説明

熱可塑性ポリウレタンおよびASAを含有する混合物

そのつど混合物(1)の全質量に対して、(A)脂肪族イソシアネートをベースとする熱可塑性ポリウレタン1質量%〜40質量%および(B)アクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(ASA)および/またはアクリロニトリル−エチレンホモもしくはコポリマー−スチレン(AES)−材料60質量%〜99質量%を、含有する混合物(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、そのつど混合物(1)の全質量に対して、有利には混合物(1)中の(A)および(B)の質量の合計に対して、(A)脂肪族イソシアネートをベースとする熱可塑性ポリウレタン1質量%〜40質量%、有利には3質量%〜30質量%、特に有利には5質量%〜25質量%および(B)アクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(ASA)および/またはアクリロニトリル−エチレンホモポリマーもしくはコポリマー−スチレン(AES)−材料、有利にはアクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(ASA)60質量%〜99質量%、有利には70質量%〜97質量%、特に有利には75質量%〜95質量%を含有する混合物(1)に関する。本発明はさらに、そのつど混合物(1)の全質量に対して、有利には混合物(1)中の(A)および(B)の質量の合計に対して、(A)脂肪族イソシアネートをベースとする熱可塑性ポリウレタン1質量%〜40質量%、有利には3質量%〜30質量%、特に有利には5質量%〜25質量%および(B)アクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(ASA)および/またはアクリロニトリル−エチレンホモポリマーもしくはコポリマー−スチレン(AES)−材料、有利にはアクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(ASA)60質量%〜99質量%、有利には70質量%〜97質量%、特に有利には75質量%〜95質量%を含有する混合物(1)を含有するフィルムにより被覆された材料に関する。本発明はさらに、(A)脂肪族イソシアネートをベースとする熱可塑性ポリウレタンおよび(B)アクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(ASA)および/またはアクリロニトリル−エチレンホモポリマーもしくはコポリマー−スチレン(AES)−材料、有利にはアクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(ASA)−材料を含有する混合物(1)により、有利にはフィルムの形で、有利には目視可能な表面上に被覆した、任意の大きさの自動車またはトラック、ユーティリティー車両、芝刈り機、トラクター、オートバイ、スノーモービル、スキージェット、ボート、キャンピングカー、有利には自動車の車体部材、特にルーフ、テールゲート、フェンダー、ドア、トランクルームのカバー、エンジンカバー、および/または木材、例えば無垢板またはチップボード、有利には家具、または住宅の建築材料、例えば住宅の壁、窓枠、バルコニーに関する。本発明はさらに、(A)脂肪族イソシアネートをベースとする熱可塑性ポリウレタン(TPU)および(B)アクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(ASA)および/またはアクリロニトリル−エチレンホモポリマーまたはコポリマースチレン(AES)材料を含有する本発明による混合物により被覆された車体部材および/または木材の製造方法に関する。
【0002】
ASAをベースとするフィルムはすでに以前から従来技術となっている。ASAをベースとするフィルムは優れた耐候性および優れた機械的特性により優れている。これらの特性の組み合わせは、ASAをベースとするフィルムがすでに、外観が損なわれることが許容されていない種々の材料、例えば木材、金属、プラスチックなどの被覆の分野で、特に屋外での適用において幅広い使用分野を見いだしたことに貢献している。フィルムによる表面の被覆は種々の方法、例えば熱成形法、焼結法、真空成形法などにより行うことができる。しかしこの優れた材料であるASAの弱点は、比較的わずかな切断点引張強さである。この特性は特に、特に際だった表面構造化、例えば鋭いエッジ、コーナーまたは突起部を有し、かつさらに変化する環境の影響下でその形状寸法を変化しうる材料の被覆の際に不利な影響を及ぼしうる。ここで例えば天候により著量の水を吸収することができる木材が挙げられる。この種の膨潤により木材は体積が倍以上となりうる。ASAで被覆した材料の体積のこのような変化により、ASAをベースとする被覆フィルムの不足した切断点引張強さに基づいて被覆中で、特に著しく表面構造化された成形部材の角および縁において亀裂が形成されうる。
【0003】
本発明は、優れた耐候性および耐引掻性を有し、種々の材料を被覆するために適切であるフィルムへきわめて良好に加工することができ、その際、切断点引張強さ/破断点伸びが、特に優れた耐光性において著しく改善されるべき材料の被覆のため、とりわけ木材または車体部材のために特に有利な被覆のためのプラスチック材料を、有利にはフィルムの形で提供するという課題に基づいている。
【0004】
