説明

照明装置

【課題】指向性の光を放出する光源を備える照明装置において、照明範囲を拡大することが可能な照明装置を提供する。
【解決手段】本体部10と、本体部10に取り付けられ、本体部10の一端から指向性の光を放出する光源20と、一端を覆うように本体部10に取り付けられ、本体部10の一端から放出された光を反射させて拡散させるレンズ部30と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指向性の光を放出する光源を備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置では、蛍光灯の光や白熱電球の光が一般的に照明光として用いられているが、近年では、蛍光灯や白熱電球よりも低消費電力で長寿命なLED(Light Emitting Diode)の光を用いることが提案されている。
【0003】
図4は、LEDの光を照明光とする照明装置の配光範囲を示す図である。また、図5は、白熱電球の光を照明光とする照明装置の配光範囲を示す図である。図4に示す照明装置100および図5に示す照明装置101は、室内を照明するための照明装置であり、いずれも床面300に向かって光を放出するように設置されている。
【0004】
照明装置100では、LED101が発光すると、出射面102から指向性の光が放出される。そのため、照明装置100の配光範囲400bは、図4に示すように、装置直下に限定される。これにより、照明装置101の照明範囲は、装置直下のみとなる。一方、照明装置101では、白熱電球111が発光すると、白熱電球111から無指向性の光が放出される。そのため、照明装置101の配光範囲400bは、図5に示すように装置直下だけでなく装置周辺にも及ぶ。これにより、照明装置101の照明範囲は装置周辺に及ぶ。
【0005】
なお、LEDを光源とする照明装置には、LEDの光の放出方向にレンズを具備し、このレンズの透過光を照明光とする照明装置が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された照明装置には、LEDを覆うキャップが設けられ、このキャップの先端に半球状の凸レンズが取り付けられている。そのため、この照明装置では、凸レンズによってLEDの光が集められるので、特定の方向をより明るくすることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3084461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
室内照明用の照明装置として照明装置101を照明装置100に置き換えた場合、光源がLEDに替わるので低消費電力および長寿命という効果を奏する。しかし、照明装置100は上述したように装置直下のみを照明するので、照明範囲が照明装置101よりも狭くなるという問題が起こり得る。この問題は、特許文献1に記載の照明装置のように半球状の凸レンズをLEDの光の放出方向に取り付けても特定の方向が明るくなるだけなので解決できない。
【0008】
本発明は、指向性の光を放出する光源を備える照明装置において、照明範囲を拡大することが可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明による照明装置は、本体部と、前記本体部に取り付けられ、前記本体部の一端から指向性の光を放出する光源と、前記一端を覆うように前記本体部に取り付けられ、前記本体部の前記一端から放出された光を反射させて拡散させるレンズ部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の照明装置によれば、光源から指向性の光が放出されてもこの光はレンズ部で反射して拡散する。これにより、配光範囲が装置直下だけでなく装置周囲にも及ぶので、照明範囲が装置周囲まで拡大する。よって、照明範囲を拡大することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の照明装置の一実施形態を示す図である。
【図2】本実施形態の照明装置の配光範囲を示す図である。
【図3】本実施形態の照明装置にフロスト加工が施された場合のレンズ部の表面の一部を拡大して示した図である。
【図4】LEDの光を照明光とする照明装置の配光範囲を示す図である。
【図5】白熱電球の光を照明光とする照明装置の配光範囲を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の照明装置の一実施形態を示す図である。図1に示すように、本実施形態の照明装置1は、室内を照明するための照明装置であり、本体部10と、光源20と、レンズ部30と、コード40と、吊り下げ器具50と、を有する。なお、図1は、本体部10の内部を露出した状態で示している。
【0013】
