説明

照明装置

【課題】照明専用の特装車両を用いることなく、照明設備が備えられていない場所に短時間で容易に照明を設置することができ、また、使用用途が限定されることのない照明装置を提供する。
【解決手段】照明パネル11、11と、照明パネル11、11をクレーン1に固定するための固定手段と、を備え、固定手段は、クレーン1のフック部6に吊り用線状部材19Aを介して照明パネル11、11を吊り下げる吊りブラケット17、17と、吊りブラケット17、17により吊り下げられた照明パネル11、11の振れを防止する振れ止めブラケット18、18と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外の照明設備として使用される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明設備が備えられていない球技場等のスポーツ施設や、催しを開催する野外広場等において、必要に応じて短時間で容易に夜間照明などの照明装置を設置することを可能とする移動式照明灯装置が知られている。
例えば、特許文献1には、上部旋回体と下部走行体を備えた車両を具備する移動式照明灯装置が開示されている。この移動式照明灯装置では、上部旋回体の略中央位置に伸縮ブームが設けられ、伸縮ブームの先端に照明器が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−161903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の移動式照明灯装置は、照明専用の特装車両を具備したものであるため、使用場所や使用用途が限定されてしまい、稼働率が悪いという問題があった。
具体的には、照明器の大きさにより車両の大きさが決定されているため、例えば、使用場所が狭い場合には過剰な能力となったり、当該使用場所に進入できなかったり等の不都合が発生する場合があった。
【0005】
本発明の課題は、照明専用の特装車両を用いることなく、照明設備が備えられていない場所に短時間で容易に照明を設置することができ、また、使用場所や使用用途が限定されることのない照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、
請求項1に記載の発明は、照明装置において、
照明パネルと、
前記照明パネルをクレーンに固定するための固定手段と、を備え、
前記固定手段は、
前記クレーンのフックに前記照明パネルを吊り下げる吊り下げ手段と、
前記吊り下げ手段により吊り下げられた前記照明パネルの振れを防止する振れ防止手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の照明装置において、
前記吊り下げ手段は、
前記照明パネルの上部に設けられる吊りブラケットと、
前記吊りブラケットに固定される吊り用線状部材と、を備え、
前記振れ防止手段は、
前記照明パネルの下部に設けられ、振れ止め用線状部材の一端を固定する振れ止めブラケットを備え、
前記振れ止め用線状部材の他端は、所定の場所に固定されることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、照明装置において、
照明パネルと、
前記照明パネルをクレーンに固定するための固定手段と、を備え、
前記固定手段は、
前記クレーンのジブ取付部に一端が固定され、他端が前記照明パネルに固定されることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の照明装置において、
前記固定手段は、
前記ジブ取付部に固定される固定部と、
前記固定部に連結された上支持アームと、
前記固定部に連結された下支持アームと、
を備え、
前記照明パネルの上部に設けられ、前記上支持アームの他端を固定する上取付ブラケットと、
前記照明パネルの下部に設けられ、前記下支持アームの他端を固定する下取付ブラケットと、
を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の照明装置において、
一又は複数の前記照明パネルを備え、
各照明パネル同士が着脱自在に連結可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、照明パネルと、当該照明パネルをクレーンに固定するための固定手段と、を備えているため、照明専用の特装車両を用いることなく、クレーン車を利用して、照明設備が備えられていない場所に短時間で容易に照明を設置することができる。
また、特装車両を用いない構成であるため、使用場所や使用用途が限定されることがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態の照明装置をクレーンに設置した状態を示す正面図である。
