説明

熱転写ラベルを貼付するシステムおよび処理

変形可能ラベル処理装置およびこれに関する方法を提供する。処理装置は、熱転写ラベルなどのラベルに対して加熱および押し付けられ、ラベルから容器などの表面へと1つ以上のデザインを貼付する。本装置および方法は、複合曲面にラベルを貼付するのに好適である。また、複数のラベル処理装置のアセンブリを使用した、大量のラベル貼付処理を提供する。さらに、貼付動作中に、移動中の容器に対して、ラベルの領域を選択的に接触し付着させるアセンブリおよび方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2010年7月27日に出願の国際出願PCT/US2010/43343号に基づく優先権を主張し、同出願の一部継続出願である。同出願は、2009年7月27日に出願の米国特許仮出願第61/228,719号、2010年1月29日に出願の第61/299,165号、および2010年1月20日に出願の第61/296,715号の利益を主張するものである。本出願はまた、2010年8月10日に出願の米国特許出願第12/853,429号に基づく優先権を主張し、同出願の一部継続出願である。本出願はまた、2009年9月24日に出願の米国特許出願第12/532,845号に基づく優先権を主張し、同出願の一部継続出願である。同出願は、2008年4月4日に出願の国際出願PCT/US2008/59397号の371であり、2007年4月5日に出願の米国特許仮出願第60/910,282号および2007年5月15日に出願の米国特許仮出願第60/938,019号の利益を主張するものである。本出願はまた、2008年9月25日に出願の米国特許出願第12/237,737号に基づく優先権を主張し、同出願の一部継続出願である。同出願は、2008年4月4日に出願の国際出願PCT/US2008/59397号の一部継続出願であり、2007年4月5日に出願の米国特許仮出願第60/910,282号および2007年5月15日に出願の米国特許仮出願第60/938,019号の利益を主張するものである。本出願はまた、2008年9月25日に出願の米国特許出願第12/237,761号に基づく優先権を主張し、同出願の一部継続出願である。同出願は、2008年4月4日に出願の国際出願PCT/US2008/59397号の一部継続出願であり、2007年4月5日に出願の米国特許仮出願第60/910,282号および2007年5月15日に出願の米国特許仮出願第60/938,019号の利益を主張するものである。本出願はまた、2010年1月27日に出願の米国特許仮出願第61/299,151号の利益を主張するものである。前述の出願はすべて、それら全体を参照することにより本明細書に援用される。
【0002】
[技術分野]
本発明は、熱転写ラベルを曲面に、特に複合曲面に貼付する装置および方法に関する。本発明はまた、ラベル貼付処理に関し、特に熱転写ラベルの容器への貼付に関する。本発明は、特に湾曲した容器面へのラベルの貼付および湾曲した容器面への離脱のない固着を対象にしている。
【背景技術】
【0003】
供給元または容器の中身などの情報を提供するために、ラベルを容器またはビンに貼付することは、知られている。そのような容器およびビンは、多くの異なる種類の材料、たとえば洗剤、化学製品、パーソナルケア用品、モータオイル、飲料などを収容するために、多種多様な形状やサイズで使用できる。
【0004】
重合体フィルム材料やフィルムフェースストックが、さまざまな分野でラベルとして使われてきた。重合体ラベルは、装飾されたガラスやプラスチック容器にラベルイメージを全く与えないため、ますます多くの用途で、特に、透明重合体ラベルとして望まれている。紙ラベルは、容器および容器内の内容物の両方または一方の視認性を妨げる。透明な重合体ラベルは、容器、したがって、製品の視覚的美しさを強化する。消費者製品メーカーは、絶えず自社製品の外観の改善に努めており、パッケージ装飾市場での重合体ラベルの人気は、紙ラベルの人気より急増している。重合体フィルムラベルはまた、紙ラベルの特性と比較して、より大きな抗張力と耐摩耗性などの優れた機械的特性を有する。
【0005】
