説明

照明装置及び画像処理装置

【課題】光を被照明物に一層均一に照射することができる照明装置を提供すること。
【解決手段】撮像部3と被照明物Tとの間に配置される中空体5であって、撮像部3側に形成される撮像部側開口部51と、撮像部側開口部51とは反対側であって被照明物T側に形成される被照明物側開口部52と、撮像部側開口部51と被照明物側開口部52とをつなぐように形成されると共に、撮像部3が被照明物Tを撮像する撮像方向Sに延びるように形成される内側面部56と、を有する中空体5と、内側面部56に発光面6aが向くように中空体5の内部に配置される発光部6であって、光を内側面部56に向けて放射すると共に、光を被照明物Tに直接的に照射不能な発光部6と、内側面部56に沿って配置され、中空体5の内側に露出する複数の凹凸を有することにより発光部6から放射される光を被照明物Tに向けて拡散して反射させる拡散反射部7と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被照明物を照射する照明装置及び照明装置を備える画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、光を被照明物に照射する照明装置と、被照明物を撮像する撮像部としてのカメラと、を備える画像処理装置が知られている。このような画像処理装置においては、照明装置を用いて光を被照明物に照射することで、カメラで被照明物を撮像する際に必要とされる照度などを確保している。
この照明装置において、光を被照明物に直接的に照射させた場合、被照明物に照射される光の強度の差が現れやすいため、光を被照明物に均一に照射することができないという問題点があった。
【0003】
このような問題点を解決するために、光を被照明物に直接的に照射させると共に間接的に照射させる照明装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の照明装置は、光を被照明物に間接的に照射させているが、光を被照明物に直接的にも照射させているため、光を被照明物に均一に照射することができない可能性がある。
【0004】
また、光を被照明物に間接的に照射させる照明装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載の照明装置は、一方の面が開口する開口部を有する箱体と、箱体の内部に配置されると共に被照明物に直接的に照射不能な発光部と、発光部からの光を乱反射して開口部側へ反射させる乱反射板と、開口部に配置された透過拡散板と、を備える。
【0005】
特許文献2に記載の照明装置においては、被照明物は、箱体における開口部側の外方に配置される。また、乱反射板は、箱体の内面における被照明物に対向する位置に配置される。そして、照明装置は、光を乱反射板で乱反射させて、更に、乱反射板で乱反射された光を拡散透過板により拡散させて、光を被照明物に照射させるものである。これにより、特許文献2に記載の照明装置によれば、被照明物に照射される光が分散されて、光を被照明物に均一に照射することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−158490号公報
【特許文献2】特開平2−196903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載の照明装置においては、乱反射板は、被照明物に対向して箱体の内面に配置されている。つまり、被照明物には、乱反射板が延びる方向に直交する方向から光が照射される。また、特許文献2に記載の照明装置は、被照明物の外縁近傍に照射される光を均一にすることができるとされている。
そのため、実際には、特許文献2に記載の照明装置は、光を被照明物の中央部を含めた被照明物の全体に均一に照射することができない可能性がある。
【0008】
従って、本発明は、光を被照明物に一層均一に照射することができる照明装置及び前記照明装置を備える画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、被照明物を撮像する撮像部を有する画像処理装置に用いられる照明装置であって、前記撮像部と前記被照明物との間に配置される中空体であって、前記撮像部側に形成される撮像部側開口部と、前記撮像部側開口部とは反対側であって前記被照明物側に形成される被照明物側開口部と、前記撮像部側開口部と前記被照明物側開口部とをつなぐように形成されると共に、前記撮像部が前記被照明物を撮像する方向である撮像方向に延びるように形成される内側面部と、を有する中空体と、前記内側面部に発光面が向くように前記中空体の内部に配置される発光部であって、光を前記内側面部に向けて放射すると共に、光を前記被照明物に直接的に照射不能な発光部と、前記内側面部に沿って配置され、前記中空体の内側に露出する複数の凹凸を有することにより前記発光部から放射される光を前記被照明物に向けて拡散して反射させる拡散反射部と、を備える照明装置に関する。
