説明

熱線反射ガラス

【課題】高い熱線反射率で電波の透過損失の少ない熱線反射ガラスを提供する。
【解決手段】ガラス基板の表面に導電性の導電層を含む熱線反射膜が形成された熱線反射ガラスであって、導電層は、スリットにより複数の領域に分割され、スリットは、第1の方向に伸びた複数の相互に平行な第1のスリットと、第1の方向と直交しない第2の方向に伸びて、第1のスリットと交差する複数の相互に平行な第2のスリットとを有することを特徴とする熱線反射ガラスを提供することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱線反射ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス表面に金属などの導電性を有する導電層を含むコーティングを形成してなる熱線反射ガラスは、熱線だけではなく電波も反射してしまい、車や電車といった車両の窓ガラスとして用いた場合、車両内部から外部への通信等の妨げとなっていた。特に、携帯電話(800MHz〜2GHz)やキーレスエントリー(日本、米国:315MHz、欧州:433.92MHz)の電波を透過させることが求められている。
【0003】
このため、通信等のための電波を透過させる方法としては、コーティングされている熱線反射膜をくり抜き電波を透過させる方法等が挙げられるが、くり抜きによる色むら等の多くの問題点を有している。また電波を透過させる技術として、熱線反射膜に直交する2本のスリットを設けるFSS(Frequency Selective Surface)構造がある。
【0004】
特許文献1、2には、このようなFSSの構造を有する熱線反射ガラスに関する記載がなされている。
【特許文献1】特開平5−50548号公報
【特許文献2】特表2005−506904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2に記載されている熱線反射ガラスでは、熱線反射率を高くすると、電波透過性が著しく劣化するという問題点を有していた。
【0006】
熱線反射ガラスは、車等のリアガラス等に用いられ、外からの太陽光や電波が入射した際、熱線となる太陽光を反射し、通信等に用いられる電波をできるだけ透過させる機能を有するものである。
【0007】
図1は、特許文献1、2等に記載されている熱線反射ガラスの平面図である。熱線反射ガラスの基板面上には、導電層101が形成されており、この導電層101は、スリット102とスリット103により分離されている。スリット102とスリット103とは直交しており、スリット102とスリット103の幅はG1である。このスリット102とスリット103により分離される導電層101は、一辺がL1の正方形のパターンである。このような構成の熱線反射ガラスにおいては、熱線反射率を高めるため、導電層101の正方形のパターンの一辺L1の長さを長くした場合や、スリット102及びスリット103の幅G1を狭くした場合、電波透過性が顕著に劣化してしまう。逆に電波透過性を高めるため、導電層101の正方形のパターンの一辺L1の長さを短くした場合や、スリット102及びスリット103の幅G1を広くした場合では、熱線反射率が顕著に低下してしまう。
【0008】
よって、高い熱線反射率を維持しつつ、電波透過性の高い熱線反射ガラスが望まれている。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑み、高い熱線反射率を維持しつつ、電波透過性の高い熱線反射ガラスを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ガラス基板の表面に導電性の導電層を含む熱線反射膜が形成された熱線反射ガラスであって、前記導電層は、スリットにより複数の領域に分割され、前記スリットは、第1の方向に伸びた複数の相互に平行な第1のスリットと、前記第1の方向と直交しない第2の方向に伸びて、前記第1のスリットと交差する複数の相互に平行な第2のスリットとを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記第1のスリットは、水平方向に伸びたものであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記第1のスリットは、鉛直方向に伸びたものであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記第1のスリットと前記第2のスリットとのなす角は、45°以下、又は135°以上であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記スリットは、前記第1のスリットと前記第2のスリットの交点で交差する第3の方向に伸びた複数の相互に平行な第3のスリットを有し、前記第3の方向は、前記第1の方向とも、前記第2の方向とも平行ではないことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記第3のスリットは、前記第2のスリットと直交するものであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