説明

照明装置

【課題】 設置スペースの小さい照明装置の構成を提供することを目的とする。
【解決手段】 スイッチと第1可動部とを含むスイッチ機構であって、前記スイッチが点灯制御する光源と、該光源の光の進行方向に配置される第1リフレクタとを前記第1可動部が備えるスイッチ機構と、前記第1可動部の周辺に備えられ、前記第1リフレクタが反射した前記光源の光を受光し、該受光した光を前方に反射する第2リフレクタと、を有し、前記第1可動部が第1状態及び第2状態となることが可能であり、前記第1可動部が前記第1状態から前記第2状態となることにより、前記スイッチがオン又はオフされる、照明装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置に関する。本発明は例えば、自動車のルームランプとして使用される。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のルームランプでは、天井に設けられた発光部(光源)の近傍に光源をオン/オフするためのスイッチが設けられるのが一般的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来のルームランプは一般的に光源とスイッチが別個に設けられており、そのサイズが大きくなっていた。それに伴ってその設置スペースも大きくなっていた。一方で、ユーザーの車両の高級化志向等から車両のデザイン性の向上が要請されている。この点においても、光源とスイッチとを別個に設けることは不適当である。
そこで本発明は、小型でかつデザイン性に優れた照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は以上の目的を達成するために、以下の構成を提供する。即ち、
第1状態から第2状態に移行することによって、スイッチのオンオフが切り換えられる第1可動部を含むスイッチ機構であって、該スイッチ機構が点灯制御する光源と、該光源の光放射側に配置される第1リフレクタとが前記第1可動部内に備えられるスイッチ機構と、
前記第1可動部の周辺に配置され、前記第1リフレクタが反射した前記光源の光を前方に反射する第2リフレクタと、
を備える、
照明装置である。
【発明の効果】
【0005】
本発明の構成では、スイッチ機構内に光源が内蔵される。即ち、スイッチ機構と光源が一体化されている。従って照明装置を小型に構成できる。その結果、照明装置の設置スペースがが小さくて済む。また、そのデザイン性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明における照明装置の構成要素について詳細に検討する。
(スイッチ機構)
スイッチ機構は、第1可動部を備える。スイッチのオンオフは、第1可動部が第1状態から第2状態へと移行することにより行なわれる。スイッチの種類は特に限定されず、公知のものを採用できる。例えば、タクトスイッチ、プッシュスイッチ、スライドスイッチ又はロータリスイッチを採用できる。中でもタクトスイッチが好適に用いられる。タクトスイッチはストローク(スイッチ使用時にスイッチを押し込む距離あるいはスライドさせる距離)が比較的小さいため、第1可動部の移動範囲を小さくすることができるからである。
【0007】
第1可動部は光源と第1リフレクタとを内蔵する。第1可動部の形状は、例えば、円柱、四角柱、六角柱などである。第1可動部の材質は特に限定されないが、第1リフレクタによる反射光の進路にあたる領域(反射光進路領域)の材質は透光性材料であることが好ましい。内蔵される光源の光を第1可動部から取り出すことができるからである。
有色透明の透光性材料により反射光進路領域を形成すること、又は反射光進路領域に色変換テープの貼付などによる色変換層を形成すること等によって、LEDの発光色を変換することができる。即ちこのような構成によれば、LED本来の発光色と異なる色の光を放出させることができる。
第1可動部を非透光過性材料で形成してもよい。かかる場合は光源の光を第1可動部の外へ取り出すことができるように第1可動部を構成する。第1可動部の形状は反射光進路領域となる空間を備え、かつ十分な剛性が得られる形状であることが好ましい。例えば、第1可動部の形状を中空の円柱状とし、その側壁を2、3、4又は6本の柱によって形成することが好ましい。光源の光をより効率的に取り出すことができるからである。
第1可動部が第1状態から第2状態に移行することによって、スイッチのオンオフが切り換えられる。例えば、スイッチとしてタクトスイッチを用いた場合は、第1可動部とタクトスイッチとが隔離された状態(第1状態)から、第1可動部とスイッチとが接触部で接触しスイッチが押下された状態(第2状態)へ移行することによりスイッチがオンオフされる。通常、第1可動部の移行は操作者が手動で行なうことができる。
【0008】
光源は第1可動部に内蔵される。光源の種類は特に限定されず、例えば、LED、電球(バルブ)、蛍光灯、冷陰極管などをここでの光源として用いることができる。中でもLEDを用いることが好ましい。LEDは小型であるため光源用のスペースが少なくて済むという利点を有する。またLEDは消費電力が小さいことから省エネルギー化の要請にも沿うものである。更にLEDは発熱量が小さく周りの部材に与える影響が少ないといった利点も併せ持つ。加えてLEDは長寿命であるからメンテナンスの面などからも有利なものとなる。更に言えば、LEDは振動、衝撃に強いことから信頼性の高い光源を構成できるといった利点もある。LEDのタイプは特に限定されず、砲弾型、SMD型等、種々のものを採用できる。尚、光源として複数のLEDを用いても良い。LEDの発光色も特に限定されず、白、赤、緑、青等の光を発生するLEDを採用できる。
【0009】
第1リフレクタは第1可動部に内蔵され、光源の光放射側に配置される。第1リフレクタの材質は光源の光を反射する材質であれば特に限定されない。例えば、白色系のABS樹脂、ポリカーボネート樹脂など白色系の合成樹脂や、アルミ等の金属等を例示することができる。あるいは光反射性テープの貼付や、光反射性の塗料の塗布等によって形成される光反射面を第1リフレクタとしてもよい。第1リフレクタの形状は、光源の光を後述する第2リフレクタの方向へ反射可能であればよい。好ましくは、光源の光を第1可動部の側方の多方向に反射する形状である。光源の光を多方向に反射することにより、広い範囲を照明することができるからである。第1リフレクタの形状としては、例えば、凸回転放物面形状、凸円錐形状、凸楕円錐形状、凸多角錐形状(凸三角錐形状、凸四角錐形状、凸六角錐形状などを含む)又はこれらの形状を組み合わせたものがあげられる。第1リフレクタの形状を凸回転放物面形状とする場合には、該凸回転放物面の回転軸が光源の光軸上となるように第1リフレクタを配置することが好ましい。かかる構成よると、第1可動部の側方の全方向へ光源の光を反射することができ、より一層広い範囲を照明することができるからである。
【0010】
第1リフレクタを第1可動部と一体的に構成してもよい。例えば、第1可動部の形状を中空の円柱状として、上壁面に光源を配置し、底壁面に第1リフレクタを形成する。かかる構成によると部品数の削減、取り付け作業の効率化等の効果が奏される。
【0011】
(第2リフレクタ)
第2リフレクタは第1可動部の周辺に配置される。好ましくは、第1可動部の側方の全方向を取り囲むように第2リフレクタが配置される。第1リフレクタによる反射光を効率的に受光するためである。第2リフレクタは第1リフレクタによる反射光を受光し、前方に反射する。即ち、照明装置の前方が照明領域となる。第2リフレクタの材質は第1リフレクタによる反射光を反射する材質であれば特に限定されず、例えば、第1リフレクタの材質と同様の材質であってよい。第2リフレクタの形状は第1リフレクタによる反射光を前方に反射できれば特に限定されない。第2リフレクタの形状は、前方に開口した放物面形状や、前方に開口した放物面に略沿った階段形状を含む形状等を例示できる。このようにすると、第1リフレクタによる反射光を効率的に前方へ反射できる。第2リフレクタの形状は異なる形状を組み合わせた形状であってもよい。例えば、第1可動部近傍領域を平面形状とし、第1可動部遠位領域を前方に開口した放物面形状としてもよい。
【0012】
以下に、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
本発明の一の実施例である照明装置1の斜視図を図1に示す。図1における照明装置1のA−A縦断面図を図2に示す。
照明装置1は車両室内の天井に設置される。照明装置1はスイッチ機構2、第2リフレクタ3、光放出面4、光源ユニット5及びカバー6を備える。
図2に示したように、スイッチ機構2はタクトタクトスイッチ7と第1可動部21とからなる。タクトタクトスイッチ7はプレート71により固定され、第1可動部21の後方に配置されている。タクトスイッチ7のオンオフによりLED22の発光が制御される。第1可動部21は下部25、側部26、上部27からなる中空の円柱状である(図2及び図3参照)。側部26の材質は無色透明のアクリル樹脂、下部25の材質はABS樹脂、上部27はAlである。
【0014】
第1可動部21の内部には光源としてLED22が備えられ、光放射方向が下部25の方向となるようにLED22が備えられている。LED22はSMD型のLEDであって、基板23にマウントされている。基板23の表面には配線パターン及び電源線(図示せず)が形成されており、この配線パターン等を介してLED22へ給電される。第1可動部21の下部25は白色のABS樹脂により形成され、下部25の第1可動部21の内側の壁面が第1リフレクタ24となる。第1リフレクタ24の形状は放物線を回転軸29で回転させてできる凸回転放物面形状である。図3A及びBに示すように回転軸29を含む第1リフレクタの断面は、同じ曲率の放物線を二つ繋いだ凸形状である。第1リフレクタ24は、その凸回転放物面の回転軸29がLED22の光軸上に位置するように配置される。
【0015】
次に図3A及びBを用いてスイッチ機構の動作を説明する。図3Aは第1可動部21とタクトスイッチ7とが隔離された状態(第1状態)を示すA−A縦断面図である。図3Bは接触部72が押し込まれた状態(第2状態)を示すA−A縦断面図である。第1可動部21の上部27とプレート71との間には4つのばね28が配置される。図3Aに示した第1状態の第1可動部21に対してタクトスイッチ7の方向へ力が付加されると、ばね28が収縮し第1可動部21がタクトスイッチ7の方向へ移動し、図3Bに示す第2状態となる。第1可動部21への力の付加が解除されると、ばね28の復元力によって第1可動部21は図3Aに示す初期状態(第1状態)となる。第1可動部21の第1状態から第2状態への移動距離は、タクトスイッチ7のストロークに対応して0.5〜2.0mmである。
【0016】
第1可動部21の側方を取り囲むように第2リフレクタ3が配置される。第2リフレクタ3は白色のABS樹脂製でその表面は光反射性を有する。第2リフレクタ3の形状は、第1可動部21近傍の領域は下部25に略平行な平面形状であり、隣接する光源ユニット5近傍の領域は前方に開口した放物面形状である。
また、図1に示すように照明装置1は四隅に光源ユニット5を備える。光源ユニット5はLED(図示せず)の光放出側にレンズを備える光源51と、光源51と電気的に接続されたスイッチ52を備える。
照明装置1の前面側(操作者側)には光放出面4が備えられる。光放出面4は、照明装置1の前面側の内、第1可動部21の下部25を除く領域に配置される。光放出面4の材質は光透過性の乳白色のポリカーボネート樹脂である。光放出面4の前面には光拡散処理としてシボ加工が施されている。
【0017】
次に照明装置1の照明態様を説明する。まず、操作者が第1可動部21の下部25を押下することにより、ばね28が縮み、図3Aに示す第1状態であった第1可動部21がタクトスイッチ7の方向へ移動し、図3Bに示す第2状態となる。これによりタクトスイッチ7がオンとなり、LED22が発光する。LED22の光は第1リフレクタ24の方向へ進行し、第1リフレクタ24により第1可動部21の側方の全方向へ反射される。第1リフレクタ24による反射光は、第1可動部21の側部26を透過し第2リフレクタ3の方向へ進行する。第2リフレクタ3の方向へ進行した光は、第2リフレクタ3によって前方へ反射される。第2リフレクタ3による反射光は光透過面5を透過して車両室内を照明する。即ち、LED22に光は車両のルームランプとして使用される。なお、LED22が点灯すれば、操作者は下部25の押下を解除してよい。解除後はばね28の復元力により、第1可動部21は第2状態から第1状態となる。
LED22を消灯する際は、下部25を再度押下することにより第1可動部21を第2状態とする。これによりタクトスイッチ7の接触部72が押し込まれタクトスイッチ7がオフとなりLED22が消灯する。消灯後は、点灯後と同様に消灯後すぐに下部25の押下を解除してよい。ばね28の復元力により第1可動部21は第1状態へ戻る。
【0018】
一方、光源ユニット5の発光はLED22の発光と独立して制御されており、光源ユニット5のスイッチ52をオンにすると光源51が発光する。光源51の光は光放出面4から放出される。4つの光源51は運転席、助手席、左後部座席及び右後部座席のそれぞれの乗員の手元を照明するマップランプとして使用される。
