説明

照明装置

【課題】高い光の取り出し効率を有する間接照明方式の照明装置を提供する。
【解決手段】複数のLED1(光源)は、所定の配置方向に並んで配置されている。複数のLED1のそれぞれは、上記配置方向に対して略垂直な所定の放射方向を中心とする所定の範囲へ向けて光を放射する。ロッドレンズ3(屈折部)は、略円柱状であり、LED1が放射した光を屈折透過し、上記配置方向に対して略平行に配置されている。反射シート5(拡散反射部)は、略平面状であり、ロッドレンズ3が屈折透過した光を拡散反射し、上記配置方向及び上記放射方向に対して略平行に配置され、反射シート5とロッドレンズ3の中心軸3Cとの間の距離が、反射シート5と上記複数のLED1との間の距離よりも短い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光ダイオードなどの光源を用いた間接照明方式の照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光灯や白熱電球などの従来光源に比べ、発光ダイオード(以下「LED」と呼ぶ。)は、長寿命である。LEDは、近年その発光効率や光束の向上に伴って、オフィスビル、商業施設や学校、病院などの公共施設でも、天井用照明装置の光源として用いられ始めている。通常、1つの照明装置に数1000[lm]の光束が求められるのに対し、LED1灯あたりの光束は100[lm]程度である。このため、1つの照明装置に複数灯のLEDが搭載される。
LEDは小型で発光面積が小さいため高輝度である。つまり、LEDは、眩しい。そこで、オフィス等の天井に用いる場合は、眩しさを軽減するために、LEDの正面に拡散性のカバーを設ける方式がある。カバーを通過する光が拡散されることで、LEDの眩しさが緩和される。
例えば、LEDからの光が入射する側の面、もしくは出射する側の面、あるいはその双方を梨地面としたカバーであれば、梨地面の面粗さをより粗くすることにより、カバーの拡散性を高めることができる。あるいは、拡散材を練り込んだカバーであれば、拡散材の濃度を高くすることにより、カバーの拡散性を高めることができる。これにより、LEDの眩しさをより軽減することができる。
あるいは、0.1Wクラスの低出力のLEDを多数アレイ状に並べることで、LED一個あたりの眩しさを低く抑える方式がある。
また、オフィス等で作業する人の眼に優しい、より好適な手法として、LEDが外部から直接見えない導光板を用いる方式や、LEDからの光を一度白色の板やシートに当てて拡散反射させ、散乱光により空間を柔らかく照らす間接照明方式がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−87658号公報
【特許文献2】特開2009−252737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
拡散カバーを用いる方式において、LEDの眩しさを緩和するため、拡散カバーの拡散性を高めると、拡散カバーによってLED側へ後方散乱される光の割合が増加するため、光の取り出し効率が低下する。ここで、光の取り出し効率とは、(照明装置から出射される総光束)/(全LEDから出射される総光束)と定義する。
光の取り出し効率が低いと、求められる部屋内の明るさ、すなわち照度を満足するために、照明装置に搭載されるLEDの個数を増やさなければならない。現在、LEDは蛍光灯や白熱電球などの従来光源に比べ、得られる光束に対する価格がまだまだ高く、LEDの個数増加はコスト高になる。
低出力のLEDを多数アレイ状に並べる方式は、1Wクラス以上の高出力のLEDを使用する場合に比べ、同じ光束を得た時のLEDコストが2倍程もするため、相当なコスト高になる。
導光板を用いる方式は、一般に光の取り出し効率が約80%と低い。間接照明方式は、さらに取り出し効率が低い。やはりLEDの個数増加が必要になる。
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、高い光の取り出し効率を有する間接照明方式の照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明にかかる照明装置は、
光源部と、屈折部と、拡散反射部とを有し、
上記光源部は、所定の配置方向に並んで配置された複数の光源を有し、
上記複数の光源のそれぞれは、上記配置方向に対して略垂直な所定の放射方向を中心とする所定の範囲へ向けて光を放射し、
上記屈折部は、略円柱状であり、上記光源部が放射した光を屈折透過し、上記配置方向に対して略平行に配置され、
上記拡散反射部は、略平面状であり、上記屈折部が屈折透過した光を拡散反射し、上記配置方向及び上記放射方向に対して略平行に配置され、上記拡散反射部と上記屈折部の中心軸との間の距離が、上記拡散反射部と上記複数の光源との間の距離よりも短いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明にかかる照明装置によれば、(1)人の眼に優しい間接照明を、(2)高い光の取り出し効率で、(3)安価簡便に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1におけるLED照明装置10の構造の一例を示す分解斜視図。
【図2】実施の形態1におけるLED照明装置10の短手方向Xの断面の一例を示す側面視断面図。
【図3】実施の形態1におけるLED1の放射した光がロッドレンズ3を透過する様子の一例を示す一部拡大側面視断面図。
【図4】比較例のLED照明装置を示す側面視断面図。
【図5】実験により求めた距離sの必要最小値を表わすグラフ図。
【図6】ロッドレンズ3に入射した光が反射シート5に対して平行な方向へ出射する条件を説明するための図。
【図7】出射点502の位置を変えてロッドレンズ3の出射する光が反射シート5に対して平行方向へ進むときの、入射点501における入射角511が変化する様子を説明するための図。
【図8】LED1の発光点503が満たすべきもう一つの条件を説明するための図。
【図9】実施の形態2におけるリフレクタ4の形状の一例を示す一部拡大側面視断面図。
【図10】比較例のリフレクタ4の形状を示す一部拡大側面視断面図。
【図11】式(11)より求めたθとθとの関係を示すグラフ図。
【図12】ロッドレンズ3の内側で一回反射してから出射される光の光路を説明するための図。
【図13】図12において、放射角517を変えずに入射点501の位置を変化させた場合に照射点505の位置が変化する様子を説明するための図。
【図14】放射角517と距離521との関係の一例を示す図。
【図15】距離521が一定になる放射角517と入射点501の位置との関係の一例を示す図。
【図16】LED1の発光点503の位置が満たすべき条件を説明するための図。
【図17】偏芯量Δ及び距離Dと、光の取り出し効率との関係を示すグラフ図。
【図18】直径φ及び距離Dと、光の取り出し効率との関係を示すグラフ図。
【図19】パラメータαと、光の取り出し効率との関係を示すグラフ図。
【図20】パラメータαと、光の取り出し効率との関係を示すグラフ図。
【図21】反射シート5における反射点562と、光の取り出し効率との関係を説明するための図。
【図22】LED照明装置10の構造の別の例を示す側面視断面図。
【図23】LED照明装置10の構造の更に別の例を示す側面視断面図。
【図24】LED照明装置10の構造のまた更に別の例を示す側面視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図8を用いて説明する。
【0009】
図1は、この実施の形態におけるLED照明装置10の構造の一例を示す分解斜視図である。
図2は、この実施の形態におけるLED照明装置10の短手方向Xの断面の一例を示す側面視断面図である。
LED照明装置10(照明装置)は、2枚の基板2と、2本のロッドレンズ3と、2個のリフレクタ4と、反射シート5と、ケース6と、筐体7とを有する。
