説明

照明部を有する自動車用マルチファンクションスイッチ

【課題】使用者が各スイッチの操作領域をより明確で容易に視認できる自動車用マルチファンクションスイッチを提供する。
【解決手段】操作レバー120及び操作レバー120に装着された回転ノブ123を具備した自動車用マルチファンクションスイッチにおいて、回転ノブ123及び回転ノブ123の操作位置を示すためのシンボルが表示された領域を含む回転ノブ操作領域R1と、回転ノブ操作領域に隣接した残りの操作レバー領域R2との境界部に沿って光を外部放出するための照明モジュール150が具備されることを特徴とする。照明モジュール150は、光源と、光源が接続されたPCBと、光源と結合されて光源の光を側方に発散するプレート形状のレンズ153を含めて構成され、光源及びPCB、レンズ153が操作レバー内に組み立てられた状態でレンズ153の円周面が操作レバー側面の境界部に沿って外部露出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明部を有する自動車用マルチファンクションスイッチに係り、より詳しくは、使用者が操作レバー内の回転ノブの関連操作領域を直感的に認知することができ、各操作領域の視認性及び使用の便宜性が向上した照明部を有する自動車用マルチファンクションスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動車用マルチファンクションスイッチはステアリングホイールの下側のステアリングコラムと連結される部品であり、キャンセルカムとホーンなどが装着されるボディ部と、左右両側に具備されるスイッチ機能の操作レバーと、を含めて構成される。
【0003】
このようなマルチファンクションスイッチは、車両の運転に必要な多種類のスイッチを備えるが、それらの中の主要なスイッチ機能としては、ランプの点灯のためのライトスイッチ及びターンシグナルスイッチ、ワイパースイッチ、ウォッシャー液噴射スイッチ、間欠ワイパースイッチなどが含まれている。
【0004】
図1は従来の通常のマルチファンクションスイッチの一例を示す図面である。
図1に示すように、マルチファンクションスイッチは、車両の各ランプ、ワイパー、及びウォッシャー液噴射機能などを作動させたり調整したりする多数のスイッチが含まれた操作レバー10、20と、操作レバー10、20が装着され、ステアリングコラムと連結されるボディ部30と、から構成される。
【0005】
操作レバー10、20は、主にライティングとかかわるスイッチ機能を有する左側レバー10と、主にワイピングとかかわるスイッチ機能を有する右側レバー20と、に区分される。
【0006】
更に、左側レバー10と右側レバー20は、ボディ部30に回動が可能となるように結合される回動レバー11、21と、回動レバー11、21に回転可能に結合される回転ノブ12、13、22、23と、を含み、回動レバー11、21は、使用者がボディ部30とのヒンジ結合部を中心に回動させて操作する操作部であり、回転ノブ12、13、22、23は、各レバーで使用者が指で回転させて操作する操作部である。
【0007】
回転ノブ12、13、22、23は、回動レバー11、21のスイッチ機能を増やすために複数個が設置され、回動レバー11、21の側面及び端部で回転操作されるように設置される。
そして、ボディ部30には操作レバー10、20に具備されたスイッチと連結された多数の可動接点と固定接点とが備えられ、更に操作レバー10、20の操作によって発生する信号を車両の各部分に転送するためのコネクター31などが設置される。
【0008】
図2は、従来のマルチファンクションスイッチの左側レバーと右側レバーとの一例を示す図面であり、(a)は主にライティングと係るスイッチが具備される左側レバー10を、(b)は主にワイピングと係るスイッチが具備される右側レバー20を示したものである。
【0009】
左側レバー10は、回動レバー11を操作したり回転ノブ12、13を操作することにより、ヘッドランプ(上向き灯/下向き灯)、ターンシグナルランプ、テールランプ、及びフォグランプなどの、オン/オフ及びオートモードの選択(オートライトシステムが適用された車両に具備される)を操作できるように構成される。
【0010】
図2aに例示するように、左側レバー10の回転ノブは、回動レバー11の側面で回転操作される中間ノブ12と、回動レバー11の先端部に結合されたエンドノブ13と、に区分され、エンドノブ13を回転操作することによりヘッドランプ(上向き灯/下向き灯)をオン/オフさせたり、ヘッドランプの照射方向を調整したり、オートライトシステムのオートモード(AUTO)を選択したりすることができる。