前記課題は本発明により冒頭に記載した、有利には材料を被覆するため、特に被覆された車体部材および/または木材のために使用される混合物(1)により解決することができた。熱可塑性ポリウレタン(以下ではTPUともよぶ)ならびにアクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(以下ではASAともよぶ)からなる混合物は特にEP−B1121392、DD−A301057、DE−A2854407、DE−A4211415およびDE−A3938817から一般に公知である。EP−A475220は、TPU、ASAおよび熱可塑性樹脂からなる混合物からなり、きわめて良好な固有安定性、きわめて良好な耐光性、耐熱性および耐薬品性を有し、ならびにガスを発生しないフィルムを記載している。意外なことにASAおよび脂肪族TPUからなる本発明による混合物は信頼できるプロセスで製造することができ、かつフィルムへと加工することができ、その際、該混合物はASAの優れた機械的特性および耐候性により優れており、さらに純粋なASAをはるかに上回る切断点引張強さを有し、ひいては際だった表面構造化を有し、かつ天候の影響下でその形状寸法が変化しうる材料の被覆のために好適であることが判明した。
【0005】
アクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(B)は有利には次のものをベースとする:
(B1)少なくとも1のグラフトゴム10〜90質量%、これは次のものをベースとする:
(B11)次のものにより製造されたグラフトベース50〜95質量%、
(B111)少なくとも1のアクリル酸アルキルエステル70〜99.9質量%、
(B112)少なくとも1の少なくとも二官能性架橋剤0.1〜30質量%、
(B113)少なくとも1の別の共重合性モノマー0〜29.9質量%、
(B12)次のものをベースとするグラフトシェル5〜50質量%、
(B121)少なくとも1のビニル芳香族モノマー65〜90質量%、有利には70〜80質量%、
(B122)少なくとも1の極性の共重合性不飽和モノマー、有利にはアクリロニトリルおよび/またはメタクリロニトリル10〜35質量%、有利には20〜30質量%、
(B123)少なくとも1の別の共重合性コモノマー0〜25質量%、
(B2)次の成分により製造された少なくとも1のコポリマー10〜90質量%、
(B21)少なくとも1のビニル芳香族モノマー60〜85質量%、
(B22)少なくとも1の極性の共重合性不飽和モノマー15〜40質量%、
(B23)少なくとも1のコモノマー0〜9質量%
をベースとし、その際、(B1)および(B2)の質量の記載は(B)の質量に対するものであり、(B11)および(B12)の質量の記載は(B1)の質量に対するものであり、(B111)、(B112)および(B113)の質量の記載は成分(B11)に対するものであり、(B121)、(B122)および(B123)は(B12)の質量に対するものであり、かつ(B21)、(B22)および(B23)の質量の記載は(B2)の質量に対するものである。
【0006】
AES材料はポリスチレンおよびアクリロニトリルおよび場合によりその他のモノマーからなるマトリックスからなる。有利な成分Bに関する上記の記載に関して、AES材料は成分B11においてASA材料とは異なっており、該成分はAES材料の場合、エチレンホモ−もしくはコポリマーをベースとしうる。コポリマーとして例えばC〜C20−α−オレフィン、有利にはC〜C−α−オレフィンが考えられる。AESプラスチックは、Handbuch der Technischen Polymerchemie、VCH Verlag、1993年、特に第490頁に適切な組成で詳細に、ならびにその製造方法に関して記載されている。
【0007】
本発明により被覆した材料として一般に公知の材料、例えば金属、例えば鉄、鋼、アルミニウム、銅、スズ、有利には鋼、鉄および/またはアルミニウム、プラスチック、例えばカーボンファイバー、ポリスチレン、ポリウレタン、スチレンコポリマー、場合により発泡されている、および/またはガラス繊維により強化されていてもよいPVC、木質材料、例えばそれぞれ公知の種類の木材、例えば硬質木材および/または軟質木材をベースとする無垢板またはチップボード、プラスチック−木材−複合材料、プラスチック−天然繊維−複合材料または天然の材料、たとえば天然繊維をベースとするその他の材料が考えられる。
【0008】
例えば被覆した材料として次の製品が考えられる:自動車、バス、トラック、オートバイ、自転車、航空機、船舶、電気もしくは電子機器、家庭用機器、玩具、家具のすべての公知の平面状もしくは圧縮された物品および個別部材、例えば車体部材、カバー、グリップ、ライニング、支持部材、屋根、床、ドア、太陽発電装置、任意の種類の電子もしくは電気機器、アンテナ装置、電気通信、エアコン装置が考えられる。考えられる製品は例えばWO00/61664、第15頁に記載されている。
【0009】
本発明により被覆された材料、特に車体部材および/または木材は有利には、本発明による混合物(1)を押し出してフィルムにし、かつ該フィルムを熱成形法、焼結法、積層法および/または真空成形により、被覆すべき表面上に適用するか、またはカレンダリング、射出成形または公知の積層技術により被覆を実施して製造することができる。混合物(1)を含有するフィルムは有利には0.01mm〜2.5mm、特に有利には0.04mm〜0.5mmの厚さを有する。押出および/またはその他の、上記の方法によるフィルムの製造は一般に公知であり、かつ文献に詳細に記載されている。有利にはフィルムを一般に公知の熱成形法、焼結法、真空成形法により、および/または積層により、被覆すべき材料、つまり被覆すべき表面、特に木材表面上に施与することができる。本発明により特に有利な車体部材、特に自動車またはトラックの、特に屋根、テールゲート、フェンダー、ドア、トランクルームのカバー、エンジンカバーは、公知の金属、例えば鋼、アルミニウム、鉄および/または場合により発泡されている、および/またはガラス繊維により強化されていてもよいプラスチックをベースとする支持体であってよい。車体部材のために混合物(1)を含有するフィルムで被覆される支持体としてプラスチックが有利である。