説明

照明装置

【課題】LEDモジュール側の要求に電源部が適切に対応することができる照明装置を提供する。
【解決手段】主電源部141と、発光ダイオード9,12と、前記主電源部141から電力の供給を受けるための電源端子と、異常状態を検出して自己の状態情報として出力する異常状態検出部とを有する少なくとも1個のLEDモジュール2,3と、前記LEDモジュール2,3が着脱可能に設けられ、前記LEDモジュール2,3の電源端子を前記主電源部141に接続するソケット1と、前記異常状態検出部からの自己の状態情報に基づいて、前記主電源部141の出力を調整する出力調整部143とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)を光源として使用した照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、照明装置の光源として発光ダイオードを使用したものが多く用いられるようになっている。
【0003】
ところで、従来、発光ダイオードを光源として用いた照明装置には、特許文献1に開示されるように、基板上に複数の発光ダイオードを実装してモジュール化した、いわゆるLEDモジュールを発光部として使用し、このようなLEDモジュールを要求される明るさに応じて複数個並列に接続して電源部より電力を供給するようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−253364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このような特許文献1のものは、並列接続されるLEDモジュールの個数が固定され、電源部もこれらLEDモジュールの個数に応じた電力を供給するようにしており、例えば、周囲の明るさに応じてLEDモジュールの並列個数を変更して使用するなどについて全く考慮されていない。このため、電源部に並列接続されるLEDモジュールのうちの一つが外されると、接続されている他のLEDモジュールに電源部より過電流が流れることがあり、この過電流によりLEDモジュールで異常発熱が発生し、発光ダイオードを破損してしまうというという問題があった。つまり、LEDモジュール側の要求に対して電源部側で適切に対応するという考えは存在していない。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、LEDモジュール側の要求に電源部が適切に対応することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、主電源部と;発光ダイオードと、前記主電源部から電力の供給を受けるための電源端子と、異常状態を検出して自己の状態情報として出力する異常状態検出部とを有する少なくとも1個のLEDモジュールと;前記LEDモジュールが着脱可能に設けられ、前記LEDモジュールの電源端子を前記主電源部に接続するソケットと;前記異常状態検出部からの自己の状態情報に基づいて、前記主電源部の出力を調整する出力調整部と;を具備したことを特徴とする。
【0008】
ここで、LEDモジュールの自己の状態情報とは、LEDモジュールの電源部への接続状態、最適な動作に必要とする電流情報、発光ダイオードの明るさ情報、LEDモジュール内の発熱情報、LEDモジュールの通電時間の積算値などが含まれる。また、主電源部の出力の調整には、主電源部の出力の停止も含まれる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記異常状態検出部は、前記LEDモジュールの発熱を検出する熱検出手段を有することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記LEDモジュールは、自己の状態情報として最適な動作に必要とする電流又は電流情報を記憶する記憶手段をさらに備え、前記出力調整部は、前記記憶手段により読み出される電流又は電流情報に基づいて前記主電源部の出力を調整することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記LEDモジュールは、自己の状態情報として前記発光ダイオードの明るさを検出する明るさ検出手段をさらに備え、前記出力調整部は、前記明るさ検出手段の検出信号に基づいて前記主電源部の出力を調整することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記LEDモジュールは、自己の状態情報として該LEDモジュールの通電時間を計測する通電時間計測手段をさらに備え、前記出力調整部は、前記通電時間計測手段の検出信号に基づいて前記主電源部の出力を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、LEDモジュール側の要求に電源部が適切に対応することができる照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態の概略構成を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の概略構成を示す図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の概略構成を示す図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の概略構成を示す図。
