説明

熱転写プリントシート作成装置、作成方法及び熱転写プリントシート

【課題】粘着剤付き剥離紙を用いずにラベル樹脂そのものを印刷対象物に熱溶融させて接着させることができる熱転写プリントシート作成装置、作成方法及び熱転写プリントシートを提供する。
【解決手段】(a)給紙カセット17は離型性表面を有する剥離性シート18を搬送ベルト13に供給する。(b)画像形成ユニット5−1、5−2、5−3は画像の正像を電子写真方式により感光体6上に現像し、転写器14は感光体6上の正像を剥離性シート18上に鏡像48として転写する。(c) 画像形成ユニット5−5は転写基材のフイルム形状の熱可塑性樹脂像49を感光体6上に現像し、転写器14は熱可塑性樹脂像49を剥離性シート18に転写する。(d) 定着ユニット26は鏡像48とフイルム形状の熱可塑性樹脂像49とを定着し、熱転写プリントシート50の作成を完成させる。(e)加熱プレス機51はシャツ等の被転写媒体52に熱可塑性樹脂像49を介して正像48aを転写する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱転写プリントシート作成装置、作成方法及び熱転写プリントシートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、裏糊の付いたラベルの作成方法がある。このラベルの作成方法は、裏面の接着剤が塗布されている面を剥離シートに剥離可能に貼りつけてあるラベル用紙に、絵柄を印刷して、刃型でラベル用紙を任意の形にカットする方法が一般的に行われている。
【0003】
このようなラベルの作成方式は、ラベルを大量に作成する場合には、これといった支障はないが、作成するラベルの数量が少量の場合には、元来、絵柄を印刷する版と絵柄をカットする刃型の制作費用が高いため、結果的にラベルの単価が高くなってしまうという問題が発生する。
【0004】
また、Tシャツ、トレーナー、作業服などの布製品や、木材、金属板などに、所望の画像やロゴマークなどの図案を印刷する方法としては、インクジェットプリンタを用いて図案を印刷対象物に直接印刷する方法や装置が提案されている。(例えば、特許文献1、2参照。)
【0005】
また、熱転写プリンタにより衣類等の布地に直接プリントする装置や(特許文献3参照)、転写紙に画像を印刷した後、アイロン等により印刷媒体に画像を熱転写する方法や装置が提案されている。(例えば、特許文献4、5参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平07−336466号公報
【特許文献2】特開平08−207263号公報
【特許文献3】特開平11−157139号公報
【特許文献4】特開平05−077557号公報
【特許文献5】特開平09−087980号公報
【特許文献6】特開2007−283745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、インクジェットプリンタや熱転写プリンタによる直接印刷方法は(特許文献1,2,3)、同一形状のものを数多く作製する場合やサイズの大きいものを作製する場合には有効であるが、印刷対象物のサイズが小さく(例えば衣類くらい)、形状も異なるものを多品種少量ずつ作成する場合には、印刷対象物をプリンタに搬送する方法がそれぞれ異なり、作製に手間がかかる。
【0008】
また、転写紙に画像を印刷した後、印刷対象物に熱転写する方法は(特許文献4)印刷対象物の形状を選ばない点では前述の方法の課題はないが、転写紙のサイズは定型(例えばA4判やA3判が多い)であるため、印刷対象物へ転写する形状を別途作製しなければならない。
【0009】
特許文献5の方法は2枚の転写紙を用い形状も作製して印刷対象物へ熱転写する方法であり、それらの課題を解決した方法である。しかしながら、転写紙を2枚用い、熱転写作業を2回行う必要があるという面倒がある。また実際には作製サンプルごとに転写時の温度や押し当て圧力などが異なり、作業に技術を要する。
【0010】
特許文献6においては、粘着剤層の上にトナー層をラベルの形状に現像することで現像処理のみでラベルの形状を作成している。しかし、表面に予め粘着剤が塗布されている剥離紙は高価であるだけでなく、現像処理の後にラベルの外郭より外の粘着剤の露出面に粘着性を消すための変質処理を施すという手数を要するので問題がある。
【0011】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、粘着剤を用いずにラベル樹脂そのものを印刷対象物に熱溶融させて接着させることができる熱転写プリントシート作成装置、作成方法及び熱転写プリントシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の熱転写プリントシート作成装置は、離型性表面を有する剥離性シートを供給する剥離性シート供給部と、被転写媒体に熱転写プリントすべき画像を上記剥離性シートに転写する第1画像形成部と、転写基材とすべく熱可塑性樹脂像を形成し、該熱可塑性樹脂像を上記剥離性シートに転写する第2画像形成部と、上記剥離性シートに転写された上記画像と上記熱可塑性樹脂像とを、加熱と加圧により定着してフィルム形状に定着する定着部とにより、上記剥離性シート、上記画像と上記フィルム形状の上記転写基材から成る熱転写プリントシートを作成する、ように構成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、粘着剤付き剥離紙を用いずにラベル樹脂そのものを印刷対象物に熱溶融させて接着させることができる熱転写プリントシート作成装置、作成方法及び熱転写プリントシートを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例1、2、3、4、5及び6に係る熱転写プリントシート作成方法により熱転写プリントシートを作成する熱転写プリントシート作成装置の内部構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例1、2、3、4、5及び6に係る熱転写プリントシート作成装置の制御装置を含む回路ブロック図である。
【図3】(a)〜(d)は、上記構成の熱転写プリントシート作成装置1により作成される実施例1に係る熱転写プリントシート作成工程を模式的に示す図、(e),(f)は被転写媒体に熱転写プリントシートのラベル画像を転写する工程と手順を示す図である。
【図4】(a)〜(d)は、上記構成の熱転写プリントシート作成装置1により作成される実施例2に係る熱転写プリントシート作成工程を模式的に示す図、(e),(f)は被転写媒体に熱転写プリントシートの画像を転写する工程と手順を示す図である。
【図5】(a)〜(d)は、上記構成の熱転写プリントシート作成装置1により作成される実施例3に係る熱転写プリントシート作成工程を模式的に示す図、(e),(f)は被転写媒体に熱転写プリントシートの画像を転写する工程と手順を示す図である。
【図6】(a)〜(e)は、上記構成の熱転写プリントシート作成装置1により作成される実施例4に係る熱転写プリントシート作成工程を模式的に示す図、(f),(g)は被転写媒体に熱転写プリントシートのラベル画像を転写する工程と手順を示す図である。
【図7】(a)〜(e)は、上記構成の熱転写プリントシート作成装置1により作成される実施例5に係る熱転写プリントシート作成工程を模式的に示す図、(f),(g)は被転写媒体に熱転写プリントシートの画像を転写する工程と手順を示す図である。
【図8】(a)〜(e)は、上記構成の熱転写プリントシート作成装置1により作成される実施例6に係る熱転写プリントシート作成工程を模式的に示す図、(f),(g)は被転写媒体に熱転写プリントシートのラベル画像を転写する工程と手順を示す図である。