【0010】
また、前記内側面部は、前記撮像方向に略平行に延びるように形成され、前記発光部は、前記発光面が前記撮像方向に略直交する方向を向くように配置されることが好ましい。
【0011】
また、前記発光部は、2つ設けられ、2つの前記発光部は、それぞれの前記発光面から放射される光が互いに離間する方向に放射されるように配置されることが好ましい。
【0012】
また、前記発光部は、2つ設けられ、2つの前記発光部は、それぞれの前記発光面が向かい合うように対向して配置されることが好ましい。
【0013】
本発明は、前記照明装置と、前記被照明物に対向して配置され、前記照明装置の前記中空体を介して前記被照明物を撮像する前記撮像部と、を備える画像処理装置に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光を被照明物に一層均一に照射することができる照明装置及び前記照明装置を備える画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態の画像処理装置1における各構成要素の配置を説明するための側面図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】第2実施形態の画像処理装置1Aにおける各構成要素の配置を説明するための側面図である。
【図4】図3におけるB−B線断面図である。
【図5】第1実施形態の画像処理装置1における変形例を発光方向Hから視た図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態の画像処理装置1について説明する。図1は、第1実施形態の画像処理装置1における各構成要素の配置を説明するための側面図である。図2は、図1におけるA−A線断面図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、画像処理装置1は、光を被照明物Tに照射する照明装置2と、被照明物Tを撮像する撮像部としてのカメラ3と、を備える。
図2に示すように、被照明物Tは、フィルムシート等からなる包装紙15における照明装置2により光が照射される部分により構成される。具体的には、第1ローラ20aと第2ローラ20bとの間には、長尺の包装紙15が掛けられている。第1ローラ20aの外周面に沿うように掛けられた包装紙15は、第1ローラ20aから第2ローラ20bに向かう搬送方向L1に向かって搬送され、第2ローラ20bの外周面に沿うように掛けられて方向転換されている。なお、包装紙15の搬送方向L1を、第1ローラ20aから第2ローラ20bに向かう方向としたが、これに制限されない。例えば、包装紙15bの搬送方向を、第2ローラ20bから第1ローラ20aに向かう方向としてもよい。
【0018】
包装紙15の表面には、画像としての複数の文字などが形成されている。表面に複数の文字などが形成された包装紙15は、図2に示すように、順次照明エリアEを通過する。照明エリアEは、照明装置2により光が照射される領域である。本実施形態においては、搬送される包装紙15における照明エリアEに位置する部分を「被照明物T」という。
【0019】
カメラ3は、被照明物Tに対向して配置される。カメラ3は、照明装置2により照射される照明エリアEに位置する被照明物Tの表面に形成された文字などを撮像する。本実施形態においては、カメラ3が被照明物Tを撮像する方向を「撮像方向S」ともいう。撮像方向Sは、上下方向でもある。
カメラ3は、被照明物Tを撮像可能な所定の視野角を有して構成される。カメラ3と被照明物Tとの間には、撮像方向Sに沿うように、撮像空間Kが形成される。撮像空間Kは、カメラ3により被照明物Tを撮像する場合に、撮像の妨げとなる他の部材などを配置してはならない空間である。
【0020】
照明装置2は、カメラ3により撮像される被照明物Tを照射する。
