説明

熟(う)らしにんにく製造法について

【目的】抗酸化能力に優れる食べやすい熟らしにんにくを、安価に量産する方法に関するもの。
【構成】むき身ニンニクを使用する事と、減少した水分を含浸させる事で水分飽和状態にしてから、沸騰以下の温度で密閉中に水分膨張による加圧状態を維持させる。装置自体を被熟物の割合に対して空間面積を狭める事で熱損失を低く抑える事と、適した環境の安定拡大の為に、増産に対する装置の考え方はマルチシステムであります。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗酸化能力に優れる食べやすい熟らしにんにくを、安価に量産する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ニンニクは古来より、滋養強壮に高い効果があることは良く知られており、また、最近ではアメリカ国立ガン予防研究所の研究でガン予防の可能性のある重要食品のトップグループであると報告されるなど注目される食品である。しかし、摂取した場合に独特の刺激臭を有することや不快な口臭が残ってしまうことから敬遠されることが多かった。
【0003】
イオウ化合物の効果については、多くの文献にて紹介されている様によく知られるところである。食するための工夫も様々であるが、安価でおいしく食せる事と、様々な食品との組合せを可能にする食材を目指す。
【0004】
身体に有用なニンニクの有効成分の効果を引き出し、摂取したときのマイナス点である刺激臭や口臭を減ずるために、特開20004−121113号公報には生ニンニクを玄米発酵素に漬け込み、遠赤外線を発する物質を熱源との間に挟み込み、さらに一定の条件にて特定温度(30℃〜70℃)を長時間(約250〜350時間)加えることにより刺激臭を減じ、不快な口臭も長く残らないようにして上記諸問題を解決し、機能性食品として加工した酵素蒸しニンニクの製品内容について開示されている。
【0005】
【特許文献1】 特開2004−121113号公報
【特許文献2】 特公昭47−8574号公報
【特許文献3】 特開2004−187623号公報
【0006】
発酵ニンニク、熟成ニンニクなるものがあるが、ニンニクはもともと放って置くと発酵し、褐色化し始め分子の分解と共に柔らかく変化して行くものであります。つまり発酵し褐色化する事は自然現象であり、今までの環境条件の考え方いわゆる製法は殆どが似た様なもので、生ニンニクを球事入れて、ムロの中で温度と湿度を管理しながら時間を掛けて変化を待つものであります。
【0007】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、今までの製法ではムロ自体が熱バランスの不均一、及び温度上昇による乾燥防止のための加湿により、更に温度上昇に掛かる熱損失等からコストが掛かる。また皮付きのまま加工する事による製品のムラが出る事や、皮付きは剥く時に手が汚れる事、また味にもバラつきがある。また加工時に発生する臭気は近隣とのトラブルの原因にもなり、現に苦情が出ていると聞いている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】
当工法は、むき身ニンニクを使用する事と、減少した水分を含浸させる事で水分飽和状態にしてから、沸騰以下の温度で密閉中に水分膨張による加圧状態を維持させることで得られる分子分解法である。
【0011】
温度を上げる事は乾燥を伴う為にどうしても加湿が必要である。たとえば6〜7月の収穫直後の乾燥しないにんにくは、ほとんど100%に近い98〜99%程度の飽和水分を含有しているが、保存する為の乾燥をすることで、その時に10%以上の水分を失う。それから日を追う毎に少しずつ減少して行くものであります。従って5〜6月、つまり収穫から11ヶ月程度経過したものは、見た目表面上では分かりづらいが40%程度の水分を吸水するほど、水分を失っております。
【0012】
当工法は発酵ではなく、煮る事に近い無添加低温加圧法とでもいう褐色ニンニクの製造方法であります。
【0013】
【発明の効果】
【0014】
これらの工夫により、製品の安定化と、より低コスト化の実現により消費者に安価にての提供が出来ます。さらに、商品化にはゴミの減量化に寄与するパックを使用する事で、食べやすく更には環境を考慮しました。
【0015】
【発明を実施するための形態】
【0016】
収穫時期からの経過日数や、産地を問わず前処理として飽和水分状態まで含水させる。それを密閉袋に入れ更に密閉ケースに入れる事で、水蒸気膨張により低加圧状態が出来る。さらに酵素反応にて発生する臭気は密閉状態のために外部への放散を防止出来る事と、途中での加湿はしない。
【0017】
かつ均一性を保てる様に装置内の熱源を分散化する事と、蓄熱材等を敷き入れる、更に装置自体を被熟物の割合1に対して空間面積を1〜5程度とする、狭める事で熱損失を低く抑える事と、さらに適した環境の安定拡大の為に、増産に対する装置の考え方はマルチシステムとしているのであります。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
むき身ニンニクを、減少した水分を飽和状態にしてから、沸騰以下の温度で密閉袋や密閉ケース等に入れ水分膨張による加圧状態を維持させること。
【請求項2】
装置は熱源の分散と、更に装置自体を被熟物の割合1に対して空間面積を1〜5程度とする事、増産に対しては同装置の増設とするマルチシステムとする。

【公開番号】特開2012−5471(P2012−5471A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157249(P2010−157249)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(507117278)
【出願人】(507390114)
【Fターム(参考)】