説明

熱硬化性組成物、その製造方法及び製品

硬化性組成物は、ポリ(アリーレンエーテル)と、縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーとを含む。また、組成物を製造する方法と、この硬化性組成物から得られる硬化組成物と、この硬化組成物を含む物品についても記載する。組成物は、例えばバルク成形コンパウンドとして有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性組成物、その製造方法及び製品に関する。
【背景技術】
【0002】
熱硬化性組成物は、例えば、樹脂注入成形、シート成形、バルク成形、引抜き、射出成形(反応射出成形、及び大気圧成形を含む)などを始めとする物品製作のための広く様々な技法で用いられる。ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を含む熱硬化性組成物は、非官能化型及び官能化型のいずれについても記載されている。例えば、Tracy他の米国特許第6051662号には、熱硬化性樹脂と低分子量の非官能化ポリ(アリーレンエーテル樹脂)を含む硬化性組成物が記載されている。Zarnoch他の米国特許第6521703号には、不飽和ポリエステル、アルケニル芳香族化合物と封鎖ポリ(アリーレンエーテル)を含む硬化性樹脂組成物が記載されている。別の例として、Yeager他の米国特許第6352782号には、反応性封鎖ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と硬化性不飽和モノマー組成物を含む組成物が記載されている。
【特許文献1】米国特許第6051662号公報
【特許文献2】米国特許第6521703号公報
【特許文献3】米国特許第6352782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
誘電特性の改善された熱硬化性組成物が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
誘電特性の改善された硬化性組成物は、ポリ(アリーレンエーテル)と縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーを含む。
【0005】
以下、硬化性組成物の製造方法、硬化性組成物から得られる反応生成物、硬化組成物を含む物品を始めとするその他の実施形態について説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
一実施形態は、ポリ(アリーレンエーテル)及び縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーを含む硬化性組成物である。ポリ(アリーレンエーテル)樹脂は、非官能化型でも官能化型でもよい。
【0007】
非官能化ポリ(アリーレンエーテル)樹脂は、一価フェノールの重合で直接得ることができる。本明細書で「非封鎖」又は「非官能化」というポリ(アリーレンエーテル)は次式の繰返し構造単位を含む。
【0008】
【化1】

式中、各構造単位において、各Zは独立にハロゲン、第一もしくは第二C〜C12アルキル、C〜C12アミノアルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、又はハロゲン原子と酸素原子の間に2以上の炭素原子が介在するC〜C12ハロヒドロカルビルオキシであり、各Zは独立に水素、ハロゲン、第一もしくは第二C〜C12アルキル、C〜C12アミノアルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、又はハロゲン原子と酸素原子の間に2以上の炭素原子が介在するC〜C12ハロヒドロカルビルオキシなどである。好ましくは、各ZはC1−4アルキル基であり、各Zは水素又はメチルである。
【0009】
単独重合体及び共重合体のポリ(アリーレンエーテル)が共に包含される。好ましい単独重合体は2,6−ジメチルフェニレンエーテル単位を含むものである。適当な共重合体には、は2,6−ジメチルフェニレンエーテル単位を例えば2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位と共に含むランダム共重合体或いは2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合で得られる共重合体がある。
【0010】
非官能化ポリ(アリーレンエーテル)は通例2,6−キシレノールや2,3,6−トリメチルフェノールのような1種類以上のモノヒドロキシ芳香族化合物の酸化カップリングによって製造される。かかる酸化カップリングには概して触媒系が使用されるが、触媒系は通例、銅、マンガン又はコバルト化合物のような1種類以上の重金属化合物を通常はその他様々な物質と共に含んでいる。非官能化ポリ(アリーレンエーテル)は、予め合成しておいたポリ(アリーレンエーテル)をビスフェノールと、適宜過酸化物のようなラジカル生成触媒の存在下で、反応させることによって、或いは高分子量のポリ(アリーレンエーテル)をキノン及び/又は過酸化物と反応させて低分子量のポリ(アリーレンエーテル)を形成することによって製造することもできる。
【0011】
多くの目的に特に有用な官能化ポリ(アリーレンエーテル)は、1以上の含アミノアルキル末端基を有する分子からなるものである。アミノアルキル基は通例ヒドロキシ基に対してオルト位に位置する。かかる末端基を有する生成物は、ジ−n−ブチルアミンやジメチルアミンのような適当な第一又は第二モノアミンを酸化カップリング反応混合物の一成分として導入することで得られる。また、4−ヒドロキシビフェニル末端基が存在していることも多々あり、これらは、通例、副生物のジフェノキノンが特に銅−ハライド−第二又は第三アミン系に存在しているような反応混合物から得られる。かなりの割合のポリマー分子(通例ポリマーの約90重量%にも達する)が上記の含アミノアルキル末端基及び4−ヒドロキシビフェニル末端基の少なくともいずれかを含んでいてもよい。非官能化ポリ(アリーレンエーテル)単独重合体及び共重合体の合成方法は、例えばHayの米国特許第3306874号及び同第3306875号、Yonemitsu他の同第4011200号及び同第4038343号に記載されている。
【0012】
ポリ(アリーレンエーテル)は官能化ポリ(アリーレンエーテル)であってもよい。官能化ポリ(アリーレンエーテル)樹脂としては、例えば封鎖ポリ(アリーレンエーテル)樹脂及び環状官能化ポリ(アリーレンエーテル)樹脂が挙げられる。
【0013】
封鎖ポリ(アリーレンエーテル)は次式の構造によって表すことができる。
【0014】
Q(J−K)
式中、Qは一価、二価又は多価フェノールの残基であり、yは1〜約100であり、Jは次式の繰返し構造単位からなる。
【0015】
【化2】

式中、R及びRは各々独立に水素、ハロゲン、第一もしくは第二C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C12アミノアルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、又はハロゲン原子と酸素原子との間に2以上の炭素原子が介在するC〜C12ハロヒドロカルビルオキシであり、R及びRは各々独立にハロゲン、第一もしくは第二C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C12アミノアルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、又はハロゲン原子と酸素原子との間に2以上の炭素原子が介在するC〜C12ハロヒドロカルビルオキシであり、mは1〜約200、好ましくは1〜約100、さらに好ましくは1〜49である。
Kは次式のものからなる群から選択される封鎖基である。
【0016】
【化3】

式中、RはC〜C12アルキルであり、R〜Rは各々独立に水素、C〜C18ヒドロカルビル、C〜C18ヒドロカルビルオキシカルボニル、ニトリル、ホルミル、カルボキシレート、イミデート又はチオカルボキシレートなどであり、R〜R13は各々独立に水素、ハロゲン、C〜C12アルキル、ヒドロキシ又はアミノなどであり、Yは次式のものからなる群から選択される二価基である。
【0017】
【化4】

