説明

照明装置

【課題】可視光の中で波長が比較的近い2つの可視光を選択的に遮光するための技術を提供する。
【解決手段】照明装置は、2色LED16(第1光源、第2光源)と、模様シート18(遮光層)と、点灯制御部55(点灯制御手段)とを備えている。2色LED16は、赤色光と緑色光を出射する。模様シート18は、遮光部20と、赤色系カラーフィルタ21と、青色系カラーフィルタ22とを有する。遮光部20は、赤色光と緑色光を遮光する。赤色系カラーフィルタ21は、赤色光を透過させるためのものである。青色系カラーフィルタ22は、緑色光を透過させるためのものである。点灯制御部55は、2色LED16に赤色光又は緑色光を選択的に出射させるためのものである。そして、青色系カラーフィルタ22の分光透過率22aの重心波長は、緑色光のピーク波長を挟んで赤色光のピーク波長と反対側となるように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、特許文献1は、AV機能付きのナビゲーション装置の操作表示部を開示している。操作表示部は、透過窓を有する遮光パネルと、ロングパスフィルタ及びショートパスフィルタと、赤色発光ダイオード及び青色発光ダイオードとを備えている。
【0003】
透過窓は、「AV」と「NAVI」という文字を象っている。透過窓の「AV」の部分にはショートパスフィルタが重畳されており、「NAVI」の部分にはロングパスフィルタが重畳されている。
【0004】
この構成で、赤色発光ダイオードが赤色光(例えば、波長700nm)を出射すると、赤色光は、ショートパスフィルタ(波長が500nm以上の可視光を遮光する。)によっては遮光されるが、ロングパスフィルタ(波長が500nm未満の可視光を遮光する。)は透過する。この結果、透過窓の「NAVI」の部分が明るくなる。一方、青色発光ダイオードが青色光(例えば、波長435.8nm)を出射すると、ロングパスフィルタによっては遮光されるが、ショートパスフィルタは透過する。この結果、透過窓の「AV」の部分が明るくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−217716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の構成では、可視光の中で波長が比較的近い2つの可視光を遮光フィルタで選択的に遮光することは難しい。
【0007】
本願発明の目的は、可視光の中で波長が比較的近い2つの可視光を選択的に遮光するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明の観点によれば、照明装置は、ドミナント波長が第1波長である第1可視光を出射する第1光源と、ドミナント波長が前記第1波長と異なる第2波長である第2可視光を出射する第2光源と、前記第1可視光及び前記第2可視光を遮光する遮光部と、前記第1可視光を透過させるための第1透過部と、前記第2可視光を透過させるための第2透過部とを有する遮光層と、前記第1光源と前記第2光源を選択的に点灯させる点灯制御手段と、を備える。前記第2透過部の分光透過率の重心波長は、前記第2可視光のピーク波長を挟んで前記第1可視光のピーク波長と反対側となるように設定される。
好ましくは、前記第1透過部の分光透過率の重心波長は、前記第1可視光のピーク波長を挟んで前記第2可視光のピーク波長と反対側となるように設定される。
好ましくは、前記第1可視光の分光分布と、前記第2可視光の分光分布は、一部重複している。
本願発明の他の観点によれば、照明装置は、ドミナント波長が第1波長である第1可視光を出射する第1光源と、ドミナント波長が前記第1波長と異なる第2波長である第2可視光を出射する第2光源と、前記第1可視光及び前記第2可視光を遮光する遮光部と、前記第1可視光を透過させるための第1透過部と、前記第2可視光を透過させるための第2透過部とを有する遮光層と、前記第1光源と前記第2光源を選択的に点灯させる点灯制御手段と、を備える。前記第1可視光の分光分布と、前記第2可視光の分光分布は、一部重複している。前記第2透過部の透過波長域は、前記第1可視光の分光波長域に対して重複しないように設定される。
好ましくは、前記第1透過部の透過波長域は、前記第2可視光の分光波長域に対して重複しないように設定される。
好ましくは、前記遮光層は、スモークフィルタで覆われている。
好ましくは、前記遮光層は、シート状に形成されている。