従って車体部材が、混合物(1)を含有するフィルムにより被覆されているプラスチックをベースとする支持体を有する車体部材もまた有利である。車体部材の場合、フィルムによる支持体の被覆は例えば、文献に詳細に記載されている、すでに記載した方法により行うことができる。混合物(1)を含有する本発明によるフィルムは着色されていてもよい。さらに、フィルムで被覆された車体もしくは木材の部材を、例えば一般に公知の塗料により、一般に公知の方法によって塗装することも可能である。本発明による混合物(1)、有利には本発明による混合物(1)を含有するフィルムは有利にはISO527/3により、有利には屋外暴露(有利には1000時間キセノン1200cps、ISO4892−2A)の前および後で、>20%の切断点引張強さを有する。本発明による混合物(1)、有利には本発明による混合物(1)を含有するフィルムは、有利にはDIN6174によるdE全色差(total color difference)により測定して、ISO4892−2Aによるキセノン試験1200cpsで1000時間後に、<6の黄色度を有し、パステルを含む明るくない色の場合、特に有利には<4、鮮やかな色の場合、有利には<6を有する。
【0010】
本発明による混合物中に含有されている成分についてはさらに以下のことを詳細に説明することができる:
TPU(A)として本発明による混合物中では一般に、公知の方法により(a)イソシアネートと、(b)イソシアネートに対して反応性の化合物および場合により(c)鎖長延長剤とを、場合により(d)触媒および/または(e)助剤および/または添加剤の存在下に反応させることにより製造することができる、脂肪族イソシアネートをベースとする通例のTPUを使用することができ、その際、成分(a)のイソシアネート対成分(b)および場合により(c)のイソシアネートに対して反応性の基の合計の比は通常1:0.9〜1:1.1である。
【0011】
a)イソシアネート(a)として本発明によれば脂肪族および/または脂環式ジイソシアネートが考えられる。個別的には例えば次のものが挙げられる:脂肪族ジイソシアネート、例えばヘキサメチレン−ジイソシアナト−1,6、2−メチル−ペンタメチレン−ジイソシアナト−1,5、2−エチル−ブチレン−ジイソシアナト−1,4または前記のC−アルキレン−ジイソシアネート、ペンタメチレン−ジイソシアナト−1,5およびブチレン−ジイソシアナト−1,4の少なくとも2からなる混合物、脂環式ジイソシアネート、例えば1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,4−および/または1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、1,4−シクロヘキサン−ジイソシアネート、1−メチル−2,4−および−2,6−シクロヘキサン−ジイソシアネートならびに相応する異性体混合物、4,4′−、2,4′−および2,2′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートならびに相応する異性体混合物。特に有利であるのはヘキサメチレン−ジイソシアナト−1,6(HDI)である。
【0012】
b)イソシアネートに対して反応性の物質(b)として、例えば500〜8000の分子量を有するポリヒドロキシル化合物、有利には公知のポリエーテロールおよび/またはポリエステロールが適切である。しかしエステル交換により製造され、上記の分子量を有するヒドロキシル基を有するポリマー、例えばポリアセタール、例えばポリオキシメチレンおよび特に水不溶性のホルマール、例えばポリブタンジオールホルマールおよびポリヘキサンジオールホルマール、および脂肪族ポリカーボネート、特にジフェニルカーボネートおよびヘキサンジオール−1,6もまた考えられる。
【0013】
TPUを製造するための混合物もしくはTPUは通常、少なくとも主として二官能性の、イソシアネートに対して反応性の物質をベースとする、つまり成分(d)の平均的な官能価は有利には1.8〜2.6、特に有利には1.9〜2.2である。従ってTPUは主として非分枝鎖状に、つまり主として架橋しないで構成されている。
【0014】
有利にはOH基の50%以上、好ましくは60〜100%が第一ヒドロキシル基であり、かつエチレンオキシドの少なくとも一部は末端のブロックとして配置されているプロピレンオキシド−1,2およびエチレンオキシドをベースとするポリエーテロールおよび特にポリオキシテトラメチレングリコール(ポリテトラヒドロフラン)を使用する。
【0015】
TPUの場合に実質的に線状のポリエーテロールは通常、500〜8000、有利には600〜6000および特に800〜3500の分子量を有する。これらは単独で、あるいはまた相互に混合物として適用することができる。
【0016】
適切なポリエステロールは例えば2〜12の炭素原子、有利には4〜8の炭素原子を有する通常のジカルボン酸、例えばコハク酸、グルタル酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸および/またはテレフタル酸および公知の多価アルコール、例えばエタンジオール、プロパンジオール−1,3、ブタンジオール−1,4、ペンタンジオール−1,5、ヘキサンジオール−1,6、デカンジオール−1,10、2,2−ジメチルプロパンジオール−1,3、プロパンジオール−1,2、ジエチレングリコールおよび/またはジプロピレングリコールから製造することができる。
【0017】
さらに炭酸と前記のジオール、特に4〜6の炭素原子を有するジオール、例えばブタンジオール−1,4および/またはヘキサンジオール−1.6とのエステル、ω−ヒドロキシカルボン酸、例えば(ω−ヒドロキシカプロン酸)の縮合生成物および有利にはラクトン、例えば場合により置換されたω−カプロラクトンの重合生成物が適切である。
【0018】
