への照明光の色合いを調整することができる。
請求項7に係る発明によれば、点状光源を工夫することで、点状光源からの照射光の波長成分を調整し、外部への照明光の色合いを調整することができる。
請求項8に係る発明によれば、周囲を略均一に照明可能な照明機能と装飾機能とが融合した照明装飾装置を簡単に提供することができる。
請求項9に係る発明によれば、和紙の持つ装飾機能を利用した照明装飾装置を簡単に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】(a)は本発明が適用された照明装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)中B−B線断面説明図、(c)は(a)中C−C線断面説明図である。
【図2】(a)は実施の形態1に係る照明装置の全体構成を示す斜視説明図、(b)はその分解説明図である。
【図3】(a)は図2(a)中III−III線断面説明図、(b)は(a)中B−B線断面説明図である。
【図4】(a)は実施の形態1で用いられる透過パイプの製造例を示す説明図、(b)は(a)中B−B線断面説明図ある。
【図5】(a)は図4(b)の詳細説明図、(b)は(a)の別の例を示す説明図である。
【図6】(a)は本実施の形態に係る照明装置の作用を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図、(c)は比較の形態に係る照明装置の作用を示す説明図、(d)は(c)中D方向から見た矢視図である。
【図7】実施の形態1で用いられる透過パイプの作用を模式的に示す説明図である。
【図8】実施の形態1に係る照明装置の変形の形態を示し、(a)は透過パイプ、(b)は光源ユニット、(c)は(b)中C方向から見た矢視図である。
【図9】(a)は実施の形態2に係る照明装置の要部を示す説明図、(b)は(a)中B部拡大説明図である。
【図10】(a)は実施の形態2で用いられる透過パイプの製造例を示す説明図、(b)は(a)中B−B線断面説明図である。
【図11】(a)は実施の形態3に係る照明装置の要部を示す説明図、(b)は(a)に示す照明装置の動作原理を示す説明図である。
【図12】(a)は実施の形態4に係る照明装飾装置の全体構成を示す説明図、(b)は(a)に示す照明装飾装置の構成要素を示す説明図である。
【図13】(a)は実施の形態4で用いられる照明装飾装置の斜視説明図、(b)は(a)に示す照明装置の縦断面説明図及びその平面図である。
【図14】(a)は実施の形態5に係る照明装置を示す説明図、(b)(c)は実施の形態5に係る照明装置の他の例を示す説明図である。
【図15】実施の形態5に係る照明装置の更に別の例を示す説明図である。
【図16】実施例1に係る照明装置からの照明光の分光特性を示す説明図である。
【図17】実施例1で用いられるLED光源の分光特性を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
◎実施の形態の概要
図1は本発明が適用された照明装置の実施の形態の概要を示す説明図である。
図1(a)〜(c)において、照明装置1は、予め決められた間隔で配列される複数の点状光源2と、これら複数の点状光源2を内部に収容支持し且つ少なくとも点状光源2の配列方向に沿った領域にて点状光源2からの照射光を外部に透過させる透過支持体3とを備え、透過支持体3は、透過性材料からなり且つ複数の点状光源2の配列方向に沿った方向に延びて複数の点状光源2が覆われる透過性覆い5と、この透過性覆い5に一体的に形成され、点状光源2に対向する部位とそれ以外の部位との照度差をなくすように各点状光源2からの照射光が拡散される拡散層6とを有するものである。
【0009】
このような技術的手段において、点状光源2としては、LED、ELを始め適宜選定して差し支えない。また、点状光源2からの光の種類についても適宜選定して差し支えないが、一般的な照明光としては自然光(太陽光)に近い色の光が好ましい。但し、照明装置1の用途(例えば漁船で使用する照明装置など)によっては、照明光として自然光よりも特定の波長成分の強い光の方が好ましい。
更に、透過支持体3は、少なくとも点状光源2を内部で支持する機能と、点状光源2からの照射光を外部に透過させる透過機能とを備えていればよく、点状光源を支持するための光源支持体7を用いる態様が代表的であるが、光源支持体7を用いない態様もあり得る。例えば透過性覆い5の内部に光源支持部を予め形成しておき、この光源支持部に点状光源2を直接支持するようにしてもよい。
更にまた、透過性覆い5としては、代表的には円筒状又は断面円弧状であるが、これ以外の形状、例えば断面楕円状、断面矩形状等適宜選定して差し支えない。
ここで、円筒状又は断面円弧状の透過性覆い5の成形例としては、遠心成形法(回転可能な遠心成形型を用い、遠心力にて遠心成成形型に沿った形状の透過性覆い5を形成するもの)が挙げられる。この場合、代表的には円筒状に形成されるが、これを適宜角度で切断するようにすれば、断面円弧状の透過性覆い5を形成することも可能である。
また、他の形状(断面楕円状、断面矩形状など)の透過性覆い5の成形法としては、金型を用いた型成形にて形成するものが挙げられる。
また、拡散層6については透過性覆い5と一体的に形成されていれば適宜選定して差し支えない。
この拡散層6の形成法としては、代表的には透過性覆い5の透過性材料に拡散剤を添加し、遠心成形法を用いて透過性覆い5と一体的に形成するようにするものが挙げられるが、これに限られるものではなく、例えば透過性覆い5の透過性材料に拡散剤を添加し、予め板状部材を成形した後、熱成形にて円筒状や湾曲状等任意の形状に形成するようにしたり、あるいは、透過性覆い5の表面に拡散剤を含む拡散層6を塗布などにて形成するようにしてもよい。
【0010】
また、このような照明装置において、点状光源2を安定的に支持するという観点からすれば、透過支持体3は、透過性覆い5に対して固定され且つ透過性覆い5の内部に複数の点状光源2が支持される光源支持体7を有する態様が好ましい。
更に、透過性覆い5の好ましい態様としては、点状光源2を囲繞する周囲全体を照明するという観点からすれば円筒状に形成されている態様が挙げられる。
更にまた、透過性覆い5と拡散層6との関係については、両者が一体的に形成されていればよく、完全に渾然一体でもよいし、あるいは、透過性覆い5に拡散層6とは別個に非拡散層を具備していてもよい。
例えば遠心成形法を利用する場合には、透過性覆い5は透過性材料よりも高比重の拡散剤が含まれる拡散層6を一体的に形成したようにすればよい。特に、複数種の拡散層6を形成するという観点からすれば、透過性材料よりも高比重で且つ比重の異なる拡散剤が含まれる拡散層6を一体的に形成し、比重の低い拡散剤が含まれる低比重拡散層よりも外側に比重の高い拡散剤が含まれる高比重拡散層を配置することが可能である。
【0011】
また、点状光源2からの照明光の色合いを調整するための代表的態様としては、透過性覆い5に対し、点状光源2からの照射光の波長成分が調整可能な波長成分調整剤を拡散層6に含ませた態様が挙げられる。例えば点状光源2として、市販の白色LEDを使用し、例えば青色成分を少し抑えるために、波長成分調整剤として青色成分を遮断するものを用いるような場合である。
更に、点状光源2からの照明光り色合いを調整するための他の代表的態様としては、点状光源2は、当該点状光源2からの照射光の波長成分が調整可能な波長成分調整層(図示せず)を有する態様が挙げられる。
【0012】
また、これらの照明装置1を利用して照明装飾装置を構築することも可能である。