【図5】本発明の第5の実施の形態の概略構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
(第1の実施の形態)
【0016】
図1において、1はモジュールソケットで、このモジュールソケット1には、複数(図示例では2個)のLEDモジュール2、3が着脱可能に設けられている。また、モジュールソケット1には、正側電源線4及び負側電源線5が配置され、正側電源線4には、正極端子4a、4b、負側電源線5には、負極端子5a、5bがそれぞれ接続されている。正極端子4aと負極端子5aは、LEDモジュール2がモジュールソケット1に装着された状態で、LEDモジュール2の電源端子2a、2bと電気的に接続され、正極端子4bと負極端子5bは、LEDモジュール3がモジュールソケット1に装着された状態で、LEDモジュール3の電源端子3a、3bと電気的に接続される。
【0017】
また、モジュールソケット1には、信号線6、7が配置され、これら信号線6、7には、信号端子6a、7aが接続されている。信号端子6aは、LEDモジュール2がモジュールソケット1に装着された状態で、LEDモジュール2の信号端子2cと接続され、信号端子7aは、LEDモジュール3がモジュールソケット1に装着された状態で、LEDモジュール3の信号端子3cと接続される。
【0018】
LEDモジュール2は、電源端子2a、2bの間に定電流回路8と複数の発光ダイオードを直列接続した発光ダイオード群9との直列回路が接続されている。定電流回路8は、発光ダイオード群9を流れる電流の変動に応じて導通制御される不図示の電流制御素子を有し、この電流制御素子の動作により発光ダイオード群9に常に一定の電流を供給する。発光ダイオード群9は、定電流回路8により一定制御される電流により点灯される。
【0019】
また、LEDモジュール2には、マイコンなどで構成される接続状態検出部10が設けられている。この接続状態検出部10は、自己の状態情報としてLEDモジュール2がモジュールソケット1に装着されているか否かを検出するもので、モジュールソケット1に装着されている状態で、検出信号を信号端子2cに出力する。この場合、接続状態検出部10は、例えば、LEDモジュール2がモジュールソケット1に装着された状態で、後述する電源部14からの給電を検出し、この検出信号を信号端子2cに出力する。
【0020】
LEDモジュール3には、定電流回路11、発光ダイオード群12及び接続状態検出部13が設けられている。これら定電流回路11、発光ダイオード群12及び接続状態検出部13については、上述の定電流回路8、発光ダイオード群9及び接続状態検出部10と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0021】
このようなモジュールソケット1には、電源部14が接続されている。この電源部14は、主電源部141、接続監視部142及び出力調整部143を有している。主電源部141は、周知の定電流電源からなるもので、交流電源15が接続され、この交流電源15より供給される交流電力より一定電流の直流出力を発生し、前記モジュールソケット1の正側電源線4及び負側電源線5を介して各LEDモジュール2、3に供給する。この場合、主電源部141は、2つのLEDモジュール2、3に同時に定電流を供給可能な出力容量を有している。接続監視部142は、状態検出手段を構成し、LEDモジュール2、3の接続状態検出部10、13の検出信号によりモジュールソケット1へのLEDモジュール2、3の装着の有無を判断する。この場合、接続監視部142は、例えば、LEDモジュール2(3)が電源部14より給電状態であるにもかかわらず接続状態検出部10(13)より検出信号が出力されない場合、LEDモジュール2(3)が装着されていないと判断する。出力調整部143は、接続監視部142で判断されたLEDモジュール2、3の装着個数に応じて主電源部141の出力を調整する。この場合、出力調整部143は、LEDモジュール2、3のいずれも装着されている場合、これら2個のLEDモジュール2、3に見合った出力(定電流)を発生するように主電源部141の出力調整を行い、LEDモジュール2、3のいずれか一方が取り外された場合、1個のLEDモジュール2(3)に見合った出力(定電流)を発生するように主電源部141の出力調整を行う。
【0022】
次に、このように構成された実施の形態の作用を説明する。
【0023】
まず、モジュールソケット1に2個のLEDモジュール2、3が装着されている場合、これらLEDモジュール2、3の接続状態検出部10、13は、電源部14からの給電を検出し、検出信号を信号端子2c、3cに出力する。
【0024】
