説明

熱安定性アントラピリドン組成物

次式のアントラピリドン組成物が開示されている。
【化1】
式中、「A」と「B」は独立に環炭素原子数約10〜約20の置換又は非置換環状ケトン基から選択され、「a」は0〜4の値を有する整数であり、R〜Rは一価置換基であるが、「a」が0のときは、Rが水素、アルキル基、第二アミノ基及びアミノスルホニル基からなる群から選択され、R〜Rがヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボニル含有基、アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択される置換基であることを条件とする。本発明のアントラピリドンは、高温のポリマー加工処理条件を必要とする着色ポリマー樹脂及び物品を製造するための熱安定性着色剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にアントラピリドン組成物及びその製造方法に関する。本明細書に開示したアントラピリドン組成物は樹脂組成物中の着色剤として有用である。
【背景技術】
【0002】
着色樹脂組成物は一般に、押出や成形のような技術を用いる加工処理段階で樹脂マトリックスに着色剤物質を配合することによって製造される。着色剤物質の配合方法は、他の条件の中でも、樹脂マトリックスの性状に依存する。約350℃以上の高い加工処理温度を要する樹脂では、着色剤物質はそうした高い加工処理温度で熱的に安定であることが必要とされる。約350℃以上の加工処理温度を要する樹脂の例としては、ビスフェノールAホモポリカーボネートよりもガラス転移温度の高い高耐熱性ポリカーボネート及びULTEM(登録商標)のようなポリエーテルイミドがある。かかる高温加工処理条件下で着色剤を用いる際のもう一つの問題は、加工処理した樹脂の色が、使用した着色剤物質の色から期待される色と異なる場合があることである。こうした色ずれは一般に着色剤物質の熱的不安定性に起因する。
【特許文献1】米国特許第4381185号明細書
【特許文献2】米国特許第4386206号明細書
【特許文献3】米国特許第5132437号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2003/0051633号明細書
【特許文献5】英国特許第1047089号明細書
【特許文献6】英国特許第1047297号明細書
【特許文献7】特開昭53−68234号公報
【特許文献8】特開昭49−75652号公報
【特許文献9】特開昭57−10149号公報
【非特許文献1】M.V.Kazankov et al.,“The Chemistry of Petrocyclic Compounds”,Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii (1972),(12),page numbers 1651−5
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、高温で樹脂と共に加工処理されるときに劣化や色ずれに対して耐性を示す熱に安定な着色剤物質に対するニーズがある。かかる熱安定性着色剤は好ましくは耐候性である。すなわち、この着色剤は、大気、湿気及び日光のような環境要因に起因する劣化に耐える。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、熱安定性アントラピリドン組成物について開示する。本発明の一実施形態は、次式のアントラピリドンである。
【0005】
【化1】

式中、「A」と「B」は独立に環炭素原子数約10〜約20の置換又は非置換環状ケトン基から選択され、「a」は0〜4の値を有する整数であり、R〜Rは一価置換基であるが、「a」が0のときは、Rが水素、アルキル基、第二アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択され、R〜Rがヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択される置換基であることを条件とする。
【0006】
成形熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、1種以上の熱可塑性樹脂とアントラピリドン着色剤を含む混合物を加熱し、その混合物を押出すことを含んでおり、ここで、アントラピリドン着色剤は次式を有する。
【0007】
【化2】

式中、「A」と「B」は独立に環炭素原子数約10〜約20の置換又は非置換環状ケトン基から選択され、「a」は0〜4の値を有する整数であり、R〜Rは一価置換基であるが、「a」が0のときは、Rが水素、アルキル基、第二アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択され、R〜Rがヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択される置換基であることを条件とする。
【0008】
別の実施形態では、アントラピリドン組成物の製造方法は、触媒組成物と酸捕捉剤の存在下でハロアントラピリドン化合物と環状ケトン基を含むアミン化合物とを反応させること、又は、触媒組成物と酸捕捉剤の存在下でアミノアントラピリドン化合物と環状ケトン基を含むオルガノハロゲン化合物とを反応させることを含む。ここで、アントラピリドン組成物は次式のものである。
【0009】
【化3】

