説明

熱可塑性エラストマー組成物

【目的】 熱可塑性コポリエステルエラストマーまたはコポリアミドエラストマーと架橋せるエポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合ゴムからなる組成物であって、該エラストマーが劣化することなく、柔軟で優れた耐熱性、耐圧縮歪性を与える高応力の熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
【構成】 (A)熱可塑性コポリエステルエラストマーまたはコポリアミドエラストマー30〜90重量%と(B)エポキシ含有(メタ)アクリレート共重合体ゴム70〜10重量%からなり、(B)成分が分子中に少くとも2個のカルボキシル基を有する化合物および/またはイソシアヌル酸化合物とイミダゾール化合物により架橋されて分散している熱可塑性エラストマー組成物。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は柔軟で優れた耐熱性、耐圧縮永久歪性を与える高応力の熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】コポリエステルエラストマーは主としてポリエステルとポリエーテルを繰り返し単位として成る多重ブロック共重合体であり、また、コポリアミドエラストマーは主としてポリアミドとポリエステルを繰り返し単位として成る多重ブロック共重合体であり、これらはいずれも適度な柔軟性を有したエラストマーである。しかしながら、これらのコポリエステルエラストマーおよびコポリアミドエラストマーはゴム状領域で利用するためにはエラストマーとして硬度が高く、且つ柔軟性及び歪回復性に劣る。これを改良するためには、これらコポリエラストマー中の軟質セグメントの含有量を多くすることが一般に行われている。ところが、これらのコポリエラストマー中の軟質セグメントの含有量を多くすると融点が低下し、高温可使用温度域が低くなるという欠点がある。柔軟化する他の方法として可塑剤等の軟化剤を添加する方法が知られている。しかしながら、この方法では使用中にこの軟化剤が抽出または揮散され、再び硬化するという欠点がある。
【0003】上記の課題を解決する方法として上記コポリエラストマーにゴムを混合する方法が知られている。アクリルゴムを混合する例として、特開平1−266154号には、コポリエステルエラストマーに1〜5%の反応性硬化単量体が重合されたアクリルゴムを配合してなる組成物であって、アクリルゴムが架橋された組成物及び未架橋の組成物が開示されている。しかしながら、この未架橋組成物は圧縮永久歪性に劣り、また、架橋組成物に例示されているようなアクリルゴムの典型的な架橋系、例えば四級アンモニウム塩、石鹸/第三または第四アミン系、鉛丹/エチレンチオ尿素およびポリアミンを用いた場合にはコポリエステルエラストマーを劣化させ、混合分散中、成形中及び成形品使用中に、この組成物および得られる成形品の性能を低下せしめる欠点がある。
【0004】特開平1−306447号には、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートのような熱可塑性ポリエステル樹脂と共有結合性架橋アクリルゴムからなる組成物が開示されている。この共有結合性架橋アクリルゴムは、架橋部位として酸基、ヒドロキシ基またはエポキシ基を有するポリアクリレートがポリアミン、ポリイソシアナートまたはポリエポキシドにより共有結合的に架橋されているアクリルゴムである。この組成物は、剛性の高いポリエステル樹脂を含むことから、エラストマーとしての充分な歪回復性を付与するためには、ゴム成分を多量に配合せねばならず、結果的に組成物の成形流動性が損われるという欠点がある。また、この公報には、一実施態様として、ポリエーテルエステルエラストマーとカルボキシル基をもつエチレン・アクリレート共重合体ゴムをイソシアネート化合物で架橋した組成物が例示されているが、コポリエステルエラストマーとエポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムからなる系におけるエポキシ基の架橋システムについては何ら言及されていない。
【0005】これらの例にみられるように、コポリエステルエラストマーにアクリルゴムを架橋して分散させると、柔軟性、耐圧縮永久歪性の改良された組成物が得られることが示唆されているが、これまでコポリエステルエラストマー中でのアクリルゴムの架橋システムとして満足できるものがなかった。特にコポリエステルエラストマーは溶融下でアクリルゴムの通常の架橋剤により容易に劣化を起こすという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、コポリエステルエラストマーまたはコポリアミドエラストマーとエポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムとからなるエラストマー組成物であって、このコポリエラストマーおよび組成物全体が劣化されることなく、架橋せるエポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムが分散されている柔軟で優れた耐熱性、耐圧縮永久歪性を与える高応力の熱可塑性エラストマー組成物を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、(A)熱可塑性コポリエステルエラストマーまたは熱可塑性コポリアミドエラストマー30〜90重量%および(B)エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴム70〜10重量%からなり、(B)成分が分子中に少くとも2個のカルボキシル基を有する化合物および/またはイソシアヌル酸化合物とイミダゾール化合物により架橋されて分散されてなる熱可塑性エラストマー組成物によって達成される。
【0008】特に、次の要件の少くとも一つが充足されるとき、上記の目的は、より顕著に達成される。
(イ)熱可塑性コポリエステルエラストマーがコポリエーテルエステルエラストマー、(ポリ)ラクトン変性コポリエーテルエステルエラストマーおよびコポリエーテルイミドエステルエラストマーの中から選ばれた少くとも一種である。
【0009】(ロ)熱可塑性コポリアミドエラストマーがコポリエーテルエステルアミドエラストマーおよびコポリエステルアミドエラストマーの中から選ばれた少くとも一種である。
【0010】(ハ)エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムが、エポキシ基として、グリシジル(メタ)アクリレートおよびアリルグリシジルエーテルの中から選ばれた少くとも一種のエポキシ基含有単量体から導かれる単位を含有している。
【0011】(ニ)エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムがエポキシ基含有単量体から導かれる単位を1〜15重量%含有している。
【0012】(ホ)エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムが分子中に少くとも2個のカルボキシル基を有する化合物および/またはイソシアヌル酸化合物とイミダゾール化合物との複合塩によって架橋されている。
【0013】本発明の組成物は、熱可塑性コポリエステルエラストマーまたは熱可塑性コポリアミドエラストマー30〜90重量%、好ましくは40〜80重量%とエポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴム70〜10重量%、好ましくは60〜20重量%とからなり、該(メタ)アクリレート共重合体ゴムが分子中に少くとも2個のカルボキシル基を有する化合物および/またはイソシアヌル酸化合物とイミダゾール化合物により架橋されて分散していることを特徴としている。熱可塑性コポリエステルエラストマーまたは熱可塑性コポリアミドエラストマーと(メタ)アクリレート共重合体ゴムとの割合が、上記を外れて、前者が過少になると組成物の加工性が低下し、逆に、前者が過多になるとゴム弾性付与効果が得られない。
【0014】本発明で使用する熱可塑性コポリエステルエラストマーは、ポリエステルとポリエーテルの繰り返し単位、ポリエステル、(ポリ)ラクトンとポリエーテルの繰り返し単位またはポリエステルとポリイミドエーテルの繰り返し単位からなるランダムおよびマルチブロックコポリエステルであり、コポリエーテルエステルエラストマー、(ポリ)ラクトン変性コポリエーテルエステルエラストマーおよびコポリエーテルイミドエステルエラストマーが包含される。
【0015】適切な熱可塑性コポリエーテルエステルエラストマーおよび(ポリ)ラクトン変性コポリエーテルエステルエラストマーは、従来から採用されているエステル化/重縮合法により、(i)少くとも一種のジオール、(ii)少くとも1種のジカルボン酸、(iii)少くとも一種の長鎖エーテルグリコールおよび、必要に応じて、(iv)少くとも一種のラクトンまたはポリラクトンから製造される。
【0016】コポリエーテルエステルエラストマーおよびその(ポリ)ラクトン変性物の製造に使用されるジオール(i)は、飽和および不飽和の脂肪族および脂環式ジヒドロキシ化合物ならびに芳香族ジヒドロキシ化合物を包含する。これらのジオールは、好ましくは低分子量、すなわち約300以下の分子量を有する。脂肪族および脂環式ジオールの具体例としては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、2−メチルプロパンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオール、2−オクチルウンデカンジオール、1,2−、1,3−および1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノール、ブチンジオール、ヘキセンジオールなどの2ないし15個の炭素原子をもつジオールが挙げられる。特に好ましいジオールは1,4−ブタンジオール、および1,4−ブタンジオールとヘキサンジオールまたはブチンジオールとの混合物である。芳香族ジオールの具体例としては、レゾルシノール、ハイドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタンおよび2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパンなどの6〜19個の炭素原子をもつジオールが挙げられる。
【0017】特に好適なジオールは、2ないし8個の炭素原子を有する飽和脂肪族ジオールおよびそのような飽和脂肪族ジオールの混合物、ならびにそのような飽和脂肪族ジオールと不飽和ジオールとの混合物である。二種以上のジオールを使用する場合、ジオール全量を基準として少なくとも約60モル%、特に少なくとも80モル%を同一のジオールが占めることが好ましい。最も好適なジオール混合物は1,4−ブタンジオールが過半量を占めるものである。
