説明

熱媒体加熱送出装置および車両用空調装置

【課題】暖房性能を維持または向上させつつ、重量低減および小型化を図るとともに、製造コストの軽減を図ることができる熱媒体加熱送出装置および車両用空調装置を提供する。
【解決手段】板状に形成され電力が供給されることにより熱を発生する発熱部20と、発熱部20を間に挟み、発熱部20との間に熱媒体が流れる隙間Sが形成されるとともに、発熱部20に対して交差する回転軸線Lまわりに回転可能に配置され、回転軸線Lに沿って延びる熱媒体が流れる中央流路を有する一対の回転部30と、発熱部20および一対の回転部30が内部に収納するとともに、中心流路と対向する位置に形成された中央開口41、回転軸線Lに対する径方向外側の位置に形成された外側開口42を有する筐体40と、一対の回転部30を回転軸線Lまわりに回転駆動する駆動部50と、が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両、特にエンジンの排熱を用いた暖房に困難が伴う電気自動車などの車両に用いて好適な熱媒体加熱送出装置および車両用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電気自動車(EV,Electric Vehiecle)、またはPHEV(Plug in Hybrid Vehiecle)では、モータのみを用いた長時間の走行が想定されるため、暖房が必要な寒冷期においては、電気ヒータを熱源とした車室内の暖房が行えることが必要となる。
【0003】
言い換えると、EVおよびPHEV(バッテリが消耗し、エンジンがONになった状態を除く。)では、エンジンの排熱を車室内の暖房に用いることができない。
電気ヒータを熱源とした車室内の暖房を行う場合、空気を直接電気ヒータで温めるタイプ、または、電気ヒータでいったん温めたクーラント(例えば水)を車室内HVACヒータコアに循環させるタイプが考えられる(例えば、特許文献1から3参照。)。
【0004】
いずれのタイプを採用しても大容量暖房となるため、電流の観点から、車両駆動用のバッテリを降圧させずに暖房運転が可能であることが求められる。
しかしながら、空気を直接電気ヒータで温める空気ヒータを用いたタイプの場合、高電圧が供給される電気ヒータが車室内に配置されるため、安全上の懸念があるという問題と、HVACが大容量空気ヒータを格納可能な構造である必要があり、従来のHVACが流用出来ないという問題がある。このため、車室外に設置した電気ヒータでいったん温めたクーラントを車室内HVACヒータコアに循環させる温水ヒータを用いたタイプが多く採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−205532号公報
【特許文献2】特許第3261796号公報
【特許文献3】特許第3112042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
温水ヒータを用いたシステム(車両用空調装置)の場合、エンジン駆動がないときには、エンジンにより駆動されるエンジン用ウォーターポンプも停止し、クーラントの循環も停止する。つまり、車室内の暖房を行うことができないため、エンジン用ウォーターポンプとは別に、専用の電動ウォーターポンプ(EWP,Electric Water Pump)を設置して、クーラントの循環を確保する必要がある。
【0007】
このようにすると、EWPおよびその周辺部品が追加されることによる機器配置上の不都合が発生するという問題があった。
さらに、部品点数の増加に伴い、温水ヒータを用いたシステムにおける製造コストの増加を招くという問題があった。
【0008】
その一方で上述のEWPは、製造コストの抑制を図るため、車両用空調装置が所定の暖房性能を発揮するために必要最低限のクーラントの循環流量を確保できるように設計される。すると温水ヒータにおける電気ヒータとクーラントとの間の熱伝達の形態は層流熱伝達となり、クーラント側の熱抵抗が大きくなる。
【0009】
すると、車両用空調装置が所定の暖房性能を発揮するために必要最低限の熱量を、電気ヒータからクーラントに与えるために、温水ヒータを大型化せざるを得なくなる。その結果、温水ヒータの配置上の制約が厳しくなるという問題、製造コストの増加という問題、および、温水ヒータの重量が増加するという問題があった。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、暖房性能を維持または向上させつつ、重量低減および小型化を図るとともに、製造コストの軽減を図ることができる熱媒体加熱送出装置および車両用空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の熱媒体加熱送出装置は、熱媒体を加熱する熱媒体加熱送出装置であって、板状に形成され電力が供給されることにより熱を発生する発熱部と、該発熱部を間に挟み、前記発熱部との間に前記熱媒体が流れる隙間が形成されるとともに、前記発熱部に対して交差する回転軸線まわりに回転可能に配置され、該回転軸線に沿って延びる前記熱媒体が流れる中央流路を有する一対の回転部と、前記発熱部および前記一対の回転部が内部に収納するとともに、前記中心流路と対向する位置に形成された中央開口、前記回転軸線に対する径方向外側の位置に形成された外側開口を有する筐体と、前記一対の回転部を前記回転軸線まわりに回転駆動する駆動部と、が設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、発熱部により熱媒体が加熱されるとともに、回転部により加熱された熱媒体が送出される。そのため、熱媒体を加熱するヒータと、熱媒体を循環させるポンプとを別々に設ける場合と比較して、熱媒体加熱送出装置の重量低減、および、小型化を図るとともに、製造コストの軽減を図ることができる。