好ましくは、前記第1波長は、600〜750nmの赤色帯域内である。
好ましくは、前記第2波長は、500〜575nmの緑色帯域内である。
好ましくは、前記第2透過部の分光透過率の重心波長は、450〜510nmの青色帯域内である。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によれば、前記第1光源から出射される前記第1可視光のうち波長が前記第2可視光のピーク波長に近い成分が、前記第2透過部を透過してしまうのを抑制することができる。従って、可視光の中で波長(ドミナント波長)が比較的近い2つの可視光であっても選択的に遮光できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、車載用AV機器のユーザーインターフェースの分解斜視図である。
【図2】図2は、通話ボタンの分解斜視図である。
【図3】図3は、遮光シートの正面図である。
【図4】図4は、各LEDの発光特性と各カラーフィルターの透過特性を示すグラフであって、緑色光出射時をイメージしたものである。
【図5】図5は、各LEDの発光特性と各カラーフィルターの透過特性を示すグラフであって、赤色光出射時をイメージしたものである。
【図6】図6は、ユーザーインターフェースの制御部のブロック図である。
【図7】図7は、ユーザーインターフェースの制御部の制御フローである。
【図8】図8は、各LEDの発光特性と各カラーフィルターの透過特性を示すグラフであって、赤色光出射時をイメージしたものである(比較例)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1〜図6を参照して、車載用AV機器のユーザーインターフェース1の構成を説明する。
【0012】
(ユーザーインターフェース1)
図1に示すようにユーザーインターフェース1は、車室側から順に、パネル部2、カバー3、液晶パネル4、拡散シート5、導光板6、ホルダー7、配線基板8、裏蓋9によって構成されている。ユーザーインターフェース1は、更に、図6に示す制御部50を備えている。
【0013】
パネル部2は、車室側に露出する部分である。パネル部2は、液晶表示用窓10や、図2に示す通話ボタン11のキートップ12(スモークフィルタ)、音量調整用ツマミ13等を備えている。
【0014】
カバー3は、ホルダー7に収容された液晶パネル4や拡散シート5、導光板6をホルダー7に対して固定する。
【0015】
液晶パネル4は、透過型液晶パネルである。
【0016】
拡散シート5は、光を散乱又は拡散させる半透明なシートである。
【0017】
導光板6は、透明のプラスチック等の樹脂やガラスなどの透光材料からなり、略四角形板状に形成されている。
【0018】
ホルダー7は、液晶パネル4と拡散シート5と導光板6を収容する。
【0019】
配線基板8には、図1及び図2に示すように、液晶パネル4の光源である複数のLED14や音量調整用ボリューム15、通話ボタン11の光源である2色LED16(第1光源、第2光源)及びモーメンタリスイッチ17(自動復帰型スイッチ)が設けられている。
【0020】
ホルダー7は、配線基板8に対して両面テープで固定される。液晶パネル4と拡散シート5と導光板6は、ホルダー7に収容される。カバー3は、ホルダー7に対してフックで固定される。そして、パネル部2は、配線基板8等を挟みつつ裏蓋9に対してネジで固定される。
【0021】
(通話ボタン11)
図2に示すように通話ボタン11は、キートップ12、模様シート18(遮光層、遮光シート)、シートホルダ19、2色LED16、モーメンタリスイッチ17によって構成されている。
【0022】
キートップ12は、配線基板8に対して直交する方向に進退自在となるように図1のパネル部2に支持されている。キートップ12は、可視光透過率が低い黒色系の透明樹脂によって構成されている。キートップ12の可視光透過率は、例えば40〜60%に設定される。
【0023】
模様シート18は、着色された樹脂シートであって、キートップ12によって覆われている。詳しくは、模様シート18は、キートップ12とシートホルダ19の間に配置されている。図3に示すように、模様シート18には、遮光部20と、赤色系カラーフィルタ21(第1透過部)と、青色系カラーフィルタ22(第2透過部)とが形成されている。
【0024】