従来の重合体製の感圧性(PSA)ラベルを、曲面および複雑な形状の両方または一方を有する容器に、曲面のしわ、ダーツ、または浮き上がりを起こすことなく、滑らかに付着させることは難しいことがよくある。その結果、複合曲面を有するこの種の容器には、熱収縮性スリーブラベルが、一般的に使用されてきた。スリーブタイプラベルのためのラベル貼付動作は、熱収縮性フィルム製のチューブまたはスリーブを作り、それを容器の上に置いて加熱し、それによって、フィルムを収縮させて、容器の大きさおよび形状に順応させる処理および方法を使って実行される。あるいは、容器を収縮ラベルで完全に巻き付け、収縮フィルムをフィルム材料の連続ロールから直接容器に貼付し、次に、熱を加えて、巻きつけられたラベルを容器に順応するように貼付する処理が使われる。どうしても、ラベル不具合が、ラベル貼付処理またはラベル貼付後の処理で、単純なまたは複合形状のビンの貼付動作中に、生じることが多い。これらの不良貼付ラベルにより、コストがかさむことになる高廃棄物または余分の処理ステップが生じる結果となる。
【0006】
したがって、デザインや標(indicia)を、欠陥の発生なしに、曲面、特に複合曲面に貼付できる処理が求められている。
【0007】
前述の問題を除去すること、または低減することにより、さらなる利点を招くこともできる、たとえば、処理装置のための総資本費を低減できる、ラベル貼付処理に関連する床面積を削減できる、熱への暴露を減らすことにより装置寿命を伸ばすことができる、および処理簡略化の結果として処理の整合性および信頼性を改善できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,897,281号
【特許文献2】米国特許第5,264,532号
【特許文献3】米国特許第5,164,444号
【特許文献4】米国特許第5,623,011号
【特許文献5】米国特許第6,306,982号
【特許文献6】米国特許第5,705,551号
【特許文献7】米国特許第5,232,958号
【特許文献8】米国特許第3,239,478号
【特許文献9】米国特許第3,251,905号
【特許文献10】米国特許第3,390,207号
【特許文献11】米国特許第3,598,887号
【特許文献12】米国特許第4,219,627号
【特許文献13】米国特許第3,639,521号
【特許文献14】米国特許第4,208,356号
【特許文献15】米国特許第3,113,986号
【特許文献16】米国特許第4,226,952号
【特許文献17】米国特許第4,578,429号
【特許文献18】米国特許第4,657,970号
【特許文献19】米国特許第4,795,782号
【特許文献20】米国特許第6,153,288号
【特許文献21】米国特許第6,106,982号
【特許文献22】米国特許第4,192,703号
【特許文献23】米国特許第4,561,928号
【特許文献24】米国特許第4,724,029号
【特許文献25】米国特許第5,785,798号
【特許文献26】米国特許第7,318,877号
【特許文献27】米国特許出願公開第2005/0153427号
【特許文献28】米国特許出願公開第2007/0113965号
【特許文献29】国際公開第WO2008/124581号
【特許文献30】米国特許出願公開第2009/0038736号
【特許文献31】米国特許出願公開第2009/0038737号
【特許文献32】米国特許第4,610,744号
【特許文献33】米国特許第6,698,958号
【特許文献34】米国特許出願公開第2008/0185093号
【特許文献35】米国特許出願公開第2007/0275319号
【特許文献36】米国特許出願公開第2007/0009732号
【特許文献37】米国特許出願公開第2005/0100689号
【特許文献38】国際公開第WO2004/050262号
【特許文献39】国際公開第WO2005/069256号
【特許文献40】米国特許第7,758,938号
【特許文献41】米国特許第6,756,095号
【特許文献42】国際公開第WO2002/055295号
【特許文献43】米国特許第6,228,486号
【特許文献44】米国特許第6,461,722号
【特許文献45】国際公開第WO2000/20199号
【特許文献46】国際公開第WO2000/23330号
【特許文献47】米国特許第6,796,352号
【特許文献48】国際公開第WO2002/12071号
【特許文献49】米国特許公開第2007/0281137号
【特許文献50】国際公開第WO2007/142970号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】ジャーナルオブマテリアルケミストリー、2007、17、2775〜2784頁