基板2(光源部)には、複数のLED1が実装されている。それぞれのLED1(光源)は、基板2に対してほぼ垂直な正面方向(所定の放射方向)を中心とする範囲(所定の放射範囲)へ向けて光を放射する。LED1は、例えば、光が実際に放射される方向と正面方向とのなす角度が90度未満の範囲へ向けて光を放射し、角度が大きくなるほど、光が弱くなる配光特性を有する。複数のLED1は、例えば、直線状かつ等間隔に配列・実装されている。
基板2は、例えば、アルミニウムなどの金属や、ガラスエポキシ樹脂やセラミックなどの板材により形成されている。基板2の表面には、LED1を実装するための回路パターンがプリントされている。なお、基板2上に設けられている回路パターンや、LED1に電力を供給するためのコネクタなどは、図示を省略している。基板2は、LED1が配列されている方向が、LED照明装置10の長手方向Yとほぼ一致する向きに配置され、例えばケース6に固定されている。すなわち、複数のLED1は、LED照明装置10の長手方向Yと一致する方向(所定の配置方向)に並んで配置されている。2枚の基板2は、向かい合わせに配置されている。2枚の基板は、ほぼ平行に配置されている。一方の基板2に実装されたLED1の正面方向と、他方の基板2に実装されたLED1の正面方向とは、ちょうど逆方向であり、一方の基板2に実装されたそれぞれのLED1のほぼ正面に、他方の基板2に実装されたそれぞれのLED1が位置する。
ロッドレンズ3(屈折部)は、アクリルやポリカーボネートなどの透明樹脂やガラスなどLED1が放射した光を透過する透明な材料で形成されている。ロッドレンズ3の材料の屈折率は、例えば1.4以上1.7以下である。ロッドレンズ3は、円柱状である。ロッドレンズ3の円筒面3A(側面)は、鏡面状に加工されていて、光を正透過する。ロッドレンズ3の両端面3B(底面)は、鏡面状もしくは梨地面状に加工されていて、光を正透過あるいは拡散透過する。2本のロッドレンズ3は、2枚の基板2にそれぞれ対応し、対応する基板2に近接して配置されている。ロッドレンズ3の中心軸3Cは、LED1の配置方向とほぼ平行に配置されている。ロッドレンズ3は、LED1の真正面に位置するのではなく、中心軸3Cが反射シート5側(ケース6の底面6A側)へシフトしている。すなわち、ロッドレンズ3は、LED1の光軸に対して、偏芯している。
リフレクタ4は、例えば、白色のポリカーボネートなど、光を拡散反射する樹脂によって形成されている。リフレクタ4の表面は、梨地面状もしくは鏡面状に加工されている。リフレクタ4は、基板2のLED1が実装されている面の側に配置されている。リフレクタ4には、それぞれのLED1に対応する開口4Aが設けられている。リフレクタ4は、開口4Aの出光側に、傾斜面4B・4C、内筒面4D・4E、庇4Fを備える。内筒面4D・4Eの形状は、ロッドレンズ3の円筒面3Aに沿った曲面である。傾斜面4Bは、ロッドレンズ3の円筒面3Aに接し、内筒面4Dから連続した平面である。傾斜面4Cは、ロッドレンズ3の円筒面3Aに接し、内筒面4Eから連続した平面である。傾斜面4B,4Cは、LED1の放射した光がロッドレンズ3に入射するのを遮らない位置に配置されている。傾斜面4B,4Cは、LED1が放射した光のうち、ロッドレンズ3に直接入射しない方向に放射された光を拡散反射して、ロッドレンズ3に入射させることにより、LED照明装置10の発光効率を高める。庇4F(外側遮光部)は、ロッドレンズ3の上に張り出している。ロッドレンズ3は、庇4Fと、反射シート5との間に位置する。
また、リフレクタ4は、両端に、環状部4Gが設けられている。環状部4Gは、円環状であり、内側にロッドレンズ3を保持する。なお、環状部4Gの形状は、ロッドレンズ3を保持できれば他の形状であってもよい。また、リフレクタ4を射出成形により製造できるようにするため、環状部4Gをリフレクタ4から切り離した別部材とする構成であってもよい。あるいは、リフレクタ4がロッドレンズ3を保持するのではなく、筐体7の端面7Bとロッドレンズ3の端面3Bをネジ止め等で固定するなど、他の構成によりロッドレンズ3を保持する構成であってもよい。
【0010】
ケース6は、例えば鋼板やアルミニウムなどの平面板状の部材を折り曲げてコの字形にした形状であり、底面6Aと、2つの端面6Bとを有する。端面6Bは、底面6Aの短手方向両端に位置し、底面6Aに対してほぼ垂直である。2つの端面6Bは、互いにほぼ平行である。
LED1が実装された基板2・ロッドレンズ3・リフレクタ4の3つは組であり、ケース6の左右両側にそれぞれ1組ずつ対向して配置される。基板2及びリフレクタ4は、例えば、ケース6の端面6Bにネジ止めなどにより取り付けられる。
ケース6をアルミニウムなど熱伝導率の高い材料で形成することにより、放熱板としての役割を持たせ、LED1で発生した熱を逃がす構成としてもよい。
【0011】
反射シート5は、例えば白色シートなどであり、光を高い反射率で拡散反射する。反射シート5は、ケース6の底面6Aに設置されている。反射シート5は、例えば、接着やネジ止めなどにより、ケース6に固定される。反射シート5は、長手方向Yの端部が筐体7の端面7Bに沿うように折られている。反射シート5は、ケース6と同じくコの字形をしているが、そのコの字形の方向はケース6に直交する方向である。
筐体7は、例えば直方体箱状であり、一方の面が開口している。筐体7は、LED1、基板2、ロッドレンズ3、リフレクタ4、反射シート5を搭載したケース6や、LED1を点灯する電力を供給する電源(図示省略)などを収納する。なお、ケース6の上面部分、LED照明装置10から出光される開口部10Aには、内部の汚れを防止し清掃を容易にするための透明なカバーを被せる構成であってもよい。
【0012】
次に、LED照明装置10における光線の振る舞いについて説明する。
【0013】
図3は、この実施の形態におけるLED1の放射した光がロッドレンズ3を透過する様子の一例を示す一部拡大側面視断面図である。
【0014】
LED1の発光面1Aのサイズは、例えば数mm程度である。発光面1Aの任意の点より発せられた光線群は、ロッドレンズ3がLED1に対して偏芯しているため、反射シート5の方向へ屈折する。この図では、発光面1Aの両端の2点より発せられた光線群を描いている。
【0015】
この図に示したように、ロッドレンズ3から直接開口部10Aを通過して外部へ出射される光線はほとんどない。LED1が放射した光線は、一度反射シート5で拡散反射されるため、オフィス等で作業する人からLED1が直接見えることはない。これにより、散乱光により空間を柔らかく照らす間接照明が実現される。
【0016】
図4は、比較例のLED照明装置を示す側面視断面図である。
なお、この実施の形態におけるLED照明装置10と共通する部分には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0017】
比較例として、ロッドレンズ3を設けない場合の例を示す。LED1の光が開口部10Aより直接出射しては間接照明にならないので、LED1の光を遮光するためリフレクタ4の庇4Fを長くする必要がある。このため、開口部10Aが狭くなっている。これにより、LED1が放射した光の多くが、庇4Fと傾斜面4Cおよび反射シート5の間で反射を繰り返し、減衰するので、光の取り出し効率は70%程度になる。
【0018】
これに対し、この実施の形態におけるLED照明装置10は、前述したとおり偏芯したロッドレンズ3が、LED1からロッドレンズ3へ入射した光を反射シート5の方向へ屈折させる。このため、庇4Fの部分を短くすることができ、開口部10Aを広くすることができる。これにより、庇4Fと反射シート5の間の繰り返し反射が抑えられ、85%以上の高い光の取り出し効率を得ることができる。
【0019】
なお、ロッドレンズ3は断面が円形であり、片側平面・片側凸面のシリンダーレンズよりも焦点距離が短い。焦点距離が短いということは、すなわちレンズの屈折力が高いということであり、LED1とレンズの間隔が狭くても、LED1からの光を反射シート5の方へと屈折させることができる。したがって、断面が円形のロッドレンズ3は、LED1に接するほど近くに配置することができる。このため、シリンダーレンズを用いる場合に比べ、ロッドレンズ3におけるLED1からの光の取り込み角が大きくなる。これにより、高い光の取り出し効率を実現することができる。