遮光部20は、可視光を完全に遮光する部分である。遮光部20は、模様シート18の樹脂シートに黒色系のインクを塗布することによって形成されている。
【0025】
赤色系カラーフィルタ21は、オンフック状態の受話器をイメージしたフィルタであって、模様シート18の樹脂シートに赤色系のインクを塗布することによって形成されている。赤色系カラーフィルタ21の透過特性を図4において符号21aの実線で示している。本実施形態において赤色系カラーフィルタ21の分光透過率21aの重心波長は、600〜750nmの赤色帯域内であり、具体的には660nmである。また、本実施形態において赤色系カラーフィルタ21の分光透過率21aは、図4に示すように波長に関して左右対称であるから、赤色系カラーフィルタ21の分光透過率21aのピーク波長は、その重心波長に一致している。
【0026】
青色系カラーフィルタ22は、オフフック状態の受話器をイメージしたフィルターであって、模様シート18の樹脂シートに青色系のインクを塗布することによって形成されている。青色系カラーフィルタ22の透過特性を図4において符号22aの実線で示している。本実施形態において青色系カラーフィルタ22の分光透過率22aの重心波長は、450〜510nmの青色帯域内であり、具体的には480nmである。また、本実施形態において青色系カラーフィルタ22の分光透過率22aは、図4に示すように波長に関して左右対称であるから、青色系カラーフィルタ22の分光透過率22aのピーク波長は、その重心波長に一致している。
【0027】
シートホルダ19は、図2に示すように略筒体であって、模様シート18をキートップ12の背面に押し付けて保持するものである。シートホルダ19は、キートップ12の背面に取り付けられる。
【0028】
2色LED16は、赤色光(第1可視光)と緑色光(第2可視光)を選択的に出射可能な2色タイプのLEDであって、図6に示す制御部50に接続されている。本実施形態における2色LED16の発光特性を図4に示している。図4において、2色LED16が出射した赤色光の発光特性は、符号16aの二点鎖線で示している。一方、2色LED16が出射した緑色光の発光特性は、符号16bの二点鎖線で示している。
【0029】
本実施形態において、2色LED16が出射する赤色光のドミナント波長は、600〜750nmの赤色帯域内であり、具体的には640nm(第1波長)である。2色LED16が出射する赤色光のピーク波長は640nmである。同様に、本実施形態において、2色LED16が出射する緑色光のドミナント波長は、500〜575nmの緑色帯域内であり、具体的には520nm(第2波長)である。2色LED16が出射する緑色光のピーク波長は520nmである。そして、本実施形態において、2色LED16が出射する赤色光の分光分布と、2色LED16が出射する緑色光の分光分布は、図4に示すように波長に関して一部重複している。
【0030】
モーメンタリスイッチ17は、キートップ12の進退動作に応じて操作されるモーメンタリ型のスイッチであって、図6に示す制御部50に接続されている。
【0031】
(制御部50)
図6に示すように、制御部50は、CPU51(Central Processing Unit)、RAM52(Random Access Memory)、ROM53(Read Only Memory)とを備えている。CPU51は、中央演算器である。RAM52は、読み書き自由の記憶手段である。ROM53は、読み込み専用の記憶手段である。ROM53には、制御プログラムが記憶されている。この制御プログラムは、CPU51によって読み込まれ、CPU51上で実行されることで、CPU51等のハードウェアを、通話制御部54、点灯制御部55(点灯制御手段)として機能させる。また、制御部50には、運転者が所持する携帯電話機56が予め接続されている。
【0032】
通話制御部54は、携帯電話機56への着呼や、携帯電話機56からの発呼等を制御する。
【0033】
点灯制御部55は、2色LED16に赤色光又は緑色光を選択的に出射させる。
【0034】
本実施形態において、照明装置は、2色LED16(第1光源、第2光源)と、模様シート18(遮光層)、点灯制御部55(点灯制御手段)を少なくとも備えて構成されている。
【0035】
(作動)
次に、図7を参照しつつ、ユーザーインターフェース1の作動を説明する。
【0036】