【非特許文献2】ポリマー科学および工学の百科事典、第13巻、ワイリーインターサイエンス出版社(ニューヨーク、1988)
【非特許文献3】ポリマー科学および技術、第1巻、インターサイエンス出版社(ニューヨーク、1964)
【非特許文献4】ポリマー科学とエンジニアリングの百科事典、第2巻、(1985)ジョンワイリーアンドサンズ社、ニューヨーク、325〜326頁
【非特許文献5】ジェーイーマクグラースによるブロック共重合体、科学技術、デールジェーマイヤー編、ハーウッドアカデミー出版社、1979、1〜5頁
【発明の概要】
【0010】
本発明は、ラベル貼付動作、特に、熱転写ラベル貼付によってデザインを物品に貼付する方法に進歩を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従来の周知のシステムおよび方法による困難さおよび欠点は、加熱された柔軟な部材に関連する本方法および装置で克服される。該方法では、1つ以上のデザインを熱転写ラベルアセンブリを使って容器、特に、複合曲面を有する容器に、不具合の発生なしに、容易かつ着実に貼付する。
【0012】
本発明の一態様では、熱転写デザインを支持部材またはウェブから容器へ貼付する方法を提供する。熱転写デザインは、支持部材上に配置されたインクまたは他の着色塗料の領域を含む。方法は、(i)第1の面と反対方向に向けられた第2の面とを画定し、第1の面と第2の面との間に延在する開口部を画定する剛性フレームと、(ii)フレームの第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方に隣接して配置され、フレームの開口部を通って延在して、フレームの第2の面から外方に突出している柔軟な部材とを含むラベル処理装置を準備する工程を含む。柔軟な部材は、支持部材に接触するための外面を画定する。柔軟な部材はまた、フレームの第1の面から接触可能な内側中空領域を画定する。柔軟な部材は、フレームの第2の面から外方に突出している部材の一部にラベル接触力を加えたとき変形可能である。方法はまた、柔軟な部材を加熱する工程を含む。方法は、柔軟な部材の外面と容器との間に熱転写デザインおよび支持部材を位置決めする工程をさらに含む。方法は、支持部材と柔軟な部材の外面とを接触させ、容器と熱転写デザインとを接触させる工程をさらに含む。方法はまた、柔軟な部材にラベル接触力を加え、それによって、柔軟な部材が変形されて、熱転写デザインが少なくとも部分的に容器に転写される工程を含む。
【0013】
本発明の別の態様では、支持部材またはウェブと、支持部材上に配置されたインクまたは他の着色塗料の領域と、を含む熱転写ラベルを含むラベル処理システムを提供する。ラベル処理システムはまた、ラベルを容器に接触させて同時に加熱するラベル処理装置を含む。ラベル処理装置は、(i)第1の面と反対方向に向けられた第2の面とを画定し、第1の面と第2の面との間に延在する開口部を画定する剛性フレームと、(ii)フレームの第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方に隣接して配置され、フレームの開口部を通って延在して、フレームの第2の面から外方に突出している柔軟な部材とを含む。柔軟な部材は、ラベルに接触するための外面を画定する。柔軟な部材はまた、フレームの第1の面から接触可能な内側中空領域を画定する。柔軟な部材は、フレームの第2の面から外方に突出している部材の一部にラベル接触力を加えたとき変形可能である。
【0014】
明らかに、本発明は、別の異なる実施形態が可能であり、いくつかの詳細は、さまざまな箇所で、すべて、本発明を逸脱しない範囲で修正が可能である。したがって、図面および説明は、単なる例示として捉えられるべきであり、発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、複合曲面を有する代表的な容器の説明図である。
【0016】
【図2】図2は、ラベルが理想的に容器の外面に貼付されて、複合曲面の領域に延在している、図1の容器の説明図である。
【0017】
【図3】図3は、現在既知の技術を使用した容器への貼付後に一般的に生じるようなラベルおよびダーツが付いた図1の容器の説明図である。
【0018】
【図4】図4は、本発明による好ましい実施形態の柔軟な部材の概略斜視図である。
【0019】
【図5】図5は、図4に示した柔軟な部材の側面図である。
