説明

熱交換器

【課題】ヘッダの耐圧強度の向上と冷媒の圧力損失の抑制とを両立できる熱交換器の提供。
【解決手段】1対のヘッダと、複数の扁平管(11a〜11f)とを備える。ヘッダは、第1部材(131)と、扁平管(11a〜11f)の端部が接着されて扁平管(11a〜11f)を保持する扁平管保持部材(132)とを有する。第1部材(131)は、上下方向に延び冷媒が流れる冷媒主流路(131a)と、冷媒主流路(131a)と扁平管(11a〜11f)に形成されている複数の冷媒流路との冷媒の流通を行うために冷媒主流路(131a)から扁平管(11a〜11f)が位置する方向の端面まで延びる冷媒連絡流路(231a〜231f)とが形成されている。冷媒連絡流路(231a〜231f)と扁平管(11a〜11f)の複数の冷媒流路とを繋ぐ中間流路(133a〜133f)が、ヘッダ及び/又は扁平管(11a〜11f)に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1(特開2006−284133号公報)に記載のように、鉛直方向に延びるヘッダと、そのヘッダの長手に直交する方向に延びヘッダに挿入する複数の扁平管とを備え、扁平管に形成される複数の穴を流れる冷媒と扁平管の外方を扁平管の幅方向(短手方向)に流れる空気との間で熱交換させる積層型の熱交換器が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1(特開2006−284133号公報)に記載のような熱交換器において、例えば、高圧冷媒(例えば、CO2冷媒)が流れる場合、耐圧強度の向上が要求される。ヘッダの耐圧強度向上の対策としては、ヘッダ自体の径を小径化することが考えられる。しかし、ヘッダ自体の径を小径化すると、それに伴い扁平管の幅を小さくすることになるので、熱交換器の性能に影響がでることが懸念される。他方、扁平管の幅に合わせてヘッダの径を設計すると、ヘッダの小径化が図れないことが懸念され、耐圧強度の向上の点からは好ましくない。
【0004】
また、冷媒が主として通るヘッダの内部空間に扁平管が挿入されるような構成の熱交換器においては、ヘッダ内において、冷媒の圧力損失が発生することが懸念される。
【0005】
そこで、本発明の課題は、ヘッダの耐圧強度の向上と冷媒の圧力損失の抑制とを両立できる熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る熱交換器は、1対のヘッダと、複数の扁平管とを備える。ヘッダは、上下方向に延び、内部を冷媒が流れる。複数の扁平管は、ヘッダの長手方向に交差する方向に延び、各々が異なる高さ位置でヘッダに接続される。ヘッダは、第1部材と、扁平管保持部材とを有する。第1部材は、主流路と、冷媒連絡流路とが形成されている。主流路は、上下方向に延び冷媒が流れる。冷媒連絡流路は、主流路と扁平管に形成されている複数の冷媒流路との冷媒の流通を行うために主流路から扁平管が位置する方向の端面まで延びる。扁平管保持部材は、扁平管の端部が接着されて扁平管を保持する。そして、冷媒連絡流路と扁平管の複数の冷媒流路とを繋ぐ中間流路が、ヘッダ及び/又は扁平管に形成されている。
【0007】
ここで、例えば、ヘッダに扁平管を挿入する構成にすると、冷媒の圧力損失が発生することが懸念される。
【0008】
そこで、本発明の第1観点に係る熱交換器では、冷媒が流れる主流路が形成される第1部材とは別の扁平管保持部材を用いて扁平管を保持している。すなわち、扁平管を主流路に挿入しない構成を採っている。これにより、冷媒の圧力損失を抑制できる。なお、主流路とは別の冷媒連絡流路と中間流路とにより、主流路を流れる冷媒は、扁平管の冷媒流路へと流れる。
【0009】
また、このような構成を採ると、主流路に扁平管を挿入しなくてもよいので、扁平管の幅に合わせて主流路の径を合わせなくてもよい。よって、冷媒が通る主流路部分の小径化が図れ、耐圧強度を向上できる。
【0010】
本発明の第2観点に係る熱交換器は、本発明の第1観点に係る熱交換器であって、中間流路の幅は、扁平管の幅以下である。
【0011】
本発明の第2観点に係る熱交換器では、中間流路の幅が扁平管の幅以下であることにより、扁平管の長手方向の端面が中間流路を形成する中間流路形成部の周辺に当たる。これにより、容易に、扁平管の位置決めを行うことができる。
【0012】
本発明の第3観点に係る熱交換器は、本発明の第1観点又は第2観点に係る熱交換器であって、ヘッダは、第1部材と扁平管保持部材との間に挟まれる第2部材をさらに備える。そして、ヘッダ及び扁平管、又は、ヘッダに中間流路が形成されている場合、中間流路は、第2部材に形成されている。
【0013】
本発明の第3観点に係る熱交換器では、ヘッダの耐圧強度の向上と冷媒の圧力損失の抑制とを両立できる。
【0014】
本発明の第4観点に係る熱交換器は、本発明の第1観点〜第3観点のいずれかに係る熱交換器であって、主流路を形成する主流路形成部の第1部材の長手方向に直交する方向の長さをL1とし、円周率をπとし、重力加速度をgとし、主流路を流れる気液二相状態の冷媒の循環量をmとし、1対のヘッダのうち外方から冷媒が流入する入口ヘッダ内における、気液二相状態の冷媒の全質量流量に対する気相状態の冷媒の質量流量の割合である入口クオリティをxとし、主流路を流れる気相状態の冷媒の密度をρとし、最上位置の扁平管と最下位置の扁平管との距離をDとし、定数をC、Cとした場合、


【0015】
の関係が成り立つ。そして、C=0.16であり、C=1.5である。
【0016】
本発明の第4観点に係る熱交換器では、上記のような関係が成り立つようにL1を決定すれば、主流路を流れる冷媒を各冷媒連絡流路へと均等に分流しやすい。すなわち、主流路を流れる冷媒が、各冷媒連絡流路に繋がる各扁平管の冷媒流路に均等に流れやすくなる。
【0017】
本発明の第5観点に係る熱交換器は、本発明の第1観点〜第3観点のいずれかに係る熱交換器であって、主流路を形成する主流路形成部の第1部材の長手方向に直交する方向の長さをL1とし、円周率をπとし、重力加速度をgとし、主流路を流れる気液二相状態の冷媒の循環量をmとし、1対のヘッダのうち外方から冷媒が流入する入口ヘッダ内における、気液二相状態の冷媒の全質量流量に対する気相状態の冷媒の質量流量の割合である入口クオリティをxとし、主流路を流れる気相状態の冷媒の密度をρとし、最上位置の扁平管と最下位置の扁平管との距離をDとし、定数をC、Cとした場合、


【0018】
の関係が成り立つ。そして、C=0.24であり、C=1.1である。
【0019】
本発明の第5観点に係る熱交換器では、上記のような関係が成り立つようにL1を決定すれば、主流路を流れる冷媒を各冷媒連絡流路へとより均等に分流しやすい。すなわち、主流路を流れる冷媒が、各冷媒連絡流路に繋がる各扁平管の冷媒流路により均等に流れやすくなる。
【0020】
本発明の第6観点に係る熱交換器は、本発明の第3観点に係る熱交換器であって、固定部材をさらに備える。固定部材は、扁平管保持部材と第2部材との間に挟まれて、複数の扁平管の端部を扁平管保持部材とともに固定する。
【0021】
本発明の第6観点に係る熱交換器では、より扁平管を安定して固定できる。
【0022】
本発明の第7観点に係る熱交換器は、本発明の第3観点又は第6観点に係る熱交換器であって、第2部材、及び、固定部材は、平板形状である。
