説明

熱伝導流体

(A)環境条件 (25℃、1気圧)下で液体のハイドロフルオロエーテルおよび/またはハイドロフルオロポリエーテル;(B)ピリジン、アミン、アリールのクラスから選択される末端基を有し、400〜10,000の間に含まれる数平均分子量を有するフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含む混合物の、金属および/またはルイス酸の存在下における、熱伝導流体としての使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属および/またはルイス酸の存在下における、改善された安定性を有する熱伝導剤としてのハイドロフルオロエーテルおよび/またはハイドロフルオロポリエーテル流体に関するものである。
【0002】
より具体的には、本発明は、金属および/またはルイス酸の存在下における、特に200℃より高い温度で、改善された安定性を有する、部分的にフッ素化された化合物との混合物の状態のハイドロフルオロエーテルおよび/またはハイドロフルオロポリエーテルを含む流体に関するものである。さらに、本発明は、高温および低温の両方で、熱伝導流体として該混合物の使用、特に1次および2次熱伝導回路(circuits)における使用に関するものである。
【背景技術】
【0003】
それらの高い化学的不活性、それらの不燃性およびそれらが広い温度、例えば-120℃〜+250℃で液体である事実から、熱伝導流体としてパーフルオロポリエーテルまたはパーフルオロカーボン(FC)を用いることが知られている。
【0004】
しかしながら、知られているように、パーフルオロポリエーテルおよびパーフルオロカーボンは、それらが0のODP(オゾン層破壊係数)を有していても、高い地球温暖化係数(GWP)を示す。GWPを減少するために、部分的に水素化されたフルオロカーボン流体、すなわちハイドロフルオロカーボン(HFC)が、それらが低いCWPを有するので、最近の数年間に開発されている。しかしながら、これらの流体は、それらの低い沸点のために、狭い使用温度範囲を有している。液体の形態でのそれらを使用するためには、高圧が必要とされる。より高い沸点を有するハイドロフルオロカーボン(HFC)は、それらの高い粘度のために低い温度で用いられることは難しい。
【0005】
分子内に水素原子を有する先行技術で公知のその他の流体は、ハイドロフルオロ(ポリ)エーテルである:その分子中の水素は、対応するパーフッ素化生成物と比較して耐用年数(その結果GWP)を減少する。これらの流体の例は、ハイドロフルオロエーテルHFE、例えばC4H9O-CH3(HFE(登録商標)7100)、C4H9O-C2H5(HFE(登録商標)7200)、C2F5CF(OCH3)CF(CF3)2(HFE(登録商標)7300)およびC3F7CF(OC2H5)CF(CF3)2(HFE(登録商標)7500)であり、それらは50〜300の間に含まれるGWPを示す。
【0006】
その他の公知の流体は、一般式:
HCF2O(CF2O)a(CF2CF2O)bCF2H
を有する、H-ガルデン(Galden)(登録商標)ZTとしてソルヴェイ ソレクシスにより市販されているハイドロフルオロポリエーテル、例えばH-ガルデン(登録商標)ZT 85、ZT 130、ZT 150、ZT 180である(Marchionniらにより、Journal Fluorine Chemistry, 95(1999), 41〜50頁に発表されている論文"Hydrofluoropolyethers"を参照)。
【0007】
より低いGWP、一般的に300より低いGWPを有するハイドロフルオロポリエーテルのさらなるクラスは、一般式:
RhO(CF2O)a(CF2CF2O)bRh
(式中、Rh = -CH3、-C2H5である)
を有するものである。
【0008】
ハイドロフルオロポリエーテル流体は、パーフッ素化化合物およびハイドロフルオロカーボンのそれらと匹敵する熱伝導性を示し、温度による非常に低い粘度変化を有する。これらの特徴は、これらの流体が、高温および低温での熱伝導を必要とする適用において用いられるのに特に適するようにする。
【0009】
ハイドロフルオロ(ポリ)エーテルは、通常、それらの流動点と沸点との間に含まれる温度範囲で用いられる。圧力下で操作するとき、より大きな範囲の温度が用いられ得る。さらに、ハイドロフルオロ(ポリ)エーテルは、良好な熱伝導流体、特に高い比熱、低い粘度変化、低い毒性、低い可燃性、良好な誘電性、高い化学的不活性を示す。しかしながら、金属および/またはルイス酸の存在下、それらは分解して酸、可燃性で毒性の副生成物を生じる欠点が存在する。さらに、ハイドロフルオロポリエーテルおよびハイドロフルオロエーテルは、金属および/またはルイス酸の存在下、同温度での対応するパーフルオロ(ポリ)エーテルと比較して、より低い安定性を示す。このことは、ハイドロフルオロポリエーテルの狭い温度範囲をもたらす。例えば、HFEとして商業的に知られている、-OCH3、-OC2H5基を有するハイドロフルオロエーテルは、それらの沸騰温度に近い液体限界温度を示し、とにかく150℃より低い液体限界温度を示す。事実、これらの製品、特にHFE(登録商標) 7200 (C4F9OC2H5)およびHFE(登録商標) 7500 (C7F15OC2H5)は、この最大の使用温度(すなわち150℃)で、毒性副生成物、C3F7COF、C3F7C(O)C3F7および式C2H5Fのフルオロアルカンにそれぞれ分解し、後者は可燃性でもある。Marchionniらにより、Journal Fluorine Chemistry, 2004, 125巻, 1081〜1086頁に発表されている論文"The comparison of thermal stability of some hydrofluoro compounds"を参照。末端基として-OCH3、-OC2H5、-OCF2Hを有するハイドロフルオロポリエーテルは、200℃に近い使用限界温度を示す。
【0010】
列挙され得るルイス酸は、金属ハライド、特に、例えばTiX3、AlX3、CrX3、MnX3等(ここで、Xはフッ素、塩素および臭素から選択されるハロゲンである)である。これらの金属のほとんどは、スチールの成分である。知られているように、後者は熱交換回路を形成する。ハイドロフルオロ(ポリ)エーテル流体と接触する金属表面は、その時間に、特にハイドロフルオロエーテルの場合、温度が流体の沸騰温度に近づくとき、またはハイドロフルオロポリエーテルの場合、温度が約180℃より高いとき、その表面で金属フルオライドを形成し得る。前記金属フルオライドは、触媒的クラッキング反応により、酸副生成物、ガス状の副生生物さえも生じる液体分解をもたらし、その副生成物は、流動性の損失および性能の損失の原因になる初期の流体の特性の変化をもたらす。さらに、湿気の存在下、たとえ痕跡でも、-COF末端基を含む分解副生成物は、対応するカルボン酸およびHFを生じ、したがって、金属腐食問題およびそれらの毒性による環境影響を引き起こす。
【0011】
ある場合には、流体は、循環回路中、非常に高い温度から非常に低い温度の著しい温度範囲にさらされ得る。
例えば、熱衝撃試験において、ただ1つの作動流体が-65℃および200℃での浴に対して用いられる。例えばUS特許4,995,726を参照。
【0012】
