説明

熱交換器および空気調和機用室内機

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ドレンの排出機能を向上させた熱交換器および空気調和機用室内機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気調和機用室内機において用いられている熱交換器(例えば、多数平行に配置された伝熱管に対して直交状態で板状のフィンを配置してなるクロスフィンコイル型熱交換器)には、冷房運転時において空気中の湿分が凝縮してフィン面に付着し、ドレンとなって排出されることとなっている。
【0003】ところで、上記したドレンがフィン面に滞留すると、空気の流通を妨げることとなって、熱交換器の性能低下につながるため、フィン面には通常親水性処理が施される。親水性処理を施されたフィン面で凝縮したドレンは、表面張力の低下により滴状とならず膜状となって流下することとなり、通風抵抗を増大させることがなくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、親水性処理加工面は、その性質から初期においては高い親水性を発揮するものの、次第に親水基が水とともに失われてくるため、長く使用していると親水性が低くなる。
【0005】また、空気調和機として使用を繰り返すうちに、フィルターを通過してくる空気、あるいはフィルターを通らずバイパスしてくる空気に含まれるホコリが熱交換器のフィンに付着してくることとなる。すると、さらに親水性が失われてくる。
【0006】さらに、熱交換器におけるフィンとしては、アルミの薄板に多数のスリット加工が施されているものが多く用いられる。そのため、水滴の滞留が生じやすく、場合によっては、滞留した水滴がフィンから飛散して室内へ飛び出すという問題が生ずることがある。
【0007】ところで、本発明者らは、ある種の光触媒性半導体材料(例えば、酸化チタン等)にバンドギャップエネルギーより高いエネルギーの光を照射すると、極めて高い親水性を発揮することを知見した。このようにして得られる親水性は、繰り返し使用したとしても光の照射により親水性が回復するため、従来の親水性処理に比べて極めて有用である。
【0008】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、ドレン排出機能を大幅に向上させることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項の発明では、上記課題を解決するための手段として、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器において、前記各板状フィン2の表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、前記伝熱管1,1・・のうちの選ばれたものを、前記コーティング層11に親水性活性を励起させるための管状光源12に代えている。
【0010】上記のように構成したことにより、蒸発器として使用した場合において、板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着するが、該ドレンは、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下することとなる。従って、空気の流通抵抗を増大させることがなくなる。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができる。また、熱交換器の内部に位置する管状光源12からの光によりコーティング層11に親水性活性を励起することができ、親水性活性の励起が効果的に行える。
【0011】請求項の発明では、上記課題を解決するための手段として、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器において、前記各板状フィン2における風下側部分のみの表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、前記伝熱管1,1・・のうちの選ばれたものを、前記コーティング層11に親水性活性を励起させるための管状光源12に代えている。
【0012】上記のように構成したことにより、蒸発器として使用した場合において、板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着するが、該ドレンは、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下することとなる。従って、空気の流通抵抗を増大させることがなくなる。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができる。また、板状フィン2の風下側端面に沿ってドレンが速やかに流下することとなって水飛びなどが生じにくくなる。また、熱交換器の内部に位置する管状光源12からの光によりコーティング層11に親水性活性を励起することができ、親水性活性の励起が効果的に行える。
【0013】請求項の発明では、上記課題を解決するための手段として、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器において、前記各板状フィン2における風上側部分のみの表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、前記伝熱管1,1・・のうちの選ばれたものを、前記コーティング層11に親水性活性を励起させるための管状光源12に代えている。
【0014】上記のように構成したことにより、蒸発器として使用した場合において、板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着するが、該ドレンは、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下することとなる。従って、空気の流通抵抗を増大させることがなくなる。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができる。また、板状フィン2の風上側部分におけるドレン排出機能が向上することとなって空気の流通抵抗を小さくできる。また、熱交換器の内部に位置する管状光源12からの光によりコーティング層11に親水性活性を励起することができ、親水性活性の励起が効果的に行える。
【0015】請求項の発明では、上記課題を解決するための手段として、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器において、前記各板状フィン2における下方部分のみの表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、前記伝熱管1,1・・のうちの選ばれたものを、前記コーティング層11に親水性活性を励起させるための管状光源12に代えている。