【0023】
本発明の第7観点に係る熱交換器では、例えば、固定部材に穴を形成して当該穴に扁平管を入れることで扁平管を固定する場合、固定部材が平板形状であることにより、当該固定部材に穴を一気に形成できるので、施工がしやすい。また、第2部材に中間流路を形成する場合も同様に、第2部材に一気に穴を形成することができるので、施工がしやすい。
【0024】
本発明の第8観点に係る熱交換器は、本発明の第3観点、第6観点、及び第7観点のいずれかに係る熱交換器であって、扁平管保持部材は、第2部材、又は、第2部材及び固定部材を外側から覆い、その両端が第1部材に接触してロウ付けされる。
【0025】
本発明の第8観点に係る熱交換器では、扁平管保持部材によって、第2部材や固定部材を容易に固定できる。
【0026】
本発明の第9観点に係る熱交換器は、本発明の第1観点〜第8観点のいずれかに係る熱交換器であって、扁平管保持部材には、複数の穴が形成されている。
【0027】
ここで、例えば、扁平管保持部材及び扁平管、扁平管保持部材及び第2部材を接続する場合、フラックスを塗布する。その後、ロウ付け等によってこれらを接続する場合、フラックスが揮発することが想定される。
【0028】
そこで、本発明の第9観点に係る熱交換器では、扁平管保持部材に複数の穴を形成している。これにより、揮発したガスを抜くことができる。従って、接続される部材間の気密性を確保できる。
【0029】
本発明の第10観点に係る熱交換器は、本発明の第1観点〜第9観点のいずれかに係る熱交換器であって、主流路を形成する主流路形成部の第1部材の長手方向に直交する方向の長さは、扁平管の幅よりも小さい。
【0030】
本発明の第10観点に係る熱交換器では、主流路に扁平管を挿入しなくてもよいので、主流路を形成する主流路形成部の第1部材の長手方向に直交する方向の長さを、扁平管の幅よりも小さくできる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の第1観点に係る熱交換器では、ヘッダの耐圧強度の向上と冷媒の圧力損失の抑制とを両立できる。
【0032】
本発明の第2観点に係る熱交換器では、容易に、扁平管の位置決めを行うことができる。
【0033】
本発明の第3観点に係る熱交換器では、ヘッダの耐圧強度の向上と冷媒の圧力損失の抑制とを両立できる。
【0034】
本発明の第4観点に係る熱交換器では、主流路を流れる冷媒が、各扁平管の冷媒流路に均等に流れやすくなる。
【0035】
本発明の第5観点に係る熱交換器では、主流路を流れる冷媒が、各扁平管の冷媒流路により均等に流れやすくなる。
【0036】
本発明の第6観点に係る熱交換器では、より扁平管を安定して固定できる。
【0037】
本発明の第7観点に係る熱交換器では、施工がしやすい。
【0038】
本発明の第8観点に係る熱交換器では、扁平管保持部材によって、第2部材や固定部材を容易に固定できる。
【0039】
本発明の第9観点に係る熱交換器では、接続される部材間の気密性を確保できる。
【0040】
本発明の第10観点に係る熱交換器では、主流路に扁平管を挿入しなくてもよいので、主流路を形成する主流路形成部の第1部材の長手方向に直交する方向の長さを、扁平管の幅よりも小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】熱交換器の概略構成図(ヘッダについては詳細は図示せず)。
【図2】図1のII部の拡大図。
【図3】上端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ及び扁平管の平面図。
【図4】上端部材及び下端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ及び扁平管を、図3に示すIV−IVで切断した場合の縦断面図。
【図5】第1部材を、図3に示すV−Vで切断した場合の縦断面図。
【図6】第1部材の一部の概略斜視図。
【図7】図3に示すV−Vにその長手方向に平行な切断線で、扁平管保持部材を切断した縦断面図。
【図8】図3に示すV−Vにその長手方向に平行な切断線で、第2部材を切断した縦断面図。
【図9】定数C、Cと、分流能力との関係を示すグラフ。
【図10】変形例1Aに係る扁平管保持部材を示す縦断面図。
【図11】変形例1Cに係る、上端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ及び扁平管の平面図。
【図12】変形例1Cに係る、第1部材の扁平管側から視た側面図。
【図13】変形例1Dに係る、上端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ及び扁平管の平面図。
【図14】変形例1Dに係る、第1部材の扁平管側から視た側面図。
【図15】変形例1Eに係る、上端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ及び扁平管の平面図。
【図16】変形例1Fに係る、上端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ及び扁平管の平面図。
【図17】変形例1Gに係る、上端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ及び扁平管の平面図。
【図18】第2実施形態の上端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ及び扁平管の平面図。
【図19】第2実施形態の、上端部材及び下端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ及び扁平管を、図18に示すXIX−XIXで切断した場合の縦断面図。
【図20】固定部材を、図18に示すXX―XXで切断した場合の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る熱交換器1について説明する。
【0043】
<第1実施形態>
(1)熱交換器1の構成
図1は、熱交換器1の概略構成図である。図2は、図1のII部の拡大図である。
【0044】
熱交換器1は、空気を冷却源又は加熱源として、冷媒の凝縮や蒸発を行う熱交換器であり、例えば、蒸気圧縮式の冷凍装置の冷媒回路を構成する熱交換器として採用されるものである。ここでは、冷媒回路を循環する冷媒として、二酸化炭素冷媒を使用するものとする。
【0045】
熱交換器1は、図1や図2に示すように、主として、複数の扁平管11a〜11fと、伝熱フィン12と、1対のヘッダ13,14とを有している。以下、これらについて説明する。
【0046】
(1−1)扁平管11a〜11f
各扁平管11a〜11fは、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属部材を、押し出し成形をすることによって形成される。各扁平管11a〜11fは、後述するヘッダ13,14の長手方向に交差する方向(具体的には、直交する方向)に長く延び、図2に示すように、長尺で幅広の平面部111が上下方向(ヘッダ13,14の長手方向)に向く状態で上下方向に所定の間隔を空けて配置されている。各扁平管11a〜11fには、内部に複数の冷媒流路112が形成されており、これらの冷媒流路112には冷媒が流れる。具体的には、複数の冷媒流路112は、各扁平管11a〜11fを、その長手方向に貫通するように、その短手方向に並んで形成されている。