式中、R14及びR15は各々独立に水素又はC〜C12アルキルなどである。本明細書で用いる「ヒドロカルビル」とは、炭素と水素のみからなる残基をいう。この残基は、脂肪族又は芳香族、直鎖、環状、飽和又は不飽和のものでよい。ただし、ヒドロカルビル残基は、置換残基の炭素と水素に加えてヘテロ原子を含んでいてもよい。したがって、かかるヘテロ原子を含むと特記する場合、ヒドロカルビル基は、カルボニル基、アミノ基、ヒドロキシル基などを含んでいもよいし、或いは、ヒドロカルビル基の主鎖中にヘテロ原子を含んでいてもよい。本明細書で用いる「ハロアルキル」という用語には、部分的又は完全にハロゲン化されたアルキル基を始めとして、1以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基が包含される。
【0018】
一実施形態では、Qは、多官能性フェノールを始めとするフェノール類の残基であり、次式の構造の基を包含する。
【0019】
【化5】

式中、R及びRは各々独立に水素、ハロゲン、第一もしくは第二C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C12アミノアルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、又はハロゲン原子と酸素原子との間に2以上の炭素原子が介在するC〜C12ハロヒドロカルビルオキシなどであり、R及びRは各々独立にハロゲン、第一もしくは第二C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C12アミノアルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、又はハロゲン原子と酸素原子との間に2以上の炭素原子が介在するC〜C12ハロヒドロカルビルオキシなどであり、Xは水素、C〜C18ヒドロカルビル、又はカルボン酸、アルデヒド、ヒドロキシ、アミノ基などの1以上の置換基を有するC〜C18ヒドロカルビルでもよいし、Xは硫黄、スルホニル、スルフリル、酸素その他の2以上の原子価を有していて各種のビス−又はそれ以上のポリフェノールを生成する橋かけ基でもよく、
y及びnは各々独立に1〜約100、好ましくは1〜3、さらに好ましくは約1〜2であり、好ましい実施形態ではy=nである。Qは、2,2′,6,6′−テトラメチル−4,4′−ジフェノールのようなジフェノールの残基であってもよい。
【0020】
一実施形態では、封鎖ポリ(アリーレンエーテル)は、下記の構造の1以上の一価フェノールの重合生成物から基本的になるポリ(アリーレンエーテル)を封鎖することによって、生成される。
【0021】
【化6】

式中、R及びRは各々独立に水素、ハロゲン、第一もしくは第二C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C12アミノアルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、又はハロゲン原子と酸素原子との間に2以上の炭素原子が介在するC〜C12ハロヒドロカルビルオキシなどであり、R及びRは各々独立にハロゲン、第一もしくは第二C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C12アミノアルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、又はハロゲン原子と酸素原子との間に2以上の炭素原子が介在するC〜C12ハロヒドロカルビルオキシなどである。適切な一価フェノールには、Hayの米国特許第3306875号に記載されているものが挙げられ、非常に好ましい一価フェノールには、2,6−ジメチルフェノール及び2,3,6−トリメチルフェノールが挙げられる。ポリ(アリーレンエーテル)は、2,6−ジメチルフェノールや2,3,6−トリメチルフェノールなど、2以上の一価フェノールの共重合体でよい。
【0022】
一実施形態では、封鎖ポリ(アリーレンエーテル)は、下記の構造の1以上の封鎖基を含む。
【0023】
【化7】

式中、R〜Rは各々独立に水素、C〜C18ヒドロカルビル、C〜C12ヒドロカルビルオキシカルボニル、ニトリル、ホルミル、カルボキシレート、イミデート、チオカルボキシレートなどである。非常に好ましい封鎖基には、アクリレート(R=R=R=水素)及びメタクリレート(R=メチル、R=R=水素)が挙げられる。
【0024】
別の実施形態で、封鎖ポリ(アリーレンエーテル)は、下記の構造の1以上の封鎖基を含む。
【0025】
【化8】

式中、Rは、C〜C12アルキルであり、好ましくはC〜Cアルキルであり、さらに好ましくはメチル、エチル、又はイソプロピルである。組成物の有利な性質は、封鎖(アリーレンエーテル)が、炭素−炭素2重結合などの重合可能な機能に欠けている場合であっても、実現することができる。
【0026】
さらに別の実施形態で、封鎖ポリ(アリーレンエーテル)は、下記の構造の1以上の封鎖基を含む。
【0027】
【化9】

式中、R〜R13は各々独立に水素、ハロゲン、C〜C12アルキル、ヒドロキシ、アミノなどである。このタイプの好ましい封鎖基には、サリチレート(R=ヒドロキシ、R10〜R13=水素)が挙げられる。
【0028】
さらに別の実施形態では、封鎖ポリ(アリーレンエーテル)が、下記の構造の1以上の封鎖基を含む。
【0029】
【化10】