更に、中間ノブ12を回転操作することにより、フォグランプ(フロントフォグランプ/リアフォグランプ)をオン/オフさせることができる。
【0011】
図2bに例示するように、右側レバー20は、回動レバー21を操作したり、回転ノブ22、23を操作することによりワイパーのオン/オフ及び速度調整、ウォッシャー液の噴射作動などを操作できるように構成される。
【0012】
右側レバー20も左側レバーと同様に、回転ノブが回動レバー21の側面で回転操作される中間ノブ22と、回動レバー21の先端部に結合されたエンドノブ23とで構成される。エンドノブ23は、車両後面ガラスのリアワイパー及びウォッシャー液噴射装置の機能を操作するためのスイッチ機能を提供し、回動レバー21及び中間ノブ22は、車両前面ガラスのフロントワイパー及びウォッシャー液噴射装置の機能を操作するためのスイッチ機能を有する。
【0013】
右側レバー20の回動レバー21を前後に操作することにより、フロント及びリアウォッシャー液噴射装置を作動させることができ、回動レバー21を上下に操作することによりフロントワイパーをオフ(OFF)、高速(HI)、低速(LO)、自動(AUTO)モードの何れかを選択して作動させることができる。
【0014】
更に、中間ノブ22を回転することにより、フロントワイパーの速度を調整することができ、エンドノブ23を回転することによりリアワイパーをオン(ON)、オフ(OFF)、間欠(INT)モードの何れかを選択して作動させることができる。
一方、マルチファンクションスイッチには、左右の操作レバーに数多くの機能を有するスイッチが備えられているため、操作方法が複雑であり、使用者が各スイッチの機能を正確に理解し、使用するのに困難があるというのが事実である。
【0015】
操作レバー、即ち、左側レバーと右側レバーとの操作には、回動レバーの上下操作と前後操作、回転ノブの回転操作など、多様な操作方式が適用されているが、サイズの小さい操作レバーに多くのスイッチを1ケ所に集めておくことはもちろん、回転ノブがエンドノブ及び中間オブなど複数個設置されているため、操作が更に複雑になる。
【0016】
実際に自動車のワイパー使用者の不満としては、ワイパーの拭き性能やワイパーの脱付着などに対する不満よりは、マルチファンクションスイッチの操作が複雑であり、理解が難しく不便であるという、ワイパー操作に対する不満の方が多いのが実情である。
【0017】
更に、操作レバーに中間ノブとエンドノブとが共に装着されたマルチファンクションスイッチでは、中間ノブとエンドノブの操作領域を区分することが難しいのが事実である。
例えば、図2(a)に示すように、左側レバー10には、フロント/リアフォグランプの作動を操作するための中間ノブ12と、ヘッドランプのオン/オフ及び作動モードを操作するためのエンドノブ13と、が設けられているが、2つのノブの操作領域の区分が視認しにくいという不便さがある。
【0018】
更に、フロントワイパーと合わせてリアワイパーが装着された車両では、図2(b)に示すように、右側レバー20にフロントワイパーの速度調整のための中間ノブ22、及びリアワイパーの機能を操作するためのエンドノブ23が設置されていて、2つのノブ間の操作領域を表示するシンボルなどの視認性の低下による不便さと困難さとがある。
【0019】
操作レバーの外周面に沿って設けられたスライド運動及び及び回転運動が可能な環状スイッチと、操作機器の機能を表示する表示手段と、環状スイッチで操作機器の機能を選択する選択手段と、機能切り替え手段と、機能実行手段と、を有する操作装置が報告されている(例えば特許文献1を参照)。しかしこの装置には選択された操作機器と操作モードを表示し実行するための別途の表示画面が必要であり、装置が複雑で高価である。又操作機器の機能が別途の表示画面に表示されるので、かえって視認性の低下が起こる可能性がある。
【0020】
マルチファンクションスイッチが、ライティング操作及びワイピング操作と係る多数のスイッチを集約的に集めておかなければならないスイッチであるという点を考慮する時、既存のスイッチの構成において、使用者が、各スイッチの操作領域をより容易に視認できるスイッチの提供が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開平2009−96433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、使用者が各スイッチの操作領域をより明確で容易に視認できる自動車用マルチファンクションスイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前記目的を達成するための本発明は、操作レバー及び操作レバーに装着された回転ノブを具備した自動車用マルチファンクションスイッチにおいて、操作レバーは、回転ノブ及び回転ノブの操作位置を示すためのシンボルが表示された領域を含む回転ノブ操作領域と、回転ノブ操作領域に隣接した残りの操作レバー領域と、の境界部に沿って光を外部放出するための照明モジュールを具備することを特徴とする