【0018】前記コポリエーテルエステルエラストマーおよびその(ポリ)ラクトン変性物の製造に用いるのに好適なジカルボン酸(ii)は脂肪族、脂環式および/または芳香族ジカルボン酸を包含する。これらのジカルボン酸は低分子量のもの、すなわち、約350以下の分子量を有するものが好ましいが、より高分子量のもの、とりわけダイマー酸も使用することができる。
【0019】脂肪族および脂環式ジカルボン酸の代表例としては、セバシン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、シュウ酸、アゼライン酸、ジエチルマロン酸、アリルマロン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、2−エチルスベリン酸、テトラメチルコハク酸、シクロペンタンジカルボン酸、デカヒドロ−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビシクロヘキシルジカルボン酸、デカヒドロ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4−メチレンビス(シクロヘキサンカルボン酸)、3,4−フランジカルボン酸、および1,1−シクロブタンジカルボン酸、ならびにこれらのダイマー酸が挙げられる。これらの中でも、シクロヘキサンジカルボン酸、セバシン酸、グルタル酸およびアジピン酸が好ましい。
【0020】芳香族ジカルボン酸の代表例としては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ビー安息香酸、例えばビス(p−カルボキシフェニル)メタン、オキシビス(安息香酸)、エチレン−1,2−ビス(p−オキシ安息香酸)などの2個のベンゼン核を有する置換ジカルボキシ化合物、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、4,4′−スルホニルジ安息香酸、およびこれらのハロおよび炭素数1〜12のアルキル、アルコキシ、およびアリール基置換誘導体を包含する。なお、発明の目的達成が阻害されない限り、芳香族ジカルボン酸に他の芳香族カルボン酸、例えば、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸のようなヒドロキシ酸を併用することができる。
【0021】前記コポリエーテルエステルエラストマーおよびその(ポリ)ラクトン変性物の製造に用いられるジカルボン酸の中では、芳香族ジカルボン酸および二種以上の芳香族ジカルボン酸の混合物、ならびに芳香族ジカルボン酸と脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸との混合物が好ましく、芳香族ジカルボン酸単独が特に好ましい。芳香族ジカルボン酸の中でも、8〜16個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸、とりわけ、フタル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸のようなベンゼンジカルボン酸ならびにこれらのジメチルエステルが好適であって、テレフタル酸ジメチルが最良である。ジカルボン酸またはそのエステルの混合物を使用する場合、ジカルボン酸の全量に基いて少くとも約60モル%、特に少くとも約80モル%が同一のジカルボン酸であることが好ましい。とりわけ、テレフタル酸ジメチルがジカルボン酸混合物の約60モル%以上を占めるものが最良である。
【0022】熱可塑性コポリエーテルエステルエラストマーおよびその(ポリ)ラクトン変性物の製造に用いる長鎖エーテルグリコール(iii)は、好ましくは約400〜約12,000の分子量を有するポリ(オキシアルキレン)グリコールおよびコポリ(オキシアルキレン)グリコールである。好適なポリ(オキシアルキレン)単位は、約900〜約4,000の分子量を有し、そして側鎖を除き約1.8〜約4.3の炭素対酸素比を有する長鎖エーテルグリコールから誘導される。
【0023】適切なポリ(オキシアルキレン)グリコールの代表例として、ポリ(エチレンエーテル)グリコール、ポリ(プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、エチレンオキシド末端キャップポリ(プロピレンエーテル)グリコールおよび過半量がポリ(エチレンエーテル)骨格のコポリ(プロピレンエーテル−エチレンエーテル)グリコールを包含するエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムまたはブロック共重合体、および、テトラヒドロフランと、少量の、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはメチルテトラヒドロフラン等の第2の単量体(炭素対酸素比が約4.3を超えない割合で使用される)とのランダムまたはブロック共重合体を挙げることができる。ホルムアルデヒドと、例えば1,4−ブタンジオールおよび1,5−ペンタンジオールなどのジオールを反応させて製造されるポリホルマールグリコールも有用である。特に好ましいポリ(オキシアルキレン)グリコールはポリ(プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールおよび過半量がポリエチレンエーテル)骨格のコポリ(プロピレンエーテル−エチレンエーテル)グリコールである。
【0024】必要に応じてこれらのコポリエーテルエステルに一種または二種以上のラクトンまたはポリラクトン(iv)を配合することができる。この種の(ポリ)ラクトン変性コポリエーテルエステルエラストマーは米国特許第4,569,973号明細書に開示されている。
【0025】本発明で使用するのに適当なラクトン(iv)としては、ε−カプロラクトンが特に好ましいが、α,β,γ,δまたはε位でメチル基またはエチル基などの低級アルキル基で置換されている置換ラクトンを使用することもできる。また、本発明で使用するコポリエーテルエステルのブロック単位としてホモポリマーまたはそのモノマーと他の共重合可能なモノマーとの共重合体およびヒドロキシ末端停止ポリラクトンを包含するポリラクトンを使用することができる。
【0026】一般的に、適切なコポリエーテルエステルエラストマーおよびその(ポリ)ラクトン変性物は、該コポリエーテルエステルまたは(ポリ)ラクトン変性物中における(iii)長鎖エーテルグリコール成分の量または(iii)長鎖エーテルグリコール成分と(iv)ラクトン成分との合計量が約5〜約80重量%のものである。より好ましい組成物は(iii)長鎖エーテルグリコール成分の量または該(iii)成分と(iv)ラクトン成分との合計量が約10〜約50重量%のものである。
【0027】本発明において使用されるポリエーテルイミドエステルエラストマーは一種または二種以上のジオール、一種または二種以上のジカルボン酸および一種または二種以上の高分子量ポリオキシアルキレンジイミドジ酸から製造することができる。かかるポリエーテルイミドエステルエラストマーの製造については米国特許第4,556,705号明細書に記載されている。
【0028】本発明において使用されるポリエーテルイミドエステルエラストマーは、ポリエステルの製造のために慣用される方法、例えばエステル化および縮合反応によってランダムまたはブロック共重合体を生成するような手法によって製造することができる。従って、ポリエーテルイミドエステルは一般にジオールおよび酸の反応生成物として特徴づけることができる。
【0029】本発明において使用される好ましいポリエーテルイミドエステルエラストマーは(i)一種または二種以上の炭素数2〜15の脂肪族または脂環式ジオール、(ii)一種または二種以上の脂肪族、脂環式または芳香族ジカルボン酸またはそれらのエステル誘導体、および(iii)一種または二種以上のポリオキシアルキレンジイミドジ酸から製造することができる。ポリオキシアルキレンジイミド酸の使用量は一般に得られるポリエーテルイミドエステルの所望の性質によって左右される。一般に、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸(iii)対ジカルボン酸(ii)の重量比は約0.25〜約2.0、好ましくは約0.4〜約1.4の範囲である。
【0030】上記ポリエーテルイミドエステルの製造に使用するジオール(i)は飽和および不飽和の脂肪族および脂環式ジヒドロキシ化合物ならびに芳香族ジヒドロキシ化合物を包含する。これらのジオールは低分子量、すなわち約250またはそれ以下の分子量をもつものが好ましい。
【0031】特に好ましいジオールは飽和脂肪族ジオール、それらの混合物および一種または二種以上の飽和脂肪族ジオールと一種または二種以上の不飽和脂肪族ジオールとの混合物(ただし、各ジオールは2〜8個の炭素原子を有する)である。二種以上のジオールを使用する場合には、全ジオール含量に基づいて少なくとも約60モル%、より好ましくは少なくとも80モル%が同一のジオールであることが好ましい。特に好ましいジオールは1,4−ブタンジオールを主成分とするものであって、最も好ましいジオールは1,4−ブタンジオール単独である。
【0032】上記ポリエーテルイミドエステルの製造に使用するジカルボン酸(ii)は脂肪族、脂環式および芳香族ジカルボン酸およびそれらのエステル誘導体の中から選ばれる。好ましいジカルボン酸は約300より低い分子量をもつもの、または、炭素数4〜18のものが好ましい。しかしながら、より高分子量のジカルボン酸、特にダイマー酸も使用することができる。
【0033】ポリエーテルイミドエステルの製造に用いる脂肪族、脂環式および芳香族ジカルボン酸の中では芳香族ジカルボン酸および二種以上の芳香族ジカルボン酸の混合物、ならびに芳香族ジカルボン酸と脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸との混合物が好ましく、芳香族ジカルボン酸単独が特に好ましい。芳香族ジカルボン酸の中でも、8〜16個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸、とりわけ、フタル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸のようなベンゼンジカルボン酸ならびにこれらのジメチルエステルが好適であって、テレフタル酸ジメチルが最良である。
【0034】上記ポリエーテルイミドエステルの製造に用いるポリオキシアルキレンジイミドジ酸(iii )は平均分子量が約700より大、好ましくは約900より大である高分子量のジ酸である。これらのジ酸は2個の隣接するカルボキシル基または酸無水物基、さらに別のカルボキシル基(この別のカルボキシル基はエステル化し得るものでなければならず、かつ、好ましくはイミド化し得ないものである)を含有する一種または二種以上のトリカルボン酸化合物を高分子量ポリオキシアルキレンジアミンでイミド化することによって製造される。
【0035】一般に、ポリエーテルイミドエステルの製造に有用なポリオキシアルキレンジイミドジ酸は次式で表わされる。
【化1】