この照明装飾装置は、上述した照明装置1と、この照明装置1の透過性覆い5の外側に設けられ且つ装飾模様が付された透過性素材からなる装飾用覆い(図示せず)とを備えたものである。
ここでいう照明装飾装置とは、照明機能、及び、装飾機能を具備した装置を広く含む。
また、装飾用覆いとしては、植物性繊維、動物性繊維等を用いて透過性を有するシート状に構成した覆いであれば、和紙、麻布、羊毛布等適宜選定して差支えない。更に、装飾模様としては透過性素材自体に形成されている模様(透過部と非透過部との組合せによる模様、透過部の透過率が変化する模様)は勿論、透過性素材に人為的に形成した模様(非透過部や透過部を別個に形成)も含む。
特に、和紙は紙の漉き方で特有な模様が形成されることから、装飾用覆いとしては好適である。
【0013】
以下添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2(a)は実施の形態1に係る照明装置の全体構成を示し、(b)はその分解説明図である。
同図において、照明装置20は、長尺な光源ユニット21と、この光源ユニット21を内部に支持すると共に光源ユニット21からの照射光を外部に透過させる透過支持体22とを備えている。
本実施の形態において、光源ユニット21は、図2及び図3に示すように、長尺な基板30を有し、この基板30の両面には適宜数の光源ホルダ31を配設すると共に、各光源ホルダ31には適宜間隔の光源取付孔32を開設し、例えば一つ置きの光源取付孔32を介して基板30上に点状光源としてのLED33を所定ピッチp間隔で搭載するようにしたものである。尚、符号35は基板30に対して光源ホルダ31を固定するための止め具である。
ここで、LED33としては白色LEDが使用されるが、RGB(赤、緑、青)の3色のLEDを順番に配列して使用したり、あるいは、特定の色のLEDを使用するようにする等適宜選定して差し支えない。
【0014】
また、透過支持体22は、前記光源ユニット21が中心線に沿って内蔵され且つ両端が開口する円筒状の透過パイプ40と、この透過パイプ40の両端開口を塞ぎ且つ光源ユニット22の両端を支持するエンドキャップ50とを備えている。
そして、本実施の形態では、透過パイプ40は透過性材料としての透過性樹脂(例えばアクリル樹脂)にて構成される円筒状パイプ本体41を有し、このパイプ本体41は内側から順に透過性樹脂だけからなる透過層42と、この透過層42の外側には透過性樹脂と拡散剤とが分散する拡散層43との多層構造になっている。
特に、本例では、拡散層43は、透過性樹脂よりも高比重である拡散剤Iが含まれる内側拡散層43aと、拡散剤Iよりも高比重である拡散剤IIが含まれる外側拡散層43bとの二層構造になっている。
また、エンドキャップ50は、透過パイプ40の両端開口に嵌り込むボス51を有し、このボス51の周囲に透過パイプ40の端部に当接するフランジ52を形成すると共に、
ボス51の中央部には光源ユニット21の両端部が支持可能な支持受け孔53を形成したものである。
【0015】
次に、本実施の形態で使用される透過パイプ40の製造法について説明する。
本実施の形態では、透過パイプ40は遠心成形法によって成形される。
この遠心成形法は、図4(a)(b)に示すように、回転型金型60の中に透過性樹脂(モノマー)としてのアクリル樹脂(比重:1.2)を入れると共に、このアクリル樹脂よりも高比重で且つ比重の異なる拡散剤I(例えばPET:比重1.4),拡散剤II(例えばガラス:比重2.5)を添加した後、前記金型60を高速回転させ、遠心力で金型60内側に拡散剤I,IIが混入されたアクリル樹脂を貼り付け、熱をかけて重合成形する。
このとき、図5(a)に示すように、遠心力により、低比重の拡散剤Iは内側に、高比重の拡散剤IIは外側に夫々拡散層43a,43bとして形成される。
尚、本実施の形態では、複数の拡散剤I,IIを添加するようにしているが、これに限られるものではなく、例えば拡散剤I又はIIのいずれか一方だけ添加するようにしてもよい。この場合には、図5(b)に示すように、拡散層43は単層構造として形成される。
【0016】
次に、本実施の形態に係る照明装置の作動について説明する。
今、図6(a)に示すように、光源ユニット21の各LED33からの照射光Bmは透過パイプ40を透過して外部に拡散した状態で照射される。
具体的には、図7に示すように、LED33からの照射光Bmは透過パイプ40の透過層42をそのまま進行した後、拡散層43(内側拡散層43a,外側拡散層43b)に突入する。
このとき、前記照射光Bmの一部はそのままあるいは拡散層43(43a,43b)の拡散剤I,IIの拡散粒子G1,G2を透過して透過光Bm(1)として外部に照射され、また、前記照射光Bmの別の一部は拡散層43(43a,43b)の拡散剤I,IIの拡散粒子G1,G2と衝突して拡散し、Bm(2),Bm(3)として外部に拡散照射され、更に、前記照射光Bmのまた別の一部は前記拡散粒子G1,G2に衝突したり、あるいは、透過層42や拡散層43にて反射されて、Bm(4),Bm(5)として透過パイプ40の内側に戻され、他の部位に向かう。
【0017】
このように、LED33からの照射光Bmは透過パイプ40との照射部にて周囲に拡散するため、図6(b)に示すように、透過パイプ40は略均一な照度にて照明されることになり、外部から見て、内部のLED33の存在は目隠しされる。
ここで、拡散剤I,拡散剤IIの添加量は適宜選定して差し支えないが、本実施の形態では、上述したように、LED33の目隠し機能、及び、透過パイプ40の照度均一機能を実現する上で必要な量が選定されている。
この点、図6(c)に示す比較の形態(拡散層43を用いない透過パイプ40’を使用)では、外部から透過パイプ40’を見ると、透過パイプ40’のうちLED33に対向する部位の照度が非対向な部位に比べて大きいため、図6(d)に示すように、透過パイプ40’の表面にLED33の照射痕48が見えるという懸念がある。
【0018】
◎変形の形態1
実施の形態1では、光源ユニット21は基板30の両面に光源ホルダ31を介してLED33を搭載した態様であるが、これに限られるものではなく、例えば図8に示すように、断面矩形状の基板ブロック36の各面に光源ホルダ31を介して点状光源としてのLED33を所定ピッチ間隔で配設し、基板ブロック36の90度毎の各面からLED33からの光を照射するようにしたものでもよい。
本変形の形態では、光源ユニット21は基板ブロック36の四面からLED33の光を照射させるため、例えば実施の形態1の二面からLED33の光を照射する方式に比べて、更に各面からのLED33からの光量を少なく配分することが可能になるばかりか、各面のLED33列は透過パイプ40の90度の角度範囲における配光を調整すれば足りるため、透過パイプ40の照度分布はより均一に維持される。
尚、本変形の形態では光源ユニット21は四面からLED33からの光を照射するものであるが、これに限られるものではなく、例えば断面n角形状の基板ブロックを使用し、n面からLEDの光を照射するようにする等適宜選定して差し支えない。
【0019】
◎実施の形態2
図9は実施の形態2に係る照明装置の要部を示す説明図である。
同図において、照明装置20の基本的構成は、図9(a)に示すように、実施の形態1と略同様な光源ユニット21を有しているが、実施の形態1と異なる透過パイプ40を設けたものである。
本実施の形態において、透過パイプ40は、実施の形態1と同様に、パイプ本体41として透過層42と拡散層43(43a,43b)とを備えているが、図9(b)に示すように、拡散層43(43a,43b)には波長成分調整剤としての調整粒子Hを分散させ、前記拡散層43を波長成分調整層44としても機能させるようにしたものである。