記第1のスリットと前記第2のスリットの交点で交差する複数の相互に平行な第4のスリットを有し、前記第4のスリットは前記第1のスリットに直交するものであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記熱線反射ガラスにおいて、前記スリットの面積と前記導電層の面積の和に対する前記導電層の面積の比率は、88.5%以上であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記熱線反射ガラスは車両に取付けられるものであって、前記熱線反射ガラスにおけるガラス基板面は、水平面に対し30°以上の角度で取付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、高い熱線反射率を維持しつつ、電波透過性の高い熱線反射ガラスを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1に示すように、FSSは、ガラス等の基板上に導電層からなるパターンを周期的に配列したものであり、特定の周波数の電波を透過又は遮断する効果を有している。
【0021】
基板上に導電層101からなるパターンが配列されている構成のものでは、ある特定の周波数帯の電波を遮断する性質がある。尚、この特定の周波数は、導電層101からなるパターンに依存する。
【0022】
このような構成のFSSにおける電波透過損失を改善する方法としては、図2(a)に示す基板上に導電層101からなるパターンが配列されている構成において、図2(b)に示す導電層101aのように、パターンの大きさを縮小することにより、図2(c)に示す実線から破線へと、共振周波数を高周波側にシフトさせることができる。これにより、この共振周波数よりも低域側の低周波領域における透過損失を改善することが可能である。
【0023】
〔第1の実施の形態〕
次に、本発明における第1の実施の形態の熱線反射ガラスについて説明する。
【0024】
本実施の形態は、ガラス等の透明基板上に導電性の導電膜を含む熱線反射膜が形成された熱線反射ガラスであって、導電層はスリットにより複数の領域に分割されるものにおいて、第1の方向に伸びた複数の相互に平行な第1のスリットと、第1の方向とは直交しない第2の方向に伸びて第1のスリットと交差する複数の相互に平行な第2のスリットを設けた構成のものである。
【0025】
尚、本発明の第1の方向とは、熱線反射ガラスを透過させたい所望の電波の偏波面に対して直交する方向である。つまり、本発明の熱線反射ガラスの設計時に所望の電波から決定されるものである。
【0026】
図3、図4に基づき、本実施の形態の熱線反射ガラスについて説明する。
【0027】
図3は、本実施の形態における熱線反射ガラスの平面図であり、図4は、図3における破線4A−4Bにおいて切断した断面図である。
【0028】
本実施の形態における熱線反射ガラスは、ガラス基板10上に導電層11が形成されている。導電層11は、第1のスリット21と第2のスリット22により分離されている。第1のスリット21は、電波の偏波面に直交する方向(第1の方向)に伸びるものであり、複数本設けられている。第2のスリット22は、第1のスリット21とは直交することなく第2の方向に延伸し、第1のスリット21と交差角度αで交差するものであり、第1のスリット21と同様に複数本設けられている。
【0029】
この第1のスリット21と第2のスリット22により、導電層11は、複数の平行四辺形の形状のパターンが2次元的に配列された構成のものとなる。
【0030】
尚、本発明におけるガラス基板とは、無機ガラス基板の他、ポリカーボネート等からなる樹脂製の有機ガラス基板も含まれる。
【0031】
(原理)
次に、図5に基づき本実施の形態における熱線反射ガラスの原理について説明する。図5(a)は、従来の図1に示す相互に直交するスリットにより形成された正方形のパターンの導電層101の場合である。この場合、導電層101のパターンに流れる電流は矢印に示す方向に流れ、実効的な電気長は導電層101のパターンの一辺の長さに相当する。一方、図5(b)に示す本実施の形態における熱線反射ガラスでは、導電層11は平行四辺形のパターンであり、矢印の示す方向に電流が流れる。この場合、このパターンに流れる電流の実効的な電気長は、図5(a)に示す正方形のパターンの場合よりも短くなる。よって、図5(c)に示すように、実線で示される図5(a)に示す正方形のパターンにおける周波数特性から、破線で示される図5(b)に示す平行四辺形のパターンによる周波数特性へと改善させることができる。即ち、図5(b)に示す本実施の形態における平行四辺形のパターンとすることにより、共振周波数を高域側にシフトさせ、低域側の透過損失を低減させることができるのである。
【0032】
(製造方法並びに材料)
次に、本実施の形態における熱線反射ガラスの製造方法について説明する。
【0033】
本実施の形態における熱線反射ガラスは、図4に示すようにガラス基板10上に導電層11を含む熱線反射膜を成膜し、その後、第1のスリット21、第2のスリット22を形成し導電層11(熱線反射膜)の一部を除去することにより作製される。本実施の形態では、透明基板としてガラス基板10を用いた場合について説明しているが、透明な基板であれば、プラスチック基板等であってもよい。
