説明

熱交換器管の機械的継手

【課題】アキュムレータ(5)付き内部熱交換器で構成されているモジュラーユニット(AccuIHE)用の安全で且つ費用効果の良い機械的継手を提供する。
【解決手段】本発明は、AccuIHEの熱交換器管(4)とカバープレート(2,3 )との間の機械的継手に関する。熱交換器管(4)を一体化する際、2つの密封平面が設けられ、熱交換器管(4)の管端部(15)のところの一方の密封平面は、熱交換器管(4)を内側からカバープレートに機械的に接合可能に設計され、熱交換器管(4)の内部連結領域(11)の輪郭に一致したそれぞれの雌型輪郭が内部熱交換器の高圧入口(9)及び高圧出口(10)のところのカバープレート通路内に組み込まれ、外部連結領域(19)を備えた第2の密封平面がカバープレートを外部で冷媒ラインに接合するために設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アキュムレータを備えた内部熱交換器で構成されるモジュラーユニット(AccuIHE)の熱交換器管とカバープレートとの間の機械的継手(メカニカルシール)に関する。
【背景技術】
【0002】
内部熱交換交換機を備えた組合せアキュムレータは、2つの個々のコンポーネントの機能を単一のコンポーネントの状態に一体化している。一体化コンポーネントは、好ましくは、自動車用R744冷凍プラント、特に自動車エアコンディショニング用の冷媒循環システムに用いられる。個々のコンポーネントと比較すると、一体形の、それ故にコンパクトな“AccuIHE”コンポーネントは、エンジンコンパートメント内に利用できる限られたスペースに合わせて良好にこしらえられ、又、自動車用冷媒プラントのシステム全体に対し費用効果が良い。
【0003】
冷凍機又はヒートポンプでは、アキュムレータは、蒸発器から見て下流側に位置し、その役割は、種々の作動条件から生じる漸変する冷媒充填量を集め、保守間隔の間に漏れることにより生じる損失に対処するために冷媒の備蓄を維持することにある。
【0004】
内部熱交換器の機能は、システムの内部過冷の目的のために高温高圧側から低温低圧側(吸引側)にエネルギーを伝達することにあり、その結果、低温低圧側は、加熱され又は過熱される。
【0005】
アキュムレータと内部熱交換器の組合せは、2つの同心状に配置された容器を含む同軸設計によって実現できる。内部容器は、アキュムレータとして働く。内部容器と外部容器との間の環状隙間は、内部熱交換器を受け入れる。内部熱交換器は、コイル状チューブの状態に巻かれ、内部容器と外部容器との間の隙間に同軸状に配置された熱交換器管から成る場合が多い。このコイル状チューブは、平らな端部を備えた管、リブ付き管又は束ねた状態の管で構成される場合がある。独国特許出願公開第3119440号明細書から、冷媒プラント用のシステム熱交換器が知られており、このシステム熱交換器は、外部容器内に配置された内部容器を備え、キャパシタから蒸発器に流れる冷媒の蛇行した管が、2つの容器相互間の空間内に配置されている。この場合、蒸発器の出口ラインは、この空間内に中身を明けて空になり、この空間は、オーバーフロー開口部により内部容器に連結され、ここから圧縮機への吸い出しが生じる。
【0006】
独国特許出願公開第10261886号明細書は、周長が異なる2つの壁を備えた熱交換器を記載しており、周長が小さい壁は、他方の壁の大きな周長の内部に配置されている。カバーが、第1の壁の上方区分及び第2の壁の上方区分に固定され、フロアが、2つの壁の2つの下方区分に取り付けられている。2つの壁相互間には、螺旋パイプラインが設けられ、この螺旋パイプラインは、少なくとも一部が第1又は第2の壁のいずれにも接触していない。
【0007】
その結果、AccuIHEの内部熱交換器及びアキュムレータは、通常、筒形ハウジング内に収納され、このハウジングは、フェースに設けられた終端連結部を介して外部に通じている。これら終端連結部では、内部管端部を好ましくは内側からハウジングカバーに連結することが必要である。先行技術に関連した技術文献に見られる従来の解決策は、コイル状チューブの円筒形端部を外部熱交換器中に通して溶接、はんだ又はねじ継手によって外部に対して密封することを特徴としている。第2のねじ継手は、常に、コンポーネントをAccuIHEに通されてこれから出る同一の管端部に更に接合している。