【図9】は、本発明の熱転写プリント方法に係わり、転写基材用組成物製造例1〜7の熱可塑性樹脂を用い、プリント例1〜7で得たシャツについて、評価項目として布地への画像の定着性、耐洗濯性、定着温度(樹脂軟化点)、画像性、について「○」、「△」、「×」で評価した図表である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明において、上記の剥離性シート供給部は例えば給紙カセット17、MPF(Multi Paper Feeder)トレイ24等からなり、第1現像部は例えば画像形成ユニット5−1、5−2、5−3、5−4等からなり、第1転写部は例えば画像形成ユニット5−1、5−2、5−3、5−4、搬送ベルト13、転写器14等からなり、第2現像部は例えば画像形成ユニット5−5等からなり、第2転写部は例えば画像形成ユニット5−5、搬送ベルト13、転写器14等からなり、定着部は例えば定着ユニット26等からなり、再搬送部は再搬送ユニット3等からなる。
【0016】
図1は、本発明の実施例1、2、3、4、5及び6に係る熱転写プリントシート作成方法により熱転写プリントシートを作成する熱転写プリントシート作成装置の内部構成を示す断面図である。図1に示すように、熱転写プリントシート作成装置1は、画像形成部2、再搬送ユニット3、及び給紙部4で構成されている。
【0017】
上記の画像形成部2は、5個の画像形成ユニット5(5−1、5−2、5−3、5−45−5)を多段式に並設した構成からなる。
【0018】
上記5個の画像形成ユニット5のうち用紙搬送方向上流側(図の右側)の3個の画像形成ユニット5−1、5−2及び5−3は、それぞれ減法混色の三原色であるマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の色トナーによるモノカラー画像を形成する。
【0019】
上記3個の画像形成ユニット5−1、5−2、5−3に続く4番目の画像形成ユニット5−4は、ブラック(K)のモノクロ画像を形成する。これら4色のトナー画像は後述する剥離性シート(以下、用紙ともいう)に塗り重ねられてフルカラーの画像を形成する。
【0020】
また、上記5個の画像形成ユニット5のうち用紙搬送方向最下流側(図の左端)の画像形成ユニット5−5は、詳しくは後述する熱可塑性樹脂からなる転写基材(T)のトナー画像(ここでは後述する感光体ドラム上に現像されるトナー像を形状に係わり無く画像という)を形成する。
【0021】
上記の各画像形成ユニット5−1〜5−5は、現像ユニットに収容された現像剤の色や種類を除けば同じ構成である。したがって、以下、画像形成ユニット5−4を例にしてその構成を説明する。
【0022】
画像形成ユニット5は、感光体ドラム6と、この感光体ドラム6の周面に沿って配設されたクリーナ7、帯電ローラ8、現像ユニット9、この現像ユニット9の下部側面の開口部に組み付けられている現像ローラ11を備えている。
【0023】
感光体ドラム6の帯電ローラ8と現像ユニット9との間に位置する上面に近接して、本体装置側の光書込ヘッド12が配置されている。また、感光体ドラム6の下面に近接して搬送ベルト13が配設されている。そして、この搬送ベルト13を間に挟んで転写器14が感光体ドラム6の下面に向けて押圧されている。
【0024】
搬送ベルト13は、導電性カーボン又はイオン伝導物質を含有した樹脂製の導電性のシート状部材からなり、駆動ローラ15と従動ローラ16に掛け渡されて、駆動ローラ15により駆動され、図の矢印a、b、cで示す反時計回り方向に循環移動する。
【0025】
上記の感光体ドラム6は、図の時計回り方向に回転する。そして先ず帯電ローラ8からの電荷付与により、感光体ドラム6の周面が一様に帯電して初期化される。次に、印字情報に基づく光書込ヘッド12からの光書き込みにより、感光体ドラム6の周面に静電潜像が形成される。
【0026】
そして、この静電潜像は、現像ローラ11による現像処理によって、現像ユニット9に収納したトナーによりトナー像化(現像)される。感光体ドラム6の周面に現像されたトナー像は、感光体ドラム6の回転に伴われて、感光体ドラム6と転写器14とが対向する転写部に回転搬送される。
【0027】
他方、給紙部4の給紙カセット17には多枚数のカット紙状の剥離性シート18が収容されている。剥離性シート18は、給紙コロ19の一回転によって一枚毎に給紙カセット17から搬出され、搬送案内路21を通って待機ローラ対22に給送される。
【0028】
あるいは、作成される熱転写プリントシートが少枚数のときは、剥離性シート18は、開成された装着部23に装着されたMPFトレイ24上から給紙コロ25によって待機ローラ対22に給送される。
【0029】
待機ローラ対22は、剥離性シート18の印字開始位置が紙搬送方向最上流の画像形成ユニット5−1の感光体ドラム6のトナー像の先端に一致するタイミングで搬送ベルト13上に給送する。
【0030】
剥離性シート18は、この循環移動する搬送ベルト13の上面に静電的に吸着されて搬送され、感光体ドラム6の直下を用紙搬送方向上流側から下流側へ搬送ベルト13と共に移動する。
【0031】
そして、剥離性シート18は、画像形成ユニット5−1の転写部で最初の色のトナー像を転写され、画像形成ユニット5−2の転写部で次の色のトナー像を転写され、画像形成ユニット5−3の転写部で3番目のトナー像を転写され、画像形成ユニット5−4の転写部でブラックのトナー像を転写される。また、画像形成ユニット5−5の転写部で本発明に係わる熱可塑性樹脂からなる転写基材(T)の熱可塑性樹脂画像(以下、トナー画像とも言う)が転写される。
【0032】
尚、本例における上記のフルカラー印字モードにおける印字処理では、画像形成ユニット5−1〜5−4が印字状態に設定される。一方、画像形成ユニット5−5は、熱転写プリントシートの作成方法に応じて、搬送ベルト13への当接位置から上に離れるように移動可能になっている。
【0033】
後述するように、熱転写プリントシートの作成方法としては、いくつかの異なる手順で作成できるが、大きく分けて2通りがある。すなわち、第一の方法として、上記のように4色のトナー像を重ねて転写された剥離性シート18は、引き続き画像形成ユニット5−5の転写部で転写基材となるトナー画像が重ね転写され、定着ユニット26に搬入される。また、第二の方法としては、上記のように4色のトナー像を重ねて転写された剥離性シート18はそのまま定着ユニット26に一旦搬入され定着された後、再搬送ユニット3を介して再度搬送ベルト13に戻されてから画像形成ユニット5−5の転写部で転写基材となるトナー画像が重ね転写され、定着ユニット26に搬入される、という方法である。なお、定着ユニット26は、熱ローラ26a、押圧ローラ26b、及びクリーナ26cで構成されている。
【0034】
いずれにせよ、剥離性シート18は、熱ローラ26aと押圧ローラ26b間に挟持されて搬送されながら、熱と圧力とによりトナー像を溶融され紙面に圧着されてトナー像を定着される。また、クリーナ26cは熱ローラ26aに残留するトナーを除去する。
【0035】
このように、定着ユニット26によってフルカラーのトナー像と転写基材とが定着された剥離性シート18は、切換板27が図の破線で示す下方に回動していることにより、搬送ローラ29により上に搬送され、排紙ローラ31によって画像形成面を下にして排紙部32に排出される。一方、4色のトナー像が転写されて、そのまま定着ユニット26に一旦搬入された剥離性シート18の場合には、切換板27が図の実線で示す下方に回動していることにより、再印刷用の再搬送ユニット3に送り込まれる。
【0036】
ここで、再搬送ユニット3には、内部に複数の搬送ローラ33a〜33eが配設されている。再搬送ユニット3は、用紙の搬送一時停止と複数の搬送ローラ33a〜33eによる搬送によって重ね印刷が可能なように用紙を搬送案内路21に返送する。