【0034】
また、導電層11を構成する材料は、本実施の形態では銀を使用しているが、シート抵抗が数Ω/□より低い値を得ることができる導電性材料であれば、特に限定されるものではない。また導電層11は、真空蒸着やスパッタリングによる真空成膜法等により形成される。
【0035】
また、導電層11に形成される第1のスリット21、第2のスリット22は、レーザ照射による加工の他、フォトリソグラフィとエッチングを組み合わせた加工、フライス盤等による機械加工等の方法により形成することが可能であるが、所定のスリット幅を形成することができる方法であればどのような方法であってもよい。
【0036】
(シミュレーション)
次に、本実施の形態における熱線反射ガラスについて、シミュレーションを行った結果について説明する。このシミュレーションは、本実施の形態における平行四辺形の導電層11のパターンを二次元的に無限周期で配列させたものについて、有限積分法(FIT:Finite Integration Theory)を利用した電磁界シミュレーションソフトを用いて行ったものである。
【0037】
ここで、金属面積率とはガラス基板10の表面積に対する導電層11の表面積の割合を示すものである。即ち、導電層11にスリットが形成されている熱線反射ガラスにおいて、導電層11の面積とスリットの面積との和に対する導電層11の面積の割合を示すものである。金属面積率は、熱線反射率と同じ値になるものと考えられ、金属面積率が高ければ熱線反射率も高い。
【0038】
(垂直入射による透過損失)
次に、熱線反射ガラスにおいて、スリットに対し直交する偏波の電波を熱線反射ガラスに対し、垂直に入射させた場合におけるシミュレーションの結果について説明する。具体的には、図1に示す直交するスリットにより導電層101が正方形のパターン(「正方形のパターン」と称する)になるものと、図3に示す本実施の形態のパターン、即ち、第1のスリットと第1のスリットに直交しない第2のスリットにより、導電層11が平行四辺形のパターン(「平行四辺形のパターン」と称する)となるものについてシミュレーションを行った結果である。図1に示す正方形のパターンについては、直交する縦横のスリットの幅G1は0.12mm、正方形のパターンの一辺L1は2mmとし、このときの金属面積率は、88.9%である。
【0039】
また、本実施の形態における図3に示す平行四辺形のパターンについては、第1のスリット21及び第2のスリット22の幅G2は0.1mm、平行四辺形の高さL2を2mmとし、第1のスリット21と第2のスリット22との交差角度αは45°であり、正方形のパターンと同様に、このときの金属面積率は、88.9%である。
【0040】
図6には、正方形のパターンと本実施の形態にかかる平行四辺形のパターンとが、ともに金属面積率88.9%の場合における周波数と透過損失の関係を示す。この図に示されるように、平行四辺形のパターンの透過損失が正方形のパターンの透過損失よりも少ない。
【0041】
次に、図7に、2GHzの電波において、正方形のパターンと本実施の形態における平行四辺形のパターンとの金属面積率と透過損失との関係を示す。この図に示されるように、金属面積率が90%以上の高い領域においては、平行四辺形のパターンの透過損失が正方形のパターンの透過損失よりも少ない。
【0042】
以上より、同じ金属面積率、即ち、同じ熱線反射率においては、本実施の形態における平行四辺形のパターンの方が正方形のパターンよりも電波を透過させやすく、高い熱線反射率で電波の透過損失を低減させることが可能である。
【0043】
(斜入射による透過損失)
次に、斜入射による透過損失について説明する。本実施の形態における熱線反射ガラスを自動車のリアガラス等として用いる場合、一般的には車両等に対し斜めに取付けられる。このため車両の内部より携帯電話等の電波により通信を行う場合には、図8に示すように、本実施の形態における熱線反射ガラス200には、ほぼ水平方向に電波は伝播し入射する。このため、熱線反射ガラス200における電波の入射角度、即ち、車両等に取り付ける車体取付角度βと透過損失との関係が重要となる。
【0044】
図9には、正方形のパターンと本実施の形態における平行四辺形のパターンとにおいて、車体取付角度βと透過損失との関係を示す。尚、ここでの透過損失は、電波が垂直偏波のTM波の場合について行った0.25〜2GHzの電波の平均であり、車体取付角度βは、水平方向を0°と基準とした場合の角度である。この図より、電波を斜入射させた場合、本実施の形態にかかる平行四辺形のパターンの方が、正方形のパターンよりも透過損失が少なく、特に、車体取付角度βが30°以上において透過損失が顕著に改善される。このことから、斜入射の電波においても、本実施の形態における平行四辺形のパターンの方が正方形のパターンよりも電波を透過させやすく、高い熱線反射率で電波の透過損失を低減させることが可能である。
【0045】
(スリットの交差角度)