【0016】上記のように構成したことにより、蒸発器として使用した場合において、板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着するが、該ドレンは、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下することとなる。従って、空気の流通抵抗を増大させることがなくなる。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができる。また、ドレンの流下により量が多くなる部分(即ち、各板状フィン2の下方部分)におけるドレン排出機能が向上することとなって必要最小限のコーティング層形成により有効なドレン排出が行える。また、熱交換器の内部に位置する管状光源12からの光によりコーティング層11に親水性活性を励起することができ、親水性活性の励起が効果的に行える。
【0017】請求項の発明では、上記課題を解決するための手段として、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器において、前記各板状フィン2における伝熱管挿通部の周辺部のみの表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、前記伝熱管1,1・・のうちの選ばれたものを、前記コーティング層11に親水性活性を励起させるための管状光源12に代えている。
【0018】上記のように構成したことにより、蒸発器として使用した場合において、板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着するが、該ドレンは、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下することとなる。従って、空気の流通抵抗を増大させることがなくなる。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができる。また、ドレンが滞留し易い部分(即ち、各板状フィン2における伝熱管挿通部の周辺部)におけるドレン排出機能が向上することとなって必要最小限のコーティング層形成により有効なドレン排出が行える。また、熱交換器の内部に位置する管状光源12からの光によりコーティング層11に親水性活性を励起することができ、親水性活性の励起が効果的に行える。
【0019】請求項の発明では、上記課題を解決するための手段として、請求項1ないし請求項のいずれか一項記載の熱交換器Aを内蔵せしめて空気調和機用室内機を構成している。
【0020】上記のように構成したことにより、冷房運転時において熱交換器Aにおける板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着するが、該ドレンは、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下することとなる。従って、空気の流通抵抗を増大させることがなくなる。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができる。また、熱交換器の内部に位置する管状光源12からの光によりコーティング層11に親水性活性を励起することができ、親水性活性の励起が効果的に行える。
【0021】請求項の発明では、上記課題を解決するための手段として、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器Aと送風機4とを備えた空気調和機用室内機において、前記各板状フィン2の表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、該コーティング層11に親水性活性を励起させるための光源12を空気通路10内に配設し且つ該光源12からの光を前記熱交換器A側に反射させるための反射鏡15を設けている。
【0022】上記のように構成したことにより、冷房運転時において熱交換器Aにおける板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着するが、該ドレンは、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下することとなる。従って、空気の流通抵抗を増大させることがなくなる。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができる。また、熱交換器Aに近い部分に光源12を配設することができるところから、コーティング層11への光の照射が行えるとともに、少ない個数の光源12で熱交換器A全体への光の照射が行える。
【0023】請求項の発明では、上記課題を解決するための手段として、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器Aと送風機4とを備えた空気調和機用室内機において、記各板状フィン2の表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、該コーティング層11に親水性活性を励起させるための光源12を前記熱交換器Aへの空気通路10外に配設し且つ該光源12からの光を前記熱交換器A側に透過させるための透明窓13を設けている。
【0024】上記のように構成したことにより、冷房運転時において熱交換器Aにおける板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着するが、該ドレンは、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下することとなる。従って、空気の流通抵抗を増大させることがなくなる。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができる。また、流通空気の邪魔にならない。
【0025】請求項の発明では、上記課題を解決するための手段として、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器Aと送風機4とを備えた空気調和機用室内機において、記各板状フィン2の表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、該コーティング層11に親水性の活性を励起させるための光源12を空気通路10外における外部からサービスし易い場所に配設し且つ前記光源12からの光を熱交換器A側に反射させるための反射鏡15と該反射鏡15により反射された反射光を透過させるための透明窓16とを設けている。
