説明

熱交換器

【課題】2つの媒体の間で熱を交換するための改良された熱交換器を提供する。
【解決手段】車内の2つの媒体(9、10)の間で熱を交換するための熱交換器(1;32)が、第1の温度を有する第1の媒体(9、10)を案内するための少なくとも1つの管(14;15;16;17)、特に二重壁の管(14)であって、熱電材料(12)が前記管の内壁と前記管の外壁との間にまたは前記管の内壁に配置されている少なくとも1つの管(14;15;16;17)と、前記少なくとも1つの二重壁の管と結合された、第2の温度を有する第2の媒体(9、10)を案内するための少なくとも1つのガイド板(28)であって、前記少なくとも1つのガイド板が、前記第2の媒体を前記少なくとも1つの二重壁の管の前記外壁に案内して、前記第1の媒体と前記第2の媒体との間の熱交換を可能にするように形成されている少なくとも1つのガイド板(28)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車内に使用することができるような2つの媒体の間で熱を交換するための熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば車両の排気ガス内に熱の形態で蓄積されたエネルギーは、従来利用されず、環境に排出されてきた。例えば車両の装置の効率を向上させるために、したがって、運転時のCO排気を減少させるために、熱電発電機(TEG)を実装することができ、その熱電モジュール(TEM)は熱の一部を電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーを装置に戻す。TEGは、熱電活性材料が備えられている熱交換器である。この材料が温度差にさらされると、TEGが電気エネルギーを発生させる。高温媒体、例えば排気ガスと、低温媒体、例えば冷却剤とが互いに沿うように案内されることによって、温度差がTEGで生じる。TEGは、異なる利用によって、排気ガスラインまたは排気ガス循環路の任意の場所に収容することができる。
【0003】
従来のTEGは、熱電活性材料と熱源/ヒートシンクとの間の増大した熱貫流抵抗のため、それほど効率的でない。熱交換器へのTEMの結合もそれほど実用的でないことが証明されている。従来利用可能な結合技術は部分的に高温で安定しない。さらに、熱交換器のTEMのガス側の接点には、しばしば、低い熱伝達のみが存在する。したがって、従来技術によれば、従来のTEMはその形状および結合技術のため、TEGの使用に理想的に適しておらず、それほど効果的でもない。
【0004】
特許文献1は、熱電素子を有する熱電発電機を開示しており、この熱電素子は、電気を発生させるために、エンジンからの排気ガスを高温熱源として利用しおよびエンジン冷却剤を低温熱源として利用する。バルブは、エンジン負荷に応じて熱電素子への排気ガスの供給を調節する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1475532A2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、2つの媒体の間で熱を交換するための改良された熱交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に記載の熱交換器によって解決される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、特に交差流装置としての熱交換器の構造によって、熱電発電機の最適化を達成することができるという認識に基づいている。代わりに、熱エネルギーから電気エネルギーを発生させるために、本発明による熱交換器を熱電加熱器および冷却器としても使用することができる。
【0009】
本発明は、車内の2つの媒体の間で熱を交換するための熱交換器であって、この熱交換器が、以下の特徴、すなわち、第1の温度を有する第1の媒体を案内するかまたは導くための少なくとも1つの管、特に二重壁の管であって、熱電材料が管の内壁と管の外壁との間にまたは少なくとも管の内壁に配置されている少なくとも1つの管と、少なくとも1つの管と結合された、第2の温度を有する第2の媒体を案内するための少なくとも1つのガイド板であって、少なくとも1つのガイド板が、第2の媒体を少なくとも1つの管の外壁に案内して、第1の媒体と第2の媒体との間の熱交換を可能にするように形成されている少なくとも1つのガイド板とを備える熱交換器を提供する。
【0010】
熱交換器は、2つの媒体の間の温度差から電流を発生させるための熱電発電機を対象とすることができる。代わりに、熱交換器は、電流を使用して加熱または冷却出力を提供する熱電加熱器または冷却器も対象とすることができる。このような熱交換器は例えば車両に使用することができる。本発明による熱交換器を熱電発電機として使用する場合、例えば、車両のエンジンまたはバッテリを冷却するための冷却剤を第1の媒体として使用し、車両の内燃機関から発生された排気ガスを第2の媒体として使用することができる。管を例えば扁平管または円筒として形成することができる。さらに、管を1つの壁または二重壁の管として製作することができる。この場合、二重壁の管は、一般に、内管とそれを囲む外管とによって形成される。この場合、熱電材料は内管と外管との間に配置されている。ガイド板は、例えば内燃機関からの排気ガスを案内することができる帯板を対象とすることができる。本発明による熱交換器は、層状に配置された複数のガイド板と、平行に配置された複数の管とを備えることができる。この場合、例えば、ガイド板の各一方が開口部を備えることができ、これらの開口部を通して、複数の管は、管およびガイド板が本質的に互いに直角に配置されるように収容されて保持されている。それに応じて、両方の媒体の混合を行うことなく、第1および第2の媒体を交差流で案内することができる。この場合、一般に、管の内部の(例えば二重壁の管の内管の)第1の媒体と第2の媒体とをガイド板の主面の間におよび管の外壁の周りに案内することができる。代わりに、少なくとも1つの管の内部の第2の媒体と第1の媒体とを少なくとも1つのガイド板に沿って案内することもできる。熱電材料は、例えば、異なってドープされた半導体材料を対象とすることができる。本明細書で提案された熱交換器の構造に応じて、両方の媒体が均一にさらされ、すなわち、温度勾配が全体の熱交換器にわたって可能な限り均一で小さくなるように、熱電材料が、異なる温度を有する有利には交差して流れる媒体の間に配置されている。
【0011】