ここでいう波長成分調整剤としての調整粒子Hは、特定の波長成分(例えば青色成分:Bm(青))を吸収する作用を奏するものであり、予め決められた量を添加して前記波長成分を減衰させるものである。
【0020】
本実施の形態で使用される透過パイプ40の製造例を図10に示す。
同図において、透過パイプ40は遠心成形法によって成形されるが、この遠心成形法は、回転型金型60の中に透過性樹脂(モノマー)としてのアクリル樹脂(比重:1.2)を入れると共に、このアクリル樹脂よりも高比重で且つ比重の異なる拡散剤I(例えばPET:比重1.4),拡散剤II(例えばガラス:比重2.5)を添加すると共に、波長成分調整剤を適量添加し、前記金型60を高速回転させ、遠心力で金型60内側に拡散剤I,II及び波長成分調整剤(例えば染料又は顔料又は蓄光剤等)が混入されたアクリル樹脂を貼り付け、熱をかけて重合成形する。
このとき、図9(b)に示すように、遠心力により、低比重の拡散剤Iは内側に、高比重の拡散剤IIは外側に夫々拡散層43a,43bとして形成されると共に、各拡散層43(43a,43b)には波長成分調整剤としての調整粒子Hが分散配置される。
尚、波長成分調整剤の比重が透過性樹脂としてのアクリル樹脂よりも高比重である場合には、上述したように、拡散層43(43a,43b)に波長成分調整剤としての調整粒子Hが分散するが、仮に、波長成分調整剤がアクリル樹脂と同程度以下の比重である場合には、拡散層43よりも内側に位置する透過層42に波長成分調整剤としての調整粒子Hが分散することになる。
【0021】
本実施の形態によれば、LED33からの照射光Bmは、実施の形態1と同様に、透過パイプ40の拡散層43の作用により、例えばBm(1)〜Bm(3)に外部に拡散した状態で照射されるほか、波長成分調整層44による作用にて特定の波長成分が減衰した状態で外部に照射される。
このため、透過パイプ40からの照明光はLED33からの照射光とは色合いの異なる拡散光として外部に照射される。
例えばLED33として市販の白色LEDを使用している場合を仮定し、波長成分調整層44にて例えば青色成分を減衰させたとすると、透過パイプ40からの照明光は白色LED33からの白色よりも青みが抑えられた色合いの光として照射される。
【0022】
◎実施の形態3
図11は実施の形態3に係る照明装置の要部を示す説明図である。
同図において、照明装置20の基本的構成は、実施の形態1と略同様な透過パイプ40を有しているが、実施の形態1と異なる光源ユニット21を備えている。
本実施の形態では、光源ユニット21は実施の形態1と同様に所定のピッチ間隔毎にLED33を配設しているが、実施の形態1と異なり、LED33の表面には特定の波長成分を調整する波長成分調整層44を付加したものである。
この波長成分調整層44は特定の波長成分(例えば青色成分)を減衰させる作用を奏するため、LED33からの照射光は波長成分調整層44を透過した段階で色合いが変化し、透過パイプ40の拡散層43(43a,43b)を経て拡散照射される。
尚、本実施の形態では、LED33の表面層として波長成分調整層44を設けているが、これに限られるものではなく、例えばLED33からの光照射口を覆うように図示外の波長成分調整フィルタ(波長成分調整層44と同様な機能を具備)を配設するようにしてもよい。
【0023】
◎実施の形態4
図12は実施の形態4に係る照明装飾装置を示す。
同図において、照明装飾装置70は、照明機能と装飾機能とを融合させたものであり、本例では照明機能付きの一輪差し花瓶を示す。
この照明装飾装置70は、一輪差し花瓶を兼用した照明装置80を有している。この照明装置80は、図13(a)(b)に示すように、光源ユニット81と、この光源ユニット81を内部に支持し且つ光源ユニット81からの光を外部に透過させる透過支持体82とを備えている。
そして、光源ユニット81は長尺な円筒状花瓶部90を有し、この円筒状花瓶部90の周囲には180度変位した位置に点状光源としてのLED83を所定ピッチ間隔で配列したものである。
一方、透過支持体82は、光源ユニット81を囲繞する円筒状の透過パイプ100と、この透過パイプ100の下端部を塞くエンドキャップ110とを有し、このエンドキャップ110には前記光源ユニット81の円筒状花瓶部90の下端開口部に嵌め込まれる位置決めボス111が設けられている。
尚、透過パイプ100は実施の形態1と同様な拡散層43(又は実施の形態2の波長成分調整層44を兼用した拡散層43)を有している。
特に、本実施の形態では、照明装飾装置70は、図12(a)(b)に示すように、照明装置80の透過パイプ100の周囲に装飾用覆いとしての和紙120を貼り付けたものである。
【0024】
本実施の形態によれば、照明装置80は光源ユニット81のLED83からの照射光は透過パイプ100の拡散層43を経て拡散照射されるため、透過パイプ100からは略均一な照度の照明光が照射される。
このとき、実施の形態2の態様では、LED83からの照射光の色合いが調整された照明光が透過パイプ100から略均一な照度にて照射される。
更に、この透過パイプ100の周囲には和紙120が貼り付けられているため、和紙120の幻想的な装飾模様が照明装置80からの照明光で浮き上がり、見る人の心を和ませるという癒し空間を演出する。
このような照明装飾装置70において、円筒状花瓶部90に花一輪を差すと、一輪差しの周囲が照明装置80にて照明され、しかも、和紙120による装飾模様が照明光によって演出される。
【0025】
◎実施の形態5
図14(a)は実施の形態5に係る照明装置の要部を示す。
同図において、照明装置130は、台座131の上に湾曲形成された照明管132,133を設けたものであり、この照明管132,133として、LEDが配列された図示外の光源ユニット(符号134は光源ユニットのレイアウトラインの一例を示す)とこの光源ユニットを内蔵する透過パイプ135(例えば実施の形態1,2の透過パイプ40に相当)とを用いるようにしたものである。
この場合、透過パイプ135が湾曲形成されることから、図以外の光源ユニットのレイアウトも湾曲形成することが必要である。
また、照明装置130の他の例としては、図14(b)に示すように、直線状透過パイプ141と約1/4欠落したリング状の透過パイプ142とを例えば接合面Lで接合することにより、例えばクエッション(?)形状の透過パイプ140を構成し、この透過パイプ140内には接合前に図示外の光源ユニット(符号145は光源ユニットのレイアウトラインを示す)を組込むようにしたものである。
ここで、透過パイプ140として、実施の形態1,2の透過パイプ40と同様に構成するようにすれば、光源ユニットとして点状光源としてのLEDを使用したとしても、?形状の透過パイプ140が略均一な照度で照明される。
更に、照明装置130の別の例としては、図14(c)に示すように、直線状透過パイプ151と一部欠落した略リング状の透過パイプ152とを例えば接合面L1,L2で接合することにより、突起付きのリング形状の透過パイプ150を構成し、この透過パイプ140内には接合前に図示外の光源ユニット(符号155は光源ユニットのレイアウトラインを示す)を組込むようにしたものである。
本例でも、透過パイプ150として、実施の形態1,2の透過パイプ40と同様に構成するようにすれば、光源ユニットとして点状光源としてのLEDを使用したとしても、突起付きリング形状の透過パイプ150が略均一な照度で照明される。
尚、図14(b)(c)中、符号146,156は照明装置130を固定するためのねじ部である。
【0026】