【0036】(式中、各Rは三価の有機基、好ましくは炭素数2〜20の脂肪族、脂環式または芳香族三価有機基であって、各Rは同一でも相違してもよく、各R′は水素または一価有機基、好ましくは炭素数1〜8の脂肪族基および脂環式基ならびに炭素数6〜12の芳香族基の中から選ばれた一価有機基、例えばフェニル基であり、最も好ましくはR′は水素である。各R′は同一であっても互に相違してもよい。Gは約600〜約12,000、好ましくは約900〜約4,000の平均分子量および約1.8〜約4.3の炭素/酸素比をもつ長鎖エーテルグリコールの両末端(またはできる限り末端に近い)ヒドロキシ基の除去後に残留する基である。)
【0037】上記ポリオキシアルキレンジイミドジ酸の製造に用いるポリオキシアルキレンジアミンは長鎖エーテルグリコールから製造される。代表的な長鎖エーテルグリコールはポリ(エチレンエーテル)グリコール、ポリ(プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのランダムまたはブロック共重合体、例えばプロピレンオキシド末端ポリ(エチレンエーテル)グリコール、およびテトラヒドロフラン(グリコール中の炭素/酸素のモル比が約4.3を超えない範囲で使用される)と少量のメチルテトラヒドロフランのような第二の単量体とのランダムまたはブロック共重合体を包含する。特に好ましいポリ(アルキレンエーテル)グリコールはポリ(プロピレンエーテル)グリコールおよびポリ(プロピレンエーテル)グリコールまたはプロピレンオキシドで末端閉止されたポリ(エチレンエーテル)グリコールである。
【0038】一般に、有用なポリオキシアルキレンジアミンは約500〜約12,000、好ましくは約900〜約4,000の平均分子量を有する。
【0039】ポリオキシアルキレンジイミドジ酸の製造に用いるトリカルボン酸化合物は、さらに追加の別のカルボキシル基を含むほぼ任意のカルボン酸無水物または酸無水物基の代りに2個の隣接するイミド形成性カルボキシル基を含む対応する酸であり得る。これらの酸は単独または混合物のいずれであってもよい。追加の別のカルボキシル基はエステル化し得るものでなければならず、かつ好ましくは実質的にイミド化し得ないものである。
【0040】トリカルボン酸化合物は次式で表わされる。
【化2】