つまり、発熱部および駆動部に電力が供給されると、発熱部から熱が発生するとともに一対の回転部が回転駆動される。発熱部と回転部との間の隙間に存在する熱媒体は、発熱部から熱を受け取り加熱される。その一方で熱媒体は、熱媒体の有する粘性により回転部の回転とともに連れまわり、径方向外側に向かって送出される。送出された熱媒体は外側開口から筐体の外に流出する。これに伴い、中央開口から筐体の中に熱媒体が流入し、発熱部と回転部との間の隙間に流入する。
【0013】
さらに、発熱部で発生した熱を効率よく熱媒体に伝達することができ、熱媒体加熱送出装置を有する暖房装置の暖房性能の向上を図ることができる。あるいは、暖房性能を維持しつつ小型化することができる。
つまり、熱媒体は静止している発熱部と回転駆動される回転部との間の隙間に存在するため、熱媒体は両者の相対運動により攪拌されて乱流状態になる。すると層流状態の熱媒体と比較して、乱流状態の熱媒体では発熱部から効率よく熱を受け取ることができるため、発熱部を有する暖房装置の暖房性能の向上を図ることができる。あるいは、暖房性能を維持しつつ小型化することができる。
【0014】
上記発明においては、前記回転部における前記発熱部と対向する面に、前記回転軸線を中心として放射状に延びるとともに、前記発熱部に向かって突出する放射凸部が設けられ、該凸部は断面視において前記発熱部側が狭い台形状に形成されていることが望ましい。
【0015】
本発明によれば、回転部が回転駆動されると、上述の隙間に存在する熱媒体は、回転部および放射凸部により攪拌され、径方向外側に向かって送出される。そのため、回転部のみの場合と比較して、熱媒体への熱の伝達効率が向上するとともに、熱媒体の送出能力が向上する。
さらに熱媒体は、断面視において台形状に形成された放射凸部によって発熱部に向かって押し出される。そのため、発熱部と回転部との間の熱媒体は、放射凸部がない場合よりも強く攪拌され、熱媒体への熱の伝達効率が向上する。
【0016】
上記発明においては、前記回転部における前記凸部が設けられた面と反対側の面には、前記回転軸線を中心として円環状に延びるとともに、前記筐体に向かって突出する円環凸部が設けられていることが望ましい。
【0017】
本発明によれば、筐体と円環凸部とが接触することとなり、筐体と、回転部における筐体と対向する面とが接触する場合と比較して、接触面積が狭くなる。そのため、回転部における回転抵抗が小さくなり、回転部が回転しやすくなる。
例えば回転部に放射凸部が設けられていると、熱媒体を発熱部に向かって押し出した反動を受けて回転部は筐体に押しつけられる。かかる場合に、筐体と、回転部における筐体と対向する面とが接触すると、摩擦抵抗が大きくなり、回転部を回転させる際に大きな駆動力が必要となる。それに対して、筐体と円環凸部とが接触する場合には、摩擦抵抗が比較的小さくなり、回転部を回転させる際に必要な駆動力が小さくなる。
【0018】
上記発明においては、前記駆動部には、前記筐体の外部に配置され、回転駆動力を発生させるモータと、前記筐体の外部に配置されるとともに、前記モータと回転駆動力の伝達が可能に接続された外部接続部と、前記筐体の内部に配置されるとともに、前記筐体を間に挟んで、前記外部接続部と回転駆動力が伝達可能とされた内部接続部と、前記筐体の内部に配置されるとともに、前記内部接続部から回転駆動力が伝達可能に接続され、前記一対の回転部における外周縁と噛み合わされる歯車部と、が設けられていることが望ましい。
【0019】
本発明によれば、駆動部を筐体の内部に配置される歯車部および内部接続部と、筐体の外部配置される外部接続部およびモータとから構成することにより、筐体における密閉性を確保しやすくなる。さらにモータと熱媒体が接触することがなくなり、モータに熱媒体に対する耐性を付与する必要がなくなる。また、モータの駆動力が減速されて回転部に伝達されるため、モータが過負荷状態となりにくく、より望ましい状態での運転が可能となる。
外部接続部と内部接続部との間の回転駆動力の伝達方法としては、磁力を利用した伝達方法を例示することができる。
【0020】
上記発明においては、前記モータおよび前記外部接続部の周囲を覆うとともに、前記モータを冷却する流体の流入口および流出口を有する収納部がさらに設けられ、前記外部接続部には、回転駆動されることにより前記流入口から前記流体を前記収納部の内部に流入させ、かつ、前記流出口から前記流体を前記収納部の内部から流出させる羽根部が設けられていることが望ましい。
【0021】