【図2】図1のクレーンに設置した状態の照明装置の側面図である。
【図3】図1の照明装置の正面図である。
【図4】照明パネルを連結するための突出部と支持部を示す拡大斜視図である。
【図5】図4の突出部と支持部の側面図である。
【図6】図4の突出部と支持部の正面図である。
【図7】第2実施形態の照明装置をクレーンに設置した状態を示す側面図である。
【図8】図7の照明装置の正面図である。
【図9】図7の照明装置の側面図である。
【図10】図7の照明装置の上面図である。
【図11】照明装置の突出部と支持部の他の態様を説明するための図である。
【図12】照明装置の突出部と支持部の他の態様を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0014】
[第1実施形態]
先ず、構成について説明する。
本実施形態の照明装置10は、球技場等のスポーツ施設や、催しを開催する野外広場等において、例えば夜間照明として地面などを照らすのに利用される照明装置である。
【0015】
この照明装置10は、図1、2に示すように、クレーン1により吊り下げられた状態で固定されて使用される。
クレーン1は、車両部2に旋回台3が搭載され、旋回台3に伸縮ブーム4が装備されて構成されている。伸縮ブーム4の先端部には、ジブ取付部5や、ワイヤに接続されたメインフック、サブフック等を有するフック部6などが備えられている。なお、かかる構成は、クレーンとして一般的な構成であって、本発明を限定するものではない。即ち、クレーン1は、照明装置10を吊り下げることが可能であれば、公知の如何なる種類のものであっても利用可能である。
【0016】
照明装置10は、図1〜図3に示すように、例えば、2つの照明パネル11、11を備えている。2つの照明パネル11、11は、着脱自在に連結可能であって、同一の構成を有するものである。
なお、照明装置10に備えられる照明パネルの数はこれに限定されるものではなく、照明装置10の設置場所の規模や、所望の照明能力に応じて適宜設定可能である。例えば、1個であっても良いし、3個以上を連結しても良い。
【0017】
各照明パネル11は、例えば、パイプ材等からなる左右方向に長尺な枠体12を備えている。枠体12の内部は、複数のフレーム12aによって繋がれており、フレーム12aの間に照明灯13が設置されている。
照明灯13は、例えば、真正面を向いた状態から下向きに45°、また左右方向にそれぞれ30°の範囲内で角度調整可能であり、これにより、地面に対する照射角度が調整できるようになっている。
【0018】
また、各照明パネル11の枠体12の下面には、左右一対の突出部14、14が備えられ、各照明パネル11の枠体12の上面には、突出部14、14と同一の間隔で配置された左右一対の支持部15、15が備えられている。
突出部14、14と支持部15、15とは、照明パネル11の枠体12の下面及び上面において、互いに対向する位置に設けられている。これにより、2つの照明パネル11、11を連結する場合、上側の照明パネル11の枠体12の下面から突出した突出部14、14と、下側の照明パネル11の枠体12の上面から突出した支持部15、15とが、所定の連結位置で係合して、連結ピン16(図6参照)により連結できるようになっている。
【0019】
具体的に、突出部14は、図4〜6に示すように、前側の辺が後側の辺よりも長く後側から前側に下方向に傾斜した側面視台形状の板状部材であって、その側面の略中央部に貫通孔141が形成されている。
また、支持部15は、上面が開口し、その上面開口から内部に突出部14を挿入可能な収納空間部15aを備えた筒状部材であって、支持部15の側面の略中央部に貫通孔151が形成されている。
支持部15は、突出部14が挿入された際、当該突出部14の側面を全体として囲むことのできる大きさを有し、その内部(収納空間部15a)の下面は、突出部14の先端形状と合致するように、前側が後側より深くなるよう傾斜した傾斜面152となっている。こうした傾斜面152を備えることで、突出部14を支持部15に挿入した際に、貫通孔141と貫通孔151とが重なるように突出部14の位置決めが行われ、貫通孔141及び貫通孔151を貫通する連結ピン16を、容易に差し込むことができることとなる。
【0020】
また、支持部15の上端部には、当該上端部から前方に突出し、前端部に近づくにつれて上面開口が幅広となるガイド部153が形成されている。
ガイド部153は、突出部14を支持部15の内部(収納空間部15a)に案内するためのものであって、前端部から下方に収納空間部15aに向けて傾斜したガイド面153aを備えている。こうしたガイド面153aを備えることによって、2つの照明パネル11、11を連結する際に、突出部14と支持部15とに多少の位置ずれや傾きが発生しても、ガイド部153が幅広であるため、突出部14の前側がガイド部153のガイド面153aに沿って収納空間部15a内に挿入しやすくなっている。