式中、「A」と「B」は独立に環炭素原子数約10〜約20の置換又は非置換環状ケトン基から選択され、「a」は0〜4の値を有する整数であり、R〜Rは一価置換基であるが、「a」が0のときは、Rが水素、アルキル基、第二アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択され、R〜Rがヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択される置換基であることを条件とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の様々な特徴に関する以下の詳細な説明及び実施例を参照することで本発明の理解を深めることができよう。
【0011】
上述の本発明の実施形態は、新規アントラピリドン化合物、その簡単な製造方法及び押出又は成形ポリマー組成物用の熱安定性着色剤としての用途を始めとして多くの利点を有する。本明細書で定義される用語「熱安定性」とは、着色剤が温度約450℃以下での劣化に対して安定であることを意味する。
【0012】
本明細書に開示したアントラピリドン組成物は次の一般式(I)で表される。
【0013】
【化4】

式中、「A」と「B」は独立に環炭素原子数約10〜約20の置換非置換環状ケトン基から選択され、「a」は0〜4の値を有する整数であり、R〜Rは一価置換基であるが、「a」が0のときは、Rが水素、アルキル基、第二アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択され、R〜Rがヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択される置換基であることを条件とする。
【0014】
単数形で記載したものであっても、前後関係から明らかでない限り、複数の場合も含めて意味する。「適宜」という用語は、その用語に続いて記載された事象又は状況が起きても起きなくてもよいことを意味しており、かかる記載はその事象が起こる場合と起こらない場合を包含する。
【0015】
特記しない限り、用語「脂肪族」又は「アルキル」とは、本明細書で使用する場合、直鎖アルキル、枝分れアルキル、アラルキル、シクロアルキル及びビシクロアルキル基を意味する。直鎖及び枝分れアルキル基の非限定的な具体例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、第三−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデシルが挙げられる。様々な実施形態では、代表的なシクロアルキル基は、環炭素原子数約3〜約12のものである。これらのシクロアルキル基の非限定的な具体例としては、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル及びシクロヘプチルがある。様々な他の実施形態では、アラルキル基は炭素原子数約7〜14のものであり、その例として、特に限定されないが、ベンジル、フェニルブチル、フェニルプロピル及びフェニルエチルがある。様々な他の実施形態では、用語「アリール」又は「芳香族」基とは、環炭素原子数約6〜約12の単環式又は多環式部分を意味する。これらの芳香族基の幾つかの非限定的な具体例としてはフェニル、ビフェニル及びナフチルがある。
【0016】
一般式(I)で表されるアントラピリドンの構造には様々な可能性がある。一実施形態では、式(I)中の基「A」と「B」は独立に置換及び非置換アントラキノニル、ナフタキノニル及びベンズアントロニル基からなる群から選択される。その理由は、これらのタイプの化合物が約350℃以上の温度での熱分解に対して耐性を実際に又は潜在的に示すからである。また、これらの化合物の製造用の原料は、特に「A」がアントラキノニル基である場合、容易に入手可能であり、そのため合成が容易になる。式(I)のアントラピリドン組成物を製造する合成方法については、以下にさらに説明する。
【0017】
式(I)中の「a」が1〜4の値を有する整数である場合、R〜Rはいかなる一価置換基であることもできる。多くの実施形態では、R〜Rは独立に水素、ヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択される。スルホニル含有基の非限定的な例としては、−NRSO、−CONHSO及び−SONHCO6、−SOがあり、ここで、Rは個別に水素、脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択され、Rは脂肪族基、芳香族基及び複素環式基からなる群から選択される。
【0018】
しかし、式(I)中の「a」が0の値を有する場合、Rは独立に水素、脂肪族基、アルキル基、第二アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択され、R〜Rは独立にヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基及びスルホニル含有基から選択される。
【0019】
好ましい実施形態では、「A」と「B」は独立に置換及び非置換アントラキノニルからなる群から選択され、「a」は0であり、R〜Rは独立に水素及びC〜Cアルキルからなる群から選択され、Rは置換又は非置換アリール基である。このサブクラスのアントラピリドンの代表例は3′−フェニル−2−メチル−4−(アントラキノンアミノ)−1,9−アントラピリドンである。
【0020】
一実施形態では、本発明のアントラピリドン組成物は、触媒組成物と酸捕捉剤の存在下で、ハロアントラピリドン化合物を、環状ケトン基を含むアミン化合物と反応させることによって製造することができる。適切なハロアントラピリドンは次の一般式(II)で表される。
【0021】
【化5】