次に、本実施の形態における熱線反射ガラスの第1のスリット21と第2のスリット22との交差角度αと透過損失の関係について説明する。即ち、図3に示す第1のスリット21と第2のスリット22の幅G2を0.1mmとし、導電層11のパターンの平行四辺形の高さL2を2mmで一定にした状態で、交差角度αの値を変化させた場合における交差角度αと透過損失との関係について説明する。
【0046】
図10に、第1のスリット21と第2のスリット22の交差角度αを変化させた場合の導電層11の平行四辺形のパターンの形状例を示す。図10(a)は、交差角度αが20°の場合のパターン形状の例であり、図10(b)は、交差角度αが45°の場合のパターン形状の例であり、図10(c)は、交差角度αが60°の場合のパターン形状の例である。
【0047】
図11は、垂直偏波における第1のスリット21と第2のスリット22の交差角度αと、金属面積率(R)及び透過損失との相関図であり、図12は、水平偏波における第1のスリット21と第2のスリット22の交差角度αと、金属面積率(R)及び透過損失との相関図である。尚、透過損失は、0.25〜2GHzの電波の平均の値である。図11に示すように、垂直偏波においては、交差角度αが鋭角化するにともない透過損失は減少し、特に、交差角度αが45°以下において、透過損失は実用レベル以上の値となる。これより、垂直偏波の場合では、第1のスリット21と第2のスリットの交差角度αは45°以下(または、135°以上)であることが好ましい。
【0048】
一方、図12に示すように、水平偏波においては垂直偏波とは逆に、交差角度αが鋭角化するにともない透過損失は増加する。垂直偏波と水平偏波との併用を考える場合は、交差角度αは、35°以上(または、145°以下)とすることが好ましい。
【0049】
図13に、正方形のパターンと本実施の形態における平行四辺形のパターンの金属面積率と透過損失の関係を示す。尚、透過損失は、0.25〜2GHzの電波の平均の値であり、正方形のパターンは、図1に示すスリット幅G1は0.1mmとし、導電層101の正方形のパターンの一辺の長さL1を1.2、1.4、1,6、1.8、2.0mmとしたものである。この図に示されるように、金属面積率が88.5%以上においては、平行四辺形のパターンの垂直偏波の特性が、正方形のパターンの特性よりも透過損失が低くなる。さらに、平行四辺形のパターンの金属面積率が高くなるに従い、透過損失は減少している。従って、垂直偏波において、金属面積率が88.5%以上で、本実施の形態における平行四辺形のパターンの導電層11とすることにより、高い金属面積率において、透過損失を減少させることができる。
【0050】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明における第2の実施の形態における熱線反射ガラスについて説明する。
【0051】
本実施の形態は、ガラス等の透明基板上に形成された導電層において、電波の偏波面に対して直交する方向に伸びた複数の相互に平行な第1のスリットと、この第1のスリットには直交することなく、第1のスリットと交差する複数の相互に平行な第2のスリットと、第1のスリットと第2のスリットとが交差する交点において交差する、第1のスリット及び第2のスリットとは平行ではない第3の方向に第3のスリットを設けた構成のものである。
【0052】
図14に基づき、本実施の形態の熱線反射ガラスについて説明する。図14は、本実施の形態における熱線反射ガラスの平面図である。
【0053】
本実施の形態における熱線反射ガラスは、ガラス基板上に導電層111が形成されている。導電層111は、第1のスリット121、第2のスリット122及び第3のスリット123により分離されている。第1のスリット121は、電波の偏波面に直交する方向に伸びるものであり、複数本設けられている。第2のスリット122は、第1のスリット121とは直交しない角度で交差するものであり、第1のスリット121と同様に複数本設けられている。第3のスリット123は、第1のスリット121と第2のスリット122の交点において、第1のスリット121と第2のスリット122との交差角度と同じ値の角度で第1のスリット121と交差するものであり、第1のスリット122と同様に複数本設けられている。本実施の形態では、第1のスリット121と、第2のスリット122とは45°の角度で交差しており、第1のスリット121と第3のスリット123とは45°の角度で交差している。
【0054】
以上の第1のスリット121、第2のスリット122及び第3のスリット123により、導電層111は、複数の二等辺三角形の形状のパターンが2次元的に配列された構成のものである。
【0055】
(垂直入射による透過損失)
次に、熱線反射ガラスにおいて、スリットに対し直交する偏波の電波を熱線反射ガラスに対し、垂直に入射させた場合におけるシミュレーションの結果について説明する。具体的には、図1に示す正方形のパターンと、図14に示す本実施の形態のパターン、即ち、第1のスリット121、第2のスリット122及び第3のスリット123により、導電層111が二等辺三角形のパターン(「二等辺三角形のパターン」と称する)となるものについてシミュレーションを行った結果である。図1に示す正方形のパターンについては、直交する縦横のスリットの幅G1は0.12mm、導電層101の正方形のパターンの一辺L1は2mmとし、このときの金属面積率は、88.8%である。
【0056】
また、本実施の形態における図14に示す二等辺三角形のパターンについては、第1のスリット121、第2のスリット122及び第3のスリット123の幅G3は0.1mm、第1のスリット121同士間の間隔L3は2mmであり、正方形のパターンと同様に、金属面積率は、88.8%としたものである。
【0057】
図15には、正方形のパターンと本実施の形態における二等辺三角形のパターンにおいて、ともに金属面積率88.8%の場合における周波数と透過損失との関係を示す。この図に示されるように、本実施の形態における二等辺三角形のパターンの透過損失の方が正方形のパターンの透過損失よりも少なくなる。
【0058】
次に、図16には、2GHzの電波において、正方形のパターンと本実施の形態における二等辺三角形のパターンとにおける金属面積率と透過損失との関係を示す。この図に示されるように、金属面積率が89%以上の領域においては、二等辺三角形のパターンの透過損失の方が正方形のパターンの透過損失よりも少なくなる。
【0059】
以上より、同じ金属面積率、即ち、同じ熱線反射率においては、本実施の形態における二等辺三角形のパターンの方が正方形のパターンよりも電波を透過させやすく、高い熱線反射率で電波の透過損失を低減することが可能である。
【0060】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明における第3の実施の形態における熱線反射ガラスについて説明する。
【0061】
本実施の形態は、ガラス等の透明基板上に形成された導電層において、第1の方向に伸びた複数の相互に平行な第1のスリットと、第1の方向と直交しない第2の方向に伸びて第1のスリットと交差する複数の相互に平行な第2のスリットと、第1のスリットと第2のスリットの交差する交点において交差し、第1のスリットに直交する複数の相互に平行な第4のスリットを設けた構成のものである。
【0062】
図17に基づき、本実施の形態の熱線反射ガラスについて説明する。図17は、本実施の形態における熱線反射ガラスの平面図である。
【0063】
本実施の形態における熱線反射ガラスは、ガラス基板上に導電層211が形成されている。導電層211は、第1のスリット221、第2のスリット222及び第4のスリット223により分離されている。第1のスリット221は、電波の偏波面に直交する方向に伸びるものであり、複数本設けられている。第2のスリット222は、第1のスリット221とは直交することなく、第1のスリット221と交差するものであり、第1のスリット221と同様に複数本設けられている。第4のスリット223は、第1のスリット221と第2のスリット222の交点において、第1のスリット221と垂直に交差するものであり、第1のスリット221と同様に複数本設けられている。本実施の形態では、第1のスリット221と、第2のスリット222とは45°の角度で交差している。
【0064】
以上の第1のスリット221、第2のスリット222及び第4のスリット223により、導電層211は、複数の直角二等辺三角形の形状のパターンが2次元的に配列された構成のものとなる。
【0065】
(垂直入射による透過損失)
次に、熱線反射ガラスにおいて、スリットに対し直交する偏波の電波を熱線反射ガラスに対し、垂直に入射させた場合におけるシミュレーションの結果について説明する。具体的には、図1に示す正方形のパターンと、図17に示すように本実施の形態のパターン、即ち、第1のスリット221、第2のスリット222及び第4のスリット223により、導電層211が直角二等辺三角形のパターン(「直角二等辺三角形のパターン」と称する)となるものについてシミュレーションを行った結果である。図1に示す正方形のパターンについては、直交する縦横のスリットの幅G1は0.18mm、導電層101の正方形のパターンの一辺L1は2mmとし、このときの金属面積率は、84.4%である。
【0066】
また、本実施の形態における図17に示す直角二等辺三角形のパターンについては、第1のスリット221、第2のスリット222及び第4のスリット223の幅G4は0.1mm、第1のスリット221同士間の間隔及び第4のスリット223同士間の間隔L4は、2mmであり、正方形のパターンと同様に、このときの金属面積率は、84.4%である。
【0067】
図18に、正方形のパターンと本実施の形態における直角二等辺三角形のパターンとにおいて、ともに金属面積率84.4%の場合における周波数と透過損失との関係を示す。この図に示されるように、本実施の形態における直角二等辺三角形のパターンの透過損失が正方形のパターンの透過損失よりも少なくなる。
【0068】
次に、図19には、2GHzの電波において、正方形のパターンと本実施の形態における直角二等辺三角形のパターンとにおける金属面積率と透過損失との関係を示す。この図に示されるように、金属面積率が84%から96%の領域においては、直角二等辺三角形のパターンの透過損失の方が正方形のパターンの透過損失よりも少なくなる。
【0069】
以上より、同じ金属面積率、即ち、同じ熱線反射率においては、本実施の形態における直角二等辺三角形のパターンの方が正方形のパターンよりも電波を透過させやすく、高い熱線反射率で電波の透過損失を低減させることが可能である。
【0070】
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明における第4の実施の形態における熱線反射ガラスについて説明する。
【0071】
本実施の形態は、ガラス等の透明基板上に形成された導電層において、電波の偏波面に対して直交する方向に伸びた複数の相互に平行な第1のスリットと、この第1のスリットには直交することなく、第1のスリットと交差する複数の相互に平行な第2のスリットと、第1のスリットと第2のスリットとが交差する交点において第1のスリットと第2のスリットとの交差角度と同じ角度で第1のスリットと交差する複数の相互に平行な第3のスリットと、第1のスリットと第2のスリットとが交差する交点において第1のスリットに直交して交差する複数の相互に平行な第4のスリットを設けた構成のものである。
【0072】
図20に基づき、本実施の形態の熱線反射ガラスについて説明する。図20は、本実施の形態における熱線反射ガラスの平面図である。
【0073】
本実施の形態における熱線反射ガラスは、ガラス基板上に導電層311が形成されている。導電層311は、第1のスリット321、第2のスリット322、第3のスリット323及び第4のスリット324により分離されている。第1のスリット321は、電波の偏波面に直交する方向に伸びるものであり、複数本設けられている。第2のスリット322は、第1のスリット321とは直交することなく、第1のスリット321と交差角度45°の角度で交差するものであり、第1のスリット321と同様に複数本設けられている。第3のスリット323は、第1のスリット321と第2のスリット322の交点において、第1のスリット321と第2のスリット322との交差角度45°と同じ値の角度で第1のスリット321と交差するものであり、第1のスリット321と同様に複数本設けられている。第4のスリット324は、第1のスリット321と第2のスリット322の交点において、第1のスリット321に垂直に交差するものであり、第1のスリット321と同様に複数本設けられている。
【0074】
以上の第1のスリット321、第2のスリット322、第3のスリット323及び第4のスリット324により、導電層311は、複数の直角二等辺三角形の形状のパターンが2次元的に配列された構成のものである。
【0075】
(垂直入射による透過損失)
次に、熱線反射ガラスにおいて、スリットに対し直交する偏波の電波を熱線反射ガラスに対し、垂直に入射させた場合におけるシミュレーションの結果について説明する。具体的には、図1に示す正方形のパターンと、図20に示すように本実施の形態のパターン、即ち、第1のスリット321、第2のスリット322、第3のスリット323及び第4のスリット324により、導電層311が直角二等辺三角形のパターン(「第2の直角二等辺三角形のパターン」と称する)となるものについてシミュレーションを行った結果である。図1に示す正方形のパターンについては、直交する縦横のスリットの幅G1は0.26mm、導電層101の正方形のパターンの一辺L1は2mmとし、このときの金属面積率は、78.3%である。
【0076】
また、本実施の形態における図20に示す第2の直角二等辺三角形のパターンについては、第1のスリット321、第2のスリット322、第3のスリット323及び第4のスリット324の幅G5は0.1mm、第1のスリット321同士間の間隔L5及び第3のスリット323同士間の間隔L5は、2mmとし、正方形のパターンと同様に、このときの金属面積率は、78.3%である。
【0077】
図21に、正方形のパターンと本実施の形態における第2の直角二等辺三角形のパターンとにおいて、ともに金属面積率78.3%の場合における周波数と透過損失の関係を示す。この図に示されるように、本実施の形態における第2の直角二等辺三角形のパターンの透過損失の方が正方形のパターンの透過損失よりも少なくなる。
【0078】
次に、図22には、2GHzの電波において、正方形のパターンと本実施の形態における第2の直角二等辺三角形のパターンとにおける金属面積率と透過損失との関係を示す。この図に示されるように、金属面積率が78%以上の領域においては、第2の直角二等辺三角形のパターンの透過損失の方が正方形のパターンの透過損失よりも少なくなる。
【0079】
以上より、同じ金属面積率、即ち、同じ熱線反射率においては、本実施の形態における第2の直角二等辺三角形のパターンの方が正方形のパターンよりも電波を透過させやすく、高い熱線反射率で電波の透過損失を低減させることが可能である。
【0080】
次に、図1に示す正方形のパターンと本実施の形態における図20に示す第2の直角二等辺三角形のパターンにおいて、同じ金属面積率であって、一つの正方形のパターンの導電層101の面積と、一つの第2の直角二等辺三角形のパターンの導電層311の面積とが等しい場合における透過損失について説明する。
【0081】
