説明

熱伝導性シート用組成物

【課題】柔軟性、耐熱性、熱伝導性、密着性、及びリワーク性に優れ、所定の条件で加熱しても低分子量のシロキサンを揮散させない熱伝導性シートを製造可能な組成物を提供する。
【解決手段】(A)重量平均分子量が200万〜20,000万であり、かつ不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位の含有率が5〜40質量%のアクリルゴム、及び、(B)熱伝導性フィラー、を含む熱伝導性シート用組成物。この組成物を硬化させてなる熱伝導性シート4の両面4a,4bに、保護シート2,3を積層させれば、保管に便利なシート積層体1を作製することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアクリルポリマーを用いた熱伝導性シート用組成物に関する。更に詳しくは、電子機器の発熱部と放熱部との間で熱伝導性の向上のために使用される成形品である熱伝導性シートの材料として用いるための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化及び高性能化に伴い、発熱部からの発熱量が大きくなっている。そのため、製品性能の低下、製品寿命の短命化、安全性の低下(火傷、火災)等の課題が顕在化しており、発熱部から発生した熱に対して、ヒートシンクや製品筐体等の放熱部を通じ、熱を外部に逃がす放熱対策が重要となっている。一般的に、CPUやLED基板等の発熱部、及びヒートシンクや製品筐体等の放熱部は、金属、セラミックス及び樹脂等の柔軟性に乏しい材料で構成されている。そのため、発熱部と放熱部の密着性を高めて、効率良く放熱させるために、熱伝導性シートを狭持して用いることが知られている。
【0003】
熱伝導性シートとしては、熱伝導性を高めるために、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、炭化珪素、石英、水酸化アルミニウム等の熱伝導性フィラーをシリコーンに添加した熱伝導性シートが開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、シリコーンから揮散する低分子量のシロキサンは電極接点等の表面で電流による熱分解の後、絶縁性の酸化シリコンを析出して接点不良を発生させるという問題がある。
【0004】
熱伝導性シートからの低分子量シロキサンの揮散を防ぐために、熱伝導性シートの基材ポリマーとして、シリコーン以外のポリマーが提案されている。例えば、アクリルポリマーに、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、二酸化チタン、銅、アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素、金属粉、ホウ化チタン等の熱伝導性フィラーを添加した熱伝導性シートが開示されている(例えば、特許文献4〜5参照)。
【0005】
また、共役ジエンと芳香族ビニルからなり、特定の構造を持つブロック共重合体の水素添加物に、パラフィン系オイル、及び、充填材として、針状結晶部を有する酸化亜鉛、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化ホウ素等を添加した熱伝導性シートも開示されている(例えば、特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3183502号公報
【特許文献2】特許第2728607号公報
【特許文献3】特開2000−233452号公報
【特許文献4】特許第3636884号公報
【特許文献5】特許第4086322号公報
【特許文献6】特開2007−277300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アクリルポリマーを基材ポリマーとして使用した熱伝導性シートは、シリコーンと同様に、化学結合による架橋構造を有しているため、熱伝導性フィラーを添加後に架橋させたシート状成形物が硬くて、加工を加えることができないという問題点がある。また、共役ジエンと芳香族ビニルからなり、特定の構造を持つブロック共重合体の水素添加物を基材ポリマーとして使用した熱伝導性シートは、パラフィン系オイルの含有量が少なく、柔軟性について改良の余地が残る。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、柔軟性、耐熱性、熱伝導性、密着性、及びリワーク性に優れ、所定の条件で加熱しても低分子量のシロキサンを揮散させない成形品(熱伝導性シート)を製造可能な熱伝導性シート用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のアクリルゴムと熱伝導性フィラーを含む熱伝導性シート用組成物によれば、前記の目的を達成しうることを見出した。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] (A)重量平均分子量が200万〜20,000万であり、かつ不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位の含有率が5〜40質量%のアクリルゴム、及び、(B)熱伝導性フィラー、を含む熱伝導性シート用組成物。
[2] 前記アクリルゴム(A)と熱伝導性フィラー(B)の体積比((A)/(B))が、15/85〜85/15である前記[1]に記載の熱伝導性シート用組成物。
[3] 前記熱伝導性フィラー(B)が、金属、金属酸化物、金属水酸化物、炭素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、及び、シリカからなる群より選ばれる一種以上からなる前記[1]又は[2]に記載の熱伝導性シート用組成物。
[4] 難燃剤(C)を含む前記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱伝導性シート用組成物。
[5] 前記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱伝導性シート用組成物を硬化させてなる熱伝導性シート。
[6] 前記[5]に記載の熱伝導性シート、及び、該熱伝導性シートの両面の各々に積層させた保護シートを含む、シート積層体。
【発明の効果】
【0010】
本発明の熱伝導性シート用組成物を用いることによって、柔軟性、耐熱性、熱伝導性、密着性、及びリワーク性に優れ、所定の条件で加熱しても低分子量のシロキサンを揮散させない成形品である熱伝導性シートを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の熱伝導性シート用組成物を硬化させてなる熱伝導性シートの両面に保護シートを積層させてシート積層体を作製する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に含まれることが理解されるべきである。
本発明の熱伝導性シート用組成物を構成する各成分について説明する。
【0013】
[アクリルゴム(A)]
アクリルゴム(A)は、重量平均分子量が200万〜20,000万であり、かつ不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位の含有率が5〜40質量%のアクリルゴムである。
アクリルゴム(A)は、架橋可能な基を有する構造単位を含むことができる。この場合、架橋可能な基を有する構造単位の含有率は、例えば、0.1〜10質量%である。
不飽和ニトリル単量体(不飽和ニトリル化合物)としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、メチルα−イソプロピルアクリロニトリル、メチルα−n−ブチルアクリロニトリル等の(メタ)アクリロニトリル類;2−シアノエチル(メタ)アクリレート、2−(2−シアノエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(2−シアノエトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、4−(2−シアノエトキシ)ブチル(メタ)アクリレート、2−〔2−(2−シアノエトキシ)エトキシ〕エチル(メタ)アクリレート等のシアノ基含有(メタ)アクリル酸エステル類等を挙げることができる。これらの中でも、アクリロニトリルが好ましい。なお、不飽和ニトリル単量体は、1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位の含有率は、5〜40質量%、好ましくは8〜35質量%、より好ましくは10〜30質量%、特に好ましくは15〜25質量%である。該値が5質量%未満では、シートの硬度が低すぎて、リワーク性に乏しいおそれがある。該値が40質量%を超えると、柔軟性が低下するおそれがある。
【0014】