本発明によれば、羽根部を有する外部接続部が回転駆動されると、流入口から流体が収納部の内部に流入してモータを冷却した後、流出口から収納部の外部へ流出する。これにより、モータの冷却が行われる。
【0022】
本発明の車両用空調装置は、上記本発明の熱媒体加熱送出装置と、前記熱媒体と空気との間で熱交換を行う熱交換器と、前記熱媒体加熱送出装置と前記熱交換機との間で前記熱媒体を循環させる循環流路と、が設けられていることを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、上記本発明の熱媒体加熱送出装置が設けられているため、熱媒体を加熱するヒータと、熱媒体を循環させるポンプとを別々に設ける場合と比較して、車両用空調装置の重量低減、および、小型化を図るとともに、製造コストの軽減を図ることができる。
さらに、熱媒体加熱送出装置で発生した熱を効率よく熱媒体に伝達することができ、車両用空調装置の暖房性能の向上を図ることができる。あるいは、暖房性能を維持しつつ車両用空調装置を小型化することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の熱媒体加熱送出装置および車両用空調装置によれば、発熱部により熱媒体が加熱されるとともに、回転部により加熱された熱媒体が送出されるため重量低減および小型化を図るとともに、製造コストの軽減を図ることができるという効果を奏する。さらに、発熱部と回転部との間の熱媒体を攪拌して乱流状態とすることにより、熱媒体への熱伝達の効率が向上させることができ、暖房性能を維持しつつ小型化を図ることができる。あるいは、暖房性能を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用空調装置の概略構成図である。
【図2】図1の熱媒体加熱送出装置の構成を説明する模式断面視図である。
【図3】図2の熱媒体加熱送出装置の概略を説明する側面視図である。
【図4】図2の加熱モジュールの構成を説明する模式図である。
【図5】図4の加熱モジュールの構成を説明する断面視図である。
【図6】図2の回転部の構成を説明する模式図である。
【図7】図6の回転部の構成を説明する断面視図である。
【図8】図6の放射凸部の構成を説明する断面視図である。
【図9】図2の駆動部の構成を説明する部分拡大図である。
【図10】図9の外部接続部の構成を説明する模式図である。
【図11】図9の外部接続部における羽根部の構成を説明する模式図である。
【図12】図9における軸受、内部接続部および歯車部が配置される筐体の形状を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
この発明の一実施形態に係る車両用空調装置について、図1から図12を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用空調装置の概略構成図である。
車両用空調装置1は、外気または車室内空気を取り込んで温調し、それを車室内へと導く空気流路2Aを形成するためのケーシング2を備えている。
【0027】
ケーシング2の内部には、ブロア3と、冷却器(熱交換器)4と、放熱器(熱交換器)5と、エアミックスダンパ6と、が主に設けられている。さらにケーシング2の外側には、放熱器5とともに熱媒体の循環流路9を構成するタンク7および熱媒体加熱送出装置10が設けられている。
ケーシング2の下流側は、吹き出しモード切替ダンパおよびダクト(図示せず。)を介して温調された空気を車室内に吹き出す、複数の吹き出し口(図示せず。)へと接続されている。
【0028】
ブロア3は空気流路2Aの上流側から下流側にかけて順次、外気または車室内空気を吸い込んで昇圧し、それを下流側へと圧送するものである。
冷却器4はブロア3により圧送される空気を冷却するものである。さらに冷却器4は、圧縮機、凝縮器および膨張弁(図示せず。)と共に冷媒回路を構成し、膨張弁で断熱膨張された冷媒を蒸発させることにより、そこを通過する空気を冷却するものである。
【0029】
放熱器5は冷却器4を通過して冷却された空気を加熱するものである。さらに放熱器5は、熱媒体加熱送出装置10により加熱された熱媒体と、放熱器5を通過する空気との間で熱交換を行うものであって、当該空気を加温するものである。本実施形態では熱媒体加熱送出装置10とタンク7との間に放熱器5が配置されている例に適用して説明する。
エアミックスダンパ6は放熱器5を通過する空気量と放熱器5をバイパスして流れる空気量との割合を調整し、その下流側でミックスされる空気の温度を調節するか、もしくは暖房が不要な時に空気を全量放熱器5よりバイパスさせ、圧損の低減を行うものである。
【0030】
タンク7は循環流路9を循環する熱媒体の一部を一時的に貯留するものである。本実施形態では放熱器5と熱媒体加熱送出装置10との間にタンク7が配置されている例に適用して説明する。
さらに本実施形態では、熱媒体として水を用いる例に適用して説明する。
【0031】
図2は、図1の熱媒体加熱送出装置の構成を説明する模式断面視図である。図3は、図2の熱媒体加熱送出装置の概略を説明する側面視図である。