もう1つの例は、反応器中、温度範囲-80℃/0℃で行なわれ、続く高温、一般的に少なくとも130℃での滅菌に付される、脱水、化学反応、生体反応のような低温での工程のそれである。これらの適用において、熱伝導流体は、-80℃〜少なくとも130℃の間の温度範囲で機能しなければならず、該範囲で不変の性能を維持しなければならない。例えば、WO 01/27216参照。
【0013】
さらなる例は、-20℃より低く、-100℃に至るまでの低温での光化学工程で表わされ得る、ここで、一般的に、300℃〜800℃の間の内壁温度を有する照射源が、通常、2次熱伝導流体により冷却される。一般に、後者は巡回し、その後、1次熱交換器により、-20℃より低い、所望の温度にされる。例として、パーオキシ パーフルオロポリエーテルの光化学合成が挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
次の性質:
− 低いGWP、
− 金属および/またはルイス酸の存在下での安定性、
− 広い温度範囲、高温および低温の両方での良好な熱伝導性
− 広い温度範囲、例えば-120℃〜+250℃にさらされたとき、その時間中、初期の性能を変化させずに維持する、物理化学的安定性
の組み合わせを有する利用可能な熱伝導流体を有することの必要性を感じた。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の技術的問題を解決する流体を、驚くことにかつ予測しなかったことに、今見出した。
本発明の目的は、
(A) 環境条件(25℃、1気圧)下で液体のハイドロフルオロエーテルおよび/またはハイドロフルオロポリエーテル;
(B) (CFXO)、(CF2CF2O)、(CF2CF2CF2O)、(CF2CF2CF2CF2O)、(CR5R6CF2CF2O)、(CF(CF3)CF2O)、(CF2CF(CF3)O)(ここで、X = F、CF3であり;R5およびR6は互いに同一または異なって、H、Cl、炭素原子1〜4のパーフルオロアルキルから選択される)から選択される、1以上の繰返し単位を含み;ピリジン、アミン、アリールのクラスから選択される末端基を有し、400〜10,000、好ましくは800〜5,000の範囲の数平均分子量を有する、フルオロポリエーテル構造を有する化合物
を含む混合物の、金属および/またはルイス酸の存在下における、熱伝導流体としての使用である。
【0016】
化合物(A)は、120〜5,000、好ましくは180〜2,000、より好ましくは300〜1,500の範囲の数平均分子量を有する。
クラス(A)のハイドロフルオロポリエーテルは、統計的にポリマー主鎖に分布する-(CF2O)-、-(CF2CF2O)-、-(CF2(CF2)cO)-(ここで、c = 2、3である)から選択されるオキシフルオロアルキレン単位を含む。
【0017】
好ましくは、クラス(A)のハイドロフルオロポリエーテルは、次の:
T1O-(CF2O)a-(CF2CF2O)b-(CF2(CF2)cO)d-T2 (I)
(式中、
cは2または3であり;係数a、b、dは、数平均分子量が120〜5,000、好ましくは180〜2,000の範囲にあるような0を含む整数であり;T1、T2は互いに同一または異なって、-CF2H、-CF2CF2H、-CH3、-C2H5、-C3H7から選択される)
である。特に好ましい化合物は、構造:
T1O-(CF2CF2O)b-(CF2O)a-T2 (II)
(式中、
T1、T2 = -CF2Hであるか、またはT1、T2 = -CH3であり;a、bは式(I)で定義されたとおりである)
を有する化合物(ここで、d = 0である)である。
【0018】
ハイドロフルオロエーテルは、次の:
− R1-O-R2 (III)
(式中、R1、R2は互いに同一または異なって、両者合わせて少なくとも3の炭素原子を含み、全水素原子の数は、多くてもフッ素原子の数に等しい)。具体的な例は、C3F7-OCH3、C4F9-OCH3、C4F9-O-C2H5、C7F15-O-C2H5、C4F9-OCF2H、C4F9-OCF2CF2H、C6F13-O-CH3である);
【0019】
− Rf-O-Rh-O-Rf' (IV)
(式中、Rf、Rf'は独立して、パーフルオロ脂肪族またはフルオロ脂肪族基であり、Rf、Rf'は少なくとも1つの水素原子を含み;
Rhは独立して、2〜8の炭素原子および少なくとも4の水素原子を有する、直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキレン基である)。具体的な例は:
【0020】
CF3CFHCF2OC2H4OCF2CFHCF3
C3F7OCFHCF2OC2H4OCF2CFHOC3F7
CF3OCFHCF2OC2H4OCF2CFHOCF3
CF3CFHCF2OC3H6OCF2CFHCF3
CF3OCFHCF2OC2H4OCF2CFHOCF3
C3F7OCFHCF2OC2H4OCF2CFHCF3
【0021】
CF3CFHCF2OCH2C3F6CH2OCF2CFHCF3
CF3CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF3
CF3CF2CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF2CF3
CF3CF2CF2OCH2CH2OCF2CF2CF3
CF3CF2CF2CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF2CF2CF3
CF3CF2CF[CF(CF3)2]OCH2CH2CH2OCF[CF(CF3)2]CF2CF3;
【0022】
CF3CF2CF2CF2OCH2CH2CH2CH2OCF2CF2CF2CF3
C4F9OC3H6OC4F9(n-C4F9およびi-C4F9の分離不可能な異性体の混合物);
C4F9OC4H8OC4F9(n-C4F9およびi-C4F9の分離不可能な異性体の混合物);
CF3CF2CF2CF2OCH2CH2OCF2CF2CF2CF3
CF3CF2CF2CF2OCH2CH2OCH2CH2OCF2CF2CF2CF3
CF3OCF2CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF2OCF3
である。
(C2F5)(CF3CFH)CFOC2H4OCF(CFHCF3)(C2F5)構造を有する異性体およびそれらの混合物が挙げられ得る。
【0023】
式(I)のクラス(A)のハイドロフルオロポリエーテルは、例えば、ここに参照として組み込まれるEP 695,775から公知である。-CH3、-C2H5末端基を含む式(I)化合物は、例えば、ここに参照として組み込まれる特許出願EP 1,275,678に記載されているように、-COF末端基を有する対応するパーフルオロポリエーテルとアルカリ金属フルオライド(M)との反応により、-CF2OM末端基を有する対応するアルコレートを得、それをメチル-またはエチル-サルファイトと反応させることにより製造され得る。
【0024】
式(III)のハイドロフルオロエーテルは、例えば、ここに参照として組み込まれるUS特許5,713,211から公知である。
式(IV)のハイドロフルオロエーテルは、例えば、ここに参照として組み込まれるUS特許出願 US2005/126,756およびUS2005/127,322から公知である。
【0025】
成分(A)は、300〜1,550の範囲の数平均分子量および20℃で20 cStより低い粘度を有する1以上のパーフルオロポリエーテルとの混合物の状態で用いられ得る。パーフルオロポリエーテルは、好ましくは、式(V):