【0047】
なお、ここでは、扁平管は6本配置されているが、本数はこれに限られるものではない。
【0048】
(1−2)伝熱フィン12
伝熱フィン12は、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属部材から構成され、板状部材が長手方向に波形に折り曲げられることによって形成される波形フィンである。伝熱フィン12は、各扁平管11a〜11fに挟まれた空間に配置されている。伝熱フィン12は、その上端の山折りの部分が平面部111の下面にロウ付け等によって接合され、その下端の谷折りの部分が平面部111の上部にロウ付け等によって接合されている。また、伝熱フィン12には、熱交換効率を向上させるための複数の切り起こし部12aがルーバー状に切り起こされている。切り起こし部12aは、空気流れ方向(各扁平管11a〜11fの短手方向(幅方向)に向かって流れる空気の流れ方向)の上流側部分と下流側部分とで、空気流れ方向に対する傾斜方向が逆になるように形成されている。
【0049】
(1−3)ヘッダ13,14
ヘッダ13,14は、図1に示すように、互いに離間しており、それぞれが上下方向(具体的には、鉛直方向)に延びる部材である。ヘッダ13,14の外面には、それぞれ、その長手方向に沿って異なる高さ位置で(具体的には、所定の間隔を空けて)、複数の扁平管11a〜11fをヘッダ13,14に接続するための扁平管用穴(これには、後述する第1ヘッダ13の扁平管用穴132a〜132f(図4を参照)が含まれる)が形成されている。そして、これらの扁平管用穴には、ヘッダ13,14の長手方向に直交する方向に延びる各扁平管11a〜11fの長手方向の両端部が挿入している。なお、扁平管用穴は、プレス加工等によって形成される。
【0050】
ヘッダ13,14は、それぞれ、各扁平管11a〜11fを支持する支持機能と、冷媒を各扁平管11a〜11f(具体的には、各扁平管11a〜11fに形成される複数の冷媒流路112)に流入させる流入機能と、各扁平管11a〜11f(具体的には、各扁平管11a〜11fに形成される複数の冷媒流路112)から流出する冷媒を集合させる集合機能とを有している。
【0051】
なお、以下の説明においては、説明の便宜上、図1における左側のヘッダを第1ヘッダ13とし、図1における右側のヘッダを第2ヘッダ14とする。なお、ヘッダ13,14の構成は図1に示すものに限られず、種々の構成を適用可能である。
【0052】
第1ヘッダ13は、その外周部に開口130が形成され、上端及び下端が閉じられた上下方向に延びる円筒状の部材である。開口130は、冷媒を、第1ヘッダ13内に流入させる、又は、第1ヘッダ13から外方に流出させる機能を有する。具体的には、開口130は、熱交換器1が冷媒の蒸発器として機能する場合は、冷媒の入口となり、熱交換器1が冷媒の凝縮器として機能する場合は、冷媒の出口となる。
【0053】
第2ヘッダ14は、外周部に開口140が形成され、上端及び下端が閉じられた上下方向に延びる筒状の部材である。開口140は、冷媒を、第2ヘッダ14内に流入させる、又は、第2ヘッダ14から外方に流出させる機能を有する。具体的には、開口140は、熱交換器1が冷媒の凝縮器として機能する場合は、冷媒の入口となり、熱交換器1が冷媒の蒸発器として機能する場合は、冷媒の出口となる。
【0054】
なお、開口130及び開口140は、プレス加工等によって形成される。また、開口130及び開口140には、冷媒が流れる配管151,152が接続される。
【0055】
(2)ヘッダ13,14の具体的な構成について
第1ヘッダ13及び第2ヘッダ14は、同様の構成を有する。よって、以下の説明においては、第1ヘッダ13の構成についてのみ説明し、第2ヘッダ14の構成については説明を省略する。
【0056】
図3は、上端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ13及び扁平管の平面図である。図4は、上端部材及び下端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ13及び扁平管11a〜11fを、図3に示すIV−IVで切断した縦断面図である。図5は、第1部材131を、図3に示すV−Vで切断した場合の縦断面図である。図6は、第1部材131の一部の概略斜視図である。図7は、図3に示すV−Vにその長手方向に平行な切断線で、扁平管保持部材132を切断した縦断面図である。図8は、図3に示すV−Vにその長手方向に平行な切断線で、第2部材133を切断した縦断面図である。
【0057】
第1ヘッダ13は、図3〜図8に示すように、主として、第1部材131と、扁平管保持部材132と、第2部材133とを有する。以下、これらの部材について具体的に説明する。
【0058】
(2−1)第1部材131
第1部材131は、心材となるアルミニウム合金の表面に融点の低い別のアルミニウム合金が張り合わされるクラッド材等の金属部材から構成され、鉛直方向に延びる部材である。第1部材131は、図3や図6に示すように、円筒と直方体とが組み合わされた形状を有する。第1部材131は、その長手方向に直交する断面形状が、Ω形状(約3/4の円弧とその円弧の端部が直線によって結ばれ、その直線部分に四角形が接続される形状)を有する。
【0059】
具体的には、第1部材131は、鉛直方向に延び、横断面における形状が、約3/4の円弧とその円弧の端部が直線によって結ばれる形状を有する第1部331aと、幅方向に細長い平板形状を有し鉛直方向に延びる第2部331bと、を有する。
【0060】
第1部材131(具体的には、第1部331a)には、図3、図4、及び、図6に示すように、上下方向(具体的には、鉛直方向)に貫通し、冷媒が主として流れる冷媒主流路131aが形成されている。冷媒主流路131aは、その長手方向に直交する断面(横断面)が、円形状を有する。冷媒主流路131aを形成する冷媒主流路形成部13a(図3や図4を参照)の、第1部材131の長手方向に直交する方向の長さL1(図3を参照)は、10mmである。また、第1部材131の肉厚(冷媒主流路形成部13aの内面と、第1部331aの外面との距離)は、3mm〜6mmが望ましい。
【0061】
また、第1部材131には、扁平管11a〜11fに形成されている複数の冷媒流路112と冷媒の流通を行うために、冷媒主流路131aと連通し扁平管11a〜11fが位置する方向(第1部材131の長手方向に直交する方向)の端面まで延びて貫通する冷媒連絡流路231a〜231fが形成されている。冷媒連絡流路231a〜231fは、第1部材131の長手方向に沿って、所定の間隔を空けて形成されている。冷媒連絡流路231a〜231fは、図6に示すように、第1部材131の長手方向(鉛直方向)に切断した断面形状が円形状を有する。冷媒連絡流路231a〜231fは、ドリル加工によって形成される。冷媒連絡流路231a〜231f(具体的には、冷媒連絡流路231a〜231fを形成する冷媒連絡流路形成部233a〜233f(図5を参照))の高さH1は、扁平管11a〜11fの厚みよりも大きい。
【0062】
(2−2)扁平管保持部材132