【0020】
なお、断面が円形のロッドレンズ3に代えて、焦点距離が短く、屈折力が高い他の形状のレンズを用いる構成であってもよい。例えば、扁平率が小さく円形に近い楕円形状の断面を持つレンズを用いる構成であってもよいし、断面が略円形の両側凸面のレンズを用いる構成であってもよい。
【0021】
以上のように、この実施の形態におけるLED照明装置10によれば、直線状に配列されたLED1の正面に、LED1の光軸に対して偏芯したロッドレンズ3を設けることにより、光の取り出し効率の高い間接照明を実現できる。
【0022】
また、この実施の形態におけるLED照明装置10は、ロッドレンズ3として、透明樹脂やガラスにより形成された丸棒材を用いるので、安価かつ簡便に製造することができる。ロッドレンズ3は断面が円形であるから回転対称形状である。したがって、シリンダーレンズなどの回転対称でないレンズと異なり、組み立て時に角度管理をする必要がない。これにより、LED照明装置10を容易に製造することができ、製造コストを低く抑えることができる。
また、光の取り出し効率が高いので、LED照明装置10に搭載されるLED1の個数が少なくても、必要な明るさを得ることができる。LED1の個数を抑えることができるので、更に製造コストを低くすることができ、省エネルギーを実現することができる。
この実施の形態におけるLED照明装置10によれば、(1)人の眼に優しい間接照明を、(2)高い光の取り出し効率で、(3)安価簡便に実現することができる。
【0023】
次に、ロッドレンズ3のLED1に対する偏芯量について説明する。
【0024】
図3に示したように、LED1からの光を反射シート5の方へ屈折させるため、ロッドレンズ3をLED1の真正面に配置するのではなく、反射シート5側へ偏芯させる。この偏芯量Δが小さすぎると、ロッドレンズ3を透過したLED1の光が直接開口部10Aを通過して外部へ出射されるので、偏芯量Δには、間接照明が実現されるための必要最小値が存在する。
【0025】
ここで、偏芯量Δは、LED1の光軸L(図3参照)と、ロッドレンズ3の中心軸3Cを通り光軸Lに平行な平面(水平面H)(図3参照)との間の距離である。また、ロッドレンズ3の直径をφ、LED1の発光面1Aの幅をd、発光面1Aからロッドレンズ3までの間隔をt、発光面1Aの反射シート5側端部から水平面Hまでの距離をsとする。なお、幅dは、反射シート5に対して垂直な方向における発光面1Aの幅(図3参照)である。反射シート5に対して水平な方向における発光面1Aの幅は、幅dと同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0026】
図3に示した実線の光線と破線の光線とを比べても分かるように、偏芯量Δの必要最小値は、発光面1Aの反射シート5側端部から発せられた光がロッドレンズ3を透過後に反射シート5の方へ進むかどうかで決まる。偏芯量Δの必要最小値は、φやtに応じて値が変化する。偏芯量Δは、Δ=s+d/2と表わすことができ、dは固定値であるから、実際はsが必要最小値を持っている。
【0027】
ロッドレンズ3の材料として屈折率1.49のアクリルを用いて、発光面1Aからロッドレンズ3までの間隔tと、ロッドレンズの直径φを変化させて、実験を行い、発光面1Aの反射シート5側の端部から水平面Hまでの距離sの必要最小値を求めた。
【0028】
図5は、実験により求めた距離sの必要最小値を表わすグラフ図である。
このように、φが大きく、あるいはtが狭くなるに伴い、sの必要最小値は、大きくなる。そして、その関係はおよそ直線的である。この図より、近似的に次の関係式(1)を得た。
【0029】
(sの必要最小値)=0.09×φ−0.56×t+0.1・・・(1)
【0030】
すなわち、以下の式(2)に表すように、偏芯量Δが、上記sの必要最小値にd/2を足した値以上であれば、LED1の光が直接開口部10Aを通過して外部へ出射されず、間接照明が実現される。
【0031】
Δ≧d/2+0.09×φ−0.56×t+0.1・・・(2)
【0032】
この式(2)を満たすよう、ロッドレンズ3のLED1に対する偏芯量Δを設定すれば、間接照明を実現することができる。
【0033】
図6は、ロッドレンズ3に入射した光が反射シート5に対して平行な方向へ出射する条件を説明するための図である。
光が入射点501でロッドレンズ3に入射する入射角511をθ、ロッドレンズ3の屈折率(空気に対する比屈折率)をn、入射点501における屈折角512をθとすると、スネルの法則より、sin(θ)=n・sin(θ)である。
ロッドレンズ3は円柱形状なので、出射点502における入射角513は、入射点501における屈折角512と等しく、θである。また、スネルの法則より、出射点502における屈折角514は、θである。
ロッドレンズ3の中心軸3Cから見た出射点502の方向と、反射シート5に平行な平面522(水平面H)とのなす角515が、出射点502における屈折角514と等しいθであれば、ロッドレンズ3が出射する光は、反射シート5に対して平行な方向へ進む。このとき、ロッドレンズ3の中心軸3Cから見た入射点501の方向と、反射シート5に平行な平面522(水平面H)とがなす角516は、2θ−θになる。
【0034】
入射点501に入射する光の入射角511がθである場合、ロッドレンズ3が出射する光は、反射シート5に対して平行な方向へ進むので、反対側のロッドレンズ3に当たり、LED照明装置10の外に直接出射されることはない。これに対して、入射点501に入射する光の入射角511がθより大きい場合、ロッドレンズ3が出射する光は、反射シート5から離れる方向へ進む。したがって、LED1の発光点が、斜線で示した領域531のなかにある場合、LED1の放射した光が、LED照明装置10の外に直接出射される可能性がある。
【0035】
図7は、出射点502の位置を変えてロッドレンズ3の出射する光が反射シート5に対して平行方向へ進むときの、入射点501における入射角511が変化する様子を説明するための図である。
上述したように、ロッドレンズ3の出射する光が反射シート5に対して平行方向へ進むときの、入射点501における入射角511は、出射点502の位置によって変化し、それに伴って、領域531も変化する。斜線で示した領域532は、領域531の和集合である。すなわち、領域532に含まれる点は、いずれかの出射点502における領域531に含まれる。LED1の発光点が領域532のなかにある場合、LED1の放射した光が、LED照明装置10の外に直接出射される可能性がある。したがって、LED1の発光点は、包絡線541よりも上側の領域に存在することが必要である。
【0036】
屈折率nが1.49の場合における包絡線541を求めると、上記した実験結果と合致する。
【0037】
屈折率nが1.45〜1.65の範囲において、包絡線541を近似する曲線Cは、例えば、次の方程式(3)〜(6)によって表わすことができる。
【0038】
C:Y=a/(X+a)+a/(X+a・・・(3)
= 0.5560−1.287(n−1.5)+1.944(n−1.5)−6.43(n−1.5)・・・(4)
=−0.1215+0.425(n−1.5)−0.374(n−1.5)+1.212(n−1.5)・・・(5)
= 0.0959−0.628(n−1.5)+1.864(n−1.5)−3.70(n−1.5)・・・(6)
ただし、Yは、距離sの必要最小値をロッドレンズ3の直径φで割った商である。Xは、距離tをロッドレンズ3の直径φで割った商である。a,a,aは、曲線Cのパラメータである。nは、ロッドレンズ3の屈折率である。
【0039】
この曲線Cを用いると、ロッドレンズ3のLED1に対する偏芯量Δが満たすべき条件は、次の式(7)で表わすことができる。
【0040】
Δ≧d/2+φ・[a/(t/φ+a)+a/(t/φ+a]・・・(7)
【0041】
図8は、LED1の発光点503が満たすべきもう一つの条件を説明するための図である。