照明装置1は、天井200に設置された電力供給用の器具(不図示)に吊り下げ器具50を取り付ける吊り下げタイプの照明装置である。照明装置1では、電力供給用の器具からの電力が、吊り下げ器具50、コード40を通じて光源20に供給されることによって、光源20から指向性の光が放出される。光源20は、発光ダイオード(LED)であり、本体部10に取り付けられている。本体部10は、内部に空間が形成され、一端が開口している。この開口している一端は光源20の光を放出する出射面11として機能する。すなわち、光源20は、出射面11に向かって光を放出するように本体部10の内部空間に取り付けられている。なお、本体部10には、光源20を発光させるための回路(不図示)が設置されている。また、本体部10の他端にはコード40が取り付けられている。
【0014】
本体部10には、出射面11(開口している一端)を覆うようにレンズ部30が取り付けられている(図1参照)。レンズ部30は、例えば、ガラス、アクリル、ポリカーボネートなどの透明な材料を球体に加工したものである。
【0015】
上記のように構成された照明装置1では、光源20が発光すると、本体部10の出射面11から指向性の光が放出される。放出された光は、球体のレンズ部30で反射して拡散する。
【0016】
図2は、照明装置1の配光範囲を示す図である。図2では、照明装置1は床面300に向かって光を放出するように設置されている。照明装置1では、光源20の光が球体のレンズ部30で拡散されるので、図2に示す配光範囲400aは、図3に示す配光範囲400bと図4に示す配光範囲400cとを足し合わせたようになる。すなわち、LEDを光源とする点で共通する照明装置100と照明装置1において、照明装置100の照明範囲が装置直下だけであるのに対し、照明装置1の照明範囲は、装置直下だけでなく装置周囲にも及ぶ。よって、照明装置1は、LEDを光源としているにもかかわらず、照明範囲を、白熱電球を光源とする照明装置101と同等の広さまで拡大できる。
【0017】
なお、照明装置1は吊り下げタイプであったが、本発明の照明装置は、このタイプに限定されない。本発明は、例えば、天井に設置された電力供給用の器具に直接取り付ける直付け型の照明装置や、壁に設置された電力供給用の器具に直接取り付ける壁付け型照明装置に適用できる。
【0018】
また、本発明では、レンズ部30の表面に微細な凹凸を形成する加工(フロスト加工)が施されていてもよい。例えばレンズ部30がガラスの場合、フッ酸を主成分とする化学薬品を使用することでレンズ部30の表面に微細な凹凸を形成できる。このとき、図3に示すように、凹凸の高低差Rz(DIN)が0.2μm〜10μmの範囲内で、かつ凹凸の互いに隣接する凸部のピッチP(山の頂上の間隔)が5μm〜150μmの範囲内となるように加工することで、装置直下を照明する光の照度と、装置周辺を照明する光の照度のバランスを調整することが可能となる。なお、図3は、照明装置1にフロスト加工が施された場合のレンズ部30の表面の一部を拡大して示した図である。
【0019】
また、本発明では、照明範囲を拡大させるためにレンズ部30は球体に限定されず、出射面11から放出された光を反射させて拡散させる形状であればよい。例えば、レンズ部30の形状は、楕円体であってもよい。
【0020】
また、本発明では、光源20を本体部10の端部に取り付け、光源20とレンズ部30とを接着させた形態であってもよい。このような形態であっても、光源20の光をレンズ部30で反射させて拡散できるので、照明範囲を拡大できる。
【符号の説明】
【0021】
1、100、110 照明装置
10 本体部
11、102 出射面
20 光源
30 レンズ部
40 コード
50 吊り下げ器具
101 LED
111 白熱電球
200 天井
300 床面
400a、400b、400c 配光範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部に取り付けられ、前記本体部の一端から指向性の光を放出する光源と、
前記一端を覆うように前記本体部に取り付けられ、前記本体部の前記一端から放出された光を反射させて拡散させるレンズ部と、
を有する照明装置。
【請求項2】
前記レンズ部は、球体である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記レンズ部の表面に凹凸が形成されている、請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記凹凸の高低差が0.2μm〜10μmの範囲内であり、かつ前記凹凸の互いに隣接する凸部のピッチが5μm〜150μmの範囲内である、請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記光源は、発光ダイオードである、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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