【0024】
また本発明は、操作レバーが、操作レバーの端部に設置されたエンドノブ及びエンドノブの操作位置を示すためのシンボルが表示された領域を含むエンドノブ操作領域と、エンドノブ操作領域に隣接した残りの操作レバー領域と、の境界部に沿って光を外部放出するための照明モジュールとを具備する。
【0025】
また本発明は、操作レバーが、エンドノブと別途に中間ノブが設置された構造であって、照明モジュールが、エンドノブ操作領域と、中間ノブ及び中間ノブの操作位置を示すためのシンボルが表示された領域を含む中間ノブ操作領域と、の境界部に沿って光を外部に放出するように具備される。
【0026】
また本発明は、照明モジュールが、光源と、光源が接続されたPCBと、光源と結合されて光源の光を側方に発散するプレート形状のレンズと、を含めて構成され、光源、PCB、及びレンズが操作レバー内に組み立てられた状態でレンズの円周面が操作レバー側面の境界部に沿って外部に露出される構造となっている。
【0027】
更に、本発明の照明モジュールは、PCBとレンズが、操作レバー内に設置された固定バーに結合され、固定バーが、長さ方向に沿って一側面が切開された管構造に形成されて、PCBに形成された貫通孔に固定バーが貫通挿入されることで、PCBが固定バーに結合される。
【0028】
また本発明の照明モジュールは、レンズの一側に光源が挿入、装着される装着溝部が形成されて装着溝部に挿入された光源から放出される光がレンズによって側方に発散されるように構成され、レンズは装着溝部及び光源が固定バー側面の切開された部位を通して固定バー内側に挿入された構造となるように固定バーに組み立てられる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の照明部を有する自動車用マルチファンクションスイッチは、操作レバーの側面に回転ノブの操作領域を区分する境界部に沿って帯状に発光する照明モジュールを備えることにより、使用者が操作レバー内の回転ノブの関連操作領域を直感的に明確に区分認知することができ、操作レバー内の各操作領域の視認性が向上し、操作レバーの使用便宜性が向上するという利点がある。また、照明モジュールの光がムード照明の役割を果たして商品性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来例の通常のマルチファンクションスイッチの一例を示す図面である。
【図2】従来例の通常のマルチファンクションスイッチの左側レバーと右側レバーとの一例を示す図面であり、(a)は主にライティングと係るスイッチが具備される左側レバー10を、(b)は主にワイピングと係るスイッチが具備される右側レバー20を示したものである。
【図3】本発明の実施例によるマルチファンクションスイッチの操作レバーの左側レバーを示す図面である。
【図4】本発明の実施例によるマルチファンクションスイッチの操作レバーの右側レバーをを示す図面である。
【図5】本発明の実施例によるマルチファンクションスイッチで照明モジュールが具備された操作レバーの分解図である。
【図6】本発明の実施例によるマルチファンクションスイッチで照明モジュールの構成及び設置状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施例によるマルチファンクションスイッチで照明モジュール部分を図示した斜視図である。
【図8】本発明の実施例によるマルチファンクションスイッチで照明モジュールの設置状態を説明するための図面である。
【図9】本発明の実施例によるマルチファンクションスイッチで照明モジュールの設置状態を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例について詳しく説明する。
本発明は自動車用マルチファンクションスイッチに関し、特に操作レバーに回転ノブの操作領域を区分するための照明モジュールを具備したことに主な特徴がある。
【0032】
図3は、本発明の実施例によるマルチファンクションスイッチの操作レバーの左側レバーを示す図であり、図4は本発明の実施例によるマルチファンクションスイッチの操作レバーの右側レバーを示す図である。
図3はヘッドランプ、ターンシグナルランプ、テールランプなど各ランプの操作のためのスイッチ機能を有する左側レバー110の実施例を、図4はワイパー及びウォッシャー液噴射装置の操作のためのスイッチ機能を有する右側レバー120の実施例を図示したものである。