先ず、運転者がイグニッションキーをACC(Accessories)の位置まで回すと(S300)、点灯制御部55は2色LED16に緑色光を出射させる(S301)。すると、図4においてハッチングで示すように、緑色光の分光分布16bのうち、波長に関して青色系カラーフィルタ22の分光透過率22aと重複する成分が青色系カラーフィルタ22を通過する。従って、このとき、黒色系で半透明のキートップ12には、オフフック状態をイメージした受話器の模様が若干青みがかった緑色で照らし出される。一方で、緑色光の分光分布16bのうち、波長に関して赤色系カラーフィルタ21の分光透過率21aと重複する成分が赤色系カラーフィルタ21を通過する。しかしながら、その重複する成分は僅かであり、運転者は、黒色系で半透明のキートップ12を介してオンフック状態をイメージした受話器の模様を視認することはできない。
【0037】
話を戻すと、携帯電話機56への着呼もなく(S302:NO)、携帯電話機56からの発呼もない(S303:NO)場合は、点灯制御部55は2色LED16に緑色光を出射させ続ける(S301)。
【0038】
(着信時)
携帯電話機56への着信があったら(S302:YES)、点灯制御部55は、2色LED16に緑色光を断続的に出射させる(S304)。すると、通話ボタン11のキートップ12には、オフフック状態をイメージした受話器の模様が断続的に照らし出される。そして、通話制御部54は、運転者によって通話ボタン11が押されるのを待機する(S305:NO)。運転者が通話ボタン11を押したら(S305:YES)、点灯制御部55は2色LED16に赤色光を出射させる(S306)。そして、運転者は図示しないマイクロフォンやスピーカを介して通話を開始する(S307)。なお、このとき、図5においてハッチングで示すように、赤色光の分光分布16aのうち、波長に関して赤色系カラーフィルタ21の分光透過率21aと重複する成分が赤色系カラーフィルタ21を通過する。従って、このとき、黒色系で半透明のキートップ12には、オンフック状態をイメージした受話器の模様が赤色で照らし出される。一方で、赤色光の分光分布16aのうち、波長に関して青色系カラーフィルタ22の分光透過率22aと重複する成分が青色系カラーフィルタ22を通過する。しかしながら、その重複する成分は極めて僅かであり、運転者は、黒色系で半透明のキートップ12を介してオフフック状態をイメージした受話器の模様を視認することはできない。
【0039】
話を戻すと、通話制御部54は、運転者の通話中、運転者によって通話ボタン11が押されるのを待機する(S308:NO)。そして、通話終了に伴い運転者が通話ボタン11を押したら(S308:YES)、点灯制御部55は、再び、2色LED16に緑色光を出射させる(S301)。これにより、黒色系で半透明のキートップ12には、オフフック状態をイメージした受話器の模様が再び、若干青みがかった緑色で照らし出される。
【0040】
(発呼時)
携帯電話機56への着信がなくても(S302:NO)、運転者が通話ボタン11を押したら(S303:YES)、点灯制御部55は、2色LED16に赤色光を出射させる(S309)。これにより、黒色系で半透明のキートップ12には、オンフック状態をイメージした受話器の模様が赤色で照らし出される。そして、運転者は通話を開始する(S310)。通話制御部54は、運転者の通話中、運転者によって通話ボタン11が押されるのを待機する(S311:NO)。
【0041】
通話終了に伴い運転者が通話ボタン11を押したら(S311:YES)、点灯制御部55は、再び、2色LED16に緑色光を出射させる(S301)。これにより、黒色系で半透明のキートップ12には、オフフック状態をイメージした受話器の模様が再び、若干青みがかった緑色で照らし出される。
【0042】
以上に本願発明の好適な実施形態を説明したが、上記実施形態の技術的意義を以下に詳しく説明する。
【0043】
(技術背景)
カラーフィルターの分野における技術常識としては、ドミナント波長が異なる2つの可視光を選択的に出射したときに異なるイメージを演出しようとする場合、特許文献1の段落番号0033で指摘されているように、2つの可視光のドミナント波長を極力離すようにしている。例えば特許文献1では、赤色発光ダイオードと青色発光ダイオードが採用されており、これらが出射する可視光を所定の波長(500nm)で線引きするロングパスフィルタとショートパスフィルタが用いられている。
【0044】
(課題)