【0008】
かかる解決策の欠点は、コンポーネントから遠ざかって突き出た連結箇所が損傷に極めて弱いということにある。
【0009】
もう1つの欠点は、管が、カバー又は容器フロアに通されたときに、溶接及びはんだ付けを介して接合されるということにあり、このプロセスは、手が込んでいて費用が掛かり、しかもそれほど安全であるというわけではない。例えば、材料を接合しながら熱を導入すると、材料の機械的性質に悪影響が生じる場合がある。これにより、機械的レイアウトの際に、大きな肉厚又は高い品質の材料を用いることが必要になり、それにより、処理するのに費用が高く付く場合も多い。加うるに、費用効果の良いタイプの構造を外部からの材料の接合によっては実現できない。
【0010】
一方において、内側から材料を接合することは、外側からの材料の接合に関して上述したのと同じ欠点が付きものである。他方、下方連結部を接合する際、コイル状チューブをハウジングから特定の長さLだけ引き出さなければならない。コイル状チューブがこのプロセス中に壊れる恐れがある。
【0011】
圧縮継手に関し、従来型常温成形では、端部が平らな管を真っ直ぐな長さにわたり保持し、次に力を及ぼしてこれを軸方向に成形する。この場合の欠点は、両方の保持長さLに必要な空間により、コイル管ターンの数を減少し、それ故に、コンポーネントのサイズが同一であると仮定すると、アキュムレータと内部熱交換器又は熱出力との間の伝熱面が減少するということにある。それ故、使用可能な内部熱交換器の高さは、2つの保持長さLだけ減少する。このことは、常温成形を介する接合に利用できる余地が十分ではないという場合が多いことを意味する。加うるに、第2の連結部を接合する際、コイル状チューブをハウジングから保持長さLだけ引き出さなければならない。上述したように、コイル状チューブは、このプロセス中に壊れる恐れがある。
【0012】
終端連結部が3つ以上の場合、ねじ継手は排除される。
【0013】
本発明の目的は、内部熱交換器(IHE)とコンポーネントカバー及びコンポーネント容器との間の安全で且つ費用効果の良い機械的継手(メカニカルシール)を実現することにある。
【0014】
この目的は、内部熱交換器管(IHE)とアキュムレータを備えた内部熱交換器で構成されるコンポーネントのカバープレートとの間の機械的継手により達成され、その特徴につき、以下に説明する。
【0015】
【特許文献1】独国特許出願公開第3119440号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10261886号明細書
【発明の開示】
【0016】
本発明の底流に流れる技術的思想は、内部熱交換器の高圧通路の管端部とカバープレート又は容器フロアを内側から接合することを含む。このことは、コンポーネントカバーへの内部熱交換器の連結箇所がコンポーネントの内部からシフトされることを意味する。この場合、本発明は、2つの形式の密封平面を提供する。
【0017】
第1の外部密封平面は、コンポーネントを外部環境に対して密封するようにし、好ましくは、自動車用途に許可されている接合法を用いて実現される。
【0018】
伝熱管とコンポーネントカバーとの間の内部継手は、第2のタイプを表し、本発明によれば第1の外部密封平面から切り離される。第2の内部密封平面の役割は、冷媒が高圧にさらされた熱交換器の内部空間から内部で逃げ出て低圧にさらされている熱交換器の外部空間内に流れ込むのを阻止することにある。本発明は、内部継手の締まり具合に課される要件が、システム環境に対する締まり具合に関する要件と比較して同じほど厳しくはないということを利用している。それ故、コンポーネント又はコンポーネントカバーの内部に配置された継手は、比較的緊密でありさえすれば良い。というのは、外部への冷媒の損失とは対照的に、僅かな内部漏れを許容できるからである。これにより、コンポーネントと伝熱管との間の継手に対して例えば溶接又ははんだ付けにより材料を緊密に接合することが不要になり、それにより、コスト上の利点が得られる。
【0019】