本明細書において、「架橋可能な基を有する構造単位」を構成するための単量体(本明細書中、「硬化用単量体」ともいう。)とは、重合によって成分(A)(アクリルゴム)を得た後に、架橋剤(例えば、有機過酸化物、硫黄等)、光重合開始剤(例えば、光ラジカル発生剤等)、光酸発生剤、熱酸発生剤等の硬化開始剤を用いて、あるいは、硬化開始剤を用いずに、加熱または光照射によって、本発明の組成物を硬化させることのできる部分である架橋可能な基を有する単量体をいう。
ここで、架橋可能な基としては、例えば、エチレン性二重結合(例えば、(メタ)アクリロイル基等)、エポキシ基等が挙げられる。
硬化用単量体としては、(a)重合後に加熱または光ラジカル発生剤によって本発明の組成物を硬化させることのできる部分を有する多官能性単量体(2つ以上の重合性基を有する単量体)や、(b)重合後に光酸発生剤によって本発明の組成物を硬化させることのできる架橋可能な官能基(例えば、エポキシ基等)を有する単量体等が挙げられる。
前記(a)多官能性単量体としては、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチルプロペニル(メタ)アクリレート、3,3−ジメチルブテニル(メタ)アクリレート、イタコン酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、ビニル―1,1−ジメチルプロペニルエーテル、ビニル3,3−ジメチルブテニルエーテル、1−アクリロイルオキシ―1−フェニルエテン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、1,3−ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物、5−エチリデン−2−ノルボルネンや5−ビニル−2−ノルボルネン等の非共役ジエン化合物、等が挙げられる。
【0015】
前記(b)架橋可能な官能基を有する単量体の一例であるエポキシ基含有単量体としては、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジルエーテル、(メタ)アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸−2−エチルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】
前記「架橋可能な基を有する構造単位」の導入は、熱伝導性シート用組成物の製造後に後処理で架橋可能になることに加えて、分子量の増大にも寄与する。
前記「架橋可能な基を有する構造単位」の含有率は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜8質量%、さらに好ましくは1〜5質量%、特に好ましくは1〜3質量%である。該値が0.1質量%以上であると、繰り返し変形による永久歪を軽減し、熱伝導性をより良好にすることができる。該値が10質量%を超えると、アクリルゴムの合成過程においてゲル化を起こし、加工性を悪化させるおそれがある。
なお、本発明において、前記「架橋可能な基を有する構造単位」は、必須ではない。本発明においては、前記「架橋可能な基を有する構造単位」が含まれていなくても、本発明の効果を得ることができる。
【0017】
(A)成分であるアクリルゴムは、(メタ)アクリレートに由来する構造単位を含むものである。このような構造単位を与えるための化合物としては、例えばイソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。さらに、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
中でも、炭素数1〜10のアルキル基を有するものがより好ましい。
炭素数1〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。
【0018】
成分(A)であるアクリルゴムの重量平均分子量は、200万〜20,000万、好ましくは300万〜17,000万、より好ましくは500万〜10,000万、特に好ましくは500万〜5,000万である。該値が200万未満では、材料の力学物性が悪く、リワーク性に乏しいおそれがある。該値が20,000万を超えると、加工性が悪化するおそれがある。
本明細書中、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値である。
成分(A)の重合方法は、例えば、乳化重合、溶液重合等の公知の技術で行うことができる。これらの中でも、少量の重合開始剤を用いた乳化重合などは、高分子量のアクリルゴムを得るのに適している。各単量体は一括で重合させても良く、分割で添加して重合しても良いが、分割で添加して重合するのがより好ましい。成分(A)であるアクリルゴムを構成するモノマーの組成分布が均一化して柔軟性が改善されるからである。
【0019】
[熱伝導性フィラー(B)]
(B)熱伝導性フィラーとしては、絶縁性を有するもの(絶縁性フィラー)、及び、絶縁性を有しないもの(導電性フィラー)が挙げられる。絶縁性フィラーと導電性フィラーのいずれを用いるかは、熱伝導性シートの用途に応じて定められる。
(B)熱伝導性フィラーの熱伝導率は、3W/(m・K)以上であることが好ましく、10W/(m・K)以上であることが更に好ましく、20W/(m・K)以上であることが特に好ましい。
熱伝導性シートの熱伝導率は、(B)熱伝導性フィラーの充填率にも依存するが、3W/(m・K)以上であることが望ましい。
【0020】
(B)熱伝導性フィラーの例としては、金属粒子(例えば、アルミニウム、銅等の粒子)、金属繊維(例えば、アルミニウム、銅等の繊維)、炭素繊維、炭素粒子などの導電性材料や、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム等の金属酸化物の粒子もしくはは粉末や、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物の粒子もしくは粉末や、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の金属もしくは半金属の窒化物の粒子もしくは粉末や、石英、結晶性シリカ等のシリカ粉末などを挙げることができる。これらの中でも、熱伝導性を向上させるという観点から、金属酸化物、金属水酸化物、金属もしくは半金属の窒化物、及びシリカ粉末からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、窒化ホウ素及びアルミナの少なくとも一種であることが更に好ましい。これらの(B)熱伝導性フィラーは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。なお、前記アクリルゴム(A)との親和性を改良する等の目的から、表面処理されている(B)熱伝導性フィラーを用いることも好ましい。
【0021】
(B)熱伝導性フィラーの形状は特に限定されない。(B)熱伝導性フィラーの形状の具体例としては、球状、針状、繊維状、鱗片状、樹枝状、平板状、不定形状等を挙げることができる。
【0022】
(B)熱伝導性フィラーの数平均粒子径は、0.1〜100μmであることが好ましく、0.5〜50μmであることが更に好ましく、1〜20μmであることが特に好ましい。該数平均粒子径が0.1μm以上であることにより、本発明の組成物の粘度の増大を抑制し、混練り時の流動性を良好に維持することができる。一方、該数平均粒子径が100μm以下であることにより、本発明の組成物の流動性を良好にすることができる。
【0023】
前記アクリルゴム(A)と熱伝導性フィラー(B)の体積比((A)/(B))は、好ましくは15/85〜85/15、より好ましくは20/80〜80/20、更に好ましくは20/80〜60/40、特に好ましくは20/80〜40/60である。該体積比が15/85以下であることにより、本発明の組成物の流動性を良好にすることができる。該体積比が85/15以下であることにより、本発明の組成物を硬化させてなる熱伝導性シートの熱伝導率を3W/(m・K)以上にすることが容易となる。
【0024】
[難燃化剤]
本発明の組成物は、一般的に知られている難燃化剤を含むことができる。難燃化剤としては、リン系難燃化剤、ハロゲン系難燃化剤、水和物系難燃化剤を適宜配合しても良い。
リン系難燃化剤の例としては、リン酸エステル等が挙げられる。
難燃化剤の配合量は、難燃化の効果と本発明の効果の両立の観点から、アクリルゴム(A)との合計量100質量部中、好ましくは10〜90質量部、より好ましくは20〜80質量部、特に好ましくは30〜70質量部である。
【0025】
[その他の添加剤]
本発明の組成物の成分として、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、ブロッキング防止剤、シール性改良剤、結晶核剤、難燃化剤、防菌剤、防かび剤、粘着性付与剤、軟化剤、可塑剤、着色剤、充填剤等の添加剤を適宜配合してもよい。
【0026】
[本発明の組成物の製造方法]