熱媒体加熱送出装置10は、熱媒体を加熱するとともに、放熱器5、タンク7を含む循環流路9において熱媒体を循環させるものでもある。
熱媒体加熱送出装置10には、図2および図3に示すように、加熱モジュール(発熱部)20と、回転部30と、一対の筐体40と、駆動部50と、収納部60と、制御部70と、が主に設けられている。
【0032】
なお、制御部70は、熱媒体加熱送出装置10と別体に設けられた構成であっても構わない。
以下の本実施形態では、熱媒体加熱送出装置10と制御部70とが一体に構成される場合に適用して説明する。
【0033】
図4は、図2の加熱モジュールの構成を説明する模式図である。図5は、図4の加熱モジュールの構成を説明する断面視図である。
加熱モジュール20は、制御部70から電力供給を受けて熱を発生し、熱媒体を加熱するものである。
加熱モジュール20には、複数のヒータ素子21と、一対の電極板22と、一対の絶縁板23と、一対の収納ケース24と、が主に設けられている。
【0034】
ヒータ素子21は、制御部70から供給された電力に基づき、熱を発生する素子である。ヒータ素子21としては、PTC素子(正特性サーミスタ素子)などの公知の素子を用いることができ、特に限定するものではない。
本実施形態では、図4に示すように、複数のヒータ素子21が平面状に配置されているとともに、回転部30と対向する領域に配置されている。なお、ヒータ素子21は図4に示すように、四角形に形成されるとともに縦横に並んで配置されていてもよいし、斜めに配置されてもよいし、あるいは、多角形に形成されて互いに隣接して配置されてもよく、特に限定するものではない。
さらに、ヒータ素子21は、図5に示すように、一対の電極板22に挟まれている。
【0035】
一対の電極板22は、制御部70から供給された電力をヒータ素子21に伝達するものである。
一対の電極板22は、図5に示すように、その間に複数のヒータ素子21を挟んで保持するとともに、ヒータ素子21と電気的に接続されている。さらに一対の電極板22は絶縁板23により挟まれている。
なお、電極板22としては公知の材料から形成されたものを用いることができ、特に限定するものではない。
【0036】
一対の絶縁板23は、図5に示すように、ヒータ素子21および電極板22と、収納ケース24との間に配置され、両者を電気的に絶縁するものであり、かつ、ヒータ素子21および電極板22をその間に挟んで保持するものである。さらに、一対の絶縁板23は収納ケースにより挟まれている。
絶縁板23としては、公知の絶縁性を有する材料、例えばアルミナなどを用いて形成することができ、特に限定するものではない。
【0037】
一対の収納ケース24は、図5に示すように、ヒータ素子21や電極板22や絶縁板23を収納するものであって、熱媒体とヒータ素子21などとの接触を防止するものである。さらに、一対の収納ケース24は、その間にヒータ素子21、電極板22および絶縁板23を挟んで保持するものである。
収納ケース24を構成するものとしては、アルミニウムなどの熱伝導率の高い金属の外面を、耐腐食性を有する材料を貼り合わせたもの(クラッドしたもの)から板状に形成されている。
【0038】
一対の収納ケース24は、5箇所に配置されたボルト25およびナット26によって一体に締結されている。つまり、収納ケース24の略中央と、四隅に配置されたボルト25およびナット26により締結されている。ボルト25およびナット26が配置される位置には、ボルト25およびナット26が配置される凹部が設けられている。
このようにボルト25およびナット26を用いて一対の収納ケース24を締結することにより、一対の収納ケース24、一対の絶縁板23、一対の電極板22、ヒータ素子21との密着が図られる。
なお、一対の収納ケース24の内部には、伝熱グリース(例えばシリコンコンパウンド、図示せず)などの熱伝達媒体が配置され、ヒータ素子21から一対の収納ケース24までの熱伝達性の向上が図られている。
【0039】
その一方、一対の収納ケース24における重ね合わせ部は、ロウ付けなどの密閉性を確保する処理が施されている。一対の収納ケース24を締結するボルト25およびナット26の部分には、液状ガスケット27または同様のシール材が配置されている。
【0040】
図6は、図2の回転部の構成を説明する模式図である。図7は、図6の回転部の構成を説明する断面視図である。
一対の回転部30は、回転駆動されることにより熱媒体を送出するものであるとともに、加熱モジュール20で発生した熱の熱媒体への伝達を促進するものでもある。
一対の回転部30は、図2に示すように、一対の筐体40の内部に配置され、かつ、回転軸線Lまわりに回転可能に支持されている。さらに一対の回転部30の間には加熱モジュール20が配置され、回転部30と加熱モジュール20との間には、熱媒体が流れる隙間Sが形成されている。
【0041】
回転部30は、図6および図7に示すように、円板状に形成されるとともに、回転軸線Lに沿って筐体40側に円柱状に突出する突出部31が設けられている。
突出部31は、筐体40の吸込口41に挿入されるものであり、回転部30を回転軸線Lまわりに回転可能に支持するものである。
回転部30には、中央流路32と、放射凸部33と、円環凸部34と、がさらに設けられている。