【0033】
本発明のマルチファンクションスイッチは、基本構成は従来のマルチファンクションスイッチの操作レバーの基本構成と同じであるが、左側レバー110と右側レバー120それぞれに、新たにノブ112と113、及びノブ122と123の操作領域を区分するための照明モジュール150が追加される。
【0034】
例えば、本実施例のマルチファンクションスイッチでは、左側レバー110の場合、フォグランプを操作するためのスイッチ機能を有する中間ノブ112と、ヘッドランプ及びオートモード(AUTO)を操作するためのスイッチ機能を有するエンドノブ113と、が具備される。一方右側レバー120の場合、フロントワイパーの速度を調整するためのスイッチ機能を有する中間ノブ122と、リアワイパーを操作するためのスイッチ機能を有するエンドノブ123と、が具備される。
【0035】
各ノブ112と113、及び122と123の操作領域を視覚的に区分するためのものが照明モジュール150である。即ち、図3及び図4に示すように、操作レバー110、120でエンドノブ113、123及びエンドノブの操作位置を示すシンボル(文字や図形など)が表示された領域をエンドノブ操作領域R1とするとき、このようなエンドノブ操作領域R1と、R1以外の領域Rとを光で区分する照明モジュール150が設置される。図面符号153は、照明モジュール150の構成で後述するように、レンズの円周面が外部に露出される部分を示す。
【0036】
例えば、中間ノブ112、122と、エンドノブ113、123と、が設置された操作レバー110、120の場合、照明モジュール150は、中間ノブ112、122、及び中間ノブの操作位置を示すシンボルが表示された領域を含む中間ノブ操作領域R2と、前述したエンドノブ113、123及びそのシンボルが表示された領域を含むエンドノブ操作領域R1と、を光で区分するように設置される。
【0037】
このように、本発明は、隣接して回転ノブが設置された中間ノブ操作領域R1及びエンドノブ操作領域R2の境界部に沿って光を放出する照明モジュール150を設置し、この照明モジュール150により各操作領域が視覚的に認知されるようにする。
【0038】
照明モジュール150は、テールランプスイッチの操作時にテールランプと連動する外部電源の印加を受けて点灯されるように配備されたり、予め設置された点灯条件で印加される電源によって点灯されるように配備される。
例えば、オートライトシステムが導入された車両の場合、ヘッドランプやテールランプは車両内の照明制御装置が照度センサーから入力される信号によって制御されるため、照明モジュール150も制御装置が照度センサーの信号に基づいて夜間やトンネル進入にオン/オフ制御される。
【0039】
図5は、本発明の実施例によるマルチファンクションスイッチで照明モジュールが具備された操作レバーの分解図であり、図6は、本発明の実施例によるマルチファンクションスイッチで照明モジュールの構成及び設置状態を表す斜視図である。
【0040】
図5は、照明モジュール150と共に操作レバー110、120内に設置される各部品を分離して図示した。
図6は、操作レバー110、120の内部構成を明確に示すために固定バー132の一部を切開して図示し、その切開された部位をハッチングして表示した。なお、図6において、内部構成を明確に示すためにムービングブロック134は外殻のみを点線で表した。
【0041】
図5に示すように、操作レバー110、120の構成は、操作レバー110、120のレバーケース131内に組み立てられる多数の部品と、レバーケース131外部に一部または全体が露出されるように設置されて、回転操作が可能となるように組み立てられる回転ノブと、を基本構成とする。
【0042】
複数の回転ノブが各操作レバーに設置されるが、回転ノブとしては操作レバー110、120の端部に回転可能に結合されるエンドノブ113、123と、操作レバー110、120の側面で回転操作が行われるように結合される中間ノブ112、122と、が設置される。
【0043】
このような構成は、従来の操作レバーの構成と相違しないが、本発明は、中間ノブ操作領域R2とエンドノブ操作領域R1の境界部で光を放出するように設置される照明モジュール150が追加で設置される。この照明モジュール150は、レバーケース131内で固定バー132に差し込んで組み立てられる。
【0044】
操作レバー110、120の内部に組み立てられる部品としては、レバーケース131内に操作レバーの長さ方向に沿って長く固定設置される固定バー132があり、更に第1ステーター133、ムービングブロック134、第1スライドピン135a、第1スライドピンの弾力作動のための第1スプリング135b、第1コンタクター136、第1接点プレート137、第2ステーター141、第2スライドピン142a、第2スライドピンの弾力作動のための第2スプリング142b、第2コンタクター143、第2接点プレート144などがある。