アクリルゴム(A)、熱伝導性フィラー(B)、及び他の任意成分を混練する場合、従来から公知の混練装置を用いることができる。該混練装置の例としては、プラストミル、二軸混練り機、単軸混練り機、加熱可能な二軸又は単軸のスクリューフィーダー、フィーダールーダー、バンバリーミキサー、ロールミル等が挙げられる。
上記製造方法にて混練りした組成物またはペレットを公知のロールプレス、平板プレスにて一定厚みのシートを得た。
【0027】
[シート積層体]
本発明においては、図1に示すように、2枚の保護シート2,3を、離型処理した面2a,3aが熱伝導性シート4の両面4a,4bに接するように、熱伝導性シートの両面に積層させて、シート積層体1を作製してもよい。この場合、離型処理の方法、及び、保護シートの基材は、従来から知られている方法及び基材の中から適宜選択することができる。
【実施例】
【0028】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中において、部および%は、特に断らない限り質量基準である。
また、実施例中の各種の測定は、下記の方法に拠った。
[重量平均分子量]
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレンの測定結果から作成した検量線を用いて、ポリスチレン換算値として得た測定値である。また、重量平均分子量が700万を超える領域では、作成した検量線を外挿して、ポリスチレン換算値を測定した。測定装置として「HLC−8120(商品名)」(東ソー社製)、カラムとして「GMHHR−Hカラム(商品名)」(東ソー社製)、検出器として示差屈折率計を用い、温度40℃、溶媒をテトラヒドロフラン、流速を0.4ml/分として測定した。
なお、測定に用いた試料としては、凝固後のポリマー25mgをテトラヒドロフラン10mlに溶解させた後、フィルターろ過(MILLIPORE社製、Millex-FA、孔径:1.0μm)を行って調製したものを用いた。
[不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位の総量]
不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位の総量(質量%)は、元素分析により測定した窒素の含有量から算出した。
[熱伝導率]
熱伝導率は、シートの厚さ方向について測定した。
シートの熱伝導率は、アルバック理工社製のレーザーフラッシュ法熱定数測定装置「TR−7000R」(型式名)を用いて、25℃で測定した。測定用試験片は、シートを加工した円板(外径:10mm、厚さ:0.8mm)である。
[硬度]
硬度は、ISO7619に準拠して測定したデュロA硬度である。硬度は、シートの柔軟性を評価するための物性である。測定5秒後の硬度が「60A−5s」以下の場合を、柔軟性が合格であるとして評価した。
[リワーク性]
リワーク性に関しては、10cm×1cm×0.5mm厚の熱伝導シートを1mm厚のアルミ板に1kgf/cmの圧力で貼り付け、長手方向に剥がした後の寸法変化が1%以下の場合を、合格とした。
【0029】
[アクリルゴムの製造方法]
(合成例1)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレ−ト89部、アクリロニトリル10部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート1部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.18部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN、N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(1)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(1)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させてゴム状の共重合体(共重合体(1))を得た。
得られた共重合体(1)は、重量平均分子量が384万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位;本明細書中、「AN量」ともいう。)の含有割合が10質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0030】
(合成例2)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレート84部、アクリロニトリル15部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート1部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.18部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(2)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(2)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させて、ゴム状の共重合体(共重合体(2))を得た。
得られた共重合体(2)は、重量平均分子量が663万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が15質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0031】
(合成例3)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレート28部、アクリロニトリル5部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート0.33部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.18部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えて30分間反応を行った。その後、エチルアクリレート56部、アクリロニトリル10部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート0.67部の混合物からなる単量体成分を、2時間掛けて添加し、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(3)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(3)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させて、ゴム状の共重合体(共重合体(3))を得た。
得られた共重合体(3)は、重量平均分子量が350万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が15質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0032】
(合成例4)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレート42部、アクリロニトリル4部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート0.5部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.18部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その2時間後にエチルアクリレート42部、アクリロニトリル11部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート0.5部からなる単量体成分を加えて、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(4)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(4)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させて、ゴム状の共重合体(共重合体(4))を得た。
得られた共重合体(4)は、重量平均分子量が594万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が15質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0033】