【0042】
中央流路32は、図2、図6および図7に示すように、回転軸線Lにそって突出部31を貫通する孔であり、熱媒体が流れる流路である。筐体40の吸込口41に流入した熱媒体は、中央流路32を経て、回転部30と加熱モジュール20との間の隙間Sに流入する。
【0043】
図8は、図6の放射凸部の構成を説明する断面視図である。
放射凸部33は、回転軸線Lを中心とする径方向外側に向かって熱媒体を送出するものであり、隙間Sにおける熱媒体を加熱モジュール20に向かって押し出し攪拌するものである。
放射凸部33は、図2、図6および図7に示すように、回転部における加熱モジュール20と対向する面に、回転軸線Lと中心として等間隔に放射状かつ直線状に延びる突出部である。さらに放射凸部33は、図8に示すように、その断面形状が加熱モジュール20に向かって(図8の下側に向かって)幅が狭くなる台形状に形成されたものである。
【0044】
円環凸部34は、回転部30と筐体40との接触部分であって、回転部30と筐体40との間の摩擦抵抗を軽減するものである。
円環凸部34は、図7に示すように、回転部30における筐体40と対向する面から筐体40に向かって(図7の左側に向かって)突出するものであって、回転軸線Lあるいは突出部31を中心とした円周上に沿って延びるものである。
【0045】
一対の筐体40は、内部に加熱モジュール20や、回転部30などを収納するとともに、熱媒体が流れる流路を構成するものである。
筐体40は、図2および図3に示すように、一端が閉じられた円筒状に形成されたものであって、一対の筐体40を組み合わせることにより、略円板状または略円柱状の形状を構成するものである。一対の筐体40の内部は密閉された空間とされ、熱媒体が漏れない構成とされている。筐体40には、加熱モジュール20および回転部30の他に、駆動部50の内部接続部53および歯車部54も配置されている。
筐体40には、吸込口(中央開口)41と、吐出口(外側開口)42と、が主に設けられている。
【0046】
吸込口41は、筐体40における回転軸線Lの位置に形成された筒状の突出部であって、熱媒体が一対の筐体40の内部に流入する開口部である。本実施形態では、一対の筐体40の内部から外部に向かって、流路断面積が狭くなる形状に形成されている場合に適用して説明するが、特に限定するものではない。
吸込口41の内部には、回転部30の突出部31が差し込まれ、回転部30が回転可能に保持されている。
【0047】
吐出口42は、筐体40における径方向外側の位置から、接線方向に沿って延びる筒状の突出部であって、一対の筐体40の内部から外部に熱媒体が流出する部分である。吐出口42が延びる方向としては、回転部30の回転方向(3における右方向)であることが好ましい。
【0048】
図9は、図2の駆動部の構成を説明する部分拡大図である。
駆動部50は、制御部70から供給された電力に基づき回転駆動力を発生させ、回転部30を回転駆動するものである。
駆動部50は、図2に示すように、一対の筐体40における径方向外側に配置されるとともに、その一部は一対の筐体40の外部に配置され、残りは一対の筐体40の内部に配置されるものである。
駆動部50には、図9に示すように、モータ51と、外部接続部52と、内部接続部53と、歯車部54と、が主に設けられている。
【0049】
モータ51は、制御部70から供給された電力に基づき回転駆動力を発生させ、回転部30を回転駆動するものである。さらにモータ51は、図9に示すように、一対の筐体40の外側であって、収納部60の内部に配置されたものである。
なお、モータ51としては公知の電動機を用いることができ、特に限定するものではない。
【0050】
外部接続部52は、モータ51により発生された回転駆動力を回転部30に伝達するものである。さらに外部接続部52は、モータ51を冷却する流体をモータ51の周りに流すものである。外部接続部52は、図9に示すように、一対の筐体40の外側であって、収納部60の内部に配置されたものである。
【0051】
図10は、図9の外部接続部の構成を説明する模式図である。図11は、図9の外部接続部における羽根部の構成を説明する模式図である。
外部接続部52には、図9から図11に示すように、ボス部52Aと、羽根部52Bと、軸受接触部52Cと、磁気継手部52Dと、が設けられている。
【0052】
ボス部52Aは、モータ51の回転軸と外部接続部52とが接続される部分であり、略円柱状に形成されたものである。
ボス部52Aの回転軸線を中心とした外側には羽根部52Bが配置され、一対の筐体40側には軸受接触部52Cと、磁気継手部52Dと、が配置されている。
【0053】
羽根部52Bは回転駆動されることにより、収納部60における流入口61から冷却流体を収納部60の内部に流入させ、流出口62から収納部60の外部へ冷却流体を流出させるものである。
羽根部52Bは、ボス部52Aから径方向外側に向かって延びる板状の部材であって、ボス部52Aを中心とする周方向に等間隔に並んで配置されたものである。言い換えると、羽根部52Bは遠心ポンプとして働くものである。
【0054】
軸受接触部52Cは、外部接続部52を回転可能に支持するものである。