照明装置2は、中空体としての筒状部5と、2つの発光部6、6と、拡散反射部としての拡散反射シート7と、拡散透過板8と、仕切板11と、カバー部材9とを有する。
【0021】
筒状部5は、カメラ3と被照明物Tとの間に配置される。筒状部5は、上下方向に開口部を有すると共に、横断面が長方形の筒状の中空体である。筒状部5は、4枚の長方形状の側板から形成される。
【0022】
筒状部5は、カメラ3側に形成される撮像部側開口部51と、撮像部側開口部51とは反対側であって被照明物T側に形成される被照明物側開口部52と、撮像部側開口部51と被照明物側開口部52とをつなぐように形成される内側面部56とを有する。撮像部側開口部51及び撮像部側開口部51は、撮像方向Sから視た場合に、略同一形状の長方形状に形成される。
【0023】
内側面部56は、撮像方向Sに延びるように形成される。本実施形態においては、内側面部56は、撮像方向Sに平行に延びるように形成される。内側面部56は、筒状部5の内周面における周方向の全域に亘って形成される。
【0024】
仕切板11は、カメラ3が配置される空間と照明装置2とを仕切る板である。仕切板11は、カメラ3が配置される側からの被照明物Tへのネジ等の落下を防止する。仕切板11は、板状に形成されている。仕切板11は、筒状部5の上部側に配置される。仕切板11は、筒状部5の撮像部側開口部51をカメラ3の側から仕切る部材である。
仕切板11は、カメラ3の先端側が貫通するカメラ貫通孔11aを有する。カメラ貫通孔11aは、カメラ3の先端側が貫通して配置される。
【0025】
発光部6は、光を発光して光を放射する機能を有する。
発光部6は、光が放射される発光面6aを有する。
2つの発光部6、6は、筒状部5の内側面部56に発光面6a、6aが向くように筒状部5の内部に配置される。発光部6の発光面6aは、撮像方向Sに略直交する方向を向いている。発光面6aから放射される光は、水平方向に放射される。本実施形態においては、発光面6aが向く方向を「発光方向H」ともいう。発光方向Hは、水平方向でもある。
【0026】
2つの発光部6、6それぞれは、発光方向Hにおいて、被照明物Tをカメラ3で撮像するために必要とされる撮像空間Kを避けるように、水平方向において、撮像空間Kと筒状部5の内側面部56、56との間に配置される。2つの発光部6、6それぞれは、内側面部56、56それぞれから筒状部5の内部側に、水平方向に所定距離だけ離間する位置に配置される。
【0027】
また、2つの発光部6、6は、それぞれの発光面6aから放射される光が互いに離間するように配置される。詳細には、2つの発光部6、6は、発光面6aが内側面部56に向くように配置される。つまり、2つの発光部6、6それぞれの発光面6a、6aは、筒状部5の外部側を向いている。
【0028】
発光部6は、複数のLED61と、ケース部材63と、を有する。
複数のLED61は、撮像方向Sに直交する方向であると共に発光方向Hに直交する方向に並んで配置される。複数のLED61は、略等しい間隔を開けて直線状に配置される。本実施形態においては、複数のLED61が並ぶ方向を「配列方向L」ともいう。配列方向Lは、水平方向でもある。
【0029】
複数のLED61それぞれは、複数のLED61それぞれの外形を形成する断面がU字形状のLED放射面61aを有する。LED放射面61aからは、LED61の放射特性に基づいて、LED放射面61aにおける先端を中心として所定の放射角度で光が放射状に放射される。LED放射面61aにおける先端は、筒状部5の内側面部56側を向いて配置される。複数のLED61は、ケース部材63に収容される。
【0030】
ケース部材63は、発光部6の外形を形成する。ケース部材63は、筒状部5の内側面部56側の面が開放されたLED61の配列方向Lに長い直方体形状である。ケース部材63は、筒状部5の内部において配列方向Lの全域に亘って配置される。ケース部材63は、撮像方向Sにおいて、筒状部5における被照明物T側の端部からカメラ3側に、上下方向(撮像方向S)に所定距離をおいて配置される。
【0031】
ケース部材63における配列方向Lの両端部は、固定部材65により筒状部5の内面に固定される。
【0032】
ケース部材63における開放された内側面部56側に形成される撮像方向S及び配列方向Lに平行な面は、発光部6における発光面6aとして機能する。発光部6は、ケース部材63に収容された複数のLED61が光を放射することで、発光面6aから光を放射する。