発光点503から放射される光は、光が放射される方向と光軸Lとのなす放射角517が大きくなるほど弱くなる。そこで、LED1の配光特性に基づいて、角度θを設定する。θは、放射角517がθよりも大きい方向に光が放射されない、もしくは放射される光が弱くて無視できる角度である。
発光点503から放射角517がθで放射された光が、ロッドレンズ3により屈折して、反射シート5に対して平行な方向へ進む位置に、発光点503が存在する場合、発光点503から放射角517がθより大きい方向に放射される光は、ロッドレンズ3の球面収差により屈折して、反射シート5から離れる方向へ進み、LED照明装置10の外に直接出射される可能性がある。しかし、上述したように、発光点503から放射角517がθより大きい方向に放射される光は、存在しないか、あるいは無視できる。したがって、発光点503から放射された光は、LED照明装置10の外に直接出射されない。これに対し、発光点503が斜線で示した領域533のなかに存在する場合、発光点503から放射された光が、LED照明装置10の外に直接出射される可能性がある。したがって、発光点503は、領域533の外(図中では領域533の左上の範囲)に存在することが必要である。
【0042】
この条件からロッドレンズ3のLED1に対する偏芯量Δが満たすべき条件を導くと、次の式(8)で表わすことができる。
【0043】
(2t+φ)・sin(θ)−(2Δ−d)・cos(θ)≦φ・sin(θ)・・・(8)
【0044】
上述したように、入射点501における入射角511と、出射点502における屈折角514とは、ともにθであり、入射点501における屈折角512と、出射点502における入射角513とは、ともにθである。また、角515はθに等しく、角516は2θ−θに等しい。したがって、放射角517は、2θ−2θになる。
そこで、放射角517がθである場合に、入射点501における入射角511がθになる条件は、次の式(9)で表わすことができる。
【0045】
sin(θ)=n・sin(θ/2)/√[1+n+2n・cos(θ/2)]・・・(9)
【0046】
したがって、ロッドレンズ3のLED1に対する偏芯量Δが満たすべき条件は、次の式(10)で表わすことができる。
【0047】
Δ≧d/2+(2t+φ)・tan(θ)−φ・n・sin(θ/2)/{cos(θ)・√[1+n+2n・cos(θ/2)]}・・・(10)
【0048】
領域532にも領域533にも発光点が入らない位置にLED1を配置することにより、LED1の放射した光がLED照明装置10の外に直接出射されるのを防ぎ、反射シート5に当たって拡散反射された光による間接照明を実現することができる。
【0049】
この実施の形態におけるLED照明装置10は、LED1の正面に断面が略円形のロッドレンズ3を備える。
前記ロッドレンズ3の中心が前記LED1の光軸上になく、偏芯している。
前記ロッドレンズ3の中心が偏芯している側に、前記LED1の光を拡散反射する反射材(反射シート5)を設けている。
【0050】
これにより、高い光の取り出し効率を有する間接照明方式のLED照明装置を実現することができる。
【0051】
この実施の形態におけるLED照明装置10は、前記ロッドレンズ3の直径をφ、前記LED1の発光面1Aの幅をd、前記LED1の発光面1Aからロッドレンズ3までの間隔をt、前記ロッドレンズ3の中心(中心軸3C)を通り、前記LED1の光軸Lに平行な面をHとし、前記LED1の光軸Lと前記面Hとの距離で定義されるロッドレンズの偏芯量Δが、Δ≧d/2+0.09×φ−0.56×t+0.1の関係を満たす。
【0052】
これにより、ロッドレンズ3で屈折したLED1からの直接光が照明装置外へ出射されるのを防ぐことができる。
【0053】
実施の形態2.
実施の形態2について、図9〜図16を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0054】
図9は、この実施の形態におけるリフレクタ4の形状の一例を示す一部拡大側面視断面図である。
この実施の形態におけるリフレクタ4は、傾斜面4C(内側遮光部)が、ロッドレンズ3の円筒面3Aに接する平面ではなく、内筒面4Eとの間に、所定の角度を有する稜線(交線)が形成されている。傾斜面4Cと内筒面4Eとがなす稜線は、ロッドレンズ3の中心軸3Cと平行であり、例えば、ロッドレンズ3の中心軸3Cを通り反射シート5に平行な面(水平面H)上に位置する。
また、リフレクタ4は、庇4F(外側遮光部)の短手方向Xの先端位置が、円筒面3Aの開口部10A側の端部、すなわち円筒面3Aと水平面Hとが開口部10A側で交差する位置まで伸びている。すなわち、反射シート5に対して垂直な方向から見ると、ロッドレンズ3がほぼ完全に見えない位置まで庇4Fが張り出している。
【0055】
図10は、比較例のリフレクタ4の形状を示す一部拡大側面視断面図である。
【0056】
実施の形態1では、LED1が放射する光のうち、放射角がθより大きい方向に放射される光は、存在しない、もしくは無視できるものとして条件を設定し、LED1を配置している。しかし、LED1の配光特性によっては、θが大きく、実施の形態1で述べた式(10)が表わす条件を満たす位置にLED1を配置できない場合がある。その場合、光路Pとして示したように、ロッドレンズ3の円筒面3Aに対し浅い角度で入射し、反射シート5に対して平行な方向(水平方向)に近い浅い角度の方向で出射される光が、LED照明装置10の外部に出射する可能性がある。
また、光路Qとして示したように、ロッドレンズ3の円筒面3Aの内面側で一度反射したのち、ロッドレンズ3から出射する光も存在する。このような光は、反射シート5の垂直方向(LED照明装置10の正面方向)に近い方向へ向かって進むので、庇4Fが短いと、LED照明装置10の外部に出射する可能性がある。
【0057】
光路Pや光路Qを辿る光線は、一度も反射シート5に当たることなく、開口部10Aから外部へ出射される。光路Pや光路Qを辿る光線は、一度もリフレクタ4や反射シート5で拡散反射されていないため、LED1からの直接光と言える。このため、LED照明装置10を浅い角度から眺めた場合、円筒面3Aの下縁部に光路Pによる明るい輝点が見え、LED照明装置10を正面方向より眺めた場合、円筒面3Aの縁に光路Qによる輝点が見える場合がある。
【0058】
これに対し、この実施の形態におけるLED照明装置10では、ロッドレンズ3において、水平面Hより反射シート5側の円筒面3Aに入射する光線を、傾斜面4Cが遮光し、拡散反射することにより、LED1の放射した光が、光路Pのような光路を辿ることを防ぐ。また、庇4Fが、LED照明装置10の正面に近い方向へ出射される光路Qのような光路を辿る光線を遮光して、拡散反射する。
【0059】
このように、リフレクタ4の断面形状を、傾斜面4Cと内筒面4Eとの交点が、ロッドレンズ3の中心軸3Cを通る水平面H(平面522)上に位置し、庇4Fの短手方向Xの先端位置が、円筒面3Aと水平面Hとが開口部10A側で交差する位置まで延長した形状にすることにより、LED1からの直接光を防ぐことができる。
【0060】
図8を参照して、傾斜面4Cと内筒面4Eとの交線の位置について説明する。
【0061】
放射角517がθである方向へ向けて発光点503から放射された光がロッドレンズ3に入射する入射点501について、ロッドレンズ3の中心軸3Cから見た方向と、反射シート5に平行な平面522とのなす角516がθである場合に、ロッドレンズ3から出射する光が反射シート5に対して平行な方向へ進むとする。
発光点が領域533のなかにある場合、放射角517がθである方向へ向けて放射された光がロッドレンズ3に入射する入射点は、入射点501よりも下になり、ロッドレンズ3の中心軸3Cから入射点を見た方向と、反射シート5に平行な平面522とがなす角は、θよりも大きくなる。その場合、放射角517がθである方向へ向けて放射された光は、反射シート5から離れる方向へ向けて、ロッドレンズ3から出射される。