一実施形態によれば、ガイド板は少なくとも1つの切り欠きを備えることができる。管を切り欠きによって収容することができる。ガイド板および管のこのような構造に応じて、第1の媒体の流れ方向は第2の媒体の流れ方向から逸れることができる。例えば、第1の媒体は、第2の媒体に対して本質的に直角に流れることができる。このような流量比は、このことが例えば両方の媒体が直流(すなわち同一の方向の流れ)である場合に当てはまっているよりも優れた第1の媒体と第2の媒体との間の熱伝達を可能にする。ガイド板は、複数の管を収容するための複数の切り欠きを備えることもでき、この場合、次に、各管を専用の切り欠きに収容することができる。
【0012】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの別の、特に二重壁の管を共通の第1の平面の管に対して本質的に平行に配置し、少なくとも1つの第3の、特に二重壁の管を第1の平面に対して平行な第2の平面に配置することができる。この場合、第2の平面の第3の管は、第1の平面で管と別の管との間に導通部が形成されている位置に配置することができる。複数の管のこのような非面一の構成から、第2の媒体の蛇行状の流動が管の周りに生じ、これにより、熱伝達面が両方の媒体の間で有利に拡大される。
【0013】
管の内壁は第1の媒体用のガイド通路を形成することもでき、この場合、内壁は、さらに、外側湾曲部をガイド通路に備えることができる。それに加えてまたはその代わりに、管の外壁は、さらに、隆起部を第2の媒体用の流れ領域の方向に備えることができる。外側湾曲部も隆起部も、異なる形状を有することができる充填されるかまたは充填されない毛羽状部として形成することができる。外側湾曲部および/または隆起部は、乱流挿入片のように、例えば液体媒体の渦流を生じさせるように機能することができる。さらに、外側湾曲部および/または隆起部は、第1および/または第2の媒体用の熱伝達面を拡大することができ、これによって、熱伝達率を向上させることができるという利点を有する。
【0014】
別の実施形態によれば、ガイド板はプロファイルを備えることができる。例えば、充填されるかまたは充填されない複数の毛羽状部の形状のプロファイルをガイド板の表面に形成することができる。毛羽状部は異なる形状を備えることができる。プロファイルは、ガイド板と、隣接するガイド板との間のスペーサとして使用することができる。
【0015】
プロファイルを複数の縦長の隆起部の形状に形成することができる。この場合、複数の管の周りへの第2の媒体のための蛇行状の案内が可能になるように、複数の隆起部をガイド板に配置することができる。例えば、縦長の隆起部は、平行に面一に配置された管の2つの異なる列からなる対角線上で反対側の2つの管の間の細い縦長の毛羽状部として形成することができる。このようにして、第2の媒体を有利には管の外壁に沿って案内するかまたは偏向させることができ、これによって、より優れた熱伝達を、内管に案内された第1の媒体で達成することができる。
【0016】
別の実施形態によれば、ガイド板は複数の外側湾曲部の形状のプロファイルを備えることができる。ガイド板は、複数の外側湾曲部の形状のプロファイルを有する少なくとも1つの別のガイド板に隣接して配置することができ、この場合、ガイド板のプロファイルの複数の外側湾曲部の背面を別のガイド板のプロファイルの対応する外側湾曲部に係合することができる。したがって、好ましい方法で、積層体状に配置された複数のガイド板の相互の固定を行い、したがって同様に、ガイド板の積層体を貫通する複数の管のための改良された保持を行うことができる。
【0017】
代わりに、ガイド板は、プロファイルを有する少なくとも1つの別のガイド板に隣接して配置することができ、この場合、ガイド板のプロファイルおよび別のガイド板のプロファイルは同一の構造を備え、同一の隆起方向を指すことができるが、この場合、別のガイド板をガイド板の法線に対して180°だけ回転させることができる。すなわち、この実施形態によれば、隣接する2つのガイド板のプロファイルが同一のプロファイルと互いに係合することを防止することができるが、その理由は、このようにして例えば、所定の使用目的のためのガイド板の間の間隔または熱交換器の使用シナリオが小さくなったからである。しかし、様々なプロファイル状のガイド板の製造を省略することができるので、ガイド板のこのような構成タイプに関し生産コストを節約することができるが、その理由は、同じタイプのガイド板を製造しなければならないからである。
【0018】
ガイド板は、プロファイルを有する少なくとも1つの別のガイド板に隣接して配置することもでき、この場合、ガイド板のプロファイルと、別のガイド板のプロファイルとが互いに対向することができる。すなわち、ガイド板からなる積層体では、プロファイルを有するそれぞれ2つの上面と、プロファイルなしのそれぞれ2つの上面とが互いに交互に対向することができる。このことは、両方のガイド板のプロファイル隆起部が互いに接触し、これによって、両方のガイド板のより大きな間隔を互いに保証することができるという利点を提供する。統一された使用シナリオに関し、特に、より高い粘性を有する第2の媒体に関し、ガイド板のこのようなより大きな間隔は、ガイド板の間の第2の媒体のより小さな流れ抵抗を保証するために、場合によっては有益である。
【0019】
別の実施形態によれば、少なくとも1つのガイド板は、管の貫通部の領域で非平坦であるかまたは少なくとも1つの切り欠きの領域で非平坦であることができる。例えば、ガイド板を切り欠きの領域で波形にすることができる。一方では、ガイド板のこの実施形態は、追加の部材なしに、少なくとも1つの管のための改良された保持を達成することができるという利点を提供するが、その理由は、非平坦な形状により、管のより大きな領域がガイド板によって接触されて保持されるからである。他方では、ガイド板と管との間の改良された熱伝達を可能にすることができるが、その理由は、より大きな接触ラインが、非平坦なガイド板と管との間に存在するからである。
【0020】
次に、添付図面を参照して、本発明の有利な実施例について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例による熱交換器の等角図である。
【図2】図1の本発明による熱交換器の等角縦断面図である。
【図3】本発明の実施例によるTEM管の等角図である。
【図4】本発明の実施例によるTEM管の等角図である。
【図5】本発明の実施例によるTEM管の等角図である。