式中、「X」はハロゲン原子(塩素、臭素、又はヨウ素)であり、「a」とR〜Rは式(I)に対して既に定義した通りである。ハロアントラピリドンは、例えば米国特許第4386206に開示されている方法のような当技術分野で公知の方法によって入手することができる。例えば、式(III)に示すブロモアントラピリドンは、1−アミノ−2−メチルアントラキノンから出発し、酢酸中で臭素化して1−アミノ−2−メチル−4−ブロモアントラキノンを得、N,N−ジメチルホルムアミド溶媒中で塩化フェニルアセチルと反応させて対応するN−フェニルアセチル誘導体を得、エタノール溶媒で水酸化ナトリウムで処理して(III)を得るという3段階で製造することができる。
【0022】
【化6】

適切なハロアントラピリドンの別の例は次式(IV)のものである。
【0023】
【化7】

式中、「a」は1〜4の値を有することができる。式(IV)の化合物の製造のための適切な出発物質はモノクロロ−、ジクロロ−、トリクロロ−及びテトラクロロフタル酸無水物のようなハロフタル酸無水物である。その後、公知の方法を用いて、無水物部分を修飾して式(IV)のアントラピリドンを得ることができる。
【0024】
適切なアミン化合物は式A−NHとB−NHのものであり、式中の「A」と「B」は環炭素原子数10〜20の置換又は非置換環状ケトンを表す。かかるアミノ化合物は米国特許第5132437号に開示されているもののような当技術分野で周知の方法によって製造することができる。代表的なアミン化合物には、1−アミノアントラキノンのようなアミノアントラキノン類がある。アミン化合物とハロアントラピリドンの反応は双極性の非プロトン性溶媒中で行うのが好ましい。好ましい双極性非プロトン性溶媒としては、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンなどのようなハロゲン含有炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−3−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及びN,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド溶媒、ジメチルスルホキシド、並びにスルホランからなる群から選択される1種以上の溶媒がある。
【0025】
別の実施形態では、アントラピリドンは、アミノアントラピリドン化合物を、環状ケトン基を含むオルガノハロゲン化合物と、触媒組成物及び酸捕捉剤の存在下で反応させることによって製造することができる。アミノアントラピリドン化合物は次の一般式(IV)で表される。
【0026】
【化8】

式中、「a」とR〜Rは式(I)に対して既に定義した通りである。アミノアントラピリドンはKhimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii (1972)、(12)、1651〜5頁に開示されているもののような当技術分野で公知の方法によって製造することができる。適切なアミノアントラピリドンを次式(V)に示す。
【0027】
【化9】