【0037】
本例(実施例4〜6)では、フルカラーのトナー像を定着された剥離性シート18は、切換板27が図の実線で示す上方に回動していると、そのまま再搬送ユニット3に送り込まれる。
【0038】
その場合、待機ローラ対22は、剥離性シート18の転写基材のトナー像印刷位置が紙搬送方向最下流の画像形成ユニット5−5の感光体ドラム6のトナー像の先端に一致するタイミングで搬送ベルト13上に給送する。
【0039】
画像形成ユニット5−5による転写基材のトナー像の現像と転写では、搬送ベルト13が画像形成ユニット5−1〜5−4から下方に離隔する。そして、転写基材のトナー像の印刷を受け持つ画像形成ユニット5−5が上方の退避位置から降下して、その感光体ドラム6が搬送ベルト13に当接する。
【0040】
この後における画像形成済みの剥離性シート18への転写基材のトナー像の印刷は、上述した色トナーによる画像形成とほぼ同様である。ただし、色トナーによる画像形成とやや異なるのは、転写基材のトナー像による印刷形成画像がベタ印字であることと、定着済みの他のトナー画像の上から所定の形状でベタ印字されることである。
【0041】
転写基材のトナー像をベタ印字された剥離性シート18は、再び定着ユニット26に搬入されて、転写基材のベタ印字画像を紙面に定着される。
【0042】
そして、切換板27が剥離性シート18を上方に案内するように動作することにより、搬送ローラ29により上に搬送され、排紙ローラ31によって画像形成面を下にして排紙部32に排出される。
【0043】
ここで、上記のように熱転写プリントシート作成装置1の各部を駆動制御し、後述するように剥離性シート18にカラー画像と転写基材のトナー像を重ねて形成する処理を制御する制御部について説明する。
【0044】
図2は、上記の熱転写プリントシート作成装置1の制御装置を含む回路ブロック図である。図2に示すように回路ブロックは、CPU(central processing unit)35を中心にして、このCPU35に、それぞれデータバスを介してインターフェイスコントローラ(I/F_CONT)36及びプリンタコントローラ(PR_CONT)37が接続されている。PR_CONT37にはプリンタ印字部38が接続されている。
【0045】
また、CPU35には、ROM(read only memory)39、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)41、本体操作部の操作パネル42、各部に配置されたセンサからの出力が入力されるセンサ部43が接続されている。
【0046】
ROM39には、システムプログラムが記憶され、CPU35は、このシステムプログラムに従って各部を制御して処理を行う。
【0047】
すなわち、各部において、先ず、I/F_CONT36は、例えばパーソナルコンピュータ等のホスト機器から供給される印字データをビットマップデータに変換し、フレームメモリ44に展開する。
【0048】
フレームメモリ44は、ブラック(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、転写基材(T)ごとに記憶エリアが設定されており、各色及び転写基材のデータが対応するエリアに展開される。
【0049】
フレームメモリ44に展開されたデータはPR_CONT37に出力され、PR_CONT37からプリンタ印字部38に出力される。
【0050】
プリンタ印字部38は、エンジン部であり、PR_CONT37からの制御の下で、図1に示した感光体ドラム6等を含む不図示の回転駆動系、帯電ローラ8、光書込ヘッド12等の被駆動部を有する画像形成部、搬送ベルト13の上下移動を駆動する不図示の駆動部を備えている。
【0051】
そして、プリンタ制御部38は、ブラック(K)、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の各色の画像データをそれぞれ対応する図1に示した光書込ヘッド12に供給する。
【0052】
また、プリンタ制御部38は、現像部45を介し、光書込ヘッド12による画像データに基づく感光体ドラム6への静電潜像の形成と、形成された静電潜像に対応する色又は転写基材のトナーでの現像を制御する。
【0053】
更にプリンタ印字部38は、定着部46を介し、定着ユニット26の熱ローラ26aに内蔵される発熱部への印加電圧、熱ローラ26aを押圧する押圧ローラ26bの加圧力調整等の各種の制御を行う駆動出力を制御する。
【0054】
更にプリンタ印字部38は、ベルト駆動部47を介し、搬送ベルト13のベルト位置制御機構の上下移動や、搬送ベルト13を循環移動させる駆動ローラ15の回転駆動などを行う駆動出力を制御する。
【実施例1】
【0055】
図3(a)〜(d)は、上記構成の熱転写プリントシート作成装置1により作成される実施例1に係る熱転写プリントシート作成工程を模式的に示す図であり、図3(e),(f)は被転写媒体に熱転写プリントシートのラベル画像を転写する工程と手順を示す図である。
【0056】
図3(a)は、第1工程を示しており、給紙カセット17又はMPFトレイ24に載置収容されて給紙コロ19又は25により離型性表面を上にして搬送ベルト13に送り出された透明な(図では後工程の転写基材と区別するためハッチングで示している)剥離性シート18を示している。
【0057】
図3(b)は、第2工程を示しており、被転写媒体に転写プリントすべき画像の正像を画像形成ユニット5−1、5−2、5−3、5−4で光書込ヘッド12により書き込み、これを現像し、その現像した正像を剥離性シート18の離型性表面に鏡像48として転写した状態を示している。
【0058】
図3(c)は、第3工程を示しており、画像形成ユニット5−5によりフィルム形状に現像された転写基材のフィルム形状の熱可塑性樹脂像49が上記鏡像48を覆うように剥離性シート18の離型性表面に重ねられて転写された状態を示している。
【0059】
図3(d)は、第4工程を示しており、鏡像48の上に覆ってフィルム形状の転写基材の熱可塑性樹脂像49を転写された剥離性シート18が定着ユニット26に搬入され、熱ローラ26aと押圧ローラ26bにより挟持され、加熱と加圧によりフィルム形状の熱可塑性樹脂像49を定着された熱転写プリントシート50の状態を示している。
【0060】
すなわち、以上の第1工程から第4工程までの処理で、剥離性シート18、鏡像48、及びフィルム形状の転写基材の熱可塑性樹脂像49から成る熱転写プリントシート50の作成が完了する。
【0061】
続いて、図3(e)は、第5工程を示しており、例えば、主として工業用に市販されている加熱プレス機51を用い、上記熱転写プリントシート50を例えばTシャツ等の被転写媒体52に対し鏡像形成面(離型性表面)50−1を対向させて重ね合わせる。
【0062】
そして、熱転写プリントシート50の鏡像形成面の裏面50−2から加熱および加圧により、冷却後に剥離性シート18を引き剥がし可能に、熱転写プリントシート50を転写基材のフィルム形状の熱可塑性樹脂像49を介して被転写媒体52に接着させる。
【0063】
尚、上記の例では加熱プレス機51を用いるとしたが、加熱プレス機51は機械としても大型で且つ高価であるので、手作業のアイロン掛けによって、熱転写プリントシート50及び鏡像48を被転写媒体52に接着させるようにしてもよい。
【0064】
この後、熱転写プリントシート50が室温程度まで冷却した頃合を見て、人手によって剥離性シート18を引き剥がすと、図3(f)に示すように、Tシャツ等の印刷対象物である被転写媒体52に、鏡像48から正像48aとなった画像ラベル53の転写印刷が完成する。
【0065】