したがって、傾斜面4Cは、発光点が領域533のなかにある場合に、放射角517がθである方向へ向けて放射された光を遮光して、ロッドレンズ3に入射しないようにすればよい。すなわち、傾斜面4Cと内筒面4Eとがなす稜線の位置は、角516がθ以下である入射点の位置であればよい。角516はθより小さくても構わないが、遮光する必要のない光も遮光することになる。したがって、傾斜面4Cと内筒面4Eとがなす稜線の位置が、角516がθである入射点の位置である構成とすれば、LED照明装置10の発光効率が最も高くなり、望ましい。
【0062】
角516は2θ−θに等しく、放射角517は2θ−2θに等しいので、放射角517をθとすると、θは、次の式(11)により求めることができる。
【0063】
θ=θ−θ・・・(11)
ただし、θは、実施の形態1で説明した式(9)により求めた値である。
【0064】
図11は、式(11)より求めたθとθとの関係を示すグラフ図である。
横軸は、θ[度]を表わす。縦軸は、θ[度]を表わす。nは、ロッドレンズ3の屈折率である。
この図に示すように、必要なθは、ロッドレンズ3の屈折率nや、LED1の配光特性によって定まる角度θによって変化する。ロッドレンズ3の屈折率nが大きいほど、必要なθは小さくなる。すなわち、傾斜面4Cが遮光する光を多くする必要がある。また、θが大きいほど、必要なθは小さくなる。例えば、ロッドレンズ3の屈折率が1.49で、θが83度である場合、必要なθは、約0度である。すなわち、傾斜面4Cと内筒面4Eとがなす稜線は、ロッドレンズ3の中心軸3Cから見て、反射シート5に対してほぼ平行な方向にあればよい。
【0065】
図12は、ロッドレンズ3の内側で一回反射してから出射される光の光路を説明するための図である。
発光点503から放射された光が、入射点501でロッドレンズ3に入射して屈折し、反射点504で反射して、出射点502で屈折して出射し、照射点505で庇4Fに当たったとする。
反射点504における入射角518及び反射角519と、出射点502における入射角513は、入射点501における屈折角512と等しい。
また、出射点502における屈折角514は、入射点501における入射角511と等しい。
【0066】
入射点501における入射角511をθ、スネルの法則により定まる入射点501における屈折角512をθとする。ロッドレンズ3の中心軸3Cから見た入射点501の方向と反射シート5に対して平行な平面522とがなす角516をθ’、ロッドレンズ3の中心軸3Cから見た出射点502の方向と反射シート5に対して平行な平面522とがなす角515をθ’、とすると、4θ+θ’+θ’=180°である。発光点503から光が放射される方向と反射シート5に対して平行な光軸Lとがなす放射角517は、θ+θ’と等しい。また、照射点505に当たった光が来る方向と反射シート5に対して平行な方向とがなす照射角520は、θ+θ’と等しい。
【0067】
庇4Fの内側(ロッドレンズ3に近い側)の面が、反射シート5に対して平行で、ロッドレンズ3の中心軸3Cから見て反射シート5に対して垂直な位置(接線506)でロッドレンズ3の円筒面3Aに接している場合、照射点505と接線506との間の距離521は、次の式(12)で表わすことができる。
【0068】
x=φ/2・cos(θ’)+φ/2・[1−sin(θ’)]/tan(θ+θ’)・・・(12)
ただし、xは、照射点505と接線506との間の距離521を表わす。
【0069】
図13は、図12において、放射角517を変えずに入射点501の位置を変化させた場合に照射点505の位置が変化する様子を説明するための図である。
この図に示したように、入射点501の位置により、照射点505の位置は変化する。距離521が最大になる角516が存在する。
【0070】
図14は、放射角517と距離521との関係の一例を示す図である。
横軸θ’は、放射角517を示す。縦軸xMAX/φは、距離521の最大値をロッドレンズ3の直径φで割った商を示す。nは、ロッドレンズ3の屈折率である。
この図に示したように、ロッドレンズ3の屈折率nによって、距離521の最大値は変化するが、いずれの場合も、放射角517が大きくなるほど距離521の最大値が大きくなる。したがって、LED1の配光特性によって定まる放射角517の最大値(それより大きい角度方向へは光が放射されないか、あるいは、無視できるほど弱い角度)について、距離521の最大値を求め、庇4Fをそれよりも長くすれば、LED1の位置にかかわらず、ロッドレンズ3の内側で一回反射した光が、LED照明装置10の外部に出射するのを防ぐことができる。
なお、放射角517の最大値は、実施の形態1で説明したθと同じ値であってもよいが、ロッドレンズ3の内側で一回反射する分、光が弱くなるので、実施の形態1で説明したθよりも小さい値であってもよい。
例えば、ロッドレンズ3の屈折率nが1.49、放射角517の最大値が75°である場合、距離521の最大値は、ロッドレンズ3の直径φの約半分になる。したがって、庇4Fの先端と接線506との間の距離を、ロッドレンズ3の半径φ/2と等しく設定すればよい。
【0071】
また、上述したように、距離521は、放射角517が同じでも、入射点501の位置が変わると変化する。したがって、LED1の発光点503の位置によっては、庇4Fの長さをそれより短く設定してもよい。
【0072】
図15は、距離521が一定になる放射角517と入射点501の位置との関係の一例を示す図である。
横軸θ’は、放射角517を示す。縦軸θ’は、ロッドレンズ3の中心軸3Cから見た入射点501の方向と反射シート5に平行な平面522とがなす角516を示す。nは、ロッドレンズ3の屈折率である。
曲線は、距離521がロッドレンズ3の半径φ/2と等しくなる、LED1の放射角517と角516との関係を示す。放射角517が大きいほど距離521は大きくなるから、この曲線より左側の領域では、距離521がロッドレンズ3の半径φ/2より小さく、右側の領域では、距離521がロッドレンズ3の半径φ/2より大きい。
例えば、ロッドレンズ3の屈折率nが1.49、LED1の放射角517の最大値が80°である場合、斜線で示した範囲551に入る放射角517と入射点501の位置との組み合わせに相当する光が、ロッドレンズ3に入射しない位置にLED1の発光点503があれば、距離521の最大値は、ロッドレンズ3の半径φ/2より短くなる。
【0073】
図16は、LED1の発光点503の位置が満たすべき条件を説明するための図である。
包絡線542と直線543とに挟まれた領域534は、図15の範囲551に相当する領域である。領域534のなかに発光点503が存在すると、照射点505が庇4Fの先端より先になり、LED照明装置10の外部に直接光が出射する可能性がある。
したがって、LED1の発光点503は、領域534の外にある必要がある。
【0074】
この図には、実施の形態1で説明した領域532を、合わせて示している。領域532も領域534と同様、LED1の発光点503が領域532のなかに存在すると、LED照明装置10の外部に直接光が出射する可能性がある領域である。
したがって、LED1は、例えば二点鎖線で示したように、発光点503が、領域532にも領域534にも入らない位置に配置する。
【0075】
この実施の形態におけるLED照明装置10は、前記LED1に対応する開口を有すリフレクタ4を備える。
前記リフレクタ4は、前記開口より前記ロッドレンズ3側に向かって、前記反射材(反射シート5)側に傾斜面4Cと前記ロッドレンズ3の円筒面3Aにならう内筒面4Eを有する。
前記傾斜面4Cから前記内筒面4Eへ切り替わる前記傾斜面4Cと前記内筒面4Eの交線(稜線)が、前記面H上もしくは前記面Hより前記LED1の光軸L側にある。
【0076】
これにより、照明装置から浅い角度で出射される直接光を遮光することができる。
【0077】
前記リフレクタ4は、前記ロッドレンズ3を間にして前記反射材(反射シート5)の反対側に庇4Fを備える。
前記庇4Fの前記LED1とは反対側の先端が、前記ロッドレンズ3の円筒面3Aと前記面Hとが交差する位置、もしくはその位置よりさらに前記LED1の反対側にある。
【0078】
これにより、照明装置から略正面方向に出射される直接光を遮光することができる。
【0079】
実施の形態3.