【0026】上記のように構成したことにより、冷房運転時において熱交換器Aにおける板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着するが、該ドレンは、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下することとなる。従って、空気の流通抵抗を増大させることがなくなる。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができる。また、光源12の交換等を容易に行えるとともに、光源12からの光を確実に熱交換器Aへ照射することができる。
【0027】請求項10の発明では、上記課題を解決するための手段として、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器Aと送風機4とを備えた空気調和機用室内機において、前記各板状フィン2の表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、前記送風機4の回転軸18を全体あるいは部分的に透明なものとし且つ前記コーティング層11に親水性の活性を励起させるための光源12を前記回転軸18に内蔵させている。
【0028】上記のように構成したことにより、冷房運転時において熱交換器Aにおける板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着するが、該ドレンは、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下することとなる。従って、空気の流通抵抗を増大させることがなくなる。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができる。また、光源12を設置するスペースを特別に設ける必要がなくなる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの参考例および好適な実施の形態について詳述する。
【0030】第1の参考例図1および図2には、本願発明の第1の参考例にかかる熱交換器および空気調和機用室内機が示されている。
【0031】この場合、壁掛けタイプの空気調和機用室内機における熱交換器Aとして、平行に配置された多数の伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とからなるクロスフィンコイル型の熱交換器が採用されている。符号3はケーシング、4は送風機であるクロスフローファン、5は空気吸込口、6は空気吹出口、7はドレンパン、8はエアフィルターである。
【0032】前記空気吸込口5,5から空気吹出口6に至る間には、ガイド部材9により囲まれた空気通路10が形成されている。
【0033】しかして、前記熱交換器Aにおける各板状フィン2における風下側部分のみの表面には、光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料(例えば、チタニア等)を含むコーティング層11が形成されている。
【0034】光触媒性半導体材料を含むコーティング層11に特定波長(例えば、光触媒のバンドギャップエネルギーより高いエネルギーの波長)をもった光を照射すると、極めて高い親水化現象を起こす。例えば、水との接触角に換算して約10°以下の極めて高い親水性を示す。
【0035】ところで、光触媒による親水化現象は、次のように説明できる。
【0036】図4に示すように、板状フィン2をチタニア(TiO3)からなるコーティング層11で被覆した場合について説明する。チタニアを紫外線によって光励起すると、光触媒作用によって水が水酸基の形で表面に化学吸着され、その結果、表面が極めて高い親水性になると考えられる。なお、光触媒としては、前記したチタニアの他、ZnO、SnO、SrTiO3、WO3、Bi23、Fe23のような金属酸化物を用いることもできる。
【0037】そして、本参考例においては、前記空気通路10において熱交換器Aの風上側であってエアフィルター8の風下側に光源12が配設されている。該光源12としては、熱交換器Aの幅寸法と同程度の管長を有する管状光源(例えば、蛍光灯等)が用いられる。
【0038】上記のように構成したことにより、冷房運転時において、板状フィン2の表面に空気中の湿分が凝縮してドレンD(図3参照)として付着するが、該ドレンDは親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下することとなる。従って、空気の流通抵抗を増大させることがなくなる。このとき、板状フィン2の風下側端面に沿ってドレンが速やかに流下することとなるので、水飛びなどが生じにくくなる。しかも、コーティング層11における親水性活性は光源12からの光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができる。また、前記光源12を空気通路10内に配設しているため、熱交換器Aに近い部位に光源12を配設することができ、コーティング層11への光の照射が確実に行える。
【0039】ところで、光触媒性半導体材料を含むコーティング層11の表面が一旦高度に親水化されると、光を照射しなくとも、ある程度の期間親水性を保持することができる。従って、前記光源12は、常時点灯させている必要はなく、所定の間隔で点灯させてやればよい。また、熱交換器Aにおけるドレンの状態を検知(例えば、送風機4にかかる抵抗値を検知)して光源12の点灯制御を行うようにしてもよい。
【0040】また、光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を最初に親水化するためには、前述したように光触媒のバンドギャップエネルギーより高いエネルギーの波長をもった光を照射する必要があるが、一旦親水化された後には、比較的微弱な光によって親水性を維持し、あるいは回復させることができるので、光触媒としてチタニアを用いた場合、蛍光灯のような室内照明灯に含まれる微弱な紫外線でも十分である。
【0041】さらに、前記コーティング層11は、非常に薄くしても親水性を発現し、特に金属酸化物からなる光触媒半導体材料は十分な硬度を有するので、コーティング層11は耐久性と耐摩耗性を有することになるし、熱伝導性を阻害することもない。
【0042】第2の参考例図5には、本願発明の第2の参考例にかかる熱交換器が示されている。
【0043】この場合、第1の参考例にかかる空気調和機用室内機に用いられている熱交換器Aを構成する板状フィン2における風上側部分にのみコーティング層11が形成されている。このようにすれば、板状フィン2の風上側部分におけるドレン排出機能が向上することとなって空気の流通抵抗を小さくできる。その他の構成および作用効果は第1の参考例におけると同様なので説明を省略する。