式中、Aは、例えばエチレンや1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、2−メチル−1,3−プロピレン、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン、1,2−ブチレン、1,3−ブチレン、1,4−ブチレン、2−メチル−1,4−ブチレン、2,2−ジメチル−1,4−ブチレン、2,3−ジメチル−1,4−ブチレン、ビニレン(−CH=CH−)、1,2−フェニレンなど、飽和又は不飽和の二価C〜C12ヒドロカルビル基である。これらの封鎖ポリ(アリーレンエーテル)樹脂は、例えば、末端非封鎖ポリ(アリーレンエーテル)と環状無水物封鎖剤との反応によって、都合良く製造することができる。かかる環状無水物封鎖剤には、例えば無水マレイン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水フタル酸などが挙げられる。
【0030】
封鎖ポリ(アリーレンエーテル)を製造する方法に、特定の制限はない。封鎖ポリ(アリーレンエーテル)は、末端非封鎖ポリ(アリーレンエーテル)と封鎖剤との反応によって、形成することができる。封鎖剤は、フェノール基と反応することが文献で知られている化合物を含む。かかる化合物は、例えば無水物、酸塩化物、エポキシ、カーボネート、エステル、イソシアネート、シアン酸エステル、又はアルキルハロゲン化物の基を含有する、モノマーとポリマーの両方を含む。封鎖剤としては、例えばリン系及び硫黄系の封鎖剤が挙げられ、有機化合物に限定されない。封鎖剤の例には、例えば、無水酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水サリチル酸、サリチレート単位を含むポリエステル、サリチル酸のホモポリエステル、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、塩化アセチル、塩化ベンゾイル、ジ(4−ニトロフェニル)カーボネートなどの炭酸ジフェニル、アクリロイルエステル、メタクリロイルエステル、アセチルエステル、フェニルイソシアネート、3−イソプロペニル−α、a−ジメチルフェニルイソシアネート、シアナトベンゼン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン)、3−(a−クロロメチル)スチレン、4−(a−クロロメチル)スチレン、臭化アリルなど、これらのカーボネート及び置換誘導体と、これらの混合物が挙げられる。封鎖ポリ(アリーレンエーテル)を形成するこれら及びその他の方法は、例えば、Holoch他の米国特許第3375228号、Goossensの第4148843号、Percec他の第4562243号、第4663402号、第4665137号、第4701514号、第4871876号、及び第5091480号、Nelissen他の第5071922号、第5079268号、第5304600号、及び第5310820号、Vianello他の第5338796号、Yeager他の第6352782号、Braatの第6384176号、Yeager他の米国特許出願公開第2001/0053820号、及びPeters他の欧州特許第261574号に記載されている。
【0031】
好ましい実施形態で、封鎖ポリ(アリーレンエーテル)は、末端非封鎖ポリ(アリーレンエーテル)と無水物とを、溶媒としてのアルケニル芳香族モノマー中で反応させることにより、製造することができる。この手法には、硬化性組成物が形成されるように、他の成分とすぐにブレンドすることのできる形で封鎖ポリ(アリーレンエーテル)が生成されるという利点がある。この方法を使用することによって、封鎖ポリ(アリーレンエーテル)の分離、或いは望ましくない溶媒又は試薬の除去を、行う必要がなくなる。
【0032】
封鎖触媒は、末端非封鎖ポリ(アリーレンエーテル)と無水物との反応で用いることができる。かかる化合物の例には、フェノールと上述の封鎖剤との縮合を触媒することが可能な、当技術分野で知られているものが挙げられる。有用な材料は、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、テトラアルキルアンモニウム水酸化物など塩基性化合物の水酸化物塩、トリブチルアミンやトリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジメチルブチルアミンなどの第三アルキルアミン、N,N−ジメチルアニリンなどの第三混成アルキル−アリールアミン及びその置換誘導体、イミダゾールやピリジン及びその置換誘導体などの複素環式アミンであって、例えば2−メチルイミダゾール、2−ビニルイミダゾール、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、4−(1−ピロリノ)ピリジン、4−(1−ピペリジノ)ピリジン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなどを始めとする塩基性化合物である。また、有機金属塩、例えばイソシアン酸エステル又はシアン酸エステルとフェノールとの縮合を触媒することが知られている、スズ及び亜鉛の塩なども有用である。この点に関して有用な有機金属塩は、当業者に周知の多数の文献及び特許により、当技術分野で知られている。
【0033】
官能化ポリ(アリーレンエーテル)は、環状官能化ポリ(アリーレンエーテル)でよい。一実施形態では、環状官能化ポリ(アリーレンエーテル)は、以下の式の繰返し構造単位を含む、ポリ(アリーレンエーテル)である。
【0034】
【化11】

式中、各L〜Lは独立に、水素、C〜C12アルキル基、C〜C12アルケニル基、又はC〜C12アルキニル基であり、アルケニル基は以下の式で表される。
【0035】
【化12】

式中、L〜Lは独立に、水素又はメチルであり、aは0〜4の整数である(即ち0、1、2、3、又は4)。また、アルキニル基は以下の式で表される。
【0036】
【化13】

式中、Lは、水素、メチル、又はエチルであり、bは0〜4の整数である(即ち、0、1、2、3、又は4)。また、環状官能化ポリ(アリーレンエーテル)中の、L〜L置換基全体の、約0.02モル%〜約25モル%は、アルケニル及び/又はアルキニル基である。この範囲内では、約0.1モル%以上、さらに好ましくは約0.5モル%以上のアルケニル及び/又はアルキニル基を有することが好ましいと考えられる。また、この範囲内では、約15モル%以下、さらに好ましくは約10モル%以下のアルケニル及び/又はアルキニル基を有することが好ましいと考えられる。
【0037】
別の実施形態で、官能化ポリ(アリーレンエーテル)は、酸又は無水官能化ポリ(アリーレン)エーテルが生成されるように、ポリ(アリーレンエーテル)とa,β−不飽和カルボニル化合物又はβ−ヒドロキシカルボニル化合物とを溶融反応させた生成物である。いくつかの実施形態では、酸官能基と無水物官能基との両方が存在してよい。a,β−不飽和カルボニル化合物の例には、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、並びに前述の様々な誘導体及び類似の化合物が挙げられる。β−ヒドロキシカルボニル化合物の例には、例えば、クエン酸、リンゴ酸などが挙げられる。かかる官能化は、典型的な場合、ポリ(アリーレンエーテル)と所望のカルボニル化合物とを、約190〜約290℃の温度で溶融混合することによって実施される。
【0038】
組成物は、2以上の官能化ポリ(アリーレンエーテル)のブレンドを含むことができる。かかるブレンドは、個々に製造され分離された官能化ポリ(アリーレンエーテルから)製造することができる。或いは、かかるブレンドは、単一のポリ(アリーレンエーテル)と2種以上の官能化剤とを反応させることによって、製造することができる。例えばポリ(アリーレンエーテル)を、2種の封鎖剤と反応させることができ、又はポリ(アリーレンエーテル)を、金属化し且つ2種の不飽和アルキル化剤と反応させることができる。別の代替例では、異なるモノマー組成及び/又は分子量を有する2種以上のポリ(アリーレンエーテル)樹脂の混合物を、単一の官能化剤と反応させて、2種以上の官能化ポリ(アリーレンエーテル)のブレンドを生成することができる。
【0039】
官能化ポリ(アリーレンエーテル)には、さらに、ビニルモノマー又はポリスチレンなどのポリマーをグラフト化することによって製造された部分を含有するポリ(アリーレンエーテル)、並びに、低分子量ポリカーボネートやキノン、複素環、ホルマールなどのカップリング剤が、既知の手法で2つのポリ(アリーレンエーテル)鎖のヒドロキシ基と反応してより高い分子量のポリマーを形成する、結合ポリ(アリーレンエーテル)が挙げられる。
【0040】
ポリ(アリーレンエーテル)の分子量又は固有粘度に、特定の制限はない。ポリ(アリーレンエーテル)は、約1000〜約100000原子質量単位(AMU)の数平均分子量(M)を有することができる。一実施形態では、組成物は、約10000〜約50000原子質量単位(AMU)の数平均分子量(M)を有する非官能化ポリ(アリーレンエーテル)を含んでよい。この範囲内で、非官能化ポリ(アリーレンエーテル)のM値は、好ましくは約15000以上である。またこの範囲内で、非官能化ポリ(アリーレンエーテル)のM値は、好ましくは約30000AMU以下、さらに好ましくは約25000AMU以下である。別の実施形態で、組成物は、約8000〜約25000原子質量単位(AMU)の数平均分子量を有する官能化ポリ(アリーレンエーテル)を含むことができる。この範囲内では、約10000AMU以上、さらに好ましくは約15000AMU以上の数平均分子量を有する官能化ポリ(アリーレンエーテル)を、使用することが好ましいと考えられる。
【0041】
ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度は、クロロホルム中、25℃で測定した場合、約0.02〜約1.5デシリットル/グラム(dL/g)でよく、好ましくは約0.05〜約0.6dL/gである。一実施形態では、組成物は、約0.1〜約1.0dL/gの固有粘度を有する非官能化ポリ(アリーレンエーテル)を含んでよい。この範囲内で、官能化ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度は、好ましくは約0.2dL/g以上でよく、さらに好ましくは0.3dL/g以上である。また、この範囲内で、官能化ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度は、好ましくは約0.6dL/g以下、さらに一段と好ましくは約0.5dL/g以下である。別の実施形態で、組成物は、クロロホルム中25℃で測定した場合、グラム当たり約0.1〜約0.6dL/gの固有粘度を有する官能化ポリ(アリーレンエーテル)を含むことができる。この範囲内で、官能化ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度は、好ましくは約0.2dL/g以上でよく、さらに好ましくは0.25dL/g以上である。また、この範囲内で、官能化ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度は、好ましくは約0.5dL/g以下でよく、さらに一段と好ましくは約0.4dL/g以下である。一般に、官能化ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度は、対応する非官能化ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度と少ししか変わらない。具体的には、官能化ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度は、一般に非官能化ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度の10%以内になる。異なる分子量及び固有粘度を有する2種以上の官能化ポリ(アリーレンエーテル)のブレンドを用いることが、特に考えられる。
【0042】
ポリ(アリーレンエーテル)には、上述の非官能化、及び官能化ポリ(アリーレンエーテル)樹脂のいずれかの組合せが挙げられる。
【0043】
組成物は、ポリ(アリーレンエーテル)を、官能化ポリ(アリーレンエーテル)と縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーの合計100重量部当たり、約5〜約95重量部の量で含むことができる。この範囲内では、ポリ(アリーレンエーテル)を、10重量部以上の量で使用することが好ましいと考えられ、さらに好ましくは約20重量部以上であり、さらに一段と好ましくは約30重量部以上であり、さらに一段と好ましくは約35重量部以上である。また、この範囲内では、ポリ(アリーレンエーテル)を、約90重量部以下の量で使用することが好ましいと考えられ、さらに好ましくは約80重量部以下、さらに一段と好ましくは約70重量部以下である。
【0044】
硬化性組成物は、縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーを含む。一実施形態では、縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーは、以下の式を有する。
【0045】
【化14】

式中、R18は各々独立にC〜C12アルキレン、C〜C12ヒドロキシ置換アルキレンなどであり、R19は各々独立にC〜C18ヒドロカルビレンや酸素(−O−)、硫黄(−S−)、カルボニル(−C(=O)−)、チオカルボニル(−C(=S)−)、スルホキシル(−S(=O)−)、スルホニル(−S(=O)−)、及びアミン(−N(R22)−であってR22が水素又はC〜C18ヒドロカルビルである)などの二価基などであり、rは各々独立に0〜約12であり、R20及びR21は各々独立に水素、C〜C12アルキルなどであり、sは各々独立に0又は1又は2であり、但しsは、1以上の出現が、少なくとも1であることを前提とする。R18アルキレン及びヒドロキシ置換アルキレン基は、直鎖、枝分れ又は環状でよいことが理解されよう。好ましい実施形態で、Rは、C〜Cアルキレンである。また、rが1よりも大きい場合、複数個出現するR19は、同じでも異なってもよいことが理解されよう。例えば、sが2の場合、R19の1個の出現はカルボニルでよく、R19のその他の出現はアミンでよく、それによって、2個のR19が隣り合って出現する場合のアミド結合が形成される。このため、複数個出現するR19を使用して、アミド、エステル、チオエステル、カーボネート、スルファモイル、尿素、及びスルホンアミド結合などを形成することができる。一実施形態では、R20は出現するごとに、水素又はメチルであり、R21は出現するごとに水素である。別の実施形態で、rは出現するごとにゼロである。
【0046】
適切な縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーには、例えば、3a−(メタ)アクリロイルオキシペルヒドロインデン、3a−(メタ)アクリロイルオキシ−7a−ヒドロキシペルヒドロインデン、3a,7a−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ]ペルヒドロインデン、4a−(メタ)アクリロイルオキシデカリン、4a,8a−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ]デカリン、4a−(メタ)アクリロイルオキシペルヒドロフルオレン、4a−(メタ)アクリロイルオキシ−9a−ヒドロキシペルヒドロフルオレン、4a,9a−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ]ペルヒドロフルオレン、4a−(メタ)アクリロイルオキシペルヒドロアントラセン、4a−(メタ)アクリロイルオキシ−9a−ヒドロキシペルヒドロアントラセン、4a,9a−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ]ペルヒドロアントラセン、10a−(メタ)アクリロイルオキシペルヒドロフェナントレン、10a−(メタ)アクリロイルオキシ−4a−ヒドロキシペルヒドロフェナントレン、4a,10a−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ]ペルヒドロフェナントレン、2−(メタ)アクリロイルオキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−6−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2,6−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2,5−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2a−(メタ)アクリロイルオキシペルヒドロアセナフテン、2a−(メタ)アクリロイルオキシ−8a−ヒドロキシペルヒドロアセナフテン、2a,8a−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ]ペルヒドロアセナフテン、3a−(メタ)アクリロイルオキシ]ペルヒドロアセナフテン、3a−(メタ)アクリロイルオキシ−9a−ヒドロキシペルヒドロアセナフテン、3a,9a−ビス[(メタ)アクリロイルオキシ]ペルヒドロアセナフテンなどと、前述の縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーの組合せが挙げられる。
【0047】
一実施形態では、縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーは、以下の式を有する。
【0048】
【化15】