【図6】本発明の別の実施例による熱交換器の等角縦断面図である。
【図7】本発明の実施例によるTEM管の面一の構成の断面図である。
【図8】本発明の実施例によるTEM管のオフセットされた構成の断面図である。
【図9】本発明の実施例によるTEG用の異なって形成された2つのベースの等角図である。
【図10】本発明の実施例によるTEG用のハウジングの等角図である。
【図11】本発明の実施例によるTEG用の異なって形成された2つのディフューザの等角図である。
【図12】帯板フィンを有するTEGブロックの異なる、本発明による形態の等角断面図である。
【図13】本発明の実施例によるガイド板として異なって形成された2つの帯板の平面図である。
【図14】本発明の実施例による異なるプロファイル形状を有するガイド板としての帯板の平面図である。
【図15】本発明の実施例による異なるプロファイル形状を有するガイド板としての帯板の平面図である。
【図16】本発明の実施例による異なるプロファイル形状を有するガイド板としての帯板の平面図である。
【図17】本発明の実施例による異なるプロファイル形状を有するガイド板としての帯板の平面図である。
【図18】本発明の実施例による異なるプロファイル形状を有するガイド板としての帯板の平面図である。
【図19】本発明の実施例による異なるプロファイル形状を有するガイド板としての帯板の平面図である。
【図20】本発明の実施例によるガイド板として成形された帯板を有するTEGの断面図である。
【図21】本発明の実施例による媒体用の流れガイドの原理図を有する、図20のTEGの断面図である。
【図22】本発明の別の実施例によるガイド板として成形された帯板を有するTEGの断面図である。
【図23】本発明の更に別の実施例による媒体用の流れガイドの原理図を有する、図22のTEGの断面図である。
【図24】本発明の実施例による異なる管束構成またはハウジング形状を有するTEGの断面図である。
【図25】本発明の実施例による異なる管束構成またはハウジング形状を有するTEGの断面図である。
【図26】本発明の実施例による異なる管束構成またはハウジング形状を有するTEGの断面図である。
【図27】本発明の実施例によるプロファイルを有するガイド板としての帯板積層体の側面図である。
【図28】本発明の実施例による互いに挿入されたプロファイルを有するガイド板としての帯板積層体の側面図である。
【図29】本発明の実施例によるプロファイルを有するガイド板としての帯板積層体の構成用の等角原理図である。
【図30】本発明の別の実施例によるプロファイルを有するガイド板としての帯板積層体の側面図である。
【図31】本発明の実施例によるプロファイルを有するガイド板としての非平坦な帯板の等角図である。
【図32】図28の実施例による複数の非平坦な帯板からなる積層体の側面図である。
【図33】熱電加熱器または冷却器としての、本発明による熱交換器の形態の等角図である。
【図34】図33の、本発明による熱電加熱器または冷却器の等角縦断面図である。
【図35】本発明の別の実施例による熱電加熱器または冷却器の等角図である。
【図36】本発明の実施例による並流装置としての、熱交換器の形態用のガイド板としての帯板の等角図である。
【実施例】
【0022】
本発明の好ましい実施例の以下の説明では、様々な図面に示されておりかつ同様に作用する要素に関し、同一または同様の参照番号が使用され、この場合、この要素の説明の繰り返しを省略する。
【0023】
本発明による熱交換器は、例えば、車内で電流を得るための熱電発電機(TEG)として使用することができる。
【0024】
本発明の実施例によるTEGでは、交差流において、異なる温度を有する2つの媒体を熱伝達経路に沿って互いに沿うように案内することができ、この結果、高温媒体から低温媒体への熱輸送を生じさせることができる。両方の媒体は分離されているので、混合しない。高温媒体の場合、例えば排気ガスが対象となり、低温媒体の場合、例えば、冷却剤として使用することができる水−グリセンティン(Glysantin)混合物が対象となる。排気ガスは例えば内燃機関に由来し、水−グリセンティン(Glysantin)混合物は、様々なエンジン、エアコン、またはバッテリ構成要素を冷却するための冷却剤回路に由来する。
【0025】
TEGは、例えば、本質的に以下の構成要素、すなわち、場合によっては、ホルダ、熱電モジュール(TEM)、少なくとも1つのプロファイル、少なくとも1つのベース、ハウジングから、ディフューザまたは収集器ならびに場合によっては乱流挿入片から構成することができる。
【0026】
図1は、本発明の実施例によるTEGとしての熱交換器1の外観の等角図を示している。
【0027】
図2は、図1の本発明によるTEG1の実施例の軸方向縦断面図を示している。TEG1の形状は、構造的な、熱力学的な観点から交差流管束熱交換器1を表し、この交差流管束熱交換器は、この場合に媒体が混合することなく、異なる温度の2つの媒体を貫流させることができる。
【0028】
本明細書に示した方法に応じて、熱交換器の複数の管の内面に、熱交換器の熱電モジュール(TEM)を形成する熱電材料が配置されている。熱交換器をTEGとして使用する場合、排気ガス熱から電流を得るためにTEMが使用される。
【0029】
例えば、一方の側面の外部の本明細書に示したTEMには、第2の媒体に基づく熱源が当接し、他方の側面には、第1の媒体に基づくヒートシンクが当接し、この結果、両方の媒体の異なる温度により、高温側から低温側への熱輸送が生じる。そのため、TEMは、温度差が隣接する場合にゼーベック効果に従って電流を形成する。
【0030】
TEMは、一般に、多数の熱電活性材料、例えばnおよびpドープされた半導体が導電体を介して互いに交互に接続されるように構成されている。熱電活性材料の幾何学的配向は高温側から低温側への熱流の方向を指す。熱電活性材料の材料として、例えば、PbTe、BiTe、SiFe、SiMnまたはSiMgが対象となる。
【0031】
有利には、高温側と低温側との間の分離平面または分離面はTEMを表す。これは、TEMの一方の側面が高温源に直接的または間接的に接触し、他方の側面が低温領域に直接的または間接的に接触することを意味する。これによって、TEMの一方の側面と他方の側面との間に残る温度差はTEMの熱電活性(TE活性)材料内に熱拡散流を引き起こし、これによって電圧が生じる。この現象はゼーベック効果として知られている。TE活性材料は例えば半導体材料であることができる。電圧は電流の形態で測定することができる。このため、電流は、TEMに通じそこで接続されている電気ラインを介してTEMの外部の電気消費器または蓄電器に供給される。
