説明

照明装置

【課題】照射の効率が良く、光源の放熱能力の大きな照明装置を提供する。
【解決手段】光源装置11とフレキシブルチューブ12及び電源装置13を有し、
光源装置11内部に光源を内蔵しており、対象物に所定の光を照射する。光源装
置11と電源装置13はフレキシブルチューブ12により接続され、また電源装
置13には排気ファン32と排気口33が設けられ、光源装置11の空気を電源
装置13を経由して系外へ排気し、光源装置11を冷却する。操作者は直接光源
装置11を触って照射位置を調整できる、また光源装置11もコンパクトにでき
る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置は種々の分野で使用されているが、半導体検査等においてはLEDを
用いたLED照明装置が主として用いられる。
このLED照明装置は大きく分けて、電源から電源ケーブルを介して供給した
電力でLED光源を発光させ、照射対象に照射する直射タイプと、特許文献1に
示すように電源から供給した電力で発光したLEDの光束を光ファイバーで伝送
して照射する伝送照射タイプとがある。
【0003】
【特許文献1】特開2004−212402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、 直射タイプは、LEDが発する光を照射対象に効率よく照射できる反
面、近年のLED素子の高パワー化により発熱が問題となり、放熱を良くするた
めには光源筐体を大きくする必要がある。一方伝送照射タイプは、光ファイバー
の光出射口部が低温で、コンパクトにできる反面、光ファイバー伝送時の損失が
あるため照明の効率が悪い欠点がある。
特に顕微鏡観察する際に使われるLEDスポット照明装置では、観察物を顕微
鏡で見ながら光源筐体または、光出射口部を直接手で触り照射位置を調整するの
で、安全上低温でなければならない。また、操作が容易な小型化が要求される。
従来のLEDスポット照明装置では、特に上記した安全上の理由から、伝送タイ
プが採用されているが、照射効率が悪く、光源筐体の温度が低く且つ、コンパク
トで照射の効率がよいLEDスポット照明装置の開発が望まれていた。
本発明は上記従来技術の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の照明装置は、光を照射する光源を備えた
光源筐体と、前記光源用の電源を備えた電源筐体と、前記光源筐体と電源筐体を
連通するフレキシブルチューブと、前記光源筐体に設けられ、前記電源筐体とフ
レキシブルチューブと光源筐体の排気を行う排気装置と、を有することを基本的
な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の照明装置によれば、照射の効率が良く、明るい照射面を得られ、しか
もフレキシブルチューブと排気装置により、光源筐体の放熱能力を大きくでき、
光源筐体の温度上昇を防止し、また光源筐体もコンパクトにすることが可能であ
る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1において、このLED照明装置は光源装置11とフレキシブルチューブ1
2及び電源装置13を有する。
光源装置11は内部に光源を内蔵しており、対象物に所定の光を照射する。光
源装置11と電源装置13はフレキシブルチューブ12により接続され、電源装
置13から光源装置11への電源の供給と、光源装置11から電源装置13を経
由して系外への排気を行うようになっている。
【0008】
図2により光源装置11の構成を説明する。光源装置11は光源筐体21を有
しており、光源筐体21の内部に光源であるパワーLED22を設けてある。
パワーLED22は、アルミ等の熱伝導性材料からなる基板23に装着され、
該基板23の背面にはヒートシンク24が設けられている。
パワーLED22の前方(図2において右側)にレンズ列25が配設され、パ
ワーLED22から発した光を所定の距離に集光させるように構成されている。
レンズ列25はレンズハウジング26により位置決めされ、蓋27で周囲を固定
されている。以上の構成によりパワーLED22からの光はレンズ列25を通し
て所定の対象物に照射される。
【0009】
光源筐体21には、吸気口28が設けられている。後述するように電源装置1
3には排気ファン32が設けられており、この排気ファン32の吸引力で外部の
空気を光源筐体21に取り込むために吸気口28が配置されている。吸気口28
は吸気した空気が基板23の背面のヒートシンク24に接しながら流れる位置に
配置するのが望ましく、この配置により大きな放熱効果がえられる。