しかしながら、上記実施形態のように可視光の中でドミナント波長が比較的近い2つの可視光を使用することとした場合、これらの可視光をある波長で線引きすることは難しい。なぜなら、安価に入手可能なLED光源は、レーザ発振器と異なり、特定の波長のみで構成される可視光を出射することができず、どうしても2つの可視光の分光分布が波長に関し重複してしまうからである。従って、例えば図8に示すように赤色光を透過させる赤色系カラーフィルタと、緑色光を透過させる緑色系カラーフィルタを用意した場合、以下のような問題が生じる。即ち、赤色光を出射した際、本来であれば、赤色光は緑色系カラーフィルターによって遮光されるべきであるものの、赤色光のうち図8においてハッチングで示す成分が緑色系カラーフィルターを透過してしまう。そしてこの結果、図3に示す模様シート18について言えば、オンフック状態の受話器の模様(赤色系カラーフィルタ21)のみを照らし出そうとしても、意に反して、オフフック状態の受話器の模様(青色系カラーフィルタ22)も照らし出されてしまう。同様に、オフフック状態の受話器の模様(青色系カラーフィルタ22)のみを照らし出そうとしても、意に反して、オンフック状態の受話器の模様(赤色系カラーフィルタ21)も照らし出されてしまう。このように、可視光の中でドミナント波長が比較的近い2つの可視光を遮光フィルタで選択的に遮光することは従来、非常に難しかった。
【0045】
(上記実施形態の構成)
これに対し、照明装置は、2色LED16(第1光源、第2光源)と、模様シート18(遮光層)と、点灯制御部55(点灯制御手段)とを備えている。2色LED16は、赤色光と緑色光を出射する。模様シート18は、遮光部20と、赤色系カラーフィルタ21と、青色系カラーフィルタ22とを有する。遮光部20は、赤色光と緑色光を遮光する。赤色系カラーフィルタ21は、赤色光を透過させるためのものである。青色系カラーフィルタ22は、緑色光を透過させるためのものである。点灯制御部55は、2色LED16に赤色光又は緑色光を選択的に出射させるためのものである。そして、図4及び図5に示すように、青色系カラーフィルタ22の分光透過率22aの重心波長は、緑色光のピーク波長を挟んで赤色光のピーク波長と反対側(即ち、緑色光のピーク波長よりも短波長側)となるように設定されている。
【0046】
以上の構成によれば、図5に示すように、赤色光のうち波長が緑色光のピーク波長に近い成分が、青色系カラーフィルタ22を透過してしまうのを抑制することができる。従って、可視光の中で波長(ドミナント波長)が比較的近い2つの可視光(赤色光、緑色光)であっても選択的に遮光できるようになる。
【0047】
また、図4及び図5に示すように、赤色系カラーフィルタ21の分光透過率21aの重心波長は、赤色光のピーク波長を挟んで緑色光のピーク波長と反対側(即ち、赤色光のピーク波長よりも長波長側)となるように設定されている。以上の構成によれば、図4に示すように、緑色光のうち波長が赤色光のピーク波長に近い成分が、赤色系カラーフィルタ21を透過してしまうのを抑制することができる。従って、可視光の中で波長が比較的近い2つの可視光を、一層確実に選択的に遮光できるようになる。
【0048】
また、上記実施形態のように赤色光の分光分布16aと、緑色光の分光分布16bが波長に関して一部重複していると、赤色光と緑色光を選択的に遮光することが一層困難となることから、可視光の中で波長が比較的近い2つの可視光を選択的に遮光する上記の技術が一層重宝されることになる。
【0049】
また、模様シート18は、スモークフィルタとしてのキートップ12で覆われている。以上の構成によれば、2色LED16が完全に消灯しているときに、赤色系カラーフィルタ21及び青色系カラーフィルタ22の存在が外部から視認し難くなる。
【0050】
以上に本願発明の好適な実施形態を説明したが、上記実施形態は、例えば以下のように変更することができる。
【0051】
上記実施形態では、ドミナント波長が異なる2つの可視光を選択的に出射可能な2色LED16を採用している。しかし、2色LED16に代えて、赤色光を出射する赤色LEDと緑色光を出射する緑色LEDを採用することができる。
【0052】
また、上記実施形態では、図4及び図5に示すように、青色系カラーフィルタ22の分光透過率22aの重心波長を、緑色光のピーク波長を挟んで赤色光のピーク波長と反対側(即ち、緑色光のピーク波長よりも短波長側)となるように設定している。しかし、これに代えて、青色系カラーフィルタ22の透過波長域を、赤色光の分光波長域に対して重複しないように設定することとしてもよい。ただし、「透過波長域」とは、透過率が5%以上となる波長帯域と定義する。また、「分光波長域」とは、比エネルギーが5%以上となる波長帯域と定義する。