【0032】
TE活性材料は互いに接触せず、このため、TE活性材料の間には隙間がある。原則として、効率上の理由から、TE活性材料の体積と隙間の体積との比率を可能な限り大きくすべきである。
【0033】
所望の電圧および電流を調整するために、TEMに一体化された半導体導体材料を直列接続または並列接続することができる。このことは複数のTEMの相互の電気接続にも当てはまる。
【0034】
TEMが媒体密に形成されるように、TEMまたはTEG構造を製作することができる。したがって、第1の媒体も第2の媒体もTEMの内部に、したがってTE活性材料に達しない。
【0035】
以下の説明の過程で、本明細書に示した熱交換器の管のために、TEM管という名称が使用される。
【0036】
TEMまたはTEM管は、その内形および外形に関して異なる方法で形成することができる。
【0037】
相応して、図3〜図5は、本発明の実施例による異なって形成されたTEM管の等角図を示している。
【0038】
図3は、平面TEM管14の等角図を示している。平面TEM管は矩形管2と、2つの熱電モジュール3とを含む。矩形管2は、本実施例によればホルダとして形成されており、このホルダはその反対側の主面に切り欠きを備える。この場合、TEM3は平面TEM15として製作されており、ホルダ2内に嵌め込まれており、このホルダと媒体密に結合されている。この場合、TEM15は互いに平行に配置されている。ホルダ2の内部に、したがってTEM15の間に第1の媒体9および第2の媒体10の一方が流れ、ホルダ2の外部に、第1の媒体10および第2の媒体9の他方が流れる。TEM15は両方の媒体9、10に直接さらされている。TEM15の互いに向かい合った側面において、両方のTEM15の各々の少なくとも1つの表面はプロファイル4を備える。ホルダ2およびTEM15は媒体流9、10を分離する。ホルダ2およびTEM3、15は扁平管状ユニットを形成し、組み合わせてTEM管14としても示される。
【0039】
図4は、TEM管14の形状に関する別の実施例の等角図を示している。本発明によるTEM管14は二壁の矩形管16によって形成されており、この場合、TE活性材料12は両方の壁の隙間に熱電モジュール3として設けられている。TEM管16の両方の壁の内部は両方の媒体9、10の一方と接触し、TEM管16の両方の壁の外部は両方の媒体9、10の他方と接触する。例えば、TEM管16の両方の壁の内部は第1の媒体9に接触することができ、TEM管16の両方の壁の外部は第2の媒体10に接触することができる。第1の媒体9は車両の冷却剤回路からの冷却剤を対象とすることができ、第2の媒体10は車両の内燃機関からの排気ガスを対象とすることができる。図4に示した実施形態では、それぞれの媒体側表面は矩形管16の内壁および外壁にプロファイル4を備える。
【0040】
図5は、円筒TEM17の形態のTEM管の等角図を示している。TEM管は二壁の円筒17によって形成され、この場合、TE活性材料12は両方の壁の隙間にTEM3として設けられている。TEM管17の両方の壁の内部は両方の媒体9、10の一方と接触し、TEM管17の両方の壁の外部は他方の媒体9、10と接触する。例えば、TEM管16の両方の壁の内部は第1の媒体9に接触することができ、TEM管16の両方の壁の外部は第2の媒体10に接触することができる。第1の媒体9は車両の冷却剤回路からの冷却剤を対象とすることができ、第2の媒体10は車両の内燃機関からの排気ガスを対象とすることができる。
【0041】
図6は、本発明の別の実施例によるTEG1の構造の等角縦断面図を示している。プロファイル4、ベース5、ハウジング6、TEM管14、半径方向ディフューザ7、26、軸方向ディフューザ7、27ならびにガイド板または帯板28が示されている。矢印系11;19、18;20、18は、等角図を示すための空間の3次元を表している。この場合、図面の観測者から見て、11は軸方向を示し、18は半径方向を示し、19は垂直方向を示し、20は水平方向を示している。対応する次元の表示は、以後の部分に示した図7、図8、図10、図12、図24、図25および図26でも見て取れる。
【0042】
図6に示した実施形態では、TEG1のTEM管14は、次元18、19に応じて重なり合って、および/または次元18、20に応じて並んで管束に均一に配置されており、互いに接触しない。TEM管14の内部で両方の媒体9、10の一方が流れ、TEM管14の外部で、したがってTEM管14の個々の位置とコラムとの間に他方の媒体が流れる。TEM管14にはTEMが配置されている。TEM管14は、熱伝達を向上させるために、外側と同様にプロファイルまたはフィン4を内側に備えることができる。図6には、このことは当然示されていない。さらに、熱伝達を向上させるために、同様に図6に示されていない乱流挿入片も設けることができる。図6には、縦長の隆起部または毛羽状部4の形状のガイド板28のプロファイル4が示されている。分かりやすくするために、この場合、帯板28の隆起部または毛羽状部4の1つのみに参照番号が付されている。
【0043】
第1の媒体も第2の媒体も、TEM管14の内面および外面の両方に案内することができる。第1および第2の媒体は互いに直接接触せず、混合が行われない。したがって、TEM管14は、熱伝達経路に沿って、すなわち半径方向18において第1および第2の媒体の両方の物質流を分離する。軸方向11のTEM管14の長さはTEG1の熱伝達経路に対応する。TEM管14の開始部および終了部はTEM管14の内部の熱伝達経路への第1または第2の媒体の入口および出口である。
【0044】
本発明によるTEG1は、それがガス側および冷却剤側の接続部と連通することができる4つのディフューザ7を備えることができる。例えば、第1の半径方向ディフューザ26は排気ガス用の入口として機能し、第1の半径方向ディフューザの反対側の別の半径方向ディフューザ26は排気ガス用の出口として機能し、第1の軸方向ディフューザ27は冷却剤用の入口として機能し、第1の軸方向ディフューザの反対側の別の軸方向ディフューザ27は冷却剤用の出口として機能する。
【0045】
図7は、本発明の実施例によるTEM管14の面一の構成21の断面図を示している。TEM管14は任意の数で重なり合って、すなわち垂直方向19に積み重なることができる。同様に、TEM管14は任意の数で並んで、すなわち水平方向20に配置することができる。TEM管14の面一の構成21では、垂直方向19においても水平方向20においても、導通部がTEM管14のそれぞれの列の間に存在する。