(合成例5)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレート84部、アクリロニトリル15部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート1部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.18部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率96%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(5)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(5)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させて、ゴム状の共重合体(共重合体(5))を得た。
得られた共重合体(5)は、重量平均分子量が2334万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が15質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0034】
(合成例6)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレート79部、アクリロニトリル20部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート1部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.18部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(6)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(6)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させて、ゴム状の共重合体(共重合体(6))を得た。
得られた共重合体(6)は、重量平均分子量が4215万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が20質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0035】
(合成例7)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、2−エチルヘキシルアクリレート64部、アクリロニトリル35部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート1部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.18部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(7)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(7)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させて、ゴム状の共重合体(共重合体(7))を得た。
得られた共重合体(7)は、重量平均分子量が11,722万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が35質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0036】
(合成例8)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレート81部、アクリロニトリル15部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート4部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.53部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチル
ヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(8)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(8)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させてゴム状の共重合体(共重合体(8))を得た。
得られた共重合体(8)は、重量平均分子量が15,509万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が15質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、4質量%である。
【0037】
(合成例9)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレート77部、アクリロニトリル15部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート8部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.53部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(8)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(8)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させてゴム状の共重合体(共重合体(9))を得た。
得られた共重合体(9)は、重量平均分子量が16,086万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が15質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、8質量%である。
【0038】
(合成例10)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、メチルアクリレート42部、ブチルアクリレート42部、アクリロニトリル15部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート1部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.18部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(10)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(10)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させてゴム状の共重合体(共重合体(10))を得た。
得られた共重合体(10)は、重量平均分子量が440万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が15質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0039】
(合成例11)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、2−メトキシエチルエチルアクリレート20部、ブチルアクリレート64部、アクリロニトリル15部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート1部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.18部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチル
ヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(11)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(11)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させてゴム状の共重合体(共重合体(11))を得た。
得られた共重合体(11)は、重量平均分子量が367万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が15質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0040】
