説明

照明装置

【課題】 本発明は、植物の生育に必要な光を照射するために照明装置であって、従来の照明装置と比較してコストや熱対策など種々の面で性能がよい照明装置を提供することにある。
【解決手段】 本発明の照明装置10は、白色光を発光する外部電極蛍光ランプ12と、赤色光を発光する第1発光ダイオード14rと、青色光を発光する第2発光ダイオード14bとを備える。外部電極蛍光ランプ12を使用することによって、従来の照明装置と比較して安価、低消費電力(低発熱)、保守が容易な照明装置10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜、穀物、果物、花などの植物の生育に使用する照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、工場などの施設内で高度環境制御により植物を周年生産する植物工場が注目されている。施設内で植物を生育させるため、無農薬で天候や害虫などの影響を受けずに安定した植物の市場への供給をおこなうことができる。
【0003】
植物工場では、植物の生育のために照明装置によって擬似的に太陽光を作り出している。照明装置によって植物の生育状況や照明装置にかかる種々の費用が大きく変わる。そのため照明装置に関して種々の開発がなされている(非特許文献1参照)。
【0004】
植物工場で使用されている照明装置について説明する。照明装置としては高圧ナトリウムランプや蛍光灯があり、多くの植物工場で使用されている。また、非特許文献1で示されているように、LED(Light Emitting Diode)を使用した照明装置も開発されている。赤色LEDと青色LEDを所定の割合で組み合わせ、植物の生育に有効な波長の光を所定の割合で発光する。このように赤色と青色の光を使用するのは、赤色光(波長、約640〜690nm)が光合成に寄与し、青色光(波長、約420〜470nm)が葉の正常な形態形成に寄与するからである。
【0005】
しかし、LEDを使用した照明装置は蛍光灯などに比べてコストが高くなる。蛍光灯などと同じコストでLEDの照明装置を構成するとLEDの数が少なくなり、光量が少なくなり植物が育たなくなる。また、光量を得るためにLEDを多く使用するとLEDからの発熱が多くなり、ファンなどを使用して排熱をおこなうことが必要になる。この排熱対策によってもLEDを使用した照明装置のコストが高くなり、ランニングコストも高くなる。さらに、発熱は、電力が熱に変換されて損失したことであり、電力の利用効率が悪いことがわかる。
【0006】
植物に対する照明装置からの光の照射方法も重要である。露地栽培であれば、高い建物などが畑の近くになければ、どの植物にも均等に太陽光が照射される。しかし、植物工場であれば、照明装置の配置や照明装置の光の方向などで、場所によって照射される光量に変化が出る。このことにより、植物の生育状況に差が生じ、均一な植物を出荷できなくなり、植物の製品としての外見や単価に影響を及ぼす。
【0007】
【非特許文献1】2004年11月28日付朝日新聞7ページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、植物の生育に必要な光を照射するための照明装置であって、従来の照明装置と比較してコストや熱対策など種々の面で性能を向上させた照明装置を提供することにある。また、各植物に均等に光が照射される照明装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の照明装置の要旨は、植物に照射するための光を発光する照明装置であって、白色光を発光する外部電極蛍光ランプと、赤色光を発光する第1発光ダイオードと、青色光を発光する第2発光ダイオードと、を備える。
【0010】
照明装置は、複数の前記外部電極蛍光ランプが平行に並べられており、該外部電極蛍光ランプ同士の間に複数の前記第1発光ダイオードと複数の前記第2発光ダイオードが配置されている。
【0011】
平行に並べられて列となった前記複数の外部電極蛍光ランプにおいて、列の並び方向の内側よりも外側の方が、該外部電極蛍光ランプ同士の間隔が密である。
【0012】
照明装置は、前記外部電極蛍光ランプ、第1発光ダイオード、第2発光ダイオードを外部から防水、防湿、防滴するための透明のカバーを備える。
【0013】
前記外部電極蛍光ランプ、前記第1発光ダイオード、前記第2発光ダイオードを取り付けるための板体を含み、前記カバーと板体とで直方体形状が形成され、該直方体形状の対角付近に、空気の導入用のパイプと排出用のパイプを接続してもよい。
【0014】