【0046】
図8は、本発明の別の実施例によるTEM管14のオフセットされた構成22の断面図を示している。隣接する垂直列のTEM管14の場合、導通部の前の列からなる管14が、隣接する列の2つの管の間に常に配置されていることが理解される。
【0047】
図7および図8に示したTEM管14の表面に、TEM管14の相互の支持を相互に保証することができる毛羽状の突出した成形物をエンボス加工することができる。したがって、この位置でTEM管14の間の接触を行うことができる。しかし、このような成形物は図7および図8に示されていない。
【0048】
TEGの個々のTEM管はそれらのそれぞれの縦軸方向の端部領域で、ベース5を用いて互いに結合されている。
【0049】
図9は、本発明の実施例によるTEM円筒を有するTEG用のベース5の等角図、ならびにTEM矩形管を有するTEG用のベース5の等角図を示している。
【0050】
ベース5は、第1および第2の媒体の物質流を熱伝達経路の前面において、すなわち熱伝達経路の入口および出口において、したがって軸方向において分離する。ベース5は、例えばステンレス鋼から製造されている成形板である。ベース5には多数の切り欠きが備えられており、これらの切り欠きの数、構成および形状は、ベース5の切り欠きと結合することができるTEM管に対応する。例えばレーザ溶接によって、結合を行うことができる。このため、管をベース5の切り欠きに予め挿入することができる。一般に、それぞれ1つのベース5が管束の入口および出口に接合される。ベース5の切り欠きおよび大きな外郭に貫通路を設けることができる。
【0051】
本発明によるTEGを媒体密に取り付けるために、ベースの大きな輪郭をTEGのハウジングおよび/またはディフューザと結合することができる。この場合も、結合技術として例えばレーザ溶接を使用することができる。
【0052】
本発明によるTEG用のハウジング6の実施例の等角図が図10に示されている。
【0053】
ハウジング6はその形状に関して、円形または多角形の面取りされた管である。ハウジング6を軸方向11に数回区切ることができる。TEM管の外面とハウジング6の内面との間で、第1または第2の媒体は、TEM管に対して直交して、すなわち方向18、19、20に、または縦方向に、すなわち方向11に案内することができる。したがって、ハウジング6は、囲む大気圧から熱伝達経路に沿って第1または第2の媒体の物質流を半径方向18に分離する。したがって、ハウジング6に前接続および後接続されたこの物質流の収集部は不要である。
【0054】
反対側の2つの側面の半径方向(18)において、ハウジング6にそれぞれ開口部24が備えられている。この開口部24に貫通路を設けることができる。図10では、両方の半径方向開口部24の1つのみに参照番号が付されている。両方の開口部24をそれぞれ1つの接続ラインまたは半径方向ディフューザと結合することができる。開口部24を介して、第1または第2の媒体をハウジング6内にまたは外に導くことができる。軸方向11に配向されたハウジング6の端部25に沿って、ハウジング6の内面または外面を介して、例えばレーザ溶接を用いて、ベースとおよび/または2つの別のディフューザと結合することができる。したがって、TEGは、半径方向に配置された2つのディフューザと、軸方向に配置された2つのディフューザとを備えることができる。ディフューザは図10に示しておらず、次の図11を参照して説明する。
【0055】
ハウジングには、例えばTEM管の電気ラインを案内することができる別の小さな開口部を設けることができる。それに応じて、開口部を例えば接着剤でシールしなければならない。このような開口部は図10に示されていない。
【0056】
図11は、本発明によるTEG用の異なって形成されたディフューザ7の実施例を示している。ディフューザ7は、半径方向ディフューザとして、本発明によるTEGのハウジングの半径方向に反対側の2つの端部に配置するか、または軸方向ディフューザとして、本発明によるTEGのハウジングの軸方向に反対側の2つの端部に配置することができる。
【0057】
ディフューザ7は、成形および/または溶接された板から形成することができる。ディフューザ7は2つの開口部を有する。ディフューザ7は、第1の開口部の側面で接続ラインと結合されており、第2の開口部の側面でベースとおよび/またはTEGのハウジングと結合されている。開口部は当然および一般にその直径で区別される。ディフューザ7は有利には流動技術的に許容されている。軸方向ディフューザの内壁とベースとの間の空間はチャンバを形成し、このチャンバは、TEM管と連通する媒体を管に入る前におよび管から出た後に収集する。したがって、一般に軸方向において2つのディフューザが各TEGに設けられている。
【0058】
図12は、TEGブロックの2つの異なる本発明による形態の等角断面図を示している。図12に示した両方のTEGブロックは、複数のTEM管14と複数のガイド板28とからなる構成を備え、ここで、上方に示されているTEGブロックの場合、管14は円形断面を備え、下方に示されているTEGブロックの場合、管14は矩形断面を備える。
【0059】
図12に示したTEGの形態では、高温媒体、例えば排気ガスはTEM管14の外面に案内され、低温媒体、例えば冷却剤はTEM管14の内面に案内される。この場合、TEM管14の低温媒体は、本質的に軸方向11に流れ、このことは、図示していない乱流挿入片を通して場合によっては生じる旋回流を含むことができる。この場合、TEM管14は、それらの外面において、高温媒体に対して直交して、すなわち方向18、19、20に流れを受ける。したがって、TEGは熱力学的に交差流熱交換器である。
【0060】
TEM管14の外面にフィン28が設けられている。この場合、TEM管14の束から板28に対して直角に貫通されるガイド板として、平行に重なり合って積層されるかまたは軸方向11に積み重ねられた薄い帯板28が対象となる。このため、各帯板28は、TEM管14の外郭の形状に対応する切り欠きを備える。これらの切り欠きの断面は、円形でも矩形でもよく、またはそれらとは異なる形状を備えてもよい。帯板28にプロファイル4を設けることができる。
【0061】
図13は、本発明の実施例による複数の矩形TEM管用のガイド板28、ならびに複数の円形TEM管用のガイド板28の平面図をそれぞれ示している。
