説明

照明装置

【課題】 LED発光部を用いて高層建築物を下方から照明するライトアップ用に適した照明装置を提供する。
【解決手段】 照明装置10は、パラボラ曲面を有する反射面17と、反射面17に主光軸を向けて配置されたLED発光部12と、LED発光部12の基板25の裏面に沿って形成された流路21とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED発光部を用いて例えば高層建築物を下方から照明するライトアップ用に適用される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりLED発光部の主光軸を反射面に向けた照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−226788号公報(図2、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
夜間、高層建築物を下方から照明するライトアップ用、あるいは高層建築物を上方から下方に向けて照明するライトダウン用や、建築物に対してスポット照明を行うスポット照明用の照明装置は、遠方まで平行光を照射できることが求められている。
しかしながら、特許文献1は、車両用前照灯を前提としており、その配光は光軸に対して一定の広がりを有する構造であり、前述した用途に適さない。
【0005】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、LED発光部を用いて例えば高層建築物を下方から照明するライトアップ用に適した照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明装置は、パラボラ曲面を有する反射面と、反射面に主光軸を向けて配置されたLED発光部と、LED発光部に対して反射板の腑仰角を調整する調整部とを備える。
【0007】
本発明に係る照明装置は、反射板の縁部近傍から反射光の照射方向に対して平行に配置され、グレアを遮光する板状の遮光具を有し、調整部が、反射面および遮光具を一体的に調整可能である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の照明装置によれば、LED発光部を用いて例えば高層建築物を下方から照明するライトアップ用に適した照明装置を提供できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る一実施形態の照明装置の蓋を開けた状態の斜め上方から視た外観斜視図
【図2】図1の照明装置の縦断面図
【図3】図1の照明装置の反射板と反射板取付部材との平面図
【図4】図1の照明装置の調整部による調整前の縦断面図
【図5】図1の照明装置の調整部による調整後の縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る照明装置について図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態である照明装置10は、箱体11と、複数のLED発光部12と、複数の反射板13と、透光板15を有する蓋14とを備えるライトアップ用照明装置である。
【0011】
図1に示すように、箱体11は、厚みの薄いアルミニウムダイカスト製板部材をプレス成形することにより上方を開放して成形されており、LED発光部(図2参照)12および反射板13を収容している。蓋14の端部は、箱体11の端部にヒンジ部材16により連結されている。透光板15は例えばアクリル樹脂製の板部材である。
図2に示すように、反射板13は、凹状の半球面形状のパラボラ曲面を有し、アルミニウム蒸着による鏡面状の反射面17を有する。反射板13は、反射面17の底部に半円形状の貫通孔18を有し、先端部に反射面17から外れた位置に向かう光を遮蔽するグレアカット面を形成するための略庇状のグレア防止具19が一体成形されている。貫通孔18は空気の流路となるとともにLED発光部12への配線通路となる。箱体11は、複数段のベース板20を有し、ベース板20にコ字形状で中空状の空隙21を有する中板22がネジ固定されている。ベース板20には、電源ユニット23がそれぞれ取り付けられている
【0012】
反射板13は、反射板取付部材24にネジ固定されており、反射板取付部材24を介してベース板20にネジ固定されている。LED発光部12は、不図示の所定のプリント回路を有するLED基板25上にLEDチップ26が実装されている。LED基板25は中板22に熱的に接続されてネジ固定されている。反射板13においてグレア防止具19が配置されている縁部近傍には、反射光の照射方向に対して平行に配置されていてグレアカット面を形成するための板状の遮光具27が取り付けられている。遮光具27は、光を吸収する例えば黒艶消し等に塗装されている。遮光具27の先端部には、蓋14が箱体11に閉塞された際に透光板15に当接することにより透光板15の撓みを防止するための弾性を有する緩衝材28が取り付けられている。
ベース板20においてLED発光部12の前方には、反射光の照射方向に対して平行に配置された軸線を有してグレアカット面を形成するための略半円筒形状のグレア防止具29がネジ固定されている。グレア防止具29は、光を吸収する例えば黒艶消し等に塗装されている。グレア防止具29は、被照射対象側からLEDチップ26が直視されないようにするためと自らの強度の向上を図るための天板30を有して有底形状(有天形状)に形成されている。
【0013】
図3に示すように、反射板取付部材24には一対の反射板13が取り付けられている。反射板取付部材24には、側部に調整部の一部を構成する長孔31および丸孔32が一対に設けられている。反射板13は、グレア防止具19における外縁の90度間隔の3か所に、直線状に切削されたカット部33を有する。カット部33は、複数配列される反射板13同士の離間距離を小さくする機能を有する。反射板13は、グレア防止具19側から複数のネジ34が反射板取付部材24にネジ込まれることにより反射板取付部材24に取り付けられている。