照明装置は、前記外部電極蛍光ランプ、第1発光ダイオード、第2発光ダイオードの少なくとも1つを調光するための手段を備える。
【0015】
本発明の他の照明装置の要旨は、植物に照射するための光を発光する照明装置であって、白色光を発光する外部電極蛍光ランプと、前記外部電極蛍光ランプを外部から防水、防湿、防滴することができ、赤色光と青色光とが通過するフィルターを備えたカバーと、を備える。フィルターは、赤色光を透過させるためのフィルターと、青色光を透過させるためのフィルターとを含む。
【0016】
複数の前記外部電極蛍光ランプが平行に並べられて列となっており、列の並び方向の内側よりも外側の方が、該外部電極蛍光ランプ同士の間隔が密である。
【0017】
前記外部電極蛍光ランプを取り付けるための板体を含み、前記カバーと板体とで直方体形状が形成され、該直方体形状の対角付近に、空気の導入用のパイプと排出用のパイプを接続してもよい。
【0018】
照明装置は、前記外部電極蛍光ランプを調光するための手段を備える。
【0019】
また、本発明の他の照明装置の要旨は、植物に照射するための光を発光する照明装置であって、複数の外部電極蛍光ランプが平行に並べられて列となっており、列の並び方向の内側よりも外側の方が、該外部電極蛍光ランプ同士の間隔が密である照明装置。
【0020】
前記複数の外部電極蛍光ランプは、青色を発光する外部電極蛍光ランプと赤色と発光する外部電極蛍光ランプとを含む。
【0021】
前記外部電極蛍光ランプを取り付けるための板体と、前記外部電極蛍光ランプを外部から防水、防湿、防滴するカバーと、を含み、前記カバーと板体とで直方体形状が形成され、該直方体形状の対角付近に、空気の導入用のパイプと排出用のパイプを接続してもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、すべての光を発光ダイオードで発せず、外部電極蛍光ランプをメインにして、植物の生育を助けるために発光ダイオードで所定の波長の光を発光することによって、安価、低消費電力、長寿命の照明装置である。したがって、安価で安定した植物の市場への供給をおこなうことができる。また、発光部分を外部電極蛍光ランプのみで構成し、フィルターによって所望の波長の光を植物に吸収させる構成であってもよく、発光ダイオードを使用しないので、安価、低消費電力、長寿命の照明装置となる。外部電極蛍光ランプ同士の間隔を外側に行くほど密にすることにより、各地点での光量を均一にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係る照明装置について図面を使用して説明する。説明中の植物は少なくとも野菜、穀物、果実、花を含むこととする。
【0024】
図1に示す本発明の照明装置10は、白色光を発光する外部電極蛍光ランプ(EEFL:External Electrode Fluorescent Lamp)12と、赤色光を発光する第1発光ダイオード(LED)14rと、青色光を発光する第2発光ダイオード(LED)14bとを備える。
【0025】
EEFL12は、図2に示すように、ガラス管16の外に電極18を有する照明である。他の蛍光管のように電極のメタル部分とガスによる大きな摩擦・衝突がないので、ランプ寿命が長く、長いもので約60000時間の使用が可能である。また、発熱もほとんどなく、エネルギー損失が少ない。さらに、消費電力が少ないので、複数のEEFL12を1つのインバータで駆動させることができ、回路構成が簡単になる。また高価なインバータの数を減らすことができる。このため製造、保守、経済面で従来の照明装置と比べて有利である。すべての光をLEDだけで発するのであれば高額な照明装置となるが、EEFL12を使用することによって安価な照明装置となる。例えば、LEDのみの照明装置と比較して約1/10の投資で照明装置を製造することができる場合がある。
【0026】
EEFL12が発する光は白色光であり、擬似的な太陽光である。この白色光に植物の光合成を促すための光を第1LED14rで、葉の形態形成を促すための光を第2LED14bで追加・補充する。すなわち、第1LED14rで赤色光を発光し、第2LED14bで青色光を発光する。したがって、本発明の照明装置10は擬似的な太陽光でありながら、植物の生育にとって有用な波長の光を多く含む光を発光する。EEFL12は直径約8mm、長さ約150〜1200mmであり、照明装置10の厚みを薄くすることができ、設置場所を確保しやすい。
【0027】