この状態で、電源部14の接続監視部142は、各LEDモジュール2、3の接続状態検出部10、13の検出信号により2個のLEDモジュール2、3がモジュールソケット1に装着されていることを判断する。出力調整部143は、接続監視部142の判断により2個のLEDモジュール2、3に見合った出力(定電流)を発生するように主電源部141の出力調整を行う。これにより、このときの主電源部141の出力(定電流)がモジュールソケット1の正側電源線4及び負側電源線5を介してLEDモジュール2、3に供給され、各LEDモジュール2、3の発光ダイオード群9、12が点灯される。
【0025】
次に、モジュールソケット1に装着された2個のLEDモジュール2、3のうち、例えば、LEDモジュール3をモジュールソケット1から取り外した場合、LEDモジュール3の接続状態検出部13からの検出信号が停止する。
【0026】
この状態で、電源部14の接続監視部142は、接続状態検出部13からの検出信号の停止によりLEDモジュール3がモジュールソケット1から取り外され装着されていないことを判断し、LEDモジュール2の接続状態検出部10の検出信号のみにより1個のLEDモジュール2がモジュールソケット1に装着されていることを判断する。出力調整部143は、接続監視部142の判断により1個のLEDモジュール2に見合った出力(定電流)を発生するように主電源部141の出力調整を行う。これにより、このときの主電源部141の出力(定電流)がモジュールソケット1の正側電源線4及び負側電源線5を介してLEDモジュール2に供給され、LEDモジュール2の発光ダイオード群9が点灯される。
【0027】
したがって、このようにすれば、モジュールソケット1に装着されるLEDモジュール2、3に接続状態検出部10、13が設けられ、各LEDモジュール2、3がモジュールソケット1に装着されている状態で、電源部14の接続監視部142により接続状態検出部10、13からの検出信号を監視しモジュールソケット1に装着されるLEDモジュールの個数を判断するとともに、この個数に見合った出力(定電流)を電源部14より発生させるように主電源部141の出力調整を行うようにした。これにより、LEDモジュール2、3側の要求、つまり接続個数の変更にも電源部14が適切に対応することができ、接続個数の変更の際も、このときの個数に見合った最適な定電流がLEDモジュール2(3)に供給されるようになるので、従来の接続個数の変更によりLEDモジュールに過電流が流れ、この過電流によりLEDモジュールで異常発熱が発生し、発光ダイオードを破損してしまうような異常事態の発生を確実に回避でき、装置の安全性を高めることができる。
【0028】
なお、この実施の形態では、モジュールソケット1に装着されるLEDモジュール数としてLEDモジュール2、3の2個の例を述べたが、2個以上でも同様にして実施できる。
(変形例)
【0029】
上述した第1の実施の形態では、モジュールソケット1に装着されるLEDモジュール2、3の個数に応じて出力調整部143により主電源部141の出力を調整し、個数に合った適正な電力を供給するようにしたが、モジュールソケット1より全てのLEDモジュール2、3を取り外したような場合、無負荷状態となって出力電圧が高くなってしまう。
【0030】
そこで、この変形例では、モジュールソケット1より全てのLEDモジュール2、3を取り外した場合、接続監視部142は、LEDモジュール2、3の接続状態検出部10、13の検出信号の停止によりLEDモジュール2、3が全て取り外されたことを判断すると、出力調整部143に対し主電源部141の動作の強制停止を指示する。これにより、主電源部141の動作が強制的に停止され、無負荷状態での給電が阻止される。
【0031】
このようにすれば、無負荷状態での主電源部141の動作を強制的に停止することができるので、無負荷状態で出力電圧が高くなるようなことを防止することができる。
(第2の実施の形態)
【0032】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0033】
図2は、第2の実施の形態の概略構成を示すもので、図1と同一部分には同符号を付している。ここでは、要部のみを説明する。
【0034】
この場合、モジュールソケット1に装着されるLEDモジュール2、3には、それぞれ自己の状態情報として、例えば、最適な動作に必要とする電流情報を記憶する記憶手段としての記憶部21、22が設けられている。これら記憶部21、22の電流情報は、LEDモジュール2、3をモジュールソケット1に装着した状態で信号端子2d、3dを介して出力される。一方、電源部14には、情報監視部140が設けられている。この情報監視部140は、状態検出手段を構成し、各LEDモジュール2、3の記憶部21,22からの電流情報に基づいて出力調整部143を制御し、主電源部141の出力調整を行う。
【0035】
このようにすれば、各LEDモジュール2、3の記憶部21、22に記憶された電流情報に基づいて出力調整部143により主電源部141の出力が調整できるので、LEDモジュール2、3の動作に必要とする最適な定電流をLEDモジュール2、3に供給できる。特に、例えば、LEDモジュール2の1個のみがモジュールソケット1に装着されている場合、このLEDモジュール2が要求する大きさの定電流をLEDモジュール2に供給することができるので、LEDモジュール2を最適な条件で駆動することができる。勿論、LEDモジュール3の1個のみがモジュールソケット1に装着されている場合も同様である。