また、本実施の形態では、透過パイプ135,140,150を用いた照明装置130が用いられているが、これに限られるものではなく、透過パイプを用いない態様にも本発明を適用することは可能である。
例えば図15に示すように、照明装置130として片面照射型スタンドを構築する場合には、片面にLED161が配列される光源ユニット160と、この光源ユニット160のLED161を覆う断面C字状の透過カバー162と、この透過カバー162の背面を塞ぐ背面カバー163と、透過カバー162の上下端を塞ぐエンドキャップ164,165とを備えたものである。
本例では、透過カバー162に実施の形態1,2の透過パイプ40と同様な拡散層43(又は波長成分調整層44を兼用した拡散層43)を設けるようにすれば、透過カバー162からの照射光は略均一な照度で照明される。
【実施例】
【0027】
◎実施例1
実施の形態2に係る照明装置を具現化したものを実施例1とし、透過パイプ40からの外部照明光の分光特性と、光源ユニット21の白色LED33からの照射光の分光特性とを調べたところ、図16,図17の結果が得られた。
図16は透過パイプ40からの外部照明光の分光特性を示すが、図17の白色LEDからの照射光の分光特性に比べて、青色成分(460nm)が減衰し、代わりに、赤色成分(600nm)が増加していることが理解される。
よって、本実施例では、白色LEDからの照射光は比較的青みが強い白色であるが、透過パイプ40からの外部照射光は青みが抑えられ、逆に、赤みが強くなった色合いの白色が得られることが理解される。
これは、実施の形態2における波長成分調整層44による作用を裏付けるものである。
【符号の説明】
【0028】
1…照明装置,2…点状光源,3…透過支持体,5…透過性覆い,6…拡散層,7…光源支持体
【技術分野】
【0001】
本発明は、点状光源を内蔵した照明装置並びにこれを用いた照明装飾装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の照明装置としては、LEDを利用した照明装置が既に提供されている(例えば特許文献1,2参照)。
特許文献1は、LEDの集合体からなる面状光源を用い、この光源の周囲に第1透光拡散手段、第2透光拡散手段を設けた技術である。
特許文献2は、自動車の乗員室内に取り付けられるイルミネーションモジュールであって、光源と、光源の光を散乱させる微小粒子が透明な母材樹脂に分散された光散乱導光樹脂からなる光輝体と、この光輝体の乗員室内側とは反対側の部位を当該光輝体の縁部を除いて覆う光遮断部材とを有する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4078050号公報(発明の実施の形態,図1)
【特許文献2】特許第4085053号公報(発明を実施するための最良の形態,図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、点状光源としてLEDを使用しているが、RGBの3色のLEDを面状に配置して使用しているため、実質的には面状光源を構成した上での配光技術に過ぎない。また、特許文献2は点状光源としてのLEDと光輝体との間に光遮断部材を配置することを前提とした配光技術に過ぎない。
本発明の技術的課題は、点状光源を内蔵した態様において、点状光源の存在を外部から隠し且つ周囲を略均一に照射することが可能な照明装置及びこれを用いた照明装飾装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、予め決められた間隔で配列される複数の点状光源と、これら複数の点状光源を内部に収容支持し且つ少なくとも点状光源の配列方向に沿った領域にて点状光源からの照射光を外部に透過させる透過支持体とを備え、透過支持体は、透過性材料からなり且つ複数の点状光源の配列方向に沿った方向に延びて複数の点状光源が覆われる透過性覆いと、この透過性覆いに一体的に形成され、点状光源に対向する部位とそれ以外の部位との照度差をなくすように各点状光源からの照射光が拡散される拡散層とを有することを特徴とする照明装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る照明装置において、透過支持体は、透過性覆いに対して固定され且つ透過性覆いの内部に複数の点状光源が支持される光源支持体を有することを特徴とする照明装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る照明装置において、透過性覆いは円筒状に形成されていることを特徴とする照明装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る照明装置において、透過性覆いは、透過性材料よりも高比重の拡散剤が含まれる拡散層を一体的に形成したものであることを特徴とする照明装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る照明装置において、透過性覆いは、透過性材料よりも高比重で且つ比重の異なる拡散剤が含まれる拡散層を一体的に形成し、比重の低い拡散剤が含まれる低比重拡散層よりも外側に比重の高い拡散剤が含まれる高比重拡散層を配置したものであることを特徴とする照明装置である。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係る照明装置において、透過性覆いは、点状光源からの照射光の波長成分が調整可能な波長成分調整剤を拡散層に含ませたことを特徴とする照明装置である。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係る照明装置において、点状光源は、当該点状光源からの照射光の波長成分が調整可能な波長成分調整層を有するものであることを特徴とする照明装置である。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7いずれかに係る照明装置と、この照明装置の透過性覆いの外側に設けられ且つ装飾模様が付された透過性素材からなる装飾用覆いとを備えたことを特徴とする照明装飾装置である。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る照明装飾装置において、装飾用覆いは和紙であることを特徴とする照明装飾装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に係る発明によれば、点状光源を内蔵した態様において、点状光源の存在を外部から隠し且つ周囲を略均一に照明することができる。
請求項2に係る発明によれば、透過性覆いの内部空間が広くても、透過性覆いの内部に複数の点状光源を安定的に支持することができる。
請求項3に係る発明によれば、点状光源を取り囲む周囲全体を略均一に照明することができる。
請求項4に係る発明によれば、遠心成形法を用いて透過性覆いに拡散層を簡単に構築することができる。
請求項5に係る発明によれば、遠心成形法を用いて透過性覆いに複数種の拡散層を簡単に構築することができる。
請求項6に係る発明によれば、点状光源を改良することなく、点状光源からの照射光の波長成分を調整し、外部への照明光の色合いを調整することができる。
請求項7に係る発明によれば、点状光源を工夫することで、点状光源からの照射光の波長成分を調整し、外部への照明光の色合いを調整することができる。
請求項8に係る発明によれば、周囲を略均一に照明可能な照明機能と装飾機能とが融合した照明装飾装置を簡単に提供することができる。
