説明

照明装置

【課題】 指向性が少なく、且つコストパフォーマンスに優れたLED照明装置を提供する
【解決手段】蛍光物質を励起できるLEDチップ群に、対峙するよう設けられた被照射面を配置し、当該被照射面を、蛍光物質にて、芸術的あるいは宣伝機能を持たせた模様形状とし、これをLEDにて励起発光させて、直接的な光源とした照明装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾・宣伝機能を有したLED照明装置に関するものである。
【背景技術】
【先行技術文献】
【特許文献1】特開2003−92429
【0002】
照明に使用されるLEDの一例として、1チップで白色を発光するLEDが実用化されている。すなわち青発光LEDの先端に、それにより黄色〜赤発光する蛍光物質を塗布、もしくはそれを覆うモールド中に分散し、もとの青発光成分とこれら蛍光物質層を透過する間に励起して生じる黄色・赤色発光成分を複合し白色光としてとりだしている。
【0003】
特許文献1には、蛍光材料を励起する光を発光するLEDチップ3と、LEDチップ3の光で蛍光を発する蛍光ガラスに少なくとも蛍光体又は蛍光染料のいずれかを混合して形成したレンズ1とを備え、LEDチップ3をレンズ1中の不活性ガスの入った中空部8に収容して封止した発光素子が提案されている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、蛍光物質を発光させることができるLEDチップ群からなる第一の光源と、その光源に対峙して設けられる蛍光物質が塗布された被照射体とからなり、且つ被照射体は、当該発光物質で芸術的または宣伝情報にて処理されたものであり、発光した芸術物宣伝情報を、第二光源として、周囲を照らす照明装置に、同時にそれらを鑑賞できるようにした、高コストパフォーマンスの照明装置を提案するものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
狭い視野角 ならびに、従来蛍光灯照明に比べコストパフォーマンスが劣るなどの欠点を解決したLED照明装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、LEDチップからの発光をそのまま照明として利用するのではなく、その光を対峙して設けられた被照射体に塗布された蛍光物質に一度照射し、それにより励起された光を照明の直接的な光源とし、さらに、当該蛍光物質は、黄色や赤など発光色調の異なる蛍光物質で塗りわけ、絵画・宣伝文字イラストなどとし、またあるいは、彫刻陶芸像などに塗布し、芸術的・宣伝的要素をもつ被照射体とすることにより、視野角、コストパフォーマンス問題を一挙に解決する。
【発明の効果】
【0007】
指向性のあるLED光を、いったん拡散面である蛍光体物質塗布膜に照射し、そこで変換された光を直接の光源として利用する方式であるため、変換時に光は拡散されるため、強い指向性は改善され、間接照明に近い、影の少ないマイルドな照明効果が得られる。また芸術的・宣伝的効果が付与されて、コストパフォーマンスが大きく改善できる。特に、それらは、間接的ではあるが自発光であるため、従来の絵の具を使用したものに比べ、色純度や明度を著しく高いものとでき、芸術的にしても宣伝的にも従来のものより、はるかに大きな訴求効果を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す図
【図2】 図1のLEDチップ群の詳細図
【図3】 従来例の発光の指向性を示す模式図
【図4】 本発明の発光の指向性を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施例である図1に従って、本発明の形態を説明する。
【0010】
1は、一次光源となるLEDチップ群であり(図2拡大図参照)これらは蛍光物質を発光させねばならないため、発光効率が、現時点で最も高い青色発光のLEDを配置した。
【0011】
紫外線発光LEDや、青発光成分を含む青緑LEDや白色LEDも、色調整などの目的によっては、単独、あるいは補助的に使用が可能である。
【0012】
これらLEDチップは、二次光源となる被照射体に向けて配置をし、かつ、極力、鑑賞する側からは、見えないようにするのが好ましい。
【0013】
1のLEDチップより照射された青色光2は、被照射体基板3に塗布された蛍光物質により描かれた絵画4に照射され、絵画4が鮮やかに発光5、二次光源となって、鑑賞と照明の両効果が得られた。
【0014】
絵画4は、市販の各種蛍光塗料(アサヒペン水性蛍光塗料(レッド、レモン、グリーン)などや夜光塗料(アサヒペン夜光塗料(赤・黄色・若草色・水色)を使用し、花部分は、レッドとレモン色に、葉部分はグリーンを、背景部分は、水色を薄く配置して描いた。
【0015】
中間色が必要な場合には、これらを混合する方法や、絵の具を少量混合し、色調や明度を調整することが有用であり、塗布もインクジェット方式での形成も可能である。
【0016】
また、これら有機系顔料以外に、LEDの色変換に使用されているYAGなどの無機蛍光体を各種バインダに混合して使用することも可能である。
【0017】
この場合、高コストであるが、耐熱性や対候性にすぐれているメリットがある。
【0018】
絵画4にかえ、彫刻や陶芸品に蛍光物質を塗布し、被照射体にすることも可能である。
【0019】
この被照射体の絵画4は、LEDチップ郡からの青色光を受け、鮮やかに発光、従来絵具による絵画に比べ、はるかに鮮やかな発色・明度を有し強い訴求力が感じられた。
【0020】
絵画からの光は、周辺を明るく照射し、面光源照明として、十分な機能を発揮した。
【0021】
若干、黄色を帯びた色温度の照明であったが、これらは、絵の配色によって、自在に調整が可能で、たとえば、電球色色調の白色としたい場合は、赤部分の面積を多くすることにより可能であり、簡単に、絵を差し替えることで、絵の楽しみと同時に、照明の雰囲気をも自在に簡単に変えることができる。
【0022】
本発明では、目的・趣向などに応じて種々の形態が可能であり、また自作の絵画やイラストでも、光源とできるため、単なる照明装置に比べ、価値が格段に向上し、高いコストパフォーマンスの装置とすることができることが、第一の大きな効果である。
【0023】
第二の効果は、二次光源となる蛍光物質塗布膜は拡散面であり、一次光源の強い指向性が、ここで拡散されて、良好な指向性を持つ光源となり、間接照明に近いマイルドな照明とできる。
【0024】
図3、図4に従来装置と本発明になる装置の利用できる光の指向性を模式的に示す。
【0025】
本構造による付随効果として、LEDチップと蛍光物質とが、完全に離れているため、従来装置における蛍光物質のLEDの発熱からの寿命悪化の影響を完全に解消できる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、ユーザー嗜好にて、自由に装飾的価値が変えられる新しい価値を持った照明装置であり、また強い訴求力による宣伝媒体としても有力であり、さらにまた、従来にない高い明度の絵画が得られることより、新しいジャンルの芸術的価値を提供できる装置でもあり、産業発達に大きく付与できるものである。
【符号の説明】
【0026】
1 LEDチップ群 2 LEDチップ群からの発光(一次光源)
3 被照射体 4 蛍光物質による塗布膜
5 蛍光物質からの発光(二次光源) 6 LEDチップ
7 従来装置のLEDチップにマウントされた蛍光体物質を含む樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光物質を発光させることができる一群のLEDチップからなる第一光源を有し、当該光源からの発光を受けて励起する蛍光物質が塗布された被照射面からなる第二光源を有するLED照明装置において、当該被照射面における蛍光物質の塗布が、芸術的模様または宣伝目的模様にて描かれており、その第二光源における発光を、主として、照明として利用すると同時に、鑑賞、宣伝に活用できることを特徴とした照明装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−104788(P2012−104788A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265725(P2010−265725)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(510314529)
【Fターム(参考)】