【0036】
なお、上述では、記憶部21、22に最適な動作に必要とする電流情報を記憶する例を述べたが、電圧情報であってもよい。
(第3の実施の形態)
【0037】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0038】
図3は、第3の実施の形態の概略構成を示すもので、図1と同一部分には同符号を付している。ここでも、要部のみを説明する。
【0039】
この場合、モジュールソケット1に装着されるLEDモジュール2、3には、それぞれ発光ダイオード群9、12の明るさを検出する明るさ検出手段として光センサ31,32が設けられている。これら光センサ31,32の検出信号は、自己の状態情報としてLEDモジュール2、3をモジュールソケット1に装着した状態で信号端子2e、3eを介して出力される。一方、電源部14には、信号監視部144が設けられている。この信号監視部144は、状態検出手段を構成し、各LEDモジュール2、3の光センサ31,32からの検出信号に基づいて出力調整部143を制御し、主電源部141の出力調整を行う。この場合、信号監視部144には、各種の明るさ情報を設定したテーブルが用意されていて、このテーブルから選択された明るさ情報と光センサ31,32からの検出信号を比較し、この比較結果に応じて出力調整部143を制御し、主電源部141の出力調整を行う。
【0040】
このようにすれば、各LEDモジュール2、3の光センサ31,32からの検出信号に基づいてLEDモジュール2、3による全体の明るさを、テーブルから選択された任意の明るさ情報に対応する明るさに設定することができるので、周囲環境にあった最適な照明を実現できる。この場合、テーブルを用いることなく、信号監視部144に一定の明るさ情報を設定しておけば、例えば、経年変化によりLEDモジュール2、3による全体の明るさが低下したような場合にも、一定の明るさ情報と光センサ31,32からの検出信号の比較結果に応じて出力調整部143を制御して主電源部141の出力調整を行うことにより、LEDモジュール2、3による全体の明るさを常に一定に維持することもできる。
【0041】
なお、この実施の形態では、2個のLEDモジュール2、3の例を述べたが、2個以上でも、あるいはLEDモジュール2、3のうち一方の1個の場合でも同様にして実施できる。
(第4の実施の形態)
【0042】
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
【0043】
図4は、第4の実施の形態の概略構成を示すもので、図1と同一部分には同符号を付している。ここでも、要部のみを説明する。
【0044】
この場合、モジュールソケット1に装着されるLEDモジュール2、3には、それぞれLEDモジュール2、3内の発熱を検出する熱検出手段として熱センサ41,42が設けられている。これら熱センサ41,42の検出信号は、LEDモジュール2、3をモジュールソケット1に装着した状態で、自己の状態情報として信号端子2f、3fを介して出力される。一方、電源部14には、信号監視部145が設けられている。この信号監視部145は、各LEDモジュール2、3の熱センサ41,42からの検出信号に基づいて出力調整部143を制御し、主電源部141の出力調整を行う。この場合、信号監視部145は、状態検出手段を構成し、熱センサ41、42のいずれか一方の検出信号からLEDモジュール2、3内の異常発熱を判断すると、出力調整部143に対し主電源部141の動作の強制停止を指示する。これにより、主電源部141の動作が強制的に停止され、LEDモジュール2、3内の異常発熱が阻止される。
【0045】
このようにすれば、各LEDモジュール2、3に設けられた熱センサ41,42の検出信号により主電源部141の動作を強制的に停止することができるので、LEDモジュール2、3内での異常発熱などを確実に防止できる。
【0046】
なお、この実施の形態では、2個のLEDモジュール2、3の例を述べたが、2個以上でも、あるいはLEDモジュール2、3のうち一方の1個の場合でも同様にして実施できる。
(第5の実施の形態)
【0047】
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。
【0048】
図5は、第5の実施の形態の概略構成を示すもので、ここでは、要部のみを説明する。
【0049】
この場合、モジュールソケット1に装着されるLEDモジュール2、3には、それぞれLEDモジュール2、3の通電時間を計測する通電時間計測手段として通電時間計測部51,52が設けられている。これら通電時間計測部51,52は、LEDモジュール2、3に流れる電流の通電時間を積算し、この積算値を不図示の記憶部に記憶している。また、通電時間計測部51,52には、それぞれ表示部53,54が接続されている。この表示部53,54は、通電時間計測部51,52で計測される通電時間の積算値が所定の時間に達したとき点灯し、LEDモジュール2、3の寿命をユーザに知らせる。これら表示部53,54は、発光体として発光ダイオードが用いられている。この場合、表示部53,54の表示と一緒に音を発するようにしても良い。