扁平管保持部材132は、扁平管11a〜11fの端部が接続(接着)され、扁平管11a〜11fを保持する部材である。扁平管保持部材132は、クラッド材等の金属部材から構成され、鉛直方向に延びる部材である。扁平管保持部材132は、正規に組み立てられた状態においては、図3に示すように、その横断面(扁平管保持部材132の長手方向に直交する断面)の形状が、コの字形状を有し、その端部が内側に折り曲げられた形状を有する。
【0063】
扁平管保持部材132は、正規に組み立てられた状態においては、第1部材131の第2部331bの幅方向の両端部を覆って内側に折り曲げられる。そして、その内側に折り曲げられた端部は、第1部材131の第1部331aと第2部331bとによって形成される凹部空間Sに位置する。
【0064】
扁平管保持部材132には、図3や図4に示すように、複数の扁平管11a〜11fを挿入し、且つ、扁平管11a〜11fを保持するための複数の扁平管用穴132a〜132fが形成されている。当該扁平管用穴132a〜132fは、プレス加工等によって形成される。扁平管用穴132a〜132fは、扁平管保持部材132の長手方向に沿って所定の間隔をもって形成される。扁平管用穴132a〜132fの高さは、扁平管11a〜11fの厚みよりも少し小さく形成されている。よって、扁平管11a〜11fを扁平管用穴132a〜132fに挿入することによって、扁平管11a〜11fが保持される。
【0065】
なお、扁平管保持部材132に扁平管11a〜11fが正規に取り付けられた状態においては、扁平管11a〜11fの挿入される側の端面と、扁平管保持部材132の第1部材131側の端面とは、略同じ位置に位置する。
【0066】
図7に、扁平管11a〜11fが扁平管保持部材132に正規に取り付けられた状態の、扁平管保持部材132の縦断面図を示している。
【0067】
(2−3)第2部材133
第2部材133は、図3や図4に示すように、一方の端面が第1部材131(具体的には、第2部331bの端面)に接着され、他方の端面が扁平管保持部材132の端面に接着される部材である。すなわち、第2部材133は、第1部材131と、扁平管保持部材132との間に挟まれている。
【0068】
第2部材133は、クラッド材(第2部材133を形成するクラッド材は、他の部材よりも融点の高いクラッド材が用いられる)等の金属部材から構成され、鉛直方向に延びる細長い平板形状を有する。第2部材133は、その横断面が四角形状を有する。
【0069】
第2部材133には、図4や図8に示すように、その長手方向に直交する方向に貫通する中間流路133a〜133fが形成されている。中間流路133a〜133fは、図8に示すように、縦断面の形状が横に細長い楕円形状を有する。図4や図8に示すように、複数の中間流路133a〜133fは、第2部材133の長手方向に沿って所定の間隔をもって形成されている。そして、複数の中間流路133a〜133fは、それぞれが、第1部材131に形成される冷媒連絡流路231a〜231f及び各扁平管11a〜11fに形成される複数の冷媒流路112に連通している。
【0070】
すなわち、第2部材133は、冷媒が主として通る流路(具体的には、冷媒主流路131a)が形成される第1部材131と、各扁平管11a〜11fに形成される複数の冷媒流路112との冷媒の流通を可能にする機能を有する。具体的には、第2部材133は、各扁平管11a〜11fに形成される複数の冷媒流路112と、第1部材に形成される冷媒主流路131a及び冷媒連絡流路231a〜231fとの冷媒の流通を可能にする機能を有している。
【0071】
中間流路133a〜133fの高さ(具体的には、中間流路133a〜133fを形成する中間流路形成部134a〜134fの高さ)は、扁平管11a〜11fの厚みよりも大きく、且つ、冷媒連絡流路231a〜231f(具体的には、冷媒連絡流路形成部233a〜233f)の高さH1よりも大きい。これは、第1ヘッダ13と扁平管11a〜11fとの間での冷媒の流通を容易にさせるためである。
【0072】
また、中間流路133a〜133fの幅W3(具体的には、中間流路133a〜133fを形成する中間流路形成部134a〜134fの幅W3)は、扁平管11a〜11fの幅W22(図7を参照)以下である。
【0073】
(3)熱交換器1の製造方法について
以下、熱交換器1の製造方法について説明する。なお、以下の説明においても、第2ヘッダ14の説明は省略する。
【0074】
まず、第1部材131を形成する。具体的には、心材となるアルミニウム合金の表面に融点の低い別のアルミニウム合金が張り合わされるクラッド材を加工する(例えば、押出成形する)ことによって、内部に開放された空間(具体的には、冷媒主流路131a)を有する細長く伸びる円筒形状の部材を形成する。そして、ドリル加工によって、円筒形状の部材に、内部空間からその長手方向に直交する方向に貫通する孔(具体的には、冷媒連絡流路231a〜231f)を形成する。当該孔は、その長手方向に沿って所定の間隔を持って形成される。これにより、冷媒主流路131a及び冷媒連絡流路231a〜231fが形成された第1部材131が形成される。
【0075】
次に、第2部材133を形成する。具体的には、平板形状のクラッド材に、その長手方向に沿って所定の間隔をもって、プレス加工によって、複数の穴(具体的には、中間流路133a〜133f)を形成する。これにより、中間流路133a〜133fが形成された第2部材133が形成される。
【0076】
次に、平板形状のクラッド材に、扁平管11a〜11fを保持するための穴(具体的には、扁平管用穴132a〜132f)を、その長手方向に沿って所定の間隔をもって、プレス加工によって形成する。
【0077】
次に、第1部材131、第2部材133、扁平管11a〜11fを保持するための穴が形成された平板形状のクラッド材、扁平管11a〜11fの順に位置するように組み立てる。
【0078】
そして、平板形状のクラッド材を、第2部材133をその形状に沿って外側から覆うように曲げ加工を行い、さらに、平板形状のクラッド材の両端を、第1部材131の一部(具体的には、第2部331b)を外側から覆うように接触させて凹部空間Sに位置するようにする。これにより、横断面の形状がコの字形状を有する扁平管保持部材132が形成される。
【0079】
そして、扁平管11a〜11fを扁平管用穴132a〜132fに挿入する。
【0080】
そして、これらをロウ付け等によって接合する。ここでは、扁平管保持部材132にクラッド材を用いて扁平管11a〜11fと接合することによって、扁平管11a〜11fの冷媒流路112からの外部への冷媒漏洩を防止できる。
【0081】
なお、第1部材131の上下端は、第1部材131と同断面形状を有する上端部材及び下端部材(図示せず)によって閉じられる構成となっており、上端部材及び下端部材がロウ付け等によって接合される。
【0082】
また、扁平管11a〜11fの他方の端部には、第1ヘッダ13と同様にして、第2ヘッダ14が接合される。以上のようにして、熱交換器1が製造される。
【0083】
(4)冷媒の流れ
以下、以上のような構成を有する熱交換器1における冷媒の一連の流れを簡単に説明する。
【0084】
(4−1)熱交換器1が蒸発器として機能する場合の冷媒の流れ