1個あたりの第1LED14rと第2LED14bの光量が同じであれば、第1LED14rと第2LED14bの数の割合を例えば10:1にする。図1では第1LED14rと第2LED14bが並んでいるが、複数の第1LED14rの中に、まんべんなく第2LED14bが配置されるようにする。例えば、長さ約600〜1200mmのEEFL12同士の間にLED14r,14bを約10〜30mmピッチで等間隔設ける。なお、育てる植物によって必要とされる赤色光と青色光の光量の割合が異なり、それに合わせて柔軟に第1LED14rと第2LED14bの数の割合を変更する。
【0028】
複数のEEFL12が平行に並べられており、EEFL12同士の間に複数の第1LED14rと複数の第2LED14bが一列に配列されている。各波長の光が混色し、植物に偏った波長の光のみが照射されないようになっている。
【0029】
図3(a)、(b)にEEFL12に対する回路図とLED14r,14bに対する回路図を示す。EEFL12は並列、第1LED14rおよび第2LED14bは直並列の簡単な回路構成であり、製作などは簡単になる。図示するように、複数のEEFL12に対して1つのインバータ20を設ければよく、経済的である。例えば、約5〜10WのEEFL12を5〜13本に対して1つのインバータ20を設ける。なお、図3(b)の回路における定電流装置28は、図1において省略している。
【0030】
EEFL12および/またはLED14r,14bが、パルス光を発するための回路を電源装置(インバータ20、定電流装置28)に組み込んでも良い。パルス光によって植物の生育を促し、消費電力を低くすることができる。パルスの周期は約2μ秒〜1m秒、1周期におけるパルスの発光割合は約20〜70%である。なお、LED14r,14bは上記パルス光を発する自己点滅型のLEDであっても良い。
【0031】
EEFL12および/またはLED14r,14bの発光強度を変化させる(調光する)ための回路を電源装置に組み込んでも良い。すなわち、変圧回路を電源装置に組み込み、EEFL12および/またはLED14r,14bに印加される電圧を変化させて発光強度を変化させる。また、マイコンなどの手段によって変圧回路を制御できる構成であっても良い。時間と共に電圧を変化させたりする。植物の生育を調節したりすることができる。
【0032】
本発明の照明装置10は、すべての光をLED14r,14bで発せず、必要最小限の光のみLED14r,14bで発光している。したがって、すべての光をLED14r,14bで発光するよりも安価に製造することができる。なお、種々の光源の比較を表1に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
表1より、EEFL12はLED14r,14bと比較して光束当たりの消費電力が小さい。LED14r,14bの単価が安くてもLED14r,14bの数が多く必要となり、光束当たりのランプ費はEEFL12の方が安い。EEFL12とLED14r,14bの保守(交換)が同時におこなうことができ、照明装置10を保守・管理しやすい。照明装置10の回路構成も簡単であり、保守が容易である。照明装置10への投資がLED14r,14bのみの場合と比較して約1/3〜1/5になり、電気代も約30%ダウンする場合がある。なお、表1のデータは製品や実験環境によって多少変動する場合がある。
【0035】
EEFL12、LED14r,14b、インバータ20などは金属またはプラスチックのベース22に取り付けられる。プラスチックは金属粉を混ぜ合わせて熱伝導を高くしたものである。ベース22の熱伝導によって、EEFL12、LED14r,14b、インバータ20などで発生する熱の放熱をおこなう。すなわち、ベース22はEEFL12などを取り付けるだけでなく、照明装置10の冷却手段として働く。LEDのみの照明装置であれば、排熱のためにファンが必要となるが、本発明はEEFL12の光にLED14r,14bの光を補助的に混合しているのでLEDの数も少なくなり、ファンの必要が無くなる。ベース22の表面には光を反射するための塗料を塗布したり、アルミなどの金属を使用して、光の反射を多くする。
【0036】
EEFL12、LED14r,14b、インバータ20などを外部から防水、防湿、防滴するための透明のカバー24を備える。植物に水を与えたりするため、照明装置10にも水がかかるおそれが大きく、水による照明装置10の故障を防ぐためである。ベース22とカバー24との間に防湿パッキン26を用いて外部の水分がEEFL12などに到達しないようにする。EEFL12などを外部から遮断することとなるが、消費電力が少なく発熱も少ないため、カバー22を介して外部に熱が放出されたり、ベース22の熱伝導によって内部の熱を外部に放出したりすることができる。このような熱の放出では植物の生育に影響が出たりするのであれば、後述する図6のパイプ29を設けて排熱をおこなう。また、カバー24の内部または外部表面に拡散板(フィルム)を設けて、EEFL12とLED14r,14bの光がかたよらないようにしてもよい。