内部熱交換器とアキュムレータは、一緒になって、モジュラーユニット(AccuIHE)を形成する。組合せコンポーネント(AccuIHE)は、上方カバープレート及び下方カバープレートを備えたハウジングによって包囲される。ハウジングは、アキュムレータを収納し、このアキュムレータは、液体冷媒を低圧下で集める。高圧下の冷媒のための熱交換器管は、隙間内にコイル状になっており、隙間幅sが、アキュムレータとハウジングとの間に生じている。本発明によれば、熱交換器管の端部は、熱交換器管をカバープレートに内側から機械的に接合する連結領域を備えている。カバープレートは、内部熱交換器の高圧入口及び高圧出口のところのカバープレート通路内の熱交換器管の連結領域の雌型輪郭にマッチした雌型輪郭を呈する。
【0020】
特に望ましい実施形態では、熱交換器管の連結領域は、内側からカバープレートに接合可能にする雄ねじを備えている。この目的のため、カバープレートのカバープレート通路は、それぞれマッチした雌ねじを有し、したがって、熱交換器管をカバープレートにねじ込むことができるようになっている。
【0021】
上方カバープレートは、有利には、冷媒循環システムの低圧入口及び高圧出口を備えている。この場合、下方カバープレートは、それに対応して、冷媒循環システムの低圧出口及び高圧入口を有する。熱交換器管をそれぞれのカバープレートにねじ込んだ後、熱交換器管を好ましくは常温成形し、その間、ねじ山は、軸方向における支持を行う。
【0022】
機械的継手は、有利な一実施形態では、密封輪郭をねじ山の前に成形することにより密封される。本発明の別の有利な実施形態では、シールは、密封輪郭をねじ山の前に形成し、ねじ山を押し付けることにより実現される。加うるに、熱交換器管をねじ山の後に成形しても良い。別の実施形態では、シールは又、密封輪郭を形成しないで、ねじ山を押し付けることによってのみ実現できる。
【0023】
変形例として、半径方向シールを提供する密封要素を常温成形に代えて用いても良い。本発明の別の実施形態では、機械的継手は、ねじ山及びシールによって内部熱交換器(IHE)とコンポーネントカバーとの間に実現される。この場合、コイル状熱交換器管の連結領域は、雄ねじを備える。しかしながら、ねじ山の無い半径方向シールの特に有利な変形例も又、可能である。ねじ山を省くことにより、コンポーネントの接合が大幅に簡単になる。ねじ山の無いかかる密封要素を用いた場合、熱交換器管をコンポーネントカバーとコンポーネント容器の両方に機械的に接合できる。
【0024】
この場合、シールは、有利には、熱交換器管の管端部に固定される。一方において、このシールは、例えばテフロン(Teflon:登録商標)円錐形ニップルの形態をした弾性又はプラスチック材料で作られた円筒形シールであるのが良い。他方、Oリングシールをシールとして用いても良く、1つ又は2つ以上のOリングの使用が可能である。
【0025】
カバープレートは、各々、雄ねじにマッチした雌ねじを有する。熱交換器管の連結領域は、カバープレートにねじ込まれる。この場合、シールは、有利には、密封要素を半径方向に圧縮することにより達成される。この場合、軸方向密封は有利ではない。というのは、これにより、熱交換器管の螺旋に対するカバープレートの正確な位置を達成するのが不可能だからである。
【0026】
本発明の目的を達成する別の対策では、コイル状熱交換器管の管端部は、滑らかな状態のままであるのが良い。この場合、対応の雌型輪郭は、カバーに付与される。この解決策では、螺旋コイルは、カバー内に挿入され、摩擦溶接マンドレルが終端連結部を貫通した状態で、それぞれのカバープレート内に溶接されている。
【0027】
本発明の別の細部、特徴及び利点は、添付の図面を参照して例示の実施形態についての以下の説明を読むと理解できよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1aは、先行技術による内部熱交換器及びアキュムレータから成る組合せコンポーネント(AccuIHE)を示す図である。このコンポーネントは、コイル状熱交換器管を備えた内部熱交換器で構成され、この内部熱交換器は、アキュムレータと一緒になって、モジュラーユニットを形成している。内部熱交換器は、内径Dの円筒体として設計されたハウジング1から成る。