【0045】
ここで、第1ステーター133、ムービングブロック134、第1スライドピン135a及び第1スプリング135b、第1コンタクター136、第1接点プレート137はエンドノブ113、123の操作に係る部品であり、第2ステーター141、第2スライドピン142a及び第2スプリング142b、第2コンタクター143、第2接点プレート144は中間ノブ112、122の操作に係る部品である。
【0046】
前述した各構成部品には、レバーケース131内に設置された固定バー132が挿入されて組み立てられる。固定バー132は、図5の図面上最下側の第2接点プレート144からスライドピン135a、142a及びスプリング135b、142bを除外した各部品を通過して最上側の第1ステーター133までと結合される。このとき、一部の部品は固定バー132と一体に固定される固定部品であり、残りは固定バー132が回転軸として挿入され、回転可能に連結される回転部品である。
【0047】
即ち、ムービングブロック134及び第1コンタクター136は、固定バー132上に回転可能に連結された状態でエンドノブ113、123の回転に連動して一体に回転する部品であり、第1ステーター133及び第1接点プレート137(後述する照明モジュールのPCBに一体に構成される)は、レバーケース131内で固定バー132に回転しないように固定される部品である。
【0048】
更に、第2コンタクター143は、中間ノブ112、122の回転に連動して回転する部品であり、第2ステーター141及び第2接点プレート144は、レバーケース131内で固定バー132に固定される部品である。
【0049】
操作レバー110、120の部品のうち第1ステーター133とムービングブロック134は、エンドノブ113、123内に挿入される部品である。第1ステーター133は、固定バー132の端部に挿入して固定され、ムービングブロック134は、固定バー132に回転可能となるように挿入されてエンドノブ113、123と一体に回転する。
【0050】
更に、固定部品である第1ステーター133と、移動部品である第1スライドピン135a及び第1スプリング135bは、エンドノブ113、123の回転操作時に節度感を与えるための部品である。第1スライドピン135aは、第1スプリング135bに結合され、第1スプリング135bは、ムービングブロック134内に挿入されて結合される。第1スライドピン135a及び第1スプリング135bは、ムービングブロック134の回転と一体に回転する。
【0051】
第1ステーター133の、ムービングブロック134との対向する面には、凹凸が円形に沿って反復形成された凹凸部133aが形成される。第1スライドピン135aは、第1スプリング135bに弾力支持された状態で凹凸部133aに密着する構造となっている。
これによって、エンドノブ113、123が回転した時に、第1スプリング135bに弾力支持された第1スライドピン135aが、ムービングブロック134の回転に合わせて第1ステーター133の凹凸部133aに押圧された状態で移動する。
【0052】
使用者がエンドノブ113、123を回転操作した時、ムービングブロック134がエンドノブ113、123と一体で回転する。このとき、第1スライドピン135aが第1ステーター133の凹凸部133aに沿って押圧された状態で移動するため、第1スプリング135bの圧縮と復元が反復されると同時にエンドノブ及びムービングブロックの回転時毎に第1スライドピン135aが凹部と凸部を反復的に通り過ぎる振動によって、使用者が所定角度ずつの節度感を感じることができる。
【0053】
第1コンタクター136と第1接点プレート137は、エンドノブ113、123の回転操作によって接点が開閉するスイッチの役割をする部品である。第1コンタクター136は、固定バー132に回転可能に挿入されて、ムービングブロック134と一体回転するように結合される。
【0054】
更に、第1接点プレート137は、後述する照明モジュール150の構成のうちPCB152の表面に端子盤形態で構成される部品である。エンドノブ113、123を回転操作した時に第1コンタクター136が第1接点プレート137上でムービングブロック134と一体に回転し、第1コンタクター136と第1接点プレート137との間にはエンドノブ113、123の回転位置に対応して接点が形成される。
【0055】