オルガノハロゲン化合物は式A−X又はB−Xの置換又は非置換環状ケトンからなり、式中の「A」と「B」は環炭素原子数約10〜20の置換又は非置換環状ケトンを表し、「X」は好ましくは塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されるハロゲンである。かかるオルガノハロゲン化合物は米国特許第5132437号に開示されているもののような当技術分野で周知の方法によって製造することができる。かかる化合物の適切な例としては、1−クロロアントラキノン及び1−ブロモアントラキノンのようなハロアントラキノンがある。オルガノハロゲン化合物とアミノアントラピリドンの反応は既に記載したような双極性非プロトン性溶媒中で行うのが好ましい。
【0028】
アミン化合物とハロアントラピリドンの反応は双極性非プロトン性溶媒中で行うのが好ましい。一般に、ハロアントラピリドンとアミン化合物の反応及びアミノアントラピリドンとオルガノハロゲン化合物の反応は、約50〜約230℃の温度、好ましくは約150〜約230℃の温度で行う。反応に必要な時間は約8〜約48時間、さらに好ましくは約12〜約24時間である。
【0029】
いずれの方法でも、触媒組成物は好ましくは銅金属又は銅塩のいずれかを含む。銅塩は好ましくは銅(I)ハロゲン化物又は銅(II)ハロゲン化物からなる群から選択される。酢酸銅(II)で例示される有機酸塩のような他の銅塩も使用することができる。使用する触媒組成物の量は使用するアミノアントラピリドン又はハロアントラピリドンの1モル当たり約0.005〜約0.2モルからなる。
【0030】
アントラピリドン製造のいずれの実施形態でも、好ましくは酸捕捉剤が使用される。適切な酸捕捉剤としては、特に限定されないが、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ土類金属重炭酸塩、並びに一般式M(COORを有するアルカリ金属カルボン酸塩及びアルカリ土類金属カルボン酸塩があり、式中の「M」はアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、Rは炭素原子数約1〜約6の一価アルキル基であり、「n」は1及び2から選択される。
【0031】
以上説明した方法は回分式に実施することができるし、又は当業者には明らかなように適切な改変を施して半連続式若しくは連続式に実施することもできる。
【0032】
本明細書に開示したアントラピリドンは着色剤として、特にポリマーの成形及び/又は押出加工処理の際にポリマー樹脂組成物中に配合するための熱安定性着色剤として価値がある。従って、これらの着色剤は高いガラス転移温度及び/又は高い加工処理温度を有するポリマーと共に使用される魅力がある物質である。本明細書に開示した熱安定性着色剤は約450℃以下の温度、さらに好ましくは約250〜約450℃で成形機や押出機のようなポリマー加工処理装置で使用するのに適切である。また、これらのアントラキノン着色剤は、ポリマー着色のために印刷用インクとして染色に使用することなどを始めとしてアントラピリドン化合物に関して既に公知の他の用途に価値がある。別の実施形態では、本発明は、着色ポリマー樹脂組成物製造用の熱安定性高温用着色剤としての用途に加えて、アントラピリドン化合物の公知の用途全てを包含する。さらに、本発明のアントラピリドンは、アルコール、ジクロロエタンやジクロロメタンなどの塩素化溶媒、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、アセトンのような工業的に使用されている溶媒の殆どに対して低い溶解度を示す。従って、これらは無溶媒で使用することができ、そのため環境に優しい。言い換えると、これらのアントラピリドンは、例えばポリマー樹脂と共に成形又は押出に付すときに固体状態で使用される。
【0033】
別の実施形態では、本アントラピリドンはまた、アントラピリドン環上の置換基を適切に改変することによって一般的な有機溶媒に対して可溶性又は部分的に可溶性にすることもできる。適切な改変として、様々なアルキル置換基の鎖長を改変することも挙げることができる。かかる可溶性アントラピリドンの合成は本明細書に記載した合成方法を用いて達成することができる。かかる可溶性アントラピリドンは、例えば石油製品及び/又はブレーキ液の添加剤のような各種の用途に使用することができる。
【0034】
本アントラピリドン組成物は、優れた耐熱性、並びに着色剤として使用したときに耐光性、耐ブリード性、耐抽出性、耐昇華性などに優れている着色成形物品を提供する。従って、着色ポリマー樹脂組成物の製造に有用である。ポリマー樹脂は1種以上の熱可塑性及び/又は熱硬化性樹脂からなることができる。使用することができる熱可塑性樹脂の非限定的な例としては、ポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(塩化ビニル)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(一般にABSともいわれる)、アクリロニトリル−スチレン−アクリレートコポリマー(一般にASAともいわれる)、スチレン−アクリロニトリルコポリマー(SANともいわれる)、ポリカーボネート、ポリ(フェニレンオキサイド)、ポリプロピレンやポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリ(アクリロニトリル)、ポリアミド、ポリアセタール、ポリ(エチレンテレフタレート)やポリ(ブチレンテレフタレート)のようなポリエステル並びに以上の熱可塑性ポリマーのあらゆる混合物がある。熱硬化性樹脂で、非限定的な樹脂として、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリ(ジアリルフタレート)樹脂などがある。
【0035】
着色ポリマー組成物は一般に、アントラピリドン着色剤を樹脂と共に適切な方法でブレンドし、得られたブレンドを射出成形、押出及び溶融紡糸のような技術を用いて成形段階に付すことによって得られる。例えば、樹脂のペレット又は粉末を粉砕した着色剤と共に適切なミキサー中で混合した後、その混合物を、混練機、ロールミル、Banburyミキサー、押出機などで、着色剤が樹脂中に溶解又は分散するまで処理する。樹脂組成物中の着色剤の量は特に重要ではないが、一般にポリマー樹脂の重量に対して約0.01〜5重量%、好ましくは約0.01〜約1重量%の着色剤を使用すれば充分である。所望により、得られた着色樹脂組成物はさらに、圧縮成形、射出成形及びブロー成形のような技術を使用して成形段階に付して着色成形物品を製造することができる。或いはまた、着色剤を、重合触媒を含有するモノマーと共に混合した後、次いで重合させて着色熱可塑性又は熱硬化性樹脂を得る。
【0036】