ハウジング1は、上方カバープレート2及び下方カバープレート3によって境界付けられている。上方カバープレート2は、低圧入口6及び高圧出口10を備えている。下方カバープレート3は、低圧出口8及び高圧入口を備えている。アキュムレータ5は、下から密封された直径dの同心状に配置された筒体の形態で内部に配置されている。アキュムレータ筒体の上側被覆面は、オーバーフロー7として設計された開口部に隣接して低圧入口6のための開口部を有している。冷媒が、高圧下で、コイル状熱交換器管4を通って流れ、このコイル状熱交換器管は、下方カバープレート3から延びていて、アキュムレータ5とハウジング1との間の幅sの隙間内に配置され、アキュムレータ5の外壁に沿って同軸状に下から上方に螺旋状に延びて上方カバープレート2の高圧出口10を介して内部熱交換器から出ている。
【0029】
図1bに示すように、下方終端連結部を接合するには、長さLのコイル状熱交換器管4をハウジング1から引き出すことが必要であり、この場合、コイル状熱交換器管がこのプロセス中に壊れる恐れが生じる(先行技術)。
【0030】
図2は、先行技術による端が平らな管の従来型常温成形の欠点を示している。この場合、コイル状熱交換器管4は、真っ直ぐな長さにわたって保持され、次に、力を加えることにより軸方向に形成される。この場合の欠点としては、両方の保持長さLに必要な空間により、コイル状熱交換器管4のターンの数が減少し、それ故に、コンポーネントのサイズが同一であると仮定すると、アキュムレータと内部熱交換器又は熱出力との間の伝熱面が減少するということにある。使用可能な内部熱交換器の高さは、図2よ示すように2×Lだけ減少する。加うるに、下方連結部を実現する際、コイル状熱交換器管4をハウジングから保持長さLだけ引き出さなければならない。この場合、熱交換器管4を壊す恐れがある。
【0031】
図3は、コイル状熱交換器管4と上方カバープレート2又は下方カバープレート3との間の継手を示している。機械的継手は、成形法によって達成できる。図3aによれば、コイル状熱交換器管4の内部連結領域11は、雄ねじ12を備えている。カバープレート2,3は、これにマッチした雌ねじ13を備えている。成形プロセスに先立って、コイル状熱交換器管4の内部連結領域11をまず最初にカバー2,3にねじ込む。図3bによれば、ねじ山12,13をいったん互いに螺合させると、常温成形が生じる。この場合、軸方向支持は、ねじ山12,13により実現される。
【0032】
内部連結領域11をコイル状熱交換器管4からカバープレート2,3まで次のようにして密封するのが良い。
1.密封輪郭をねじ山12,13の前に形成する。
2.密封輪郭をねじ山12,13の前に形成し、ねじ山12,13を押し付け、雄ねじ12を備えた熱交換器管4をマンドレル18によって拡張し、これを雄ねじ13を備えたボアホール内に圧入し又は押し込み、緊密さが得られるようねじ山12,13の遊び及び運動の自由度を無くす。
3.密封輪郭をねじ山12,13の前に形成し、ねじ山12の後に熱交換器管4を拡張させて追加的に成形するマンドレル18によりねじ山12,13を押し付ける。
4.拡張目的でマンドレル18によりねじ山12,13を押し付けるだけである。
【0033】
カバープレート2,3への外部連結領域19は、高圧冷媒ラインの終端部を備えている。
【0034】
図3cは、内部熱交換器(IHE)と上方又は下方カバープレート2,3との間の実現された機械的継手を示している。
【0035】
図4は、ねじ山及びシールを備えた機械的継手を示している。この場合、コイル状熱交換器管4の内部連結領域11は、雄ねじ12を備えている。加うるに、シール14が、コイル状熱交換器管14の管端部15に設けられている。図4に記載されたこの種の実施形態は、組み立て上の理由で有利である。しかしながら、変形例として、シールを熱交換器管4に設けないで、それぞれのカバー2,3に設けられた溝内に配置しても良い。一方において、シール14は、例えばテフロン(Teflon:登録商標)円錐形ニップルの形態をした図4bに示すような弾性又はプラスチック材料で作られた円筒形シールであるのが良い。他方、図4aのOリングシール17をシール14として用いても良く、この場合、1つ又は2つ以上のOリングの使用が可能である。カバープレート2,3は、雌ねじ13を備える。コイル状熱交換器管4の内部連結領域11は、カバープレート2,3にねじ込まれる。シール14は、それぞれ用いられている密封要素16,17を半径方向に圧縮することにより達成される。軸方向密封は有利ではない。というのは、これにより、コイル状熱交換器管の螺旋に対するそれぞれのカバープレート2,3の正確な位置を達成するのが不可能だからである。