即ち、第1コンタクター136と第1接点プレート137の接点が、エンドノブ113、123の回転位置、即ちエンドノブ113、123と一体回転するムービングブロック134と第1コンタクター136の回転位置によって開閉するように配備される。エンドノブ113、123の回転位置に対応して、第1コンタクター136と第1接点プレート137の間に接点が形成される場合、第1接点プレート137から該当接点を通してエンドノブ113、123の回転位置に対応するスイッチング信号が出力される。
【0056】
操作レバー110、120の部品のうち、第2ステーター141は、固定バー132に回転しないように固定される部品である。中間ノブ112、122は、第2スライドピン142aと第2スプリング142bとを介して第2ステーター141と結合される。
【0057】
中間ノブ112、122は、レバーケース131の内部に挿入された状態で固定バー132に回転可能となるよう組み立てられ、レバーケースに形成された側面の孔から一部が外部に露出される。使用者は、操作レバーの側面で、中間ノブ112、122が外部に露出された部分を通して、中間ノブ112、122を回転操作できる。
【0058】
固定部品である第2ステーター141と、移動部品である第2スライドピン142a及び第2スプリング142bとは、中間ノブ112、122の回転操作時に節度感を提供するための部品である。第2スライドピン142aは、第2スプリング142bに結合され、第2スプリング142bは、中間ノブ112、122内に挿入されて結合される。第2スライドピン142a、第2スプリング142b、及び中間ノブ112、122は、一体に回転する。
【0059】
第2ステーター141には、中間ノブ112、122との対向面に円形に沿って凹凸が反復形成された凹凸部141aが形成されている。第2スライドピン142aは、第2スプリング142bに弾性支持された状態で第2ステーター141の凹凸部141aに押圧される構造となっている。
【0060】
これによって中間ノブ112、122が回転操作される時、第2スプリング142bに弾力支持された第2スライドピン142aが、第2ステーター141の凹凸部141aに沿って押圧された状態で移動する。
【0061】
使用者が中間ノブ112、122を回転操作する際、第2スライドピン142aが、第2ステーター141の凹凸部133a、141aに沿って密着移動するため、第2スプリング142bの圧縮と復元が反復され、中間ノブ112、122の回転時に第2スライドピン142aが、凹部と凸部を反復的に通り過ぎるので、使用者は所定角度ずつの節度感を感じることができる。
【0062】
第2コンタクター143と第2接点プレート144とは、中間ノブ112、122の回転操作によって接点が開閉するスイッチの役割をする部品である。第2コンタクター143は、第1コンタクター136と同様に、固定バー132に回転可能に挿入されて中間ノブ112、122と一体回転するように結合される。
【0063】
更に、第2接点プレート144は、固定バー132に回転しないように挿入され一体に固定される部品である。中間ノブ112、122の回転操作時に第2コンタクター143が第2接点プレート144上で回転する時、第2コンタクター143と第2接点プレート144間に、中間ノブ112、122の操作位置に対応する接点が形成される。
【0064】
即ち、中間ノブ112、122の操作位置に対応して、第2コンタクター143と第2接点プレート144との接点が開閉するように配備される。第2コンタクター143と第2接点プレート144間に中間ノブ112、122の操作位置による接点が形成される場合、第2接点プレート144から、該当接点を通して中間ノブ112、122の回転位置に対応するスイッチング信号が出力される。
【0065】
本発明によるマルチファンクションスイッチの操作レバー110、120において、照明モジュール150は、隣接した2つの操作領域、特に図3及び図4に示されるように、エンドノブ操作領域R1と残りの操作レバー領域R2間の境界部に沿って光を放出する。
【0066】
エンドノブ操作領域R1と残りの操作レバー領域R2間の境界部(照明モジュール150のレンズ153が位置する)は、操作レバーが左側レバーである場合(左側レバー110)にはヘッドランプ操作領域とフォグランプ操作領域を区分する境界部となり、操作レバーが右側レバーである場合(右側レバー120)にはリアワイパー操作領域とフロントワイパー操作領域とを区分する境界部となる。
【0067】
即ち、図3に例示した左側レバー110の実施例において、ヘッドランプ操作領域は、エンドノブ操作領域R1となり、フォグランプ操作領域は、境界部を間に置いてエンドノブ操作領域に隣接した中間ノブ操作領域R2となる。
【0068】
