説明

熱交換器及びそれを用いた冷却システム

【課題】独立フィンタイプのドッグボーン型熱交換器におけるフィンの反りや、ねじれを改善し、熱交換効率を向上させ、且つ着霜及び除霜性に優れた経済的な熱交換器を提供する。
【解決手段】プレートフィン3の表面に、稜線が列方向に平行になるようにコルゲート加工を施し、蛇行状に曲げ加工された冷媒チューブ2が貫通する長孔4周縁部にフラット座を形成し、且つ段方向に細長くフラット溝を形成することで、通風抵抗を低減し、熱交換効率を飛躍的に向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用あるいは業務用冷蔵庫、さらにはショーケース等において、冷却器(蒸発器)として用いられる所謂ドッグボーン型フィンアンドチューブ式熱交換器及びそれを用いた冷却システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭用冷蔵庫においては、本体の外寸を固定し、庫内容量を大きくする傾向にあり、これに起因して冷却システム関連部品は、年々コンパクト化が要求されている。また、業務用冷蔵庫においては、省エネルギーモデルの発売が本格化し、これに起因して冷却システム関連部品のさらなる高効率化が要求されている。
【0003】
そのような中で、熱交換器もコンパクト化や高効率化の要求が高まっている。
【0004】
一方で、原材料高騰により部品材料の合理化の要求も高まり、熱交換器性能を高めることと併せて、材料の薄肉合理化が求められている。
【0005】
その一例として、プレートフィンに加工された、所謂ドッグボーン型の長孔に、サーペンタイン状の冷媒チューブを挿入してなり、且つ、経済的なアルミニウムパイプを用いることが可能で、高効率化要素を備えた、ドックボーン型熱交換器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
以下、図13乃至図17を参照しながら、上記特許文献1に開示された従来の熱交換器を説明する。
【0007】
図13は従来の熱交換器の正面図、図14は図13のA−A線断面図、図15は図13のB−B線断面図である。また、図16と図17は、それぞれ従来の熱交換器に用いたプレートフィンを示す平面図である。
【0008】
上記特許文献1に開示された従来の熱交換器101の構成は、直管部及び曲管部が交互に繰り返すように連続して複数の列および段が千鳥状に形成されるよう所定のピッチで蛇行状に曲げ加工された冷媒チューブ102と、矩形部104aおよび矩形部104aの両側短辺に設けた円弧部104bからなる長孔104を板面に複数設け、且つ、少なくとも2列ごとに独立したプレートフィン103を具備し、プレートフィン103を複数相互に間隔を有して配置し、長孔104に冷媒チューブ102を貫通させたものである。
【0009】
以上のように構成された従来の熱交換器101について、以下その動作を説明する。
【0010】
まず、プレートフィン103を複数相互に間隔を有して配置し、冷媒チューブ102を長孔104に貫通させるに際し、冷媒チューブ102の曲管部を頭にして長孔104の周縁にバーリング形成されたカラーの根元側から挿入する。
【0011】
一般的に冷媒チューブ102とプレートフィン103の密着性を高めるために、冷媒チューブ102の外径と長孔104の円弧部104bの内径は略同径になっている。
【0012】
また、冷媒チューブ102の直管部の製直性、または千鳥状に形成された冷媒チューブの角度や曲げピッチなどの精度の問題で、挿入抵抗が少なからずある。
【0013】
また、プレートフィン103は、少なくとも2列ごとに独立しているため、冷媒チューブ102が貫通していくにあたり、プレートフィン103の端部周縁だけしか保持できない。
【0014】
これらのことから、実際には、図13および図15に示すように、プレートフィン103には、反りやねじれが発生し易くなっている。
【0015】
なお、プレートフィン103の材料薄肉化によるコスト合理化も、この現象に拍車を掛けている。
【0016】
また、材料の薄肉化を行っても、プレートフィン103の強度を確保し、熱交換性能を高める手段の一例として、プレートフィン103の表面に波形のコルゲート成形を施した熱交換器が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
【0017】