【0021】
なお、ガイド部153は、支持部15の上端部全周に亘って設けることとしても良い。即ち、支持部15の上端部全周に亘って、下方に収納空間部15aに向けて傾斜したガイド面153aを設けることとしても良い。この場合、支持部15の上端部全周が広がるため、突出部14の支持部15への挿入をより行いやすくすることができる。
【0022】
また、照明装置10は、上記のような連結された照明パネル11、11をクレーン1に固定するための固定手段として、吊りブラケット17、17と、吊り用線状部材19Aと、振れ止めブラケット18、18と、を備えている。
【0023】
具体的に、各照明パネル11の上部には、吊りブラケット17、17が設けられ、吊りブラケット17、17には、吊り用線状部材19Aが固定されている。吊りブラケット17、17と、吊り用線状部材19Aとは、クレーン1のフック部6に照明パネル11を吊り下げることを可能とする吊り下げ手段として機能している。
また、各照明パネル11の下部には、振れ止めブラケット18、18が設けられている。振れ止めブラケット18、18は、吊り下げられた照明パネル11の振れを防止することを可能とする振れ防止手段として機能している。
【0024】
より具体的には、吊りブラケット17、17は、各照明パネル11の枠体12の上面であって、支持部15、15の内側において、左右が一対となるように設けられている。
この吊りブラケット17、17には、貫通孔171、171が設けられている。
そして、連結された照明パネル11、11のうち、上側の照明パネル11の吊りブラケット17、17の貫通孔171、171に、吊り用線状部材19Aがシャックルで固定され、この吊り用線状部材19Aにより、照明装置10は、クレーン1のフック部6に吊り下げられるようになっている。
【0025】
また、振れ止めブラケット18、18は、各照明パネル11の枠体12の下面であって、突出部14、14の内側において、左右が一対となるように設けられている。
この振れ止めブラケット18、18には、貫通孔181、181が設けられている。
そして、連結された照明パネル11、11のうち、下側の照明パネル11の振れ止めブラケット18、18の貫通孔181、181には、それぞれ、2本の振れ止め用線状部材19Bの一端が通されて固定されている。
各振れ止めブラケット18に固定された2本の振れ止め用線状部材19Bは、クレーン1の四方に設置されたクレーンアウトリガーの敷き板などの固定板7のうち、左側の前後と、右側の前後とに、それぞれ固定される。これにより、吊り下げられた照明装置10は、振れ止め用線状部材19Bにより固定板7に固定されるので、振れが防止されるようになっている。
【0026】
吊り用線状部材19A及び振れ止め用線状部材19Bとしては、例えば、鋼線を編んだワイヤー、樹脂性のベルト、チェーンなどが用いられる。
【0027】
なお、吊りブラケット17、17が備えられる位置は、照明パネル11の上部であれば良く、例えば、照明パネル11の枠体12の上部前面などであっても良い。
同様に、振れ止めブラケット18、18が備えられる位置は、照明パネル11の下部であれば良く、例えば、照明パネル11の枠体12の下部前面などであっても良い。
また、振れ止め用線状部材19Bは、吊り下げられた照明パネル11の振れを防止することが可能な数だけ設置すれば良く、各振れ止めブラケット18にそれぞれ1本ずつ固定し、計2本とすることも可能であるし、各振れ止めブラケット18にそれぞれ3本以上固定することとしても良い。
また、振れ止め用線状部材19Bの下端部の固定場所として、クレーンアウトリガーの敷き板などの固定板7以外に、クレーンアウトリガーに直接固定してもよいし、クレーン1の車両部2などに固定してもよい。さらにクレーン1とは異なるものに固定してもよく、例えば、地面にアンカーを打設し、当該アンカーに固定してもよいし、適切な重さのウェイトをアンカー代わりにしてもよい。
【0028】
このようにして、吊り下げ手段としての吊りブラケット17、17と、振れ防止手段としての振れ止めブラケット18、18とは、照明パネル11をクレーン1に固定するための固定手段として機能している。
【0029】
次に、照明装置10の設置方法について説明する。
照明装置10を設置する場合、先ず、照明装置10の設置箇所に応じて照明パネル11の数を決定し、必要に応じて照明パネル11の連結を行う。照明パネル11の数を増減することで、増灯・減灯が可能となる。
照明パネル11の連結は、上側に位置する照明パネル11の下面から突出した突出部14、14を、下側に位置する照明パネル11の上面から突出した支持部15、15に挿入し、重なった貫通孔141と、151とに、連結ピン16を挿通させることで行われる。このような連結ピン16を用いた連結方法は、脱着性の観点から好ましい方法である。