更に、図4に例示した右側レバー120の実施例において、リアワイパー操作領域がエンドノブ操作領域R1となり、フロントワイパー操作領域が境界部を間に置いてエンドノブ操作領域に隣接した中間ノブ操作領域R2となる。
【0069】
従って本発明の操作レバー110、120は、前記の境界部に沿って外部に露出されるように設置される照明モジュール150を具備して境界部に沿っている帯形態に発光することで、境界部の発光帯がこれを間に置いて隣接した2つの操作領域を明確に区分することができる。
【0070】
従来のマルチファンクションスイッチの場合、ヘッドランプ操作領域とフォグランプ操作領域が一つの操作レバー(左側レバー)内に、そしてリアワイパー操作領域とフロントワイパー操作領域が一つの操作レバー(右側レバー)内に構成されて、ヘッドランプとフォグランプ関連スイッチの区分、及びリアワイパーとフロントワイパー関連スイッチの区分が難しく使用が不便であったが、本発明のマルチファンクションスイッチでは、隣接したエンドノブ操作領域R1と中間ノブ操作領域R2との間に照明モジュール150による発光帯が表示され、各操作領域が直感的に区分して認知され、視認性及び使用便宜性が増大すると共に、発光帯がムード照明の役割を果たすので商品性が向上する。
【0071】
図6乃至図9を参照して照明モジュールの構成及び設置状態について詳述する。
図7は本発明の実施例によるマルチファンクションスイッチで照明モジュール部分を図示した分解斜視図であり、図8と図9は本発明の実施例によるマルチファンクションスイッチで照明モジュールの設置状態を説明するための図面である。
図6に示すように、照明モジュール150は、操作レバー110、120内で、第1コンタクター136が固定されたムービングブロック134と、第2ステーター141と、の間に配置され、操作レバー内に配置される固定バー132に貫通されて固定される。
図7に示すように、照明モジュール150は、光を発生させて放出する光源151と、光源151が電気的に接続されて固定されるPCB152と、光源151から放出される光を吸収して発散するレンズ153と、を含んで構成される。
【0072】
光源151としては、半永久的な寿命を有するLEDが使用され、図8、9に示すようにPCB152の接続端子155には電源供給のためのワイヤー154が接続され、ワイヤー154及びPCB152を通して電源が供給され、光源151が点灯する。
レンズ153は一側に光源151が挿入され装着される装着溝部153aが形成されたプレート形状で具備される。装着溝部153aに光源151が挿入された状態で点灯された場合、光源から放出される光がレンズ153によって側方に発散する。
【0073】
レンズ153の円周面は、操作レバー110、120のレバーケース131の側方で回転ノブ操作領域(エンドノブ操作領域)R1とこれに隣接した残りの操作レバー領域(中間ノブ操作領域となる)R2間の境界部に沿って露出される面となる(図3及び図4参照)。レンズ153はレバーケース131の側方に境界部に沿って形成されたレンズ孔131a(図5)を通して外部に露出される。
【0074】
このようにレンズ153の円周面が操作領域R1、R2間の境界部に沿って外部に露出される構造であるため、光源151の点灯時には光源から出た光がレンズ153を通して側方に拡散された後、境界部に沿って放出される。これによって、隣接した2つの回転ノブ112と113及び122と123との間を区分する発光帯形状の照明が操作レバー110、120側面の境界部に沿って形成される。
【0075】
図8ではレバーケース131と固定バー132、照明モジュールのレンズ153及び光源151、PCB152を分離して図示し、図9では照明モジュール150が固定バー132に設置された状態の側面構造を示した。
より詳しくは、図8に示したように、固定バー132は、長さ方向に沿って一側面が切開された管構造で形成され、PCB152に貫通孔152aが形成され、図9に示すように、貫通孔152aに固定バー132が挿入されて結合される。
【0076】
レンズ153は全体的な形状が扇形に形成され、光源151及び装着溝部153aが固定バー132の内側に挿入されるように組み立てられる。このように光源151及び装着溝部153aを固定バー132の内側に設置することによって、固定バーが光源周辺を取り囲むカバーの役割をしながら光源から放出される光を遮断し、光源151の光がレンズ153以外に露出するのを防止することができ、レンズ153に多量の光が集光されるようになる。
【0077】
本発明の実施例による照明モジュール150を具備したマルチファンクションスイッチ及び操作レバー110、120の構成について詳しく説明した。照明モジュール150により操作レバー110、120の側面で隣接したエンドノブ操作領域R1と中間ノブ操作領域R2(各ノブ及び該当シンボルを含む領域)の境界部に沿って各操作領域との間を区分する帯形発光部が形成され、これによって各操作領域が帯形発光部により区分されるようになり、視認性及び使用便宜性が増大した。