【0037】
以上のように、本発明は従来の照明装置と比較して安価、低消費電力(低発熱)、保守が容易な照明装置10である。植物を生育させるときのコストが安くすることができ、安価で安定した植物の市場供給をおこなうことができる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが本発明は上述の実施形態に限定されることはない。例えば、図4に示すように、EEFL12の間隔を変化させても良い。平行に並べられた複数のEEFL12は、列の並び方向の外側に行くほどEEFL12同士の間隔が密となるようになっている。この理由を以下に説明する。
【0039】
図5(a)に示すように、EEFL12を等間隔に配置した場合、中心のEEFL12fの直下Y2では、中心のEEFL12以外にも他のEEFL12からの光Lもとどく。図5(a)では、7つのEEFL12c〜12iから光Lがとどいている。一方、端のEEFL12aの直下Y1では、端のEEFL12の光L以外には片隣のEEFL12からの光Lが到達することとなる。すなわち、一方向からの光Lしか加算されることはない。図5(a)では、4つのEEFL12a〜12dから光Lが到達している。したがって、端のEEFL12aの直下Y1では、中心のEEFL12fの直下Y2よりも光量が少なくなる。
【0040】
そこで、図5(b)に示すように、EEFL12の間隔を外側に行くほど密になるようにする。図5(b)に示すように、地点Y1では4つのEEFL12a〜12d、地点Y2では5つのEEFL12d〜12hからの光Lが到達している。地点Y1の方がEEFL12の数が少なくなっているが、EEFL12同士の間隔が中心付近と比べて密となっているため、EEFL12bや12cの光Lが到達しやすく、到達する光量は地点Y2と同じである。照明装置10直下の各植物に対して同じ光量の光を照射することができ、生育をほぼ同じにすることができる。
【0041】
図5の説明では、LED14r、14bの光Lやベース22からの反射光が考慮されていないが、実際に設計するときはこれらを考慮して設計する。設計は、各地点の直射光と反射光の光量を計算し、各地点の光量が同じになるようにEEFL12およびLED14r、14bを移動させながらおこなう。なお、列になったLED14r、14b同士もEEFL12と同様に、外側に行くほど間隔が密になる。
【0042】
EEFL12は約40〜50℃、LED14r、14bは100℃以上の発熱がある。また、照明装置10の使用形態によっては、植物にその温度の影響が出る場合がある。例えば、植物の栽培面積を上げるために複数段の棚を利用し、各段に照明装置を利用する場合である。照明装置10と植物との距離が近くなり、照明装置10のカバー24の外に漏れた熱が植物に伝わり、生育に影響する。レタスであれば、20〜22℃位が生育に適した温度であるが、EEFL12であっても生育温度を超える発熱となってしまう。そこで、下記のような対策をおこなう。
【0043】
図6に示すように、照明装置10のカバー24またはベース22にパイプ29を取り付ける。このパイプ29から空気の出し入れをおこなうようにする。カバー24とベース22とを一体にしたときに形成された直方体の対角となる位置のそれぞれにパイプ29を取り付ける。図7に示すように、この直方体の内部空間にポンプPなどによって空気を送風しても良いし、内部空間から空気を吸引するようにしても良い。一方のパイプ29から他方のパイプ29に空気が流れることによって、EEFL12などによって暖められた内部空間の空気が外に排出される。パイプ29をカバー24などの対角に設けるのは、内部空間の空気を流れさせるためである。
【0044】
パイプ29にバルブVを設け、植物を栽培する室内Rの温度調節をおこなっても良い。目標室温が外気温よりも高い冬などの場合、冷却用の空気を室内から取り入れ、室内Rに放出する。目標室温が外気温よりも低い夏などの場合、冷却用の空気を室外から取り入れ、室外に放出する。上記のような空気の温度管理ができるように、室温と外気温との関係によってバルブVの開閉をおこなう。EEFL12などの発熱を有効利用することができる。
【0045】
なお、全ての光をLED14r、14bで発光した場合、発熱量が多くなりすぎ、インバータなどの保護のためには空気の循環では足りず、ベース22などの裏面を水冷したりファンによる空冷をおこなったりする必要もある。また、植物に対してもエアコンなどで温度調節する必要が生じる。したがって、本願のようにEEFL12を用いる方が設備の簡素化、省電力で有効であり、植物に対する温度管理がしやすい。