実施の形態3について、図17〜図24を用いて説明する。
なお、実施の形態1及び実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
この実施の形態におけるLED照明装置10の構造(リフレクタ4の形状)は、実施の形態2で説明したものと同様である。
この実施の形態では、ロッドレンズ3の中心軸3Cと反射シート5の表面との間の距離Dの最適値について説明する。
【0080】
実験により、LED照明装置10の光の取り出し効率を測定した。実験に用いたLED照明装置10は、LED1の発光面1Aの幅dが4.3mm、対向するLED1の間の距離W(図2参照)が128mmである。傾斜面4Cと内筒面4Eとがなす稜線は、ロッドレンズ3の中心軸3Cから見て、反射シート5に対して平行な方向に位置する。庇4Fの先端は、ロッドレンズ3の円筒面3Aとの接線506から、ロッドレンズ3の半径φ/2の位置にある。ロッドレンズ3の屈折率nは、1.49である。LED1の発光面1Aからロッドレンズ3までの間隔tは、1mmである。
ロッドレンズ3は、直径φが14mm、16mm、18mm、20mmの4種類を用意した。ロッドレンズ3のLED1に対する偏芯量Δは、3.5mm、4.5mm、5.5mm、6.5mmの4つの場合について実験した。ロッドレンズ3の中心軸3Cと反射シート5の表面との間の距離D(図2参照)を変化させて、LED照明装置10から出射される全光束を測定し、光の取り出し効率を求めた。
【0081】
図17は、偏芯量Δ及び距離Dと、光の取り出し効率との関係を示すグラフ図である。
横軸は、ロッドレンズ3の中心軸3Cと反射シート5の表面との間の距離Dを示す。縦軸は、LED照明装置10の光学系効率(光の取り出し効率)を示す。ロッドレンズ3の直径φは、20mmである。
【0082】
図18は、直径φ及び距離Dと、光の取り出し効率との関係を示すグラフ図である。
横軸は、ロッドレンズ3の中心軸3Cと反射シート5の表面との間の距離Dを示す。縦軸は、LED照明装置10の光学系効率(光の取り出し効率)を示す。ロッドレンズ3のLED1に対する偏芯量Δは、3.5mmである。
【0083】
この実験結果より、距離Dによって光の取り出し効率が変化すること、光の取り出し効率が最大となる距離Dが存在すること、偏芯量Δが大きくなるに伴い、光の取り出し効率が最大となる距離Dも大きくなることが分かる。また、直径φが大きくなるに伴い、光の取り出し効率が最大となる距離Dは小さくなることが分かる。すなわち、光の取り出し効率は、距離Dや偏芯量Δ、直径φに依存して変化する。
【0084】
反射シート5に当たって拡散反射する光線のうち、短手方向Xの中央近傍で反射する光線の方が、ロッドレンズ3に近い領域で反射する光線よりも、開口部10Aを通過して外部へ出射される確率が高い。したがって、LED1が放射しロッドレンズ3により屈折した光線のうち、反射シート5の短手方向Xの中央近傍に向かって進み、拡散反射される光線が多ければ、高い光の取り出し効率を得ることができる。
例えば、図3において実線の光線と破線の光線とを比べても分かるように、偏芯量Δが大きくなった場合、ロッドレンズ3により屈折した光線のより多くは、反射シート5のロッドレンズ3に近い領域に向かって進む。このため、距離Dを大きくすれば光の取り出し効率が高まるという傾向を説明できる。
また、ロッドレンズ3の直径φが大きくなった場合、ロッドレンズ3の焦点距離が長くなり、屈折力が弱まる。このため、ロッドレンズ3により屈折された光線のより多くは、反射シート5のロッドレンズ3からより遠い領域、図2において対向するロッドレンズ3に近い領域に向かって進む。このため、距離Dを小さくすれば光の取り出し効率が高まるという傾向を説明できる。
【0085】
そこで、高い光の取り出し効率を得るための簡易的な指標として、次の式(13)で表されるパラメータαを定義する。
α=(D×φ)/(Δ×W)・・・(13)
ただし、Dはロッドレンズ3の中心軸3Cと反射シート5の表面との間の距離、φはロッドレンズ3の直径、Δはロッドレンズ3のLED1に対する偏芯量、Wは対向するLED1の間の間隔を示す。
【0086】
図19は、パラメータαと、光の取り出し効率との関係を示すグラフ図である。
横軸は、上述したパラメータαを示す。縦軸は、LED照明装置10の光学系効率(光の取り出し効率)を示す。ロッドレンズ3の直径φは、20mmである。この図は、図17の横軸を、パラメータαに置き換えたものである。
【0087】
図20は、パラメータαと、光の取り出し効率との関係を示すグラフ図である。
横軸は、上述したパラメータαを示す。縦軸は、LED照明装置10の光学系効率(光の取り出し効率)を示す。ロッドレンズ3のLED1に対する偏芯量Δは、3.5mmである。この図は、図18の横軸を、パラメータαに置き換えたものである。
【0088】
図19及び図20より、パラメータαがおよそ下記の式(14)で示す範囲にある場合、高い光の取り出し効率が得られることが分かる。
0.35<α<0.7・・・(14)
【0089】
このように、簡易的な指標として定義したパラメータαが、この推奨範囲に入るようにすることにより、高い光の取り出し効率を得ることができる。
【0090】
図21は、反射シート5における反射点562と、光の取り出し効率との関係を説明するための図である。
【0091】
開口部10Aの短手方向Xの幅をω、開口部10Aと反射シート5との間の距離をhとすると、反射シート5上のある反射点562において反射した光が、開口部10AからLED照明装置10の外へ直接出射する条件は、次の式(15)で表わされる。
−(ω/2−χ)/h≦tanθ≦(ω/2+χ)/h・・・(15)
ただし、χは、反射シート5上における、開口部10Aを短手方向Xに二分する中心面561から反射点562までの距離である。θは、反射点562において反射した光の方向と、短手方向Xに垂直な平面とがなす角の角度である。
【0092】
すなわち、反射点562が反射シート5の中心軸に近いほど(χの絶対値が小さいほど)、反射点562で反射した光のうち、開口部10AからLED照明装置10の外へ直接出射する光が多くなる。また、開口部10Aと反射シート5との間の距離hが小さいほど、反射点562で反射した光のうち、開口部10AからLED照明装置10の外へ直接出射する光が多くなる。
【0093】
反射シート5が完全拡散の反射面であると仮定すると、θ方向に反射する光の強さは、余弦cosθに比例する。したがって、反射点で反射した光のうち、開口部10AからLED照明装置10の外へ直接出射する光の割合は、{(ω/2+χ)/√[h+(ω/2+χ)]+(ω/2−χ)/√[h+(ω/2−χ)]}/2である。
χが−ω/2以上ω/2以下である範囲についてこれを平均すると、[√(h+ω)−h]/ωとなる。
【0094】
したがって、距離h(距離D)が小さいほど、光の取り出し効率が高くなる。ただし、上述したように、距離Dが小さすぎると、ロッドレンズ3から出射した光がロッドレンズ3に近い位置で反射シート5に反射する(すなわち、χの絶対値が大きくなる)ので、逆に、光の取り出し効率が低くなる場合がある。
【0095】
図22は、LED照明装置10の構造の別の例を示す側面視断面図である。