【0020】
【図6】図6は、図4および図5に示した柔軟な部材の正面図である。
【0021】
【図7】図7は、本発明による好ましい実施形態のフレームアセンブリおよび筐体に保持され支持されている柔軟な部材の正面の斜視図である。
【0022】
【図8】図8は、図7に示した柔軟な部材の内側領域、フレームアセンブリ、および筐体を明らかにした別の正面の斜視図である。
【0023】
【図9】図9は、図7および図8の柔軟な部材、フレームアセンブリ、および筐体の後部の斜視図である。
【0024】
【図10】図10は、図9内の線AAで切った柔軟な部材、フレームアセンブリ、および筐体の断面図である。
【0025】
【図11】図11は、本発明による好ましい柔軟な部材と、別の好ましい実施形態のフレームアセンブリの正面図である。
【0026】
【図12】図12は、柔軟な部材のない、図11に示した好ましい実施形態のフレームアセンブリの斜視図である。
【0027】
【図13】図13は、本発明の好ましい方法によって、ラベルが容器に部分的に付着された容器の斜視図である。
【0028】
【図14】図14は、図13に示した容器および部分的に付着されたラベルの上面図である。
【0029】
【図15】図15は、本発明の好ましい方法による好ましい柔軟な部材による、図13および図14のラベルと容器との間の最初の接触を示した概略図である。
【0030】
【図16】図16は、図15に示した状態後のラベルと容器と柔軟な部材との間の更なる接触を例示した概略図である。
【0031】
【図17】図17は、図16に示した状態の後のラベルと容器と柔軟な部材との間の更なる接触を例示した概略図である。
【0032】
【図18】図18は、図17に示した状態の後のラベルと容器と柔軟な部材との間の更なる接触を例示した概略図である。
【0033】
【図19】図19は、図18に示した状態の後のラベルと容器と柔軟な部材との間の更なる接触を例示した概略図である。図19は、後の段階に向けて採用される柔軟な部材による一般的な圧延形態を示している。
【0034】
【図20】図20は、湾曲した外側輪郭を有する容器との接触から生じる柔軟な部材の変形を例示している斜視図である。
【0035】
【図21】図21は、複数の容器に複数のラベルを並行して貼付するための柔軟な部材およびフレームアセンブリの好ましいアセンブリである。
【0036】
【図22】図22は、図21のアセンブリを使った予熱アセンブリの上面立面図である。
【0037】
【図23】図23は、図21に示したアセンブリに更なる部品を加えた上面立面図である。
【0038】
【図24】図24は、本発明による別の好ましい実施形態の柔軟な部材の概略正面図である。
【0039】
【図25】図25は、本発明によるさらに別の好ましい実施形態の柔軟な部材の概略正面図である。
【0040】
【図26】図26は、ラベル貼付される容器の形状に対応する代表的なガイドの正面図である。
【0041】
【図27】図27は、本発明による柔軟な部材を有する好ましい実施形態の迅速変更アセンブリの斜視図である。
【0042】
【図28】図28は、本発明による迅速変更アセンブリの集合の斜視図である。
【0043】
【図29】図29は、図28で示したアセンブリの集合の正面図である。
【0044】
【図30】図30は、異なる大きさの袋を使った迅速変更アセンブリの集合の正面図である。
【0045】
【図31】図31は、代表的な容器および部分的に貼付されたラベルの斜視図である。
【0046】
【図32】図32は、図31で示した容器およびラベルの上面平面図である。
【0047】
【図33】図33は、本発明による好ましい実施形態の摺動アセンブリの斜視図である。
【0048】
【図34】図34は、図33の摺動アセンブリで使用される好ましい実施形態の摺動部材の斜視図である。
【0049】
【図35】図35は、ラベルの領域を容器に貼付する好ましい実施形態の摺動アセンブリを例示する。
【0050】
【図36】図36は、模式的に容器と部分的に接触されたラベルの構成を例示する。
【図37】図37は、模式的に容器と部分的に接触されたラベルの構成を例示する。
【0051】
【図38】図38は、模式的に容器と部分的に接触されたラベルの別の構成を例示する。
【図39】図39は、模式的に容器と部分的に接触されたラベルの別の構成を例示する。
【0052】
【図40】図40は、模式的に容器と部分的に接触されたラベルの別の構成を例示する。