このとき、各支持部15の上面開口には、ガイド部153が設けられているため、突出部14を支持部15に容易に挿入することができる。また、支持部15の内部には、突出部14の先端形状に合致するよう傾斜した傾斜面152が形成されているため、貫通孔141と、151とを容易に重ねることができる。よって、照明パネル11、11の連結作業が行いやすい。
【0030】
次に、上側の照明パネル11の吊りブラケット17、17に吊り用線状部材19Aを固定し、下側の照明パネル11の振れ止めブラケット18、18に振れ止め用線状部材19Bを固定する。
次に、吊り用線状部材19Aにより照明装置10をクレーン1のフック部6に吊り下げ、クレーン1の伸縮ブーム4を所要の位置まで伸ばした後、振れ止め用線状部材19Bの下端を固定板7に固定して、照明装置10を設置する。このとき、伸縮ブーム4のブーム角度を調整することで照明位置を変更することもできる。また、伸縮ブーム4の伸縮の程度により、吊り用線状部材19Aと振れ止め用線状部材19に作用する張力を調整することができる。更に、振れ止め用線状部材19Bの固定場所は適宜調整を行う。
このようにして、クレーン1に吊り下げられた照明装置10は、固定された状態で設置される。
【0031】
以上のように、本実施形態の照明装置10によれば、吊りブラケット17、17により、照明パネル11、11をクレーン1にて吊り下げ、振れ止めブラケット18、18により、吊り下げた照明パネル11、11の振れを防止するようになっている。
このため、照明専用の特装車両を用いることなく、クレーン1を利用して、照明設備が備えられていない場所に、短時間で容易に照明を設置することができる。
また、利用されるクレーン1は、メーカや種類を選ばず、公知のどのようなクレーン1でも設置可能であるので、照明装置10の使用現場に合せたクレーン選定を行うことができ、設置の簡便性が高い。
また、照明装置10は特装車両のない構成であるため、使用用途が限定されることがない。
また、照明装置10の搬送のみでどの地域でも設置可能となり、特装車両のような走行許可が不要である。
また、設備投資費用が少なく、使用場所や使用用途も限定されないため、使用稼働率が高くなる。
【0032】
また、本実施形態の照明装置10によれば、一又は複数の照明パネル11を備え、各照明パネル11同士が着脱自在に連結可能である。
このため、運搬時には、照明パネル11ごとに分割可能であり、例えば、小型のトラックなどでも運搬が可能であって、利便性が高い。
また、照明パネル11の連結により、照度の調整を容易に行うことができる。
【0033】
なお、上記実施形態においては、照明装置10をクレーン1に設置することとして説明したが、クレーン1の設置場所が無い場合には、照明装置10は、例えば、ビル等の建物の壁面に吊り下げて使用したり、イベント会場等において立設した支柱に吊り下げて使用することも可能である。
【0034】
また、上記実施形態においては、照明装置10が1台のクレーン1で吊り下げられた構成を例示して説明したが、照明パネル11を多数連結し大型の照明装置10となった場合には、2台のクレーン1を用いて吊り下げることも可能である。
【0035】
また、上記実施形態においては、吊り下げ手段として、吊りブラケット17、17と、吊り用線状部材19Aとを備えた構成を例示して説明したが、これ以外にも、吊り下げ手段として、例えば、クレーン1のフック部6に直接引っ掛けることの可能な穴部の形成された突起部を、枠体12の上面に設けることとしても良い。
更に、この突起部を、例えば、鉄棒を屈曲させ、その両端部を回動自在に枠体12に設けることで構成してもよい。突起部をこのように構成することで、突起部を使用しない場合、鉄棒を回動させて横にすることで、枠体12からの突出長さを低減させることができる。
【0036】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0037】
先ず、構成について説明する。
本実施形態の照明装置20は、図7に示すように、クレーン1のジブ取付部5に取り付けられて使用される。
ジブ取付部5は、クレーン1の吊り高さのアップや障害物を回避するために伸縮ブーム4をジブを取り付け延伸する際に、当該ジブを取り付けるのに使用される。ジブ取付部5は、クレーン1に既存の構成である。
本実施形態においても、クレーン1は、一般的な構成を備えたものであれば、公知の如何なる種類のものであっても利用可能である。
【0038】
照明装置20は、図8〜図10に示すように、着脱自在に連結可能な、同一の構成を有する2つの照明パネル11A、11Aを備えている。