この例において、リフレクタ4は、ロッドレンズ3と反射シート5との間の部分に、傾斜面4Hを有する。傾斜面4Hは、光を拡散反射する。傾斜面4Hは、法線が開口部10Aの中央に近い方向へ向いている。これにより、ロッドレンズ3から反射シート5に対して垂直に近い方向に出射された光が、傾斜面4Hにおいて拡散反射し、そのうちの多くの光が、開口部10AからLED照明装置10の外へ出射する。なお、傾斜面4Hは、平面であってもよいし、円筒面のように湾曲した曲面であってもよい。
【0096】
図23は、LED照明装置10の構造の更に別の例を示す側面視断面図である。
この例において、反射シート5は、ロッドレンズ3に近い位置に、内側に向かう湾曲を持たせた曲面形状である。反射シート5の湾曲した部分が、上述した例における傾斜面4Hと同様の役割を果たす。なお、反射シート5は、複数の平面を組み合わせた形状であってもよい。
【0097】
図24は、LED照明装置10の構造のまた更に別の例を示す側面視断面図である。
この例において、リフレクタ4は、内側に湾曲した曲面形状の傾斜面4Hを有する。反射シート5は、中央付近が膨らんだ曲面形状である。これにより、反射シート5の中央付近で拡散反射した光は、反射点と開口部10Aとの間の距離が短いので、そのうちの多くの光が、開口部10AからLED照明装置10の外へ出射する。
【0098】
この実施の形態におけるLED照明装置10は、前記LED1と偏芯したロッドレンズ3との組と対称を成し、かつLED1同士が対向するように配置された、LED1と偏芯したロッドレンズ3の組をもう一組備える。
前記対向するLED1同士の間隔をW、前記面Hと前記反射材(反射シート5)との距離をDとし、前記ロッドレンズ3の偏芯量Δと、前記ロッドレンズ3の直径φによって、α=(D×φ)/(Δ×W)と定義されるパラメータαが、0.35<α<0.7の範囲内である。
【0099】
これにより、高い光の取り出し効率を得ることができる。
【0100】
以上、各実施の形態で説明した構成は一例であり、異なる実施の形態で説明した構成を組み合わせた構成としてもよいし、重要でない部分の構成を、他の構成で置き換えた構成としてもよい。
【0101】
以上説明した照明装置(LED照明装置10)は、光源部(基板2)と、屈折部(ロッドレンズ3)と、拡散反射部(反射シート5)とを有する。
上記光源部(2)は、所定の配置方向(長手方向Y)に並んで配置された複数の光源(LED1)を有する。
上記複数の光源(1)のそれぞれは、上記配置方向に対して略垂直な所定の放射方向を中心とする所定の範囲へ向けて光を放射する。
上記屈折部(3)は、略円柱状であり、上記光源部(2)が放射した光を屈折透過し、上記配置方向(長手方向Y)に対して略平行に配置されている。
上記拡散反射部(5)は、略平面状であり、上記屈折部(3)が屈折透過した光を拡散反射し、上記配置方向及び上記放射方向に対して略平行に配置され、上記拡散反射部(5)と上記屈折部(3)の中心軸(3C)との間の距離が、上記拡散反射部(5)と上記複数の光源(1)との間の距離よりも短い。
【0102】
これにより、屈折部は、光源部から放射された光を、拡散反射部の方へ屈折させるので、拡散反射部により拡散反射された光が、照明装置の外部へ出射され、良好な間接照明を得ることができる。
【0103】
上記照明装置(10)は、次の式を満たす。
Δ≧d/2+0.09φ−0.56t+0.1
ただし、Δは上記拡散反射部(5)と上記複数の光源(1)との間の距離から上記拡散反射部(5)と上記屈折部(3)の中心軸(3C)との間の距離を差し引いた差(偏芯量)、dは上記複数の光源(1)それぞれの発光面の幅、φは上記屈折部(3)の上記中心軸(3C)に対して垂直な断面の直径、tは上記複数の光源(1)を通り上記放射方向に対して垂直な平面と上記屈折部(3)との間の距離を表わす。
【0104】
これにより、光源部から放射された光のうち、拡散反射部から離れる方向へ向けて放射された光が、屈折部により屈折し、LED照明装置10の外部へ直接放射されるのを防ぐことができる。
【0105】
上記照明装置(10)は、更に、第二の光源部(2)と、第二の屈折部(3)とを有する。
上記第二の光源部(2)と上記第二の屈折部(3)とは、上記光源部(2)と上記屈折部(3)とに対して、上記屈折部(3)と上記第二の屈折部(3)とを内にして略対向に配置されている。
上記第二の光源部(2)は、上記光源部(2)に対して上記放射方向に位置し、上記配置方向(長手方向Y)に並んで配置された複数の第二の光源(1)を有する。
上記複数の第二の光源(1)のそれぞれは、上記放射方向と略反対の方向を中心とする所定の範囲へ向けて光を放射する。
上記第二の屈折部(3)は、略円柱状であり、上記第二の光源部(2)が放射した光を屈折透過し、上記配置方向(長手方向Y)に対して略平行に配置され、上記第二の屈折部(3)の中心軸(3C)と上記拡散反射部(5)との間の距離が上記複数の第二の光源(1)と上記拡散反射部(5)との間の距離よりも短い。
【0106】
これにより、第二の屈折部は、第二の光源部から放射された光を、拡散反射部の方へ屈折させるので、拡散反射部により拡散反射された光が、照明装置の外部へ出射され、良好な間接照明を得ることができる。2つの光源部に対して、拡散反射部が1つでよいので、意匠性のよい照明装置を低コストで製造することができる。
【0107】
上記照明装置(10)は、上記光源部(2)及び上記屈折部(3)と、上記第二の光源部(2)及び上記第二の屈折部(3)とが面対称に配置されている。
【0108】
これにより、拡散反射部の明るさが、光源部からの距離にかかわらず、平均化する。
【0109】
上記照明装置(10)は、次の式を満たす。
0.35<D・φ/(Δ・W)<0.7
0.35<D・φ/(Δ・W)<0.7
ただし、Dは上記拡散反射部(5)と上記屈折部(3)の中心軸(3C)との間の距離(D)、Dは上記拡散反射部(5)と上記第二の屈折部(3)の中心軸(3C)との間の距離(D)、φは上記屈折部(3)の上記中心軸(3C)に対して垂直な断面の直径、φは上記第二の屈折部(3)の上記中心軸(3C)に対して垂直な断面の直径、Δは上記拡散反射部(5)と上記複数の光源(1)との間の距離から上記距離Dを差し引いた差(偏芯量Δ)、Δは上記拡散反射部(5)と上記第二の複数の光源(1)との間の距離から上記距離Dを差し引いた差(偏芯量Δ)、Wは上記複数の光源(1)と上記複数の第二の光源(1)との間の距離を表わす。
【0110】
これにより、照明装置の光の取り出し効率を高くすることができる。
【0111】
上記照明装置(10)は、更に、内側遮光部(傾斜面4C)を有する。
上記内側遮光部(4C)は、上記複数の光源(1)を通り上記放射方向に対して垂直な平面と上記屈折部(3)との間に配置され、上記複数の光源(1)が放射した光のうち、上記屈折部(3)の中心軸(3C)を通り上記拡散反射部(5)に対して平行な平面(522)よりも上記拡散反射部(5)に近い位置で上記屈折部(3)に入射する方向へ放射された光を遮る。
【0112】
これにより、光源部から放射された光のうち、拡散反射部に近づく方向へ向けて放射された光が、屈折部により屈折し、LED照明装置10の外部へ直接放射されるのを防ぐことができる。
【0113】