【0041】(式中、各Rは三価の有機基、好ましくは炭素数2〜20の脂肪族、脂環式または芳香族三価有機基であって、各Rは同一でも相違してもよく、各R′は水素または一価有機基、好ましくは炭素数1〜8の脂肪族基および脂環式基ならびに炭素数6〜12の芳香族基の中から選ばれた一価有機基、例えばフェニル基であり、最も好ましくはR′は水素である。各R′は同一であっても互に相違してもよい。最も好ましいトリカルボン酸化合物は無水トリメリト酸である。
【0042】ポリエーテルイミドエステルの製造に用いる各成分の割合は格別限定されないが、ジオール(i)はジカルボン酸(ii)およびポリオキシアルキレンジイミドジ酸(iii )の合計モル数に基づいて、好ましくは少くともモル当量、より好ましくはモル過剰、最も好ましくは少くとも150%使用する。酸成分〔(ii)+(iii )〕に対してモル過剰のジオールを用いることによってエステル化/縮合中に生ずるジオールの損失を補償して最良の収率が得られる。
【0043】ジカルボン酸(ii)とポリオキシアルキレンジイミドジ酸(iii )との割合も格別限定されないが、(ii)/(iii )重量比は、好ましくは約0.25〜約2、より好ましくは約0.4〜約1.4である。特に好ましい両者の割合は、使用するポリオキシアルキレンジイミドジ酸の種類および得られるポリエーテルイミドエステルに所望される物理的および化学的性質に依存して決定される。一般に、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸(iii )/ジカルボン酸(ii)の重量比が低いほど、得られる重合体の強度、結晶性および加熱撓み性能は優れたものとなる。逆に、(iii)/(ii)重量比が高いほど、得られる重合体の可撓性、引張歪および低温耐衝撃性能が優れたものとなる。
【0044】本発明で用いる好ましいポリエーテルイミドエステルは、随意に40モル%までの他のジカルボン酸を含んでいてもよいジメチルテレフタレート、随意に40モル%までの他の飽和または不飽和脂肪酸または脂環式ジオールを含んでいてもよい1,4−ブタンジオール、ならびに約600〜約12,000、好ましくは約900〜約4,000の分子量をもつポリオキシアルキレンジアミンおよび無水トリメリト酸から製造されたポリオキシアルキレンジイミドジ酸の反応生成物からなる。最も好ましいポリエーテルイミドエステルは、上記のようにして得られる反応生成物において、ジオールとして1,4−ブタンジオールのみ、ジカルボン酸としてジメチルテレフタレートのみをそれぞれ用いて得られるものである。
【0045】本発明で使用される熱可塑性コポリアミドエラストマーは、ポリエステルとポリアミドの繰り返し単位からなるランダムまたはマルチブロック共重合体であるコポリエステルアミドエラストマーと、ポリエーテルエステルとポリアミドの繰り返し単位からなるランダムまたはマルチブロック共重合体であるコポリエーテルエステルアミドエラストマーとに大別される。
【0046】本発明で使用されるコポリエステルアミドエラストマーは、(1)(イ)炭素数6〜12のアミノカルボン酸、(ロ)炭素数6〜12のラクタムおよび(ハ)炭素数4〜12のジカルボン酸と炭素数4〜12のジアミンとからなるナイロン塩から選ばれた少くとも一種のポリアミド形成性化合物と(2)炭素数4〜54のジカルボン酸と(3)ポリカプロラクトンポリオールとを反応させて得られる。
【0047】上記炭素数6〜12のアミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノカプリル酸、8−アミノカプリン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノペラルゴン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などが挙げられるが、特に6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸が好ましい。炭素数6〜12のラクタムとしては、カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ラウリルラクタムなどが挙げられるが、特にカプロラクタム、ラウリルラクタムが好ましい。炭素数4〜12のジカルボン酸と炭素数4〜12のジアミンからなるナイロン塩としては、アジピン酸−ヘキサメチレンジアミン塩、セバシン酸−ヘキサメチレンジアミン塩、イソフタル酸−ヘキサメチレンジアミン塩、テレフタル酸−トリメチルヘキサメチレンジアミン塩などが挙げられる。
【0048】炭素数が4〜54のジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4′−ジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、およびコハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ならびにこれらのダイマー酸が挙げられる。特に、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン酸、およびこれらのダイマー酸が好ましい。
【0049】ポリアミド形成性化合物およびジカルボン酸とともに用いるポリカプロラクトンポリオールとしては、平均分子量200〜10,000のポリカプロラクトンポリオールが好ましい。ポリカプロラクトンポリオールの分子量が10,000より大きいと、ポリカプロラクトンポリオールの欠点が露呈する。一つの好ましいポリカプロラクトンポリオールとしては、平均分子量が200〜10,000のポリカプロラクトンジオール70〜99.9重量%と平均分子量200〜10,000の3以上の官能基を有するポリカプロラクトンポリオール0.1〜30重量%との混合物が挙げられる。3以上の官能基を有するポリカプロラクトンポリオールの割合が0.1重量%未満ではその効果が発現せず、また、30重量%を超えると製造時にゲル化し易い。
【0050】上記のコポリエステルアミドエラストマーは、開始剤、ε−カプロラクトンまたは6−オキシカプロン酸、ポリアミド形成性化合物およびジカルボン酸の反応によって製造される。その製造方法としては、次の方法が挙げられる。
(A)開始剤にε−カプロラクトンを開環付加してポリカプロラクトンジオールとし、このポリカプロラクトンジオール、ポリアミド形成性化合物およびジカルボン酸との重縮合反応により製造する方法。
(B)ポリアミド形成性化合物とジカルボン酸とを反応させてジカルボン酸ポリアミドとし、このジカルボン酸ポリアミドと上記(A)のポリカプロラクトンジオールとの重縮合反応により製造する方法。
(C)上記(B)のジカルボン酸ボリアミドと開始剤およびε−カプロラクトンとの開環−重縮合反応により製造する方法。
(D)開始剤、ε−カプロラクトン、ポリアミド形成性化合物およびジカルボン酸との開環−重縮合反応により製造する方法。
ポリカプロラクトンポリオール混合物を用いる場合は上記の製造方法において、ジオールの代わりにポリオール混合物を用いればよい。
【0051】開始剤の例としては一般式HO・R・OHで示されるジオールが挙げられる。但し、Rは1〜2個の芳香環を有する芳香族炭化水素基4〜37の炭素数を有する脂環式炭化水素基、1〜30の炭素数を有する飽和または不飽和脂肪族基、平均分子量200〜6,000のポリエステルポリオール残基または平均分子量200〜6,000のポリアルキレングリコール残基である。
【0052】本発明で使用されるコポリエーテルエステルアミドエラストマーは連鎖末端に水酸基を有するポリエーテルとポリアミドとの縮合反応により合成される。連鎖末端に水酸基を有するポリエーテルとしては、連鎖または分岐ポリオキシアルキレングリコール、例えばポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールまたはこれらの混合物、あるいはこれらの化合物から誘導体されたコポリエーテルである。上記ポリエーテルの平均分子量は一般に200〜6,000、好ましくは400〜3,000である。全成分重量に基づくポリオキシアルキレングリコールの重量の割合は、通常5〜85%、好ましくは10〜50%である。
【0053】コポリエーテルエステルアミドエラストマーの合成に用いるポリアミドとしては、炭化水素連鎖の炭素数が4〜14であるラクタムまたはアミノ酸、例えばカプロラクタム、エナントラクタム、ドデカラクタム、ウンデカノラクタム、ドデカノラクタム、11−アミノ−ウンデカン酸または12−アミノドデカン酸を出発物質とするもの、ジカルボン酸とジアミンとの縮合生成物、例えばヘキサメチレンジアミンとアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸および1,12−ドデカン二酸との縮合生成物およびノナメチレンジアミンとアジピン酸との縮合生成物であるナイロン6−6,6−9,6−10,6−12および9−6などがある。
【0054】ポリアミドの合成反応において連鎖制限剤として使用される二酸は、同様にカルボン酸を末端に有するポリアミドの生成を可能にするが、二酸としては、ジカルボン酸、好ましくは炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸およびドデカンジ酸が挙げられる。脂環式または芳香族二酸も使用可能である。これらの二酸は、現在重縮合反応の分野において用いられている公知の計算方法に従って所望の平均分子量を有するポリアミドを得るのに必要な量よりも過剰となる量である。ジカルボン酸ポリアミドの平均分子量は通常300〜15,000、好ましくは800〜5,000である。
【0055】コポリエーテルエステルアミドエラストマーを製造するための重縮合反応は、触媒の存在下において攪拌しながら、0.05〜5mmHg程度の高真空下、使用した成分の融点よりも高い温度で行う。この温度は、反応成分が流動状態に維持されるように選択する。すなわち、一般に100〜400℃、好ましくは200〜300℃である。反応時間はポリオキシアルキレングリコールに依存するが、一般に10分〜10時間の範囲、好ましくは1〜7時間である。反応時間は、成形可能なおよび/または押出し可能なプラスチック材料に要求される所望性質を有する生成物を得るのに必要な最終的な粘度が得られるように十分長くなければならない。所望の生成物を得るために、最適条件下で重縮合反応が起るように、カルボン酸基と水酸基とは実質的に等モルでなければならない。
【0056】本発明で用いられるエポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムは、(1)(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび/または(メタ)アクリル酸アルコキシ置換アルキルエステル、(2)エポキシ基含有単量体、および必要に応じて(3)これら(1)、(2)と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体を重合してなる多元共重合体ゴムである。
【0057】エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムの製造に用いる(メタ)アクリル酸アルキルエステル(1)は下記式:
【化3】