【0062】
帯板28の切り欠き29は貫通路または進入路および/または挿入斜面を備えることができ、これらの貫通路または進入路および/または挿入斜面は、TEM管との帯板28の接合を容易にするか、またはTEM管に対する帯板28のより大きな面の結合を保証することができる。このようにして、熱貫流抵抗を低減することができる。貫通路または進入路または挿入斜面は図13に示されていない。切り欠き29の別の機能は、熱伝達経路に沿ってTEM管を保持および位置決めできることである。図13において、両方の実施例では、ガイド板28に関し、1つの切り欠き29のみに参照番号が付されている。
【0063】
例えば、切り欠き29とTEM管とのまたは切り欠きの貫通路とTEM管との間の結合部は圧入部であり、この場合、切り欠き29、または貫通路30を有する切り欠きを、板28とTEM管との接合過程で変形させることができる。したがって、結合は摩擦結合または形状結合、すなわち機械的結合であることができる。その代わりにまたはそれに加えて、例えば半田付けを用いて結合を行うことができるように、結合は材料結合であってもよい。貫通路はTEM管に対する接触面を拡大し、帯板28のスペーサとして互いに使用することができる。次に、隣接する帯板28がこの位置に接触する。
【0064】
TEGでは、帯板は一般に互いに離間している。帯板の間には例えば高温媒体が流れる。帯板の互いの軸方向間隔は本発明によれば1〜6mm、好ましくは2〜4.5mmであることができる。より小さな間隔は、汚れにより、例えば煤および粒子の堆積により圧力低下を過度に増大させることがある。さらに、より大きな間隔は、熱伝達および伝達面が低減され、これにより、出力低下をもたらすという欠点を有することがある。
【0065】
帯板の間の間隔を可能にするためにまたは改良するために、この間隔は、帯板のスペーサとして互いに使用されるエンボス加工部、曲げた切り抜きおよび/またはリンクを利用することができる。次に、隣接する帯板がこの位置に接触する。
【0066】
図14〜図19は、円形管または矩形管用の切り欠き29と、異なるプロファイル4とを有する帯板28の対応する実施例の平面図を示している。
【0067】
帯板28は、表面および熱伝達を高めるプロファイル4またはエンボス加工部4および/または打ち抜き部4/または切り抜き4、例えばウィングレット4および/または毛羽状部4および/またはリブ4および/またはルーバ4を備えることができ、これらを帯板28のスペーサ31として互いに使用することができる。この場合、図14には円形開口部/切り欠き29と組み合わせた円形スペーサ(切り抜き)が示されており、一方、図15には、円形開口部29と組み合わせた縦長のスペーサ4、31が示されており、この場合、縦長のスペーサ4、31は、第2の媒体を案内するための流動面を形成する。図16には、矩形扁平管用の切り欠き29と組み合わせた円形毛羽状部4、31が示されており、この場合、図17には、矩形扁平管用の切り欠き29と組み合わせたウィングレット状プロファイル要素4、31の組み合わせが示されている。図18は、円形管用の切り欠き29と縦長のプロファイル要素4、31との組み合わせの図を示しており、これに対して、図19には、円形管用の切り欠き29と、ガイド板の縁部の円形プロファイル要素4、31、および円形管用の斜めに配置された切り欠きの間の縦長のプロファイル要素4、31との組み合わせの図が示されている。
【0068】
図20は、本発明の実施例による本発明によるTEGの断面図を示している。ハウジング6、スペーサ31としてのプロファイル4を有するガイド板28ならびにTEM管14の面一の構成21が示されている。
【0069】
本発明の実施例によれば、帯板28のプロファイル4は、熱伝達面を増大させるためにおよび流れに薄層状境界層を引き起こすために、および/または流れに渦流を生じさせるためにも使用され、これによって、TEGの出力向上を達成することができる。プロファイル4は、流れ、例えば第2の媒体を有利に導くためにおよび/または偏向させるためにも使用される。このことは、構造空間上の理由によりTEM管14の束が、比較的高いパッキング密度を有する場合に特に必要であり得る。次に、次元18、19、20のTEM管14が非常に近くに重なり合うことになり、これによって、隣接する2つのまたは連続的に続く2つのTEM管14の間で死水領域の望ましくない発生を助長することがある。このことは、面一21に配置されたTEM管14では、半径方向18の高温物質流が妨げられずに流れることができる場合に特に当てはまる。このことを防止するために、プロファイル4は、本発明によれば図20に示したように配置されている。
【0070】
図21は、図20の本発明によるTEGの断面図を示しており、第1の媒体9および第2の媒体10用の流れガイドのために補足され、この場合、第1の媒体10および第2の媒体9の他方がTEM管14に案内される。図21から明らかに理解できることは、流れガイドが、TEM管14の面一の構成21に対するプロファイル4またはスペーサ31(切り抜き)の構成から得られることである。
【0071】
図22は、本発明の実施例による本発明によるTEGの断面図を示している。ハウジング6、第2の媒体を後方に配置された管に導くためにスペーサ31としてのおよびガイド要素としてのプロファイル4をガイド板の縁部に有するガイド板28が示されている。さらに、図22の図から、TEM管14のオフセットされた構成22が明らかである。
【0072】
図23は、図22の本発明によるTEGの断面図を示しており、第1の媒体9および第2の媒体10用の蛇行状の流れガイドのために補足され、この場合、第1の媒体10および第2の媒体9の他方がTEM管14に案内される。
【0073】
図22および図23から、ガイド板28の縁部領域に至るまで、媒体流9、10を有利に制御するためのプロファイル4を省略できることが明らかである。すなわち、TEM管14は半径方向18の高温物質流に沿ってオフセット22して配置されており、この場合、TEM管14−の束に対するハウジング形状6の適合が行われず、この場合、プロファイル4は、有利には、TEM管14−の全体の外面領域に同様の流れ溝を生成するためにも使用することができ、この結果、質量流量密度、すなわち局所的な質量流量の好ましくて均一な分布を達成することができる。この形態は、ハウジング形状6が、オフセットされたTEM管14に特別な方法で適合されていない場合に特に考慮される。
【0074】