まず、第1ヘッダ13の外方から熱交換器1に向かって流れる冷媒は、開口130を介して、第1ヘッダ13内に流入する。ここでは、第1ヘッダ13は、外方から冷媒が流入する入口ヘッダとして機能している。大まかな冷媒の流れとしては、第1ヘッダ13内に流入した冷媒は、第1部材131に形成される冷媒主流路131aを通りながら各扁平管11f〜11aに分配されていき各扁平管11f〜11aに形成される冷媒流路112にほぼ均等に分流される。
【0085】
より詳細には、第1ヘッダ13内に流入した冷媒は、第1部材131に形成される冷媒主流路131を通りながら、第1部材131に形成される各冷媒連絡流路231f〜231aにほぼ均等に分配される。各冷媒連絡流路231f〜231aに流入した冷媒は、第2部材133に形成される各中間流路133f〜133aに流入する。各中間流路133f〜133aに流入した冷媒は、扁平管保持部材132に保持される各扁平管11f〜11aに形成される複数の冷媒流路112にほぼ均等に分流される。
【0086】
そして、冷媒流路112に均等に分流される冷媒は、第2ヘッダ14に向かって流れる。第2ヘッダ14内で集合した冷媒は、開口140を介して熱交換器1の外方へと流出する。
【0087】
以上のように、熱交換器1が蒸発器として機能する場合は、冷媒は、ヘッダ13,14内を下方空間から上方空間へと流れるようになっている。
【0088】
(4−2)熱交換器1が凝縮器として機能する場合の冷媒の流れ
熱交換器1が凝縮器として機能する場合は、第2ヘッダ14の外方から熱交換器1に向かって流れる冷媒が、開口140を介して、第2ヘッダ14に流入する。ここでは、第2ヘッダ14は、外方から冷媒が流入する入口ヘッダとして機能している。
【0089】
そして、熱交換器1が蒸発器として機能する場合の冷媒の流れと同様にして、第2ヘッダ14に流入した冷媒は、第1ヘッダ13に向かって流れる。第1ヘッダ13内で集合した冷媒は、開口130を介して熱交換器1の外方へと流出する。
【0090】
以上のように、熱交換器1が凝縮器として機能する場合は、冷媒は、ヘッダ13,14内を上方空間から下方空間へと流れるようになっている。
【0091】
ここで、図3に示すように、冷媒連絡流路231a〜231fの幅W1(具体的には、冷媒連絡流路形成部233a〜233fの幅W1)は、第1部材131の耐圧強度を高めるために、冷媒が通るために必要な最低限の寸法となっている。よって、冷媒連絡流路231a〜231f(具体的には、冷媒連絡流路形成部233a〜233f)の幅W1は、扁平管11a〜11fの冷媒流路112が形成されている部分の幅W2(図7を参照)よりも小さい。そこで、ここでは、第2部材133に形成される中間流路133a〜133f(具体的には、中間流路133a〜133fを形成する中間流路形成部134a〜134f)の幅W3は、扁平管11a〜11fの冷媒流路112が形成されている部分の幅W2以上としている。これにより、第1部材131と、複数の扁平管11a〜11fとの間での冷媒のやり取りが容易にできる。
【0092】
(5)冷媒主流路131aについて
冷媒主流路131aを形成する冷媒主流路形成部13aの、第1部材131の長手方向に直交する方向の長さL1〔m〕は、以下の等式1を用いて決定できる。
(等式1):

【0093】
ここで、πは、円周率である。gは、重力加速度〔m/s〕である。mは、冷媒主流路131aを流れる気液二相状態の冷媒の循環量〔kg/s〕である。xは、入口ヘッダとして機能する第1ヘッダ13又は第2ヘッダ14内における、気液二相状態の冷媒の全質量流量に対する気相状態の冷媒の質量流量の割合である入口クオリティである。ρは、冷媒主流路131aを流れる気相状態の冷媒の密度〔kg/m〕であり、本実施形態では、蒸発温度によって決定される値である。Dは、最上位置の扁平管11aの上面と最下位置の扁平管11fの下面との距離〔m〕である(図4を参照)。C、Cは定数である。
【0094】
上記の等式1から、長さL1は、定数C、Cと、距離Dとによって決定されることがわかる。なお、距離Dは、ヘッダ13,14の種類に応じて一意的に決定される値である。
【0095】
ここで、本発明の発明者は、実験を行い、分流能力が所定能力(本実施形態では、90%)以上となる定数C、Cを発見した。分流能力とは、冷媒主流路131aから、各冷媒連絡流路231a〜231f、ひいては、各扁平管11a〜11fの冷媒流路112へとどれだけ均等に流すことができるかを示す能力であり、90%以上であれば分流能力が高いと言える。
【0096】
図9は、上記で説明した実験の結果である、定数C、Cと、分流能力との関係を示すグラフである。図9のグラフを導き出した実験は、冷媒として二酸化炭素冷媒を使用し、Dが300mm〜500mm且つL1が5mm〜15mmとなるヘッダ13,14を使用し、蒸発温度が0℃、xが0.2となるような条件の下で行った。なお、多少実験条件(例えば、蒸発温度やxの値)が変更したとしても同様の結果(すなわち、分流能力が高いC及びCの値)が得られている。
【0097】
なお、本実験では、定数C、Cの代用値として、以下の式2から算出される値を用いている(Ugsはガス速度である)。
(式2):

【0098】
これは、上記等式1を、以下の式3から定義されるガス速度Ugsで割ると、以下の等式4の関係が導出できることによるものである。
(式3):

(等式4):

【0099】
図9のグラフを見ると、分流能力が90%以上となるCの値は、0.16であり、Cの値は、1.5である。また、分流能力が95%以上となるCの値は、0.24であり、Cの値は1.1である。
【0100】
よって、等式1と、図9のグラフから導出した定数C、Cの値とを用いれば、分流能力が高いL1の値を決定できる。
【0101】
例えば、Dが500mm、蒸発温度が7℃(この蒸発温度から決定されるρは、122.3kg/mとなる)、xが0.15、及び、mが100kg/hrの場合において、90%の分流能力を得たい場合は、L1が、3.6mm〜11.0mmとなるように設計すればよく、95%の分流能力を得たい場合は、L1が、4.2〜9.0mmとなるように設計すればよい。
【0102】
(6)特徴
(6−1)
例えば、冷媒が主として通るヘッダの内部空間に扁平管が挿入される場合、冷媒の圧力損失が発生することが懸念される。また、このような構成の熱交換器では、扁平管とヘッダとを接合する際、扁平管の端部からヘッダ内にロウが流入することが想定される。この場合、冷媒が主として通る流路をロウ詰まり等が発生することにより塞いでしまうことが懸念される。
【0103】
そこで、本実施形態では、冷媒が主として通る冷媒主流路131aが形成される第1部材131とは別の扁平管保持部材132を用いて、複数の扁平管11a〜11fを保持している。また、複数の扁平管11a〜11fから冷媒主流路131aに流すための/冷媒主流路131aからの冷媒を各扁平管11a〜11fに流すための中間流路133a〜133fを、第1部材131とは別の第2部材133に形成し、且つ、第1部材131に、冷媒主流路131aから中間流路133a〜133fに冷媒を流すための冷媒連絡流路231a〜231fを形成している。よって、扁平管11a〜11fを冷媒主流路131aに挿入しない構成を採っている。これにより、冷媒が通る冷媒主流路131aにロウ詰まりが発生することを抑制できる。また、冷媒の圧力損失を抑制できる。
【0104】