T'1O-(CF2CF(CF3)O)a'-(CF(CF3)O)b'-(CF2CF2O)d'-(CF2O)e'-T'2 (V)
(式中、
T'1、T'2は互いに同一または異なって、-CF2X1(X1 = -F、-CF3である)、-C3F7から選択され;
a'、b'、d'、e'は、化合物(V)の数平均分子量が200〜1,550の間に含まれるような、0を含む整数である)
のパーフッ素化末端基を有する液体パーフルオロポリエーテルから選択され、
20℃で20 cStより低い粘度を有する。これらの化合物は、公知であり、ガルデン(登録商標) HTとして商品化されている。該パーフルオロポリエーテルは、全組成物に対して、10重量%〜90重量%の間、好ましくは10重量%〜60重量%の間、より好ましくは15重量%〜40重量%の間に含まれる量で用いられる。
【0026】
記載されたように、化合物(B)の末端基は、ピリジン、アミン、アリールのクラスから選択され、後者は以下に記載のように任意に置換されていてもよい。
化合物(B)は、好ましくは、次のクラス:
(a) T''1-CFW1-O-Rf-CFW2-T''2 (VI)
[式中、
T''1、T''2は互いに同一または異なって、次の意味:
− F、CF3、C2F5、(C2F4)Cl;
− CH2-B-Y、CH(CF3)O-Y
(ここで、
B = O、Sであり;
【0027】
【化1】

(ここで、R1、R2、R3、R4は互いに同一または異なって、H、F、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1-C8パーフルオロアルキル、NO2、CN、好ましくはHおよび/または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1-C8パーフルオロアルキルである)である)
を有し、但し、末端基T''1、T''2の少なくとも1つは上記で定義されたCH2-B-YまたはCH(CF3)O-Yであり;
【0028】
W1、W2は互いに同一または異なって、-F、-CF3であり;Rfは、統計的にその主鎖に分布する、次の構造:(CFXO)、(CF2CF2O)、(CF2CF2CF2O)、(CF2CF2CF2CF2O)、(CR5R6CF2CF2O)、(CF(CF3)CF2O)、(CF2CF(CF3)O)(ここで、X = F、CF3であり;R5およびR6は互いに同一または異なって、H、Cl、炭素原子1〜4のパーフルオロアルキルから選択される)を有する1以上の繰返し単位を含む(パー)フルオロポリオキシアルキレン鎖であり;Rfの数平均分子量は400〜10,000、好ましくは800〜5,000である]
【0029】
(b) NR1R2-CH2-CF2O-RF-CF2-CH2NR1R2 (VII)
(式中、
R1、R2は互いに同一または異なって、H、C1-C12アルキル鎖、C3-C12、好ましくはC5-C10脂環式、または12までの炭素原子を含むアリール鎖から選択され、但し、R1、R2は共にHであることはなく;RFは、クラス(a)のRfとして定義されたパーフルオロポリオキシアルキレン鎖である)
【0030】
(c)
【化2】

(式中、
X、Y、X'、Y'は同一または異なって、互いに独立して、H、NO2、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、好ましくはメトシキから選択され;
Z = -CH2-;>C=O(カルボニル)であり;
mおよびnは、mが両端を含んで0〜80の間に含まれ;nが両端を含んで0〜20の間に含まれるような整数であり;m+nは好ましくは>1であり;数平均分子量は500〜10,000、好ましくは1,000〜4,000の範囲である)
から選択される。
【0031】
クラス(a)の式(VI)の(パー)フルオロポリエーテル鎖Rfは、好ましくは、次の構造:
(i) -(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)b-、または
-(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)bCF2(R'f)CF2O(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)b-
(式中、R'fは1〜4のC原子のパーフルオロアルキレン基であり;XはFまたはCF3であり;aおよびbは、数平均分子量が上記の範囲にあるような、0を含む整数であり、但し、aまたはbの少なくとも1つは0でない);
【0032】
(ii) -(CF2CF2O)c(CF2O)d(CF2(CF2)zO)h-
(式中、c、dおよびhは、数平均分子量が上記の範囲にあるような、0を含む整数であり、但し、c、d、hの少なくとも1つは0でなく、zは2または3である);
【0033】
(iii) -(CF2CF(CF3)O)e(CF2CF2O)f(CFXO)g-
(式中、XはFまたはCF3であり;e、f、gは、数平均分子量が上記の範囲にあるような、0を含む整数であり、但し、e、f、gの少なくとも1つは0でない);
【0034】
(iv) -(CF2(CF2)zO)s-
(式中、sは、上記の分子量を与えるような整数であり、zは既に定義された意味を有する);
【0035】
(v) -(CR5R6CF2CF2O)j'-または
-(CR5R6CF2CF2O)p'-R'f-O-(CR5R6CF2CF2O)q'-
(式中、R5およびR6は互いに同一または異なって、H、Clまたは1〜4のC原子のパーフルオロアルキルから選択され;R'fは1〜4のC原子のフルオロアルキレン基であり;j'、p'およびq'は、上記の分子量を有するような整数である);
【0036】
(vi) -(CF(CF3)CF2O)jまたは
-(CF(CF3)CF2O)k-R'f-O-(CF(CF3)CF2O)j''-
(式中、R'fは1〜4のC原子のフルオロアルキレン基であり;j、k、j''は上記の分子量を与えるような整数である)
から選択される。
【0037】
好ましくは、クラス(a)の式(VI)におけるRfは、(i)および(ii)から選択される。式(VI)の好ましい化合物は、(パー)フルオロポリエーテル鎖がピリジン環Yの窒素原子に対してアルファ位においてエーテル結合によって炭素原子に結合しているものである。
【0038】
クラス(a)の好ましい化合物は、次の式(VIii)である:
【化3】

【0039】
クラス(a)の化合物は、混合物の状態でも用いられ得る。クラス(a)の化合物は公知であり、例えば、ここに参照として組み込まれるUS 2004/235,685に従って製造され得る。
【0040】
クラス(b)の式(VII)の好ましい化合物は、末端基として、R1、R2がC1-C6脂肪族基である3級アミンを有する。式(CH3CH2CH2)2NCH2CF2O(CF2O)d(CF2CF2O)cCF2CH2N(CH2CH2CH3)2 (VIIii)の化合物が、なおより好ましい。
【0041】
クラス(b)の化合物は、混合物の状態でも用いられ得る。これらの化合物は、磁気ディスク用滑剤として公知であり、例えば、ここに参照として組み込まれるUS特許6,083,600に従って製造され得る。
【0042】
クラス(c)の化合物は、混合物の状態でも用いられ得る。好ましい化合物は、式(VIIIc):
【化4】