ポリエステロールとして有利にはアルキル基中に2〜6の炭素原子を有するアルカンジオール−ポリアジペート、たとえばエタンジオール−ポリアジペート、1,4−ブタンジオール−ポリアジペート、エタンジオール−ブタンジオール−1,4−ポリアジペート、1,6−ヘキサンジオール−ネオペンチルグリコール−ポリアジペート、ポリカプロラクトンおよび特に1,6−ヘキサンジオール−1,4−ブタンジオール−ポリアジペートを使用する。
【0019】
ポリエステロールは有利には500〜6000、特に有利には800〜3500の分子量(質量平均)を有する。
【0020】
c)通常60〜499、有利には60〜300の分子量を有する鎖長延長剤(c)として、有利には2〜12の炭素原子を有する、有利には2、4または6の炭素原子を有するアルカンジオール、例えばエタンジオール、ヘキサンジオール−1,6、および特にブタンジオール−1,4およびジアルキレンエーテルグリコール、例えばジエチレングリコールおよびジプロピレングリコールが考えられる。しかし2〜4の炭素原子を有するアルカンジオール、たとえばテレフタル酸−ビス−エタンジオールまたは−ブタンジオール−1,4とテレフタル酸とのジエステル、ヒドロキノンのヒドロキシアルキレンエーテル、例えば1,4−ジ−(β−ヒドロキシエチル)−ヒドロキノン、(環式)脂肪族ジアミン、例えば4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノ−メチル−シクロヘキサン、エチレンジアミン、1,2−、1,3−プロピレン−ジアミン、N−メチル−プロピレンジアミン−1,3、N,N′−ジメチルエチレンジアミンおよび芳香族ジアミン、例えば2,4−および2,6−トルイレン−ジアミン、3,5−ジエチル−2,4−および−2,6−トルイレン−ジアミンおよび第一、o−ジ−、−トリ−および/または−テトラアルキル置換された4,4′−ジアミノ−ジフェニルメタンもまた適切である。鎖長延長剤として有利にはアルキレン基中に2〜6の炭素原子を有するアルカンジオール、特に4〜8の炭素原子を有するブタンジオール−1,4および/またはジアルキレングリコールを使用する。
【0021】
TPUの通常の硬度およびTPUの融点を調節するために構造成分(b)および(c)は通常、1:0.8〜1:10、有利には1:1〜1:6.4の(b):(c)のモル比で変化し、その際、TPUの硬度および融点はジオールの含有率の増加と共に上昇する。
【0022】
有利にはTPUは次のものをベースとする:
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)および/またはヘキサメチレンジイソシアネート、(b)ポリオキシテトラメチレングリコール、プロピレンオキシド−1,2およびエチレンオキシドをベースとするポリエーテロールおよび/またはアルキレン基中に2〜6の炭素原子を有するアルカンジオールポリアジペートをベースとするポリエステロールならびに(c)エタンジオール−1,2、ブタンジオール−1,4、エタンジオールおよび/またはヘキサンジオール−1,6を使用し、その際、成分(a)のイソシアネート基対成分(b)および(c)のイソシアネートに対して反応性の基の合計の比は有利には1:0.9〜1:1.1であり、かつ(b)および(c)は特に有利には1:1〜1:6.4の(b):(c)のモル比で使用する。
【0023】
ジイソシアネート(a)のNCO基と、構成成分(b)および(c)のヒドロキシル基との間の反応を促進する適切な触媒は従来技術から公知であり、かつ通常の第三アミン、例えばトリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N,N′−ジメチルピペラジン、2−(ジメチルアミノエトキシ)−エタノール、ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタンおよび類似のものならびに特に有機金属化合物、例えばチタン酸エステル、鉄化合物、例えば鉄(III)アセチルアセトナト、スズ化合物、例えば二酢酸スズ、ジオクタン酸スズ、ジラウリン酸スズまたは脂肪族カルボン酸のスズジアルキル塩、例えばジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートなどである。触媒は通常、ポリヒドロキシ化合物(b)100部あたり、0.002〜0.1部の量で使用する。
【0024】
e)触媒以外に構成成分に通常の助剤および/または添加剤(e)を添加することができる。例えば表面活性物質、充填剤、難燃剤、核形成剤、酸化遅延剤、安定剤、滑剤および離型剤、着色剤および顔料、防止剤、加水分解、光、熱または変色に対する安定剤、着色剤、無機および/または有機充填剤、強化剤および可塑剤が挙げられる。
【0025】
上記の助剤および添加剤に関するより詳細な記載は専門書に記載されている。
【0026】
有利にはさらに(a)と並んで成分(b)もまた芳香族構造を有しておらず、特に有利にはTPUの成分(a)〜(e)は芳香族化合物を含有しない。
【0027】
例えば記載された出発成分からのTPUの製造は一般に公知であり、かつ多様に記載されている。例えば(a)、(b)および場合により(c)、(d)および/または(e)を含有する反応混合物を公知のワンショット法またはプレポリマー法により、例えば反応押出機中で、および/または通例のバンド型装置上で反応させることができる。このようにして製造したTPUを引き続きペレット化または造粒し、かつ成分Bと共に本発明による、有利には均質な混合物へと加工することができる。
【0028】