【0044】第3の参考例図7には、本願発明の第3の参考例にかかる熱交換器が示されている。
【0045】この場合、第1の参考例にかかる空気調和機用室内機に用いられている熱交換器Aを構成する板状フィン2における下方部分にのみコーティング層11が形成されている。このようにすれば、ドレンの流下により量が多くなる部分におけるドレン排出機能が向上することとなって必要最小限のコーティング層11の形成により有効なドレン排出が行える。その他の構成および作用効果は第1の参考例におけると同様なので説明を省略する。
【0046】第4の参考例図7および図8には、本願発明の第4の参考例にかかる熱交換器が示されている。
【0047】この場合、第1の参考例にかかる空気調和機用室内機に用いられている熱交換器Aを構成する板状フィン2において伝熱管1の挿通部の周辺部にのみコーティング層11が形成されている。このようにすれば、ドレンが滞留し易い部分におけるドレン排出機能が向上することとなって必要最小限のコーティング層11の形成により有効なドレン排出が行える。その他の構成および作用効果は第1の参考例におけると同様なので説明を省略する。
【0048】第の実施の形態図9には、本願発明の第の実施の形態にかかる熱交換器が示されている。
【0049】この場合、第1の参考例にかかる空気調和機用室内機に用いられる熱交換器Aを構成する伝熱管1,1・・のうちの選ばれたものを、コーティング層11に親水性活性を励起させるための管状光源12に代えている。つまり、伝熱管の1本を管状光源(例えば、蛍光灯)に代えているのである。この場合、空気通路10内に設けられている光源は省略してもよい。なお、本実施の形態においては、板状フィン2の全面にコーティング層11を形成しているが、第1ないし第4の参考例におけるように板状フィン2に部分的にコーティング層11を形成するようにしてもよい。このようにすると、伝熱管1本分だけ冷媒流通しないため、熱交換能力は低減するが、熱交換器Aの内部に位置する管状光源12からの光によりコーティング層11に親水性活性を励起することができ、親水性活性の励起が効果的に行える。その他の構成および作用効果は第1ないし第4の参考例におけると同様なので説明を省略する。
【0050】第の実施の形態図1には、本願発明の第の実施の形態にかかる熱交換器が示されている。
【0051】この場合、光源12は、空気通路10外であってケーシング3とガイド部材9との間に配設されている。そして、前記ガイド部材9には、前記光源12からの光を熱交換器A側に透過させるための透明窓13が設けられている。この場合にも、該光源12としては、熱交換器Aの幅寸法と同程度の管長を有する管状光源(例えば、蛍光灯等)が用いられ、透明窓13も管状光源12に対応するように横長形状とされている。このようにすると、光源12からの光は、透明窓13を透過して熱交換器Aに照射されることとなり、流通空気の邪魔をすることなく(即ち、通風抵抗の増大させることなく)、光源12によるコーティング層11の光励起(即ち、親水性活性の励起)が得られる。なお、本実施の形態においては、板状フィン2の全面にコーティング層11を形成しているが、第1ないし第4の参考例におけるように板状フィン2に部分的にコーティング層11を形成するようにしてもよい。その他の構成および作用効果は第1ないし第4の参考例におけると同様なので説明を省略する。
【0052】第の実施の形態図1には、本願発明の第の実施の形態にかかる空気調和機用室内機が示されている。
【0053】この場合、光源12は、空気通路10外となるケーシング3とガイド部材9との間においてケーシング3の底面に形成されたサービス用開口14の内方に配設されており、前記ガイド部材9の上端部には、前記光源12からの光を熱交換器A側に反射させるための反射鏡15と該反射鏡15により反射された反射光を透過させるための透明窓16とが設けられている。符号17はサービス用開口14をカバーするサービス用蓋である。
【0054】この場合にも、該光源12としては、熱交換器Aの幅寸法と同程度の管長を有する管状光源(例えば、蛍光灯等)が用いられ、反射鏡15および透明窓16も管状光源12に対応するように横長形状とされている。このようにすると、光源12からの光は、反射鏡15により反射された後、透明窓16を透過して熱交換器Aに照射されることとなり、流通空気の邪魔をすることなく(即ち、通風抵抗の増大させることなく)、光源12によるコーティング層11の光励起(即ち、親水性活性の励起)が得られる。しかも、光源12は、サービス用開口14の内方に配設されているので、光源12の交換等を容易に行える。
【0055】なお、本実施の形態においては、板状フィン2の全面にコーティング層11を形成しているが、第1ないし第4の参考例におけるように板状フィン2に部分的にコーティング層11を形成するようにしてもよい。その他の構成および作用効果は第1ないし第4の考例におけると同様なので説明を省略する。
【0056】第の実施の形態図1には、本願発明の第の実施の形態にかかる空気調和機用室内機が示されている。
【0057】この場合、光源12は、送風機であるクロスフローファン4の回転軸18に内蔵されている。従って、回転軸18としては、全体あるいは部分的に透明なものが用いられる。この場合にも、該光源12としては、熱交換器Aの幅寸法と同程度の管長を有する管状光源(例えば、蛍光灯等)が用いられる。このようにすると、光源12を設置するスペースを特別に設ける必要がなくなる。
【0058】なお、本実施の形態においては、板状フィン2の全面にコーティング層11を形成しているが、第1ないし第4の参考例におけるように板状フィン2に部分的にコーティング層11を形成するようにしてもよい。その他の構成および作用効果は第1ないし第4の考例におけると同様なので説明を省略する。
【0059】第の実施の形態図1には、本願発明の第の実施の形態にかかる空気調和機用室内機が示されている。
【0060】この場合、熱交換器Aとして、逆L字状のものを用いるとともに、光源12を、送風機であるクロスフローファン4の回転軸18に内蔵せしめている。その他の構成および作用効果は第1ないし第4の参考例および第の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0061】第の実施の形態図1には、本願発明の第の実施の形態にかかる熱交換器が示されている。
【0062】この場合、第の実施の形態にかかる空気調和機用室内機に用いられている熱交換器Aを構成する板状フィン2における風下側部分にのみコーティング層11が形成されている。このようにすれば、板状フィン2の風下側端面に沿ってドレンが速やかに流下することとなって水飛びなどが生じにくくなる。なお、第8の実施の形態におけると同様に光源12をクロスフローファン4の回転軸18に内蔵せしめてもよい。その他の構成および作用効果は第1の参考例におけると同様なので説明を省略する。