式中、R23は各々独立に水素又はメチルである。好ましい実施形態で、R23はメチルである。
【0049】
組成物は、ポリ(アリーレンエーテル)と縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーの合計100重量部当たり、縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーを約5〜約95重量部含む。この範囲内で、縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーの量は、好ましくは約10重量部以上でよく、さらに好ましくは約20重量部以上であり、さらに一段と好ましくは約30重量部以上である。またこの範囲内で、縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーの量は、好ましくは約70重量部以下でよく、さらに好ましくは約65重量部以下である。
【0050】
硬化性組成物は、さらに、アルケニル芳香族モノマーを適宜含んでよい。アルケニル芳香族モノマーは、下記の構造を有することができる。
【0051】
【化16】

式中、R16は各々独立に水素又はC〜C18ヒドロカルビルであり、R17は各々独立にハロゲン、C〜C12アルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C18アリールなどであり、pは1〜4であり、qは0〜5である。芳香環上の不特定の位置が、水素原子で置換される。適切なアルケニル芳香族モノマーには、例えば、スチレン、a−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−t−ブチルスチレン、3−t−ブチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、1,3−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、芳香環上に1〜5個のハロゲン置換基を有するスチレンなどと、これらの組合せが挙げられる。好ましいアルケニル芳香族モノマーは、スチレンである。存在する場合、アルケニル芳香族モノマーは、ポリ(アリーレンエーテル)と縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーの合計100重量部当たり、約10〜約1000重量部で使用することができる。この範囲内で、アルケニル芳香族モノマーの量は、好ましくは約20重量部以上でよく、さらに好ましくは約40重量部以上である。また、この範囲内で、アルケニル芳香族モノマーの量は、好ましくは約500重量部以下でよく、さらに好ましくは約200重量部以下である。
【0052】
硬化性組成物は、さらに、不飽和共重合体の硬化速度を増大させるため、硬化触媒を適宜含んでよい。硬化触媒は、開始剤とも呼ばれ、当業者に周知であり、これを使用することによって重合が開始され、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、及びアリル熱硬化性樹脂を含めた多数の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂をどれでも硬化し、又は橋かけする。硬化触媒の非限定的な例は、“Plastic Additives Handbook, 4th Edition” R.Gachter及びH.Muller(eds.), P.P.Klemchuck(assoc.ed) Hansen Publishers, New York 1993と、Smith他の米国特許第5407972号及びKatayose他の第5218030号に記載されているものである。熱硬化性樹脂の不飽和部分に向けた硬化触媒は、高温でラジカルを生成することが可能な任意の化合物を含んでよい。かかる硬化触媒は、ペルオキシ及び非ペルオキシベースのラジカル開始剤を含むことができる。有用なペルオキシ開始剤の例には、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ジクミル、メチルエチルケトンペルオキシド、過酸化ラウリル、シクロヘキサノンペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−ブチルベンゼンヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオクトエート、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−ヘクス−3−イン、ジ−t−ブチルペルオキシド、過酸化t−ブチルクミル、α,α′−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、過酸化ジクミル、ジ(t−ブチルペルオキシイソフタレート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)ペルオキシド、過酸化トリメチルシリルフェニルトリフェニルシリルなどと、前述の硬化触媒の1種以上を含む混合物が挙げられる。典型的な非ぺルオキシ開始剤には、例えば、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、2,3−トリメチルシリルオキシ−2,3−ジフェニルブタンなどと、前述の硬化触媒の1種以上を含む混合物が挙げられる。熱硬化性樹脂の不飽和部分に向けた硬化触媒は、さらに、不飽和成分のアニオン重合の開始を可能にする任意の化合物を含んでよい。かかるアニオン重合触媒には、例えば、ナトリウムアミド(NaNH)やリチウムジエチルアミド(LiN(C)などのアルカリ金属アミド、C〜C10アルコキシドのアルカリ金属及びアンモニウム塩、アルカリ金属及びアンモニウム水酸化物、アルカリ金属シアン化物、アルキルリチウム化合物、n−ブチルリチウムや、グリニャール試薬、臭化フェニルマグネシウムなどの有機金属化合物など、前述のアニオン重合触媒の1種以上を含む組合せが挙げられる。
【0053】
好ましい実施形態で、硬化触媒は、t−ブチルペルオキシベンゾエート又はメチルエチルケトンペルオキシドを含むことができる。硬化触媒は、約0℃〜約200℃の温度で、硬化を促進させることができる。
【0054】
存在する場合、硬化触媒は、ポリ(アリーレンエーテル)と縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーの合計100重量部当たり、約0.1〜約10重量部の量で使用することができる。この範囲内では、硬化触媒を約0.5重量部以上の量で使用することが好ましいと考えられ、さらに好ましくは約1重量部以上である。また、この範囲内では、硬化触媒を約5重量部以下の量で使用することが好ましいと考えられ、さらに好ましくは約3重量部以下である。
【0055】
硬化性組成物は、さらに、ゲル化時間を短縮させる硬化促進剤を適宜含んでよい。適切な硬化促進剤は、ナフテン酸コバルトなどの遷移金属塩及び錯体と、N,N−ジメチルアニリン(DMA)やN,N−ジエチルアニリン(DEA)などの有機塩基を含む。ナフテン酸コバルト及びDMAは、併せて使用することが好ましい。存在する場合、硬化促進剤は、ポリ(アリーレンエーテル)及び縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマー全体の100部当たり、約0.05〜約3部の量で使用することができる。
【0056】
組成物はさらに、粒子状充填剤及び繊維状充填剤を含めた1種以上の充填剤を含むことができる。当技術分野で周知のかかる充填剤の例には、“Plastic Additives Handbook, 4th Edition” R.Gachter及びH.Muller(eds.), P.P.Klemchuck(assoc.ed) Hansen Publishers, New York 1993に記載されているものが挙げられる。粒子状充填剤を、本明細書では、約5:1未満の平均アスペクト比を有する充填剤と定義する。充填剤の非限定的な例には、融解石英や結晶シリカなどのシリカ粉末、低誘電率及び低誘電正接を有する硬化生成物を得るための、ホウ素−窒化物粉末及びホウ素−ケイ酸塩粉末、高温導電率のための、上述の粉末、並びにアルミナ、及び酸化マグネシウム(又はマグネシア)、ウォラストナイトであって、表面処理したウォラストナイトを含めたもの、硫酸カルシウム(その無水物、2水和物、又は3水和物として)、炭酸カルシウムであって、チョーク、石灰岩、大理石、及び合成の沈降炭酸カルシウムを含めたものであり、一般に、粉砕された微粒子の形をとり、しばしば98+%のCaCOを含み、その残りが炭酸マグネシウムや酸化鉄、アルミノケイ酸塩などのその他の無機物であるような充填剤、表面処理した炭酸カルシウム、タルクであって、繊維性、モジュラー、針形状、及び層上のタルクを含めたもの、ガラス球体であって、中空でありまた中実あり、さらに表面処理したガラス球体であり、典型的な場合には、シランカップリング剤などのカップリング剤を有し、且つ/又は導電性コーティングを含有するもの、カオリンであって、硬質、軟質、か焼したカオリンを含めたもの、及び熱硬化性樹脂に対する分散性及び相溶性を助長するための、当技術分野で知られている様々なコーティングを含むカオリン、雲母であって、金属処理した雲母、及びアミノシラン又はアクリロイルシランコーティングで表面処理した雲母を含めたものであり、配合されたブレンドに良好な物理的性質を与えるもの、長石、及び霞石閃長石、ケイ酸塩球体、煙塵、セノスフィア、フィライト、アルミノケイ酸塩(アルモスフィア)であって、シラン処理し、また金属処理したアルミノケイ酸を含めたもの、天然ケイ砂、石英、ケイ岩、真珠岩、トリポリ石、珪藻土、合成シリカであって、様々なシランコーティングを備えたものなどが挙げられる。
【0057】
好ましい粒子状充填剤は、約1〜約10μmの平均粒径を有する炭酸カルシウムを含む。この範囲内で、平均粒径は、約2μm以上でよく、又は約3μm以上でよい。またこの範囲内で、平均粒径は、約8μm以下でよく、又は約7μm以下でよい。
【0058】
繊維充填剤は、ケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、及び硫酸カルシウム半水和物の1種以上を含むブレンドから得られたものなど、処理済みの鉱物繊維を含めた短い無機繊維を含む。また、繊維充填剤には、炭化ケイ素、アルミナ、炭化ホウ素、炭素、鉄、ニッケル、銅を含む、単結晶繊維又は「ウィスカー」も含まれる。また、繊維製充填剤には、E、A、C、ECR、R、S、D、及びNEガラス及び石英などの織物用ガラス繊維を含む、ガラス繊維も含まれる。好ましい繊維充填剤は、約5〜約25μmの直径と、約0.5〜約4センチメートルの配合前の長さを有するガラス繊維を含む。多くのその他の適切な充填剤は、Yeager他の米国特許出願公開第2001/0053820号に記載されている。
【0059】
配合物は、熱硬化性樹脂と、充填剤、或いは外部コーティング又は基板との接着性を改善するために、接着性促進剤を含有してもよい。接着性を改善するため、前述の無機充填剤を、接着性促進剤で処理することも可能である。接着性促進剤には、クロム錯体、シラン、チタネート、ジルコアルミネート、プロピレンマレイン酸無水物共重合体、反応性セルロースエステルなどが挙げられる。クロム錯体には、VOLAN(登録商標)という商標でDuPontから販売されているものが挙げられる。シランには、一般構造(RO)(4−n)SiYを有する分子が挙げられ、但しn=1〜3、Rがアルキル又はアリール基であり、Yは、ポリマー分子との結合を形成することの可能な反応性官能基である。カップリング剤の、特に有用な例は、構造(RO)SiYを有するものである。典型的な例には、ビニル−トリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。チタネートには、S.J.Monte他、Ann.Chem.Tech Conf. SPI(1980)、Ann.Tech Conf. Reinforced Plastics and Composite Inst. SPI 1979、Section 16E、New Orleans、及びS.J.Monte、Mod.Plastics Int.、volume 14、number 6 pg.2(1984)によって開発されたものが挙げられる。
【0060】
ジルコ−アルミネートには、L.B.Cohen、Plastics Engineering、volume 39、number 11、page 29(1983)により記載されるものが挙げられる。接着性促進剤は、充填剤と熱硬化性樹脂との間の接着性を改善するために、熱硬化性樹脂そのものに含めることができ、又は上述の充填剤のいずれかの表面に被覆することができる。例えばかかる促進剤を、シリケート繊維又は充填剤を被覆するのに使用し、それによって樹脂マトリックスの接着性を改善することができる。
【0061】
好ましい実施形態で、充填剤は、炭酸カルシウムを含む。別の好ましい実施形態で、充填剤は、ガラス繊維を含む。非常に好ましい実施形態で、充填剤は、炭酸カルシウムとガラス繊維の両方を含む。
【0062】
存在する場合、粒子状充填剤は、組成物の全重量に対して約5〜約80重量%の量で使用することができる。この範囲内では、粒子状充填剤を、約1重量%以上の量で使用することが好ましいと考えられ、さらに好ましくは約20重量%以上であり、さらに一段と好ましくは約30重量%以上であり、さらに一段と好ましくは約40重量%以上である。また、この範囲内では、充填剤を、約70重量%以下の量で使用することが好ましいと考えられ、さらに好ましくは約60重量%以下の量である。或いは粒子状充填剤の量は、ポリ(アリーレンエーテル)と縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマー全体の100重量部に対し、約5〜約1000重量部と表すことができる。
【0063】
存在する場合、繊維充填剤は、組成物の全重量に対し、約2〜約80重量%の量で使用することができる。この範囲内で、繊維充填剤は、約5重量%以上の量で使用することが好ましいと考えられ、さらに好ましくは約10重量%以上であり、さらに一段と好ましくは約15重量%以上であり、さらに一段と好ましくは約20重量%以上である。この範囲内で、繊維充填剤は、約60重量%以下の量で使用することが好ましいと考えられ、さらに好ましくは約40重量%以下であり、さらに一段と好ましくは約30重量%以下である。或いは繊維充填剤の量は、ポリ(アリーレンエーテル)と縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマー全体の100重量部に対して、約5〜約1000重量部と表すことができる。
【0064】
前述の充填剤は、いかなる処理もせずに、又は一般には接着性促進剤で表面処理をした後に、熱硬化性樹脂に添加することができる。
【0065】
硬化性組成物は、さらに、例えば染料や顔料、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、可塑剤、潤滑剤、流れ調整剤、難燃剤、ドリップ防止剤、かぶり防止剤、静電防止剤、流動促進剤、加工助剤などと、これらの組合せなど、当技術分野で知られている1種以上の添加剤を、適宜含むことができる。当業者なら、適切な添加剤を選択することができ、また適切な量を決定することができる。
【0066】
一実施形態は、メタクリレート封鎖ポリ(アリーレンエーテル)と、以下の式を有する縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーとを含む硬化性組成物である。
【0067】
【化17】

式中、R23は各々独立に水素又はメチルである。
【0068】
別の実施形態は、メタクリレート封鎖ポリ(アリーレンエーテル)約5〜約95重量部、以下の式を有する縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマー約5〜約95重量部
【0069】
【化18】

(式中、R23は各々独立に水素又はメチルである。)、炭酸カルシウム約50〜約600重量部、及びガラス繊維約50〜約600重量部を含む、硬化性組成物である。
【0070】
組成物を製造する方法には、特定の制限はない。組成物は、ポリ(アリーレンエーテル)と縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーとを含んで十分に混和させたブレンドを形成することによって、製造することができる。組成物がアルケニル芳香族モノマーを含み、且つポリ(アリーレンエーテル)が封鎖ポリ(アリーレンエーテル)である場合、その組成物は、アルケニル芳香族モノマーの一部に末端非封鎖ポリ(アリーレンエーテル)を溶解し、アルケニル芳香族モノマーの存在下で封鎖剤を添加して封鎖ポリ(アリーレンエーテル)を形成し、縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマー及び任意のその他の成分を添加して熱硬化性組成物を形成することによって、非官能化ポリ(アリーレンエーテル)から直接製造することができる。
【0071】
組成物を硬化することのできる方法には、特定の制限はない。組成物は、例えば熱によって硬化することができ、又は照射技法を使用して、例えばUV照射及び電子線照射を使用することによって、硬化することができる。熱硬化を使用する場合、選択される温度は、約80°〜約300℃でよい。この範囲内では、約120℃以上の温度が好ましいと考えられる。またこの範囲内では、約240℃以下の温度も好ましいと考えられる。加熱期間は、約30秒〜約24時間でよい。この範囲内では、約1分以上の加熱時間を使用することが好ましいと考えられ、さらに好ましくは約2分以上である。またこの範囲内では、約10時間以下の加熱時間を使用することが好ましいと考えられ、さらに好ましくは約5時間以下であり、さらに一段と好ましくは約3時間以下である。かかる硬化は、部分的に硬化した樹脂及びしばしば半硬化した樹脂が生成されるように、次いでこの樹脂を、長時間にわたり又は前述の範囲内の温度で加熱することによって、完全に硬化させるように、段階的に行うことができる。
【0072】
一実施形態は、上述の硬化性組成物のいずれかを硬化することによって得られた硬化組成物である。硬化性組成物の成分は、硬化中に互いに反応する可能性があるので、この硬化性組成物は、硬化性組成物の成分を硬化することによって得られた反応生成物を含むと言うことができる。したがって一実施形態は、ポリ(アリーレンエーテル)及び縮合脂環式(メタ)アクリレートを含む組成物を硬化することによって得られた反応生成物を含む、硬化性組成物である。「硬化」及び「硬化した」という用語には、例えば、いわゆるBステージ組成物が形成されるような、部分硬化が包含されることが理解されよう。
【0073】
別の実施形態は、メタクリレート封鎖ポリ(アリーレンエーテル)と、以下の式を有する縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーとの反応生成物を含む、硬化組成物である。
【0074】
【化19】

式中、R23は各々独立に水素又はメチルである。別の実施形態は、メタクリレート封鎖ポリ(アリーレンエーテル)約5〜約95重量部、以下の式を有する縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマー約5〜約95重量部
【0075】
【化20】

(式中、R23は各々独立に水素又はメチルである)、炭酸カルシウム約50〜約600重量部、及びガラス繊維約50〜約600重量部を硬化させることによって得られた反応生成物を含む、硬化組成物である。
【0076】
別の実施形態は、硬化組成物のいずれかを含む物品である。硬化性組成物は、広範な物品を製作するのに有用である。この組成物から製作することのできる物品には、例えば、酸浴容器、中和タンク槽、電気精錬タンク、硬水軟化タンク、燃料タンク、フィラメント巻きタンク、フィラメント巻きタンクライニング、電解槽、排気筒、スクラバ、自動車用外部パネル、自動車用フロアパン、自動車用エアスクープ、トラック荷台ライナ、駆動シャフト、駆動シャフト連結器、トラクタ部品、横リーフスプリング、クランクケース加熱器、熱シールド、鉄道タンク貨車、ホッパ車カバー、船体、潜水艦船体、ボート甲板、船用ターミナルフェンダ、航空機部品、プロペラ羽根、ミサイル部品、ロケットモータケース、翼断面、サッカーロッド、胴体断面、翼外板、翼整形板、エンジンナセル、貨物口、航空機ストレッチブロック及びハンマーフォーム、橋桁、船橋楼甲板、階段室、レーリング、通路、パイプ、ダクト、ファンハウジング、タイル、羽目、スクラブ塔、フローリング、橋用伸縮継手、構造コンクリートの亀裂の継当て及び修復用の注入モルタル、タイル用グラウチティング、機械レール、金属だぼ、ボルト、ポスト、電気カプセル剤、電気パネル、プリント回路板、電気部品、巻線、電気機械装置用封止剤、電槽、抵抗器、フューズ、サーマルカットオフデバイス、プリント配線板用コーティング、キャパシタ、変圧器、静電防止の用途に合わせた導電性部品、ゴルフクラブシャフト、釣り竿、スキー、スキーのストック、自転車部品、水泳プール、水泳プールの滑り台、温水浴槽、サウナ、ミキサ、事務機ハウジング、トレイ、皿洗い機部品、冷蔵庫部品、家具、ガレージの戸、格子、防護ギア、ラゲージ、導光板、レードーム、衛星アンテナ、サイン、太陽エネルギーパネル、電話スイッチギアハウジング、変圧器カバー、回転機用絶縁材、整流子、心線絶縁、乾燥トナー樹脂、結合ジグ、検査用固定ジグ、工業用金属形成ダイ、真空成形用工具などが挙げられる。組成物は、プリント回路板、カプセル封入組成物、注封配合物、及び電気絶縁用複合体を製作するのに特に有用である。
【0077】
組成物は、非常に望ましい性質を示す。例えば、成形後の組成物は、約110℃以上のガラス転移温度を示すことができる。別の例として、成形後の組成物は、ASTM D6341により測定したときに、ガラス転移温度より下で、約75ppmもの熱膨張率を示す可能性がある。硬化組成物は、25℃で、且つ1kHz又は10kHz又は100kHz又は1MHzでASTM D150により測定した場合、0.02以下の散逸率、好ましくは0.01以下、さらに好ましくは0.005以下の散逸率を示すこともできる。一実施形態では、硬化組成物は、25℃でASTM D150により測定した場合、1kHz及び10kHz及び100kHz及び1MHzの各々で、0,005以下の散逸率を示す。
【実施例】
【0078】
本発明を、以下の非限定的な実施例によってさらに説明する。
【0079】
予備実施例1
Yeager他の米国特許出願第2001/0053820号の実施例1に記載されている手順を使用して、クロロホルム中、25℃で0.25dL/gの固有粘度を有するメタクリレート封鎖ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を製造したが、これは、残りのヒドロキシ含量が、ポリ(アリーレン)エーテル1g当たり136.22マイクロモルの−OHであるものである。簡単に言うと、この配合物は、非官能化ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と、メタクリル酸無水物及びジメチルアミノピリジン触媒とをトルエン溶媒中で反応させ、生成物をメタノールで沈殿させ、濾過し、乾燥することによって製造した。メタクリレート封鎖ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)をスチレンに溶解して、35重量%の溶液を形成した。
【0080】
実施例1〜4
予備実施例1から得たメタクリレート封鎖ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を、表1に示す割合で、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールとブレンドした。各溶液に、t−ブチルペルオキシベンゾエートを2重量部添加した。組成物を、120℃で8分間、且つ1平方インチ当たり5,000ポンド(約34000KPa)で8分間にわたり圧縮成形することにより、ディスク形のサンプルを得た。この圧縮成形したサンプルについて、特性を測定した。ガラス転移温度(T)及び熱膨張率(CTE)は、ASTM D6341により決定した。CTE値は、ガラス転移温度の上と下の両方で測定した。分解開始温度、及び残渣%は、熱重量分析(TGA)によって測定した。組成物(重量を重量部、pbwで表す)及び特性を、表1にまとめる。このデータは、ポリ(アリーレンエーテル)及び縮合脂環式(メタ)アクリレート化合物を含む組成物が、高いガラス転移温度及び低い熱膨張率を表すことを示している。
【0081】
【表1】

実施例5、比較例1
メタクリレート封鎖ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)をスチレンに溶かした35%溶液を、約70〜80℃に加熱し、流体になるまで撹拌した。トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジアクリレートを、表2に示す量で添加し、その溶液を50℃に冷却した。t−ブチルペルオキシベンゾエートを添加し、その溶液を激しく撹拌した。得られた樹脂を室温に冷却し、150℃及び5000psiの圧力下で硬化した。対照サンプルは、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジアクリレートの代わりにトリメチロールプロパントリアクリレートを使用して製造した。散逸率は、ASTM D150に従い、1、10、及び100kHzと1MHzで測定した。組成及び特性を、表2に示す。この結果は、縮合脂環式アクリレートを持つ実施例5の組成物が、トリメチロールプロパントリメタクリレートを持つ比較例1の組成物よりも、一貫して且つ実質的に低い散逸率を表すことを示している。
【0082】
【表2】

本発明について、好ましい実施形態を参照しながら述べてきたが、当業者なら、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができること、及びその要素の代わりに均等物を用いることができることが理解されよう。さらに、本発明の教示に対し、その本質的な範囲から逸脱することなく特定の状況又は材料を適合させるよう、多くの変更を加えることができる。したがって本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示された特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲内に包含される全ての実施形態を含むことになる。
【0083】
引用した特許、特許出願、及びその他の文献の全ては、その全体を、参照により本明細書援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ(アリーレンエーテル)と、
縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーと
を含む、硬化性組成物。
【請求項2】
前記ポリ(アリーレンエーテル)が官能化ポリ(アリーレンエーテル)である、請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項3】
前記官能化ポリ(アリーレンエーテル)が次式の構造の封鎖ポリ(アリーレンエーテル)である、請求項2記載の硬化性組成物。
Q(J−K)
式中、Qは一価、二価又は多価フェノールの残基であり、yは1〜100であり、Jは次式の繰返し構造単位からなる。
【化1】

式中、R及びRは各々独立に水素、ハロゲン、第一もしくは第二C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C12アミノアルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、又はハロゲン原子と酸素原子との間に2以上の炭素原子が介在するC〜C12ハロヒドロカルビルオキシであり、mは1〜約200であり、R及びRは各々独立にハロゲン、第一もしくは第二C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C12アミノアルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C〜C12ハロアルキル、C〜C12ヒドロカルビルオキシ、又はハロゲン原子と酸素原子との間に2以上の炭素原子が介在するC〜C12ハロヒドロカルビルオキシであり、mは1〜約200である。
Kは次式のものからなる群から選択される封鎖基である。
【化2】

式中、RはC〜C12アルキルであり、R〜Rは各々独立に水素、C〜C18ヒドロカルビル、C〜C18ヒドロカルビルオキシカルボニル、ニトリル、ホルミル、カルボキシレート、イミデート又はチオカルボキシレートであり、R〜R13は各々独立に水素、ハロゲン、C〜C12アルキル、ヒドロキシ又はアミノであり、Yは次式のものからなる群から選択される二価基である。
【化3】

式中、R14及びR15は各々独立に水素又はC〜C12アルキルである。
【請求項4】
前記ポリ(アリーレンエーテル)が、25℃のクロロホルム中で測定して、約0.05〜約0.6dL/gの固有粘度を有する、請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項5】
ポリ(アリーレンエーテル)と縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーの合計100重量部当たり、ポリ(アリーレンエーテル)を約5〜約95重量部含む、請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項6】
前記縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーが以下の式を有する、請求項1記載の硬化性組成物。
【化4】

式中、R18は各々独立にC〜C12アルキレン又はC〜C12ヒドロキシ置換アルキレンであり、R19は各々独立にC〜C18ヒドロカルビレン、酸素(−O−)、硫黄(−S−)、カルボニル(−C(=O)−)、チオカルボニル(−C(=S)−)、スルホキシル(−S(=O)−)、スルホニル(−S(=O)−)及びアミン(−N(R22)−(式中、R22は水素又はC〜C18ヒドロカルビルである)から選択される二価基であり、rは各々独立に0〜約12であり、R20及びR21は各々独立に水素又はC〜C12アルキルであり、少なくとも1つのsが1以上であることを条件として、sは各々独立に0又は1又は2である。
【請求項7】
前記縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーが次式を有する、請求項1記載の硬化性組成物。
【化5】

式中、R23は各々独立に水素又はメチルである。
【請求項8】
ポリ(アリーレンエーテル)と縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーの合計100重量部当たり、縮合脂環式(メタ)アクリレートモノマーを約5〜約95重量部含む、請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項9】
アルケニル芳香族モノマーをさらに含む、請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項10】
成形後の組成物が、約110℃以上のガラス転移温度を示す、請求項1記載の硬化性組成物。

【公表番号】特表2007−501876(P2007−501876A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522559(P2006−522559)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/020868
【国際公開番号】WO2005/017036
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】