尚、この画像ラベル53の転写基材としてのフイルム形状の熱可塑性樹脂像49は、本例の場合は透明で作成されているので、白または薄色の地のTシャツなどに転写印刷すると、画像ラベル53の画像が地に映えて好適である。
【0066】
また、被転写媒体52が紺や黒等の濃色地の衣類の場合は、転写基材のトナーを作成する際に、トナー材に酸化チタンを添加する。酸化チタンを添加された転写基材は不透明の白色となる。
【0067】
これにより、不透明な白地のラベルに画像が形成された熱転写プリントシート50を作成することができる。これを濃色地の衣類に転写印刷すると白地に画像が形成されたラベルを転写印刷した形状となるので、被転写媒体52が濃色地の衣類であっても画像の見栄えが良くなる。
【実施例2】
【0068】
図4(a)〜(d)は、図1の熱転写プリントシート作成装置1により作成される実施例2に係る熱転写プリントシート作成工程を模式的に示す図であり、図4(e),(f)は被転写媒体に熱転写プリントシートの画像を転写する工程と手順を示す図である。
【0069】
尚、図4(a)〜(f)には、図3(a)〜(f)と同一部材には図3(a)〜(f)と同一の番号を付与して示している。また、図4(a)に示す第1工程と図4(b)に示す第2工程は、図3(a)に示した第1工程と図3(b)に示した第2工程と同一である。
【0070】
図4(c)に示す第3工程では、画像形成ユニット5−5により被転写媒体に転写プリントすべき画像の正像と同形状に現像された転写基材の熱可塑性樹脂像の鏡像49aが鏡像48の上に重ねて転写されている点が、図3(c)の場合と異なる。
【0071】
図4(d)は、第4工程を示しており、鏡像48の上に、鏡像48と同形状の転写基材の熱可塑性樹脂像の鏡像49aを重ねて転写された剥離性シート18が定着ユニット26に搬入され、熱ローラ26aと押圧ローラ26bにより挟持され、加熱と加圧により熱可塑性樹脂像49aを定着された熱転写プリントシート50aの状態を示している。
【0072】
すなわち、以上の第1工程から第4工程までの処理で、剥離性シート18、鏡像48、及び鏡像48と同形状の転写基材の熱可塑性樹脂像の鏡像49aから成る熱転写プリントシート50aの作成が完了する。
【0073】
続いて、図4(e)は、第5工程を示しており、例えば、市販の加熱プレス機51を用い、上記熱転写プリントシート50aを例えばTシャツ等の被転写媒体52に対し鏡像形成面50a−1を対向させて重ね合わせる。
【0074】
そして、熱転写プリントシート50の鏡像形成面の裏面50a−2から加熱および加圧により、冷却後に剥離性シート18を引き剥がし可能に、熱転写プリントシート50aを、鏡像48と同形状の熱可塑性樹脂像49aを介して被転写媒体52に接着させる。
【0075】
尚、本例の場合も、加熱プレス機51を用いず、手作業のアイロン掛けによって、熱転写プリントシート50a及び鏡像48を熱可塑性樹脂像49aを介して被転写媒体52に接着させるようにしてもよい。
【0076】
この後、熱転写プリントシート50aが室温程度まで冷却した頃合を見て、人手によって剥離性シート18を引き剥がすと、図4(f)に示すように、Tシャツ等の印刷対象物である被転写媒体52に、鏡像48から正像48aとなった転写画像53aが完成する。
【実施例3】
【0077】
上記実施例1、2では、図1の熱転写プリントシート作成装置1において、上記の画像形成部2は、用紙搬送方向上流側(図の右側)から順に、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のトナー用の4個の画像形成ユニット5(5−1、5−2、5−3、5−4)と、最下流側(図の左端)に熱可塑性樹脂からなる転写基材(T)用の画像形成ユニット5−5を多段式に並設した例で説明した。しかし、これら画像形成ユニット5(5−1、5−2、5−3、5−4、5−5)は、その配設位置を変更することが出来る。
【0078】
例えば、画像形成ユニット5−5を用紙搬送方向最上流側すなわち図1におけるマゼンタ(M)用の画像形成ユニット5−1と交換しても良い。そして、4個の画像形成ユニット5(5−1、5−2、5−3、5−4)をそれぞれ下流側にシフトして配設するようにもできる。
そのような場合の本発明の熱転写プリントシート作成手順を以下、実施例3として説明する。
【0079】
図5(a)〜(e)は、図1の熱転写プリントシート作成装置1の画像形成ユニット5を入れ替えた場合に係わる実施例3の熱転写プリントシート作成工程を模式的に示す図であり、図5(e),(f)は被転写媒体に熱転写プリントシートの画像を転写する工程と手順を示す図である。
【0080】
尚、図5(a)〜(f)には、図3(a)〜(f)、図4(a)〜(f)と同一部材には図3(a)〜(f) 、図4(a)〜(f)と同一の番号を付与して示している。また、図5(a)に示す第1工程は、図3(a)と図4(a)に示した第1工程と同一である。
【0081】
図5(b)は、第2工程を示しており、最上流に配設された画像形成ユニット5−5によりフィルム形状に現像された熱可塑性樹脂像49が剥離性シート18の離型性表面に転写された状態を示している。
【0082】
図5(c)は、第3工程を示しており、剥離性シート18の離型性表面に転写されたフィルム形状の熱可塑性樹脂像49の上に、被転写媒体に転写プリントすべき画像の鏡像48が転写された状態を示している。
【0083】
図5(d)は、第4工程を示しており、フィルム形状の転写基材の熱可塑性樹脂像49の上に鏡像48が転写された剥離性シート18が定着ユニット26に搬入され、熱ローラ26aと押圧ローラ26bにより挟持され、加熱と加圧により定着された熱転写プリントシート50bの状態を示している。
【0084】
すなわち、以上の第1工程から第4工程までの処理で、剥離性シート18、鏡像48、及びフィルム形状の転写基材の熱可塑性樹脂像49から成る熱転写プリントシート50bの作成が完了する。
【0085】
続いて、図5(e)は、第5工程を示しており、例えば、主として工業用に市販されている加熱プレス機51を用い、上記熱転写プリントシート50を例えばTシャツ等の被転写媒体52に対し鏡像形成面50−1を対向させて重ね合わせる。
【0086】
そして、熱転写プリントシート50の鏡像形成面の裏面50b−2から加熱および加圧により、冷却後に剥離性シート18を引き剥がし可能に、熱転写プリントシート50bを転写基材のフィルム形状の熱可塑性樹脂像49を介して被転写媒体52に接着させる。
【0087】
尚、上記の例では加熱プレス機51を用いるとしたが、加熱プレス機51は機械としても大型で且つ高価であるので、手作業のアイロン掛けによって、熱転写プリントシート50b及び鏡像48を被転写媒体52に接着させるようにしてもよい。
【0088】
この後、熱転写プリントシート50bが室温程度まで冷却した頃合を見て、人手によって剥離性シート18を引き剥がすと、図3(f)に示すように、Tシャツ等の印刷対象物である被転写媒体52に、鏡像48から正像48aとなった画像ラベル53bの転写印刷が完成する。
【実施例4】
【0089】
図6(a)〜(e)は、上記構成の熱転写プリントシート作成装置1により作成される実施例4に係る熱転写プリントシート作成工程を模式的に示す図であり、図6(f),(g)は被転写媒体に熱転写プリントシートのラベル画像を転写する工程と手順を示す図である。
【0090】
尚、図6(a)〜(g)には、上述の図3(a)〜(f)および図4(a)〜(f)と同一部材には、同一の番号を付与して示している。また、図6(a)、(b)に示す第1工程と第2工程は、図3(a)、(b)および図4(a)、(b)に示した各第1工程と各第2工程と同一である。従って、図6(a) 、(b)に示す第1工程と第2工程は、説明を省略する。
【0091】
図6(c)は、第3工程を示しており、鏡像48を転写された剥離性シート18が定着ユニット26に搬入され、熱ローラ26aと押圧ローラ26bにより挟持され、離型性表面に鏡像48を予備定着された状態を示している。