請求項9に係る発明によれば、和紙の持つ装飾機能を利用した照明装飾装置を簡単に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】(a)は本発明が適用された照明装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)中B−B線断面説明図、(c)は(a)中C−C線断面説明図である。
【図2】(a)は実施の形態1に係る照明装置の全体構成を示す斜視説明図、(b)はその分解説明図である。
【図3】(a)は図2(a)中III−III線断面説明図、(b)は(a)中B−B線断面説明図である。
【図4】(a)は実施の形態1で用いられる透過パイプの製造例を示す説明図、(b)は(a)中B−B線断面説明図ある。
【図5】(a)は図4(b)の詳細説明図、(b)は(a)の別の例を示す説明図である。
【図6】(a)は本実施の形態に係る照明装置の作用を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図、(c)は比較の形態に係る照明装置の作用を示す説明図、(d)は(c)中D方向から見た矢視図である。
【図7】実施の形態1で用いられる透過パイプの作用を模式的に示す説明図である。
【図8】実施の形態1に係る照明装置の変形の形態を示し、(a)は透過パイプ、(b)は光源ユニット、(c)は(b)中C方向から見た矢視図である。
【図9】(a)は実施の形態2に係る照明装置の要部を示す説明図、(b)は(a)中B部拡大説明図である。
【図10】(a)は実施の形態2で用いられる透過パイプの製造例を示す説明図、(b)は(a)中B−B線断面説明図である。
【図11】(a)は実施の形態3に係る照明装置の要部を示す説明図、(b)は(a)に示す照明装置の動作原理を示す説明図である。
【図12】(a)は実施の形態4に係る照明装飾装置の全体構成を示す説明図、(b)は(a)に示す照明装飾装置の構成要素を示す説明図である。
【図13】(a)は実施の形態4で用いられる照明装飾装置の斜視説明図、(b)は(a)に示す照明装置の縦断面説明図及びその平面図である。
【図14】(a)は実施の形態5に係る照明装置を示す説明図、(b)(c)は実施の形態5に係る照明装置の他の例を示す説明図である。
【図15】実施の形態5に係る照明装置の更に別の例を示す説明図である。
【図16】実施例1に係る照明装置からの照明光の分光特性を示す説明図である。
【図17】実施例1で用いられるLED光源の分光特性を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
◎実施の形態の概要
図1は本発明が適用された照明装置の実施の形態の概要を示す説明図である。
図1(a)〜(c)において、照明装置1は、予め決められた間隔で配列される複数の点状光源2と、これら複数の点状光源2を内部に収容支持し且つ少なくとも点状光源2の配列方向に沿った領域にて点状光源2からの照射光を外部に透過させる透過支持体3とを備え、透過支持体3は、透過性材料からなり且つ複数の点状光源2の配列方向に沿った方向に延びて複数の点状光源2が覆われる透過性覆い5と、この透過性覆い5に一体的に形成され、点状光源2に対向する部位とそれ以外の部位との照度差をなくすように各点状光源2からの照射光が拡散される拡散層6とを有するものである。
【0009】
このような技術的手段において、点状光源2としては、LED、ELを始め適宜選定して差し支えない。また、点状光源2からの光の種類についても適宜選定して差し支えないが、一般的な照明光としては自然光(太陽光)に近い色の光が好ましい。但し、照明装置1の用途(例えば漁船で使用する照明装置など)によっては、照明光として自然光よりも特定の波長成分の強い光の方が好ましい。
更に、透過支持体3は、少なくとも点状光源2を内部で支持する機能と、点状光源2からの照射光を外部に透過させる透過機能とを備えていればよく、点状光源を支持するための光源支持体7を用いる態様が代表的であるが、光源支持体7を用いない態様もあり得る。例えば透過性覆い5の内部に光源支持部を予め形成しておき、この光源支持部に点状光源2を直接支持するようにしてもよい。
更にまた、透過性覆い5としては、代表的には円筒状又は断面円弧状であるが、これ以外の形状、例えば断面楕円状、断面矩形状等適宜選定して差し支えない。
ここで、円筒状又は断面円弧状の透過性覆い5の成形例としては、遠心成形法(回転可能な遠心成形型を用い、遠心力にて遠心成成形型に沿った形状の透過性覆い5を形成するもの)が挙げられる。この場合、代表的には円筒状に形成されるが、これを適宜角度で切断するようにすれば、断面円弧状の透過性覆い5を形成することも可能である。
また、他の形状(断面楕円状、断面矩形状など)の透過性覆い5の成形法としては、金型を用いた型成形にて形成するものが挙げられる。
また、拡散層6については透過性覆い5と一体的に形成されていれば適宜選定して差し支えない。
この拡散層6の形成法としては、代表的には透過性覆い5の透過性材料に拡散剤を添加し、遠心成形法を用いて透過性覆い5と一体的に形成するようにするものが挙げられるが、これに限られるものではなく、例えば透過性覆い5の透過性材料に拡散剤を添加し、予め板状部材を成形した後、熱成形にて円筒状や湾曲状等任意の形状に形成するようにしたり、あるいは、透過性覆い5の表面に拡散剤を含む拡散層6を塗布などにて形成するようにしてもよい。
【0010】
また、このような照明装置において、点状光源2を安定的に支持するという観点からすれば、透過支持体3は、透過性覆い5に対して固定され且つ透過性覆い5の内部に複数の点状光源2が支持される光源支持体7を有する態様が好ましい。
更に、透過性覆い5の好ましい態様としては、点状光源2を囲繞する周囲全体を照明するという観点からすれば円筒状に形成されている態様が挙げられる。
更にまた、透過性覆い5と拡散層6との関係については、両者が一体的に形成されていればよく、完全に渾然一体でもよいし、あるいは、透過性覆い5に拡散層6とは別個に非拡散層を具備していてもよい。
例えば遠心成形法を利用する場合には、透過性覆い5は透過性材料よりも高比重の拡散剤が含まれる拡散層6を一体的に形成したようにすればよい。特に、複数種の拡散層6を形成するという観点からすれば、透過性材料よりも高比重で且つ比重の異なる拡散剤が含まれる拡散層6を一体的に形成し、比重の低い拡散剤が含まれる低比重拡散層よりも外側に比重の高い拡散剤が含まれる高比重拡散層を配置することが可能である。
【0011】
また、点状光源2からの照明光の色合いを調整するための代表的態様としては、透過性覆い5に対し、点状光源2からの照射光の波長成分が調整可能な波長成分調整剤を拡散層6に含ませた態様が挙げられる。例えば点状光源2として、市販の白色LEDを使用し、例えば青色成分を少し抑えるために、波長成分調整剤として青色成分を遮断するものを用いるような場合である。
更に、点状光源2からの照明光り色合いを調整するための他の代表的態様としては、点状光源2は、当該点状光源2からの照射光の波長成分が調整可能な波長成分調整層(図示せず)を有する態様が挙げられる。
【0012】
また、これらの照明装置1を利用して照明装飾装置を構築することも可能である。
この照明装飾装置は、上述した照明装置1と、この照明装置1の透過性覆い5の外側に設けられ且つ装飾模様が付された透過性素材からなる装飾用覆い(図示せず)とを備えたものである。
ここでいう照明装飾装置とは、照明機能、及び、装飾機能を具備した装置を広く含む。
また、装飾用覆いとしては、植物性繊維、動物性繊維等を用いて透過性を有するシート状に構成した覆いであれば、和紙、麻布、羊毛布等適宜選定して差支えない。更に、装飾模様としては透過性素材自体に形成されている模様(透過部と非透過部との組合せによる模様、透過部の透過率が変化する模様)は勿論、透過性素材に人為的に形成した模様(非透過部や透過部を別個に形成)も含む。