【0014】
図4、図5に示すように、反射板取付部材24は、丸孔32を通じてネジ込まれている調整部の他の一部を構成するネジ35を支点として、長孔31を通じてネジ込まれている調整部の残りの一部を構成するネジ36を緩めることにより、遮光具27を一体として反射板13の腑仰角を箱体11に対して例えば角度θだけ傾動させることができる。これにより、反射板13の反射面17による反射光の向きおよび反射光に応じた遮光具27の向きを変更させることができる。
【0015】
このような照明装置10は、電源ユニット23に与えられた商用電源が電源ユニット23により直流電流に変換されてLED基板25のプリント回路に与えられることによりLEDチップ26が発光される。LEDチップ26からの光は反射板13の反射面17により反射して透光板15を通じた平行光となって被照射対象に照射される。このとき、反射面17から外れた位置に向かう光がグレア防止具19、遮光具27およびグレア防止具29により遮蔽されることになる。
【0016】
従って、この一実施形態の照明装置10においては、調整部を構成する長孔31、丸孔32、ネジ35、ネジ36により、反射板13の反射面17による反射光の向きおよび反射光に応じた遮光具27の向きが変更される。
これにより、この一実施形態の照明装置10においては、設置場所において、被照射対象に対する好ましい方向への光の微調整を簡単に行うことができる。
また、この一実施形態の照明装置10においては、反射板13がパラボラ曲面を有する反射面17を有する。
これにより、この一実施形態の照明装置10においては、LEDチップ26の光指向性により制御できない部分を有効的に使用して光効率を向上させることができる。
そして、この一実施形態の照明装置10においては、略庇状のグレア防止具19によりグレアカット面が形成されている。
これにより、この一実施形態の照明装置10においては、反射板13の形状が大型化することがなく、反射板13で制御できないLEDチップ26からの直接光を確実にグレアカットすることができる。
加えて、この一実施形態の照明装置10においては、グレア防止具19が大きくならないように板状の遮光具27を備える。
これにより、この一実施形態の照明装置10においては、グレア防止具19が大きくならずに光の取り出し効率を向上させることができる。
【0017】
更に、この一実施形態の照明装置10においては、略半円筒形状のグレア防止具29が天板30を有する。
これにより、この一実施形態の照明装置10においては、被照射対象側からLEDチップ26が直視されないようにして外観面で良好にすることができるとともに自らの強度の向上を図ることができる。
加えて、この一実施形態の照明装置10においては、緩衝材28が樹脂製の透光板15に当接する。
これにより、この一実施形態の照明装置10においては、透光板15の垂れを防止することができる。
また、この一実施形態の照明装置10においては、グレアカット面を形成する板状の遮光具27および略半円筒形状のグレア防止具29が光を吸収する色に設定されている。
これにより、この一実施形態の照明装置10においては、光を反射させずにグレアを確実にカットすることができる。
【0018】
そして、この一実施形態の照明装置10においては、中板22の空隙21を通じて空気流路が形成されている。
これにより、この一実施形態の照明装置10においては、中板22の空隙21を通じて流通される空気によりLED基板25を冷却してLED発光部12の特性を保障することができる。
また、この一実施形態の照明装置10においては、反射板13の貫通孔18を通じて空気が流路される。
これにより、この一実施形態の照明装置10においては、反射板13の貫通孔18を通じて循環される空気によりLEDチップ26を冷却することができる。
更に、この一実施形態の照明装置10においては、反射板13の貫通孔18を通じて配線が配策される。
これにより、この一実施形態の照明装置10においては、反射板13の貫通孔18に配策された配線が、貫通孔18を循環する空気により冷却されて配線の発熱を抑制することができる。
【0019】
なお、各実施形態で使用した箱体、LED発光部、蓋等は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
また、本発明は、建築物を下方から照明するライトアップ用にのみ適用可能なものではなく、建築物を上方から下方に向けて照明するライトダウン用や、建築物に対してスポット照明を行うスポット照明用にも適用可能であり、建築物以外にも適用可能である。
【符号の説明】
【0020】
10 照明装置
12 LED発光部
17 反射面
27 遮光具
31 長孔(調整部)
32 丸孔(調整部)
35 ネジ(調整部)
36 ネジ(調整部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラボラ曲面を有する反射面と、
前記反射面に主光軸を向けて配置されたLED発光部と、
前記LED発光部に対して前記反射板の腑仰角を調整する調整部とを備える照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、
前記反射板の縁部近傍から反射光の照射方向に対して平行に配置され、グレアを遮光する板状の遮光具を有し、
前記調整部が、前記反射面および前記遮光具を一体的に調整可能である照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−181241(P2011−181241A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42356(P2010−42356)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】