説明

照明装置

【課題】文字や模様等の表示を楽しむことが可能である新規な照明装置を提供する。
【解決手段】本発明の照明装置は、内部に発光部が設けられた本体部と、本体部の上部を覆うように設けられた第1の支持部材と、第1の支持部材上に設けられた光透過部材と、を有し、第1の支持部材は、複数の開口部を有し、複数の前記開口部の下方にそれぞれ配置された複数の揺動装置を有し、光透過部材は、開口部を介して揺動装置によって揺動される。なお、本発明の照明装置において、本体部に、センサ部が設けられていることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
文字や模様等の表示内容を自由に変更可能な表示板として、複数のLEDをマトリクス状に配置したLED表示パネルが用いられている(例えば、特許文献1)。従来の表示パネルでは、複数のLEDの点灯をドライバ回路によって制御することにより、任意の文字や模様を表示することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−67622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の表示パネルでは、マトリクス状に配置されたLEDの点灯を制御することにより文字等を表示するのみであるため、表示内容を正確に認識する必要がある道路標識や交通案内板等のインフォメーションパネルや時計の表示部などへの利用には大変優れているが、間接照明のようなインテリア用の照明装置として用いることは困難であった。
【0005】
そこで、本発明では、文字や模様等の表示を楽しむことが可能であり、インテリアにも適した新規な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の照明装置は、内部に発光部が設けられた本体部と、本体部の上部を覆うように設けられた第1の支持部材と、第1の支持部材上に設けられた光透過部材と、を有し、第1の支持部材は、複数の開口部を有し、複数の前記開口部の下方にそれぞれ配置された複数の揺動装置を有し、光透過部材は、開口部を介して揺動装置によって揺動される。
【0007】
なお、本発明の照明装置において、発光部は、複数の揺動装置の下方に設けられた光拡散部材と、光拡散部材の端部から光を入射する発光部材とを有することが好ましい。本体部に、揺動装置を動作させるためのセンサ部が設けられていることが好ましい。光透過部材を本体部に固定するための第2の支持部材を有することが好ましい。また、センサ部として、物体の接近や位置を無接触で検出する近接センサを用いることが好ましい。また、光透過部材の透過率は30%以上70%以下であることが好ましい。また、揺動装置は、プロペラを有する回転体であることが好ましい。また、照明装置は音声発生手段を有しており、音声発生手段は、揺動装置と連動して制御されることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、文字や模様等の表示を楽しむことが可能であり、インテリアにも適した新規な照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の動作玩具の外観を説明するための図。
【図2】本発明の動作玩具の外観を説明するための図。
【図3】本発明の動作玩具の組立て図を説明するための図。
【図4】本発明の動作玩具の構成を説明するための図。
【図5】本発明の動作玩具のフローチャートを説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態に対応する照明装置100の外観を示す模式図である。本実施の形態に示す照明装置は、本体部101と、本体部101上に形成された窓部102と、本体部101の側面に設けられたセンサ部103、104を有している。なお、ここでは図示していないが、センサ部は、本体部101の四側面にそれぞれ設けられている。
【0011】
図2に本実施の形態の照明装置の組立て図を示す。本実施の形態の照明装置は、図2(A)に示すように、本体部101上に複数の開口部200が形成された支持部材201が設けられ、支持部材201上に光透過部材202が設けられ、光透過部材202を本体に固定するための支持部材203が設けられている。
【0012】
また、本体部101の内部には、光透過部材202を揺動可能な揺動部材204が複数設けられている。なお、複数の揺動部材204はそれぞれ、支持部材201を本体部101上に設置した際に、支持部材201に形成された開口部200の下方に位置するように設けられている。なお、ここで必ずしも、全ての開口部200の下方に揺動部材が配置される必要はなく、照明装置上に配置したいデザインによって適宜変更可能である。
【0013】
また、本体部101の側壁には溝部205が設けられており、本体部101上に支持部材201、光透過部材202を設置した後、図2(B)に示すように、光透過部材202と支持部材203とを溝部205に差し込むことにより、光透過部材を本体部に固定することができる。本実施の形態では、支持部材201の開口部200と光透過部材202とが重なった部分とで図1に示す窓部102を構成している。なお、本体部101と支持部材201は別々の部材で構成されていても良いし、一体的に構成されていても良い。