特に、和紙は紙の漉き方で特有な模様が形成されることから、装飾用覆いとしては好適である。
【0013】
以下添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2(a)は実施の形態1に係る照明装置の全体構成を示し、(b)はその分解説明図である。
同図において、照明装置20は、長尺な光源ユニット21と、この光源ユニット21を内部に支持すると共に光源ユニット21からの照射光を外部に透過させる透過支持体22とを備えている。
本実施の形態において、光源ユニット21は、図2及び図3に示すように、長尺な基板30を有し、この基板30の両面には適宜数の光源ホルダ31を配設すると共に、各光源ホルダ31には適宜間隔の光源取付孔32を開設し、例えば一つ置きの光源取付孔32を介して基板30上に点状光源としてのLED33を所定ピッチp間隔で搭載するようにしたものである。尚、符号35は基板30に対して光源ホルダ31を固定するための止め具である。
ここで、LED33としては白色LEDが使用されるが、RGB(赤、緑、青)の3色のLEDを順番に配列して使用したり、あるいは、特定の色のLEDを使用するようにする等適宜選定して差し支えない。
【0014】
また、透過支持体22は、前記光源ユニット21が中心線に沿って内蔵され且つ両端が開口する円筒状の透過パイプ40と、この透過パイプ40の両端開口を塞ぎ且つ光源ユニット22の両端を支持するエンドキャップ50とを備えている。
そして、本実施の形態では、透過パイプ40は透過性材料としての透過性樹脂(例えばアクリル樹脂)にて構成される円筒状パイプ本体41を有し、このパイプ本体41は内側から順に透過性樹脂だけからなる透過層42と、この透過層42の外側には透過性樹脂と拡散剤とが分散する拡散層43との多層構造になっている。
特に、本例では、拡散層43は、透過性樹脂よりも高比重である拡散剤Iが含まれる内側拡散層43aと、拡散剤Iよりも高比重である拡散剤IIが含まれる外側拡散層43bとの二層構造になっている。
また、エンドキャップ50は、透過パイプ40の両端開口に嵌り込むボス51を有し、このボス51の周囲に透過パイプ40の端部に当接するフランジ52を形成すると共に、
ボス51の中央部には光源ユニット21の両端部が支持可能な支持受け孔53を形成したものである。
【0015】
次に、本実施の形態で使用される透過パイプ40の製造法について説明する。
本実施の形態では、透過パイプ40は遠心成形法によって成形される。
この遠心成形法は、図4(a)(b)に示すように、回転型金型60の中に透過性樹脂(モノマー)としてのアクリル樹脂(比重:1.2)を入れると共に、このアクリル樹脂よりも高比重で且つ比重の異なる拡散剤I(例えばPET:比重1.4),拡散剤II(例えばガラス:比重2.5)を添加した後、前記金型60を高速回転させ、遠心力で金型60内側に拡散剤I,IIが混入されたアクリル樹脂を貼り付け、熱をかけて重合成形する。
このとき、図5(a)に示すように、遠心力により、低比重の拡散剤Iは内側に、高比重の拡散剤IIは外側に夫々拡散層43a,43bとして形成される。
尚、本実施の形態では、複数の拡散剤I,IIを添加するようにしているが、これに限られるものではなく、例えば拡散剤I又はIIのいずれか一方だけ添加するようにしてもよい。この場合には、図5(b)に示すように、拡散層43は単層構造として形成される。
【0016】
次に、本実施の形態に係る照明装置の作動について説明する。
今、図6(a)に示すように、光源ユニット21の各LED33からの照射光Bmは透過パイプ40を透過して外部に拡散した状態で照射される。
具体的には、図7に示すように、LED33からの照射光Bmは透過パイプ40の透過層42をそのまま進行した後、拡散層43(内側拡散層43a,外側拡散層43b)に突入する。
このとき、前記照射光Bmの一部はそのままあるいは拡散層43(43a,43b)の拡散剤I,IIの拡散粒子G1,G2を透過して透過光Bm(1)として外部に照射され、また、前記照射光Bmの別の一部は拡散層43(43a,43b)の拡散剤I,IIの拡散粒子G1,G2と衝突して拡散し、Bm(2),Bm(3)として外部に拡散照射され、更に、前記照射光Bmのまた別の一部は前記拡散粒子G1,G2に衝突したり、あるいは、透過層42や拡散層43にて反射されて、Bm(4),Bm(5)として透過パイプ40の内側に戻され、他の部位に向かう。
【0017】
このように、LED33からの照射光Bmは透過パイプ40との照射部にて周囲に拡散するため、図6(b)に示すように、透過パイプ40は略均一な照度にて照明されることになり、外部から見て、内部のLED33の存在は目隠しされる。
ここで、拡散剤I,拡散剤IIの添加量は適宜選定して差し支えないが、本実施の形態では、上述したように、LED33の目隠し機能、及び、透過パイプ40の照度均一機能を実現する上で必要な量が選定されている。
この点、図6(c)に示す比較の形態(拡散層43を用いない透過パイプ40’を使用)では、外部から透過パイプ40’を見ると、透過パイプ40’のうちLED33に対向する部位の照度が非対向な部位に比べて大きいため、図6(d)に示すように、透過パイプ40’の表面にLED33の照射痕48が見えるという懸念がある。
【0018】
◎変形の形態1
実施の形態1では、光源ユニット21は基板30の両面に光源ホルダ31を介してLED33を搭載した態様であるが、これに限られるものではなく、例えば図8に示すように、断面矩形状の基板ブロック36の各面に光源ホルダ31を介して点状光源としてのLED33を所定ピッチ間隔で配設し、基板ブロック36の90度毎の各面からLED33からの光を照射するようにしたものでもよい。
本変形の形態では、光源ユニット21は基板ブロック36の四面からLED33の光を照射させるため、例えば実施の形態1の二面からLED33の光を照射する方式に比べて、更に各面からのLED33からの光量を少なく配分することが可能になるばかりか、各面のLED33列は透過パイプ40の90度の角度範囲における配光を調整すれば足りるため、透過パイプ40の照度分布はより均一に維持される。
尚、本変形の形態では光源ユニット21は四面からLED33からの光を照射するものであるが、これに限られるものではなく、例えば断面n角形状の基板ブロックを使用し、n面からLEDの光を照射するようにする等適宜選定して差し支えない。
【0019】
◎実施の形態2
図9は実施の形態2に係る照明装置の要部を示す説明図である。
同図において、照明装置20の基本的構成は、図9(a)に示すように、実施の形態1と略同様な光源ユニット21を有しているが、実施の形態1と異なる透過パイプ40を設けたものである。
本実施の形態において、透過パイプ40は、実施の形態1と同様に、パイプ本体41として透過層42と拡散層43(43a,43b)とを備えているが、図9(b)に示すように、拡散層43(43a,43b)には波長成分調整剤としての調整粒子Hを分散させ、前記拡散層43を波長成分調整層44としても機能させるようにしたものである。
ここでいう波長成分調整剤としての調整粒子Hは、特定の波長成分(例えば青色成分:Bm(青))を吸収する作用を奏するものであり、予め決められた量を添加して前記波長成分を減衰させるものである。
【0020】
本実施の形態で使用される透過パイプ40の製造例を図10に示す。