【0046】
図8に示すように、白色光を発光するEEFL12と、EEFL12を外部から防水し、赤色光と青色光とが通過するカバー24とを備える照明装置30であってもよい。
【0047】
EEFL12は上述したものと同じである。すべての光をEEFL12で発するので、消費電力や発熱が少ない。
【0048】
カバー24は、赤色光と青色光とを透過するためのフィルター32を設ける。フィルター32r,32bはフィルム状のものである。赤色光が透過するフィルター32rと青色光が透過するフィルター32bをカバー24に貼り付ける。貼り付け方は、図9(a)、(b)に示すように、各フィルター32r,32bを円形や四角形にして貼り付けたり、または任意の形状にして貼り付けたりする。フィルター32r,32bを貼り付ける割合は赤色が10に対して青色を1にする。
【0049】
フィルター32r,32bを貼り付けただけでは、場所によって植物に照射される光の波長に偏りが生じる場合がある。そこで、フィルター32r,32bを含むカバー24の上に拡散フィルムを設けることによって、光を拡散して、各波長の光をミックスすることができる。
【0050】
なお、カバー24とフィルター32r,32bとを一体的に形成したものであっても良い。また、フィルター32r,32bは、420〜690nmの波長を通過させるバンドパスフィルターと470〜640nmの波長をカットするバンドストップフィルターの2種類のフィルターを重ね合わせたものであっても良い。
【0051】
照明装置30の放熱やEEFL12などに対する防水、防湿、防滴については上記の実施形態と同様のベース22や防湿パッキン26を用いることによって対応する。
【0052】
また、上記の実施形態と同様にEEFL12などをパルス光にしたり、発光強度を可変制御したりできる回路を含む構成であっても良い。
【0053】
図8の構成であっても従来の照明装置と比較して安価、低消費電力(低発熱)、保守サイクルの長い照明装置30である。植物を生育させるときのコストが安くすることができ、安価で安定した植物の市場供給をおこなうことができる。
【0054】
図8の構成と図4の構成とを組み合わせても良い。すなわち、図8のEEFL12の間隔を外側に行くほど密になるようにしても良い。また、図6の様にパイプ29を設けても良い。
【0055】
図1で示した照明装置にいて、LED14r、14bを省略し、EEFL12で青および赤を発光しても良い。EEFL12の蛍光管の内壁に使用される蛍光体を青または赤を発光するものを使用する。白は発光せず、青と赤のみを発光するように構成しても良いし、白と青と赤を発光するように構成しても良い。青と赤の発光をおこなうEEFL12の本数を所望の割合にする。例えば、青と赤を上述したように1:10の割合としたり、植物によって変更したりする。生育する植物によっては、白を発光するEEFL12のみであっても良い。LED14r、14bを使用しないので、かなり消費電力を押さえることができる。その他の構成は図1と同様である。
【0056】
さらに、EEFL12のみで発光する場合に、図4のようにEEFl12の間隔を外側に行くほど密になるようにしても良い。各地点におけるEEFL12からの直射光と反射光の光量によってEEFL12の間隔を決定する。LED14r、14bを使用しないのでかなり発熱を低く押さえることができるが、必要に応じて図6のパイプ29を設けても良い。例えば、照明装置10と植物との距離が近く、植物の生育温度に影響を及ぼす場合である。
【0057】
また、図1や図8のようにEEFL12が等間隔に配置されていたとしても、ベース22の光の反射率を変化させるようにしても良い。外側に行くほど反射率を高くすることによって、被照射地点の光量を均一にする。
【0058】
LED14r、14bを使用しないのであれば、図10に示すように、ベース22におけるEEFL12と対向する面を湾曲させても良い。光の反射する方向を制御する。
【0059】
本発明の照明装置10,30を植物工場内で使用する以外に、露地やビニルハウスなどで使用しても良い。また、クリーンルームで本発明の照明装置10,30を使用しながら植物の生育をおこなうのであれば、無農薬で植物を育てることができる。
【0060】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の照明装置の外観を示す図である。
【図2】EEFLの外観を示す図である。
【図3】回路構成を示す図であり、(a)はEEFLの回路構成を示す図であり、(b)はLEDの回路構成を示す図である。