具体的には、筐体40と外部接続部52との間に配置された軸受55における内輪55Aと接触するものである。つまり、軸受接触部52Cは、内輪55Aの内側に挿入される円柱状に延びる突起と、内輪55Aと対向する領域において外部接続部52から軸受55に向かって突出する段差と、から構成されたものである。当該段差は軸受55の外輪55Bと接触するものではない。
【0055】
図12は、図9における軸受、内部接続部および歯車部が配置される筐体の形状を説明する模式図である。
ここで軸受55は、図9に示すように、内輪55A、外輪55B、および、複数の転動体55Cを有する玉軸受であって、公知の形状を有するものである。
外輪55Bは、図12に示すように、筐体40における外部接続部52と対向する位置に設けられた保持部43に保持されている。保持部43は、筐体40から外部接続部52に向かって延びる略円柱状の部材であって、外輪55Bの少なくとも外周面と接触し、外輪55Bを保持するものである。なお保持部43は外輪55Bにおける筐体40側の端面と接触してもよく、特に限定するものではない。
さらに保持部43は内輪55Aと接触するものではない。
【0056】
なお軸受55は、上述のように玉軸受であってもよいし、ころ、滑り軸受であってもよく、特に限定するものではない。
【0057】
磁気継手部52Dは、磁力を用いて内部接続部53に回転駆動力を伝達するものである。
磁気継手部52Dは、外部接続部52から筐体40側に向かって延びる円筒状に形成されたものであって、円周方向に磁極が交互に並んで配置されたものである。さらに磁気継手部52Dは、内部に内部接続部53や、軸受55が配置されるものである。
【0058】
内部接続部53は、外部接続部52から回転駆動力が伝達されると共に、歯車部54に回転駆動力を伝達するものである。さらに内部接続部53は、歯車部54と共に一対の筐体40の内部に配置されるものである。
【0059】
内部接続部53は、歯車部54と同軸に形成された円柱状の部材であって、磁気継手部52Dと同様に、円周方向に磁極が交互に並んで配置されたものである。このようにすることで、一対の筐体40における密閉性を確保した状態で、外部接続部52から内部接続部53に回転駆動力を伝達することができる。
【0060】
さらに内部接続部53は歯車部54とともに、図12に示すように、筐体40に設けられた円柱状の一対の軸部44によって、回転可能に支持されている。軸部44は筐体40から一対の筐体40の内側に向かって突出するものであって、例えば、インサート成形されたものである。
【0061】
なお、外部接続部52から内部接続部53に回転駆動力を伝達する方法は、上述のように磁力を用いてもよいし、その他の方法を用いてもよく、特に限定するものではない。
【0062】
歯車部54は、内部接続部53から伝達された回転駆動力を一対の回転部30に伝達するものである。さらに歯車部54は、内部接続部53とともに一対の筐体40の内部に配置されたものである。
歯車部54は円柱状に形成さらものであって、その円周面に回転部30の外周部に形成された歯と噛み合わされる歯が形成されたものである。さらに歯車部54における一方の端部には内部接続部53が取り付けられ、他方の端部には筐体40の軸部44が嵌め込まれている。
【0063】
収納部60は、図9に示すように、内部にモータ51および外部接続部52を収納するとともに、モータ51を冷却する流体が流れる流路を形成するものである。
収納部60には、冷却流体が流入する流入口61と、流出する流出口62と、が主に設けられている。
【0064】
流入口61は、収納部60におけるモータ51と対向する領域に形成された貫通孔である。流出口62は、収納部60における外部接続部52の羽根部52Bと対向する領域に形成された貫通孔である。
このようにすることで、羽根部52Bの回転により、羽根部52Bの外側に向かって送出された冷却流体は、流出口62から収納部60の外側に向かって流出する。その一方で、流入口61からは、冷却流体が収納部60の内部に向かって流入する。
【0065】
制御部70は、図2に示すように、加熱モジュール20および駆動部50を制御するものである。具体的には加熱モジュール20のヒータ素子21に供給される電力、および、駆動部50のモータ51に供給される電力を制御するものである。
【0066】
次に、上記の構成からなる車両用空調装置1における熱媒体加熱送出装置10を用いた暖房運転について説明する。
本実施形態における車両用空調装置1において暖房運転を行う場合には、図1に示すように、熱媒体加熱送出装置10により加熱された熱媒体を用いて、空気流路2Aを流れる空気の加熱が行われる。
【0067】
つまり、熱媒体は熱媒体加熱送出装置10から圧送されることにより循環流路9を循環する。このとき、熱媒体は熱媒体加熱送出装置10、放熱器5およびタンク7の順に循環する。
熱媒体は熱媒体加熱送出装置10において加熱モジュール20から熱を吸収して加熱される。高温となった熱媒体は放熱器5に流入して空気流路2Aを流れる空気に熱を放出する。
【0068】
熱媒体から熱を受け取り昇温された空気は、空気流路2Aを通って車室内に供給される。