本明細書に開示したアントラピリドンはまた、適宜、他の着色剤(例えば、顔料及び染料)、充填材その他当技術分野で公知の添加剤と共に使用することもできる。添加剤としては、例えば、安定剤、離型剤、加工助剤、難燃剤、ドリップ防止剤、成核剤、UVブロック、染料、顔料、粒子状導電性充填材(例えば、導電性カーボンブラック、平均直径約1〜約500nmのカーボンナノチューブ)、強化用充填材、酸化防止剤、帯電防止剤、発泡剤などが挙げられる。強化用充填材としては、例えば、無機及び有機物質、例えばE−、NE−、S−、T−及びD−ガラス及び石英の繊維、織物及び不織布、炭素繊維、例えばポリ(アクリロニトリル)(PAN)繊維、カーボンナノチューブ、殊にグラファイトカーボンナノチューブ、チタン酸カリウム単結晶繊維、炭化ケイ素繊維、炭化ホウ素繊維、石膏繊維、酸化アルミニウム繊維、アスベスト、鉄繊維、ニッケル繊維、銅繊維、ウォラストナイト繊維などが挙げられる。強化用充填材は、ガラスロービングクロス、ガラス布、チョップトガラス、中空ガラス繊維、ガラスマット、ガラスサーフェシング及び不織ガラス布、セラミック繊維布、並びに金属繊維布の形態でよい。さらに、繊維を形成することができる有機ポリマーを始めとする合成有機強化用充填材も使用できる。かかる強化用有機繊維の具体的な例は、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリエステル、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド又はポリエーテルイミド、アクリル樹脂、並びにポリ(ビニルアルコール)である。ポリテトラフルオロエチレンのようなフルオロポリマーを使用してもよい。また、当業者に公知の天然有機繊維、例えば、綿布、麻布及びフェルト、炭素繊維布、並びに天然セルロース布、例えばクラフト紙、綿紙及びガラス繊維含有紙もある。かかる強化用充填材はモノフィラメント又はマルチフィラメント繊維の形態であることができ、単独で使用してもよいし、或いは例えば交織構造、コア/シース構造、サイドバイサイド構造、オレンジタイプ構造もしくはマトリックスアンドフィブリル構造、その他繊維製造業者に公知の方法で他の種類の繊維と組み合わせても使用できる。これら充填材は、例えば、織物繊維状強化材、不織繊維状強化材又は紙の形態であってもよい。タルク及び雲母も強化用充填材として使用することができる。さらに、樹脂の着色に常用される他のタイプのものも使用できる。例えば、0.1〜1重量%の二酸化チタンの添加によって不透明な着色物品を得ることができる。
【実施例】
【0037】
以下の非限定的な実施例で本発明をさらに例示するが、これらの実施例は例示のためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0038】
実施例1
本例では、3′−フェニル−2−メチル−4−(アミノアントラキノン)−1,9−アントラピリドンの製造について説明する。
【0039】
3′−フェニル−2−メチル−4−ブロモ−1,9−アントラピリドン(28g)、1−アミノアントラキノン(15g)、炭酸ナトリウム(8.4g)、酢酸ナトリウム(1.8g)、塩化第一銅(0.3g)及び1,2−ジクロロベンゼン(350ml)の混合物を還流下(溶液温度約180℃)で約18時間撹拌した。次に、反応混合物を約60℃に冷却し、メタノール(60ml)で希釈し、約2時間撹拌した。次いで、混合物を濾過し、フィルターケークを熱希塩酸、水、メタノールで順次洗浄し、風乾した。フィルターケークをN,N−ジメチルホルムアミド(80ml)に懸濁させ、約80℃に加熱し、約1時間撹拌した。次いで、固体の生成物を濾過し、水及びメタノールで順次洗浄し、約120℃に維持された真空オーブン中で約8時間乾燥して、目的の生成物を収量24gで得た。
【0040】
比較例1
本例では、触媒として炭酸ナトリウムを用いた3′−フェニル−2−メチル−4−(4−メチルアニリノ)−1,9−アントラピリドンの製造について説明する。
【0041】
3′−フェニル−2−メチル−4−ブロモ−1,9−アントラピリドン(5g)、p−トルイジン(20g)及び炭酸ナトリウム(1g)の混合物を約180〜185℃に約15時間加熱した。得られた混合物を約60℃に冷却し、メタノール(20ml)で希釈し、約20℃に冷却した。固体の物質を濾過し、メタノールで洗浄した。固体のフィルターケークを5重量%の水性塩酸で処理し、加熱して沸騰させ、約2時間撹拌した。次に、この混合物を濾過し、洗液が酸を含まなくなるまで水で洗浄し、乾燥した。こうして得られた目的の生成物の収量は4.2gであった。
【0042】
比較例2
本例では、酸捕捉剤として炭酸ナトリウムを用い、触媒として酢酸第二銅を用いた3′−フェニル−2−メチル−4−(4−アセトアミジルアニリノ)−1,9−アントラピリドンの製造について説明する。
【0043】
3′−フェニル−2−メチル−4−ブロモ−1,9−アントラピリドン(9.75gm)、4−アミノアセトアニリド(9g)、酢酸カリウム(4.5g)、酢酸第二銅(0.275g)及びキシレン(70ml)の混合物を還流下約18時間撹拌した。次いで、得られた反応混合物を約60℃に冷却し、メタノール(50ml)で希釈し、約55〜60℃で約2時間撹拌し、濾過し、熱希塩酸、水、メタノールで洗浄し、乾燥した。この乾燥フィルターケークをさらに約120℃に維持された真空オーブンで約8時間して、目的の生成物を収量8.5gで得た。
【0044】
比較例3
本例では、酸捕捉剤として炭酸ナトリウムを用い、触媒として酢酸第二銅を用いた3′−フェニル−2−メチル−4−(2,5−ジメトキシアニリノ)−1,9−アントラピリドンの製造について説明する。
【0045】
使用した手順は、3′−フェニル−2−メチル−4−ブロモ−1,9−アントラピリドン(8.2g)、2,5−ジメトキシアニリン(5g)、酢酸カリウム(3.3g)、酢酸第二銅(0.3g)及びキシレン(70ml)を使用した以外は、比較例2について記載したものと同じであった。生成物の収量は7.4gであった。
【0046】
比較例4
本例では、酸捕捉剤として炭酸ナトリウムを用い、触媒として酢酸第二銅を用いた3′−フェニル−2−メチル−4−(4−ブトキシアニリノ)−1,9−アントラピリドンの製造について説明する。
【0047】
使用した手順は、3′−フェニル−2−メチル−4−ブロモ−1,9−アントラピリドン(2g)、4−ブトキシアニリン(1.6g)、酢酸カリウム(0.7g)、酢酸第二銅(0.1g)及びキシレン(15ml)を使用した以外は、比較例2について記載したものと同じであった。生成物の収量は1.9gであった。
【0048】
実施例2
本例では、上記着色剤を配合した押出ポリマー試料の製造に用いた一般手順について説明する。
【0049】
ビスフェノールAホモポリカーボネートとアントラピリドン着色剤の1kgの試料を、アントラピリドンが試料全体の約0.04重量%になるようにして、ポリエチレン製の袋に入れ、約3〜4分激しく震盪した。得られた材料を次に、W & P ZSK−25 Mega Compoundererを用いて真空下表1に示す条件でコンパウンディングして着色ポリマーペレットを作成した。
【0050】
【表1】