【0050】
また、通電時間計測部51,52で計測される通電時間の積算値は、自己の状態情報、つまり時間データとしてLEDモジュール2、3をモジュールソケット1に装着した状態で信号端子2g、3gを介して出力される。
【0051】
一方、電源部14には、時間データ監視部146が設けられている。この時間データ監視部146は、状態検出手段を構成し、通電時間計測部51,52の時間データに基づいて出力調整部143を制御し、主電源部141の出力調整を行う。この場合、時間データ監視部146は、時間データの内容、つまり、通電時間計測部51,52で計測される通電時間の積算値が所定時間に達し状態になったとき、出力調整部143に対し主電源部141の動作の強制停止を指示する。
【0052】
このようにすれば、LEDモジュール2、3を使用始めてから所定の時間経過した時点で電源部14の動作を強制的に停止させることができる。つまり、LEDモジュール2、3に用いられる発光ダイオードは、故障しない限り半永久的に点灯しつづけるといわれており、このような現状において、LEDモジュール2、3内の絶縁物の経年劣化などの設計寿命を考慮して電源部14の動作を強制的に停止させることができるので、絶縁劣化などが原因する異常発熱などを未然に防止できる。また、電源部14側についてもLEDモジュール2、3の設計寿命に合わせて動作が停止されるので、電源部14内に使用される電解コンデンサがドライアップし、異常発熱するような事態も未然に回避でき、これにより装置全体の安全性を高めことができる。
【0053】
この実施の形態でも、2個のLEDモジュール2、3の例を述べたが、2個以上でも、あるいはLEDモジュール2、3のうち一方の1個の場合でも同様にして実施できる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
【0055】
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【符号の説明】
【0056】
1…モジュールソケット
2…LEDモジュール
3…LEDモジュール
4…正側電源線
5…負側電源線
8、11…定電流回路
9、12…発光ダイオード群
10、13…接続状態検出部
14…電源部
15…交流電源
21、22…記憶部
31、32…光センサ
41、42…熱センサ
51、52…通電時間計測部
140…情報監視部
141…主電源部
142…接続監視部
143…出力調整部
144…信号監視部
145…信号監視部
146…時間データ監視部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源部と;
発光ダイオードと、前記主電源部から電力の供給を受けるための電源端子と、異常状態を検出して自己の状態情報として出力する異常状態検出部とを有する少なくとも1個のLEDモジュールと;
前記LEDモジュールが着脱可能に設けられ、前記LEDモジュールの電源端子を前記主電源部に接続するソケットと;
前記異常状態検出部からの自己の状態情報に基づいて、前記主電源部の出力を調整する出力調整部と;
を具備したことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記異常状態検出部は、前記LEDモジュールの発熱を検出する熱検出手段を有することを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記LEDモジュールは、自己の状態情報として最適な動作に必要とする電流又は電流情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記出力調整部は、前記記憶手段により読み出される電流又は電流情報に基づいて前記主電源部の出力を調整することを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【請求項4】
前記LEDモジュールは、自己の状態情報として前記発光ダイオードの明るさを検出する明るさ検出手段をさらに備え、
前記出力調整部は、前記明るさ検出手段の検出信号に基づいて前記主電源部の出力を調整することを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【請求項5】
前記LEDモジュールは、自己の状態情報として該LEDモジュールの通電時間を計測する通電時間計測手段をさらに備え、
前記出力調整部は、前記通電時間計測手段の検出信号に基づいて前記主電源部の出力を調整することを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−119336(P2012−119336A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−28007(P2012−28007)
【出願日】平成24年2月13日(2012.2.13)
【分割の表示】特願2007−184489(P2007−184489)の分割
【原出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】