その一方で空気に対して放熱して温度の下がった熱媒体は、放熱器5からタンク7に流入する。タンク7において一時的に貯留された熱媒体は再び熱媒体加熱送出装置10に流入し、上述の過程を繰り返す。
【0069】
次に、本実施形態の特徴である熱媒体加熱送出装置10における熱媒体の送出および加熱について説明する。
【0070】
まず、図2に示すように、制御部70から駆動部50のモータ51および加熱モジュール20のヒータ素子21に電力が供給される。
電力の供給を受けたモータ51は回転駆動力を発生し、発生された回転駆動力は外部接続部52に伝達される。
【0071】
外部接続部52は、図2および図9に示すように、軸受55に支持されつつ回転駆動する。すると、一対の筐体40の外側に配置された外部接続部52と、内側に配置された内部接続部53との間で、磁力を用いて回転駆動力が伝達される。
内部接続部53に伝達された回転駆動力は、歯車部54を介して、一対の回転部30に伝達される。言い換えると、一対の回転部30は回転軸線Lを中心として回転駆動される。
【0072】
すると、一対の回転部30は遠心ポンプのインペラと同様な働きをし、加熱モジュール20と回転部30との間の隙間Sに存在する熱媒体を、回転軸線Lを中心とする径方向外側に送出する。
このとき、図10に示すように、回転部30の放射凸部33は、回転部30が回転駆動されることにより(図10の左側に移動することにより)、熱媒体を加熱モジュール20側(図10の下側)に押し出す。これにより、隙間Sにおける熱媒体に対して、回転軸線Lを中心とした径方向の流れだけでなく、回転部30および加熱モジュール20の間で行き来する流れも発生する。言い換えると、乱流流れを発生させることができる。
【0073】
このとき同時に、回転部30には反力として加熱モジュール20から離れる方向、つまり、隣接する筐体40に接近する方向(図8の上方向)に働く力が作用する。この力により、図2および図7に示すように、回転部30の円環凸部34は筐体40に押しつけられる。これにより、回転部30と筐体40との間に働く摩擦抵抗は小さくなる。
【0074】
その一方で、加熱モジュール20に対して供給された電力は、図4および図5に示すように、電極板22を介してヒータ素子21に供給される。ヒータ素子21は供給された電力を用いて熱を発生する。発生した熱は、電極板22、絶縁板23、収納ケース24および伝熱グリース(例えばシリコンコンパウンド)を介して熱媒体に放出される。
【0075】
加熱モジュール20と接触する熱媒体、言い換えると、隙間Sを流れる熱媒体は、上述のように乱流状態となっている。そのため、層流状態の場合と比較して、加熱モジュール20で発生した熱はより効率よく熱媒体に吸収される。
熱を吸収した熱媒体は回転部30の回転により径方向に送出され、吐出口42から吐出される。その一方で、外部の熱媒体は吸込口41から一対の筐体40の内部に流入する。流入した熱媒体は、回転部30の中央流路32を介して加熱モジュール20と回転部30との間の隙間Sに流入する。
【0076】
上記の構成によれば、加熱モジュール20により熱媒体が加熱されるとともに、回転部30により加熱された熱媒体が送出される。そのため、熱媒体を加熱するヒータと、熱媒体を循環させるポンプとを別々に設ける場合と比較して、熱媒体加熱送出装置10および車両用空調装置1の重量低減、および、小型化を図るとともに、製造コストの軽減を図ることができる。
つまり、加熱モジュール20および駆動部50に電力が供給されると、加熱モジュール20から熱が発生するとともに一対の回転部30が回転駆動される。加熱モジュール20と回転部30との間の隙間に存在する熱媒体は、加熱モジュール20から熱を受け取り加熱される。その一方で熱媒体は、熱媒体の有する粘性により回転部30の回転とともに連れまわり、径方向外側に向かって送出される。送出された熱媒体は吸込口41から一対の筐体40の外に流出する。これに伴い、吸込口41から一対の筐体40の中に熱媒体が流入し、加熱モジュール20と回転部30との間の隙間に流入する。
【0077】
加熱モジュール20で発生した熱を効率よく熱媒体に伝達することができ、熱媒体加熱送出装置を有する暖房装置の暖房性能の向上を図ることができる。あるいは、暖房性能を維持しつつ小型化することができる。
つまり、熱媒体は静止している加熱モジュール20と回転駆動される回転部との間の隙間Sに存在するため、熱媒体は両者の相対運動により攪拌されて乱流状態になる。すると層流状態の熱媒体と比較して、乱流状態の熱媒体では発熱部から効率よく熱を受け取ることができるため、熱媒体加熱送出装置10および車両用空調装置1の暖房性能の向上を図ることができる。あるいは、暖房性能を維持しつつ小型化することができる。
【0078】
さらに、上述の隙間Sに存在する熱媒体は、回転部30および放射凸部33により攪拌され、径方向外側に向かって送出される。そのため、回転部30のみの場合と比較して、熱媒体への熱の伝達効率が向上するとともに、熱媒体の送出能力が向上する。
さらに熱媒体は、断面視において台形状に形成された放射凸部33によって加熱モジュール20に向かって押し出される。そのため、加熱モジュール20と回転部30との間の熱媒体は、放射凸部33がない場合よりも強く攪拌され、熱媒体への熱の伝達効率を向上させることができる。