これら従来の熱交換器(図示せず)のプレートフィン103に施されたコルゲート形状は、風向きに対し稜線が略垂直になるよう且つ、コルゲートの山高さを比較的高くして、熱交換する空気の乱流促進を狙ったものである。また円穴周辺に成形されたフラット座により、プレートフィン103の強度が高くなり、熱交換器の曲げ加工に対する強度向上に寄与している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開平4−86491号公報
【特許文献2】実公平7−17955号公報
【特許文献3】特許第4607470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、従来の熱交換器101の構成では、プレートフィン103には反りやねじれが発生し易くなっている。特に、プレートフィン103の材料を薄肉化すればする程、プレートフィン103に反りやねじれはより発生し易くなる。
【0020】
プレートフィン103が反ったりねじれたりすることで、熱交換器101の通風抵抗は高くなり、強制通風させる送風機の特性に依るが、一般的に風量が低下し、熱交換量が低くなるという課題を有していた。
【0021】
また、プレートフィン103の強度アップには、プレートフィン103の表面にコルゲート成形を施し円穴周辺にフラット座を成形するのが良いが、反りやねじれを改善するものではなく、従来例のような風向きに対し稜線が略垂直になるようにコルゲート成形すると、通風抵抗が高くなってしまい、やはり熱交換量が低くなるという課題を有していた。
【0022】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、ドッグボーン型熱交換器におけるプレートフィンの反りやねじれを改善し、通風抵抗を低減することで、着霜・除霜の信頼性をも考慮した高効率且つ経済的な熱交換器と、それを用いた冷却システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記目的を達成するために、本発明の熱交換器は、直管部及び曲管部が連続して複数の列および段が千鳥状に形成されるよう所定のピッチで蛇行状に曲げ加工された冷媒チューブと、矩形部および前記矩形部の両側短辺に設けた円弧部からなる長孔を板面に複数設け
、且つ、少なくとも2列ごとに独立したプレートフィンを具備し、前記プレートフィンを複数相互に間隔を有して配置し、前記長孔に前記冷媒チューブを貫通させたものであって、前記プレートフィンの表面には、稜線が列数方向に平行になるように、段方向に波形のコルゲート成形を施し、且つ、前記長孔周縁部には、平らなフラット座を形成し、且つ、段方向に細長く平らなフラット溝を形成したものである。
【0024】
これにより、コルゲート成形による通風抵抗の増加はなく、プレートフィンの反りやねじれが改善され、着霜による通風抵抗の増加も軽減できるとともに、除霜時に融解した水滴の落下を阻害しないので、着霜・除霜の信頼性をも考慮した高効率且つ経済的な熱交換器となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の熱交換器は、ドッグボーン型熱交換器におけるプレートフィンの反りやねじれを改善し、通風抵抗を低減することで、着霜・除霜の信頼性をも考慮した高効率且つ経済的な熱交換器となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態1における熱交換器の正面図
【図2】図1のC−C線断面図
【図3】図1のD−D線断面図
【図4】同実施の形態の熱交換器に用いた2列プレートフィンの一例を示す平面図
【図5】同実施の形態の熱交換器に用いた3列プレートフィンの一例を示す平面図
【図6】同実施の形態の熱交換器に用いた2列プレートフィンの別の例を示す平面図
【図7】同実施の形態の熱交換器に用いた3列プレートフィンの別の例を示す平面図
【図8】本発明の実施の形態2の熱交換器に用いた2列プレートフィンの平面図
【図9】同実施の形態の熱交換器に用いた3列プレートフィンの平面図
【図10】本発明の実施の形態3の熱交換器に用いた2列プレートフィンの平面図
【図11】同実施の形態の熱交換器に用いた3列プレートフィンの平面図
【図12】本発明の実施の形態4における冷却システムの模式図
【図13】従来の熱交換器の正面図
【図14】図13のA−A線断面図
【図15】図13のB−B線断面図
【図16】従来の熱交換器に用いた2列プレートフィンの平面図
【図17】従来の熱交換器に用いた3列プレートフィンの平面図
【発明を実施するための形態】
【0027】