(式中、mは両端を含んで0〜80の間に含まれ;nは両端を含んで0〜20の間に含まれ、m/nは好ましくは0.5〜4であり、m+nは上記の分子量を与えるようなものであり、nは0でない)
を有する。
【0043】
クラス(c)の化合物は公知であり、例えば、ここに参照として組み込まれるUS 2003/196,727、EP 1,354,932に従って製造され得る。
クラス(a)、(b)、(c)の化合物の混合物も用いられ得る。
【0044】
好ましい成分(B)は、それらがより広い温度の適用範囲、特に低温での適用を示すので、クラス(a)および(b)のものである。
成分(B)がクラス(c)に属する場合、成分(A)は、好ましくは、-CH3および-C2H5から選択される、同一または異なったターミナル(terminal)末端基を有するハイドロフルオロポリエーテルである。
【0045】
本発明の組成物は、流体が、高温から低温を経ることによる広い温度範囲にさらされる適用、例えば熱衝撃試験、滅菌工程を必要とする低温での工程、凍結乾燥工程、気相はんだ付け等に用いられるのに適した熱伝導流体である。本出願人より行なわれた試験は、本発明の組成物が、-100℃〜+250℃の間の幅広い温度範囲において、成分の分解または分離なしに化学的および物理的に安定であることを示した。
【0046】
特に、クラス(a)および(b)の化合物は、予測しなかったことにかつ驚くことに、低温で、-50℃より低くてもハイドロフルオロ(ポリ)エーテル(A)に十分に溶解できる。2つの化学的に異なる成分の混合物は、温度が下がると、特に0より低い温度で乏しい溶解度を示すので、この事実は驚くべきことでかつ予測されなかったことである。
【0047】
クラス(c)の化合物は、ハイドロフルオロポリエーテルが末端基として-CF2Hを有するときは0℃まで、ハイドロフルオロポリエーテルが-CH3、-C2H5から選択されるターミナル末端基を有する場合は-15℃まで溶解できる。
それゆえ、成分(B)の選択は、流体の作動する温度範囲に依存する。
【0048】
本発明の組成物は、それらの性能、すなわち熱伝導性が、-140℃〜+250℃、好ましくは-120℃〜+200℃の頻繁な温度範囲にさらされたときでさえ、およびルイス酸の存在下でも、長時間、実質的に不変であるので、特に有利である。
【0049】
本発明の化合物の組成物は、長期間貯蔵され得る。すなわち、それらは、冷たい環境下においても相分離せずに高い貯蔵安定性を示す。したがって、それらは常に使用できる状態にある。
成分(B)は、全組成物に対して、好ましくは30重量%まで、より好ましくは0.01〜10重量%、さらにより好ましくは0.05〜5重量%の範囲である。
【0050】
本発明の組成物によって得られる熱伝導流体は、本発明のさらなる目的物を表わす。それらは、金属および/またはルイス酸の存在下、広い温度範囲、好ましくは-140℃〜250℃の間に含まれる温度範囲で安定である。好ましくは、これらの組成物において、成分(B)はクラス(a)および(b)の化合物から選択される。
【0051】
本発明の組成物が、汚染物質および/または水を除くため、すなわち機械的および/または電子的部品の洗浄においての溶媒としても用いることができることをさらに見出した。洗浄はオゾンの存在下でも行われ得る。本発明の組成物のもう1つの使用は、シリコンおよびGa/As基板を含む、半導体または集積回路に対するエッチングの適用においてである。例えば、特許出願EP 1,268,734を参照。
【実施例】
【0052】
本発明を限定しない、説明に役立ついくつかの実施例は以下のとおりである。
実施例
特徴付け
安定性
フルオロポリエーテル流体の分解の加速試験に対して一般に用いられる、ルイス酸として粉末状のAlF3を用いることによる、ルイス酸に対する耐性試験によってそれを評価した。該ルイス酸を使用する前に加熱により無水化(anhydrified)した。試験温度は、ハイドロフルオロ(ポリ)エーテルまたはそれのパーフルオロポリエーテルとの混合物の沸騰温度近くである。
【0053】
官能性末端基の測定
376 MHzの周波数で作動するNMR Varian Mercury 400スペクトロメーターを用いることによる19F-NMR分析によってそれを行なう。官能性タイプの末端基は、カルボン酸、アシルフルオライド、フルオロホルメートおよびケトンを意味する。
これらの官能性誘導体に対する感度限界は5 meq/Kgである(しかし、許容される誤差を維持して、2 meq/Kgまで検出可能である)。
【0054】
酸性度の測定
電位差測定分析によって測定し、DG 115-SC タイプ電極を備えたMettler Toledo DL 55滴定器を用い、溶媒混液 水-アセトン 15/30および滴定液として0.02Mトリエチルアミンを用いることによってそれを行なった。
その結果、電位差測定分析による酸性度の測定(カルボン酸末端基およびHF)は、化合物B)の3%の濃度においても、変化しないか、または影響されないことを確認した。さらに、感度限界も影響されない結果であり、それは1 meq/Kgである。
酸性度は、金属および/またはルイス酸の存在によるフルオロポリエーテル化合物の分解指標である
【0055】
ルイス酸での試験
実施例1
混合物 H-ガルデン(登録商標) ZT 180/化合物(VIii)
磁気撹拌装置、温度測定のための熱電対および水冷バブルコンデンサー(bubble condenser)を備えたガラスフラスコ中に、19F-NMR分析で決定された数平均分子量640、m = 1.88;n = 3.44および178℃の沸点を有し、H-ガルデン(登録商標) ZT 180として商業的に知られている、式
HF2CO(CF2O)m(CF2CF2O)nCF2H
のハイドロフルオロポリエーテル(50.0 g)を入れ、次いで、2,300の数平均分子量および式(VIii)
【化5】

(式中、d = 9.46;c = 10.41である)
を有する化合物(1.5 g)およびルイス酸の存在下においても、温度処理により前もって無水化したアルミニウム トリフルオライド(0.25 g)を加える。
【0056】
フラスコを加熱浴中に浸し、撹拌下に170℃の温度にし、この温度で4時間維持する。フラスコ内の流体温度を試験の全期間一定にし、168℃にする。
試験の最後に、得られた混合物の重量を量り、49.3 gの残留HFPE流体(1.4%の重量損失)に相当する51.05 gを得る。
【0057】
固体のアルミニウム トリフルオライドを分離するために、混合物を遠心分離し、上澄み流体を19F-NMR分析にかける。
それは、初期のものと変わらない数平均分子量の結果となり、酸タイプの末端基は観測されない。酸末端基は、パーフルオロポリエーテル鎖の分解の指標である。
電位差滴定は、酸性の存在を示さない。
【0058】
実施例2
混合物 H-ガルデン(登録商標) ZT 180/化合物(VIIii)
2,230の数平均分子量を有する、式(VIIii)
(CH3CH2CH2)2NCH2CF2O(CF2O)d(CF2CF2O)cCF2CH2N(CH2CH2CH3)2
(式中、d = 10.04;c = 10.54である)
の化合物(1.5 g)を、式(VIii)の化合物に代わって用いる以外は、実施例1と同じ操作および同じ反応物を用いる。
【0059】
試験の最後に、得られた混合物の重量を量り、49.3 gの残留ハイドロフルオロポリエーテル(HFPE)流体(1.4%の重量損失)に相当する51.05 gを得る。