(合成例12)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、ブチルアクリレ−ト84部、アクリロニトリル15部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート1部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.18部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN、N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(12)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(12)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させてゴム状の共重合体(共重合体(12))を得た。
得られた共重合体(12)は、重量平均分子量が645万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が15質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0041】
(合成例13)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレート42部、ブチルアクリレ−ト42部、アクリロニトリル15部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート1部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.18部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN、N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(13)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(13)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させてゴム状の共重合体(共重合体(13))を得た。
得られた共重合体(13)は、重量平均分子量が514万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が15質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0042】
(合成例14)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレート84部、アクリロニトリル15部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート1部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.35部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチル
ヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(9)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(14)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させてゴム状の共重合体(共重合体(14))を得た。
得られた共重合体(14)は、重量平均分子量が74万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が15質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0043】
(合成例15)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレート96部、アクリロニトリル3部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート1部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(15)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(15)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させてゴム状の共重合体(共重合体(15))を得た。
得られた共重合体(15)は、重量平均分子量が440万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が3質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0044】
(合成例16)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレート96部、アクリロニトリル3部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート1部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.20部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(16)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(16)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させてゴム状の共重合体(共重合体(16))を得た。
得られた共重合体(16)は、重量平均分子量が115万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が3質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0045】
(合成例17)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレート96部、アクリロニトリル3部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート1部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.30部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(17)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(17)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させてゴム状の共重合体(共重合体(17))を得た。
得られた共重合体(17)は、重量平均分子量が52万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が3%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0046】
(合成例18)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)7部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレート94部、アクリロニトリル3部、アリルグリシジルエーテル3部からなる単量体成分と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(18)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(18)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させてゴム状の共重合体(共重合体(18))を得た。
得られた共重合体(18)は、重量平均分子量が91万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が3%であった。アリルグリシジルエーテルに由来する構造単位の含有割合は、3質量%である。
【0047】
(合成例19)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレート51部、アクリロニトリル45部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート4部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.53部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(19)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(19)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させてゴム状の共重合体(共重合体(19))を得た。