第1の発明は、直管部及び曲管部が連続して複数の列および段が千鳥状に形成されるよう所定のピッチで蛇行状に曲げ加工された冷媒チューブと、矩形部および前記矩形部の両側短辺に設けた円弧部からなる長孔を板面に複数設け、且つ、少なくとも2列ごとに独立したプレートフィンを具備し、前記プレートフィンを複数相互に間隔を有して配置し、前記長孔に前記冷媒チューブを貫通させた熱交換器であって、前記プレートフィンの表面には、稜線が列数方向に平行になるように、段方向に波形のコルゲート成形を施し、且つ、前記長孔周縁部には、平らなフラット座を形成し、且つ、段方向に細長く平らなフラット溝を形成したものである。
【0028】
かかる構成とすることにより、コルゲート成形による通風抵抗の増加はなく、プレートフィンの反りやねじれが改善され、着霜による通風抵抗の増加も軽減できるとともに、除霜時に融解した水滴の落下を阻害しないので、着霜・除霜の信頼性をも考慮した高効率且つ経済的な熱交換器となる。
【0029】
第2の発明は、第1の発明において、フラット溝を、コルゲートの稜線と略垂直になるよう形成したものである。
【0030】
かかる構成とすることにより、通風抵抗の増加をさせることなく且つ、プレートフィンの反りやねじれは略消滅し、隣接するフィンに接触するなどの問題は解決されるので、偏着霜などの発生がなくなり、除霜信頼性も向上し、高効率且つ経済的な熱交換器となる。
【0031】
第3の発明は、第2の発明において、フラット溝を、プレートフィンの端部に形成したものである。
【0032】
かかる構成とすることにより、プレートフィンの端部にフラット溝を形成すると、水滴落下の妨げになり難い構成であるため、着霜時に風路閉塞し難くなり、冷却能力の低下が遅くなる。また、着霜目詰まりの回避、除霜後の冷却性能の維持も可能となり、高い信頼性を実現し、高効率且つ経済的な熱交換器となる。
【0033】
第4の発明は、第1の発明において、フラット溝を、千鳥状に配列された長孔と略垂直になるよう形成したものである。
【0034】
かかる構成とすることにより、フラット溝を長孔と垂直にすることで、プレートフィンのねじれ防止と水滴落下性も同時に解決できる。
【0035】
第5の発明は、圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器と、前記蒸発器に強制通風させる送風機とを備えている冷却システムにおいて、第1から第4のいずれかの発明の熱交換器を蒸発器として用いた冷却システムである。
【0036】
かかる構成とすることにより、冷却システムとして、省エネ特性に優れたものとなり、高効率且つ経済的な冷却システムとなる。
【0037】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0038】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における熱交換器の正面図であり、図2は、図1のC−C線断面図であり、図3は、図1のD−D線断面図であり、図4は、同実施の形態の熱交換器に用いた2列プレートフィンの一例を示す平面図であり、図5は、同実施の形態の熱交換器に用いた3列プレートフィンの一例を示す平面図である。
【0039】
また、図6は、同実施の形態の熱交換器に用いた2列プレートフィンの別の例を示す平面図であり、図7は、同実施の形態の熱交換器に用いた3列プレートフィンの別の例を示す平面図である。
【0040】
図1、図2及び図3に示すように、本実施の形態の熱交換器1は、内部を冷媒が流動する冷媒チューブ2と、所定間隔あけて平行に配置された複数のプレートフィン3を具備している。
【0041】
冷媒チューブ2は、アルミ製あるいはアルミ合金製の一本の管体を、直管部と曲管部が交互に繰り返すように連続し、段(左右)方向Xおよび列(上下)方向Yにおいて千鳥状に複数となるよう蛇行状に曲げ加工されたサーペンタインチューブであり、曲管部を形成する接続管を用いることなく一本の冷媒流路を形成している。
【0042】
そして、少なくとも2列ごとに独立したプレートフィン3に形成された長孔4を冷媒チューブ2の曲管部が貫通することにより、冷媒チューブ2の直管部がプレートフィン3と密着した構成となっている。
【0043】
図4、図5、図6及図7に示すように、プレートフィン3には、列数2列分で独立した2列プレートフィン3aと、列数3列分で独立した3列プレートフィン3bがある。それらプレートフィン3に加工された長孔4は、矩形部4aと円弧部4bを有し、該矩形部4aの両側短辺に円弧部4bがそれぞれ連続して長穴状に形成されている。
【0044】