【0036】
図5は、少なくとも1つのOリングシール17を備えた機械的継手の特に好ましい実施形態を示しており、他の実施形態とは対照的に、ねじ山は設けられていない。図5aによれば、この場合、シール14が、Oリングシール17の形態の密封要素としてコイル状熱交換器管4の端部15に固定されている。これとは対照的に、図5bは、互いに上下に配置された2つのOリングシール17を備えた実施形態を示している。シール14は、少なくとも1つのOリングシール17を半径方向に圧縮することにより達成される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1a】内部熱交換器及びアキュムレータから成る先行技術の組合せコンポーネント(AccuIHE)を示す図である。
【図1b】コイル状チューブがカバーへの内部溶接が可能になるように引き出される内部熱交換器及びアキュムレータから成る先行技術の組合せコンポーネント(AccuIHE)を示す図である。
【図2】常温成形による接合後の内部熱交換器及びアキュムレータから成る先行技術の組合せコンポーネントを示す図である。
【図3】3aは、ねじ結合及び成形法で実現された熱交換器管と上方又は下方カバープレートとの間の機械的継手を示す図であってねじ結合前の熱交換器管及びカバープレートを示す図、3bは、ねじ結合及び成形法で実現された熱交換器管と上方又は下方カバープレートとの間の機械的継手を示す図であってマンドレルによるねじ山の拡張前の熱交換器管及びカバープレートを示す図、3cは、実現された機械的継手を示す図である。
【図4a】は、ねじ山及びシールで実現された熱交換器管と上方又は下方カバープレートとの間の機械的継手を示す図であってOリングシールによる機械的継手を示す図である。
【図4b】は、ねじ山及びシールで実現された熱交換器管と上方又は下方カバープレートとの間の機械的継手を示す図であって円筒形シールによる機械的継手を示す図である。
【図5】5aは、ねじ山を用いないでOリングシールを用いた熱交換器管と上方又は下方カバープレートとの間の機械的継手を示す図であって1つのOリングシールによる機械的継手を示す図、5bは、ねじ山を用いないでOリングシールを用いた熱交換器管と上方又は下方カバープレートとの間の機械的継手を示す図であって2つのOリングによる機械的継手を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 ハウジング
2 上方カバープレート
3 下方カバープレート
4 熱交換器管
5 アキュムレータ
6 低圧入口
7 オーバーフロー
8 低圧出口
9 高圧入口
10 高圧出口
11 内部連結領域
12 雄ねじ
13 雌ねじ
14 シール
15 管端部
16 円筒形シール(密封要素)
17 Oリングシール(密封要素)
18 拡張マンドレル
19 外部連結領域
s 隙間幅
d アキュムレータ5の直径
D ハウジング1の内径
L 保持長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アキュムレータ(5)を備えた内部熱交換器で構成されているモジュラーユニット(AccuIHE)の熱交換器管(4)とカバープレート(2,3)との間の機械的継手であって、前記モジュラーユニットは、上方カバープレート(2)及び下方カバープレート(3)を備えていて、低圧下の液体冷媒のためのアキュムレータ(5)を収納したハウジング(1)から成り、冷媒のための熱交換器管(4)が、前記アキュムレータ(5)と前記ハウジング(1)との間の幅sの隙間内において高圧下でコイル状になっている、機械的継手において、前記熱交換器管(4)を一体化する際、2つの密封平面が設けられ、前記熱交換器管(4)の管端部(15)のところの一方の密封平面は、熱交換器管(4)を内側から前記カバープレート(2,3)に機械的に接合可能に設計されており、前記熱交換器管(4)の内部連結領域(11)の輪郭に一致したそれぞれの雌型輪郭が、前記内部熱交換器の高圧入口(9)及び高圧出口(10)のところのカバープレート通路内に組み込まれ、外部連結領域(19)を備えた第2の密封平面が、前記カバープレート(2,3)を外部で冷媒ラインに接合するために設けられている特徴とする機械的継手。