固体のアルミニウム トリフルオライドを分離するために、混合物を遠心分離し、上澄み流体を19F-NMR分析にかける。
それは、初期のものと変わらない数平均分子量の結果となり、酸タイプの末端基は観測されない。
電位差滴定は、酸性の存在を示さない。
【0060】
実施例3
混合物 H-ガルデン(登録商標) ZT 180/化合物(VIIIc)
式(VIii)の化合物に代わって、2,350の数平均分子量を有する、式(VIIIc)
【化6】

(式中、m = 9.92;n = 10.44である)
の化合物(1.5 g)の存在下以外は、実施例1と同じ操作および同じ反応物を用いる。
【0061】
試験の最後に、得られた混合物の重量を量り、49.4 gの残留HFPE流体(1.2%の重量損失)に相当する51.15 gを得る。
固体のアルミニウム トリフルオライドを分離するために、混合物を遠心分離し、上澄み流体をNMR分析にかける。
それは、初期のものと変わらない数平均分子量の結果となり、酸タイプの末端基は観測されない。
電位差滴定は、酸性の存在を示さない。
【0062】
実施例4(比較)
成分(B)およびアルミニウム トリフルオライドの非存在下以外は、実施例1を繰り返す。
試験の最後に、1.6%の重量損失に相当する49.2 gの残留HFPEの重量を測定する。
NMR分析により、平均分子量の変化および酸末端基の存在は観測されない。
電位差滴定は、酸性の存在を示さない。
【0063】
実施例1、2および3(ルイス酸の存在下に行なわれた試験)の成分(B)と一緒に加えられたハイドロフルオロポリエーテル(A)の重量損失は、実施例4のルイス酸の非存在下、不添加の同じハイドロフルオロポリエーテルの蒸発による重量損失に実質的に匹敵することが注目される。
このことは、実施例1、2および3の重量損失は、より軽いハイドロフルオロポリエーテルフラクションの蒸発による損失によるだけであることを示している。
【0064】
実施例4a(比較)
ルイス酸の存在下、成分(B)の非存在下に実施例1を繰り返した。
処理の2時間後、フラスコ内の流体温度は167℃に下がる。
試験の最後(4時間)に、得られた混合物の重量を量り、47.4 gの残留HFPE流体(5.2%の重量損失)に相当する47.65 gを得る。
固体のアルミニウム トリフルオライドを分離するために、混合物を遠心分離し、上澄み流体をNMR分析にかける。
【0065】
それは、620の数平均分子量の結果となり、流体のKgに対する合計240 meqの酸末端基に対する、アシルフルオライド(-OCF2COF)タイプおよびフルオロホルメート(-OCOF)タイプの酸末端基の存在を観察する。
電位差測定分析は、226 meq/Kgのカルボン酸末端基(-OCF2COOH)および846 meq/KgのHFの存在を示す。
酸末端基の形成および重量損失と一緒に測定される高い酸性値は、成分(B)が存在しないとき、ルイス酸の存在による生成物の分解を示している。
【0066】
実施例5
混合物 HFE(商標)-7500/化合物(VIii)
磁気撹拌装置、温度測定のための熱電対およびバブルコンデンサーを備えたガラスフラスコ中に、414の分子量および128℃の沸点、GWP = 90を有し、HFE(商標)-7500として商業的に知られている、式
C3F7CF(OC2H5)CF(CF3)2
のハイドロフルオロエーテル(50.0 g)を入れ、次いで、実施例1の式(VIii)の化合物(1.5 g)および温度における処理により前もって無水化したアルミニウム トリフルオライド(2.5 g)を加える。
【0067】
フラスコを加熱浴中に浸し、135℃の温度で18時間維持する。フラスコ中で還流下の流体温度は、試験の全期間128℃で一定である;該温度は室内圧力でHFE(商標)-7500の沸点に相当する。
試験の最後に、得られた混合物の重量を量り、47.5 gの残留HFE流体(5.0%の重量損失)に相当する51.5 gを得る。
固体のアルミニウム トリフルオライドを分離するために混合物を遠心分離し、上澄み流体を19F-NMR分析にかける。生成物は構造的観点から変化していな結果となる。
【0068】
実施例6(比較)
成分(B)およびアルミニウム フルオライドの非存在下以外は、実施例5を繰り返した。試験の最後に、5.2%の重量損失を測定する。19F-NMR分析により、平均分子量の不変化および酸末端基の非存在を観測する。
実施例5(ルイス酸の存在下に行なわれた試験)の重量損失は、実施例6のそれに実質的に匹敵することを観測する:したがって、実施例5の重量損失は、蒸発による損失のみよる。
【0069】
実施例6a(比較)
成分(B)の非存在下以外は、実施例5を繰り返した。
試験の間、フラスコ内部の測定された流体温度の128℃から18時間後に122℃への漸進的減少を観測する。
試験の最後に、得られた混合物の重量を量り、44.0 gの残留流体(12%の重量損失)に相当する46.5 gを得る。固体のアルミニウム トリフルオライドを分離するために混合物を遠心分離し、上澄み流体を19F-NMR分析にかける。5.7モル%の量で、構造:
(CF3)2CFC(=O)CF2CF2CF3
を有するケトンの存在を観測する。
【0070】
測定された重量損失と一緒にケトンの形成は、成分(B)が存在しないとき、ルイス酸の存在による生成物の分解を示している。
さらに、フロオロエタンC2H5Fの分解およびHFとフラスコのガラスとの反応にそれぞれ由来する微量のエチレンおよびSiF4を検出した。ケトンと一緒に、フルオロエタンは、試験条件下でのHFE(商標)-7500の分解生成物である。
【0071】
実施例7
成分(VIii)と混合状態にある、混合物 H-ガルデン(登録商標) ZT 180/ガルデン(登録商標) HT 170 60/40
磁気撹拌装置、温度測定のための熱電対および水冷バブルコンデンサーを備えたガラスフラスコ中に、760の分子量、1.8 cStの粘度および170℃の沸点を有する、市販のHFPE H-ガルデン(登録商標) ZT 180と市販のPFPE ガルデン(登録商標) HT 170との60/40混合物(50.0 g)を入れ、次いで、実施例1の式(VIii)の化合物(1.5 g)および温度処理により前もって無水化したアルミニウム フルオライド(0.25 g)を加える。
【0072】
フラスコを加熱浴に浸し、撹拌下に170℃の温度にし、この温度で4時間維持する。フラスコ内の流体温度は、試験の全期間一定であり、168℃である。
重量損失は1.4%である。実施例1のそれに匹敵するこの値は、本パーフルオロポリエーテルがハイドロフルオロポリエーテルの挙動を変えないことを示している。
【0073】
固体のアルミニウム トリフルオライドを分離するために、混合物を遠心分離し、上澄み流体を19F-NMR分析にかける。酸タイプの末端基の形成を観測しない。電位差滴定は、酸性の存在を示さない。
【0074】
実施例8
成分(VIii)と混合状態にある、混合物 H-ガルデン(登録商標) ZT 180/ガルデン(登録商標) HT 170 60/40
磁気撹拌装置、温度測定のための熱電対および水冷バブルコンデンサーを備えたガラスフラスコ中に、市販のHFPE H-ガルデン(登録商標) ZT 180と市販のPFPE ガルデン(登録商標) HT 170との40/60混合物(50.0 g)を入れ、次いで、実施例1の式(VIii)の化合物(1.5 g)および温度での処理により前もって無水化したアルミニウム フルオライド(0.25 g)を加える。