また、プレートフィン3の表面には、稜線5aが列数方向に平行になるように、段方向に波形のコルゲート5が加工されており、且つ、長孔4の周縁部には、平らなフラット座6が形成され、且つ、段方向に細長く平らなフラット溝7も形成されている。
【0045】
以上のように構成された本実施の形態の熱交換器1について、以下その動作、作用を説明する。
【0046】
まず、プレートフィン3の表面に加工されたコルゲート5は、稜線5aが列数方向に平行であり、すなわち風向き(Y方向)対しても平行となっているので、コルゲート加工によって通風抵抗を増加させてはいない。
【0047】
また、プレートフィン3を複数相互に間隔をあけて平行に配置し、冷媒チューブ2を長孔4に貫通させるに際し、冷媒チューブ2の曲管部を頭にして長孔4の周縁にバーリング形成されたカラーの根元側から挿入する。
【0048】
一般的に冷媒チューブ2とプレートフィン3の密着性を高めるために、冷媒チューブ2の外径と長孔4の円弧部4bの内径は略同径になっている。
【0049】
また、冷媒チューブ2の直管部の製直性、または千鳥状に形成された冷媒チューブ2の角度や曲げピッチなどの精度の問題で、挿入抵抗が少なからずある。
【0050】
また、プレートフィン3は、列数が2列ごとに独立した2列プレートフィン3aや、列数が3列ごとに独立した3列プレートフィン3bであるため、冷媒チューブ2が貫通していくにあたり、プレートフィン3の端部周縁だけしか保持できない。
【0051】
これらのことから、熱交換器1は、プレートフィン3に反りやねじれが発生し易い構成となっている。
【0052】
なお、プレートフィン3の板厚を薄くしていくとより、一層反りやねじれが発生し易い構成になってしまう。
【0053】
そこで、プレートフィン3の表面にコルゲート5を加工し、且つ千鳥配列の長孔4の周縁部に平らなフラット座6を形成し、フラット座6と連結した形で、段方向に細長く平らなフラット溝7も形成していることで、プレートフィン3の反りやねじれが改善される。
【0054】
なお、図4、図5では、フラット溝7は、フラット座6と連結して一直線上に整列し2列プレートフィン3aや3列プレートフィン3bの端部まで加工されているが、フラット溝7は一直線上に並ぶ必要はなく、図4に示す2列プレートフィン3aの代わりに図6に示すような2列プレートフィン3aを用いてもよく、同様に図5に示す3列プレートフィン3bの代わりに図7に示すような3列プレートフィン3bを用いても構わない。
【0055】
以上のように、コルゲート成形による通風抵抗の増加はなく、プレートフィン3の反りやねじれが改善され、着霜による通風抵抗の増加も軽減できるとともに、除霜時に融解した水滴の落下を阻害しないので、着霜・除霜の信頼性をも考慮した高効率且つ経済的な熱交換器となる。
【0056】
また、フラット溝7を、コルゲート5の稜線5aと略垂直になるよう形成することにより、通風抵抗を増加させることなく且つ、プレートフィンの反りやねじれは略消滅し、隣接するフィンに接触するなどの問題は解決されるので、偏着霜などの発生がなくなり、除霜信頼性も向上し、高効率且つ経済的な熱交換器を提供することができる。
【0057】
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2の熱交換器に用いた2列プレートフィンの平面図であり、図9は、同実施の形態の熱交換器に用いた3列プレートフィンの平面図である。なお、本実施の形態において、先に説明した実施の形態1と同様の構成要件については、同一の符号を付して説明する。
【0058】
本実施の形態の熱交換器1の構成、動作、作用を、以下に説明する。
【0059】
まず、フラット溝7を、コルゲート5の稜線5aと略垂直になるようし、且つフラット溝7を、2列プレートフィン3a、3列プレートフィン3bのそれぞれ端部に形成する。
【0060】
2列プレートフィン3aと3列プレートフィン3bのそれぞれ表面にコルゲート5を加工すると、2列プレートフィン3aと3列プレートフィン3bの反りが一定方向に限定される。
【0061】
そして同時にフラット座6及びフラット溝7を形成することで、その反りは略なくなり、隣接するプレートフィンに接触するなどの問題が解決される。
【0062】
さらに、2列プレートフィン3aと3列プレートフィン3bの端部にフラット溝7を形成すると、水滴落下の妨げになり難い構成であるため、着霜時に風路閉塞し難くなり、冷却能力の低下が遅くなる。
【0063】