【0058】(式中、R1 は炭素数1〜18のアルキル基であり、R2 は水素またはメチル基を示す)で表される。かかる(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート,エチル(メタ)アクリレート,n−プロピル(メタ)アクリレート,n−ブチル(メタ)アクリレート,イソブチル(メタ)アクリレート,n−ペンチル(メタ)アクリレート,イソアミル(メタ)アクリレート,n−ヘキシル(メタ)アクリレート,2−メチルペンチル(メタ)アクリレート,n−オクチル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート,n−デシル(メタ)アクリレート,n−ドデシル(メタ)アクリレート,n−オクタデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、中でも、エチル(メタ)アクリレート,n−プロピル(メタ)アクリレート,n−ブチル(メタ)アクリレート,n−ペンチル(メタ)アクリレート,n−ヘキシル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート,n−オクチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0059】また、(メタ)アクリル酸アルコキシ置換アルキルエステル(1)は、下記式:
【化4】


(式中、R3 は水素またはメチル基、R4 は炭素数1〜18のアルキレン基、R5 は炭素数1〜18のアルキル基を示す)で表される。かかる(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート,2−エトキシエチル(メタ)アクリレート,2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレート,2−(n−ブトキシ)エチル(メタ)アクリレート,3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート,3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート,2−(n−プロポキシ)プロピル(メタ)アクリレート,2−(n−ブトキシ)プロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0060】エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムの製造に用いるエポキシ基含有単量体としては、アリルグリシジルエーテル,グリシジルメタクリレート,グリシジルアクリレート、および下記に示す化合物などが挙げられる(下記各式において、式中のR6 は水素またはメチル基を表わす)。3,4−エポキシヘキサヒドロベンジル(メタ)アクリレート
【化5】