【0075】
フラスコを加熱浴に浸し、撹拌下に170℃の温度にし、この温度で4時間維持する。フラスコ内で測定された流体温度は、試験の全期間一定であり、167℃である。
重量損失は1.4%である。実施例1のそれに匹敵するこの値は、本パーフルオロポリエーテルがハイドロフルオロポリエーテルの挙動を変えないことを示している。
【0076】
固体のアルミニウム トリフルオライドを分離するために、混合物を遠心分離し、上澄み流体を19F-NMR分析にかける。酸タイプの末端基の形成を観測しない。電位差滴定は、酸性の存在を示さない。
【0077】
溶解性試験
実施例9
クラス(a)の成分(B)の溶解性
H-ガルデン(登録商標) ZT 180中およびHFE(商標)-7500中それぞれに、実施例1の成分(B)を10重量%含む2つの溶液を調製した。該組成物は透明となるので、該化合物は20℃、0℃、-15℃、-50℃で2つの流体に完全に溶解する。
2つの溶液を、アセトン中のドライアイス浴により-78℃に冷却した。これらの状態で、化合物(VIii)は2つの溶液中に溶解している。
さらに、該組成物は、4℃および20℃の温度で少なくとも4ヶ月間の保管(保管期限)後でさえ、いかなる相分離を示すことなく透明であった。
【0078】
実施例10
クラス(b)の成分(B)の溶解性
H-ガルデン(登録商標) ZT 180中およびHFE(商標)-7500中それぞれ、実施例2の成分(B)の10重量%で、2つの溶液を調製した。該組成物は完全に透明となるので、式(VIIii)の化合物は20℃、0℃、-15℃、-50℃で2つの流体に完全に溶解する。
2つの溶液を、アセトン中のドライアイス浴により-78℃に冷却した。これらの状態で、該化合物は2つの溶液中に完全に溶解している。
さらに、該組成物は、4℃および20℃の温度で少なくとも4ヶ月間の保管(保管期限)後、いかなる相分離を示すことなく透明である。
【0079】
実施例11
クラス(c)の成分(B)の溶解性
H-ガルデン(登録商標) ZT 180およびHFE(商標)-7500中それぞれに、実施例3の化合物の0.5重量%を含む、2つの溶液を調製した。該組成物は透明なので、化合物(VIIIc)は、HFE(商標)-7500中15℃以上の温度で、H-ガルデン(登録商標) ZT 180中0℃以上の温度で完全に溶解する。
さらに、該組成物は、4℃および20℃の温度で少なくとも4ヶ月間の保管(保管期限)後でさえ、いかなる相分離を示すことなく透明である。
【0080】
実施例12
-CH3末端基を有するハイドロフルオロポリエーテル中のクラス(a)の成分(B)の溶解性
分子量460および沸点179℃、ならびに推定GWP約250(J. Phys. Chem. A. 2004, 108巻, 1964〜1972頁のWallingtonらによる論文による)を有し、次の式:
CH3OCF2CF2OCF2OCF2CF2OCF2CF2OCH3
のハイドロフルオロポリエーテル(HFPE)中に、実施例1の化合物を10重量%含む溶液を調製した。
【0081】
該組成物は透明であるので、該化合物は20℃、0℃、-15℃、-50℃で完全に溶解する。
溶液を、アセトン中のドライアイス浴により-78℃に冷却した。これらの状態で、該化合物(VIii)はまだ完全に溶解している。
さらに、該組成物は、4℃および20℃の温度で少なくとも4ヶ月間の保管(保管期限)後でさえ、いかなる相分離を示すことなく透明である。
【0082】
実施例13
-CH3末端基を有するハイドロフルオロポリエーテル中のクラス(c)の成分(B)の溶解性
実施例12で用いたHFPE中に、実施例3の化合物(B)の0.5重量%を含む溶液を調製した。
該組成物は透明であるので、化合物(VIIIc)は20℃、0℃、-15℃で完全に溶解する。
さらに、該組成物は、4℃および20℃の温度で少なくとも4ヶ月間の保管(保管期限)後、いかなる相分離を示すことなく透明である。
【0083】
次に、ハイドロフルオロポリエーテルを同等の沸点を有するパーフルオロポリエーテル、ガルデン(登録商標) HT 170と置き換えることによって、試験を繰り返した。
約20℃の温度で、ガルデン(登録商標)を含む組成物は、わずかに乳白色を発し、0℃で、同組成物は2成分の明白な分離を示す。
この事実は、低温(室温より低い温度)で、類似の構造を有するフルオロ(ポリ)エーテル中のクラス(B)の化合物の溶解性の予測不可能性を確証する。
【0084】
金属存在下での試験
実施例14
ハイドロフルオロポリエーテル/化合物(VIii)の混合物
19F-NMR分析により決定された数平均分子量1,240、m = 3.49、n = 7.68を有する、次の式:
HF2CO(CF2O)m(CF2CF2O)nCF2H
のハイドロフルオロポリエーテル(50 g)を、ボイラー(boiler)として機能する小さなガラス球、温度測定のための熱電対および水冷バブルコンデンサーを備えたガラスフラスコに入れ、次いで、それに、実施例1の化合物(B)(0.3 g)および前もって標準手順に従って鏡のように磨かれ、残渣を除くために適当な溶媒で洗浄された100Cr6スチール金属シート(直径2.5 cm;厚さ0.2 cm)を加える。
【0085】
フラスコを加熱キャップ(cap)を用いて、緩やかな流体還流まで加熱し、これらの状態で、流体の内温は250℃となり、この温度を30時間維持する。
試験の最後で、残留ハイドロフルオロポリエーテル48.7 gに相当する混合物49 gを回収する(最初の量に対して2.6 gの重量損失)。
【0086】
試験の最後で回収された金属シートは元の輝きを維持しており;顕微鏡レベルでも、それは元の状態に対して変化を示さない。
19F-NMR分析にかけられた流体は、最初のものに対して不変の数平均分子量を示し、酸タイプの末端基を観測しない。
電位差滴定は、酸性の存在を示さない。
【0087】
実施例15(比較)
実施例1の化合物(B)および金属シートの非存在下以外は実施例14を繰り返した。試験の最後で、2.8%の重量損失を測定する。
19F-NMR分析により、平均分子量の変動および酸末端基の存在を観測しない。電位差滴定は、酸性の存在を示さない(分析限界より低い)。
実施例14(金属シートの存在下に行なわれた試験)の重量損失値は、実施例15のそれと実質的に類似するが注目される;したがって、実施例14の重量損失は、蒸発による損失のみによる。
【0088】
実施例15a(比較)
実施例1の化合物(B)の非存在下以外は実施例14を繰り返した。
試験の最後(30時間)で、残留HFPE流体46.3 gを回収する(7.4%の重量損失)。試験の最後で回収された金属シートは、元の輝きを完全に失っており、顕微鏡レベルで、元の状態に対して形態変化も示す。
【0089】
19F-NMR分析にかけられた流体は、1,220の数平均分子量を示し、カルボン酸タイプの末端基の存在を観測する。電位差滴定は、4.3 meq/Kgのカルボン酸末端基(-OCF2COOH)および3.0 meq/KgのHFの存在を示す。
酸末端基の形成ならびに試験の最後で重量損失を伴って測定される高い酸性値および金属表面の様相は、化合物(B)が存在しないとき、金属表面に発生するルイス酸の存在による生成物の分解を示す。
【0090】
実施例16
アルミニウム トリフルオライドに加えて、チップの形態下の100Cr6スチール4 gの存在下でもルイス酸に対する耐性試験を行なうことにより、実施例1を繰り返した。
