説明

熱バリアコーティングを除去するための方法

要約すれば、本発明は、金属基体を損傷させることなく部材(10)から熱バリアコーティングを選択的に除去し得るような、低圧で非摩耗性粒状媒体を含有しているエアジェットを使用するプロセスを提供するものである。このプロセスは、部材の冷却穴(11)から熱バリアコーティングを選択的に除去する。好ましくは、エアジェットは、非摩耗性粒状媒体を含有したものとされ、基体表面を損傷させ得ない程度のなおかつ熱バリアコーティングを除去し得る程度の低圧でもって、ノズル(3)から放出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義には、金属部材から熱バリアコーティングを除去するためのプロセスに関するものであり、より詳細には、例えば燃焼器チャンバライナーといったようなガスタービンエンジン部材の冷却穴から熱バリアセラミックコーティングを除去するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジン(航空宇宙用、および、工業用)は、ニッケルおよびコバルトをベースとした超合金部材がそれらの融点に非常に近い温度で動作するようなものとして、構成されている。熱バリアコーティング(TBC)は、高温で動作する絶縁部材という重要な機能を果たす。タービンの典型的な構成部材は、燃焼チャンバ(図1における燃焼チャンバ10を参照されたい)と、ダクトと、排気ノズルと、タービンブレードと、ノズルガイドベーンと、である。TBCは、熱伝導度が非常に小さいことを特徴とするものであって、熱流に曝された際には、大きな温度勾配を有することとなる。
【0003】
最も一般的に使用されているTBC材料は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)であり、これは、最大で1150℃までの熱衝撃と熱疲労とに対して耐性を有している。典型的には、セラミック層は、エアプラズマ噴霧(APS)によって、あるいは、低圧プラズマ噴霧(LPPS)によって、あるいは、例えば電子ビーム物理的気相蒸着(EBPVD)といったような物理的気相蒸着(PVD)プロセスによって、成膜することができる。基体材料をボンドコートによってプレコーティングすることは、通常的な手法である。ボンドコートは、互いに熱膨張係数が異なることに基づいて金属基体とセラミックTBCとによって引き起こされるような残留応力を吸収する。そうでなければ、残留応力がコーティングシステム内にわたって伝搬してしまうこととなる。ボンドコートは、さらに、酸化耐性と腐食耐性とを提供する。典型的なボンドコートには、限定するものではないけれども、MをNiまたはCoまたはFeまたはこれらの混合物とした場合のMCrAlYコーティングや、拡散アルミナイドコーティングや、白金アルミナイドコーティング、がある。
【0004】
ガスタービンエンジンの効率を増大させたいという要望のために、燃焼チャンバの温度が高温化するとともに、タービンエンジンの高温部分が増大した。追加された温度を補償し得るよう、大きな熱負荷がかかる場所においては、多くの場合、流出穴による冷却が使用される。図1に示す燃焼チャンバ10といったようなエンジン部材に関しての流出穴による冷却は、必要とされた冷却エアをエンジン部材に対して供給する複数の冷却穴11を小さな直径(0.254〜1.524mm(0.010〜0.060インチ)という直径)のものとして特定の角度およびパターンでもってレーザー穿孔することによって、行われる。流出穴冷却システムは、典型的には、エンジン部材上におけるTBCコーティングと一緒に使用される。これにより、大きな温度勾配に耐え得るという能力に起因する最大の利点を享受することができる。金属基体の温度を低下させることは、エンジン部材の寿命を延ばす。加えて、冷却穴とTBCとからなるシステムは、金属基体内における熱勾配を低減させ、これにより、熱疲労の誘発を低減させる。このようなシステムの利益は、構成部材のより大きな耐久性や、より高温のガス温度や、性能や効率の向上、を実現する。
【0005】
レーザー穿孔(例えば、Nd:YAGレーザー)を使用することにより、ガスタービンエンジンの高温部材に冷却穴を開けることができる。これら部材は、好ましくは、熱バリアコーティング(TBC)によって保護される。レーザー穿孔プロセスにより、部材をなす金属基体およびTBCを同時に貫通して穴開けすることによって、冷却穴を形成することができる。。しかしながら、この形成プロセスにおいては、レーザーによって誘起された損傷が発生する。マイクロ構造的な損傷は、TBCと金属製ボンドコートと金属基体との界面において発生し、これにより、TBCが剥離し、その結果、セラミック製絶縁コーティングの損失(破砕)が起こる。このことは、耐久性と耐用寿命とに悪影響を及ぼす大きな熱負荷のために、金属製基体にとっては有害である。
【0006】
空冷部材も含めたような様々な部材から製造時や修理時に熱バリアコーティングを除去し得るよう、様々な技術が開発されている。特許文献1〜3は、粒状媒体(摩耗性または非摩耗性)の有無は別として、ウォータジェットシステムを開示している。液体を含有したジェットが使用され、このジェットは、25.4mm×25.4mm(1平方インチ)あたりにつき2268〜22680kg(5000〜50,000ポンド)といったような大きな流体圧力で動作する。これにより、熱バリアコーティングを除去することができる。ウォータジェットプロセスは、25.4mm×25.4mm(1平方インチ)あたりにつき2268kg(5000ポンド)という単一サイクルの後に、直下の基体に関する摩耗および浸食を『最小』のものとする。サイクル数を多くしたりまた圧力を増大させたりした場合には、想定される最小の摩耗および浸食と比較して、摩耗および浸食が大きなものとなる。
【特許文献1】米国特許第6,004,620号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1340587号明細書
【特許文献3】米国特許第6,620,457号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
要約すれば、本発明は、金属基体を損傷させることなく部材から熱バリアコーティングを選択的に除去し得るような、低圧で非摩耗性粒状媒体を含有しているエアジェットを使用するプロセスを提供する。このプロセスは、部材の冷却穴から熱バリアコーティングを選択的に除去する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、非摩耗性粒状媒体を含有した低圧エアジェットだけを利用したプロセスを提供するものである。このプロセスは、熱バリアコーティングの除去に有効なものであるとともに、直下の金属基体の摩耗や浸食を引き起こさない。なぜなら、低圧のプロセスエアを使用しているからであり、また、使用している非摩耗性媒体の本来的な特性のためである。本発明によるプロセスは、摩耗や浸食を引き起こすことなく、部材に関して、無制限回数にわたって使用することができる。
【0009】
本発明によるプロセスにおいては、制御された低圧エアの下で、好ましくは乾燥した球状ビーズ媒体といったような非摩耗性粒状媒体を使用する。これにより、構成部材をなす金属製基体に悪影響を与えることなく、熱バリアコーティングを効果的に機械加工して除去することができる。このプロセスは、TBCの除去に際して有効である。そのようなTBCは、限定するものではないけれども、流出空冷穴や一般的な空冷穴といったような構成部材に、また、TBCが要求されていない任意の構成部材に対してさえも、成膜し得るものである。
【0010】
このプロセスは、熱バリアコーティングの適用または再形成の前に空冷穴を形成または再形成するためのレーザー穿孔プロセス(もし要求されれば)による製造または修復を可能とする。このプロセスの主要な利点は、必要とされたすべてのレーザー穿孔の後に、熱バリアコーティングを適用し得ることである。これにより、冷却によって誘起される損傷を回避することができる。これにより、TBC損失を(破砕)を回避し得るとともに、その熱の金属製基体に対する熱損傷を回避することができる。結局、部分的な耐久性および態様寿命を向上させることができる。
【0011】
このプロセスの追加的な利点は、起伏のあるエッジや尖鋭なエッジを円滑化して丸めることにより、空冷穴の内部およびエッジの表面特性を改良することである。これにより、空冷穴のエアフロー特性を著しく改良することができる。燃焼チャンバ壁に対するエアフロー試験により、このプロセスの後においては、エアフロー質量を14.6%増大させ得ることが実証された。レーザー穿孔および面取り後における燃焼チャンバライナー壁に対するエアフロー試験により、0.333093LBM/S(1秒あたりのポンド数で表したフロー質量)というフロー質量速度が示された。これに対し、TBCの適用し本発明によるプロセスを使用した後における同じ壁に対するエアフロー試験により、0.382348LBM/Sというフロー質量速度が示された。
【0012】
本発明によるプロセスは、図1に示す乾燥エアブラストシステム1を使用して、実施される。システム1は、限定するものではないけれども、囲い(図示せず)と、ロータリーテーブル2と、複数のエアジェットノズル3と、乾燥エア供給圧力容器および媒体処理ユニット4と、エアジェットノズルの駆動機構5と、球状粒子の濾過と分離とを行うための媒体処理/回収ユニット(図示せず)と、プログラマブルコントローラ(図示せず)と、を備えている。乾燥エアジェットシステムにおいては、媒体回収ユニットを使用している。この媒体回収ユニットは、を利用します、プロセス時には連続的に媒体の濾過と球状粒子の分離とを行う。これにより、プロセスの効率を維持し得るとともに、空冷穴内においておよび空冷穴に隣接した場所において最適の表面特性をもたらす。このことは、空冷穴からの排気効率を増大することができて望ましい。
【0013】
プロセスにおいては、約138〜約690kPa(約20〜約100PSIG(ポンドパースクエアインチ))という低圧でもって、エアのみの供給システムを使用している。これにより、作業領域に対して、非摩耗性粒状媒体の濃縮ストリームを流すことができ、これにより、部材をなす金属基体の表面に対して悪影響を及ぼすことなく、熱バリアコーティングを機械加工によって除去することができる。好ましい非摩耗性媒体は、少なくとも70%という比率とされた、好ましくは少なくとも95%という比率とされた、球状媒体である。粒子サイズは、約0.05〜0.25mm(約0.002〜0.010インチ)という直径である。約0.076mm(約0.003インチ)という直径の球状のガラス媒体を、非摩耗性媒体として使用することができる。
【0014】
構成部材の幾何形状および構成の変更に基づき、乾燥エアジェットシステムノズルは、任意の態様で連結することができる。これにより、作業領域に対して球状媒体の濃縮ストリームを供給するのに必要な任意の配置を構成することができる。これにより、様々な入射角度でもって、限定するものではないけれども空冷穴の内部やエッジや表面からといったようにして部材から熱バリアコーティング成膜体を機械加工によって除去することができる。また、プロセスの実行に際して要望された場合には、手動タイプの乾燥エアブラストノズルを使用することもできる。冷却穴からTBCを除去するに際しては、冷却穴のところにおいて、エアジェットを、熱バリアコーティングを有した表面とは反対側の表面から、向けることができる。例えば、図1においては、燃焼チャンバ10の外表面12上におけるTBCコーティングとは反対側の表面から、すなわち、冷却穴11のところにおいて内表面から、エアジェットを向けることができる。冷却穴からのTBCの除去に加えて、エアジェットは、冷却穴の軸線に対して同軸的に位置合わせされる(すなわち、冷却穴と実質的に同じ角度に位置合わせされる)。
【0015】
本発明は、製造時や修復時に、熱バリアコーティング済み部材に対して、適用することができる。新品の部材の製造の場合には、レーザー機械加工後やレーザー穿孔後も含めてすべての他の処理が終了した後に、TBCを適用することができる。本発明を利用した最終製造プロセスの1つとしてTBCの適用を行い得ることにより、TBCの品質および完全性が保証され、これにより、TBC適用時に部材を通常に処理した場合の各試験片と同じ品質レベルおよび特性が保証される。部材の製造時には、このプロセスを使用することによって、所望に応じてTBCを除去することができる。これにより、部材の製造に関して要求されたような任意の修正や修復を行うことができる。サービス部材の修復に際しては、このプロセスを使用することによって、TBCを注意深く除去することができ、部材の検査と修復とを行うことができる。限定するものではないけれども溶接や研削や熱処理やレーザー穿孔も含めたような修復処理が終了した後には、TBCを再適用することができ、その後、必要に応じてこのプロセスを使用することによって、不要とされた任意のTBCを除去することができる。
【0016】
エアのみの低圧媒体ビーズブラストホーンプロセスは、大部分のTBC除去応用に際して、約138〜約690kPa(約20〜約100PSIG)という範囲の低いエア圧力でもって非常に小さな直径(約0.076mm(約0.003インチ)という直径)の球状媒体を使用するような、制御されたシステムである。いくつかのTBC除去応用においては、本発明の範囲を逸脱することなく、プロセスパラメータの変更や媒体の変更を、要求することができる。プロセスは、攻撃的なものではなく、金属基体に対しての摩耗や浸食を引き起こすことがなく、経済的なものであり、さらに、再現性のある結果をもたらす。このプロセスの適用後における冷却穴に関するエアフロー試験により、部材のエアフロー特性が著しく改良されたことが実証された。
【0017】
『実験例』
ジェットエンジンの高温部分をなす燃焼チャンバ(コバルトまたはニッケルをベースとした超合金材料から製造される)を、レーザー穿孔によって形成された複数の空冷穴を備えたものとして製造した。部材のガス流通(高温側)表面を、まず最初に、金属製ボンドコートによってコーティングした。この金属製ボンドコートは、主にニッケルであって、クロムとアルミニウムとイットリアと(あるいは、他の反応元素)を含有している。金属製ボンドコートは、典型的には約0.13〜0.20mm(約0.005〜0.008インチ)という厚さでもって、プラズマ噴霧によって成膜される。ボンドコートの成膜の後に、レーザー穿孔プロセスを使用して、部材に関しての所望のエアフロー冷却特性が得られるような所望の傾斜角度でもって、複数の空冷穴を形成する。レーザー穿孔の後に、部材を洗浄し、これにより、すべてのレーザースラグを除去する、すなわち、レーザー穿孔プロセスに起因するすべての脱離材料を除去する。レーザー穿孔および洗浄の後に、同じ材料からなる付加的なボンドコート層を、約0.025〜0.76mm(約0.001〜0.003インチ)という厚さでもって、プラズマ噴霧プロセスによって成膜することができる。その後、プラズマ噴霧プロセスによって、約0.13〜0.50mm(約0.005〜0.020インチ)という厚さでもって、6〜8%のイットリアによって部分的に安定化された主にジルコニアからなるセラミック製トップコート層を成膜する。セラミック製トップコート層の成膜時には、部材の空冷穴は、熱バリアコーティング(セラミック製トップコート層)によって部分的に閉塞され、これにより、冷却エアフローを制限してしまうこととなる。
【0018】
図1に示すようにして構成されたような、Guyson 社の RSSA-8という型番の乾燥エアブラストシステムを使用することにより、約0.076mm(約0.003インチ)という直径の球状ガラス媒体(球状粒子の少なくとも70%が、約0.076mm(約0.003インチ)という直径を有している)を利用して、276〜414kPa(40〜60PSIG)という圧力の乾燥エアジェットを生成した。乾燥エアジェットは、空冷穴と実質的に同じ入射角でもって、部材の金属表面側(コーティングを行わなかった側)から、向けた。これにより、冷却エアフローを制限している熱バリアコーティング成膜体を除去した。
【0019】
熱バリアコーティング成膜体は、空冷穴から完全に除去された。これにより、部材に関して要求された所望の冷却エアフローがもたらされる。加えて、空冷穴表面および空冷穴エッジは、整えられる(円滑化され丸められる)。これにより、空冷穴の排気係数の増大化に基づき、エアフロー質量が約15%増大する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明によるプロセスを実施するために使用される装置をを示す図である。
【符号の説明】
【0021】
1 乾燥エアブラストシステム
2 ロータリーテーブル
3 エアジェットノズル
4 乾燥エア供給圧力容器および媒体処理ユニット
5 駆動機構
10 燃焼チャンバ
11 冷却穴
12 外表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成部材をなす金属基体表面からセラミック製熱バリアコーティングを除去するための方法であって、
前記部材の前記基体表面上の前記熱バリアコーティングのところにおいてエアジェットを発生させ、
その際、前記エアジェットを、非摩耗性粒状媒体を含有したものとし、
前記エアジェットを、前記基体表面を損傷させ得ない程度のなおかつ前記セラミック製熱バリアコーティングを除去し得る程度の低圧でもって、ノズルから放出することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記エアジェットの圧力を、138〜690kPa(20〜100PSIG)とすることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、
前記媒体を、実質的に球形形状のものとすることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法において、
前記球状媒体の直径を、0.05〜0.25mm(0.002〜0.010インチ)とすることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法において、
前記媒体を、ガラスビーズとすることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、
前記構成部材を、タービンエンジンの構成部材とすることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法において、
前記タービンエンジンの前記構成部材を、燃焼チャンバとすることを特徴とする方法。
【請求項8】
タービンエンジンの金属製構成部材の冷却穴からセラミック製熱バリアコーティングを除去するための方法であって、
前記部材の前記冷却穴のところにおいてエアジェットを発生させ、
その際、前記エアジェットを、非摩耗性粒状媒体を含有したものとし、
前記エアジェットを、前記冷却穴の金属表面を損傷させ得ない程度のなおかつ前記セラミック製熱バリアコーティングを除去し得る程度の低圧でもって、ノズルから放出することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法において、
前記エアジェットの圧力を、138〜690kPa(20〜100PSIG)とすることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法において、
前記媒体を、実質的に球形形状のものとすることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法において、
前記球状媒体の直径を、0.05〜0.25mm(0.002〜0.010インチ)とすることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法において、
前記媒体を、ガラスビーズとすることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法において、
前記タービンエンジンの前記構成部材を、燃焼チャンバとすることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項8記載の方法において、
前記エアジェットを、前記冷却穴のところにおいて、前記部材の前記熱バリアコーティングを有している表面とは反対側の表面に向けることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項9記載の方法において、
前記エアジェットの向きを、前記冷却穴のところにおいて、前記冷却穴と実質的に同じ角度とすることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項8記載の方法において、
前記エアジェットによって、前記冷却穴の金属製エッジを丸くすることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項8記載の方法において、
レーザー穿孔プロセスを使用して、前記タービン構成部材に、前記冷却穴を形成することを特徴とする方法。
【請求項18】
熱バリアコーティングされたタービンエンジン構成部材に冷却穴を形成するための方法であって、
前記構成部材に冷却穴を穿孔形成し;
そのようにして冷却穴が形成された状態の前記構成部材の表面を、セラミック製熱バリアコーティングによってコーティングし;
前記構成部材の前記冷却穴のところにおいてエアジェットを発生させ、その際、前記エアジェットを、非摩耗性粒状媒体を含有したものとし、前記エアジェットを、前記冷却穴の金属表面を損傷させ得ない程度のなおかつ前記セラミック製熱バリアコーティングを除去し得る程度の低圧でもって、ノズルから放出する;
ことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、
前記エアジェットの圧力を、138〜690kPa(20〜100PSIG)とすることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法において、
前記媒体を、実質的に球形形状のものとすることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20記載の方法において、
前記球状媒体の直径を、0.05〜0.25mm(0.002〜0.010インチ)とすることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法において、
前記媒体を、ガラスビーズとすることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22記載の方法において、
前記タービンエンジンの前記構成部材を、燃焼チャンバとすることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項16記載の方法において、
前記エアジェットを、前記冷却穴のところにおいて、前記部材の前記熱バリアコーティングを有している表面とは反対側の表面に向けることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項18記載の方法において、
前記エアジェットの向きを、前記冷却穴のところにおいて、前記冷却穴と実質的に同じ角度とすることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項18記載の方法において、
前記エアジェットによって、前記冷却穴の金属製エッジを丸くすることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項18記載の方法において、
レーザー穿孔プロセスを使用して、前記タービン構成部材を貫通穿孔して、前記冷却穴を形成することを特徴とする方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−519530(P2007−519530A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543913(P2006−543913)
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/040765
【国際公開番号】WO2005/122713
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(504341287)ターボコンバスター・テクノロジー・インコーポレーテッド (1)