4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルベンジル(メタ)アクリレート
【化6】


2−(4′−グリシジルオキシフェニル)−2−〔4′−(メタ)アクリロキシエチルオキシフェニル〕プロパン
【化7】


2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸グリシジルエステル
【化8】


2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸グリシジルエステル
【化9】


2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル
【化10】


2−(メタ)アクリロイルオキシエチルテレフタル酸グリシジルエステル
【化11】


2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロテレフタル酸グリシジルエステル
【化12】


3,4−エポキシヘキサヒドロベンジル(メタ)アクリルアミド
【化13】


4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルベンジル(メタ)アクリルアミド
【化14】


【0061】必要に応じて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルまたは(メタ)アクリル酸アルコキシ置換アルキルエステル(1)およびエポキシ基含有単量体と共重合せしめる単量体としては、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、3−シアノプロピル(メタ)アクリレート,4−シアノブチル(メタ)アクリレートなどのシアノ置換アルキル(メタ)アクリレート,ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートのようなアミノ置換アルキル(メタ)アクリレート,1,1,1−トリフルオロエチル(メタ)アクリレートのような含フッ素系(メタ)アクリレート,ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのような水酸基置換アルキル(メタ)アクリレート,メチルビニルケトンのようなアルキルビニルケトン,ビニルエチルエーテル,アリルメチルエーテルなどのビニルまたはアリルエーテル,スチレン,α−メチルスチレン,クロロスチレン,ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物,アクリロニトリル,メタアクリロニトリルなどのビニルニトリル,アクリルアミド,メタアクリルアミド,N−メチロールアクリルアミドなどのビニルアミドおよびエチレン,プロピレン、酢酸ビニルなどが挙げられる。
【0062】エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムの製造に用いる(1)(メタ)アクリル酸アルキルエステル,または(メタ)アクリル酸アルコキシ置換アルキルエステル、(2)エポキシ基含有単量体,および(3)他のエチレン性不飽和単量体の割合は格別限定されるものではないが、(1)85〜99重量%,(2)1〜15重量%,(3)0〜50重量%が好ましい。より好ましくは、(1)85〜87重量%,(2)3〜15重量%,(3)0〜50重量%である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルまたは(メタ)アクリル酸アルコキシ置換アルキルエステルの量が、上記範囲より多くなると十分な架橋効果が得られず、逆に、エポキシ基含有単量体の量が上記範囲より多くなるとゴム弾性がかなり低下する。
【0063】特に好ましいエポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムは、エポキシ基としてグリシジル(メタ)アクリレートから導かれる単位を含むものであって、該単位を3重量%以上含むものである。
【0064】本発明の組成物において、エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムは、分子中に少くとも2個のカルボキシル基を有する化合物および/またはイソシアヌル酸化合物とイミダゾール化合物によって架橋され分散されている。
【0065】架橋剤として用いられる分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物および/またはイソシアヌル酸化合物とイミダゾール化合物は、通常エポキシ基含有アクリルゴムの架橋剤として使用されることはない。ゴムの通常の架橋温度である150〜180℃の範囲では、前記の化合物とアクリルゴムのエポキシ基の架橋反応が遅く、通常のゴムの成形サイクルには適合しないからである。しかし、本発明の組成物においては、通常の調製温度である200℃以上では剪断下に迅速に架橋反応は完了する。また、本発明で使用される架橋剤は、通常のアクリルゴム用の架橋剤で容易に劣化を起こすコポリエステルエラストマーおよびコポリアミドエラストマーへの影響が極めて小さく、組成物の調製時、成形時に性質の変化がほとんど生じないという特徴をもっている。このことは、成形品の使用時の耐久性の向上にも役立つ。
【0066】本発明の架橋剤は、分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物および/またはイソシアヌル酸化合物とイミダゾール化合物との併用である限り格別制限されない。好ましくは、分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物および/またはイソシアヌル酸化合物とイミダゾール化合物との複合塩である。
【0067】分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物としては脂肪族、脂環式および芳香族ポリカルボン酸、その(部分)カルボン酸無水物を挙げることができる。脂肪族ポリカルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、ブタンテトラカルボン酸が挙げられる。脂環式ポリカルボン酸の具体例としては、シクロペンタンジカルボン酸、シクロペンタントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、メチルシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸が挙げられる。芳香族ポリカルボン酸の具体例てしとは、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸が挙げられる。(部分)カルボン酸無水物の具体例としては、これらのポリカルボン酸の(部分)カルボン酸無水物が挙げられる。
【0068】イソシアヌル酸化合物としてはイソシアヌル酸およびN−エチルイソシアヌル酸、2−カルボキシエチルイソシアヌル酸などのイソシアヌル酸誘導体が挙げられる。
【0069】イミダゾール化合物としてはイミダゾールおよび2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール誘導体が挙げられる。
【0070】分子中に少くとも2個のカルボキシル基を有する化合物またはイソシアヌル酸化合物とイミダゾール化合物との複合塩としては、イソシアヌル酸・2−メチルイミダゾール複合塩、トリメリット酸・2−メチルイミダゾール複合塩、無水トリメリット酸・2−メチルイミダゾール複合塩、ドデカンジカルボン酸・2−メチルイミダゾール複合塩、オクタデカンジカルボン酸・2−メチルイミダゾール複合塩などが挙げられる。
【0071】分子中に少くとも2個のカルボキシル基を有する化合物および/またはイソシアヌル酸化合物とイミダゾール化合物との比率は、カルボキシル基およびイソシアヌル酸化合物中の酸基1モルに対してイミダゾール化合物0.2〜2モルの範囲であることが望ましい。イミダゾール化合物の割合が過多になるとコポリエステルが劣化する。