【図4】EEFLの間隔を変化させた図である。
【図5】EEFLの間隔と光量との関係を示す図であり、(a)はEEFLを等間隔に並べたときの図であり、(b)はEEFLの間隔を変化させたときの図である。
【図6】照明装置のカバーにパイプを設けた図である。
【図7】カバーにパイプを設けたときの空気を循環させるための構成を示す図である。
【図8】本発明の他の照明装置の外観を示す図である。
【図9】図8の照明装置のカバーに設けるフィルターの図であり、(a)は円形のフィルターの図であり、(b)は四角形のフィルターの図である。
【図10】EEFLと対向するベースの面を湾曲させた図である。
【符号の説明】
【0062】
10,30:照明装置
12:EEFL(外部電極蛍光ランプ)
14r,14b:LED(発光ダイオード)
16:ガラス管
18:電極
20:インバータ
22:ベース(板体)
24:カバー
26:防湿パッキン
28:定電流装置
29:パイプ
32r,32b:フィルター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物に照射するための光を発光する照明装置であって、
白色光を発光する外部電極蛍光ランプと、
赤色光を発光する第1発光ダイオードと、
青色光を発光する第2発光ダイオードと、
を備える照明装置。
【請求項2】
複数の前記外部電極蛍光ランプが平行に並べられており、該外部電極蛍光ランプ同士の間に前記第1発光ダイオードと前記第2発光ダイオードが配置された請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
平行に並べられて列となった前記複数の外部電極蛍光ランプにおいて、列の並び方向の内側よりも外側の方が、該外部電極蛍光ランプ同士の間隔が密である請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記外部電極蛍光ランプ、前記第1発光ダイオード、前記第2発光ダイオードを外部から防水、防湿、防滴するための透明のカバーを備える請求項1乃至3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記外部電極蛍光ランプ、前記第1発光ダイオード、前記第2発光ダイオードを取り付けるための板体を含み、前記カバーと板体とで直方体形状が形成され、該直方体形状の対角付近に、空気の導入用のパイプと排出用のパイプを接続した請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記外部電極蛍光ランプ、第1発光ダイオード、第2発光ダイオードの少なくとも1つを調光するための手段を備えた請求項1乃至5に記載の照明装置。
【請求項7】
植物に照射するための光を発光する照明装置であって、
白色光を発光する外部電極蛍光ランプと、
前記外部電極蛍光ランプを外部から防水、防湿、防滴することができ、赤色光と青色光とが通過するフィルターを備えたカバーと、
を備える照明装置。
【請求項8】
複数の前記外部電極蛍光ランプが平行に並べられて列となっており、列の並び方向の内側よりも外側の方が、該外部電極蛍光ランプ同士の間隔が密である請求項6に記載の照明装置。
【請求項9】
前記外部電極蛍光ランプを取り付けるための板体を含み、前記カバーと板体とで直方体形状が形成され、該直方体形状の対角付近に、空気の導入用のパイプと排出用のパイプを接続した請求項7または8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記外部電極蛍光ランプを調光するための手段を備えた請求項6乃至9に記載の照明装置。
【請求項11】
植物に照射するための光を発光する照明装置であって、
複数の外部電極蛍光ランプが平行に並べられて列となっており、列の並び方向の内側よりも外側の方が、該外部電極蛍光ランプ同士の間隔が密である照明装置。
【請求項12】
前記複数の外部電極蛍光ランプが、青色を発光する外部電極蛍光ランプと赤色と発光する外部電極蛍光ランプとを含む請求項11に記載の照明装置。
【請求項13】
前記外部電極蛍光ランプを取り付けるための板体と、
前記外部電極蛍光ランプを外部から防水、防湿、防滴するカバーと、
を含み、
前記カバーと板体とで直方体形状が形成され、該直方体形状の対角付近に、空気の導入用のパイプと排出用のパイプを接続した請求項11または12に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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