【0033】
ケース部材63は、複数のLED61が載置される長方形状の載置板63aと、周壁部63bと、を有する。載置板63aは、LED61の配列方向Lに平行に長く延びている。周壁部63bは、載置板63aの外周縁から載置板63aに対して直角方向(水平方向)に延びる壁部である。
【0034】
ケース部材63は、収容された複数のLED61から放射される光が直接被照明物Tへ照射されないように遮蔽する部材としても機能する。具体的には、ケース部材63の周壁部63bは、ケース部材63の内部に配置された複数のLED61のLED放射面61aから所定の放射角度で放射される被照明物Tに向かう方向への光を遮蔽する。これにより、発光部6は、光を内側面部56に向けて放射すると共に、光を被照明物Tに直接的に照射不能に構成される。
【0035】
拡散透過板8は、透明白色の板材により形成される。拡散透過板8は、発光部6における発光面6aに沿うように配置される。拡散透過板8は、発光面6aから放射される光を透過して拡散させる。
【0036】
拡散反射シート7は、白色のシートにより形成される。拡散反射シート7は、例えば、ポリプロピレンなどによりシート状に形成される。
拡散反射シート7は、筒状部5の内側面部56に沿って配置される。具体的には、拡散反射シート7は、筒状部5の内側面部56における発光部6からの光が照射される位置よりも被照明物T側に配置されている。拡散反射シート7は、筒状部5の内側面部56における周方向の全域に亘って配置されている。
【0037】
拡散反射シート7は、表面に複数の凹凸を有する。拡散反射シート7の表面に形成される複数の凹凸は、拡散反射シート7の裏面が筒状部5の内側面部56に当接して配置されることで、筒状部5の内側に露出する。
【0038】
拡散反射シート7は、発光部6から放射された光を被照明物Tに向けて拡散して反射させる。例えば、拡散反射シート7の表面の略全域には、微細な複数の凹凸が一様に形成される。これにより、拡散反射シート7は、発光部6から放射された光を拡散して反射させる。本実施形態においては、拡散反射シート7は、発光部6から放射された光を拡散して1回又は複数回反射させる。拡散反射シート7に拡散されて1回又は複数回反射された光は、被照明物Tに対して略均一に照射される。
【0039】
カバー部材9は、直方体の箱状に形成される。カバー部材9は、筒状部5の撮像部側開口部51と略同一の形状に形成される下側開口部と、上部貫通孔9aとを有する。下側開口部は、撮像部側開口部51に接合される。上部貫通孔9aには、カメラ3のケーブルやコネクタなどが貫通する。カバー部材9の内部空間には、カメラ3が配置される。
【0040】
第1実施形態の照明装置2によれば、例えば、次のような効果が奏される。
第1実施形態の照明装置2は、カメラ3と被照明物Tとの間に配置される筒状部5であって、カメラ3が被照明物Tを撮像する方向である撮像方向Sに延びるように形成される内側面部56を有する筒状部5と、光を内側面部56に向けて放射すると共に、光を被照明物Tに直接的に照射不能な発光部6と、内側面部56に沿って配置され、複数の凹凸を有することにより発光部6から放射される光を被照明物Tに向けて拡散して反射させる拡散反射シート7と、を備える。
【0041】
そのため、発光部6から放射された光は、被照明物Tに直接的に照射されずに、筒状部5の内側面部56に配置された拡散反射シート7に向けて放射される。また、拡散反射シート7に放射された光は、拡散反射シート7の表面に形成された複数の凹凸により拡散して1回又は複数回反射される。また、拡散反射シート7に拡散して反射された光は、斜め方向から均一に被照明物に照射される。これにより、照明装置2は、光を被照明物Tに一層均一に照射することができる。
【0042】
また、第1実施形態の照明装置2においては、内側面部56は、撮像方向Sに略平行に延びるように形成され、発光部6は、発光面6aが撮像方向Sに略直交する方向を向くように配置される。そのため、被照明物Tには、拡散された光が一層均一に照射される。これにより、照明装置2は、光を被照明物Tに一層均一に照射することができる。
【0043】
また、第1実施形態の照明装置2においては、発光部6、6は、2つ設けられ、2つの発光部6、6は、それぞれの発光面6aから放射される光が互いに離間する方向に放射されるように配置される。そのため、照明装置2は、2つの発光部6、6により光を被照明物Tに一層均一に照射することができる。