得られた共重合体(19)は、重量平均分子量が24,551万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が45質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、4質量%である。
【0048】
(合成例20)
まず、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)6部を水250部に溶解した水溶液を得た。次に、得られた水溶液と、エチルアクリレート70部、アクリロニトリル15部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート15部からなる単量体成分と、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.53部と、レドックス触媒とを反応器に仕込み、15℃に温度調節した後、重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.02部を加えた。その後、重合転化率95%まで乳化重合を行った。次に、反応停止剤としてN,N’−ジエチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止させ、重合体ラテックス(20)を得た。
その後、凝固剤を0.5%溶解させた50℃の水の中へ、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージSP)1部と重合体ラテックス(2)を加えて塩析を行った。その後、析出物を水洗、脱水し、90℃に設定した送風乾燥機で乾燥させて、ゴム状の共重合体(共重合体(20))を得た。
得られた共重合体(2)は、重量平均分子量が35,223万であり、アクリロニトリルに由来する構造単位(不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位)の含有割合が15質量%であった。ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートに由来する構造単位の含有割合は、1質量%である。
【0049】
【表1】

【0050】
[熱伝導シートの製造方法]
(実施例1)
合成例1で得られた共重合体(1)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて、熱伝導性フィラーの充填率(共重合体(1)とアルミナ粒子の合計量を100体積%とした場合のアルミナ粒子の割合)が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0051】
(実施例2)
合成例2で得られた共重合体(2)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0052】
(実施例3)
合成例3で得られた共重合体(3)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0053】
(実施例4)
合成例4で得られた共重合体(4)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0054】
(実施例5)
合成例5で得られた共重合体(5)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0055】
(実施例6)
合成例6で得られた共重合体(6)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0056】
(実施例7)
合成例7で得られた共重合体(7)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0057】
(実施例8)
合成例8で得られた共重合体(8)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0058】
(実施例9)
合成例9で得られた共重合体(9)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0059】
(実施例10)
合成例10で得られた共重合体(10)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0060】
(実施例11)
合成例11で得られた共重合体(11)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0061】
(実施例12)
合成例12で得られた共重合体(12)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0062】
(実施例13)
合成例13で得られた共重合体(13)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0063】
(比較例1)
合成例14で得られた共重合体(14)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0064】
(比較例2)
合成例15で得られた共重合体(15)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0065】
(比較例3)
合成例16で得られた共重合体(16)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0066】
(比較例4)
合成例17で得られた共重合体(17)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0067】
(比較例5)
合成例18で得られた共重合体(18)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0068】
(比較例6)
合成例19で得られた共重合体(19)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0069】
(比較例7)
合成例20で得られた共重合体(20)40質量部とリン酸エステル(CR−741:大八化学工業株式会社製)60質量部およびアルミナ粒子(AO−509:株式会社アドマテックス製、平均粒子径10μm)1000質量部をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)にて、150℃、60rpmで混練りし、熱伝導性シート用組成物を得て、電熱プレス(株式会社岩城工業製:AT−37型)にて180℃、16MPaにて熱伝導性フィラーの充填率が76.5体積%の熱伝導性シートを得た。この熱伝導性シートに対して前述の評価を行った。
【0070】
【表2】

【符号の説明】
【0071】
1 シート積層体
2,3 保護シート
4 熱伝導性シート
2a,3a 離型処理した面
4a,4b 熱伝導性シートの面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)重量平均分子量が200万〜20,000万であり、かつ不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位の含有率が5〜40質量%のアクリルゴム、及び、
(B)熱伝導性フィラー、
を含む熱伝導性シート用組成物。
【請求項2】
前記アクリルゴム(A)と熱伝導性フィラー(B)の体積比((A)/(B))が、15/85〜85/15である請求項1に記載の熱伝導性シート用組成物。
【請求項3】
前記熱伝導性フィラー(B)が、金属、金属酸化物、金属水酸化物、炭素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、及び、シリカからなる群より選ばれる一種以上からなる請求項1又は2に記載の熱伝導性シート用組成物。
【請求項4】
難燃剤(C)を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱伝導性シート用組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱伝導性シート用組成物を硬化させてなる熱伝導性シート。
【請求項6】
請求項5に記載の熱伝導性シート、及び、該熱伝導性シートの両面の各々に積層させた保護シートを含む、シート積層体。

【図1】
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【公開番号】特開2012−224765(P2012−224765A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94282(P2011−94282)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】