すなわち、図20〜図23を参照して説明したように、TEM管14を半径方向18の高温物質流9に沿って面一21にまたはオフセット22して配置することができる。
【0075】
例えば、断面にわたって観察すると、ハウジング形状6をTEM管14−の束に適合させることができるので、有利には、同様の流れ溝がTEM管14の全体の外面領域で、特に幅方向19で支配的であり、この結果、質量流量密度の好ましくて均一な分布を達成することができる。
【0076】
図24〜図26は、TEM管14の面一またはオフセットされた構成に関する本発明によるTEGのハウジング形状6の実施例の断面図を示している。
【0077】
この場合、図24および図26に示したTEGの実施例では、TEM管14の構成に対するハウジング形状6の適合または特別な方法による適合が示されており、この場合、TEM管14は、図24では面一におよび図25および図26ではオフセットして配置されており、ここで、図25では、矩形状ハウジング6が使用され、図26では、不規則なハウジングに、非面一に配置された管用の外側湾曲部が設けられている。したがって、本質的におよび/またはほぼ幅方向19および/または半径方向18のハウジング壁6とTEM管14との間隔は、幅方向19および/または半径方向18のTEM管14の互いの間隔に対応する。幅方向19および/または半径方向18のTEM管14の互いの間隔は、本発明によれば例えば1〜6mm、好ましくは2〜4.5mmである。
【0078】
これとは対照的に、図25には、TEM管束(14)に特別な方法で適合されないハウジング形状6の実施例が示されている。
【0079】
図27および図28は、スペーサ31としてのプロファイル4を有しおよび/または媒体の流れガイドのための帯板積層体28の実施例の側面図をそれぞれ示している。
【0080】
図27に示した本発明の実施形態によれば、帯板28のプロファイル4の高さは帯板28の互いの間隔に対応する。
【0081】
しかし、この高さは、帯板28のプロファイル4が、隣接する帯板28のプロファイル4のネガに部分的に挿入される場合に、間隔を越えることがあり、このことは、図28に示した実施例に見られる。したがって、帯板28のプロファイル4の高さは、本発明によれば、2つの帯板28の間の少なくとも半分の間隔に対応することができる。
【0082】
図29および図30は、本発明の実施例による本発明によるTEGのガイド板28の構成可能性を示している。
【0083】
帯板28を同一におよび同一の配向に互いに積層することができる。
【0084】
複数のガイド板28を接合するための図29に示した原理図によれば、隣接する帯板28を代わりに有利な方法で互いに交互に180°だけ回転させて配置してもよく、この場合、帯板28の中心は回転点であり、帯板28に対する直角線は回転軸線である。これにより、局所的な熱伝達の差が全体の熱伝達面を介して補償されることによって、TEM管の壁のより均一な温度分布を達成することができる。この場合、プロファイル4の配向はそれらの高さに保持されたままである。したがって、プロファイル4またはスペーサ31は同一の方向を指す。
【0085】
同様に、隣接する帯板28は、本発明に従って互いに交互に180°だけ回転させるかまたは接線方向に回転させて配置することができ、このことは、図30に示したガイド板構成28の実施例に基づいて示されている。この場合、帯板28の中心は回転点であり、幅方向または深さ方向の帯板28に対する接線は回転軸線である。この場合、隣接する2つの帯板28のプロファイル4の配向は、2つの帯板が互いに方向付けられるかまたは互いに離れて指すことによって保持されないままである。
【0086】
図31は、非平坦な帯板28の実施例の等角図を示している。帯板28は切り欠き29の領域で波形になっている。本実施例によれば、帯板28は、TEM管をTEGの内部に保持して位置決めするために使用することもできる。
【0087】
図32は、図31の実施例による複数の非平坦な帯板28からなる積層体の側面図を示している。
【0088】
図29、図30、図31および図32による形態を別の実施形態で組み合わせることができる。
【0089】
代わりに、電流を得るためだけでなく、加熱および/または冷却のためにも、図1〜図32に関連して示した熱交換器を使用することができ、この結果、次に熱交換器は熱電加熱器/冷却器(TE−HK)として機能する。
【0090】
相応して、図33は、熱電加熱器または冷却器32としての熱交換器の形態の等角図を示している。TE−HK32はハウジングを有さずに、2つの反対側の軸方向ディフューザ27を有して形成されており、この場合、軸方向ディフューザ27の1つのみに参照番号が付されている。
【0091】
図34は、図33のTE−HK32の縦断面図を示している。ベース5、TEM管14、ディフューザ27ならびにガイド板28が示されている。分かりやすくするために、それぞれTEM管14の1つ、ディフューザ27の1つならびにガイド板28の1つのみに参照番号が付されている。
【0092】
図34に示した実施例によれば、TE−HK32は、熱電活性材料をさらに含む熱電モジュール(TEM)またはTEM管14が装備されている熱交換器である。TEMが電流で動作される場合、TE−HK32を加熱器としてまたは冷却器として利用することができるが、その理由は、TEMの両方の反対側の主面が、一方では、第1の媒体の熱源、例えば冷却剤または空気と接触し、他方では、第2の媒体のヒートシンク、例えば空気または冷却剤と接触するからである。この場合、TEMは一方の媒体の熱を吸収し、ペルチェ効果に従って、熱を他方の媒体に熱ポンプの方向に供給する。それに応じて、媒体はTE−HK32で互いに沿うように案内される。
【0093】
空気がTEM管14の外面に案内される場合、TE−HK32をハウジングなしにおよび半径方向ディフューザなしに製作することができる。冷却剤または冷媒がTEM管14の外面に案内される場合、TE−HK32を軸方向ディフューザ27なしに製作することができる。
【0094】
図35は、軸方向ディフューザを備えないが、半径方向ディフューザ26を備える熱電加熱器または冷却器32の別の実施例を示している。
【0095】
図1〜図32に関連して示したTEG、および図33〜図35に関連して示した熱電加熱器/冷却器TE−HKは、並流装置として製作することができ、この結果、第1および第2の媒体は熱伝達経路に沿って逆流でまたは直流で互いに沿うように案内される。この場合、熱交換器のハウジングの開口部をハウジングの軸方向端部に位置決めすることができる。装置を半径方向ディフューザなしに製作することができる。