また、このような構成を採ることにより、扁平管11a〜11fの幅に合わせて第1ヘッダ13の径や冷媒主流路131aを形成しなくてもよい。すなわち、冷媒主流路131aを形成する冷媒主流路形成部13aの、第1部材131の長手方向に直交する方向の長さL1(すなわち、冷媒主流路形成部13aの内径)を、扁平管11a〜11fの幅W22よりも小さくできる。よって、冷媒が主として通る流路の小径化が図れ、第1ヘッダ13の耐圧強度を向上できる。さらに、冷媒主流路131aの小径化が図れることにより、冷媒主流路131aを流れる冷媒流速の低下を抑制でき、分流能力を高く維持できる。
【0105】
(6−2)
本実施形態では、第2部材133は、平板形状である。第2部材133に穴を容易に形成できるので、中間流路133a〜133fを容易に形成できる。よって、施工者が施工しやすい。
【0106】
(6−3)
中間流路133a〜133f(具体的には、中間流路形成部134a〜134f)の幅W3は、扁平管11a〜11fの幅W22以下である。これにより、扁平管11a〜11fの長手方向の端面を第2部材133にあてることができ、容易に、扁平管11a〜11fの位置決めを行うことができる。すなわち、扁平管11a〜11fを、その長手方向の端面が第2部材133の厚み方向の扁平管側の端面と略同じ位置に位置するように、容易に固定できる。また、これにより、第1部材131と扁平管11a〜11fとの間にスペース(すなわち、中間流路133a〜133f)を容易に形成できる。
【0107】
(6−4)
本実施形態では、中間流路形成部134a〜134fの幅W3は、扁平管11a〜11fの冷媒流路112が形成されている部分の幅W2以上としている。これにより、冷媒連絡流路231a〜231fの幅W1を、冷媒が通るために必要な最低限の寸法に設定でき、第1ヘッダ13の耐圧強度が向上する。
【0108】
(6−5)
本実施形態では、扁平管保持部材132は、第2部材133を外側から覆い、その両端が第1部材131に接触してロウ付けにより接合される。
【0109】
ここでは、扁平管保持部材132によって、第2部材133を容易に固定できる。
【0110】
また、本実施形態では、扁平管保持部材132の内側に折り曲げられた端部は、第1部材131の第1部331aと第2部331bとによって形成される凹部空間Sに位置する。
【0111】
ここでは、第1部材131の第1部331aと第2部331bとによって凹部空間Sが形成されていることにより、扁平管保持部材132の固定を容易にできる。
【0112】
(6−6)
本実施形態では、第2部材133は、他の部材(扁平管保持部材132)とは異なるクラッド材が用いられる。具体的には、第2部材133に用いられるクラッド材は、他の部材に用いられるクラッド材よりも融点が高い。
【0113】
これは、扁平管11a〜11fの端面が、第2部材133と扁平管保持部材132との間に位置するので、第2部材133と扁平管保持部材132とを接合する際、第2部材133のロウが扁平管11a〜11fの端面に流れないようにしているためである。よって、扁平管11a〜11fに形成される冷媒流路112のロウ詰まりを抑制できる。
【0114】
(6−7)
本実施形態では、第1部材131、第2部材133、及び、扁平管保持部材132は、クラッド材から構成されているので、施工者がこれらをロウ付けする際、別途ロウ材を用いる必要がない。よって、ロウ付け作業における工数を減らすことができ、かつ、コストを抑制することができる。
【0115】
(6−8)
本実施形態では、分流能力が高くなる、冷媒主流路131aを形成する冷媒主流路形成部13aの、第1部材131の長手方向に直交する方向の長さL1を、上記等式1から容易に導ける。具体的には、分流能力が高くなる定数C、Cの値を、図9に示すグラフから導出することにより、分流能力が高くなるL1を導いている。
【0116】
(7)変形例
(7−1)変形例1A
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0117】
図10は、変形例に係る扁平管保持部材132を示す縦断面図である。
【0118】
上記実施形態では、扁平管保持部材132には、扁平管用穴132a〜132fのみが形成されているが、これに限られるものではない。
【0119】
扁平管保持部材132には、扁平管用穴132a〜132f以外にも、複数の穴232a〜232eが形成されていてもよい。
【0120】
ここで、上記では述べていないが、扁平管保持部材132及び扁平管11a〜11f、扁平管保持部材132及び第2部材133を接合する際、フラックスを塗布し、その後、ロウ付け等によってこれらを接続する。よって、ロウ付けを行う際に、フラックスが揮発することが想定される。
【0121】
よって、扁平管保持部材132に、複数の穴232a〜232eを形成することによって、揮発したガスを抜きやすくなるので、扁平管保持部材132及び扁平管11a〜11fの間、扁平管保持部材132及び第2部材133の間の気密性を確保できる。
【0122】
(7−2)変形例1B
上記実施形態では、第1部材131と扁平管保持部材132との間に第2部材133が配置されていると説明したがこれに限られるものではなく、第2部材133は配置されていなくてもよい。すなわち、第1部材131の扁平管保持部材側の端面と、扁平管保持部材132の第1部材側の端面とは接触した構成を採ってもよい。
【0123】
以下の変形例1C〜1Gに、このような場合のヘッダ13,14(以下では、第1ヘッダ13についてのみ示している)及び扁平管11a〜11fの採りうる構成について述べる。
【0124】
(7−3)変形例1C
図11は、本変形例1Cに係る、上端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ13及び扁平管11a〜11fの平面図である。図12は、本変形例1Cに係る、第1部材131の扁平管11a〜11f側から視た側面図である。
【0125】
本変形例1Cに係る熱交換器1では、図11及び図12に示すように、第1部材131の扁平管保持部材側の端部に、第1部材131の鉛直方向に渡って内側に窪む凹部234aが形成されている。当該凹部234aは、上記実施形態の中間流路133a〜133fとして機能する。すなわち、凹部234aを形成する凹部形成部234は、上記実施形態の中間流路形成部134a〜134fに相当する。
【0126】
本変形例1Cに係る熱交換器1では、第1部材131と扁平管保持部材132との間に第2部材133が配置されない場合であっても、中間流路133a〜133fの機能を有する凹部234aが第1部材131に形成されているので、上記実施形態と同様の効果が期待できる。また、凹部形成部234の幅W31は、上記実施形態と同様に扁平管11a〜11fの幅W22以下であるので、扁平管11a〜11fをヘッダ13,14に接続する際、扁平管11a〜11fの長手方向の端面は、第1部材(具体的には、凹部形成部234の周辺)にあたる。これにより、簡易に、扁平管11a〜11fの位置決めを行うことができる。
【0127】
(7−4)変形例1D
図13は、本変形例1Dに係る、上端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ13及び扁平管11a〜11fの平面図である。図14は、本変形例1Dに係る、第1部材131の扁平管11a〜11f側から視た側面図である。