【0078】
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の属する技術範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0079】
110 左側レバー
111、121 回動レバー
112、122 中間ノブ
113、123 エンドノブ
120 右側レバー
131 レバーケース
132 固定バー
133 第1ステーター
133a 凹凸部
134 ムービングブロック
135a 第1スライドピン
135b 第1スプリング
136 第1コンタクター
137 第1接点プレート
141 第2ステーター
142a 第2スライドピン
142b 第2スプリング
143 第2コンタクター
144 第2接点プレート
150 照明モジュール
151 光源
152 PCB
152a 貫通孔
153 レンズ
153a 装着溝部
154 ワイヤー
155 接続端子
R1 エンドノブ操作領域
R2 中間ノブ操作領域(残りの操作レバー領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作レバー及び前記操作レバーに装着された回転ノブを具備した自動車用マルチファンクションスイッチにおいて、前記操作レバーは、前記回転ノブ及び前記回転ノブの操作位置を示すためのシンボルが表示された領域を含む回転ノブ操作領域と、前記回転ノブ操作領域に隣接した残りの操作レバー領域と、の境界部に沿って光を外部放出するための照明モジュールを具備することを特徴とする照明部を有する自動車用マルチファンクションスイッチ。
【請求項2】
前記操作レバーは、前記操作レバーの端部に設置されたエンドノブ及び前記エンドノブの操作位置を示すためのシンボルが表示された領域を含むエンドノブ操作領域と、前記エンドノブ操作領域に隣接した残りの操作レバー領域と、の境界部に沿って光を外部放出するための照明モジュールとを具備することを特徴とする請求項1に記載の照明部を有する自動車用マルチファンクションスイッチ。
【請求項3】
前記操作レバーは、前記エンドノブと別途に中間ノブが設置された構造であって、前記照明モジュールが、エンドノブ操作領域と、前記中間ノブ及び中間ノブの操作位置を示すためのシンボルが表示された領域を含む中間ノブ操作領域と、の境界部に沿って光を外部に放出するように具備されることを特徴とする請求項2に記載の照明部を有する自動車用マルチファンクションスイッチ。
【請求項4】
前記照明モジュールは、光源と、前記光源が接続されたPCBと、前記光源と結合されて光源の光を側方に発散するプレート形状のレンズと、を含めて構成され、
前記光源、PCB、及びレンズが前記操作レバー内に組み立てられた状態で前記レンズの円周面が操作レバー側面の境界部に沿って外部に露出される構造となっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の照明部を有する自動車用マルチファンクションスイッチ。
【請求項5】
前記照明モジュールは、前記PCBとレンズが、操作レバー内に設置された固定バーに結合され、前記固定バーが、長さ方向に沿って一側面が切開された管構造に形成されて、前記PCBに形成された貫通孔に固定バーが貫通挿入されることで、PCBが固定バーに結合されることを特徴とする請求項4に記載の照明部を有する自動車用マルチファンクションスイッチ。
【請求項6】
前記照明モジュールは、前記レンズの一側に光源が挿入、装着される装着溝部が形成されて前記装着溝部に挿入された光源から放出される光がレンズによって側方に発散されるように構成され、前記レンズは装着溝部及び光源が固定バー側面の切開された部位を通して固定バー内側に挿入された構造となるように固定バーに組み立てられることを特徴とする請求項5に記載の照明部を有する自動車用マルチファンクションスイッチ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−91777(P2012−91777A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215505(P2011−215505)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】(500518050)起亞自動車株式会社 (449)
【出願人】(511236349)大星電機株式会社 (1)
【Fターム(参考)】