実施例3
本例では、実施例2と同様に製造した押出ペレットから成形チップを製造するのに用いた一般手順について説明する。
【0051】
実施例2と同様に製造した押出ペレットを120℃に維持されたオーブン内で約4時間乾燥した。次に、こうして乾燥されたペレットを、LTM−Demag成形機を用いて表2に示す条件で成形に供した。
【0052】
【表2】

実施例4
着色剤として実施例1のアントラピリドン化合物を配合した成形チップを、Atlas Ci4000ウェザロメーターを用いASTM D4459試験法に従って耐候性試験に供した。天然の日光に最も近いのでD65イリュミネーターを使用した。約300時間曝露した後、積分球を備えたMacbeth Color Eye 7000A機器を用いて透過モードで試料の色を分析した。使用した設定は、10度の観察者、約360〜約760nmの色空間及び鏡面反射成分を含んでいた。結果を表1に示す。試料の測定は曝露時間ゼロ(すなわち、ウェザロメーターに入れる前)、100、200及び300時間の曝露で行った。表3に示す様々なパラメーターは、Lが明度、aが赤−緑、bが黄色−青、Cが彩度、Hが色相、ΔLがウェザロメーターで曝露する前と後との明度の差であり、Δa、Δb及びΔCはそれぞれa、b及びCの値のウェザロメーターで曝露する前と後との差を表し、ΔHはウェザロメーターで曝露する前と後との色相の差であり、ΔEはウェザロメーターで曝露する前と後とで得られた値間の全色差を表す。ΔEは次式(1)に示すようにΔa、Δb及びΔLの値から得られる。
【0053】
【数1】