試験の最後において、重量損失は実施例1のそれと実質的に同じである。同様に、電位差滴定は、酸性の存在を示さない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A) 環境条件(25℃、1気圧)下で液体のハイドロフルオロエーテルおよび/またはハイドロフルオロポリエーテル;
(B) (CFXO)、(CF2CF2O)、(CF2CF2CF2O)、(CF2CF2CF2CF2O)、(CR5R6CF2CF2O)、(CF(CF3)CF2O)、(CF2CF(CF3)O)(ここで、X = F、CF3であり;R5およびR6は互いに同一または異なって、H、Cl、炭素原子1〜4のパーフルオロアルキルから選択される)から選択される1以上の繰返し単位を含み;ピリジン、アミン、アリールのクラスから選択される末端基を有し、400〜10,000、好ましくは800〜5,000の範囲の数平均分子量を有する、フルオロポリエーテル構造を有する化合物
を含む混合物の、金属および/またはルイス酸の存在下における、熱伝導流体としての使用。
【請求項2】
化合物(A)が、120〜5,000、好ましくは130〜2,000、さらに好ましくは300〜1,500の範囲の数平均分子量を有する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
クラス(A)のハイドロフルオロポリエーテルが、統計的にポリマー主鎖に分布する-(CF2O)-、-(CF2CF2O)-、-(CF2(CF2)cO)-(ここで、c = 2、3である)から選択されるオキシフルオロアルキレン単位を含む、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
クラス(A)のハイドロフルオロポリエーテルが、次の式:
T1O-(CF2O)a-(CF2CF2O)b-(CF2(CF2)cO)d-T2 (I)
(式中、
cは2または3の整数であり;a、b、dは、数平均分子量が上記で定義された範囲にあるような0を含む整数であり;T1、T2は互いに同一または異なって、-CF2H、-CF2CF2H、-CH3、-C2H5、-C3H7から選択される)
を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
成分(A)が、構造:
T1O-(CF2CF2O)b-(CF2O)a-T2 (II)
(式中、
T1、T2 = -CF2Hであるか、またはT1、T2 = -CH3であり;a、bは式(I)で定義されたとおりである)
を有する式(I)(ここで、d = 0である)の化合物である、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
クラス(A)のハイドロフルオロエーテルが、次の:
− R1-O-R2 (III)
(式中、R1、R2は互いに同一または異なって、両者合わせて少なくとも3の炭素原子を含み、全水素原子の数は、多くてもフッ素原子の数に等しく、好ましくは、C3F7-OCH3、C4F9-OCH3、C4F9-O-C2H5、C7F15-O-C2H5、C4F9-OCF2H、C4F9-OCF2CF2H、C6F13-O-CH3から選択される);
− Rf-O-Rh-O-Rf' (IV)
(式中、Rf、Rf'は独立して、パーフルオロ脂肪族またはフルオロ脂肪族基であり、Rf、Rf'は少なくとも1つの水素原子を含み;
Rhは独立して、2〜8の炭素原子および少なくとも4の水素原子を有する、直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキレン基である)
から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
化合物が、
CF3CFHCF2OC2H4OCF2CFHCF3
C3F7OCFHCF2OC2H4OCF2CFHOC3F7
CF3OCFHCF2OC2H4OCF2CFHOCF3
CF3CFHCF2OC3H6OCF2CFHCF3
CF3OCFHCF2OC2H4OCF2CFHOCF3
C3F7OCFHCF2OC2H4OCF2CFHCF3
CF3CFHCF2OCH2C3F6CH2OCF2CFHCF3
CF3CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF3
CF3CF2CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF2CF3
CF3CF2CF2OCH2CH2OCF2CF2CF3
CF3CF2CF2CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF2CF2CF3
CF3CF2CF[CF(CF3)2]OCH2CH2CH2OCF[CF(CF3)2]CF2CF3;
CF3CF2CF2CF2OCH2CH2CH2CH2OCF2CF2CF2CF3
C4F9OC3H6OC4F9(n-C4F9およびi-C4F9の分離不可能な異性体の混合物);
C4F9OC4H8OC4F9(n-C4F9およびi-C4F9の分離不可能な異性体の混合物);
CF3CF2CF2CF2OCH2CH2OCF2CF2CF2CF3
CF3CF2CF2CF2OCH2CH2OCH2CH2OCF2CF2CF2CF3
CF3OCF2CF2CF2OCH2CH2CH2OCF2CF2CF2OCF3
構造(C2F5)(CF3CFH)CFOC2H4OCF-(CFHCF3)(C2F5)を有する異性体またはそれらの混合物から選択される、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
成分(A)が、300〜1,550の間に含まれる数平均分子量および20℃で20 cStより低い粘度を有する1以上のパーフルオロポリエーテルとの混合物の状態にある、請求項1〜7のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
パーフルオロポリエーテルが、20℃で20 cStより低い粘度を有し、式:
T'1O-(CF2CF(CF3)O)a'-(CF(CF3)O)b'-(CF2CF2O)d'-(CF2O)e'-T'2
(式中、
T'1、T'2は互いに同一または異なって、-CF2X1(X1 = -F、-CF3である)、-C3F7から選択され;
a'、b'、d'、e'は、化合物(V)の数平均分子量が200〜1,550の間に含まれるような、0を含む整数である)
の液体パーフルオロポリエーテルから選択され、全組成物に対して、10重量%〜90重量%の間、好ましくは10重量%〜60重量%の間、より好ましくは15重量%〜40重量%の間に含まれる量で、成分(A)との混合物の状態で存在する、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
成分(B)のピリジン、アミン、アリール末端基が置換されている、請求項1〜9のいずれかに記載の使用。
【請求項11】
化合物(B)が、次のクラス:
(a) T''1-CFW1-O-Rf-CFW2-T''2 (VI)
[式中、
T''1、T''2は互いに同一または異なって、次の意味:
− F、CF3、C2F5、(C2F4)Cl;
− CH2-B-Y、CH(CF3)O-Y
(ここで、
B = O、Sであり;
【化1】