【0053】
また、上記実施形態では、図4及び図5に示すように、赤色系カラーフィルタ21の分光透過率21aの重心波長を、赤色光のピーク波長を挟んで緑色光のピーク波長と反対側(即ち、赤色光のピーク波長よりも長波長側)となるように設定している。しかし、これに代えて、赤色系カラーフィルタ21の透過波長域を、緑色光の分光波長域に対して重複しないように設定することとしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 ユーザーインターフェース
2 パネル部
11 通話ボタン
12 キートップ
16 2色LED
18 模様シート
19 シートホルダ
21 赤色系カラーフィルタ
22 青色系カラーフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドミナント波長が第1波長である第1可視光を出射する第1光源と、
ドミナント波長が前記第1波長と異なる第2波長である第2可視光を出射する第2光源と、
前記第1可視光及び前記第2可視光を遮光する遮光部と、前記第1可視光を透過させるための第1透過部と、前記第2可視光を透過させるための第2透過部とを有する遮光層と、
前記第1光源と前記第2光源を選択的に点灯させる点灯制御手段と、
を備え、
前記第2透過部の分光透過率の重心波長は、前記第2可視光のピーク波長を挟んで前記第1可視光のピーク波長と反対側となるように設定される、
照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置であって、
前記第1透過部の分光透過率の重心波長は、前記第1可視光のピーク波長を挟んで前記第2可視光のピーク波長と反対側となるように設定される、
照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の照明装置であって、
前記第1可視光の分光分布と、前記第2可視光の分光分布は、一部重複している、
照明装置。
【請求項4】
ドミナント波長が第1波長である第1可視光を出射する第1光源と、
ドミナント波長が前記第1波長と異なる第2波長である第2可視光を出射する第2光源と、
前記第1可視光及び前記第2可視光を遮光する遮光部と、前記第1可視光を透過させるための第1透過部と、前記第2可視光を透過させるための第2透過部とを有する遮光層と、
前記第1光源と前記第2光源を選択的に点灯させる点灯制御手段と、
を備え、
前記第1可視光の分光分布と、前記第2可視光の分光分布は、一部重複しており、
前記第2透過部の透過波長域は、前記第1可視光の分光波長域に対して重複しないように設定される、
照明装置。
【請求項5】
請求項4に記載の照明装置であって、
前記第1透過部の透過波長域は、前記第2可視光の分光波長域に対して重複しないように設定される、
照明装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の照明装置であって、
前記遮光層は、スモークフィルタで覆われている、
照明装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の照明装置であって、
前記遮光層は、シート状に形成されている、
照明装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の照明装置であって、
前記第1波長は、600〜750nmの赤色帯域内である、
照明装置。
【請求項9】
請求項8に記載の照明装置であって、
前記第2波長は、500〜575nmの緑色帯域内である、
照明装置。
【請求項10】
請求項9に記載の照明装置であって、
前記第2透過部の分光透過率の重心波長は、450〜510nmの青色帯域内である、
照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−137700(P2012−137700A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291445(P2010−291445)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】