また、第1実施形態の照明装置2は、後述する第2実施形態の照明装置2Aに比して、発光方向Hにおいて対向する2つの拡散反射シート7、7同士の間の距離を短くするように構成することができる。これにより、第1実施形態の照明装置2は、第2実施形態の照明装置2Aに比して、筒状部5における発光方向Hの長さを小さくすることができる。従って、第1実施形態の照明装置2は、第2実施形態の照明装置2Aに比して、コンパクトに構成することができる。
【0044】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、主として、第1実施形態とは異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。他の実施形態において特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用又は援用される。
【0045】
<第2実施形態>
図3及び図4を参照して、本発明の第2実施形態の画像処理装置1Aの概略について説明する。図3は、第2実施形態の画像処理装置1Aにおける各構成要素の配置を説明するための側面図である。図4は、図3におけるB−B線断面図である。
第2実施形態の画像処理装置1Aは、第1実施形態の画像処理装置1に比して、2つの発光部6、6は、それぞれの発光面6a、6aが向かい合うように対向して配置される点が主として異なる。
【0046】
図3及び図4に示すように、第2実施形態における2つの発光部6、6それぞれは、第1実施形態における2つの発光部6、6それぞれと同様に、複数のLED61と、ケース部材63と、を有する。
第2実施形態の画像処理装置1Aにおける2つの発光部6、6それぞれは、筒状部5の内部において、発光方向Hにおける両端部に配置される。
2つの発光部6、6それぞれの外形を構成するケース部材63、63それぞれは、筒状部5における発光方向Hに直交する2つの内側面部56に固定されて配置される。2つのケース部材63、63の2つの載置板63a、63aが筒状部5の内側面部56に固定されることで、2つの発光部6、6の発光面6a、6aそれぞれは、撮像空間Kを挟んで向かい合うように対向する。つまり、2つの発光部6、6それぞれは、筒状部5の内部側を向いている。
【0047】
第2実施形態における筒状部5Aは、第1実施形態における筒状部5に比して被照明物側開口部52及び撮像部側開口部51における発光方向Hの長さが長く形成される。
【0048】
筒状部5Aの撮像部側開口部51は、仕切板11A、カバー部材9Aの一部(下部)及び平面板10で塞がれる。
【0049】
カバー部材9Aは、カメラ3の撮像方向Sに沿うようにカメラ3を被覆する。カバー部材9Aの下側開口部は、筒状部5Aの撮像部側開口部51よりも小さく形成される。筒状部5Aにおける撮像部側開口部51の一部は、カバー部材9Aの下端部近傍における側板の一部により塞がれる。
仕切板11Aは、カバー部材9Aの下端部から所定距離だけ上側に配置される。仕切板11Aは、カメラ3が配置される空間と照明装置2Aとを仕切る板である。仕切板11Aは、カメラ3が配置される側からの被照明物Tへのネジ等の落下を防止する。
平面板10は、筒状部5Aの撮像部側開口部51における仕切板11A及びカバー部材9Aで塞ぎきれない部分に配置されて、撮像部側開口部51の一部を塞いでいる。
【0050】
第2実施形態の照明装置2Aによれば、例えば、次のような効果が奏される。
第2実施形態の照明装置2Aにおいては、発光部6は、2つ設けられ、2つの発光部6、6は、それぞれの発光面6a、6aが向かい合うように対向して配置される。そのため、第2実施形態の照明装置2Aは、第1実施形態の照明装置2と同様に、2つの発光部6、6により光を被照明物Tに一層均一に照射することができる。
【0051】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前述の第1実施形態では、発光部6における複数のLED61は、撮像方向(上下方向)Sに1列に配置されているが、これに制限されない。複数のLED61は、例えば、撮像方向Sにおいて複数列に配置されていてもよい。
図5を参照して、第1実施形態における複数のLED61の配列に関する変形例について具体的に説明する。図5は、第1実施形態の画像処理装置1における変形例を発光方向Hから視た図である。発光部6における複数のLED61は、例えば、図5に示すように、撮像方向Sにおいて4列に配置され且つ配列方向Lに複数並んで配置されることにより、千鳥状に配置されていてもよい。