【0092】
図6(d)は、第4工程を示しており、鏡像48を定着された剥離性シート18が再搬送ユニット3を介して再び搬送ベルト13上に送り込まれ、画像形成ユニット5−5によりフィルム形状に現像された転写基材の熱可塑性樹脂像49を鏡像48の上から覆うように転写された状態を示している。
【0093】
図6(e)は、第5工程を示しており、鏡像48の上に覆ってフィルム形状の転写基材の熱可塑性樹脂像49を転写された剥離性シート18が定着ユニット26に搬入され、熱ローラ26aと押圧ローラ26bにより挟持され、加熱と加圧によりフィルム形状の熱可塑性樹脂像49を定着された熱転写プリントシート50cの状態を示している。
【0094】
すなわち、以上の第1工程から第5工程までの処理で、剥離性シート18、鏡像48、及びフィルム形状の転写基材の熱可塑性樹脂像49から成る熱転写プリントシート50cの作成が完了する。
【0095】
続いて、図6(f)は、第6工程を示しており、上述のように、例えば、主として工業用に市販されている加熱プレス機51を用い、上記熱転写プリントシート50cを例えばTシャツ等の被転写媒体52に対し鏡像形成面50c−1を対向させて重ね合わせる。
【0096】
そして、熱転写プリントシート50cの鏡像形成面の裏面50c−2から加熱および加圧により、冷却後に剥離性シート18を引き剥がし可能に、熱転写プリントシート50cを転写基材のフィルム形状の熱可塑性樹脂像49を介して被転写媒体52に接着させる。
【0097】
尚、上記の例でも加熱プレス機51を用いるとしたが、加熱プレス機51は機械としても大型で且つ高価であるので、手作業のアイロン掛けによって、熱転写プリントシート50c及び鏡像48を被転写媒体52に接着させるようにしてもよい。
【0098】
この後、熱転写プリントシート50cが室温程度まで冷却した頃合を見て、人手によって剥離性シート18を引き剥がすと、図5(g)に示すように、Tシャツ等の印刷対象物である被転写媒体52に、鏡像48から正像48aとなった画像ラベル53cの転写印刷が完成する。
【0099】
尚、この画像ラベル53cの転写基材としてのフイルム形状の熱可塑性樹脂像49は、本例の場合も透明で作成されているので、白または薄色の地のTシャツなどに転写印刷すると、画像ラベル53の画像が地に映えて好適である。
【0100】
また、被転写媒体52が紺や黒等の濃色地の衣類の場合は、転写基材のトナーを作成する際に、トナー材に酸化チタンを添加する。酸化チタンを添加された転写基材は不透明の白色となる。
【0101】
これにより、不透明な白地のラベルに画像が形成された熱転写プリントシート50cを作成することができる。これを濃色地の衣類に転写印刷すると白地に画像が形成されたラベルを転写印刷した形状となるので、被転写媒体52が濃色地の衣類であっても画像の見栄えが良くなる。
【実施例5】
【0102】
図7(a)〜(e)は、図1の熱転写プリントシート作成装置1により作成される実施例5に係る熱転写プリントシート作成工程を模式的に示す図であり、図7(f),(g)は被転写媒体に熱転写プリントシートの画像を転写する工程と手順を示す図である。
【0103】
尚、図7(a)〜(g)には、図6(a)〜(g)と同一部材には図6(a)〜(g)と同一の番号を付与して示している。また、図7(a)に示す第1工程から図7(c)に示す第3工程までは、図6(a)に示した第1工程から図6(c)に示した第3工程までと同一であるので、説明を省略する。
【0104】
図7(d)に示す第4工程では、前段の鏡像48を定着された剥離性シート18が再搬送ユニット3を介して再び搬送ベルト13上に送り込まれるまでは、図6(d)の第4工程の前段の工程と同一である。
【0105】
本例では、第4工程の後段において、図7(d)に示すように、画像形成ユニット5−5により鏡像48と同形状に現像された転写基材の熱可塑性樹脂像49dが鏡像48の上に重ねて転写される。
【0106】
図7(e)は、第5工程を示しており、鏡像48の上に、鏡像48と同形状の転写基材の熱可塑性樹脂像49dを重ねて転写された剥離性シート18が定着ユニット26に搬入され、熱ローラ26aと押圧ローラ26bにより挟持され、加熱と加圧により熱可塑性樹脂像49dを定着された熱転写プリントシート50dの状態を示している。
【0107】
すなわち、以上の第1工程から第5工程までの処理で、剥離性シート18、鏡像48、及び鏡像48と同形状の転写基材の熱可塑性樹脂像49dから成る熱転写プリントシート50aの作成が完了する。
【0108】
続いて、図7(f)は、第6工程を示しており、上述同様、例えば、市販の加熱プレス機51を用い、上記熱転写プリントシート50dを例えばTシャツ等の被転写媒体52に対し鏡像形成面50d−1を対向させて重ね合わせる。
【0109】
そして、熱転写プリントシート50dの鏡像形成面の裏面50d−2から加熱および加圧により、冷却後に剥離性シート18を引き剥がし可能に、熱転写プリントシート50dを、鏡像48と同形状の熱可塑性樹脂像49dを介して被転写媒体52に接着させる。
【0110】
尚、本例の場合も、加熱プレス機51を用いず、手作業のアイロン掛けによって、熱転写プリントシート50d及び鏡像48を熱可塑性樹脂像49dを介して被転写媒体52に接着させるようにしてもよい。
【0111】
この後、熱転写プリントシート50dが室温程度まで冷却した頃合を見て、人手によって剥離性シート18を引き剥がすと、図7(g)に示すように、Tシャツ等の印刷対象物である被転写媒体52に、鏡像48から正像48aとなった転写画像53dが完成する。
【実施例6】
【0112】
図7(a)〜(e)は、図1の熱転写プリントシート作成装置1により作成される実施例5に係る熱転写プリントシート作成工程を模式的に示す図であり、(f),(g)は被転写媒体に熱転写プリントシートのラベル画像を転写する工程と手順を示す図である。
【0113】
尚、図8(a)〜(g)には、図5(a)〜(f)と同一部材には図5(a)〜(f)と同一の番号を付与して示している。また、図8(a)に示す第1工程、第2工程の処理は、上述した実施例2の第1工程、第2工程の処理と同一である。
【0114】
図8(c)は、第3工程を示しており、転写基材のフィルム形状の熱可塑性樹脂像49を転写された剥離性シート18が定着ユニット26に搬入され、熱ローラ26aと押圧ローラ26bにより挟持され、離型性表面に転写基材のフィルム形状の熱可塑性樹脂像49を定着された状態を示している。
【0115】
図8(d)は、第4工程を示しており、この第4工程では、転写基材のフィルム形状の熱可塑性樹脂像49を定着された剥離性シート18が再搬送ユニット3を介して再び搬送ベルト13上に送り込まれる。
【0116】
続いて、被転写媒体に転写によりプリントすべき画像の正像が画像形成ユニット5−1、5−2、5−3、5−4で光書込ヘッド12に書き込まれ、現像され、その現像された正像が、図8(d)に示すように、転写基材のフィルム形状の熱可塑性樹脂像49の上に鏡像48として転写される。
【0117】
図8(e)は、第5工程を示しており、転写基材のフィルム形状の熱可塑性樹脂像49の上に鏡像48を転写された剥離性シート18が定着ユニット26に搬入され、熱ローラ26aと押圧ローラ26bにより挟持され、加熱と加圧により鏡像48を定着された熱転写プリントシート50eの状態を示している。
【0118】
すなわち、以上の第1工程から第5工程までの処理で、剥離性シート18、転写基材のフィルム形状の熱可塑性樹脂像49、及び鏡像48から成る熱転写プリントシート50eの作成が完了する。
【0119】