【0128】
本変形例1Dに係る熱交換器1では、図14に示すように、第1部材131の扁平管保持部材側の端部には、各扁平管11a〜11fの高さ位置と対応する位置(具体的には、略同じ高さ位置)にのみ、内側に窪む凹部254a〜254fが形成されている。すなわち、本変形例1Dに係る第1部材131では、複数の凹部254a〜254fが形成されている。当該凹部254a〜254fは、上記実施形態の中間流路133a〜133fとして機能する。すなわち、凹部254a〜254fを形成する凹部形成部244a〜244fは、上記実施形態の中間流路形成部134a〜134fに相当する。
【0129】
よって、本変形例1Dに係る熱交換器1では、第1部材131と扁平管保持部材132との間に第2部材133が配置されない場合であっても、中間流路133a〜133fの機能を有する凹部254a〜254fが第1部材131に形成されているので、上記実施形態と同様の効果が期待できる。また、凹部形成部244a〜244fの幅W32は、扁平管11a〜11fの幅W22以下であるので、変形例1Cと同様の効果も奏する。
【0130】
(7−5)変形例1E
図15は、本変形例1Eに係る、上端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ13及び扁平管11a〜11fの平面図である。
【0131】
本変形例1Eに係る熱交換器1では、図15に示すように、扁平管11a〜11fの第1部材側の端部に、内側に窪む凹部が形成されている(図15では、各扁平管11a〜11fに形成される凹部のうち、扁平管11aに形成される凹部265aのみを示す)。当該凹部は、上記実施形態の中間流路133a〜133fとして機能する。すなわち、凹部を形成する凹部形成部(図15では、各扁平管11a〜11fに形成される凹部形成部のうち、扁平管11aに形成される凹部形成部255aのみを示す)は、上記実施形態の中間流路形成部134a〜134fに相当する。
【0132】
本変形例1Eに係る熱交換器1では、第1部材131と扁平管保持部材132との間に第2部材133が配置されない場合であっても、扁平管11a〜11fに、中間流路133a〜133fの機能を有する凹部が形成されているので、上記実施形態と同様の効果が期待できる。また、凹部形成部の幅W33は、上記実施形態と同様に扁平管11a〜11fの幅W22以下である。よって、扁平管11a〜11fをヘッダ13,14に接続する際、扁平管11a〜11fの長手方向の端面が第1部材131にあたる。これにより、簡易に、扁平管11a〜11fの位置決めを行うことができる。
【0133】
(7−6)変形例1F
図16は、本変形例1Fに係る、上端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ13及び扁平管11a〜11fの平面図である。
【0134】
本変形例1Fに係る熱交換器1では、扁平管11a〜11fは、その長手方向の両端部が、図16に示すように、平面視において凸形状を有している。具体的には、扁平管11a〜11fは、平面視において四角に切断された角部(図16では、扁平管11aの角部121aのみを示している)を有している。扁平管11a〜11fの角部の外面は、扁平管保持部材132に接触する(具体的には、扁平管11a〜11fの角部の外面は、扁平管保持部材132の外面と、扁平管用穴132a〜132fを形成する部分の内面とに接触する)。
【0135】
また、扁平管11a〜11fの角部の外面が、扁平管保持部材132に接触した状態において、扁平管保持部材132と扁平管11a〜11fと第1部材131との間に隙間S1ができるように形成されている。そして、この隙間S1は、上記実施形態の中間流路133a〜133fとして機能する。なお、隙間S1の長手方向の幅W34(すなわち、扁平管保持部材132の隙間S1を形成する部分332同士の距離)は、扁平管11a〜11fの幅W22よりも小さい。
【0136】
以上のように、本変形例1Fに係る熱交換器1では、第1部材131と扁平管保持部材132との間に第2部材133が配置されない場合であっても、隙間S1が中間流路133a〜133fとして機能するので、上記実施形態と同様の効果が期待できる。また、簡易に、扁平管11a〜11fの位置決めを行うことができる。
【0137】
(7−7)変形例1G
図17は、本変形例1Gに係る、上端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ13及び扁平管11a〜11fの平面図である。
【0138】
本変形例1Gに係る熱交換器1では、図17に示すように、扁平管11a〜11fの長手方向の両端部であって幅方向の両端部に、凸部171が形成されている。凸部171は、扁平管11a〜11fが正規の位置に位置する状態において、扁平管保持部材132と対向する外面が扁平管保持部材132に接触する。凸部171は、扁平管11a〜11fが正規の位置に位置した状態において、扁平管保持部材132と扁平管11a〜11fと第1部材131との間に、隙間S2が形成されるような位置に、形成されている。隙間S2は、上記実施形態の中間流路133a〜133fとして機能する。なお、この状態において、隙間S2の長手方向の幅W35は、扁平管11a〜11fの幅W22と同じである。
【0139】
以上のように、本変形例1Gに係る熱交換器1では、凸部171により、簡易に、扁平管11a〜11fの位置決めを行うことができ、且つ、上記実施形態と同様の効果も奏する。
【0140】
(7−8)変形例1H
上記実施形態では、ヘッダ13,14の冷媒主流路を形成する冷媒主流路形成部の、ヘッダ13,14の長手方向に直交する方向の長さは、ヘッダ13,14の上端から下端にかけて同じであるが、これに限られるものではない。
【0141】
例えば、液冷媒が流れるヘッダの上記長さを、ガス冷媒が流れるヘッダの上記長さよりも小さくしてもよい。これにより、液冷媒の冷媒流速の低下を抑制でき、分流能力を向上できる。
【0142】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態を説明する。なお、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成機器等については、同符号を付し、説明を省略する。
【0143】
第2実施形態の第1実施形態と主として異なる点は、扁平管保持部材132と第2部材133との間に、扁平管11a〜11fをさらに安定して固定するための固定部材210が介在する点である。よって、以下、当該固定部材210について説明する。
【0144】
(1)固定部材210
図18は、上端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ13及び扁平管11a〜11fの平面図である。図19は、上端部材及び下端部材を取り除いた場合の第1ヘッダ13及び扁平管11a〜11fを、図18に示すXIX−XIXで切断した場合の縦断面図である。図20は、固定部材210を、図18に示すXX―XXで切断した場合の縦断面図である。
【0145】
固定部材210は、図18や図19に示すように、扁平管保持部材132と第2部材133との間に挟まれている。また、固定部材210は、扁平管保持部材132とともに、複数の扁平管11a〜11fの端部を固定する役割を有する。固定部材210は、クラッド材等の金属部材から構成され、鉛直方向に延びる細長い平板形状を有する。