【0072】カルボキシル基含有化合物および/またはイソシアヌル酸化合物とイミダゾール化合物とからなる架橋剤系の使用量は、エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体中のエポキシ基に対するカルボキシル基および/またはイソシアヌル酸化合物中の酸基の比率が0.05〜5モルであることが好ましい。より好ましいカルボキシル基および/またはイソシアヌル酸基とエポキシ基との比率は0.1〜1.5モルの範囲である。エポキシ基に対する架橋剤系の割合が上記範囲より小さいと、(メタ)アクリレート共重合体ゴムの架橋密度が低く、応力および永久圧縮歪は改善されず、逆に、架橋剤系の割合が上記範囲より大きいときも架橋密度が低く、応力および圧縮永久歪は改善されない。
【0073】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は熱可塑性コポリエステルエラストマーとエポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムを軟化温度以上ないし溶融下に混練し、混練下に分子中に少くとも2個のカルボキシル基を有する化合物および/またはイソシアヌル酸化合物とイミダゾール化合物によりエポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムを架橋させて分散することにより調製される。架橋剤である少くとも2個のカルボキシル基を有する化合物および/またはイソシアヌル酸化合物とイミダゾール化合物を添加するに際しては、エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムを架橋するに充分な温度に維持する。混練は、一般に100〜280℃、好ましくは140〜250℃において約1〜30分間行う。本発明の組成物には、この架橋剤以外の添加剤を添加することができる。そのような添加剤の例としては、充填剤、補強剤、単繊維、顔料、可塑剤、老化防止剤、加工助剤等を挙げることができる。
【0074】架橋剤及び添加剤は、予めコポリエステルエラストマーもしくはコポリアミドエラストマーまたはエポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴム中にブレンドしておくか、これらの重合体の混練下に添加するかまたは調製後の組成物に混合して入れることもできる。上記架橋剤の好ましい添加法は、充分な分散と架橋反応を制御するためにポリマーの混練下に添加する方法である。混練は充分な剪断力下で実施することが好ましく、適した混練装置として単軸押出機、二軸押出機、ブス(Buss)型コニーダー、バンバリーミキサー、ファーレル(Farrell)型連続ミキサー、KCK型ミキサー等が挙げられる。
【0075】組成物の成分重合体の混練装置への添加は、予め両重合体をブレンドして投入または各々の重合体を別々に計量して同時に投入しても良く、或いは混練装置に一方もしくは両方の重合体を分割して添加または逐次に添加してもよい。好ましい実施態様は、両重合体を先に添加し、適度に分散させた後で架橋剤を添加する方法である。これにより、両重合体間のグラフト反応を、エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムの架橋剤による架橋反応に先立って、推進するのを助ける。
【0076】
【発明の効果】従来技術に従って、熱可塑性コポリエラストマーにアクリルゴムを未架橋な状態で分散させてなるエラストマー組成物や、熱可塑性コポリエラストマーを溶融下で容易に劣化を起させる一般的なアクリルゴム用の架橋剤を用いて架橋して分散させてなるエラストマー組成物とは対照的に、本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、熱可塑性コポリエラストマーとエポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムを混合分散するに際し、該コポリエラストマーおよび得られる組成物を劣化せしめることなく、架橋されたエポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムが分散されていることにより、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は柔軟で優れた耐熱性、耐圧縮永久歪性を与える高応力のものとなる。
【0077】特に、エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムがグリシジル(メタ)アクリレートをエポキシ基として含有してなり、且つ単量体含量を3重量%以上にした実施態様においては優れた高応力を示し、柔軟性、耐熱性、耐圧縮永久歪性の優れた熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。
【0078】
【実施例】以下、実施例について本発明の熱可塑性エラストマー組成物を具体的に説明する。以下の実施例において材料試験はJIS K−6301に準じて実施した。使用した樹脂材料および架橋剤は各実施例において略号で表わしたが、それぞれの詳細は以下のとおりである。
コポリエステルエラストマーCOPE−1:ジェネラル・エレクトリック(GE)社製ローモド(Lomod)XB0125COPE−2:デュポン(Du Pont)社製ハイトレル(Hytrel)5557COPE−3:東洋紡(株)製ペルプレン(Perprene)S2001コポリアミドエラストマーCOPA1:アトケム(Atochem)社製ペバックス(Pebax)5533SA00
【0079】エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムACM1:エチルアクリレート(EA)とグリシジルメタクリレート(GMA)との共重合体ゴム、GMA含有量2.4phr、乳化重合法により製造。
ACM2:EAとGMAとの共重合体ゴム、GMA含有量5.0phr、乳化重合法により製造。
ACM3:EAとGMAとの共重合体ゴム、GMA含有量7.9phr、乳化重合法により製造。
ACM4:EAとGMAとの共重合体ゴム、GMA含有量は10.5phr、乳化重合法により製造。
ACM5:ゼオンケミカル(Zeon Chemical)USA社製、ハイテンプ(Hytemp)4051、架橋点として活性ハロゲン基を有する。
【0080】架橋剤架橋剤1:四国化成(株)製、キュアゾール2MZ−OK、イソシアヌル酸と2−メチルイミダゾールとの複合塩架橋剤2:岡村製油(株)製、SL−20、主成分オクタデカメチレンジカルボン酸架橋剤3:岡村製油(株)製のSB−20(主成分7−エチルヘキサデカメチレンジカルボン酸)と2−メチルイミダゾールとの等モル複合塩(日本ゼオン(株)試作品)
架橋剤4:岡村製油(株)製のSL−20と2−メチルイミダゾールの等モル複合塩(日本ゼオン(株)試作品)
架橋剤5:四国化成(株)製2−メチルイミダゾール架橋剤6:アンモニウムベンゾエート(大内新興(株)製バルノックAB)
架橋剤7:ステアリン酸ナトリウム
【0081】実施例1〜436mmφ、3条ネジ、L/D:48の二軸押出機に、COPE−1とACM1〜4のいずれかのゴムを50:50(重量比)の割合で投入し、溶融、混合し、二軸押出機のL/D:30相当位置に架橋剤1を添加し、押出機中で混練下にACMを架橋せしめた。押出量は10kg/時、スクリュー回転数270rpmとし、押出ダイ中の樹脂温度が260℃±10℃の範囲に入る条件下に操業した。混練した組成物はペレットにし、乾燥後に230℃でプレス成形し、1mm厚のシートを得て評価に供した。結果を表1に示す。
【0082】比較例1〜5比較例1〜4においては、架橋剤として架橋剤6を使用した他は実施例1〜4と全く同様に組成物を調製した。比較例5においては、市販のCOPE−1を乾燥して直接プレス成形した。結果を表1に示す。
【0083】
【表1】