【0014】
続いて、本体の内部構造を説明するために、図1の点Aと点Bとを結ぶ破線部分の断面図を図3(A)、(B)に示す。図3(A)に示すように、本体部101の内部には、モーター部301と、モーター部301によって駆動される揺動部材204と、が設置され、揺動部材204の上方に開口部200が形成された支持部材201が設けられ、支持部材201上に光透過部材202が設けられている。なお、点Aと点Bを結ぶ破線部分以外の構造もほぼ同様であるため省略する。
【0015】
本実施の形態において、モーター部301と揺動部材204とは軸部材302で連結されており、モーター部301と揺動部材204との間に、光拡散部材303が設けられ、光拡散部材303の側部にLED等の発光部材304が設けられている。光拡散部材303は、LED等の発光部材304からの光を拡散して射出する部材である。ここで、発光部材304から発生した光は、光拡散部材303を介して本体部上方に発光され、支持部材201の開口部200及び光透過部材202を介して外部に発光される。なお、図3では、光拡散部材303とモーター部301との間に棒状の軸が図示されているが、必ずしも当該軸は設ける必要はなく、装置全体を小型化したい場合等は光拡散部材303の下側に軸等を設けずにモーター部301を設置することが好ましい。
【0016】
なお、光拡散部材303は、図3に示すように1つの部材が複数の揺動部材204の下方に渡って配置されていることが好ましい。それにより、光拡散部材303の端部に設けられた1つの発光部材304からの光が複数の開口部200から射出されることになり、LED等の発光部材の個数を減らすことが可能である。
【0017】
また、本体部101の内部下面に光反射シートを設けることにより、光拡散部材303から拡散して射出された光の一部が光反射シートで本体部上方に反射されるため、支持部材201の開口部200及び光透過部材202を介してより多くの光を外部に発光させることが可能となる。
【0018】
また、図3(B)に、モーター部301が駆動して揺動部材204が動作することにより、光透過部材202が揺動される様子を示す。揺動部材204が動作することにより、図3(B)に示すように、光透過部材202が揺動されて光透過部材202が上方に押し上げられる。そして、揺動部材204が停止すると、光透過部材202の自重により落下する(元の位置に戻ろうとする)ことにより図3(A)に示すような状態に戻る。このように、揺動部材が動作・非動作を繰り返すことにより、本体内部から外部に発光される光は、光透過部材202が揺動されないときと異なる発光状態となる。つまり、光透過部材202が揺動する度に、あたかも光がゆらめいているかのような発光状態を得ることが可能である。
【0019】
本実施の形態において、例えば、図4(A)に示すように、センサ部103が反応した場合には、まず窓部401aの下方に位置するモーター部が駆動し、次に、当該モーター部の矢印方向隣のモーター部が駆動し、その後、矢印方向に並んでいるモーター部が、窓部401aの下方に位置するモーター部に近いものから順に駆動して、光透過部材202が揺動するとする。すると、光透過部材202が揺動している箇所の窓部での発光は、(光透過部材が揺動していない状態の)他の窓部での発光と異なった発光状態となるため、図4(A)に示す矢印方向に向かってあたかも光がゆらめきながら移動しているかのような状態を得ることができる。
【0020】
また、光透過部材の揺動状態によって、照明装置上に、文字や模様等が繰り返し表示されるような表示状態(例えば、図4(B)〜(D)のような発光状態の変化を繰り返す表示状態)や、反応したセンサ部の方向に光が向かってくるような表示状態(例えば、図4(E)〜(G))等を得ることができる。本実施の形態において、このような表示状態の制御は、揺動部材204を駆動する複数のモーター部301のうちいずれのモーター部301が駆動するかによって制御され、予め本体部101に設けられたセンサ部の反応状態と連動するようにプログラムされることにより実現される。
【0021】
本実施の形態に示す照明装置において、照明装置上の繰り返しパターンや、文字・模様等を表示するなどの様々な表示状態は、光透過部材の揺動状態の変化によって実現している。そのため、照明装置から射出される光はゆらゆらとゆらめいており、幻想的な雰囲気を醸しだすインテリア用の照明として用いることができる。よって、文字や模様等の表示を楽しむことができ、眺めることにより使用者のストレス解消効果をも期待できる照明装置を提供することができる。
【0022】
なお、本実施の形態の揺動部材は、光透過部材を揺動させることが可能なものであれば特に限定されることはなく、例えば、プロペラのような回転体を用いることができる。
【0023】
また、光透過部材202は、本体内部からの光を透過し、且つ揺動装置が駆動することにより揺動する部材であれば特に限定されない。例えば、ポリエチレン素材や木綿等の布のような部材を用いることができる。また、光透過部材202として、可視光の透過率が30%以上70%以下程度の半透過性材料を用いることが好ましい。それにより、光透過部材が揺動しているときの発光状態と、揺動していないときの発光状態との差がより鮮明、且つ揺動箇所の発光がより淡い印象となり、より興趣性に富み、幻想的な雰囲気の照明装置を提供することが可能である。
【0024】
また、センサ部103、104として、物体の接近や位置を無接触で検出する近接センサを用いることが好ましい。例えば、赤外線センサ、磁気センサ、光センサ等を用いることができる。無接触で検出可能なセンサを用いることにより、反応のタイミングが予想しづらいため、より興趣性に富んだ照明装置を得ることが可能である。なお、無接触センサに限らず、接触により物体の近接や位置を検出するセンサを用いてもよい。
【0025】
次に、図5のフローチャートを参照して、本実施の形態に示す照明装置100の動作処理の一例について説明する。図5に示すフローチャートは、制御部において、対応する処理プログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
【0026】
まず、ステップS1001では、タイマーモードが選択された否かを判定する。もし、選択された場合には(ステップS1001において「YES」)、ステップS1002に移行する。
【0027】
続くステップS1002では、動作時刻が設定されたか否かを判定する。もし、動作時刻が設定された場合には(ステップS1002において「YES」)、ステップS1003に移行する。ステップ1003では、オートオフ機能が無効化される。
【0028】
一方、ステップS1001において、タイマーモードが選択されなかった場合(ステップS1001において「NO」)、又はステップS1002において、動作時刻が設定されなかった場合(ステップS1002において「NO」)は、オートオフ機能が有効となる(ステップS1004)。
【0029】
続くステップS1005では、第1のセンサ部がOFF状態からON状態となったか否かを判定する。もし、ON状態となった場合には(ステップS1005において「YES」)、ステップS1006に移行する。
【0030】
続くステップS1006では、設定時刻以上経過したか否かを判定する。もし、設定時刻以上経過した場合には、第1のセンサ部での反応は動的物体による反応ではなく、壁等の固定物体による反応であると認識する(ステップS1007)。
【0031】
一方、ステップS1005において、第1のセンサ部がON状態とならなかった場合(ステップS1005において「NO」)、又はステップS1006において、設定時刻が経過していない場合(ステップS1006において「NO」)は、ステップS1008に移行する。
【0032】
続くステップS1008では、第2のセンサ部がOFF状態からON状態となったか否かを判定する。もし、ON状態となった場合には(ステップS1008において「YES」)、ステップS1009に移行する。
【0033】
続くステップS1009では、設定時刻以上経過したか否かを判定する。もし、設定時刻以上経過した場合には、第2のセンサ部での反応は動的物体による反応ではなく、壁等の固定物体による反応であると認識する(ステップS1010)。
【0034】
一方、ステップS1008において、第2のセンサ部がON状態とならなかった場合(ステップS1008において「NO」)、又はステップS1009において、設定時刻が経過していない場合(ステップS1009において「NO」)は、ステップS1011に移行する。
【0035】
続くステップS1011では、第3のセンサ部がOFF状態からON状態となったか否かを判定する。もし、ON状態となった場合には(ステップS1011において「YES」)、ステップS1012に移行する。
【0036】
続くステップS1012では、設定時刻以上経過したか否かを判定する。もし、設定時刻以上経過した場合には、第3のセンサ部での反応は動的物体による反応ではなく、壁等の固定物体による反応であると認識する(ステップS1013)。
【0037】
一方、ステップS1011において、第3のセンサ部がON状態とならなかった場合(ステップS1011において「NO」)、又はステップS1012において、設定時刻が経過していない場合(ステップS1012において「NO」)は、ステップS1014に移行する。
【0038】
続くステップS1014では、第4のセンサ部がOFF状態からON状態となったか否かを判定する。もし、ON状態となった場合には(ステップS1014において「YES」)、ステップS1015に移行する。
【0039】
続くステップS1015では、設定時刻以上経過したか否かを判定する。もし、設定時刻以上経過した場合には、第4のセンサ部での反応は動的物体による反応ではなく、壁等の固定物体による反応であると認識する(ステップS1016)。
【0040】
一方、ステップS1014において、第4のセンサ部がON状態とならなかった場合(ステップS1014において「NO」)、又はステップS1015において、設定時刻が経過していない場合(ステップS1015において「NO」)は、ステップS1017に移行する。
【0041】
続くステップS1017では、第1のセンサ部から第4のセンサ部のうち、1つ以上のセンサ部がON状態となったか否かを判定する。もし、1つ以上のセンサ部がON状態となった場合には(ステップS1017において「YES」)、第1のモードが起動される(ステップS1018)。
【0042】
一方、ステップS1017において、1つ以上のセンサ部がON状態とならなかった場合には(ステップS1017において「NO」)、設定時刻以上経過した後に(ステップS1020)、第2のモードが起動される(ステップS1021)。
【0043】
そして、第1のモード又は第2のモードが起動された後、一定時間経過後に装置の動作を終了する。
【0044】
センサ部の反応状態により移行する第1のモード、第2のモードとして、例えば、反応したセンサ部に向かって光が走ってくるように揺動装置を駆動するモードや、様々な模様が表示されるようにするモードなどを設定することができる。なお、本実施の形態では、センサ部の反応状態により、第1のモードと第2のモードに移行するようになっているが、これに限定されるものではなく、単一のモードで駆動するものとしてもよいし、2つ以上のモードに移行するものであってもよい。
【0045】
また、本実施の形態に示すように揺動装置で発光状態を変化させるだけでなく、音声を発生するようにしてもよい。例えば、本体部に音声発生手段を設け、音声発生手段と揺動装置とを連動して制御するようにプログラムすることができる。それにより、視覚のみならず聴覚を刺激することができ、より興味をそそる照明装置を提供することが可能である。
【0046】
さらに、本実施の形態では横置きの照明装置について説明したが、例えば壁に掛けることで縦置きの照明装置とすることも可能である。光透過部材の垂線方向に作用する力の大きさは照明装置を横置きにした場合と縦置きにした場合とで異なるため、揺動装置の動作により押し上げられた光透過部材が元の位置に戻る(復帰する)までの時間は異なる。このため、横置きとは異なる光のゆらぎの視認が可能である。
【0047】
以上のように、本発明によれば、文字や模様等の表示を楽しむことが可能であり、インテリアにも適した照明装置を提供することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
100 照明装置
101 本体部
102 窓部
103 センサ部
104 センサ部
201 支持部材
202 光透過部材
203 支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に発光部が設けられた本体部と、
前記本体部の上部を覆うように設けられた第1の支持部材と、
前記第1の支持部材上に設けられた光透過部材と、を有し、
前記第1の支持部材は、複数の開口部を有し、
複数の前記開口部の下方にそれぞれ配置された複数の揺動装置を有し、
前記光透過部材は、前記開口部を介して揺動装置によって揺動される照明装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記発光部は、複数の前記揺動装置の下方に渡って設けられた光拡散部材と、前記光拡散部材の端部から光を入射する発光部材とからなる照明装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記本体部に、揺動装置を動作させるためのセンサ部が設けられている照明装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記光透過部材を前記本体部に固定するための第2の支持部材を有する照明装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記センサ部として、物体の接近や位置を無接触で検出する近接センサを用いる照明装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
前記光透過部材の透過率は30%以上70%以下である照明装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
前記揺動装置は、プロペラを有する回転体である照明装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項において、前記照明装置は音声発生手段を有しており、前記音声発生手段は、前記揺動装置と連動して制御される照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−243569(P2010−243569A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−88954(P2009−88954)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【出願人】(509093369)
【Fターム(参考)】