【0063】第の実施の形態図15には、本願発明の第の実施の形態にかかる熱交換器が示されている。。
【0064】この場合、第の実施の形態にかかる空気調和機用室内機に用いられている熱交換器Aを構成する板状フィン2における風上側部分にのみコーティング層11が形成されている。このようにすれば、板状フィン2の風上側部分におけるドレン排出機能が向上することとなって空気の流通抵抗を小さくできる。なお、第の実施の形態におけると同様に光源12をクロスフローファン4の回転軸18に内蔵せしめてもよい。その他の構成および作用効果は第2の参考例におけると同様なので説明を省略する。
【0065】第の実施の形態図16には、本願発明の第の実施の形態にかかる熱交換器が示されている。
【0066】この場合、第の実施の形態にかかる空気調和機用室内機に用いられている熱交換器Aを構成する板状フィン2における下方部分にのみコーティング層11が形成されている。このようにすれば、ドレンの流下により量が多くなる部分におけるドレン排出機能が向上することとなって必要最小限のコーティング層11の形成により有効なドレン排出が行える。なお、第8の実施の形態におけると同様に光源12をクロスフローファン4の回転軸18に内蔵せしめてもよい。その他の構成および作用効果は第3の参考例におけると同様なので説明を省略する。
【0067】第の実施の形態図17には、本願発明の第の実施の形態にかかる熱交換器が示されている。
【0068】この場合、第の実施の形態にかかる空気調和機用室内機に用いられる熱交換器Aを構成する伝熱管1,1・・のうちの選ばれたものを、コーティング層11に親水性活性を励起させるための管状光源12に代えている。つまり、伝熱管の1本を管状光源(例えば、蛍光灯)に代えているのである。この場合、空気通路10内に設けられている光源は省略してもよい。なお、本実施の形態においては、板状フィン2の全面にコーティング層11を形成しているが、第1ないし第4の参考例におけるように板状フィン2に部分的にコーティング層11を形成するようにしてもよい。このようにすると、伝熱管1本分だけ冷媒流通しないため、熱交換能力は低減するが、熱交換器Aの内部に位置する管状光源12からの光によりコーティング層11に親水性活性を励起することができ、親水性活性の励起が効果的に行える。その他の構成および作用効果は第1ないし第4の参考例におけると同様なので説明を省略する。
【0069】第1の実施の形態図18には、本願発明の第1の実施の形態にかかる空気調和機用室内機が示されている。
【0070】この場合、空気調和機用室内機は、4か所に空気吹出口6,6・・を有する4方吹出型の天井カセットとされている。従って、熱交換器Aは、略矩形環状を呈するクロスフィンコイルとされている。そして、ケーシング3の一つの角隅部3aの両側に一対の光源12,12を配設するとともに、残りの三つの角隅部3b〜3dに、前記光源12からの光を熱交換器A側に反射する反射鏡15,15,15を配設している。なお、コーティング層11は、熱交換器Aを構成する板状フィン2の表面全域に形成されている。
【0071】このようにすると、少ない個数(例えば、2個)の光源12,12からの光が、反射鏡15,15,15により反射されて環状の熱交換器Aの全体へ照射されることとなる。その他の作用効果は第1の参考例におけると同様なので説明を省略する。
【0072】
【発明の効果】請求項の発明によれば、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器において、前記各板状フィン2の表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成して、蒸発器として使用した場合において、板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着した場合に、該ドレンが、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下するようにしたので、空気の流通抵抗を増大させることがなくなり、熱交換性能を向上させることができるという効果があるとともに、熱交換器の内部に位置する管状光源12からの光の照射によりコーティング層11に親水性活性を励起することができることとなり、親水性活性の励起が効果的に行えるという効果もある。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができるという効果もある。
【0073】請求項の発明によれば、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器において、前記各板状フィン2における風下側部分のみの表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、前記伝熱管1,1・・のうちの選ばれたものを、前記コーティング層11に親水性活性を励起させるための管状光源12に代えて、蒸発器として使用した場合において、板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着した場合に、該ドレンが、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下するようにしたので、空気の流通抵抗を増大させることがなくなり、熱交換性能を向上させることができるという効果があるとともに、熱交換器の内部に位置する管状光源2からの光の照射によりコーティング層11に親水性活性を励起することができることとなり、親水性活性の励起が効果的に行えるという効果もある。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができるという効果もある。また、板状フィン2の風下側端面に沿ってドレンが速やかに流下することとなるところから、水飛びにどが生じにくくなるという効果もある。
【0074】請求項の発明によれば、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器において、前記各板状フィン2における風上側部分のみの表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、前記伝熱管1,1・・のうちの選ばれたものを、前記コーティング層11に親水性活性を励起させるための管状光源12に代えて、蒸発器として使用した場合において、板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着した場合に、該ドレンが、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下するようにしたので、空気の流通抵抗を増大させることがなくなり、熱交換性能を向上させることができるという効果があるとともに、熱交換器の内部に位置する管状光源12からの光の照射によりコーティング層11に親水性活性を励起することができることとなり、親水性活性の励起が効果的に行えるという効果もある。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができるという効果もある。また、板状フィン2の風上側におけるドレン排出機能が向上することとなるところから、空気の流通抵抗を小さくできるという効果もある。