【0084】表1に示すとおり、本発明の架橋剤1を用いた組成物(実施例1〜4)は、エポキシ基含有アクリルゴムの代表的な架橋剤である架橋剤6を用いた比較例1〜4と比較して、50%応力で例示されるように高応力であり、優れた引張強さを与え、引張永久伸びが改良され、その結果、改良されたゴム的弾性挙動を発現する。さらに、この特性は、100℃における物性で示されるように高温においても高応力、高引張強さを示し、かつ耐油性も改良されていることが判る。圧縮永久歪も大きな改良効果を示している。
【0085】上記のように本発明で用いる架橋剤を使用して調製したコポリエステルエラストマーまたは熱可塑性コポリアミドエラストマーとエポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムからなる熱可塑性エラストマー組成物は、従来のエポキシ基含有アクリルゴムの典型的な架橋剤によっては到達し得ない顕著な特性を発現することが判る。特に、本発明の組成物は、エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴム中のGMA含有量が5.0phr以上のとき、非常に顕著に上記特性を発現する。
【0086】実施例5〜7、比較例6COPE1,ACM3および架橋剤1を使用して、COPE1とACM3との割合を種々変えて、実施例1〜4と同じ条件に熱可塑性エラストマー組成物を調製した。架橋剤1の量はACM3のエポキシ基量に準じて変えた。各組成物の評価結果を表2に示す。
【0087】
【表2】


【0088】表2に示すとおり、本発明の組成物(実施例5〜7)は高応力、高引張強さおよび良好な引張永久伸びを与えるが、COPE1/ACM3=20/80(%)の組成(比較例6)においては、これらの特性が発現することはなく、特に伸びの低下が著しく、100%伸長を要する引張永久伸び試験では破断し、試験に供し得なかった。また、プレス成形時の流動性が悪く、得られたシートの表面肌は悪かった。
【0089】さらに、実施例7と比較例6の組成物についてプラストミルの20mmφ単軸押出機を用いて1.0mm開口径のスリットダイにより230℃で押出成形性を評価したところ、実施例7のものは押出成形可能であったが、比較例6のものからはシート状の押出物を得ることができなかった。
【0090】実施例8〜10、比較例7表3に示すCOPE、ACMおよび架橋剤の種類および割合によって、実施例1〜4と同じ条件下に熱可塑性エラストマーを調製した。各組成物を評価した結果を表3に示す。
【0091】
【表3】


【0092】表3に示すとおり、本発明の組成物は高応力、高強度で良好な引張永久伸び及び改良された耐空気熱老化性を示すことが判る。本発明の架橋剤系は、ポリカルボン酸とイミダゾール化合物をそれぞれ個別の化合物として添加しても(実施例8)、または予め両化合物を複合塩としたうえ添加しても(実施例9,10)有効であることが判る。一方、コポリエラストマーにハロゲン系架橋点を有したアクリルゴムを、典型的なステアリン酸ナトリウムで架橋させた比較例7の組成物は本発明の組成物のような優れた特性を発現しなかった。
【0093】実施例11〜13コポリエラストマーとしてCOPE2、COPE3およびCOPA1を用い、実施例1〜4と同じ条件下に、熱可塑性エラストマー組成物を調製した。各組成物を評価した結果を表4に示す。
【0094】
【表4】


【0095】実施例11〜13および前記実施例1〜10に示されるように、本発明が意図する優れた特性をもつ熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性コポリエラストマーとして、コポリエーテルエステルエラストマー、コポリエステルエステルエラストマー、コポリエーテルイミドエステルエラストマーおよびコポリエーテルエステルアミドエラストマーのいずれを用いても得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)熱可塑性コポリエステルエラストマーまたは熱可塑性コポリアミドエラストマー30〜90重量%および(B)エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴム70〜10重量%からなり、(B)成分が分子中に少くとも2個のカルボキシル基を有する化合物および/またはイソシアヌル酸化合物とイミダゾール化合物により架橋されて分散されてなる熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項2】 熱可塑性コポリエステルエラストマーがコポリエーテルエステルエラストマー、(ポリ)ラクトン変性コポリエーテルエステルエラストマーおよびコポリエーテルイミドエステルエラストマーの中から選ばれた少くとも一種である請求項1記載の組成物。
【請求項3】 熱可塑性コポリアミドエラストマーがコポリエーテルエステルアミドエラストマーおよびコポリエステルアミドエラストマーの中から選ばれた少くとも一種である請求項1記載の組成物。
【請求項4】 エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムが、エポキシ基として、グリシジル(メタ)アクリレートおよびアリルグリシジルエーテルの中から選ばれた少くとも一種のエポキシ基含有単量体から導かれる単位を含有している請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】 エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムがエポキシ基含有単量体から導かれる単位を1〜15重量%含有している請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】 エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムが分子中に少くとも2個のカルボキシル基を有する化合物および/またはイソシアヌル酸化合物とイミダゾール化合物との複合塩で架橋されている請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。

【公開番号】特開平5−25375
【公開日】平成5年(1993)2月2日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−203889
【出願日】平成3年(1991)7月18日
【出願人】(000229117)日本ゼオン株式会社 (1,870)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリツク・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY