説明

熱成形性シートに好適な組成物および熱成形性シートから製造される物品

(A)実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有するプロピレン・エチレンコポリマーであって、4〜30グラム/10分間の溶融流動速度を有し、少なくとも70重量%のプロピレン由来の単位と約10〜20重量%のエチレン由来の単位を含有する5〜20重量%のプロピレン・エチレンコポリマー;および(B)2〜8グラム/10分間の溶融流動速度を有する80〜95重量%のポリプロピレンのブレンドを含み、このブレンドの溶融流動速度が2〜7グラム/10分間であり、このブレンドが(1)少なくとも15KJ/m2の室温シャルピー靭性、(2)少なくとも1000MPaの曲げ弾性率、(3)少なくとも2KJ/m2の0°シャルピー靭性、および(4)40%未満のヘーズ値を示す、少なくとも300μmの厚さを有する熱成形性シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、良好な光学特性、靭性および剛性を示す熱成形物品の製造における使用に好適な熱可塑性組成物に関する。加えて、本発明は本発明の組成物を組み込んだシートに関する。更には、本発明は、本発明の組成物を組み込んだ熱成形物品、好ましくは傷み易い食品、例えば食肉および魚用のトレイに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の傷み易い食品品目を保持するのに熱成形トレイが包装業界により使用される。これらのタイプのトレイにおける最大の用途の一つは新鮮な食肉を保持することである。歴史的には、店内の食肉加工場により製造される新鮮な食肉を収めるのに、発泡ポリスチレン(EPS)トレイが地域の食肉加工業者や食料品店により使用されてきた。しかしながら、食肉包装業界は激しい変化を受けつつあり、それによれば食肉は離れた場所にある施設で処理され、食料品店に出荷されるケースレディ容器の中に新鮮に包装されて、更なる再包装は必要とされない。このことによって、地域の食肉加工業者の必要性は減るが、充分なガスバリアー性を示すトレイも必要となる。通常、このトレイは、包装された食肉が包装、輸送および店内での展示に充分な約8〜12日間の保存寿命を確保するのに充分なバリア性を有する必要がある。
【0003】
剛性、透明性、高耐熱性、バリア性およびコストが優れていることにより、ポリプロピレンがEPSに対する置き換えとして熱成形された食肉トレイにおいて使用された。ポリプロピレンの解決策は、適切な衝撃変成剤を使用する場合、許容し得る剛性と靭性をもたらすことができる一方で、通常、多くの用途に要求される剛性、靭性および光学特性のバランスをもたらすことができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
望まれるのは、剛性、靭性および光学特性の優れたバランスを示す熱成形トレイに容易に成形できる組成物である。加えて、操作および取り扱いの場合、トレイは応力白化に抵抗性を持つことが望ましい。
【0005】
本発明の一つの目的は、剛性、靭性および高透明度および/または低ヘーズなどの光学的性質の優れたバランスを示す熱成形物品、好ましくはトレイおよび容器に容易に成形可能なシートに製造可能な組成物を提供することである。
【0006】
本発明のもう一つの目的は、熱成形物品、例えばトレイが上記に挙げた性質を示し、更には応力白化に対して良好な抵抗性を示すことである。
【0007】
本発明の更にもう一つの目的は、熱成形物品、好ましくはトレイおよび容器が充分な蒸気バリア性を示して、このトレイおよび容器により収められている新鮮な食品品目が好適な保存寿命を有することを可能とするということである。
【0008】
本発明の更なる目的は、ポリプロピレンと極めて混和性であって、劣った混合条件下でも容易にブレンド可能である衝撃変成剤を含有する組成物を提供することである。
【発明を解決するための手段】
【0009】
第1の実施形態においては、本発明は、熱成形物品、例えば容器/トレイ用途での使用に好適な組成物であって、
A.実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有するプロピレン・エチレンコポリマーであって、少なくとも70重量%のプロピレン由来の単位と約10〜約20重量%のエチレン由来の単位(好ましくは、12〜18重量%のエチレン由来の単位;更に好ましくは、13〜17重量%のエチレン由来の単位;最も好ましくは、14〜16重量%のエチレン由来の単位)を含有し、4〜30グラム/10分間(好ましくは、5〜25g/10分;更に好ましくは6〜20g/10分;最も好ましくは7〜12g/10分)の溶融流動速度を有する、5〜20重量%のプロピレン・エチレンコポリマー(好ましくは、5〜15重量%のプロピレン・エチレンコポリマー;更に好ましくは、7〜13重量%のプロピレン・エチレンコポリマー;最も好ましくは8〜12重量%のプロピレン・エチレンコポリマー);および
B.2〜8グラム/10分間(好ましくは、3〜6g/10分;更に好ましくは3〜5g/10分)の溶融流動速度を有する約80〜約95重量%のポリプロピレン
を含み、該組成物の溶融流動速度が2〜7グラム/10分間(好ましくは3〜5g/10分)である組成物である。
【0010】
この第1の実施形態においては、この組成物から製造され、ISO179/1eAにしたがって試験される物品は、少なくとも15KJ/m2の;好ましくは、少なくとも20KJ/m2の、ある場合には少なくとも25KJ/m2の室温(23℃)シャルピー靭性を好ましくは示す。更には、この実施形態においては、この組成物から製造され、ISO178にしたがって試験される物品は、好ましくは少なくとも1000MPaの、更に好ましくは少なくとも1100MPaの、ある場合には、例えば剛性が決定的である場合には、少なくとも1300MPaの曲げ弾性率を示す。最後に、この実施形態においては、1mm厚のこの組成物から製造される射出成形プラークは、ASTM D1003により測定して40%未満のヘーズ値;好ましくは、38%未満の;更に好ましくは、37%未満の;最も好ましくは、36%またはそれ以下のヘーズ値を示す。加えて、この組成物は、少なくとも2KJ/m2の、好ましくは少なくとも2.5KJ/m2の、更に好ましくは少なくとも3KJ/m2の0℃シャルピー靭性(ISO179/1eAにしたがった)を示す。
【0011】
第1の実施形態の代替の態様においては、高結晶性ポリプロピレン(HCPP)がこの組成物のマトリックスに使用される。このHCPPは、(1)DSCにより測定して、少なくとも127℃の、好ましくは少なくとも129℃の、更に好ましくは少なくとも130℃の、最も好ましくは少なくとも133℃のDSCによるピーク結晶化温度;(2)少なくとも165℃の、好ましくは少なくとも166℃のDSCによるピーク融解温度;(3)2.0重量%未満の、好ましくは1.7重量%未満の、更に好ましくは1.5重量%未満の、ある場合には1.0重量%未満のキシレン可溶部;および(4)少なくとも300,000psiの、好ましくは少なくとも320,000psiの、更に好ましくは少なくとも330,000psiのASTMD790−00による1%割線曲げ弾性率を示す。このHCPPは、好ましくは少なくとも70パーセントの、更に好ましくは少なくとも70パーセントの、なお更に好ましくは少なくとも73パーセントの、ある場合には少なくとも75パーセントの結晶性も示す。HCPPの結晶性を計算する場合には、100%アイソタクチックポリプロピレンは165ジュール/グラム(J/g)の融解熱を示すと仮定される。所望の性質を得るには、しばしば核形成剤をHCPP中に組み込む。通常、核形成剤、例えばADK NA−11およびADK NA−21(両方ともAsahi Denka Kokaiから市販されている)およびMillad3988(Milliken & Companyから市販されている)は、使用されるポリプロピレンの重量基準で500〜2500ppm間の、好ましくは650〜1500ppm間の、更に好ましくは750ppm〜1250ppm間の濃度で使用される。別法としては、安息香酸ナトリウムと類似のタイプの核形成剤が核形成剤として使用可能である。
【0012】
本発明のこの代替の態様において使用可能なHCPPポリマーの一つの例は、HCPPポリマーおよびHCPPポリマーと関連する性質の測定方法を説明するために、参照として本明細書に全体が組み込まれている、WO2004/033509A1号で述べられている。本発明のこの態様において有用なHCPPポリマーのもう一つの例は、下記の実施例5〜8で使用されている。
【0013】
第1の実施形態の特に好ましい態様においては、このプロピレン・エチレンコポリマーは、プロピレン・エチレンコポリマーを詳述する項で後述するように、広い結晶性分布を示す。この態様においては、このプロピレン・エチレンコポリマーは、好ましくは3.5未満の分子量分布(Mw/Mn)も有する。
【0014】
第2の実施形態においては、本発明は、上記の第1の実施形態の態様のいずれかで述べる組成物を組み込んだ熱成形物品、例えば容器またはトレイである。この熱成形トレイは、好ましくは食品を収めるための食品トレイ(更に好ましくは、新鮮な食肉および魚を保持するためのトレイ)である。この容器またはトレイは、ASTM D1003にしたがって測定した1mm厚のこの射出成形組成物から製造されるプラークについて測定した値以下であるヘーズを示す;好ましくは、この熱成形物品、好ましくはトレイまたは容器は20%未満のヘーズ値を示す。この物品、好ましくはトレイまたは容器は極めて低応力白化挙動を更に示す。
【0015】
第3の実施形態においては、本発明は、第1の実施形態の態様のいずれかで述べられる組成物を組み込んだ熱成形性シートである。この熱成形性シートは少なくとも300マイクロメーター(μm)の厚さを有する。優れた剛性のためには、この熱成形性シートは、好ましくは少なくとも500マイクロメーター厚であり、ある場合には少なくとも700マイクロメーター厚である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の組成物におけるポリプロピレン
この組成物で使用されるポリプロピレンは、ホモポリマーポリプロピレンまたはミニランダムプロピレンベースのコポリマーであり得る。ミニランダムプロピレンベースのコポリマーは少なくとも99重量%のプロピレン由来の単位を有し、1重量%あるいはそれ以下がアルファ−オレフィンコモノマー由来の単位である。好ましいアルファ−オレフィンコモノマーはエチレンである。
【0017】
好ましくは、ミニランダムプロピレンベースのコポリマーは、これを使用する場合には、最も好ましくは高結晶性ポリマー、例えば参照として本明細書に全体が組み込まれている、高結晶性ポリプロピレンホモポリマーおよびコポリマーに関して教示するためのWO2004/033509A1号(米国特許公報2004−0122196A1号)に述べられているものである。
【0018】
この組成物から製造される物品において高剛性(曲げ弾性率)を所望する場合には、高結晶性ポリプロピレン、例えばWO2004/033509A1号に述べられているようなポリプロピレンがこの組成物の中に組み込まれる。靭性と透明性が剛性(曲げ弾性率)よりも重要である場合には、在来のチーグラー・ナッタ触媒または類似の剛性を有するポリプロピレンをもたらす能力のある他の触媒により製造されるポリプロピレンがこの組成物において使用される。
【0019】
本発明に有用なポリプロピレンは、2〜8g/10分の、好ましくは3〜6g/10分の、更に好ましくは3〜5g/10分の溶融流動速度を有する。
【0020】
プロピレン・エチレンコポリマー
本発明のプロピレン・エチレンコポリマーは、実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有することを特徴とする。「実質的にアイソタクチックなプロピレン配列」および類似の用語は、この配列が13CNMRにより測定して、約0.85以上の、好ましくは約0.90以上の、更に好ましくは約0.92以上の、最も好ましくは約0.93以上のアイソタクチックトライアッド(mm)を有するということを意味する。アイソタクチックトライアッドは当該分野でよく知られ、例えば、米国特許第5,504,172号およびWO00/01745号で述べられており、これは、アイソタクチック配列を13CNMRスペクトルで求めたコポリマー分子鎖中のトライアッド単位として述べている。NMRスペクトルは下記で述べるように測定される。
【0021】
このプロピレン・エチレンコポリマーは、好ましくは少なくとも80重量%のプロピレン由来の単位、更に好ましくは少なくとも82重量%のプロピレン由来の単位、なお更に好ましくは少なくとも83重量%のプロピレン由来の単位、最も好ましくは少なくとも84重量%のプロピレン由来の単位を含有する。
【0022】
このプロピレン・エチレンコポリマーは、1ジュール/グラム〜50ジュール/グラムの;好ましくは、1ジュール/グラム〜38ジュール/グラムの;更に好ましくは2ジュール/グラム〜34ジュール/グラムの;最も好ましくは3ジュール/グラム〜29ジュール/グラムの融解熱を示す。
【0023】
本発明のプロピレン・エチレンコポリマーは、プロピレンおよびエチレン由来の単位に加えて、他のアルファ−オレフィン由来の単位を含有し得る。存在する場合には、他のアルファ−オレフィン由来の単位は、好ましくはこの組成物の10重量%未満で、更に好ましくはこの組成物の5重量%未満で、最も好ましくはこの組成物の2重量%未満で存在する。
【0024】
13CNMRスペクトル法は、ポリマーの中へのコモノマー組み込みを測定し、プロピレンベースのコポリマー、例えば現行のプロピレン・エチレンコポリマー中のアイソタクチックトライアッドレベルを測定する、当該分野で既知の多数の技術の一つである。エチレン/α−オレフィンコポリマーについてコモノマー含量を定量するこの方法の例は、Randall(Journal of Macromolecular Science,Reviews in Macromolecular Chemistry and Physics, C29(2&3), 201-317(1989))で述べられている。オレフィンインターポリマーのコモノマー含量を定量するための基本的な手順は、試料中の異なる炭素に対応するピークの強度が試料中の寄与する核の全数に直接的に比例する条件の下で13CNMRスペクトルを取得することを含む。この比例性を確認する方法は当該分野で既知であり、パルス後の緩和に対する充分な時間を与えること、ゲーテッドデカップリング法、緩和剤などを使用することを含む。ピークまたはピーク群の相対強度がコンピューターで生成される積分から実際に得られる。スペクトルを取得し、ピークを積分した後、コモノマーと関連するピークが帰属される。この帰属は、既知のスペクトルあるいは文献を参照することにより、あるいはモデル化合物を合成および分析することにより、あるいは同位体標識されたコモノマーを使用することにより実施可能である。モル%コモノマーは、例えばRandallに述べられているように、インターポリマー中の全モノマーのモル数に相当する積分に対するコモノマーのモル数に相当する積分の比により定量可能である。
【0025】
このデータは、100.4MHzの13C共鳴周波数に相当する、Varian UNITY Plus 400MHzNMRスペクトロメーターを用いて集める。取得パラメーターを選択して、緩和剤の存在下での定量的な13Cデータ取得を確かなものとする。ゲーテッド1Hデカップリング、データファイル当たり4000トランジェント、7秒パルス繰り返し遅延、24,200Hzのスペクトル幅および32Kのデータポイントのファイルサイズを用い、プローブを130℃まで加熱して、このデータを取得する。クロムアセチルアセトネート(緩和剤)中で0.025Mであるテトラクロロエタン−d2/オルトジクロロベンゼンの約3mLの50/50混合物を10mmNMR管中の0.4gの試料に添加することにより、試料を作製する。純粋な窒素により置換することにより、この管のヘッドスペースを酸素除去する。この管とこの内容物を150℃まで加熱し、周期的な還流を加熱ガンにより開始することにより、この試料を溶解し、均質化する。
【0026】
データ収集に続いて、化学シフトを21.90ppmのmmmmペンタッドに対して内部参照する。
【0027】
プロピレン・エチレンコポリマーに対しては、次の手順を使用して、ポリマー中のモルパーセントエチレンを計算する。積分領域を次のように決める。

表A:%エチレンを定量するための積分領域
【表1】

領域DをD=P×(G×Q)/2として計算する。領域E=R+Q+(G×Q)/2

表E:領域Dの計算
【表2】

【0028】
上記の2つの方法(トライアッド和および代数的)は通常変わらないが、この2つの方法の平均としてC2値を計算する。当業者ならば、プロピレン・エチレンコポリマー中のエチレン由来の単位の重量パーセントをモルパーセントエチレンの値から計算することができる。
【0029】
本発明の特に好ましい態様においては、本発明で使用されるプロピレン・エチレンコポリマーは、このような触媒に関して教示するために参照として本明細書に全体が組み込まれている、2002年5月5日出願の米国特許出願番号10/139,786号に述べられている非メタロセンの、金属中心のヘテロアリール配位子触媒を用いて製造されるプロピレン・エチレンコポリマーを含む。このような触媒に対しては、用語「ヘテロアリール」は置換ヘテロアリールを含む。このような非メタロセンの、金属中心のヘテロアリール配位子触媒の例は例に述べる触媒Aである。このような非メタロセンの、金属中心のヘテロアリール配位子触媒により製造されるプロピレン・エチレンコポリマーは特異的なレジオエラーを示す。このレジオエラーは、約14.6および約15.7ppmで対応する13CNMRピークにより同定され、成長ポリマー鎖の中へのプロピレン単位の立体選択性な2,1・挿入の誤りの結果であると考えられる。この特に好ましい態様においては、これらのピークはほぼ等しい強度であり、これらは、通常、ホモポリマーあるいはコポリマー鎖の中へのプロピレン挿入の約0.02〜約7モルパーセントである。
【0030】
いくつかの13CNMRスペクトルの比較は、本発明の特に好ましい態様において好ましくは使用されるプロピレン・エチレンコポリマーの特異的なレジオエラーを更に例示する。図1および2は、実施例で使用されるプロピレン・エチレンコポリマーに類似のプロピレン・エチレンコポリマーのスペクトルである。各ポリマーのスペクトルは、これらのプロピレン・エチレンベースのコポリマーの高度のアイソタクチック性(13CNMRにより測定して0.94よりも大きいアイソタクチックトライアッド(mm))と特異的なレジオエラーを示す。図3の13CNMRスペクトルはメタロセン触媒を用いて製造されるプロピレン・エチレンコポリマーのスペクトルである。このスペクトルは、本発明で使用される最も好ましいプロピレン・エチレンコポリマーに特有のレジオエラー(15ppm近傍)を示さない。
【0031】
トライアッドレベル(mm)でのアイソタクチック性は、mmトライアッド(22.70〜21.28ppm)、mrトライアッド(21.28〜20.67ppm)およびrrトライアッド(20.67〜19.74)の積分から求められる。mmトライアッドの強度をmm、mrおよびrrトライアッドの和で割ることにより、mmアイソタクチック性を求める。エチレンコポリマーに対しては、37.5〜39ppmの積分を差し引くことにより、mr領域を補正する。mm、mrおよびrrトライアッドの領域においてピークを生じる他のモノマーとのコポリマーに対しては、ピークを同定したならば、標準のNMRの方法を用いて妨害ピークの強度を差し引くことにより、これらの領域に対する積分を同様に補正する。例えば種々のレベルのモノマー組み込みの一連のコポリマーを分析し、文献で帰属させ、同位体標識し、または当該分野で既知の他の手段により、これらを行うことができる。
【0032】
広い結晶性分布
本発明のもう一つの特に好ましい態様においては、このプロピレン・エチレンコポリマーは広い結晶性分布を示す。本発明者らは、広い結晶性分布を有するプロピレン・エチレンコポリマーの使用が更に良好な(すなわち、大きな値の)靭性を有する組成物を生じると考える。
【0033】
結晶化可能な配列長の分布の定量は昇温溶離分別(TREF)により合成的な尺度で実施可能である。更に連続的な分布を評価するための根拠として個別の画分の相対重量を使用することができる。L. Wild,et al., Journal of Polymer Science: Polymer. Physics Ed., 20, 441 (1982)は、試料サイズをスケールダウンし、溶離温度の関数として分布の連続表示を生じさせるのに、重量検出器を付加した。このスケールダウン版の分析的昇温溶離分別(ATREF)は、画分の実際の単離には関係せず、画分の重量分布を更に正確に求めることに関係する。
【0034】
TREFはエチレンと高級α−オレフィンのコポリマーに元々適用されたが、これは、プロピレンとエチレン(または更に高級なα−オレフィン)のコポリマーの分析にも使用可能である。プロピレンのコポリマーの分析は、純粋なアイソタクチックポリプロピレンの溶解および結晶化のためには更に高い温度を必要とするが、対象の共重合生成物の大部分はエチレンのコポリマーに対して観察されるのと類似の温度で溶離する。次の表はプロピレンのコポリマーの分析に使用される条件の要約である。特記するものを除いて、TREFに対する条件はWild, et al., ibid, and Hazlitt, Journal of Applied Polymer Science: Appl. Polym. Symp., 45, 25 (1990)の条件と一致する。

表C:TREFに使用されるパラメーター
【表3】

【0035】
TREFから得られるデータは溶離温度の関数として重量画分の正規化プロットで表される。この分離機構はエチレンのコポリマーのそれに類似であり、結晶化可能な成分(エチレン)のモル含量が溶離温度を決定する主な要素である。プロピレンのコポリマーの場合には、溶離温度を主として決定するのはアイソタクチックプロピレン単位のモル含量である。
【0036】
プロピレン・エチレンコポリマーの結晶性分布の記述に使用可能な一つの統計的要素は、特定のポリマーに対するTREF曲線の非対称性を反映する統計である、歪度である。式1は、歪度インデックスSixを非対称性の尺度として数学的に表す。

【数1】

式1
【0037】
値Tmaxは、TREF曲線中50〜90℃間で溶離する最大重量画分の温度として定義される。TiおよびwiはそれぞれTREF分布における任意のi番目の画分の溶離温度および重量画分である。この分布は30℃以上で溶離する曲線の全面積に関して正規化(wiの和は100%に等しい)されたものである。このように、このインデックスは結晶化されたポリマーの形状を反映するのみで、いかなる非結晶化ポリマー(30℃またはこれ以下でなお溶液中のポリマー)も式1に示す計算から除かれている。本発明の特に好ましい態様においては、このプロピレン・エチレンコポリマーに対する歪度インデックスは、−1.2よりも大きく、好ましくは−1.0よりも大きく、更に好ましくは−0.8よりも大きく、なお更に好ましくは−0.7よりも大きく、ある場合には−0.60よりも大きい。このような歪度インデックスは、広い結晶性分布を有するプロピレン・エチレンコポリマーを示すものである。この例のすべてのプロピレン・エチレンコポリマーは上述の歪度インデックス内に入る。
【0038】
歪度インデックスに加えて、TREF曲線の幅の広さのもう一つの尺度(それゆえ、コポリマーの結晶性分布の幅の広さの尺度)は、最終の溶離四分位(TM4)のメディアン溶離温度である。メディアン溶離温度は、TREF分布(30℃またはこれ以下でなお溶液中のポリマーは歪度インデックスについて上述したようにこの計算から除外される)の最後に、あるいは最高の温度で溶離する25%重量画分のメディアン溶離温度である。上温度四分位(TM4−TMax)は、最終の溶離四分位のメディアン溶離温度とピーク温度TMaxとの間の差を定義する。本発明のこの特に好ましい態様においては、このプロピレン−アルファオレフィンコポリマーは、4.0℃よりも大きい、好ましくは少なくとも4.5℃よりも大きい、更に好ましくは少なくとも5℃よりも大きい、なお更に好ましくは少なくとも6℃の、最も好ましくは少なくとも7℃の、ある場合には少なくとも8℃および少なくとも9℃もの上温度四分位により部分的に示される広い結晶性分布を有する。一般に、上温度四分位の値が大きいほど、このコポリマーの結晶性分布は広い。この例のすべてのプロピレン・エチレンコポリマーは、広い結晶性分布の樹脂について上述したように上温度四分位を有する。
【0039】
更には、この特に好ましい態様においては、プロピレン・エチレンコポリマーは、TREFにより試験される場合には、通常でない、予期されない結果を示す。この分布は、大きな溶離温度範囲を網羅する傾向があり、同時に目立った、狭いピークを与える。加えて、エチレン組み込みの広い範囲にわたって、ピーク温度TMaxは60℃〜65℃近傍である。在来のプロピレン・エチレンコポリマーにおいては、エチレン組み込みの類似のレベルに対しては、このピークは高い溶離温度に移動し、エチレン組み込みは低下する。
【0040】
在来のメタロセン触媒に対しては、ピーク最大に対するTREF溶離温度TMaxに対するプロピレンのモル画分Xpの近似の関係は、次式
Loge(Xp)=−289/(273+Tmax)+0.74
により与えられる。
【0041】
この特に好ましい態様におけるプロピレン・エチレンコポリマーに対しては、プロピレンのモル画分の自然対数LnPは、式
LnP>−289/(273+Tmax)+0.75
で示されるように在来のメタロセンのそれよりも大きい。
【0042】
分子量および分子量分布
本発明のある態様においては、このプロピレンベースのコポリマーは、重量平均分子量を数平均分子量で割った値(Mw/Mn)により定義して、3.5以下の分子量分布(MWD)を有する。
【0043】
このポリマーの分子量分布は、4本の直線状混合床カラム(Polymer Laboratories(20ミクロン粒子サイズ))を備えたPolymer Laboratories PL−GPC−220高温クロマトグラフユニットによるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて求められる。オーブン温度は160℃であり、オートサンプラー高温域は160℃であり、中温域は145℃である。溶媒は200ppmの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを含有する1,2,4−トリクロロベンゼンである。流速は1.0ミリリットル/分であり、注入サイズは100マイクロリットルである。200ppmの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを含有する窒素パージした1,2,4−トリクロロベンゼンに試料を穏やかに混合しながら160℃で2.5時間溶解することにより、この試料の約0.2重量%溶液を注入用に作製する。
【0044】
10個の狭い分子量分布のポリスチレン標準(580−7,500,000g/モルの範囲のPolymer Laboratories,EasiCal PS1からの品)を溶離容積と関連させて使用することにより、分子量を求める。Mark−Houwinkの式
{N}=KMa
(式中、Kpp=1.90E−04、app=0.725およびKps=1.26E−04、aps=0.702である)
中でポリプロピレン(Th.G.Scholte, N.L.J.Meijerink, H.M.Schoffeleers, and A.M.G.Brands, J.Appl.Polym.Sci., 29, 3763-3782 (1984)により述べられているように)およびポリスチレン(E.P.Otocka, R.J.Roe,N.Y.Hellman, P.M.Muglia, Macromolecules, 4, 507 (1971)により述べられているように)に適切なMark−Houwink係数を使用することにより、等価なプロピレン・エチレンコポリマー分子量を求める。
【0045】
示差走査熱分析
示差走査熱分析(DSC)は、半結晶性ポリマーの融解および結晶化の試験に使用可能な普通の方法である。DSC測定の一般的な原理と半結晶性ポリマーの研究へのDSCの適用は標準的な教科書(例えば、E.A.Turi, ed., Thermal Characterization of Polymeric Materials, Academic Press, 1981)で述べられている。本発明の特に好ましい態様においては、プロピレン・エチレンコポリマーが本発明において使用され、このプロピレン・エチレンコポリマーは、本質的に同一を保つTmeとこのコポリマー中の不飽和コモノマーの量が増加するのにしたがって減少するTmaxを持つDSC曲線を特徴とする。Tmeは融解が終了する温度を意味し、Tmaxはピーク融解温度を意味し、これらは、両方とも当業者により最終加熱段階からのデータを用いてDSC分析から決められる。
【0046】
示差走査熱分析(DSC)分析は、TA Instruments,Inc.からのモデルQ1000DSCを用いて求められる。DSCの較正を次のように行う。第1に、アルミニウムDSCパン中にいかなる試料も入れずにDSCを−90℃から290℃まで走査することにより、ベースラインを得る。次に、試料を180℃まで加熱し、試料を10℃/分の冷却速度で140℃まで冷却し、続いて試料を等温的に140℃で1分間保持し、続いて試料を10℃/分の加熱速度で140℃から180℃まで加熱することにより、7ミリグラムの新しいインジウム試料を分析する。このインジウム試料の融解熱と融解の開始を求め、これが融解の開始に対しては156.6℃から0.5℃内であり、融解熱に対しては28.71J/gから0.5J/g内であることをチェックする。次に、DSCパン中の新しい試料の小滴を10℃/分の冷却速度で25℃から−30℃まで冷却することにより、脱イオン水を分析する。この試料を−30℃で2分間等温的に保持し、10℃/分の加熱速度で30℃まで加熱する。融解の開始を求め、これが0℃から0.5℃内であることをチェックする。
【0047】
このプロピレンベースのコポリマー試料を190℃の温度で薄いフィルムにプレスする。約5〜8mgの試料を秤り取り、DSCパンに入れる。蓋をパン上に圧着して、密封雰囲気を確保する。この試料パンをDSCセルに入れ、約100℃/分の高速度で融解温度の約30℃上の温度まで加熱する。試料をこの温度で約3分間保持する。次に、この試料を10℃/分の速度で−40℃まで冷却し、この温度で3分間等温的に保持する。結果として、この試料を10℃/分の速度で完全に融解するまで加熱する。
【0048】
DSCからの出力データは時間(秒)、温度(℃)および熱流(ワット)からなる。融解吸熱の分析における以降の段階は次の通りである。第1に、この熱流を試料重量で割って、比熱流(単位:W/g)を得る。第2に、ベースラインを引き、比熱流から差し引いて、ベースラインを差し引いた熱流を得る。この明細書で提示する分析には、直線のベースラインを使用する。ベースラインの低い温度の限界をガラス転移の高温側上のポイントとして選択する。ベースラインの高い温度の限界を融解吸熱の完結の約5〜10℃上の温度として選択する。直線のベースラインは理論的には厳密でないが、これは分析の容易さと一貫性をもたらし、導入される誤差は約15〜20ジュール/グラム以上の融解比熱の試料に対しては比較的小さい。結果の詳細は機器によるベースラインの異なる規定により変わると予期されるが、理論的に更に正確なベースラインの代わりに直線のベースラインを使用することが下記に提示する結果または結論のいずれにも実質的に影響を及ぼすことはない。
【0049】
ピーク融解温度(ベースラインを差し引いた熱流が最大である温度である(ここでは、対流は試料の中への熱流が正であるということである))、開始およびピークの結晶化温度、融解熱および結晶化熱、Tmeおよび任意の対象の他のDSC分析について、得られるエンタルピー曲線を分析する。融解熱を重量%の結晶性に変換するのに使用される係数は、165J/g=100重量%結晶性である。この変換係数によれば、プロピレンベースのコポリマーの全結晶性(単位:重量%結晶性)は100%×融解熱÷165J/gとして計算される。
【0050】
溶融流動速度(MFR)測定をASTM D−1238、Condition 230℃/2.16キログラム(kg)重量にしたがって行う。メルトインデックスの場合のように、溶融流動速度はポリマーの分子量に逆比例する。このように、この関係は直線的ではないが、分子量が大きいほど、溶融流動速度は低い。
【0051】
熱成形トレイおよび/または容器
この組成物から製造される熱成形物品、好ましくはトレイまたは容器は、種々の用途に使用され得る。これらは、新鮮な、傷み易い食品、例えば新鮮な食肉および魚を保持する(収める)のに特に有用である。この熱成形物品は、剛性(曲げ弾性率により測定した)、靭性(シャルピーにより測定した)および光学特性(ヘーズにより測定した)の優れたバランスを示す。既述した性質に加えて、本発明の組成物により製造され、シャルピー(ISO179/leA)にしたがって試験される物品は、少なくとも2KJ/m2の、好ましくは少なくとも3KJ/m2のシャルピー靭性を示す。
【実施例】
【0052】
実施例で開示されるポリマーは次のものである。P−E1は、14重量パーセントのエチレン由来の単位を含有し、8g/10分の溶融流動速度を有する、下記に述べるように製造されたプロピレン・エチレンコポリマーである。このコポリマーは3重量%の結晶性に相当する4.3ジュール/グラムの融解熱および3のMWDを示す。このプロピレン・エチレンコポリマーは0.96のトライアッドアイソタクチック性(mm)を示す。
【0053】
P−E2は、12重量パーセントのエチレン由来の単位を含有し、8g/10分の溶融流動速度を有する、下記に述べるように製造されたプロピレン・エチレンコポリマーである。このコポリマーは8重量%の結晶性に相当する12.8ジュール/グラムの融解熱および3のMWDを示す。このプロピレン・エチレンコポリマーは0.96のトライアッドアイソタクチック性(mm)を示す。
【0054】
P−E3は、12重量パーセントのエチレン由来の単位を含有し、25g/10分の溶融流動速度を有する、下記に述べるように製造されたプロピレン・エチレンコポリマーである。このコポリマーは11重量%の結晶性に相当する17.4ジュール/グラムの融解熱および3のMWDを示す。このプロピレン・エチレンコポリマーは0.96のトライアッドアイソタクチック性(mm)を示す。
【0055】
H105−03NAは、The Dow Chemical Companyから入手し得るチーグラー・ナッタ触媒により製造されるポリプロピレンホモポリマーである。この樹脂は3.2g/10分の溶融流動速度を有し、600ppmの安息香酸ナトリウム核形成剤を含有し、ISO178により測定して1600MPaの曲げ弾性率を有する。
【0056】
触媒A
触媒Aの合成
ハフニウム,[N−[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−α−[2−(1−メチルエチル)フェニル]−6−(1−ナフタレニル−κ−C2)−2−ピリジンメタナミナト(2−)−κN1,κN2]ジメチル−
【化1】

a)2−ホルミル−6−ブロモピリジン
この化合物を文献の手順、Tetrahedron Lett., (2001)42, 4841にしたがって合成する。
【0057】
b)6−ブロモ−2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミノピリジン)
乾燥した500mLの3口丸底フラスコに、0.3nmの細孔サイズモレキュラーシーブ(6g)と80mgのp−TsOHを入れた500mLの無水トルエン中の2−ホルミル−6−ブロモピリジン(72.1g、383ミリモル)と2,6−ジイソプロピルアニリン(72.5g、383ミリモル)の溶液を装填する。この反応器に凝縮器、頭上機械式撹拌器および熱電対ウエルを備える。この混合物をN2下で70℃まで12時間加熱する。揮発分を減圧下で濾過、除去した後、褐色オイルを単離する。収量は109g、81.9パーセントであった。
GC/MS346(M+)、331、289、189、173、159、147、131、116、103、91、78。
【0058】
c)6−(1−ナフチル)−2−[(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミノ]ピリジン
ナフチルボロン酸(54.5g、316ミリモル)とNa2CO3(83.9g、792ミリモル)を200mLの脱気した1:1H2O/EtOHの中に溶解する。この溶液を6−ブロモ−2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−イミノピリジン(109g、316ミリモル)のトルエン溶液(500mL)に添加する。ドライボックス内で、1g(0.86ミリモル)のテトラキス(トリフェニル−ホスフィン)パラジウム(0)を50mLの脱気したトルエンに溶解する。この溶液をドライボックスから取出し、N2でパージした反応器の中に装填する。この二相溶液を激しく撹拌し、70℃で4〜12時間加熱する。室温まで冷却した後、有機相を分離し、水層をトルエン(3×75mL)により洗浄し、合体した有機抽出物をH2O(3×200mL)により洗浄し、MgSO4上で乾燥する。揮発分を減圧下で除去した後、得られる淡黄色オイルをメタノールからの再結晶化により精製して、黄色固体を得る。収量109g、87.2パーセント;mp142〜144℃.
1H NMR(CDCl3)δ1.3(d,12H),3.14(m,2H),7.26(m,3H),7.5−7.6(m,5H),7.75−7.8(m,3H),8.02(m 1H),8.48(m,2H)。
13C NMR(CDCl3)δ23.96,28.5,119.93,123.50,124.93,125.88,125.94,126.49,127.04,127.24,128.18,128.94,129.7,131.58,134.5,137.56,137.63,138.34,148.93,154.83,159.66,163.86。
GC/MS396(M+),380,351,337,220,207,189,147。
【0059】
d)2−イソプロピルフェニルリチウム
不活性雰囲気のグローブボックス内で、n−ブチルリチウム(52.5ミリモル、ヘキサン中2.5Mを21mL)を2−イソプロピルブロモベンゼン(9.8g、49.2ミリモル)のエーテル溶液(50mL)に添加漏斗により35〜45分にわたって添加する。添加を完了した後、この混合物を外周温度で4時間撹拌する。次に、エーテル溶媒を真空下で一夜除去する。翌日、ヘキサンを残存する白色固体に添加し、この混合物を濾過し、追加のヘキサンにより洗浄し、次に真空乾燥する。2−イソプロピルフェニルリチウム(4.98g、39.52ミリモル)を明るい白色粉末として集める。元のヘキサン濾液の第2の濾過物から生成物(0.22g)の第2の収量を後から得る。
1H NMR(d8−THF)δ1.17(d,J=6.8Hz,6H),2.91(sept,J=6.8,1H),6.62−6.69(マルチプレット,2H),6.77(d,J=7.3Hz,1H),7.69(マルチプレット,1H)。
13C NMR(d8−THF)δ25.99,41.41,120.19,122.73,122.94,142.86,160.73,189.97。
【0060】
e)2−ピリジンメタンアミン、N−[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−α−[2−(1−メチルエチル)フェニル]−6−(1−ナフタレニル)
イミン、段階c)の6−(1−ナフチル)−2−[(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミノ]ピリジン(2.20g、5.6ミリモル)を60〜70mLの乾燥エーテル中のスラリーとして窒素雰囲気下で磁気撹拌する。注射器を用いて、2−イソプロピルフェニルリチウム(1.21g、25mLの乾燥エーテル中9.67ミリモル)のエーテル溶液を4〜5分間にわたってゆっくり添加する。添加を完了した後、小試料を取り出し、1N NH4Clによりクエンチし、有機層を高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)により分析して、出発材料の完全な消費についてチェックする。1N NH4Cl(10mL)を注意深く、ゆっくりと添加することにより、この反応物の残りをクエンチする。この混合物を更なるエーテルにより希釈し、この有機層を塩水により2回洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で溶媒除去する。濃厚な赤色オイル(2.92g;理論収量=2.87g)として得られる粗生成物を更なる精製無しで使用する。
1H NMR(CDCl3)δ0.96(d,J=6.6Hz,3H),1.006(d,J=6.8Hz,3H),1.012(d,J=6.8Hz,6H),1.064(d,J=6.8Hz,6H),3.21−3.34(マルチプレット,3H),4.87(brs,NH),5.72(s,1H),6.98(d,J=7.6Hz,1H)7.00−7.20(マルチプレット,7H),7.23−7.29(マルチプレット,4H),7.51(d,J=7.1Hz 1H),7.60−7.65(マルチプレット,2H),7.75(マルチプレット,1H),8.18(マルチプレット,1H)。
13C NMR(CDCl3)δ23.80,24.21,24.24,24.36,28.10,28.81,67.08,120.20,122.92,123.96,124.42,125.35,125.81,126.01,126.28,126.52,126.58,126.65,127.80,128.52,128.62,129.25,131.82,134.52,136.81,138.82,140.94,143.37,143.41,146.66,159.05,162.97。
【0061】
f)ハフニウム、[N−[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−α−[2−(1−メチルエチル)フェニル]−6−(1−ナフタレニル−κ−C2)−2−ピリジンメタナミナト(2−)−κN1,κN2]ジメチル−
ガラスジャーに30mLのトルエンに溶解した段階e)からの8.89ミリモルの配位子を装填する。この溶液に8.98ミリモルのn−BuLi(ヘキサン中2.5M溶液)を注射器により添加する。この溶液を1時間撹拌し、次に8.89ミリモルの固体HfCl4を添加する。このジャーを空冷の還流凝縮器によりキャップし、この混合物を還流で1時間加熱する。冷却後、31.1ミリモルのMeMgBr(3.5当量、ジエチルエーテル中3.0M溶液)を注射器により添加し、得られる混合物を外周温度で一夜撹拌する。ドライボックスに取り付けた真空系を用いて、溶媒(トルエン、ヘキサンおよびジエチルエーテル)を反応混合物から除去する。トルエン(30mL)をこの残渣に添加し、この混合物を濾過し、この残渣(マグネシウム塩)を更なるトルエン(30mL)により洗浄する。溶媒を合体されたトルエン溶液から真空により除去し、ヘキサンを添加し、次に真空により除去する。ヘキサンを再度添加し、得られるスラリーを濾過し、この生成物をペンタンにより洗浄して、所望の生成物を黄色粉末として得る。
1H NMR(C66):δ8.58(d,J=7.8Hz,1H),8.25(d,J=8.4Hz,1H),7.82(d,J=7.5Hz,1H),7.72(d,J=6.9Hz,1H),7.50(d,J=8.1Hz,1H),7.36−7.27(マルチプレット,3H),7.19−6.99(マルチプレット,7H),6.82(t,J=8.1Hz,1H),6.57(s,1H),6.55(d,J=7.8Hz,1H),3.83(七重線,J=6.9Hz,1H),3.37(七重線,J=6.9Hz,1H),2.89(七重線,J=6.9Hz,1H),1.38(d,J=6.6Hz,3H),1.37(d,J=6.9Hz,3H),1.17(d,J=6.9Hz,3H),1.15(d,J=7.2Hz,3H),0.96(s,3H),0.70(s,3H),0.69(d,J=5.4Hz,3H),0.39(d,J=6.9Hz,3H)。
【0062】
一般的な連続ループ溶液プロピレン・エチレン共重合法
この実施例で使用されるプロピレン・エチレンコポリマーを次の手順にしたがって製造する。触媒Aを使用して、実施例のすべてのプロピレン・エチレンコポリマーを製造する。
【0063】
この重合法は発熱型である。重合されるプロピレン1ポンド当たり約900BTUが放出され、重合されるエチレン1ポンド当たり約1,500BTUが放出される。主要な工程設計の考慮はいかに反応熱を除去するかである。3”のループパイプに加えて2つの熱交換器から構成され、全容積が31.4ガロンである低圧の溶液重合ループ反応器中で実施例1〜8のプロピレン・エチレンコポリマーを製造する。溶媒とモノマー(プロピレン)を反応器の中に液体として注入する。このコモノマー(エチレン)ガスを液体溶媒に完全に溶解させる。この供給を5℃まで冷却し、その後反応器の中に注入する。この反応器を18重量%に等しいポリマー濃度で運転する。この溶液の断熱的な温度上昇は重合反応物からの熱除去の一部を占める。この反応器内の熱交換器を使用して、残存する反応熱を除去し、105℃において反応器温度制御を可能とする。
【0064】
使用される溶媒は、Exxonから購入されるIsopar Eと呼ばれる高純度のイソ−パラフィン系画分である。新しいプロピレンを精製するためにSelexsorb COSの床に通し、その後再循環流(溶媒、プロピレン、エチレンおよび水素を含有)と混合する。再循環流と混合した後、この合体された流れを更なる精製のために75重量%のモレキュラーシーブ13Xと25重量%のSelexsorb CDの床に通し、その後高圧(700psig)フィードポンプを使用して、内容物を反応器にポンプ送入する。新しいエチレンを精製するためにSelexsorb COS床に通し、その後流れを750psigまで圧縮する。水素(分子量の低減に使用されるテロゲン)を圧縮エチレンと混合し、その後この2つを液体フィードの中に混合/溶解する。この全体の流れを適切なフィード温度(5℃)まで冷却する。この反応器を525psigおよび105℃に等しい制御温度で運転する。触媒注入速度を制御することにより、この反応器中のプロピレン転換を維持する。熱交換器の殻側の水温度を85℃に制御することにより、反応温度を維持する。反応器中の滞留時間は10分と短い。反応器1パス当たりのプロピレン転換は60重量%である。
【0065】
反応器を出るとき、水と添加物をポリマー溶液の中に注入する。この水は触媒を加水分解し、重合反応を停止させる。この添加物は、ポリマーと共に残留し、安定剤として作用して、最終ユーザーの設備において以降の加工をする前の貯蔵におけるポリマー劣化を防止する、酸化防止剤の500ppmのIrganox(商標)1010と1000ppmのIrgafos(商標)168からなる。この後反応器溶液を二段揮発分除去の準備で反応器温度から230℃まで過熱する。溶媒と未反応モノマーを揮発分除去工程時に除去する。水中ペレット切断のためにこのポリマー融液をダイにポンプ送入する。揮発分除去装置の頂部を出る溶媒とモノマー蒸気を融合器に送る。この融合器は揮発分除去時に蒸気中に同伴されるポリマーを除去する。融合器を出るきれいな蒸気流れを一連の熱交換器で部分的に凝縮する。この二相混合物は分離ドラムに入る。この凝縮された溶媒とモノマーを精製し(これは上述の再循環流である)、反応工程で再使用する。大部分プロピレンとエチレンを含有する分離ドラムを出る蒸気をブロックフレアに送り、燃焼させる。
【0066】
ポリマーのブレンド
当業者には既知の種々の方法、例えば(a)成分ペレットの乾式ブレンド;(b)押し出し機に搭載されたブレンダー系(容積式あるいは重量式)による成分ペレットの直接フィード;(c)混練された生成物のペレットを生じる混練押し出し機中でのペレット成分の混練;および/または(d)当業者には既知の任意の他のブレンド法により、この組成物を製造することができる。ポリプロピレン(マトリックスの大部分を構成する)とプロピレン・エチレンコポリマー(マトリックス内に分散された)の間の相溶性が良好であることによって、一軸あるいは二軸押し出し機に搭載されたブレンダー系による成分ペレットの直接フィードによるブレンドが成分を充分にブレンドする。また、個別のポリマー成分を直列あるいは並列のいずれかの個別の反応器および/または重合段階で製造し、この成分を合体して、「反応器内ブレンド」とする、当業者には既知の反応器内法によっても本発明の組成物を製造し得る。
【0067】
この組成物を700ミクロン厚のシートに押し出し、当業者には既知の方法により熱成形する。前述のように、熱成形に使用されるシート(熱成形性シート)は、一般に、少なくとも300ミクロン(μm)である。次の実施例においては、例示のトレイの熱成形に使用される深絞りにより、700ミクロン(μm)厚のシートを使用した。このブレンドを商用のラインで押し出し、インライン(すなわち、同一のラインで押し出し、熱成形する)およびオフライン技術の両方を用いて、熱成形することができる。実施例のシートの押し出しに使用されるマシンはDavo押し出し機(スクリューサイズ45mm、押し出し速度50kg/時)である。融液温度がダイの出口で210℃であり、カレンダーユニットでのロール温度が60/50/60℃であるような温度プロフィールでこの押し出し機を運転した。
【0068】
ILLIGモデルUA−100熱成形機を使用して、このシートをトレイ(容器)に熱成形した。予熱されたシートを160〜175℃間の温度で用い、金型を30〜60℃間の温度で用いて、熱成形をオフラインで行った。得られるトレイは図5に図示する形状を有する。
【0069】
トレイについての以降の試験は、これらが応力白化に対する優れた抵抗性を示し、この組成物から製造される1ミリ厚のプラークが示すヘーズ値に同等か、あるいは未満のヘーズ値を有するということを示す。このトレイの壁の厚さは300〜450μm間の範囲であり、ヘーズ(ASTMD1003にしたがった)は20%以上であった。
実施例1〜4
表1
【表4】

【0070】
下記の表2に示す性質について実施例1〜4の組成物を試験する。

表2
【表5】

【0071】
表2中のデータは、本発明のすべての組成物が光学的性質、靭性および剛性の優れたバランスを生じるということを示す。しかしながら、P−E1を使用する組成物のみが同時にこの組成物中で8〜12重量パーセントのプロピレン・エチレンコポリマーを使用して、剛性、靭性および光学的性質の所望のバランスを達成することができるということが考えられる。
【0072】
表3および4は本発明の最終の態様を示す。実施例5〜8の組成物は、高結晶性ポリプロピレン(HCPP)をこの組成物のマトリックスとして使用し、プロピレン・エチレンコポリマーをこの中に分散させる。
【0073】
実施例5〜8で使用されるHCPPは、ジシクロペンチルジメトキシシランを外部供与体とし、トリアルキルアルミニウムを活性化剤とするチーグラー・ナッタ触媒を用いるスラリー反応器中で製造されるホモポリマーポリプロピレンである。600ppmの核形成剤の安息香酸ナトリウムをHCPPの中に組み込む。このHCPPは3.2グラム/10分間の溶融流動速度、1.6重量%のキシレン可溶部、7.9の分子量分布を有し、(1)129℃のピーク結晶化温度、(2)166℃のピーク融解温度、(3)116ジュール/グラムの融解熱(70%の結晶性に相当する)および(4)ASTMD790−00による330,000psiの1%割線曲げ弾性率を示す。

表3
【表6】

【0074】
下記の表4に示す性質について実施例5〜8の組成物を試験する。

表4
【表7】

【0075】
この表を参照すると、HCPPをこのマトリックスに使用することにより、低結晶性ポリプロピレンを組み込んだブレンドと比較して(表1および2)ヘーズに類似の値を維持しながら、このブレンドの剛性を増加させることが可能であるということが判る。加えて、HCPPを組み込んだ組成物においては靭性が若干低いということが表から判る。プロピレン・エチレンコポリマーの量を増加させ(この組成物中12%〜16重量%のプロピレン・エチレンコポリマー)そして13%〜17重量%のエチレン由来の単位を有するプロピレン・エチレンコポリマーを使用することにより、少なくとも15KJ/m2の、好ましくは少なくとも20KJ/m2の、更に好ましくは少なくとも25KJ/m2の室温シャルピー靭性を示す組成物を得ることができる。
【0076】
この最終の態様においては、本発明は、本発明の他の態様に対して述べた成分であって、唯一の差異がこのマトリックスに対してHCPPを使用することであるものを含有する組成物である。この最終の態様においては、組成物および熱成形性シートおよびこれらから製造される熱成形物品は、本発明の他の態様に対して述べたすべての性質を示す。しかしながら、この最終の態様においては、このブレンドは、少なくとも1300MPaのISO178による曲げ弾性率と、少なくとも9KJ/m2の、好ましくは少なくとも12KJ/m2の、上述のように多量のプロピレン・エチレンコポリマーを使用する場合には少なくとも15KJ/m2の、更に好ましくは少なくとも20KJ/m2の室温(23℃)シャルピー靭性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1は、実施例で使用されるプロピレン・エチレンコポリマーに類似である、プロピレン・エチレンコポリマー(触媒Aに類似の活性化された非メタロセンの金属中心ヘテロアリール配位子触媒により製造される)の13CNMRスペクトルを示す。
【図2】図2は図1と同一のプロピレン・エチレンコポリマーの13CNMRスペクトルを示す。しかしながら、約14.6および15.7ppmにおけるレジオエラーピークを更に明らかに示すために、このスペクトルは図1に対してY軸尺度を拡大して示されている。
【図3】図3はメタロセン触媒を用いて製造されるプロピレン・エチレンコポリマーの13CNMRスペクトルを示す。この図は、メタロセン触媒で製造したプロピレン・エチレンコポリマーについては15ppm近傍の領域におけるレジオエラーピークが存在しないことを示す。
【図4】図4は応力白化挙動に対する本発明の組成物の抵抗性を示すグラフである。このグラフについては、与えられた歪における透明性の絶対値は重要なものでない。重要なのは、本発明のブレンドについては、歪を増加させるにつれて、本発明の組成物から製造される物品の透明性は著しく減少せず、実際に増加し得るという事実である。この試験はこの組成物から製造される物品において応力白化挙動が殆どあるいは全く無いことを示すものと考えられる。
【図5】図5は本発明の組成物から製造される熱成形トレイの図示である。このトレイは、傷み易い食品、例えば新鮮な魚と食肉および果物と野菜を保持するのに有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも300μmの厚さを有する熱成形性シートであって、
(A)実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有する5〜20重量%のプロピレン・エチレンコポリマーであって、
(1)少なくとも70重量%のプロピレン由来の単位と約10〜20重量%のエチレン由来の単位を含み;
(2)4〜30グラム/10分間の溶融流動速度を有する前記プロピレン・エチレンコポリマー;および
(B)2〜8グラム/10分間の溶融流動速度を有する80〜約95重量%のポリプロピレンのブレンドを含有し、ここで、前記ブレンドの溶融流動速度は2〜7グラム/10分間であり、前記ブレンドは:
(1)少なくとも15KJ/m2の室温(23℃)シャルピー靭性;
(2)少なくとも1000MPaの曲げ弾性率;
(3)少なくとも2KJ/m2の0°シャルピー靭性;および
(4)40%未満のヘーズ値
を示す、前記熱成形性シート。
【請求項2】
前記ブレンドが3〜5グラム/10分間の溶融流動速度を有し、5〜15重量%の前記プロピレン・エチレンコポリマー(A)を含み、前記プロピレン・エチレンコポリマー(A)が5〜25グラム/10分間の溶融流動速度を有し、12〜18重量%のエチレン由来の単位を含む、請求項1に記載の熱成形性シート。
【請求項3】
前記ブレンドが7〜13重量%のプロピレン・エチレンコポリマー(A)を含み、前記プロピレン・エチレンコポリマー(A)が6〜20グラム/10分間の溶融流動速度を有し、13〜17重量%のエチレン由来の単位を含む、請求項1に記載の熱成形性シート。
【請求項4】
前記ブレンドが8〜12重量%のプロピレン・エチレンコポリマー(A)を含み、前記プロピレン・エチレンコポリマー(A)が7〜12グラム/10分間の溶融流動速度を有し、14〜16重量%のエチレン由来の単位を含む、請求項1に記載の熱成形性シート。
【請求項5】
前記ブレンドが
(1)少なくとも20KJ/m2の室温(23℃)シャルピー靭性;
(2)少なくとも1100MPaのISO178による曲げ弾性率;
(3)少なくとも2KJ/m2の0°シャルピー靭性;および
(4)38%未満のヘーズ値
を示す、請求項1に記載の熱成形性シート。
【請求項6】
前記ブレンドが
(1)少なくとも25KJ/m2の室温(23℃)シャルピー靭性;
(2)少なくとも1100MPaの曲げ弾性率;および
(3)少なくとも2.5KJ/m2の0°シャルピー靭性
を示す、請求項1に記載の熱成形性シート。
【請求項7】
前記ブレンドが37%未満のヘーズ値を示す、請求項1に記載の熱成形性シート。
【請求項8】
前記ブレンドが少なくとも1300MPaの曲げ弾性率を示す、請求項1に記載の熱成形性シート。
【請求項9】
前記プロピレン・エチレンコポリマーが広い結晶性分布を示す、請求項1〜8のいずれかに記載の熱成形性シート。
【請求項10】
前記プロピレン・エチレンコポリマーにより示される広い結晶性分布が(i)−1.2よりも大きい歪度インデックスおよび(i)4.0℃よりも大きい上温度四分位(Upper Temperature Quartile Range)の性質の少なくとも1つを特徴とする請求項9に記載の熱成形性シート。
【請求項11】
前記プロピレン・エチレンコポリマーが3.5未満の分子量分布(Mw/Mn)を有する請求項10に記載の熱成形性シート。
【請求項12】
前記プロピレン・エチレンコポリマーが3.5未満の分子量分布(Mw/Mn)を示す、請求項1〜8のいずれかに記載の熱成形性シート。
【請求項13】
請求項1〜8のいずれかに記載の熱成形性シートから製造される熱成形物品。
【請求項14】
容器またはトレイを含む、請求項13に記載の熱成形物品。
【請求項15】
前記容器またはトレイが食品を収めるためのものである、請求項14に記載の熱成形された容器またはトレイ。
【請求項16】
前記プロピレン・エチレンコポリマーが広い結晶性分布と3.5未満の分子量分布(Mw/Mn)を示す、請求項13に記載の熱成形物品。
【請求項17】
前記物品が食品容器を含み、該容器の壁が38%未満のヘーズ値を示す、請求項13に記載の熱成形物品。
【請求項18】
前記物品が食品容器を含み、該容器の壁が37%未満のヘーズ値を示す、請求項13に記載の熱成形物品。
【請求項19】
前記物品が食肉トレイを含み、該食肉トレイの壁が36%未満のヘーズ値を示す、請求項13に記載の熱成形物品。
【請求項20】
前記物品が低応力白化挙動を示す、請求項13に記載の熱成形物品。
【請求項21】
前記物品がASTM D1003により測定して20%未満のヘーズ値を示すトレイまたは容器を含む、請求項13に記載の熱成形物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−511742(P2008−511742A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530386(P2007−530386)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2005/031278
【国際公開番号】WO2006/026745
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】