有利にはTPU AもしくはAおよびBを含有する混合物は、熱可塑性ポリウレタンを(a)イソシアネートと、(b)イソシアネートに対して反応性の、および場合により(c)鎖長延長剤とを場合により(d)触媒および/または(e)助剤および/または添加剤の存在下に請求項1記載のB1、B2またはBの存在下に反応させることにより製造し、かつ場合により引き続き(反応をB1またはB2の存在下に、およびB1およびB2を含有する成分Bの非存在下に実施する場合には)、反応の間に、不足している成分B1またはB2を反応生成物に添加して製造することができる。B1、B2またはBの存在下でのAの製造は有利には通常の条件下に反応押出機中で行うことができる。例えばB1、B2またはBを反応押出機のホッパに充填し、かつ同時に、および/または押出機の後の箇所でAを製造するための原料を別々に、または個々に、有利には強力に攪拌しながら添加することができる。
【0029】
このようにして得られる混合物は同様に明らかに改善された特性を有する。
【0030】
成分Bの原料および製造法については例えば次のことを詳細に説明することができる。
【0031】
アクリル酸エステル−ポリマーB11を製造するためのモノマーB111として有利には通常1〜8の炭素原子を有するアクリル酸アルキルエステル、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、特に有利にはアルキル基中に4〜8の炭素原子を有するもの、特にアクリル酸−n−ブチルエステル、および/またはアクリル酸エチルヘキシルエステルが考えられる。アクリル酸エステルはグラフトベースB11を製造する際に単独で、または混合物として使用することができる。
【0032】
少なくとも二官能性の、有利には2〜3官能性の架橋剤B112として、例えば1,3−位で共役結合していない2以上の共重合可能なエチレン性二重結合を有するモノマーが適切である。
【0033】
適切な架橋モノマーは例えばジビニルベンゼン、ジアリルマレエート、ジアリルフマレートおよび/またはジアリルフタレート、有利にはトリシクロデセニルアルコールのアクリル酸エステルおよび/またはトリシクロペンタジエニルアクリレートならびにアリル(メタ)アクリレートである。
【0034】
可能なその他の、共重合性モノマーB113として例えば次の化合物を使用することができる:スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、アクリルアミドおよび/またはビニルメチルエーテル。
【0035】
グラフトベースB11上にグラフトされたシェルB12を製造するために、ビニル芳香族モノマーB121として、有利にはスチレンおよび/またはスチレン誘導体、例えばスチレン、アルキルスチレン、有利にはα−メチルスチレンおよび/または核アルキル化されたスチレン、例えばp−メチルスチレンおよび/またはt−ブチルスチレンが適切である。
【0036】
極性の共重合性の不飽和モノマーB122のための例はアクリロニトリルおよび/またはメタクリロニトリルである。
【0037】
可能な別の、共重合性モノマーB123として、例えば次の化合物を使用することができる:アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、フェニルマレイミド、アクリルアミドおよび/またはビニルメチルエーテル。
【0038】
さらにB1、B11および/またはB12の製造の際に通常の助剤および/または添加剤、例えば乳化剤、例えばアルキルスルホン酸またはアルキルアリールスルホン酸のアルカリ塩、アルキル硫酸塩、脂肪アルコールスルホン酸塩、10〜30の炭素原子を有する高級脂肪酸の塩または樹脂石けん、重合開始剤、例えば通常の過硫酸塩、例えば過硫酸カリウムまたは公知のレドックス系、重合助剤、例えば有利に6〜9のpH値を調整する通常の緩衝物質、例えば重炭酸ナトリウムおよび/またはピロリン酸ナトリウム、および/または分子量調節剤、例えばメルカプタン、テルピノールおよび/または二量体のα−メチルスチレンを使用することができ、その際、分子量調節剤は反応混合物の質量に対して通常は0〜3質量%の量で使用する。
【0039】
ASA材料の製造は一般に専門書から公知であり、かつ例えばDE−A1260135、第3〜4頁、第13〜23行目およびUS3055859、第2〜4頁、第62〜10行目ならびに2工程のグラフトに関してはDE−A3149358、第6〜8行目、第16〜5行目およびDE−A3227555、第6〜8行目、第16〜5行目に記載されている。その際、本発明によるASA材料の製造のためにまずグラフトベースB11として使用されるゴム状のアクリル酸エステル−ポリマーを例えばB111の乳化重合により、例えばB111および少なくとも二官能性の架橋剤B112ならびに場合によりB113を例えば水性エマルション中で自体公知の方法により20〜100℃、有利には50〜80℃の温度で重合することにより製造することができる。その際に生じるポリアクリル酸エステルのラテックス上に、ビニル芳香族モノマーB121と極性の共重合性の不飽和モノマーB122ならびに場合によりB123の混合物をグラフトし、その際、グラフト共重合は同様に水性エマルション中で実施する。
【0040】
ゴム弾性成分B11は、EP−B534212、第4〜5頁、第46〜43行目に記載されているように、硬質の、場合によりB12で挙げたモノマーにより架橋した、B12に関してあげたモノマーから構成されている核にグラフトすることができる。
【0041】
これは有利には>25℃のガラス転移温度を有する硬質の核であり、その際、核B12の割合はすでに記載したように、B1の質量に対して5〜50質量%である。
【0042】
もう1つの特に有利な実施態様では、グラフトをDE−A3149358、第6〜8頁、第16〜5行目もしくはDE−A3227555、第6〜8頁、第16〜5行目により2工程で行うことができ、その際、まずビニル芳香族モノマーB121をグラフトベースB11の存在下で重合することができる。次いで第二工程で少なくとも1のビニル芳香族モノマーB121および少なくとも極性の、共重合性モノマーB122ならびに場合によりB123を含有する混合物を用いてグラフト共重合を実施することができる。使用される、およびASA材料中に含有されている量の種々の成分はすでに冒頭に記載されている。
【0043】
良好な機械的特性を有するASA材料を得るためにグラフトベースとして使用されるポリアクリル酸エステルは架橋されている、つまりアクリル酸エステルの重合によるその製造は、少なくとも2官能性の架橋性モノマーB112の存在下で行われる。
【0044】
グラフトベースB11の粒径は有利には0.04〜10μm、特に有利には0.05〜2μm、特に0.07〜1μmである。グラフトゴムB1の粒径は有利には0.05〜15μm、特に有利には0.06〜5μm、特に0.08〜1.2μmである。
【0045】
本発明による混合物中に付加的に含有されている、硬質マトリックスと見なすことができる成分B2は、本発明によれば成分B21、B22および場合によりB23をベースとする。
【0046】
成分B21として例えば次のモノマーを使用することができる:一般に公知のビニル芳香族モノマー、有利にはスチレンおよび/またはスチレン誘導体、例えばスチレン、アルキルスチレン、有利にはα−メチルスチレンおよび環アルキル化されたスチレン、例えばp−メチルスチレンおよび/またはt−ブチルスチレン。
【0047】
例えば次のモノマーを成分B22として使用することができる:一般にこの目的のために公知の極性の、共重合性不飽和モノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アルキル基中に1〜4の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、メチルメタクリレートおよび/またはエチルメタクリレート、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、アクリルアミドおよび/またはビニルメチルエーテル、有利にはアクリロニトリルおよび/またはメタクリロニトリル。
【0048】
場合によりさらにB2中に含有されている成分B23として例えば一般にこの目的のために公知のモノマー、例えばエチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレートおよび/またはアルキルアクリルアミドを使用することができる。
【0049】
B2の製造は、一般に公知の方法により、例えばDE−A3149358、第9頁、第18〜32行目およびDE−A3227555、第9頁、第18〜32行目に記載されているように、例えば一般に公知のB21、B22および場合によりB23の塊状、溶液、懸濁液または水性エマルション中、通常の温度および圧力で、例えばKunststoff−Handbuch、Vieweg−Daumiller、第V巻(ポリスチレン)、Carl−Hanser−Verlag、Muenchen1969、第124頁、第12行目以下に記載されている、公知の装置中で一般に公知の共重合することによって実施することができる。
【0050】
本発明による混合物中に含有されている成分B1およびB2は熱可塑性ポリウレタンAと混合する前に強力に攪拌することができる。有利には成分をこのために適切な装置(押出機、混練機、射出成形装置、プレス、カレンダーなど)中で高めた温度、有利には170〜250℃、特に180〜230℃で混合する。
【0051】
本発明による車体部材および/または木材は有利には(A)および(B)に加えて助剤および/または添加剤を含有していてもよい。特に有利であるのは、AおよびBを50質量%〜99.9質量%、特に50質量%〜99質量%および添加剤を0.1質量%〜50質量%、特に1質量%〜50質量%含有する本発明による混合物(1)であり、質量の記載はそのつど混合物(1)の全質量に対するものである、つまり混合物(1)中のA、Bおよび添加剤の質量の合計に対するものである。添加剤として例えば可塑剤、帯電防止剤、光安定剤、滑剤、発泡剤、定着剤、その他の相容性の熱可塑性プラスチック、例えばポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、充填剤、表面活性物質、難燃剤、着色剤および顔料、酸化、加水分解、光、熱または変色に対する安定剤および/または強化剤が含有されていてもよい。これらの添加剤はすでに記載したように、すでにTPUの製造の際に使用することも、また混合物の製造の際に成分(A)および/または(B)に添加することもできる。
【0052】
光安定剤としてすべての通例の光安定剤、例えばベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ケイ皮酸、有機ホスフィットおよびホスホニットならびに立体障害アミンをベースとする化合物を使用することができる。
【0053】
滑剤として例えば炭化水素、例えば油、パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、6〜20の炭素原子を有する脂肪アルコール、ケトン、カルボン酸、例えば脂肪酸、モンタン酸または酸化ポリエチレンワックス、カルボン酸アミドならびに例えばアルコール、エタノール、脂肪アルコール、グリセリン、エタンジオール、ペンタエリトリットおよび酸成分としての長鎖のカルボン酸とのカルボン酸エステルが考えられる。
【0054】
安定剤として通例の酸化防止剤、例えばフェノール性酸化防止剤、例えばアルキル化モノフェノール、b−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル−プロピオン酸および/またはベンゾトリアゾールのエステルおよび/またはアミドを使用することができる。例えば可能な酸化防止剤はEP−A698637およびEP−A669367に言及されている。具体的にはフェノール性酸化防止剤として2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、ペンタエリトリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネートおよびN,N′−ジ−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル−プロピオニル)−ヘキサメチレンジアミンが言及されている。上記の安定剤は単独で、または混合物として使用することができる。