【0019】
なお、照明装置1では光放出面4を乳白色のポリカーボネート樹脂で形成したが、有色の光透過性部材を用いることや色変換層を形成すること等によって、LED22又は光源51の発光色を変換することもできる。即ちこのような構成によれば、LED本来の発光色と異なる色の光を放出させることができる。また、光放出面4の前面に光拡散処理としてシボ加工を施したが、ブラスト処理など、公知の方法により光拡散処理を施してもよい。さらに、光拡散処理を光放出面4の裏面、即ち内側の面に施してもよい。光拡散処理は光放出面4全面またはその裏面全面に施してもよいし、それらの一部分のみに施しても良い。また、光放出面4またはその裏面に施される光拡散処理は、均一なものであってもよいし一部に他と異なる光拡散処理を施してもよい。例えば、光放出面4の内、LED22の光が放出される領域に光拡散処理を施し、光源ユニット5の光を放出する領域には光拡散処理を施さなくてもよい。或いは、LED22の光が放出される領域に施された光拡散処理とは異なる光拡散処理を光源ユニット5の光が放出される領域に施してもよい。
【0020】
上記照明装置1ではLED22の点灯制御とは独立してその点灯が制御される光源ユニット5を使用したが、図4に光源ユニット5を使用しない照明装置10を示す。この例の照明装置10でも照明装置1と同様に、LED22の発光により車両室内を照明するルームランプとして使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の照明装置は、例えば車両室内をはじめとして、居室内などの照明にその利用が図られる。
【0022】
本発明は、上記発明の実施の形態及び実施例に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明の一の実施例である照明装置1の斜視図である。
【図2】図2は図1における照明装置1のA−A縦断面図である。
【図3】図3Aは第1可動部21とタクトスイッチ7とが隔離された状態(第1状態)を示すA−A縦断面図である。図3Bは接触部72が押し込まれた状態(第2状態)を示すA−A縦断面図である。
【図4】図4Aは本発明の他の実施例である照明装置10の斜視図である。図4Bは図4AのB−B断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 10 照明装置
2 スイッチ機構
21 第1可動部
22 LED
24 第1リフレクタ
28 ばね
3 31 第2リフレクタ
4 41 光透過面
5 光源ユニット
6 61 カバー
7 タクトスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1状態から第2状態に移行することによって、スイッチのオンオフが切り換えられる第1可動部を含むスイッチ機構であって、該スイッチ機構が点灯制御する光源と、該光源の光放射側に配置される第1リフレクタとが前記第1可動部内に備えられるスイッチ機構と、
前記第1可動部の周辺に配置され、前記第1リフレクタが反射した前記光源の光を前方に反射する第2リフレクタと、
を備える、
照明装置。
【請求項2】
前記第1リフレクタが前記第1可動部と一体的に構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1リフレクタが前記光源の光を前記第1可動部の側方の全方向へ反射する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1リフレクタの形状が凸回転放物面形状又は凸円錐面形状である、ことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第2リフレクタの形状が前方に開口した放物面形状を含む形状である、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明装置。
【請求項6】
前記光源がLEDであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の照明装置。
【請求項7】
前記光源とは独立して点灯制御される一又は複数の光源ユニットをさらに備える、請求項1〜6のいずれかに記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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