また、着霜目詰まりの回避、除霜後の冷却性能の維持も可能となり、高い信頼性を実現し、高効率且つ経済的な熱交換器を提供することができる。
【0064】
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3の熱交換器に用いた2列プレートフィンの平面図であり、図11は、同実施の形態の熱交換器に用いた3列プレートフィンの平面図である。なお、本実施の形態において、先に説明した実施の形態1と同様の構成要件については、同一の符号を付して説明する。
【0065】
本実施の形態の熱交換器1の構成、動作、作用を、以下に説明する。
【0066】
まず、フラット溝7を、千鳥状に配列された長孔4と略垂直になるよう形成する。すると、長孔4は、2列プレートフィン3a及び3列プレートフィン3bに対して、一定の角度で斜めに配置されており、且つコルゲート5の稜線5aに対しても同様に斜めに配置されている。
【0067】
したがって、長孔4と2列プレートフィン3a及び3列プレートフィン3bには斜めに応力が発生し易くなっている状態を打ち消す方向の応力を2列プレートフィン3a及び3
列プレートフィン3bに加えることができる。
【0068】
よって、フラット溝7を長孔4と垂直にすることで、プレートフィンのねじれ防止と水滴落下性も同時に解決できる。
【0069】
(実施の形態4)
図12は、本発明の実施の形態4における冷却システムの模式図である。本冷却システムは、圧縮機8と、凝縮器9と、減圧装置10と、蒸発器11と、蒸発器11に強制通風させる送風機12とを備えている。そして、蒸発器11には、実施の形態1から3の熱交換器を用いている。
【0070】
前述の熱交換器1は高いコストパフォーマンスを持つものであり、本冷却システムに搭載することにより、省エネ特性に優れたものとなり、高効率且つ経済的な冷却システムを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の熱交換器は、着霜・除霜の信頼性を考慮したコストパフォーマンスの高いものなので、冷蔵庫、自販機等のように家庭用から産業用に亘る冷凍機器の冷却器、あるいは放熱器として幅広く利用することができるものである。
【符号の説明】
【0072】
1 熱交換器
2 冷媒チューブ
3 プレートフィン
4 長孔
4a 矩形部
4b 円弧部
5 コルゲート
5a 稜線
6 フラット座
7 フラット溝
8 圧縮機
9 凝縮器
10 減圧装置
11 蒸発器
12 送風機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管部及び曲管部が連続して複数の列および段が千鳥状に形成されるよう所定のピッチで蛇行状に曲げ加工された冷媒チューブと、矩形部および前記矩形部の両側短辺に設けた円弧部からなる長孔を板面に複数設け、且つ、少なくとも2列ごとに独立したプレートフィンを具備し、前記プレートフィンを複数相互に間隔を有して配置し、前記長孔に前記冷媒チューブを貫通させた熱交換器であって、前記プレートフィンの表面には、稜線が列数方向に平行になるように、段方向に波形のコルゲート成形を施し、且つ、前記長孔周縁部には、平らなフラット座を形成し、且つ、段方向に細長く平らなフラット溝を形成したことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記フラット溝は、前記コルゲートの稜線と略垂直になるよう形成されたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記フラット溝を、プレートフィンの端部に形成したことを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記フラット溝は、前記千鳥状に配列された長孔と略垂直になるよう形成されたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項5】
圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器と、前記蒸発器に強制通風させる送風機とを備えている冷却システムにおいて、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載した熱交換器を蒸発器として用いたことを特徴とする冷却システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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