上記内側遮光部(4C)は、遮った光を反射する。
【0114】
これにより、内側遮光部が遮った光を有効に利用して、照明装置の光の取り出し効率を高めることができる。
【0115】
上記照明装置(10)は、更に、外側遮光部(庇4Fの内側)を有する。
上記外側遮光部(4F)は、略平面状であり、上記拡散反射部(5)に対して略平行であり、上記屈折部(3)を間にして上記拡散反射部(5)に対向する位置に配置され、上記屈折部(3)から上記拡散反射部(5)に対して略垂直な方向へ放射された光を遮る。
【0116】
これにより、光源部から放射された光が、屈折部の内側で一回反射して、照明装置の外へ直接出射するのを防ぐことができる。
【0117】
上記外側遮光部(4F)の先端は、上記屈折部(3)の中心軸(3C)から見て上記放射方向に位置する上記屈折部(3)の表面に対し、上記拡散反射部(5)に対して略垂直な方向に位置する。
【0118】
これにより、光源部から放射され屈折部の内側で一回反射した光が照明装置の外へ直接出射するのを、効率よく防ぐことができる。
【0119】
上記外側遮光部(4F)は、遮った光を反射する。
【0120】
これにより、外側遮光部が遮った光を有効に利用して、照明装置の光の取り出し効率を高めることができる。
【符号の説明】
【0121】
1 LED、1A 発光面、2 基板、3 ロッドレンズ、3A 円筒面、3B 端面、3C 中心軸、4 リフレクタ、4A 開口、4B,4C,4H 傾斜面、4D,4E 内筒面、4F 庇、4G 環状部、5 反射シート、6 ケース、6A 底面、6B 端面、7 筐体、7B 端面、10 LED照明装置、10A 開口部、501 入射点、502 出射点、503 発光点、504,562 反射点、505 照射点、506 接線、511,513,518 入射角、512,514 屈折角、515,516 角、517 放射角、519 反射角、520 照射角、521 距離、522 平面、531,532,533,534 領域、541,542 包絡線、543 直線、551 範囲、561 中心面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部と、屈折部と、拡散反射部とを有し、
上記光源部は、所定の配置方向に並んで配置された複数の光源を有し、
上記複数の光源のそれぞれは、上記配置方向に対して略垂直な所定の放射方向を中心とする所定の範囲へ向けて光を放射し、
上記屈折部は、略円柱状であり、上記光源部が放射した光を屈折透過し、上記配置方向に対して略平行に配置され、
上記拡散反射部は、略平面状であり、上記屈折部が屈折透過した光を拡散反射し、上記配置方向及び上記放射方向に対して略平行に配置され、上記拡散反射部と上記屈折部の中心軸との間の距離が、上記拡散反射部と上記複数の光源との間の距離よりも短いことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
次の式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
Δ≧d/2+0.09φ−0.56t+0.1
ただし、Δは上記拡散反射部と上記複数の光源との間の距離から上記拡散反射部と上記屈折部の中心軸との間の距離を差し引いた差、dは上記複数の光源それぞれの発光面の幅、φは上記屈折部の上記中心軸に対して垂直な断面の直径、tは上記複数の光源を通り上記放射方向に対して垂直な平面と上記屈折部との間の距離を表わす。
【請求項3】
上記照明装置は、更に、第二の光源部と、第二の屈折部とを有し、
上記第二の光源部と上記第二の屈折部とは、上記光源部と上記屈折部とに対して、上記屈折部と上記第二の屈折部とを内にして略対向に配置され、
上記第二の光源部は、上記光源部に対して上記放射方向に位置し、上記配置方向に並んで配置された複数の第二の光源を有し、
上記複数の第二の光源のそれぞれは、上記放射方向と略反対の方向を中心とする所定の範囲へ向けて光を放射し、
上記第二の屈折部は、略円柱状であり、上記第二の光源部が放射した光を屈折透過し、上記配置方向に対して略平行に配置され、上記第二の屈折部の中心軸と上記拡散反射部との間の距離が上記複数の第二の光源と上記拡散反射部との間の距離よりも短いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
上記光源部及び上記屈折部と、上記第二の光源部及び上記第二の屈折部とが面対称に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
次の式のうち少なくともいずれかを満たすことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の照明装置。
0.35<D・φ/(Δ・W)<0.7
0.35<D・φ/(Δ・W)<0.7
ただし、Dは上記拡散反射部と上記屈折部の中心軸との間の距離、Dは上記拡散反射部と上記第二の屈折部の中心軸との間の距離、φは上記屈折部の上記中心軸に対して垂直な断面の直径、φは上記第二の屈折部の上記中心軸に対して垂直な断面の直径、Δは上記拡散反射部と上記複数の光源との間の距離から上記距離Dを差し引いた差、Δは上記拡散反射部と上記第二の複数の光源との間の距離から上記距離Dを差し引いた差、Wは上記複数の光源と上記複数の第二の光源との間の距離を表わす。
【請求項6】
上記照明装置は、更に、内側遮光部を有し、
上記内側遮光部は、上記複数の光源を通り上記放射方向に対して垂直な平面と上記屈折部との間に配置され、上記複数の光源が放射した光のうち、上記屈折部の中心軸を通り上記拡散反射部に対して平行な平面よりも上記拡散反射部に近い位置で上記屈折部に入射する方向へ放射された光を遮ることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の照明装置。
【請求項7】
上記内側遮光部は、遮った光を反射することを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
上記照明装置は、更に、外側遮光部を有し、
上記外側遮光部は、略平面状であり、上記拡散反射部に対して略平行であり、上記屈折部を間にして上記拡散反射部に対向する位置に配置され、上記屈折部から上記拡散反射部に対して略垂直な方向へ放射された光を遮ることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の照明装置。
【請求項9】
上記外側遮光部の先端は、上記屈折部の中心軸から見て上記放射方向に位置する上記屈折部の表面に対し、上記拡散反射部に対して略垂直な方向に位置することを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
上記外側遮光部は、遮った光を反射することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−119094(P2012−119094A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265565(P2010−265565)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】