なお、吸気口28はパワーLED22の前方に配置することも可能であり、こ
の配置によりレンズ列25の放熱もでき、さらに放熱効果が大きくなるが、レン
ズ列25に埃等が付着するので注意を要する。
【0010】
光源筐体21の後方の接続部29において、フレキシブルチューブ12が接続
している。フレキシブルチューブ12の端部が接続部29の内側に嵌挿され、接
続部29の内側面に接着固定されている。フレキシブルチューブ12と接続部2
9の間は接着密閉し、空気が漏れないように構成されており、前記した排気ファ
ン32による排熱効果を高めるようになっている。
接続部29の外周面には、蛇腹状に溝が形成され、可撓性を維持して操作性を
高めるようになっている。
【0011】
フレキシブルチューブ12の管内には、電源ケーブル15が配線され、電源装
置13からパワーLED22に電源を供給するように構成されている。
フレキシブルチューブ12は排気ファン32による排気のダクトの役目を果た
すので、気密性が良く、また電源ケーブル15配線後に充分な空間を確保できる
管サイズの物を用いることが望ましい。また、顕微鏡観察用のLEDスポット照
明装置の場合は、手で力を加えると柔軟に曲がり、手を離すとその姿勢を保つ構
造のフレキシブルチューブが、扱いやすく望ましい。
【0012】
図3に示すように電源装置13は電源筐体30を有し、フレキシブルチューブ
12の他端は電源筐体30に設けられた接続部35において、電源装置13に接
続している。接続部35においては同様に空気が漏れないようにフレキシブルチ
ューブ12と電源筐体30の間は密閉されている。
【0013】
電源装置13の電源筐体30内部には、パワーLED22に電力を供給する電
源基板31が設けられ、電源ケーブル15がここに接続している。また前述した
ように、排気ファン32と排気口33が設けられており、電源筐体30とフレキ
シブルチューブ12及び光源筐体21の内部の空気を電源筐体30の外に排出す
るようになっている。この排気により電源基板31及び光源筐体21内部に放熱
用空気の流れを発生させ、冷却効果を高めている。
排気ファン32は、図4に示すように接続部35に設け、フレキシブルチュー
ブ12の排気を直接的に行うように構成しても良い。この構成では、光源装置1
1の排気が強化される。また、この実施形態では排気口33’は任意の箇所に設
けることが可能であり、電源筐体30の側部に設けてある。
【0014】
以上の構成において、パワーLED22は直接対象物に光を照射するため、照
射効率が高く、また排気ファン32と吸気口28により空気がヒートシンク24
からフレキシブルチューブ12を通って、電源筐体30の電源基板31を通り、
排気ファン32により電源筐体30の外部に排気されるため、ヒートシンク24
の冷却効果が高く、パワーLED22による温度の上昇を防止できる。また電源
基板31の冷却効果も得られる。
【0015】
そのため、操作者は直接光源筐体21を触って照射位置を調整できる等操作性
が向上する。また光源筐体21もコンパクトにできる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略図。
【図2】本発明の一実施形態の光源装置11の説明図。
【図3】本発明の一実施形態の電源装置13の説明図。
【図4】本発明の電源装置13の他の実施形態の説明図。
【符号の説明】
【0017】
11:光源装置、12:フレキシブルチューブ、13:電源装置、15:電源ケ
ーブル、21:光源筐体、22:パワーLED、23:基板、24:ヒートシン
ク、25:レンズ列、26:レンズハウジング、27:蓋、28:吸気口、30:
電源筐体、31:電源基板、32:排気ファン、33:排気口、35:接続部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射する光源を備えた光源筐体と、
前記光源用の電源を備えた電源筐体と、
前記光源筐体と電源筐体を連通するフレキシブルチューブと、
前記光源筐体に設けられ、前記電源筐体とフレキシブルチューブと光源筐体の
排気を行う排気装置と、
を有することを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−186694(P2008−186694A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−18727(P2007−18727)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000251163)林時計工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】