なお、照明装置20においても、照明パネル11Aの数はこれに限定されるものではなく適宜設定可能である。
【0039】
この照明装置20は、図8に示すように、各照明パネル11Aの上部に上取付ブラケット21、21を、各照明パネル11Aの下部に下取付ブラケット22、22を、更に備えた構成である。
【0040】
上取付ブラケット21、21は、各照明パネル11Aの枠体12の上面中央部に左右一対として設けられている。
そして、連結された照明パネル11A、11Aのうち、上側の照明パネル11Aの上取付ブラケット21、21には、図9に示すように、上支持アーム23、23の一端が固定されるようになっている。
具体的には、上支持アーム23、23の一端は、左右の支持面部23a、23aに二股に分かれていて、この左右の支持面部23a、23aの間に、上取付ブラケット21、21が挿入される。そして、支持面部23a、23a及び上取付ブラケット21、21の貫通孔に連結ピン26が貫通されて連結されている。
【0041】
また、下取付ブラケット22、22は、各照明パネル11Aの枠体12の下面中央部に左右一対として設けられている。
そして、連結された照明パネル11A、11Aのうち、下側の照明パネル11Aの下取付ブラケット22、22には、図9に示すように、下支持アーム24、24の一端が固定されるようになっている。
具体的には、下支持アーム24、24の一端は、左右の支持面部24a、24aに二股に分かれていて、この左右の支持面部24a、24aの間に、下取付ブラケット22、22が挿入される。そして、支持面部24a、24a及び下取付ブラケット22、22の貫通孔に連結ピン27が貫通されて連結されている。
【0042】
上支持アーム23、23及び下支持アーム24、24の他端は、ジブ取付部5に固定される固定部25に連結されている。
具体的には、固定部25は、図9に示すように、ジブ取付部5の後部に位置する第1固定部251と、ジブ取付部5の前部に位置する第2固定部252と、を備えている。
第1固定部251及び第2固定部252は、下支持アーム24の後端部及び中間部にそれぞれ連結される。
そして、下支持アーム24の後端部には、上支持アーム23が下支持アーム24に対して回動可能に連結されている。上支持アーム23の下支持アーム24に対する角度は、照明パネル11Aの個数に応じて変更可能となっている。
【0043】
なお、上取付ブラケット21、21が備えられる位置は、照明パネル11Aの上部であれば良く、例えば、照明パネル11Aの枠体12の上部後面などであっても良い。
同様に、下取付ブラケット22、22が備えられる位置は、照明パネル11Aの下部であれば良く、例えば、照明パネル11Aの枠体12の下部後面などであっても良い。
【0044】
上記した構成により、上取付ブラケット21、21、下取付ブラケット22、22、上支持アーム23、23、下支持アーム24、24、及び固定部25は、照明パネル11A、11Aをクレーン1に固定するための固定手段として機能している。
【0045】
次に、照明装置20の設置方法について説明する。
照明装置20を設置する場合、先ず、照明装置20の設置箇所に応じて照明パネル11Aの数を決定し、必要に応じて照明パネルの連結を行う。連結方法は、第1実施形態の照明パネル11と同様である。
次に、上側の照明パネル11Aの上取付ブラケット21、21に上支持アーム23、23を固定し、下側の照明パネル11Aの下取付ブラケット22、22に下支持アーム24、24を固定する。
次に、上支持アーム23、23及び下支持アーム24、24を固定部25に固定し、クレーン1の伸縮ブーム4を所要の位置まで伸ばして、照明装置20を設置する。このとき、伸縮ブーム4のブーム角度を調整することで照明位置を変更することもできる。また、照明装置20の設置後、旋回台3の旋回によって照明位置を変更することもできる。
このようにして、クレーン1のジブ取付部5に取り付けられた照明装置20の設置がなされる。
【0046】
以上のように、本実施形態の照明装置20によれば、上取付ブラケット21、21、下取付ブラケット22、22、上支持アーム23、23、下支持アーム24、24、及び固定部25を備え、これらを介して照明パネル11A、11Aをクレーン1に固定するようになっている。
このため、上記第1実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、照明装置20の設置後、旋回台3の旋回によって照明位置を変更することができるため、照明条件の自由度が高い。
【0047】
なお、上記第2実施形態においては、照明パネル11Aは、第1実施形態の固定方法と第2実施形態の固定方法の何れも採用可能な構成であるが、無論、吊りブラケット17、17及び振れ止めブラケット18、18を備えない構成としても良い。
【0048】