(ここで、R1、R2、R3、R4は互いに同一または異なって、H、F、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1-C8パーフルオロアルキル、NO2、CN、好ましくはHおよび/または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1-C8パーフルオロアルキルである)である)
を有し、但し、2つの末端基T''1、T''2の少なくとも1つはCH2-B-YまたはCH(CF3)O-Yであり;
W1、W2は互いに同一または異なって、-F、-CF3であり;Rfは、統計的にその主鎖に分布する、次の構造:(CFXO)、(CF2CF2O)、(CF2CF2CF2O)、(CF2CF2CF2CF2O)、(CR5R6CF2CF2O)、(CF(CF3)CF2O)、(CF2CF(CF3)O)(ここで、X = F、CF3であり;R5およびR6は互いに同一または異なって、H、Cl、炭素原子1〜4のパーフルオロアルキルから選択される)を有する1以上の繰返し単位を含む(パー)フルオロポリオキシアルキレン鎖であり;Rfの数平均分子量は400〜10,000、好ましくは800〜5,000である]
(b) NR1R2-CH2-CF2O-RF-CF2-CH2NR1R2 (VII)
(式中、
R1、R2は互いに同一または異なって、H、1〜12の炭素原子のアルキル鎖、3〜12、好ましくは5〜10の炭素原子の脂環式、または12までの炭素原子を含むアリール鎖から選択され、但し、R1、R2は共にHであることはなく;RFは、クラス(a)のRfとして定義されたパーフルオロポリオキシアルキレン鎖である)
(c)
【化2】

(式中、
X、Y、X'、Y'は同一または異なって、互いに独立して、H、NO2、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、好ましくはメトシキから選択され;
Z = -CH2-;>C=O(カルボニル)であり;
mおよびnは、mが両端を含んで0〜80の間に含まれ、nが両端を含んで0〜20の間に含まれるような整数であり、m+nは好ましくは>1であり;数平均分子量は500〜10,000の間、好ましくは1,000〜4,000の間である)
から選択される、請求項1〜10のいずれかに記載の使用。
【請求項12】
クラス(a)の式(VI)における(パー)フルオロポリエーテル鎖Rfが、次の:
(i) -(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)b-、または
-(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)bCF2(R'f)CF2O(CF2CF(CF3)O)a(CFXO)b-
(式中、R'fは1〜4のC原子のパーフルオロアルキレン基であり;XはFまたはCF3であり;aおよびbは、数平均分子量が上記の範囲にあるような、0を含む整数であり、但し、aまたはbの少なくとも1つは0でない);
(ii) -(CF2CF2O)c(CF2O)d(CF2(CF2)zO)h-
(式中、c、dおよびhは、数平均分子量が上記の範囲にあるような、0を含む整数であり、但し、c、d、hの少なくとも1つは0でなく、zは2または3の整数である);
(iii) -(CF2CF(CF3)O)e(CF2CF2O)f(CFXO)g-
(式中、XはFまたはCF3であり;e、f、gは、数平均分子量が上記の範囲にあるような、0を含む整数であり、但し、e、f、gの少なくとも1つは0でない);
(iv) -(CF2(CF2)zO)s-
(式中、sは、上記の分子量を与えるような整数であり、zは既に定義された意味を有する);
(v) -(CR5R6CF2CF2O)j'-または
-(CR5R6CF2CF2O)p'-R'f-O-(CR5R6CF2CF2O)q'-
(式中、R5およびR6は互いに同一または異なって、H、Clまたは1〜4のC原子のパーフルオロアルキルから選択され;R'fは1〜4のC原子のフルオロアルキレン基であり;j'、p'およびq'は、上記の分子量を有するような整数である);
(vi) -(CF(CF3)CF2O)jまたは
-(CF(CF3)CF2O)k-R'f-O-(CF(CF3)CF2O)j''-
(式中、R'fは1〜4のC原子のフルオロアルキレン基であり;j、k、j''は上記の分子量を与えるような整数である)
から選択される、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
クラス(a)の式(VI)におけるパーフルオロポリエーテル構造Rfが(i)および(ii)から選択される、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
クラス(a)の式(VI)の化合物が、ピリジン環Yの窒素原子に対してアルファ位においてエーテル結合によって炭素原子に結合している(パー)フルオロポリエーテル鎖を有する、請求項12または13に記載の使用。
【請求項15】
クラス(a)の化合物が、式(VIii):
【化3】

を有する、請求項11〜14のいずれかに記載の使用。
【請求項16】
3級アミン末端基を有するクラス(b)の化合物が、R1、R2 = C1-C6脂肪族基を有するものであり、好ましくは式(VIIii):
(CH3CH2CH2)2NCH2CF2O(CF2O)d(CF2CF2O)cCF2CH2N(CH2CH2CH3)2
である、請求項11に記載の使用。
【請求項17】
クラス(c)化合物が、式(VIIIc):
【化4】

(式中、mは両端を含んで0〜80の間に含まれる整数であり;nは両端を含んで0〜20の間に含まれる整数であり、m/nは好ましくは0.5〜4であり、m+nは上記の分子量を与えるようなものであり、nは0でない)
を有する、請求項11に記載の使用。
【請求項18】
成分(B)がクラス(a)、(b)の間から選択される、請求項1〜16のいずれかに記載の使用。
【請求項19】
成分(B)としてクラス(c)の化合物が用いられ、成分(A)として-CH3および-C2H5から選択されるターミナル末端基を有するハイドロフルオロポリエーテルが用いられる、請求項1〜17のいずれかに記載の使用。
【請求項20】
成分(B)が、全組成物に対して、30重量%まで、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.05〜5重量%の範囲の量である、請求項1〜19のいずれかに記載の使用。
【請求項21】
(B)がクラス(a)および(b)の化合物から選択される、請求項1〜20のいずれかに記載の熱伝導流体。

【公表番号】特表2009−528415(P2009−528415A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556753(P2008−556753)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051707
【国際公開番号】WO2007/099055
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(503023047)ソルヴェイ ソレクシス エス.ピー.エー. (40)
【氏名又は名称原語表記】Solvay Solexis S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Turati 12 − MILANO,Italy
【Fターム(参考)】