【0146】
固定部材210には、図20に示すように、その長手方向に沿って所定の間隔をもって、その幅方向に細長い形状を有する複数の扁平管固定穴210a〜210fが形成されている。具体的には、扁平管固定穴210a〜210fは、固定部材210の扁平管固定穴形成部220a〜220fによって形成されている。扁平管固定穴形成部220a〜220fは、その高さ方向の両辺が互いに近付く突出部230a〜230fを有している。突出部230a〜230fによって形成される隙間の高さ方向の長さH2は、扁平管11a〜11fの厚みよりも小さい。これにより、各扁平管11a〜11fが保持されている。扁平管固定穴210a〜210fは、プレス加工によって形成される。
【0147】
なお、第2実施形態の熱交換器1の製造方法に関しては、第1実施形態の熱交換器1の製造方法の過程において、固定部材210の形成と、第2部材133及び固定部材210の接合と、固定部材210及び扁平管保持部材132の接合とが追加されるだけで、第1実施形態とほぼ同様である。
【0148】
(2)特徴
(2−1)
第2実施形態では、扁平管保持部材132と第2部材133との間に固定部材210が介在することによって、より安定して各扁平管11a〜11fを固定できる。また、固定部材210が介在することによって、固定部材210の厚みの範囲で、扁平管11a〜11fの第1ヘッダ13への挿入代を変えることができる。よって、第1ヘッダ13と扁平管11a〜11fを接合する際に、第2部材133から扁平管11a〜11fに形成される冷媒流路112へのロウの流入を抑制できる。
【0149】
(2−2)
固定部材210は、上述したように、平板形状を有する。これにより、固定部材210に扁平管固定穴210a〜210fを容易に形成できる。よって、施工者が施工しやすい。
【0150】
(2−3)
第2実施形態での扁平管保持部材132は、第2部材133に加えて固定部材210を外側から覆うので、第2部材133だけでなく、固定部材210も容易に固定できる。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明では、鉛直方向に延びるヘッダと、そのヘッダの長手に直交する方向に延びヘッダに挿入される複数の扁平管とから構成される熱交換器に種々適用可能である。
【符号の説明】
【0152】
1 熱交換器
11a〜11f 扁平管
13,14 ヘッダ
112 扁平管の冷媒流路
131 第1部材
131a 冷媒主流路(主流路)
132 扁平管保持部材
133 第2部材
133a〜133f 中間流路
210 固定部材
231a〜231f 冷媒連絡流路
W1 冷媒連絡流路の幅
W2 扁平管の冷媒流路が形成されている部分の幅
W3 中間流路の幅
【先行技術文献】
【特許文献】
【0153】
【特許文献1】特開2006−284133号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延び、内部を冷媒が流れる1対のヘッダ(13,14)と、
前記ヘッダの長手方向に交差する方向に延び、各々が異なる高さ位置で前記ヘッダに接続される複数の扁平管(11a〜11f)と、
を備え、
前記ヘッダは、
上下方向に延び冷媒が流れる主流路(131a)と、前記主流路と前記扁平管に形成されている複数の冷媒流路(112)との冷媒の流通を行うために前記主流路から前記扁平管が位置する方向の端面まで延びる冷媒連絡流路(231a〜231f)と、が形成されている第1部材(131)と、
前記扁平管の端部が接着されて前記扁平管を保持する扁平管保持部材(132)と、
を有し、
前記冷媒連絡流路と前記扁平管の複数の冷媒流路とを繋ぐ中間流路(133a〜133f)が、前記ヘッダ及び/又は前記扁平管に形成されている、
熱交換器(1)。
【請求項2】
前記中間流路の幅は、前記扁平管の幅(W22)以下である、
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記ヘッダは、前記第1部材と前記扁平管保持部材との間に挟まれる第2部材(133)をさらに有し、
前記ヘッダ及び前記扁平管、又は、前記ヘッダに前記中間流路が形成されている場合、前記中間流路は、前記第2部材に形成されている、
請求項1又は2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記主流路を形成する主流路形成部の前記第1部材の長手方向に直交する方向の長さをL1とし、円周率をπとし、重力加速度をgとし、前記主流路を流れる気液二相状態の冷媒の循環量をmとし、前記1対のヘッダのうち外方から冷媒が流入する入口ヘッダ内における、気液二相状態の冷媒の全質量流量に対する気相状態の冷媒の質量流量の割合である入口クオリティをxとし、前記主流路を流れる気相状態の冷媒の密度をρとし、最上位置の前記扁平管と最下位置の前記扁平管との距離をDとし、定数をC、Cとした場合、



の関係が成り立ち、
C=0.16であり、C=1.5である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記主流路を形成する主流路形成部の前記第1部材の長手方向に直交する方向の長さをL1とし、円周率をπとし、重力加速度をgとし、前記主流路を流れる気液二相状態の冷媒の循環量をmとし、前記1対のヘッダのうち外方から冷媒が流入する入口ヘッダ内における、気液二相状態の冷媒の全質量流量に対する気相状態の冷媒の質量流量の割合である入口クオリティをxとし、前記主流路を流れる気相状態の冷媒の密度をρとし、最上位置の前記扁平管と最下位置の前記扁平管との距離をDとし、定数をC、Cとした場合、



の関係が成り立ち、
C=0.24であり、C=1.1である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記扁平管保持部材と前記第2部材との間に挟まれて、複数の前記扁平管の端部を前記扁平管保持部材とともに固定する固定部材(210)、
をさらに備える、
請求項3に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記第2部材、及び、前記固定部材は、平板形状である、
請求項3又は6に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記扁平管保持部材は、前記第2部材、又は、前記第2部材及び前記固定部材を外側から覆い、その両端が前記第1部材に接触してロウ付けされる、
請求項3、6及び7のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記扁平管保持部材には、複数の穴が形成されている、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記主流路を形成する主流路形成部の前記第1部材の長手方向に直交する方向の長さは、前記扁平管の幅よりも小さい、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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