負のΔLは対照試料に対してより暗い試料を示し、一方正のΔLは比較的明るい試料を示す。対照試料は、耐候性試験に供しなかったものである。負のΔaは基準試料より赤みが薄い試料を示し、一方正のΔaは比較的赤い試料を示す。負のΔbは基準試料より黄色みが薄い試料を示し、一方正のΔaは比較的黄色みの強い試料を示す。ΔCはΔa及びΔbと次式2で表される関係を有する。
【0054】
【数2】

ΔEは着色剤試料の耐候性の全体的尺度を与える。本発明の目的からして、ΔEが約1.0未満であれば、その着色剤試料が良好な耐候特性を有することを示すと考えられる。同様に、0.1未満の値のΔCはその色の明るさが大きく低下してはいないことを意味する。表3に示したデータから、実施例1のアントラピリドンを使用して製造した成形チップは、ΔE(約0.56)及びΔC(約−0.05)の低い値から分かるように、ウェザロメーターで300時間曝露後でも優れた色及び色の明るさを維持していたことが明らかである。
【0055】
上記実施例及び比較例で得られたアントラピリドン化合物を次に、調節された雰囲気中で温度の関数として物質の重量変化の量を測定する熱重量分析(「TGA」ともいう)に付した。TGA分析は、TA Instrumentsから入手可能な自動試料採取機を備えたTGA 2950機器を用いて行った。TGAは、プログラムされた温度設定により試料を所定の速度で加熱するか、又は試料を一定の温度(等温条件)に保つことで行うことができる。本発明では、試料を40℃の初期温度に平衡化させた後、10℃/分の速度で500℃の最高温度まで加熱し、その後窒素雰囲気下500℃で平衡化させた。この工程の間連続して試料の重量をモニターした。この技術により、加熱工程中に起こり得るあらゆる重量変化を測定する。減量は一般に試料の分解又は劣化を示す。この技術を用いて、本明細書に開示したアントラピリドンの熱的安定性を測定した。次に、この熱安定性データを用いて、ポリマー加工処理技術により着色ポリマー樹脂組成物を製造する際の着色剤として有益に使用することができるアントラピリドンを同定した。一般に、着色剤試料の分解温度が高い程、着色ポリマー樹脂組成物を製造する高温ポリマー加工処理用の着色剤としての適性が高くなる。このTGA実験で減量−温度曲線が得られる。このTGAの結果はT(分解開始温度ともいう)で表される。本発明の目的からして、Tは減量−温度曲線上の変曲点を表す。言い換えると、Tは、曲線に対する接戦が最大の傾きを有する点に対応する温度である。結果を表4に示す。ここで、比較例5は、Solvent Red 52(Skychem、Clariant及びBayerのような供給業者から入手可能)を用いて行ったTGAの測定を表す。結果は明らかに、実施例1のアントラピリドンが、最高のTを有するだけでなく、成形段階後に色ずれを示さないという意味で、比較例1〜5の他の全ての着色剤候補よりずっと優れていることを示している。実際、比較例1〜5の着色剤は成形段階中に赤から赤み〜橙へと色ずれを示したため、実施例4の手順を用いてこれらの着色剤の耐候性をさらに評価するためにかかる成形チップに対して耐候性試験を行うことができなかった。さらに、実施例1の着色剤を配合した成形ポリマーチップは表3に示すように優れた耐候性を示す。表中、ΔEの値はたった0.558であり、彩度(又は明るさ)の変化は300時間ウェザロメーターでの曝露後たった約−0.05である。従って、かかる着色剤は、比較的高温の加工処理条件を必要とするエンジニアリング熱可塑性に基づく特に屋外用途向けの着色ポリマー樹脂組成物及び物品を製造するのに極めて有用である。
【0056】
【表3】