続いて、図8(f)は、第6工程を示しており、先ず、例えば、市販の加熱プレス機51を用い、上記熱転写プリントシート50eを例えばTシャツ等の被転写媒体52に対し鏡像形成面50e−1を対向させて重ね合わせる。
【0120】
そして、熱転写プリントシート50eの鏡像形成面の裏面50e−2から加熱および加圧により、冷却後に剥離性シート18を引き剥がし可能に、プリントすべき鏡像48を表面側に有する熱転写プリントシート50eを、転写基材のフィルム形状の熱可塑性樹脂像49を介して被転写媒体52に接着させる。
【0121】
尚、本例の場合も、加熱プレス機51を用いず、手作業のアイロン掛けによって、熱転写プリントシート50eをフィルム形状の熱可塑性樹脂像49を介して被転写媒体52に接着させるようにしてもよい。
【0122】
この後、熱転写プリントシート50eが室温程度まで冷却した頃合を見て、人手によって剥離性シート18を引き剥がすと、図8(g)に示すように、Tシャツ等の印刷対象物である被転写媒体52に、鏡像48から正像48aとなったラベル画像53eが完成する。尚、本例の場合、ラベル画像53の転写基材としてのフイルム形状の熱可塑性樹脂像49は必ず透明で作成される。
【0123】
以上で、本発明の実施例1、2、3、4、及び5に係る熱転写プリントシート作成装置、作成方法、及び熱転写プリントシートについて説明したが、ここで転写基材用組成物について以下に説明する。
【0124】
<転写基材用組成物の各物性値の測定方法>
軟化点の測定には、装置はフローテスター(島津製作所製、CFT−500D)、試料は1g、昇温速度は6℃/分、荷重は20kg、ノズルは直径1mm、長さ1mm、とし、軟化点には1/2法(試料の半分が流出した温度)を用いた。
【0125】
転写基材用組成物粒径の測定には、装置はFPIA−2100(シスメックス社製)、試料はビーカーに試料少量と精製水、界面活性剤を入れ、超音波洗浄器にて分散した。測定結果としては体積平均粒径(D50)を得た。
【0126】
ガラス転移点(Tg)の測定には、装置は示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−60)、試料は8mg、昇温条件は10℃/分で160℃まで昇温し、降温速度10℃/分で35℃まで冷却したあと、再度10℃/分で160℃まで昇温する。2回目の昇温時において、転移により得られる曲線部分の2つの接線の交点をガラス転移点とした。
【0127】
離型剤融点の測定には、ガラス転移点と同様の測定を行い、2回目の昇温時の離型剤による吸熱曲線のピーク温度を融点とした。吸熱曲線が2山以上の場合は、各ピークの平均値をピークとした。
【0128】
分子量の測定には、装置はGPC(島津製作所社製)検出器RI、分子量Mnは分子量既知のポリスチレン試料によって作成した検量線を標準としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定される数平均分子量である。同様に分子量Mwは重量平均分子量である。
【0129】
<転写基材用組成物の主成分となるポリブチレンコハク酸の合成>
合成例1として、コハク酸100質量部と1,4−ブタンジオール89質量部に対して、リンゴ酸0.4質量部と二酸化ゲルマニウム1質量部を溶解させた88%乳酸水溶液を5質量部添加した。反応系内を窒素雰囲気にした後、220℃にて1時間反応させて、次に230℃に昇温を行いながら1.5時間かけて70Paまで減圧した。さらに2時間重合を進行させて、ポリブチレンコハク酸を得た。
【0130】
合成例2として、コハク酸100質量部の代わりに、コハク酸85質量部、アジピン酸19質量部を用いた他は合成例1と同様の方法でポリブチレンコハク酸アジピン酸樹脂を得た(モル比で85/15)。
【0131】
合成例3として、コハク酸100質量部の代わりに、コハク酸85質量部、セバシン酸26質量部を用いた他は合成例1と同様の方法でポリブチレンコハク酸セバシン酸樹脂を得た(モル比で85/15)。
【0132】
<転写基材用組成物の製造>
転写基材用組成物製造例1:合成例1で得られたポリブチレンコハク酸を96.5質量部と帯電制御材として日本カーリット製LR−147を1質量部とカルナバワックス(加藤洋行製)を2.5質量部混合し、それを2軸押出混練機にて混練した。混練物をホソカワミクロン製リンレックスミルにて液体窒素下にて粉砕してD50(体積)37μmの粉末を得た。
【0133】
その後、得られた粒子100質量部を疎水化処理したシリカ粒子;キャボット製TG810Gを0.4質量部と日本アエロジル製RY50を1.4質量部をヘンシェルミキサーにて攪拌して外添して転写基材用組成物1を得た(D50(体積)37μm、軟化点125℃)。
【0134】
転写基材用組成物製造例2、3:合成例2、3で得られたポリエステル樹脂を用いた他は、転写基材用組成物製造例1と同様の方法で転写基材用組成物2、3を得た。転写基材用組成物2はD50(体積)44μm、軟化点105℃である。転写基材用組成物3はD50(体積)38μm、軟化点95℃である。
【0135】
転写基材用組成物製造例4:合成例1で得られたポリブチレンコハク酸81.5質量部、石原産業社製酸化チタンCR−60を15質量部、日本カーリット製LR−147を1質量部、カルナバワックス(加藤洋行製)2.5質量部、を原料として用いた他は実施例1と同様の方法で転写基材用組成物4を得た(D50(体積)33μm、軟化点126℃)。
【0136】
転写基材用組成物製造例5:積水化学工業製ポリビニルアセタール樹脂エスレックBL−2の樹脂微粒子を原料として用いた他は、実施例1と同様の方法で外添を行い転写基材用組成物5を得た(D50(体積)43μm、軟化点131℃)。
【0137】
転写基材用組成物製造例6:海生生物材料性ポリ乳酸REVODE101をポリエチレングリコール樹脂と混合し、それを2軸押出混練機にて混練した。混練機から排出された混練物をそのまま水に浸してポリエチレングリコールを水に溶解させた。
【0138】
その後、沈殿したポリ乳酸粒子を採取、イオン交換水に再度分散させた。同様の洗浄作業を7回繰り返した。洗浄したのポリ乳酸粒子を目開き32μmのメッシュを通して粗大粒子を除去した。その後、乾燥し、転写基材用組成物製造例1と同様に外添し、転写基材用組成物6を得た(D50(体積)27μm、軟化点158℃)。
【0139】
転写基材用組成物製造例7:日本ポリエチレン製低密度ポリエチレン樹脂ノバテックLD LF240を原料として用いた他は実施例1と同様の方法で外添を行い転写基材用組成物7を得た(D50(体積)46μm、軟化点 156℃)。
【0140】
<シャツへのプリント>
尚、以下の説明では、離型性表面を有する剥離性シートをセパレーターという。
プリント例1:カシオ計算機製N5300プリンタにより、PET製透明セパレーター上にカラーの鏡面画像を現像したあと、転写基材用組成物1をカラー画像を覆うように現像して、熱定着させた。定着後の転写基材用組成物1の厚みは50μmであった。
【0141】
その後、白色無地のTシャツの印字箇所に上記のトナー現像面が接するように合わせて、セパレーターの裏面から暖めたアイロンを押し当てた。Tシャツが室温程度まで十分に冷えた後、透明セパレーターを剥がしたところ、Tシャツ上に画像を作製することができた。得られたTシャツを洗濯機にて洗濯して、その後の状態を確認した。
【0142】
プリント例2〜4、比較例1〜3:転写基材用組成物2〜5を用いてプリント例1と同様にTシャツに画像を作製した。
プリント例5、6:転写基材用組成物1〜2を用いて、黒色無地のTシャツを使用した以外はプリント例1と同様にTシャツに画像を作製した。
【0143】
プリント例7:PET製剥離紙上に溶融温度200℃以上(アイロン温度以上)の透明ポリウレタン樹脂層を有する剥離紙を用いた以外はプリント例1と同様にTシャツを作製した。
【0144】
<Tシャツの評価>
図7は、上記転写基材用組成物製造例1〜7の転写基材用組成物を用い、上記プリント例1〜7で得たシャツについて、評価項目として布地への画像の定着性、耐洗濯性、定着温度(転写基材用組成物軟化点)、画像性、について「○」、「△」、「×」で評価した図表である。
【0145】
図7の図表によって総括すると、プリント例1〜4はいずれの項目においても優れていた。プリント例5においては黒地のシャツ上に画像をのせているために画像の視認性が若干悪かった。
【0146】
しかし、転写基材としてのトナーに酸化チタンを含有させたトナー4を用いた場合には黒地のシャツと画像の間に白色層があるために、画像の視認性には問題が無かった。すなわち、濃色のシャツを用いる場合には転写基材としての転写基材用組成物として透明ではなく白色のものを用いることで画像性が改善できる。
【0147】
比較例1においては定着性、耐洗濯性が劣っていた。比較例2においては比較例1程ではないが定着性、耐洗濯性がやや劣っていた。比較例3においては布地への定着性が明らかに悪かった。
【0148】
プリント例5においては得られたTシャツの画像上にアイロンをかけても画像が崩れず、アイロンにトナーが融着させないようにすることが出来た。他のプリント例においてはトナーがアイロンに融着し、画像が崩れた。
【0149】
尚、上述した例では、Tシャツやトレーナーなどの布製品に対して特に有効な転写印刷方法であるが、転写印刷の対象物が金属、木材、樹脂、紙、セラミックス、などにも適用可能である。
【0150】
また、転写基材用組成物の主成分となるポリブチレンコハク酸の合成において、1,4−ブタンジオールを用いているが、1,4−ブタンジオール以外にもエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、などの直鎖末端ジオールを用いてもよい。
【0151】
さらには、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの分岐ジオールなども有効と考えられる。これらを複数種使用することも可能である。
【0152】
また、コハク酸と異なるジカルボン酸を共重合させることも可能である。そのジカルボン酸としては以下のようなものが考えられる。すなわち、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等である。
【0153】
特にTシャツプリントに対しては熱転写するフィルムが柔らかい方が耐洗濯性が良くなる。そのため、アジピン酸の共重合などによりポリブチレンコハク酸を柔らかくする対策が有効と考えられる。
【0154】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
【0155】
離型性表面を有する剥離性シートを供給する剥離性シート供給部と、
被転写媒体に熱転写プリントすべき画像を前記剥離性シートに転写する第1画像形成部と、
転写基材とすべく熱可塑性樹脂像を形成し、該熱可塑性樹脂像を前記剥離性シートに転写する第2画像形成部と、
前記剥離性シートに転写された前記画像と前記熱可塑性樹脂像とを、加熱と加圧により定着してフィルム形状に定着する定着部と、
を備えたことを特徴とする熱転写プリントシート作成装置。
[付記2]
【0156】
前記第1画像形成部と前記第2画像形成部は、前記画像あるいは前記熱可塑性樹脂像を感光体上に現像する現像部と、該現像部により現像された前記画像あるいは前記熱可塑性樹脂像を前記剥離性シートに転写する転写部をそれぞれ備える
ことを特徴とする付記1記載の熱転写プリントシート作成装置。
[付記3]
【0157】
前記定着部を通過した前記剥離性シートを前記第1画像形成部あるいは前記第2画像形成部へ供給する再搬送部を備える
ことを特徴とする付記1又は2記載の熱転写プリントシート作成装置。
[付記4]
【0158】
前記剥離性シートに転写された前記被転写媒体に熱転写プリントすべき画像が鏡像である
ことを特徴とする付記1、2、3のいずれかに記載の熱転写プリントシート作成装置。
[付記5]
【0159】
離型性表面を有する剥離性シートと、
被転写媒体に熱転写プリントすべく前記剥離性シート上に形成された画像と、
該画像に対応して前記剥離性シート上に形成された熱可塑性樹脂から成るフィルム形状の転写基材と、
を有することを特徴とする熱転写プリントシート。
[付記6]
【0160】
前記画像が鏡像である
ことを特徴とする付記5記載の熱転写プリントシート。
[付記7]
【0161】
前記熱可塑性樹脂は、コハク酸と脂肪族ジオールを縮合させたユニットを主要成分として含むポリエステル樹脂である、
ことを特徴とする付記4、5、6のいずれかに記載の熱転写プリントシート。
[付記8]
【0162】
前記熱可塑性樹脂は、酸化チタンを含有する、ことを特徴とする付記7記載の熱転写プリントシート。
[付記9]
【0163】
離型性表面を有する剥離性シートを供給する剥離性シート供給工程と、
被転写媒体に熱転写プリントすべき画像を前記剥離性シートに転写する第1画像形成工程と、
転写基材とすべく熱可塑性樹脂像を形成し、該熱可塑性樹脂像を前記剥離性シートに転写する第2画像形成工程と、
前記剥離性シートに転写された前記画像と前記熱可塑性樹脂像とを、加熱と加圧により定着してフィルム形状に定着する定着工程と、
を備えたことを特徴とする熱転写プリントシート作成方法。
[付記10]
【0164】
前記第1画像形成工程と前記第2画像形成工程は、前記画像あるいは前記熱可塑性樹脂像を感光体上に現像する現像工程と、該現像工程により現像された前記画像あるいは前記熱可塑性樹脂像を前記剥離性シートに転写する転写工程をそれぞれ備える
ことを特徴とする付記9記載の熱転写プリントシート作成方法。
[付記11]
【0165】
前記第1画像形成工程に続いて前記第2画像形成工程を実施し、前記剥離性シートに転写された前記画像に重ねて前記熱可塑性樹脂像を転写した後、前記定着工程を実施する
ことを特徴とする付記9又は10記載の熱転写プリントシート作成方法。
[付記12]
【0166】
前記第2画像形成工程に続いて前記第1画像形成工程を実施し、前記剥離性シートに転写された前記熱可塑性樹脂像に重ねて前記画像を転写した後、前記定着工程を実施する
ことを特徴とする付記9又は10記載の熱転写プリントシート作成方法。
[付記13]
【0167】
前記第1画像形成工程により前記剥離性シートに転写された前記画像を、加熱と加圧により定着する予備定着工程を実施後、前記第2画像形成工程を実施し、前記剥離性シートに予備定着された前記画像に重ねて前記熱可塑性樹脂像を転写した後、前記定着工程を実施する
ことを特徴とする付記9又は10記載の熱転写プリントシート作成方法。
[付記14]
【0168】
前記第2画像形成工程により前記剥離性シートに転写された前記熱可塑性樹脂像を、加熱と加圧により定着する予備定着工程を実施後、前記第1画像形成工程を実施し、前記剥離性シートに予備定着された前記熱可塑性樹脂像に重ねて前記画像を転写した後、前記定着工程を実施する
ことを特徴とする付記9又は10記載の熱転写プリントシート作成方法。
[付記15]
【0169】
前記剥離性シートに転写された前記被転写媒体に熱転写プリントすべき画像が鏡像である
ことを特徴とする付記9、10、11、12、13、14のいずれかに記載の熱転写プリントシート。
[付記16]
【0170】
加熱プレス機を用い、付記5、6、7、8のいずれかに記載の熱転写プリントシートを被転写媒体に対し前記画像形成面を対向させて重ね合わせ、前記熱転写プリントシートの前記画像形成面の裏面から加熱および加圧し、冷却後に前記剥離性シートを引き剥がし可能に、前記プリントすべき画像を有する前記熱転写プリントシートを前記転写基材を介して前記被転写媒体に接着させることを特徴とする熱転写プリント方法。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本発明は、粘着剤付き剥離紙を用いずにラベル樹脂そのものを印刷対象物に熱溶融させて接着させることができる熱転写プリントシートを作成する熱転写プリントシート作成装置、作成方法及び熱転写プリントシートに利用することができる。