【0055】
成分(A)および(B)の混合物の場合、これらは有利には流動性の、軟化した、もしくは溶融した状態で存在する。成分の均質な混合は有利には(A)および(B)の融点を超える温度で行う。通常、成分の混合を行う温度は160〜250℃、有利には190〜240℃、特に有利には200〜235℃である。均質な生成物への成分の混合は、加熱および攪拌、混練またはロール練りのための装置を有する通常の装置により、連続的にまたは不連続的に、有利には脱気しながら実施することができる。有利には成分(A)および(B)の混合は、通常の押出機中で行い、その際、成分AおよびBは混合されていても、単独で、例えば完全にホッパを介して押出機に導入するか、または部分的に、押出機の後の箇所で溶融した、もしくは固体の、押出機中に存在する生成物へ導入することができる。
【0056】
有利には成分および特にTPUは、加工前に乾燥させる。特に有利な方法では成分B1およびB2を別々に前混合し(有利には押出機中で)、こうして製造した「コンパウンド」を引き続き成分Aと、上記の条件下で混合する。
【0057】
溶融混合された成分は有利には引き続き冷却し、かつ同時に、または場合により部分的に冷却を行った後で粉砕し、かつ特に造粒する。こうして得られた生成物をさらに加工するために射出成形、押出成形、カレンダリング、プレス、吹き込み成形などにより、特に押出成形によりフィルムとする。
【0058】
これらの利点を以下の実施例に基づいて記載する。
【0059】
実施例:
実施例中で第1表に記載されている出発成分は通常の二軸スクリュー押出機により約210℃の溶融温度で混合物へと加工する。比較例1および例1に記載の混合物により、一軸スクリュー押出機、30Dを用いた押出により、溶融温度190〜240℃およびその他は通例の条件で厚さ0.250mmのフィルムを製造した。
【0060】
【表1】

【0061】
第2表には製造されたフィルムの特性が記載されている。機械的な測定はISO527/3により、かつキセノン1200 ISO4892/2により行った。
【0062】
【表2】

【0063】
実施例の比較に基づいて、本発明によれば切断点引張強さを、人工的な屋外暴露の後でも20%より大きい値へと明らかに改善することができたことが明らかである。
【0064】
色の測定はDIN6174およびキセノン1200 ISO4892/2により実施した。
【0065】
【表3】

【0066】
屋外暴露の際の安定性を記載する重要なパラメータは全色偏差(total color deviation)であり、第3表中ではDEで記載されている。これは1000時間後でも明らかに4を下回っていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
そのつど混合物(1)の全質量に対して、(A)脂肪族イソシアネートをベースとする熱可塑性ポリウレタン1質量%〜40質量%および(B)アクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(ASA)および/またはアクリロニトリル−エチレンホモもしくはコポリマー−スチレン(AES)−材料60質量%〜99質量%を含有する混合物(1)。
【請求項2】
そのつど混合物(1)の全質量に対して、(A)脂肪族イソシアネートをベースとする熱可塑性ポリウレタン1質量%〜40質量%および(B)アクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(ASA)および/またはアクリロニトリル−エチレンホモもしくはコポリマー−スチレン(AES)−材料60質量%〜99質量%を含有する混合物(1)により被覆した材料。
【請求項3】
(A)脂肪族イソシアネートをベースとする熱可塑性ポリウレタンおよび(B)アクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(ASA)および/またはアクリロニトリル−エチレンホモもしくはコポリマー−スチレン(AES)−材料を含有する混合物(1)により被覆した車体部材および/または木材。
【請求項4】
混合物(1)が、そのつど混合物(1)の全質量に対して、(A)を1質量%〜40質量%および(B)を60質量%〜99質量%含有することを特徴とする、請求項3記載の車体部材および/または木材。
【請求項5】
熱可塑性ポリウレタンがイソシアネート(a)としてヘキサメチレンジイソシアネートをベースとすることを特徴とする、請求項3記載の車体部材および/または木材。
【請求項6】
アクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(B)が、
(B1)少なくとも1のグラフトゴム10〜90質量%、これは次のものをベースとする:
(B11)次のものにより製造されたグラフトベース50〜95質量%、
(B111)少なくとも1のアクリル酸アルキルエステル70〜99.9質量%、
(B112)少なくとも1の少なくとも二官能性架橋剤0.1〜30質量%、
(B113)少なくとも1の別の共重合性モノマー0〜29.9質量%、
(B12)次のものをベースとするグラフトシェル5〜50質量%、
(B121)少なくとも1のビニル芳香族モノマー65〜90質量%、有利には70〜80質量%、
(B122)少なくとも1の極性の共重合性不飽和モノマー、有利にはアクリロニトリルおよび/またはメタクリロニトリル10〜35質量%、有利には20〜30質量%、
(B123)少なくとも1の別の共重合性コモノマー0〜25質量%、
(B2)次の成分により製造された少なくとも1のコポリマー10〜90質量%、