また、上記第1および第2実施形態においては、突出部14及び支持部15として、台形状の板状部材及び筒状部材の組み合わせを例示して説明したが、突出部及び支持部の構成は、照明パネルを連結できるものであれば、これに限定されない。
【0049】
例えば、図11(a)(b)に示すように、突出部14A及び支持部15Aを、両者同一な側面視四角形状の板体により構成しても良い。この場合、突出部14A及び支持部15Aの略中央部には、貫通孔141A及び151Aが設けられ、連結ピン16によって、突出部14Aと支持部15Aとが連結される。
また、支持部15Aを所定の間隔離して2枚設け、連結の際には、その2枚の支持部15Aの間に突出部14Aを挿入し、貫通孔141A及び151Aに連結ピン16を差し込むこととしても良い。
【0050】
また、図12(a)(b)に示すように、突出部14Bとしてフックを備え、支持部15Bとしてアームを備える構成としても良い。この場合、突出部14Bであるフックを、支持部15Bのアームに引っ掛けることで連結が行われる。なお、突出部14Bを支持部15Bに引っ掛けた後、その状態を維持するためのストッパーを設けることとしても良い。
【0051】
また、図示は省略するが、突出部を側面視四角形状の板体により構成し、支持部を当該突出部の前後左右の位置規制を行うための4つの四角形状の板体により構成しても良い。
その際、前側に位置する板体に、前側から後側に向かって傾斜するガイド面を設けることによりガイド部を形成してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 クレーン
2 車両部
3 旋回台
4 伸縮ブーム
5 ジブ取付部
6 フック部
7 固定板
11、11A 照明パネル
12 枠体
12a フレーム
13 照明灯
14 突出部
141 貫通孔
15 支持部
15a 収納空間部
151 貫通孔
152 傾斜面
153 ガイド部
153a ガイド面
16 連結ピン
17 吊りブラケット(吊り下げ手段、固定手段)
171 貫通孔
18 振れ止めブラケット(振れ防止手段、固定手段)
181 貫通孔
19A 吊り用線状部材(吊り下げ手段)
19B 振れ止め用線状部材
21 上取付ブラケット(固定手段)
22 下取付ブラケット(固定手段)
23 上支持アーム(固定手段)
23a 支持面部
24 下支持アーム(固定手段)
24a 支持面部
25 固定部(固定手段)
251 第1固定部
252 第2固定部
10、20 照明装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明パネルと、
前記照明パネルをクレーンに固定するための固定手段と、を備え、
前記固定手段は、
前記クレーンのフックに前記照明パネルを吊り下げる吊り下げ手段と、
前記吊り下げ手段により吊り下げられた前記照明パネルの振れを防止する振れ防止手段と、
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記吊り下げ手段は、
前記照明パネルの上部に設けられる吊りブラケットと、
前記吊りブラケットに固定される吊り用線状部材と、を備え、
前記振れ防止手段は、
前記照明パネルの下部に設けられ、振れ止め用線状部材の一端を固定する振れ止めブラケットを備え、
前記振れ止め用線状部材の他端は、所定の場所に固定されることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
照明パネルと、
前記照明パネルをクレーンに固定するための固定手段と、を備え、
前記固定手段は、
前記クレーンのジブ取付部に一端が固定され、他端が前記照明パネルに固定されることを特徴とする照明装置。
【請求項4】
前記固定手段は、
前記ジブ取付部に固定される固定部と、
前記固定部に連結された上支持アームと、
前記固定部に連結された下支持アームと、
を備え、
前記照明パネルの上部に設けられ、前記上支持アームの他端を固定する上取付ブラケットと、
前記照明パネルの下部に設けられ、前記下支持アームの他端を固定する下取付ブラケットと、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
一又は複数の前記照明パネルを備え、
各照明パネル同士が着脱自在に連結可能であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−209198(P2012−209198A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75456(P2011−75456)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(511082322)社団法人高知県工業会 (2)
【Fターム(参考)】