【符号の説明】
【0172】
1 熱転写プリントシート作成装置
2 画像形成部
3 再搬送ユニット
4 給紙部
5(5−1、5−2、5−3、5−4、5−5) 画像形成ユニット
6 感光体ドラム
7 クリーナ
8、8a、8b 帯電ローラ
9 現像ユニット
11 現像ローラ
12 光書込ヘッド
13 搬送ベルト
14 転写器
14´ 転写ローラ
15 駆動ローラ
16 従動ローラ
17 給紙カセット
18 剥離性シート(用紙)
19 給紙コロ
21 搬送案内路
22 待機ローラ対
23 装着部
24 MPF(Multi Paper Feeder)トレイ
25 給紙コロ
26 定着ユニット
26a 熱ローラ
26b 押圧ローラ
26c クリーナ
27 切換板
28 支点
29 搬送ローラ
31 排紙ローラ
32 排紙部
33a〜33e 搬送ローラ
35 CPU(central processing unit)
36 インターフェイスコントローラ(I/F_CONT)
37 プリンタコントローラ(PR_CONT)
38 プリンタ印字部
39 ROM(read only memory)
41 EEPROM(electrically erasable programmable ROM)
42 操作パネル
43 センサ部
44 フレームメモリ
45 ベルト駆動部
46 定着部
47 ベルト駆動部
48 鏡像
48a 正像
49 転写基材のフイルム形状のトナー像
49a 鏡像の形状に合わせた転写基材のトナー像
50、50a、50b、50c、50d、50e 熱転写プリントシート
50−1、50a−1、50b−1、50c−1、50d−1、50e−1 鏡像形成面
50−2、50a−2、50b−2、50c−2、50d−2、50e−2 鏡像形成面の裏面
51 加熱プレス機
52 被転写媒体
53 ラベル画像
53a 転写画像
53b ラベル画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
離型性表面を有する剥離性シートを供給する剥離性シート供給部と、
被転写媒体に熱転写プリントすべき画像を前記剥離性シートに転写する第1画像形成部と、
転写基材とすべく熱可塑性樹脂像を形成し、該熱可塑性樹脂像を前記剥離性シートに転写する第2画像形成部と、
前記剥離性シートに転写された前記画像と前記熱可塑性樹脂像とを、加熱と加圧により定着してフィルム形状に定着する定着部と、
を備えたことを特徴とする熱転写プリントシート作成装置。
【請求項2】
前記第1画像形成部と前記第2画像形成部は、前記画像あるいは前記熱可塑性樹脂像を感光体上に現像する現像部と、該現像部により現像された前記画像あるいは前記熱可塑性樹脂像を前記剥離性シートに転写する転写部をそれぞれ備える
ことを特徴とする請求項1記載の熱転写プリントシート作成装置。
【請求項3】
前記定着部を通過した前記剥離性シートを前記第1画像形成部あるいは前記第2画像形成部へ供給する再搬送部を備える
ことを特徴とする請求項1又は2記載の熱転写プリントシート作成装置。
【請求項4】
前記剥離性シートに転写された前記被転写媒体に熱転写プリントすべき画像が鏡像である
ことを特徴とする請求項1、2、3のいずれか一項記載の熱転写プリントシート作成装置。
【請求項5】
離型性表面を有する剥離性シートと、
被転写媒体に熱転写プリントすべく前記剥離性シート上に形成された画像と、
該画像に対応して前記剥離性シート上に形成された熱可塑性樹脂から成るフィルム形状の転写基材と、
を有することを特徴とする熱転写プリントシート。
【請求項6】
前記画像が鏡像である
ことを特徴とする請求項5記載の熱転写プリントシート。
【請求項7】
前記熱可塑性樹脂は、コハク酸と脂肪族ジオールを縮合させたユニットを主要成分として含むポリエステル樹脂である、
ことを特徴とする請求項4、5、6のいずれか一項記載の熱転写プリントシート。
【請求項8】
前記熱可塑性樹脂は、酸化チタンを含有する、ことを特徴とする請求項7記載の熱転写プリントシート。
【請求項9】
離型性表面を有する剥離性シートを供給する剥離性シート供給工程と、
被転写媒体に熱転写プリントすべき画像を前記剥離性シートに転写する第1画像形成工程と、
転写基材とすべく熱可塑性樹脂像を形成し、該熱可塑性樹脂像を前記剥離性シートに転写する第2画像形成工程と、
前記剥離性シートに転写された前記画像と前記熱可塑性樹脂像とを、加熱と加圧により定着してフィルム形状に定着する定着工程と、
を備えたことを特徴とする熱転写プリントシート作成方法。
【請求項10】
前記第1画像形成工程と前記第2画像形成工程は、前記画像あるいは前記熱可塑性樹脂像を感光体上に現像する現像工程と、該現像工程により現像された前記画像あるいは前記熱可塑性樹脂像を前記剥離性シートに転写する転写工程をそれぞれ備える
ことを特徴とする請求項9記載の熱転写プリントシート作成方法。
【請求項11】
前記第1画像形成工程に続いて前記第2画像形成工程を実施し、前記剥離性シートに転写された前記画像に重ねて前記熱可塑性樹脂像を転写した後、前記定着工程を実施する
ことを特徴とする請求項9又は10記載の熱転写プリントシート作成方法。
【請求項12】
前記第2画像形成工程に続いて前記第1画像形成工程を実施し、前記剥離性シートに転写された前記熱可塑性樹脂像に重ねて前記画像を転写した後、前記定着工程を実施する
ことを特徴とする請求項9又は10記載の熱転写プリントシート作成方法。
【請求項13】
前記第1画像形成工程により前記剥離性シートに転写された前記画像を、加熱と加圧により定着する予備定着工程を実施後、前記第2画像形成工程を実施し、前記剥離性シートに予備定着された前記画像に重ねて前記熱可塑性樹脂像を転写した後、前記定着工程を実施する
ことを特徴とする請求項9又は10記載の熱転写プリントシート作成方法。
【請求項14】
前記第2画像形成工程により前記剥離性シートに転写された前記熱可塑性樹脂像を、加熱と加圧により定着する予備定着工程を実施後、前記第1画像形成工程を実施し、前記剥離性シートに予備定着された前記熱可塑性樹脂像に重ねて前記画像を転写した後、前記定着工程を実施する
ことを特徴とする請求項9又は10記載の熱転写プリントシート作成方法。
【請求項15】
前記剥離性シートに転写された前記被転写媒体に熱転写プリントすべき画像が鏡像である
ことを特徴とする請求項9、10、11、12、13、14のいずれか一項記載の熱転写プリントシート。
【請求項16】
加熱プレス機を用い、請求項5、6、7、8のいずれか一項記載の熱転写プリントシートを被転写媒体に対し前記画像形成面を対向させて重ね合わせ、前記熱転写プリントシートの前記画像形成面の裏面から加熱および加圧し、冷却後に前記剥離性シートを引き剥がし可能に、前記プリントすべき画像を有する前記熱転写プリントシートを前記転写基材を介して前記被転写媒体に接着させることを特徴とする熱転写プリント方法。

【図2】
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【図9】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−68862(P2013−68862A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208441(P2011−208441)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】