【0079】
筐体40と円環凸部34とを接触させることにより、筐体40と、回転部30における筐体40と対向する面とが接触する場合と比較して、接触面積が狭くなる。そのため、回転部30における回転抵抗が小さくなり、回転部30が回転しやすくなる。
本実施形態のように回転部30に放射凸部33が設けられていると、熱媒体を加熱モジュール20に向かって押し出した反動を受けて回転部30は筐体40に押しつけられる。かかる場合に、筐体40と、回転部30における筐体40と対向する面とが接触すると、摩擦抵抗が大きくなり、回転部30を回転させる際に大きな駆動力が必要となる。それに対して、筐体40と円環凸部34とが接触する場合には、摩擦抵抗が比較的小さくなり、回転部30を回転させる際に必要な駆動力が小さくなる。
【0080】
駆動部50を一対の筐体40の内部に配置される歯車部54および内部接続部53と、一対の筐体40の外部配置される外部接続部52およびモータ51とから構成することにより、一対の筐体40における密閉性を確保しやすくなる。さらにモータ51と熱媒体が接触することがなくなり、モータ51に熱媒体に対する耐性を付与する必要がなくなる。
【0081】
羽根部52Bを有する外部接続部52が回転駆動されると、流入口61から冷却流体が収納部60の内部に流入してモータ51を冷却した後、流出口62から収納部60の外部へ流出する。これにより、モータの冷却を行うことができる。
【符号の説明】
【0082】
1 車両用空調装置
5 放熱器(熱交換器)
9 循環流路
10 熱媒体加熱送出装置
20 加熱モジュール(発熱部)
30 回転部
32 中央流路
33 放射凸部
34 円環凸部
40 筐体
41 吸込口(中央開口)
42 吐出口(外側開口)
50 駆動部
51 モータ
52 外部接続部
52B 羽根部
53 内部接続部
54 歯車部
60 収納部
61 流入口
62 流出口
L 回転軸線
S 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱媒体を加熱する熱媒体加熱送出装置であって、
板状に形成され電力が供給されることにより熱を発生する発熱部と、
該発熱部を間に挟み、前記発熱部との間に前記熱媒体が流れる隙間が形成されるとともに、前記発熱部に対して交差する回転軸線まわりに回転可能に配置され、該回転軸線に沿って延びる前記熱媒体が流れる中央流路を有する一対の回転部と、
前記発熱部および前記一対の回転部が内部に収納するとともに、前記中心流路と対向する位置に形成された中央開口、前記回転軸線に対する径方向外側の位置に形成された外側開口を有する筐体と、
前記一対の回転部を前記回転軸線まわりに回転駆動する駆動部と、
が設けられていることを特徴とする熱媒体加熱送出装置。
【請求項2】
前記回転部における前記発熱部と対向する面に、前記回転軸線を中心として放射状に延びるとともに、前記発熱部に向かって突出する放射凸部が設けられ、
該凸部は断面視において前記発熱部側が狭い台形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の熱媒体加熱送出装置。
【請求項3】
前記回転部における前記凸部が設けられた面と反対側の面には、前記回転軸線を中心として円環状に延びるとともに、前記筐体に向かって突出する円環凸部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の熱媒体加熱送出装置。
【請求項4】
前記駆動部には、
前記筐体の外部に配置され、回転駆動力を発生させるモータと、
前記筐体の外部に配置されるとともに、前記モータと回転駆動力の伝達が可能に接続された外部接続部と、
前記筐体の内部に配置されるとともに、前記筐体を間に挟んで、前記外部接続部と回転駆動力が伝達可能とされた内部接続部と、
前記筐体の内部に配置されるとともに、前記内部接続部から回転駆動力が伝達可能に接続され、前記一対の回転部における外周縁と噛み合わされる歯車部と、
が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱媒体加熱送出装置。
【請求項5】
前記モータおよび前記外部接続部の周囲を覆うとともに、前記モータを冷却する流体の流入口および流出口を有する収納部がさらに設けられ、
前記外部接続部には、回転駆動されることにより前記流入口から前記流体を前記収納部の内部に流入させ、かつ、前記流出口から前記流体を前記収納部の内部から流出させる羽根部が設けられていることを特徴とする請求項4記載の熱媒体加熱送出装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の熱媒体加熱送出装置と、
前記熱媒体と空気との間で熱交換を行う熱交換器と、
前記熱媒体加熱送出装置と前記熱交換機との間で前記熱媒体を循環させる循環流路と、
が設けられていることを特徴とする車両用空調装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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