【請求項2】
低圧入口(6)及び前記高圧出口(10)は、前記モジュラーユニットの前記上方カバープレート(2)に組み込まれ、低圧出口(8)及び前記高圧入口(9)は、前記下方カバープレート(3)に組み込まれている請求項1記載の機械的継手。
【請求項3】
コイル状熱交換器管(4)は、前記内部連結領域(11)に設けられたそれぞれの雄ねじ(12)を備え、前記カバープレート(2,3)は、各々、前記雄ねじにマッチした雌ねじ(13)を備え、前記機械的継手は、前記コイル状熱交換器管(4)と前記カバープレート(2,3)との間のスクリューによる結合を介して実現可能である請求項1又は2記載の機械的継手。
【請求項4】
前記コイル状熱交換器管(4)は、前記機械的継手を実現する際に常温成形され、前記ねじ山12,13は、常温成形中、軸方向における支持を行う請求項3記載の機械的継手。
【請求項5】
前記機械的継手は、密封輪郭を前記雄ねじ(12)の前に形成することにより密封される請求項3又は4記載の機械的継手。
【請求項6】
前記機械的継手は、前記雄ねじ(12)を押さえ付けることにより密封される請求項3又は4記載の機械的継手。
【請求項7】
シール(14)が、前記熱交換器管(4)の前記管端部(15)に設けられている請求項5記載の機械的継手。
【請求項8】
前記シールは、密封輪郭を前記雄ねじ(12)の前に形成し、前記雄ねじ(12)を押さえ付けることにより実現される請求項3乃至7の何れか1項に記載の機械的継手。
【請求項9】
前記熱交換器管(4)は、前記雄ねじ(12)の後に成形される請求項3乃至8の何れか1項に記載の機械的継手。
【請求項10】
ねじ山を備えていないシールが、密封輪郭を形成することにより半径方向に詰まった密封要素(16,17)を備えるシール(14)として実現される請求項1又は2記載の機械的継手。
【請求項11】
前記シール(14)は、円筒形シール(16)である請求項7乃至10の何れか1項に記載の機械的継手。
【請求項12】
前記円筒形シール(16)は、プラスチック材料から成る請求項11記載の機械的継手。
【請求項13】
前記円筒形シール(16)は、弾性材料から成る請求項11記載の機械的継手。
【請求項14】
前記シール(14)は、Oリングシール(17)として設計されている請求項7乃至10の何れか1項に記載の機械的継手。
【請求項15】
前記Oリングシール(17)は、数個のOリングから成る請求項14記載の機械的継手。
【請求項16】
前記コイル状熱交換器管(4)の前記管端部(15)のところの前記内部連結領域(11)は、円筒形に滑らかなままであり、前記カバープレート(2,3)は、対応の雌型輪郭を呈し、螺旋コイルが、前記カバー内に挿入され、摩擦溶接マンドレルが終端連結部を貫通した状態で、それぞれの前記カバープレート(2,3)内に溶接されている請求項1又は2記載の機械的継手。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4a】
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【図4b】
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【公開番号】特開2008−111654(P2008−111654A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280689(P2007−280689)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(505450755)ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッド (140)
【Fターム(参考)】