【0052】
また、前述の実施形態では、発光部6の発光面6aは、水平方向を向いているが、水平方向から下方に傾いていてもよい。
また、前述の実施形態では、照明装置2は、拡散透過板8を有する構成としているが、これに制限されない。例えば、照明装置2は、拡散透過板8を有さない構成としてもよい。
【0053】
また、前述の実施形態では、拡散反射部としての拡散反射シート7を筒状部5の内側面部56に沿って配置する構成としているが、これに制限されない。例えば、筒状部5の内側面部56に拡散反射部を直接形成するように構成してもよい。
【0054】
また、前述の実施形態では、筒状部5は、横断面が長方形状の枠状であるが、これに制限されない。例えば、筒状部5は、横断面が円筒状やドーム形状の枠状であってもよい。
【0055】
また、前述の実施形態では、照明エリアEを方形状の領域としたが、これに制限されない。
また、前述の実施形態では、包装紙15における搬送方向L1に直交する方向(発光方向)Hの長さは、これに制限されない。包装紙15の発光方向Hの長さは、例えば、筒状部5における発光方向Hの長さよりも長くてもよい。
また、前述の実施形態では、被照明物Tは、長尺の包装紙15による構成にしたが、これに制限されない。被照明物Tは、例えば、搬送ベルトなどにより搬送される非長尺物(ラベル)などにより構成してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 画像処理装置
2 照明装置
3 カメラ(撮像部)
5 筒状部(中空体)
6 発光部
6a 発光面
7 拡散反射シート(拡散反射部)
51 撮像部側開口部
52 被照明物側開口部
56 内側面部
T 被照明物
S 撮像方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被照明物を撮像する撮像部を有する画像処理装置に用いられる照明装置であって、
前記撮像部と前記被照明物との間に配置される中空体であって、前記撮像部側に形成される撮像部側開口部と、前記撮像部側開口部とは反対側であって前記被照明物側に形成される被照明物側開口部と、前記撮像部側開口部と前記被照明物側開口部とをつなぐように形成されると共に、前記撮像部が前記被照明物を撮像する方向である撮像方向に延びるように形成される内側面部と、を有する中空体と、
前記内側面部に発光面が向くように前記中空体の内部に配置される発光部であって、光を前記内側面部に向けて放射すると共に、光を前記被照明物に直接的に照射不能な発光部と、
前記内側面部に沿って配置され、前記中空体の内側に露出する複数の凹凸を有することにより前記発光部から放射される光を前記被照明物に向けて拡散して反射させる拡散反射部と、
を備える照明装置。
【請求項2】
前記内側面部は、前記撮像方向に略平行に延びるように形成され、
前記発光部は、前記発光面が前記撮像方向に略直交する方向を向くように配置される
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記発光部は、2つ設けられ、
2つの前記発光部は、それぞれの前記発光面から放射される光が互いに離間する方向に放射されるように配置される
請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記発光部は、2つ設けられ、
2つの前記発光部は、それぞれの前記発光面が向かい合うように対向して配置される
請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記1から4のいずれかの照明装置と、
前記被照明物に対向して配置され、前記照明装置の前記中空体を介して前記被照明物を撮像する前記撮像部と、
を備える画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−76863(P2011−76863A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227096(P2009−227096)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(390034223)イーデーエム株式会社 (23)
【Fターム(参考)】