【0057】
【表4】

以上、本発明の幾つかの特徴についてのみ例示し説明してきたが、当業者には数多くの修正及び変更は自明であろう。従って、特許請求の範囲の記載は、かかる修正及び変更をすべて本発明の技術的思想に属するものとして包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式のアントラピリドン。
【化1】

式中、「A」及び「B」は独立に環炭素原子数約10〜約20の置換又は非置換環状ケトン基から選択され、「a」は0〜4の値を有する整数であり、R〜Rは一価置換基であるが、「a」が0のときは、Rが水素、アルキル基、第二アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択され、R〜Rがヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択される置換基であることを条件とする。
【請求項2】
「A」及び「B」が独立に置換及び非置換アントラキノニル、ナフタキノニル及びベンズアントロニル基からなる群から選択される、請求項1記載のアントラピリドン。
【請求項3】
当該アントラピリドンが3′−フェニル−2−メチル−4−(アントラキノンアミノ)−1,9−アントラピリドンである、請求項1又は請求項2記載のアントラピリドン。
【請求項4】
1種以上の熱可塑性樹脂とアントラピリドン着色剤を含む混合物を加熱し、混合物を押出すことを含んでなる、成形熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、上記アントラピリドン着色剤が次式のものである、方法。
【化2】

式中、「A」及び「B」は独立に環炭素原子数約10〜約20の置換又は非置換環状ケトン基から選択され、「a」は0〜4の値を有する整数であり、R〜Rは一価置換基であるが、「a」が0のときは、Rが水素、アルキル基、第二アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択され、R〜Rがヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択される置換基であることを条件とする。
【請求項5】
触媒組成物及び酸捕捉剤の存在下で環状ケトン基を含むアミン化合物とハロアントラピリドン化合物とを反応させることを含んでなるアントラピリドン組成物の製造方法であって、上記アントラピリドン組成物が次式のものである、方法。
【化3】

式中、「A」及び「B」は独立に環炭素原子数約10〜約20の置換又は非置換環状ケトン基から選択され、「a」は0〜4の値を有する整数であり、R〜Rは一価置換基であるが、「a」が0のときは、Rが水素、アルキル基、第二アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択され、R〜Rがヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択される置換基であることを条件とする。
【請求項6】
前記ハロアントラピリドンが次式の化合物からなる、請求項5記載の方法。
【化4】

式中、「X」はハロゲン原子であり、「a」は0〜4の値を有する整数であり、R〜Rは一価置換基であるが、「a」が0のときは、Rが水素、アルキル基、第二アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択され、R〜Rがヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択される置換基であることを条件とする。
【請求項7】
触媒組成物及び酸捕捉剤の存在下で環状ケトン基を含むオルガノハロゲン化合物とアミノアントラピリドン化合物とを反応させることを含んでなるアントラピリドン組成物の製造方法であって、上記アントラピリドン組成物が次式のものである、方法。
【化5】

式中、「A」及び「B」は独立に環炭素原子数約10〜約20の置換又は非置換環状ケトン基から選択され、「a」は0〜4の値を有する整数であり、R〜Rは一価置換基であるが、「a」が0のときは、Rが水素、アルキル基、第二アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択され、R〜Rがヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボニル含有基、アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択される置換基であることを条件とする。
【請求項8】
前記アミノアントラピリドンが次式の化合物からなる、請求項7記載の方法。
【化6】

式中、「a」は0〜4の値を有する整数であり、R〜Rは一価置換基であるが、「a」が0のときは、Rが水素、アルキル基、第二アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択され、R〜Rがヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基、複素環式基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基及びスルホニル含有基からなる群から選択される置換基であることを条件とする。
【請求項9】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のアントラピリドンを含む樹脂組成物。
【請求項10】
請求項9記載の樹脂組成物を含んでなる物品。

【公表番号】特表2007−507587(P2007−507587A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533899(P2006−533899)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/029278
【国際公開番号】WO2005/033210
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】