同図において、透過パイプ40は遠心成形法によって成形されるが、この遠心成形法は、回転型金型60の中に透過性樹脂(モノマー)としてのアクリル樹脂(比重:1.2)を入れると共に、このアクリル樹脂よりも高比重で且つ比重の異なる拡散剤I(例えばPET:比重1.4),拡散剤II(例えばガラス:比重2.5)を添加すると共に、波長成分調整剤を適量添加し、前記金型60を高速回転させ、遠心力で金型60内側に拡散剤I,II及び波長成分調整剤(例えば染料又は顔料又は蓄光剤等)が混入されたアクリル樹脂を貼り付け、熱をかけて重合成形する。
このとき、図9(b)に示すように、遠心力により、低比重の拡散剤Iは内側に、高比重の拡散剤IIは外側に夫々拡散層43a,43bとして形成されると共に、各拡散層43(43a,43b)には波長成分調整剤としての調整粒子Hが分散配置される。
尚、波長成分調整剤の比重が透過性樹脂としてのアクリル樹脂よりも高比重である場合には、上述したように、拡散層43(43a,43b)に波長成分調整剤としての調整粒子Hが分散するが、仮に、波長成分調整剤がアクリル樹脂と同程度以下の比重である場合には、拡散層43よりも内側に位置する透過層42に波長成分調整剤としての調整粒子Hが分散することになる。
【0021】
本実施の形態によれば、LED33からの照射光Bmは、実施の形態1と同様に、透過パイプ40の拡散層43の作用により、例えばBm(1)〜Bm(3)に外部に拡散した状態で照射されるほか、波長成分調整層44による作用にて特定の波長成分が減衰した状態で外部に照射される。
このため、透過パイプ40からの照明光はLED33からの照射光とは色合いの異なる拡散光として外部に照射される。
例えばLED33として市販の白色LEDを使用している場合を仮定し、波長成分調整層44にて例えば青色成分を減衰させたとすると、透過パイプ40からの照明光は白色LED33からの白色よりも青みが抑えられた色合いの光として照射される。
【0022】
◎実施の形態3
図11は実施の形態3に係る照明装置の要部を示す説明図である。
同図において、照明装置20の基本的構成は、実施の形態1と略同様な透過パイプ40を有しているが、実施の形態1と異なる光源ユニット21を備えている。
本実施の形態では、光源ユニット21は実施の形態1と同様に所定のピッチ間隔毎にLED33を配設しているが、実施の形態1と異なり、LED33の表面には特定の波長成分を調整する波長成分調整層44を付加したものである。
この波長成分調整層44は特定の波長成分(例えば青色成分)を減衰させる作用を奏するため、LED33からの照射光は波長成分調整層44を透過した段階で色合いが変化し、透過パイプ40の拡散層43(43a,43b)を経て拡散照射される。
尚、本実施の形態では、LED33の表面層として波長成分調整層44を設けているが、これに限られるものではなく、例えばLED33からの光照射口を覆うように図示外の波長成分調整フィルタ(波長成分調整層44と同様な機能を具備)を配設するようにしてもよい。
【0023】
◎実施の形態4
図12は実施の形態4に係る照明装飾装置を示す。
同図において、照明装飾装置70は、照明機能と装飾機能とを融合させたものであり、本例では照明機能付きの一輪差し花瓶を示す。
この照明装飾装置70は、一輪差し花瓶を兼用した照明装置80を有している。この照明装置80は、図13(a)(b)に示すように、光源ユニット81と、この光源ユニット81を内部に支持し且つ光源ユニット81からの光を外部に透過させる透過支持体82とを備えている。
そして、光源ユニット81は長尺な円筒状花瓶部90を有し、この円筒状花瓶部90の周囲には180度変位した位置に点状光源としてのLED83を所定ピッチ間隔で配列したものである。
一方、透過支持体82は、光源ユニット81を囲繞する円筒状の透過パイプ100と、この透過パイプ100の下端部を塞くエンドキャップ110とを有し、このエンドキャップ110には前記光源ユニット81の円筒状花瓶部90の下端開口部に嵌め込まれる位置決めボス111が設けられている。
尚、透過パイプ100は実施の形態1と同様な拡散層43(又は実施の形態2の波長成分調整層44を兼用した拡散層43)を有している。
特に、本実施の形態では、照明装飾装置70は、図12(a)(b)に示すように、照明装置80の透過パイプ100の周囲に装飾用覆いとしての和紙120を貼り付けたものである。
【0024】
本実施の形態によれば、照明装置80は光源ユニット81のLED83からの照射光は透過パイプ100の拡散層43を経て拡散照射されるため、透過パイプ100からは略均一な照度の照明光が照射される。
このとき、実施の形態2の態様では、LED83からの照射光の色合いが調整された照明光が透過パイプ100から略均一な照度にて照射される。
更に、この透過パイプ100の周囲には和紙120が貼り付けられているため、和紙120の幻想的な装飾模様が照明装置80からの照明光で浮き上がり、見る人の心を和ませるという癒し空間を演出する。
このような照明装飾装置70において、円筒状花瓶部90に花一輪を差すと、一輪差しの周囲が照明装置80にて照明され、しかも、和紙120による装飾模様が照明光によって演出される。
【0025】
◎実施の形態5
図14(a)は実施の形態5に係る照明装置の要部を示す。
同図において、照明装置130は、台座131の上に湾曲形成された照明管132,133を設けたものであり、この照明管132,133として、LEDが配列された図示外の光源ユニット(符号134は光源ユニットのレイアウトラインの一例を示す)とこの光源ユニットを内蔵する透過パイプ135(例えば実施の形態1,2の透過パイプ40に相当)とを用いるようにしたものである。
この場合、透過パイプ135が湾曲形成されることから、図以外の光源ユニットのレイアウトも湾曲形成することが必要である。
また、照明装置130の他の例としては、図14(b)に示すように、直線状透過パイプ141と約1/4欠落したリング状の透過パイプ142とを例えば接合面Lで接合することにより、例えばクエッション(?)形状の透過パイプ140を構成し、この透過パイプ140内には接合前に図示外の光源ユニット(符号145は光源ユニットのレイアウトラインを示す)を組込むようにしたものである。
ここで、透過パイプ140として、実施の形態1,2の透過パイプ40と同様に構成するようにすれば、光源ユニットとして点状光源としてのLEDを使用したとしても、?形状の透過パイプ140が略均一な照度で照明される。
更に、照明装置130の別の例としては、図14(c)に示すように、直線状透過パイプ151と一部欠落した略リング状の透過パイプ152とを例えば接合面L1,L2で接合することにより、突起付きのリング形状の透過パイプ150を構成し、この透過パイプ140内には接合前に図示外の光源ユニット(符号155は光源ユニットのレイアウトラインを示す)を組込むようにしたものである。
本例でも、透過パイプ150として、実施の形態1,2の透過パイプ40と同様に構成するようにすれば、光源ユニットとして点状光源としてのLEDを使用したとしても、突起付きリング形状の透過パイプ150が略均一な照度で照明される。
尚、図14(b)(c)中、符号146,156は照明装置130を固定するためのねじ部である。
【0026】
また、本実施の形態では、透過パイプ135,140,150を用いた照明装置130が用いられているが、これに限られるものではなく、透過パイプを用いない態様にも本発明を適用することは可能である。
例えば図15に示すように、照明装置130として片面照射型スタンドを構築する場合には、片面にLED161が配列される光源ユニット160と、この光源ユニット160のLED161を覆う断面C字状の透過カバー162と、この透過カバー162の背面を塞ぐ背面カバー163と、透過カバー162の上下端を塞ぐエンドキャップ164,165とを備えたものである。