【0096】
これに関連して、図36は、本発明の実施例による並流装置としての熱交換器の形態に関する帯板の等角図を示している。帯板28は、プロファイル4を備え、切り欠き29に加えて別の切り欠き33を有して製作することができ、この結果、TEM管の外面における流れは並流装置の複数の帯板28を貫流することができる。
【0097】
説明してきた実施例は例示的に選択されているにすぎず、互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0098】
1 TEG:熱電発電機
2 ホルダ
3 TEM:熱電モジュール
4 プロファイル:フィン、毛羽状部、ルーバ、ウィングレット、エンボス加工部
5 ベース
6 ハウジング
7 ディフューザ、収集器
8 乱流挿入片
9 媒体1:高温
10 媒体2:低温
11 軸方向
12 TE(熱電)活性材料
13 電気ライン
14 TEM管
15 平面TEM
16 矩形TEM管
17 円形TEM管
18 半径方向
19 幅方向
20 深さ方向
21 TEM管の面一の構成
22 TEM管のオフセットされた構成
23 TEM管のスペーサ
24 ハウジングの半径方向開口部
25 ハウジングの軸方向開口部
26 半径方向ディフューザ
27 軸方向ディフューザ
28 帯板(=TEM管外面のフィン)
29 TEM管を収容するための帯板の切り欠き
30 切り欠きの貫通路
31 帯板のスペーサ
32 熱電加熱器および冷却器(TE−HK)
33 貫流用の帯板の切り欠き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内の2つの媒体(9、10)の間で熱を交換するための熱交換器(1;32)であって、
第1の温度を有する第1の媒体(9、10)を案内するための少なくとも1つの管(14;15;16;17)、特に二重壁の管(14)であって、熱電材料(12)が前記管の内壁と前記管の外壁との間にまたは前記管の内壁に配置されている少なくとも1つの管(14;15;16;17)と、
前記少なくとも1つの二重壁の管と結合された、第2の温度を有する第2の媒体(9、10)を案内するための少なくとも1つのガイド板(28)であって、前記少なくとも1つのガイド板が、前記第2の媒体を前記少なくとも1つの二重壁の管の前記外壁に案内して、前記第1の媒体と前記第2の媒体との間の熱交換を可能にするように形成されている少なくとも1つのガイド板(28)と、
を備える熱交換器(1;32)。
【請求項2】
前記ガイド板(28)が少なくとも1つの切り欠き(29)を備え、前記管(14;15;16;17)が前記切り欠きによって収容されている請求項1に記載の熱交換器(1;32)。
【請求項3】
少なくとも1つの別の、特に二重壁の管(14;15;16;17)が、共通の第1の平面の前記管に対して本質的に平行に配置されており、少なくとも1つの第3の、特に二重壁の管が、前記第1の平面に対して平行な第2の平面に配置されており、前記第2の平面の前記第3の管が、前記第1の平面で前記管と前記別の管との間に導通部が形成されている位置に配置されている請求項1または2に記載の熱交換器(1;32)。
【請求項4】
前記内壁が前記第1の媒体(9、10)用のガイド通路を形成し、前記内壁が、さらに、外側湾曲部(4)を前記ガイド通路に備え、および/または前記外壁が、さらに、隆起部(4)を前記第2の媒体(10、9)用の流れ領域の方向に備える請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器(1;32)。
【請求項5】
前記ガイド板(28)がプロファイル(4、31)を備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱交換器(1;32)。
【請求項6】
前記プロファイル(4、31)が複数の縦長の隆起部の形状に形成されており、前記第2の媒体(9、10)のための蛇行状の案内が複数の管(14;15;16;17)の周りで可能になるように、前記複数の隆起部が前記ガイド板(28)に配置されている請求項5に記載の熱交換器(1;32)。
【請求項7】
前記ガイド板(28)が複数の外側湾曲部の形状のプロファイル(4、31)を備え、前記ガイド板が、複数の外側湾曲部の形状のプロファイルを有する少なくとも1つの別のガイド板に隣接して配置されており、前記ガイド板の前記プロファイルの前記外側湾曲部の背面が前記別のガイド板の前記プロファイルの前記外側湾曲部に係合する請求項5または6に記載の熱交換器(1;32)。
【請求項8】
前記ガイド板(28)が、プロファイル(4、31)を有する少なくとも1つの別のガイド板に隣接して配置されており、前記ガイド板の前記プロファイルおよび前記別のガイド板の前記プロファイルが、同一の構造を備えかつ同一の隆起方向を指し、前記別のガイド板が前記ガイド板の法線に対して180°だけ回転されている請求項5または6に記載の熱交換器(1;32)。
【請求項9】
前記ガイド板(28)が、プロファイル(4、31)を有する少なくとも1つの別のガイド板に隣接して配置されており、前記ガイド板の前記プロファイルおよび前記別のガイド板の前記プロファイルが互いに対向している請求項5または6に記載の熱交換器(1;32)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのガイド板(28)が前記管(14;15;16;17)の前記貫通部の領域で非平坦である請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱交換器(1;32)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公表番号】特表2013−514515(P2013−514515A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543603(P2012−543603)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069107
【国際公開番号】WO2011/082922
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(594042033)ベール ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー (222)
【Fターム(参考)】