図23に示すように、図23(a)に示す正方形のパターンの金属面積率と図23(b)に示す第2の直角二等辺三角形のパターンの金属面積率とは同じ値であり、図23(a)に示す4つの正方形のパターンからなるユニットの一辺の長さLUと、図23(b)に示す4つの第2の直角二等辺三角形のパターンからなるユニットの一辺の長さLUは、ともに等しい。尚、図23(a)に示す第2の直角二等辺三角形のパターン及び図23(b)に示す正方形のパターンは、上記ユニット単位で二次元的に配列されているものである。よって、図23(a)に示す第1のスリット321、第2のスリット322、第3のスリット323、第4のスリット324の幅G5と、図23(b)に示す第1のスリット102と第2のスリット103の幅G1とは異なる値となる。
【0082】
図24には、2GHzの電波において、一つのパターンあたりの面積を同じにした場合における正方形のパターンと本実施の形態における第2の直角二等辺三角形のパターンとの金属面積率と透過損失との関係を示す。この図に示されるように、第2の直角二等辺三角形のパターンの透過損失の方が正方形のパターンの透過損失よりも低くなる。
【0083】
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明における第5の実施の形態における熱線反射ガラスについて説明する。
【0084】
本実施の形態は、ガラス等の透明基板上に形成された導電層において、電波の偏波面に対して直交する方向に伸びた複数の相互に平行な第1のスリットと、この第1のスリットには直交することなく、第1のスリットと交差する複数の相互に平行な第2のスリットと、第1のスリットと第2のスリットの交差する交点において交差する、第1のスリットと第2のスリットとも平行ではない第3のスリットを設けた構成のものである。
【0085】
図25に基づき、本実施の形態の熱線反射ガラスについて説明する。図25は、本実施の形態における熱線反射ガラスの平面図である。
【0086】
本実施の形態における熱線反射ガラスは、ガラス基板上に導電層411が形成されている。導電層411は、第1のスリット421、第2のスリット422及び第3のスリット423により分離されている。第1のスリット421は、電波の偏波面に直交する方向に伸びるものであり、複数本設けられている。第2のスリット422は、第1のスリット421とは交差角度60°で交差するものであり、第1のスリット421と同様に複数本設けられている。第3のスリット423は、第1のスリット421と第2のスリット422の交点において、第1のスリット421と第2のスリット422との交差角度60°と同じ角度で第1のスリット421と交差するものであり、第1のスリット421と同様に複数本設けられている。
【0087】
以上の第1のスリット421、第2のスリット422及び第3のスリット423により、導電層411は、複数の正三角形の形状のパターンが2次元的に配列された構成のものである。
【0088】
(垂直入射による透過損失)
次に、熱線反射ガラスにおいて、スリットに対し直交する偏波の電波を熱線反射ガラスに対し、垂直に入射させた場合におけるシミュレーションの結果について説明する。具体的には、図1に示すように正方形のパターンと、図25に示すように本実施の形態のパターン、即ち、第1のスリット421、第2のスリット422及び第3のスリット423により、導電層411が正三角形のパターン(「正三角形のパターン」と称する)となるものについてシミュレーションを行った結果である。図1に示す正方形のパターンについては、直交する縦横のスリットの幅G1は0.154mm、導電層101の正方形のパターンの一辺L1は2mmとし、このときの金属面積率は、86.2%である。
【0089】
また、本実施の形態における図25に示す正三角形のパターンについては、第1のスリット421、第2のスリット422及び第3のスリット423の幅G6は0.1mm、第1のスリット421同士間の間隔、第2のスリット422同士間の間隔及び第3のスリット423同士間の間隔L6は、2mmとし、正方形のパターンと同様に、このときの金属面積率は、86.2%である。
【0090】
図26には、正方形のパターンと本実施の形態における正三角形のパターンにおいて、ともに金属面積率86.2%の場合における周波数と透過損失との関係を示す。この図に示されるように、本実施の形態における正三角形のパターンの透過損失は正方形のパターンの透過損失よりも少なくなる。
【0091】
次に、図27には、2GHzの電波において、正方形のパターンと本実施の形態における正三角形のパターンとにおける金属面積率と透過損失との関係を示す。この図に示されるように、金属面積率が86%以上の領域においては、正三角形のパターンの透過損失の方が正方形のパターンの透過損失よりも少なくなる。
【0092】
以上より、同じ金属面積率、即ち、同じ熱線反射率においては、本実施の形態における正三角形のパターンの方が正方形のパターンよりも電波を透過させやすく、高い熱線反射率で電波の透過損失を低減することが可能である。
【0093】
尚、本発明の実施の形態においては、スリット同士の間隔、スリット幅は、透過させる所望の電波の周波数によって、適宜定められるものである。つまり、スリット同士の間隔が狭ければ、透過損失が小さくなるが、熱線反射機能が悪くなるため、これらのバランスによりスリット同士の間隔、スリット幅は決定されるものである。