本例では、透過カバー162に実施の形態1,2の透過パイプ40と同様な拡散層43(又は波長成分調整層44を兼用した拡散層43)を設けるようにすれば、透過カバー162からの照射光は略均一な照度で照明される。
【実施例】
【0027】
◎実施例1
実施の形態2に係る照明装置を具現化したものを実施例1とし、透過パイプ40からの外部照明光の分光特性と、光源ユニット21の白色LED33からの照射光の分光特性とを調べたところ、図16,図17の結果が得られた。
図16は透過パイプ40からの外部照明光の分光特性を示すが、図17の白色LEDからの照射光の分光特性に比べて、青色成分(460nm)が減衰し、代わりに、赤色成分(600nm)が増加していることが理解される。
よって、本実施例では、白色LEDからの照射光は比較的青みが強い白色であるが、透過パイプ40からの外部照射光は青みが抑えられ、逆に、赤みが強くなった色合いの白色が得られることが理解される。
これは、実施の形態2における波長成分調整層44による作用を裏付けるものである。
【符号の説明】
【0028】
1…照明装置,2…点状光源,3…透過支持体,5…透過性覆い,6…拡散層,7…光源支持体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め決められた間隔で配列される複数の点状光源と、
これら複数の点状光源を内部に収容支持し且つ少なくとも点状光源の配列方向に沿った領域にて点状光源からの照射光を外部に透過させる透過支持体とを備え、
透過支持体は、透過性材料からなり且つ複数の点状光源の配列方向に沿った方向に延びて複数の点状光源が覆われる透過性覆いと、
この透過性覆いに一体的に形成され、点状光源に対向する部位とそれ以外の部位との照度差をなくすように各点状光源からの照射光が拡散される拡散層とを有することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1記載の照明装置において、
透過支持体は、透過性覆いに対して固定され且つ透過性覆いの内部に複数の点状光源が支持される光源支持体を有することを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の照明装置において、
透過性覆いは円筒状に形成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の照明装置において、
透過性覆いは、透過性材料よりも高比重の拡散剤が含まれる拡散層を一体的に形成したものであることを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれかに記載の照明装置において、
透過性覆いは、透過性材料よりも高比重で且つ比重の異なる拡散剤が含まれる拡散層を一体的に形成し、比重の低い拡散剤が含まれる低比重拡散層よりも外側に比重の高い拡散剤が含まれる高比重拡散層を配置したものであることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれかに記載の照明装置において、
透過性覆いは、点状光源からの照射光の波長成分が調整可能な波長成分調整剤を拡散層に含ませたことを特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項1ないし5いずれかに記載の照明装置において、
点状光源は、当該点状光源からの照射光の波長成分が調整可能な波長成分調整層を有するものであることを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれかに記載の照明装置と、
この照明装置の透過性覆いの外側に設けられ且つ装飾模様が付された透過性素材からなる装飾用覆いとを備えたことを特徴とする照明装飾装置。
【請求項9】
請求項8記載の照明装飾装置において、
装飾用覆いは和紙であることを特徴とする照明装飾装置。
【請求項1】
予め決められた間隔で配列される複数の点状光源と、
これら複数の点状光源を内部に収容支持し且つ少なくとも点状光源の配列方向に沿った領域にて点状光源からの照射光を外部に透過させる透過支持体とを備え、
透過支持体は、透過性材料からなり且つ複数の点状光源の配列方向に沿った方向に延びて複数の点状光源が覆われる透過性覆いと、
この透過性覆いに一体的に形成され、点状光源に対向する部位とそれ以外の部位との照度差をなくすように各点状光源からの照射光が拡散される拡散層とを有することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1記載の照明装置において、
透過支持体は、透過性覆いに対して固定され且つ透過性覆いの内部に複数の点状光源が支持される光源支持体を有することを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の照明装置において、
透過性覆いは円筒状に形成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の照明装置において、
透過性覆いは、透過性材料よりも高比重の拡散剤が含まれる拡散層を一体的に形成したものであることを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれかに記載の照明装置において、
透過性覆いは、透過性材料よりも高比重で且つ比重の異なる拡散剤が含まれる拡散層を一体的に形成し、比重の低い拡散剤が含まれる低比重拡散層よりも外側に比重の高い拡散剤が含まれる高比重拡散層を配置したものであることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれかに記載の照明装置において、
透過性覆いは、点状光源からの照射光の波長成分が調整可能な波長成分調整剤を拡散層に含ませたことを特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項1ないし5いずれかに記載の照明装置において、
点状光源は、当該点状光源からの照射光の波長成分が調整可能な波長成分調整層を有するものであることを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれかに記載の照明装置と、
この照明装置の透過性覆いの外側に設けられ且つ装飾模様が付された透過性素材からなる装飾用覆いとを備えたことを特徴とする照明装飾装置。
【請求項9】
請求項8記載の照明装飾装置において、
装飾用覆いは和紙であることを特徴とする照明装飾装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−14468(P2011−14468A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159344(P2009−159344)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(597010503)昭立プラスチックス工業株式会社 (2)
【出願人】(509189558)
【出願人】(509189569)株式会社サーフェイスライト (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(597010503)昭立プラスチックス工業株式会社 (2)
【出願人】(509189558)
【出願人】(509189569)株式会社サーフェイスライト (1)
【Fターム(参考)】
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