(B21)少なくとも1のビニル芳香族モノマー60〜85質量%、
(B22)少なくとも1の極性の共重合性不飽和モノマー15〜40質量%、
(B23)少なくとも1のコモノマー0〜9質量%
をベースとし、その際、(B1)および(B2)の質量の記載は(B)の質量に対するものであり、(B11)および(B12)の質量の記載は(B1)の質量に対するものであり、(B111)、(B112)および(B113)の質量の記載は成分(B11)に対するものであり、(B121)、(B122)および(B123)は(B12)の質量に対するものであり、かつ(B21)、(B22)および(B23)の質量の記載は(B2)の質量に対するものであることを特徴とする、請求項3記載の車体部材および/または木材。
【請求項7】
混合物(1)が(A)および(B)に加えて、混合物(1)の全質量に対して1質量%〜50質量%の添加剤を含有することを特徴とする、請求項3記載の車体部材および/または木材。
【請求項8】
車体部材が、混合物(1)を含有するフィルムで被覆されているプラスチックをベースとする支持体を有することを特徴とする、請求項3から7までのいずれか1項記載の車体部材。
【請求項9】
請求項3から7までのいずれか1項記載の混合物(1)により被覆した家具。
【請求項10】
請求項3から7までのいずれか1項記載の混合物(1)により被覆した車体部材および/または木材の製造方法において、該混合物を押し出してフィルムとし、かつ該フィルムを熱成形法、焼結法、積層法および/または真空成形法によって、被覆すべき表面上に適用することを特徴とする、請求項3から7までのいずれか1項記載の混合物(1)により被覆した車体部材および/または木材の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)脂肪族イソシアネートをベースとする熱可塑性ポリウレタンおよび(B)アクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(ASA)を含有する混合物(1)により被覆された車体部材および/または木材において、アクリロニトリル−スチレン−アクリルエステル−コポリマー(B)が、
(B1)少なくとも1のグラフトゴム10〜90質量%、これは次のものをベースとする:
(B11)次のものにより製造されたグラフトベース50〜95質量%、
(B111)少なくとも1のアクリル酸アルキルエステル70〜99.9質量%、
(B112)少なくとも1の少なくとも二官能性の架橋剤0.1〜30質量%、
(B113)少なくとも1の別の共重合性モノマー0〜29.9質量%、
(B12)次のものをベースとするグラフトシェル5〜50質量%、
(B121)少なくとも1のビニル芳香族モノマー65〜90質量%、有利には70〜80質量%、
(B122)少なくとも1の極性の共重合性不飽和モノマー、有利にはアクリロニトリルおよび/またはメタクリロニトリル10〜35質量%、有利には20〜30質量%、
(B123)少なくとも1の別の共重合性コモノマー0〜25質量%、
(B2)次の成分により製造された少なくとも1のコポリマー10〜90質量%、
(B21)少なくとも1のビニル芳香族モノマー60〜85質量%、
(B22)少なくとも1の極性の共重合性不飽和モノマー15〜40質量%、
(B23)少なくとも1のコモノマー0〜9質量%
をベースとし、その際、(B1)および(B2)の質量の記載は(B)の質量に対するものであり、(B11)および(B12)の質量の記載は(B1)の質量に対するものであり、(B111)、(B112)および(B113)の質量の記載は成分(B11)に対するものであり、(B121)、(B122)および(B123)は(B12)の質量に対するものであり、かつ(B21)、(B22)および(B23)の質量の記載は(B2)の質量に対するものであることを特徴とする、混合物(1)により被覆された車体部材および/または木材。
【請求項2】
混合物(1)が、その都度混合物(1)の全質量に対して、(A)を1質量%〜40質量%および(B)を60質量%〜99質量%含有することを特徴とする、請求項1記載の車体部材および/または木材。
【請求項3】
熱可塑性ポリウレタンがイソシアネート(a)としてヘキサメチレンジイソシアネートをベースとすることを特徴とする、請求項1記載の車体部材および/または木材。
【請求項4】
混合物(1)が(A)および(B)に加えて、混合物(1)の全質量に対して1質量%〜50質量%の添加剤を含有することを特徴とする、請求項1記載の車体部材および/または木材。
【請求項5】
車体部材が、混合物(1)を含有するフィルムで被覆されているプラスチックをベースとする支持体を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の車体部材。
【請求項6】
請求項1から4までのいずれか1項記載の混合物(1)により被覆した家具。
【請求項7】
請求項1から4までのいずれか1項記載の混合物(1)により被覆した車体部材および/または木材の製造方法において、該混合物を押し出してフィルムとし、かつ該フィルムを熱成形法、焼結法、積層法および/または真空成形法によって、被覆すべき表面上に適用することを特徴とする、混合物(1)により被覆した車体部材および/または木材の製造方法。

【公表番号】特表2006−526040(P2006−526040A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505373(P2006−505373)
【出願日】平成16年5月5日(2004.5.5)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004749
【国際公開番号】WO2004/098878
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】