【0094】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】従来の電磁波吸収板の表面図
【図2】従来の電磁波吸収板の説明図
【図3】第1の実施の形態における電磁波吸収板の表面図
【図4】第1の実施の形態における電磁波吸収板の断面図
【図5】第1の実施の形態における電磁波吸収板の説明図
【図6】第1の実施の形態における電磁波吸収板の周波数と透過損失の相関図
【図7】第1の実施の形態における電磁波吸収板の金属面積率と透過損失の相関図
【図8】本発明における電磁波吸収板の実用例
【図9】第1の実施の形態における電磁波吸収板の取付角度と透過損失の相関図
【図10】第1の実施の形態における電磁波吸収板の導電層のパターン形状図
【図11】第1の実施の形態における電磁波吸収板の導電層のパターン形状と透過損失の相関図(垂直偏波)
【図12】第1の実施の形態における電磁波吸収板の導電層のパターン形状と透過損失の相関図(水平偏波)
【図13】第1の実施の形態における電磁波吸収板の金属面積率と透過損失の相関図
【図14】第2の実施の形態における電磁波吸収板の表面図
【図15】第2の実施の形態における電磁波吸収板の周波数と透過損失の相関図
【図16】第2の実施の形態における電磁波吸収板の金属面積率と透過損失の相関図
【図17】第3の実施の形態における電磁波吸収板の表面図
【図18】第3の実施の形態における電磁波吸収板の周波数と透過損失の相関図
【図19】第3の実施の形態における電磁波吸収板の金属面積率と透過損失の相関図
【図20】第4の実施の形態における電磁波吸収板の表面図
【図21】第4の実施の形態における電磁波吸収板の周波数と透過損失の相関図
【図22】第4の実施の形態における電磁波吸収板の金属面積率と透過損失の相関図
【図23】第4の実施の形態における電磁波吸収板の説明図
【図24】第4の実施の形態における電磁波吸収板の金属面積率と透過損失の相関図
【図25】第5の実施の形態における電磁波吸収板の表面図
【図26】第5の実施の形態における電磁波吸収板の周波数と透過損失の相関図
【図27】第5の実施の形態における電磁波吸収板の金属面積率と透過損失の相関図
【符号の説明】
【0096】
10 透明基板
11 導電層
21 第1のスリット
22 第2のスリット
G2 スリット幅(第1のスリット、第2のスリットのスリット幅)
L2 導電層11のパターンの高さ
α 第1のスリットと第2のスリットの交差角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板の表面に導電性の導電層を含む熱線反射膜が形成された熱線反射ガラスであって、
前記導電層は、スリットにより複数の領域に分割され、
前記スリットは、第1の方向に伸びた複数の相互に平行な第1のスリットと、
前記第1の方向と直交しない第2の方向に伸びて、前記第1のスリットと交差する複数の相互に平行な第2のスリットと、
を有することを特徴とする熱線反射ガラス。
【請求項2】
前記第1のスリットは、水平方向に伸びたものであることを特徴とする請求項1に記載の熱線反射ガラス。
【請求項3】
前記第1のスリットは、鉛直方向に伸びたものであることを特徴とする請求項1に記載の熱線反射ガラス。
【請求項4】
前記第1のスリットと前記第2のスリットとのなす角は、45°以下、又は135°以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱線反射ガラス。
【請求項5】
前記スリットは、前記第1のスリットと前記第2のスリットの交点で交差する第3の方向に伸びた複数の相互に平行な第3のスリットを有し、前記第3の方向は、前記第1の方向とも、前記第2の方向とも平行ではないことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の熱線反射ガラス。
【請求項6】
前記第3のスリットは、前記第2のスリットと直交するものであることを特徴とする請求項5に記載の熱線反射ガラス。
【請求項7】
前記第1のスリットと前記第2のスリットの交点で交差する複数の相互に平行な第4のスリットを有し、前記第4のスリットは前記第1のスリットに直交するものであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の熱線反射ガラス。
【請求項8】
前記熱線反射ガラスにおいて、前記スリットの面積と前記導電層の面積の和に対する前記導電層の面積の比率は、88.5%以上であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の熱線反射ガラス。
【請求項9】
前記熱線反射ガラスは車両に取付けられるものであって、前記熱線反射ガラスにおけるガラス基板面は、水平面に対し30°以上の角度で取付けられることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の熱線反射ガラス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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