【0075】請求項の発明によれば、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器において、前記各板状フィン2における下方部分のみの表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、前記伝熱管1,1・・のうちの選ばれたものを、前記コーティング層11に親水性活性を励起させるための管状光源12に代えて、蒸発器として使用した場合において、板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着した場合に、該ドレンが、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下するようにしたので、空気の流通抵抗を増大させることがなくなり、熱交換性能を向上させることができるという効果があるとともに、熱交換器の内部に位置する管状光源12からの光の照射によりコーティング層11に親水性活性を励起することができることとなり、親水性活性の励起が効果的に行えるという効果もある。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができるという効果もある。また、ドレンの流下により量が多くなる部分(即ち、各板状フィン2の下方部分)におけるドレン排出機能が向上することとなるところから、必要最小限のコーティング層形成により有効なドレン排出が行えるという効果もある。
【0076】請求項の発明によれば、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器において、前記各板状フィン2における伝熱管挿通部の周辺部のみの表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、前記伝熱管1,1・・のうちの選ばれたものを、前記コーティング層11に親水性活性を励起させるための管状光源12に代えて、蒸発器として使用した場合において、板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着した場合に、該ドレンが、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下するようにしたので、空気の流通抵抗を増大させることがなくなり、熱交換性能を向上させることができるという効果があるとともに、熱交換器の内部に位置する管状光源12からの光の照射によりコーティング層11に親水性活性を励起することができることとなり、親水性活性の励起が効果的に行えるという効果もある。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができるという効果もある。また、ドレンが滞留し易い部分(即ち、各板状フィン2における伝熱管挿通部の周辺部)におけるドレン排出機能が向上することとなるところから、必要最小限のコーティング層形成により有効なドレン排出が行えるという効果もある。
【0077】請求項の発明によれば、請求項1ないし請求項のいずれか一項記載の熱交換器Aを内蔵せしめて空気調和機用室内機を構成するようにして、冷房運転時において熱交換器Aにおける板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着した場合に、該ドレンが、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下するようにしたので、空気の流通抵抗を増大させることがなくなり、熱交換性能を向上させることができるという効果があるとともに、熱交換器の内部に位置する管状光源12からの光の照射によりコーティング層11に親水性活性を励起することができることとなり、親水性活性の励起が効果的に行えるという効果もある。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができるという効果もある。
【0078】請求項の発明によれば、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器Aと送風機4とを備えた空気調和機用室内機において、前記各板状フィン2の表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、該コーティング層11に親水性活性を励起させるための光源12を空気通路10内に配設し且つ該光源12からの光を前記熱交換器A側に反射させるための反射鏡15を設けて、冷房運転時において熱交換器Aにおける板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着した場合に、該ドレンが、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下するようにしたので、空気の流通抵抗を増大させることがなくなり、熱交換性能を向上させることができるという効果があるとともに、熱交換器Aに近い部分に光源12を配設することができるところから、コーティング層11への光の照射が行えるとともに、少ない個数の光源12で熱交換器A全体への光の照射が行えるという効果もある。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができるという効果もある。
【0079】請求項の発明によれば、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器Aと送風機4とを備えた空気調和機用室内機において、前記各板状フィン2の表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、該コーティング層11に親水性活性を励起させるための光源12を前記熱交換器Aへの空気通路10外に配設し且つ該光源12からの光を前記熱交換器A側に透過させるための透明窓13を設けて、冷房運転時において熱交換器Aにおける板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着した場合に、該ドレンが、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下するようにしたので、空気の流通抵抗を増大させることがなくなり、熱交換性能を向上させることができるという効果があるとともに、流通空気の邪魔にならない部位(即ち、熱交換器Aへの空気通路10外)に配設された管状光源12からの光の照射によりコーティング層11に親水性活性を励起することができることとなり、親水性活性の励起が効果的に行えるという効果もある。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができるという効果もある。
【0080】請求項の発明によれば、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器Aと送風機4とを備えた空気調和機用室内機において、前記各板状フィン2の表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、該コーティング層11に親水性の活性を励起させるための光源12を空気通路10外における外部からサービスし易い場所に配設し且つ前記光源12からの光を熱交換器A側に反射させるための反射鏡15と該反射鏡15により反射された反射光を透過させるための透明窓16とを設けて、冷房運転時において熱交換器Aにおける板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着した場合に、該ドレンが、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下するようにしたので、空気の流通抵抗を増大させることがなくなり、熱交換性能を向上させることができるという効果があるとともに、空気通路10外における外部からサービスし易い場所に配設された管状光源12からの光の照射によりコーティング層11に親水性活性を励起することができることとなり、親水性活性の励起が効果的に行えるという効果もある。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができるという効果もある。また、光源12の交換等を容易に行えるとともに、光源12からの光を確実に熱交換器Aへ照射することができるという効果もある
【0081】請求項10の発明によれば、多数平行に配置された伝熱管1,1・・と、該伝熱管1,1・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン2,2・・とを有する熱交換器Aと送風機4とを備えた空気調和機用室内機において、前記各板状フィン2の表面に、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層11を形成するとともに、前記送風機4の回転軸18を全体あるいは部分的に透明なものとし且つ前記コーティング層11に親水性の活性を励起させるための光源12を前記回転軸18に内蔵させて、冷房運転時において熱交換器Aにおける板状フィン2面に空気中の湿分が凝縮してドレンとして付着した場合に、該ドレンが、特定波長の光により親水性活性を励起されたコーティング層11により膜状となって速やかに流下するようにしたので、空気の流通抵抗を増大させることがなくなり、熱交換性能を向上させることができるという効果があるとともに、空気通路10外における外部からサービスし易い場所に配設された管状光源12からの光の照射によりコーティング層11に親水性活性を励起することができることとなり、親水性活性の励起が効果的に行えるという効果もある。しかも、コーティング層11における親水性活性は、特定波長の光の照射により回復させることができるため、長期に亙って良好なドレン排出機能を保持することができるという効果もある。また、光源12を設置するスペースを特別に設ける必要がなくなるという効果もある
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の参考例にかかる空気調和機用室内機の縦断面図である。
【図2】本願発明の第1の参考例にかかる空気調和機用室内機に使用されている熱交換器の断面図である。
【図3】本願発明の第1の参考例にかかる空気調和機用室内機に使用されている熱交換器の部分拡大断面図である。
【図4】光触媒における親水化のメカニズムを説明する説明図である。
【図5】本願発明の第2の参考例にかかる熱交換器の断面図である。
【図6】本願発明の第3の参考例にかかる熱交換器の断面図である。
【図7】本願発明の第4の参考例にかかる熱交換器の要部拡大断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII拡大断面図である。
【図9】本願発明の第の実施の形態にかかる熱交換器の断面図である。
【図10】本願発明の第の実施の形態にかかる空気調和機用室内機の縦断面図である。
【図11】本願発明の第の実施の形態にかかる空気調和機用室内機の縦断面図である。
【図12】本願発明の第の実施の形態にかかる空気調和機用室内機の縦断面図である。
【図13】本願発明の第の実施の形態にかかる空気調和機用室内機の縦断面図である。
【図14】本願発明の第の実施の形態にかかる熱交換器の断面図である。
【図15】本願発明の第の実施の形態にかかる熱交換器の断面図である。
【図16】本願発明の第の実施の形態にかかる熱交換器の断面図である。
【図17】本願発明の第の実施の形態にかかる熱交換器の断面図である。
【図18】本願発明の第10の実施の形態にかかる空気調和機用室内機の横断面図である。
【符号の説明】
1は伝熱管、2はフィン(板状フィン、メツシュフィン、波形フィン)、3はケーシング、4は送風機、5は空気吸込口、10は空気通路、11はコーティング層、12は光源(管状光源)、13は透明窓、14はサービス用開口、15は反射鏡、16は透明窓、18は回転軸、19は外部光導入窓、Aは熱交換器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 多数平行に配置された伝熱管(1),(1)・・と、該伝熱管(1),(1)・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン(2),(2)・・とを有する熱交換器であって、前記各板状フィン(2)の表面には、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層(11)を形成するとともに、前記伝熱管(1),(1)・・のうちの選ばれたものを、前記コーティング層(11)に親水性活性を励起させるための管状光源(12)に代えたことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】 多数平行に配置された伝熱管(1),(1)・・と、該伝熱管(1),(1)・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン(2),(2)・・とを有する熱交換器であって、前記各板状フィン(2)における風側部分のみの表面には、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層(11)を形成するとともに、前記伝熱管(1),(1)・・のうちの選ばれたものを、前記コーティング層(11)に親水性活性を励起させるための管状光源(12)に代えたことを特徴とする熱交換器。
【請求項3】 多数平行に配置された伝熱管(1),(1)・・と、該伝熱管(1),(1)・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン(2),(2)・・とを有する熱交換器であって、前記各板状フィン(2)における風上側部分のみの表面には、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層(11)を形成するとともに、前記伝熱管(1),(1)・・のうちの選ばれたものを、前記コーティング層(11)に親水性活性を励起させるための管状光源(12)に代えたことを特徴とする熱交換器。
【請求項4】 多数平行に配置された伝熱管(1),(1)・・と、該伝熱管(1),(1)・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン(2),(2)・・とを有する熱交換器であって、前記各板状フィン(2)における下方部分のみの表面には、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層(11)を形成するとともに、前記伝熱管(1),(1)・・のうちの選ばれたものを、前記コーティング層(11)に親水性活性を励起させるための管状光源(12)に代えたことを特徴とする熱交換器。
【請求項5】 多数平行に配置された伝熱管(1),(1)・・と、該伝熱管(1),(1)・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン(2),(2)・・とを有する熱交換器であって、前記各板状フィン(2)における伝熱管挿通部の周辺部のみの表面には、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層(11)を形成するとともに、前記伝熱管(1),(1)・・のうちの選ばれたものを、前記コーティング層(11)に親水性活性を励起させるための管状光源(12)に代えたことを特徴とする熱交換器。
【請求項6】 前記請求項1ないし請求項のいずれか一項記載の熱交換器(A)を内蔵したことを特徴とする空気調和機用室内機。
【請求項7】 多数平行に配置された伝熱管(1),(1)・・と、該伝熱管(1),(1)・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン(2),(2)・・とを有する熱交換器(A)と送風機(4)とを備えた空気調和機用室内機であって、前記各板状フィン(2)の表面には、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層(11)を形成するとともに、該コーティング層(11)に親水性活性を励起させるための光源(12)を空気通路(10)内に配設し且つ該光源(12)からの光を前記熱交換器(A)側に反射させるための反射鏡(15)を設けたことを特徴とする空気調和機用室内機。
【請求項8】 多数平行に配置された伝熱管(1),(1)・・と、該伝熱管(1),(1)・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン(2),(2)・・とを有する熱交換器(A)と送風機(4)とを備えた空気調和機用室内機であって、前記各板状フィン(2)の表面には、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層(11)を形成するとともに、該コーティング層(11)に親水性活性を励起させるための光源(12)を空気通路(10)外に配設し且つ該光源(12)からの光を前記熱交換器(A)側に透過させるための透明窓(13)を設けたことを特徴とする空気調和機用室内機。
【請求項9】 多数平行に配置された伝熱管(1),(1)・・と、該伝熱管(1),(1)・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン(2),(2)・・とを有する熱交換器(A)と送風機(4)とを備えた空気調和機用室内機であって、前記各板状フィン(2)の表面には、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層(11)を形成するとともに、該コーティング層(11)に親水性活性を励起させるための光源(12)を空気通路(10)外における外部からサービスし易い場所に配設し且該光源(12)からの光を前記熱交換器(A)側に反射させるための反射鏡(15)と該反射鏡(15)により反射された反射光を透過させるための透明窓(16)とを設けたことを特徴とする空気調和機用室内機。
【請求項10】 多数平行に配置された伝熱管(1),(1)・・と、該伝熱管(1),(1)・・に対して直交状態で配置された多数の板状フィン(2),(2)・・とを有する熱交換器(A)と送風機(4)とを備えた空気調和機用室内機であって、前記各板状フィン(2)には、特定波長の光により親水性活性を励起される光触媒性半導体材料を含むコーティング層(11)を形成するとともに、前記送風機(4)の回転軸(18)を全体あるいは部分的に透明なものとし且つ前記コーティング層(11)に親水性活性を励起させるための光源(12)を前記回転軸(18)に内蔵させたことを特徴とする空気調和機用室内機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【特許番号】特許第3391217号(P3391217)
【登録日】平成15年1月24日(2003.1.24)
【発行日】平成15年3月31日(2003.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−129547
【出願日】平成9年5月20日(1997.5.20)
【公開番号】特開平10−318696
【公開日】平成10年12月4日(1998.12.4)
【審査請求日】平成11年3月23日(1999.3.23)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【参考文献】
【文献】特開 平9−59041(JP,A)
【文献】特開 平4−184095(JP,A)
【文献】特開 平8−261677(JP,A)
【文献】特開 昭56−56572(JP,A)
【文献】特開 平9−229585(JP,A)
【文献】実開 昭61−89767(JP,U)
【文献】実開 昭63−108020(JP,U)