【図41】図41は、模式的に容器と部分的に接触されたラベルの別の構成を例示する。
【0053】
【図42】図42は、本発明による好ましい実施形態の処理を模式的に表す。
【図43】図43は、本発明による好ましい実施形態の処理を模式的に表す。
【図44】図44は、本発明による好ましい実施形態の処理を模式的に表す。
【0054】
【図45】図45は、貼付動作中に起こる可能性がある好ましくない状態を例示する。
【図46】図46は、本発明による好ましい実施形態の処理を模式的に表す。
【図47】図47は、本発明による好ましい実施形態の処理を模式的に表す。
【図48】図48は、本発明による好ましい実施形態の処理を模式的に表す。
【図49】図49は、本発明による好ましい実施形態の処理を模式的に表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
本発明は、さまざまな容器の外側の曲面などの曲面上にラベルおよびフィルムを貼付するための手法、方法、部品、および装置の更なる進歩を提供する。本発明を熱転写ラベルまたは関連のアセンブリを容器に貼付する観点から主に説明したが、本発明が容器に限定されないことは明白である。その代わりに、本発明は、ほとんどどのような種類の物品の表面へも、さまざまなラベルまたはフィルムを貼付するのに使うことができる。本発明は、特に、湾曲した容器面へ熱転写ラベルを貼付することを趣旨とする。本発明はまた、特に、さまざまな容器の複合曲面に熱転写ラベルなどのラベルを貼付することを趣旨とする。感圧性ラベルおよび収縮性ラベルの両方また一方を貼付することに関してさまざまな好ましい装置の説明を本明細書で提供するが、いうまでもないが、好ましい装置および関連する部品は、熱転写ラベル貼付にも使用できる。
【0056】
本明細書では、曲面または複合曲面を有する容器を引き合いに出す。曲面とは、湾曲した軌道に沿って移動する線によって画定される表面である。複合曲面とは、前述の線が曲線である特定の種類の曲面である。複合曲面の例は、球、双曲放物面、および丸屋根の外面を含むが、これに限定されるものではない。明白なことは、本発明が、平面および単純な曲面を含む多種多様な表面にラベルおよびフィルムを貼付するために使用できることである。しかし、本明細書で極めて詳細に説明するように、本発明は、特に、複合曲面へのラベルおよびフィルムの貼付に好適である。
【0057】
[熱転写ラベル貼付]
物品にデザインを刷り込むために広く採用された方法は、熱転写ラベル貼付である。この処理では、一般的に、デザインがインクまたは他の着色塗料で刷り込まれた剥離層を含むラベルを乗せた紙ベースシートまたはウェブが使われる。熱転写装飾の1つの成功した技術では、ラベルを載せたウェブを物品に接して押し付けて、ラベル、すなわち、デザインを物品の外面に転写する転写サイトに物品を供給することによって、ラベルを熱および圧力を用いてビンまたは他の物品に転写する。
【0058】
本発明の別の態様によれば、さまざまなラベル処理装置および特にそれらに対応する柔軟な部材は、1つ以上のデザインをウェブまたは他の転写部材から問題にしている容器、ビン、または他の物品に貼付するために使用される。好ましい実施形態のラベル処理装置およびそれらの柔軟な部材は、熱転写ラベル貼付動作で使用するために好適であり、特に、デザインを複合曲面に貼付するためには好適である。
【0059】
より詳しくは、本発明は、支持部材またはウェブから物品へ転写されるデザインを含む装飾的な積層品を採用する熱転写ラベル貼付方法を提供する。支持部材またはウェブを、支持部材から装飾的な積層のデザインの剥離が可能な第1の温度に加熱する。特定の実施形態では、柔軟な部材の表面を、より好都合に第2の、いくぶん低目の温度にする。別の実施形態では、柔軟な部材の表面を、ウェブの温度より高い第2の温度にする。さらに別の実施形態では、柔軟な部材の表面を、ウェブの温度と同じ温度にする。装飾的な積層品およびデザインを、粘着性接着剤を形成する物品に接して押し付ける。柔軟な部材の後退と同時に、支持部材またはウェブは、今や物品に付着されたまたは別の方法で物品に配置されたデザインから容易に剥離される。以下の説明では、熱転写ラベルアセンブリは、対応する物品に転写されるべき1つ以上のデザインを含む装飾的な積層品を主に含む。熱転写ラベルアセンブリはまた、装飾的な積層品を載せる支持部材またはウェブを含む。熱転写ラベルアセンブリは、装飾的な積層品とウェブとの間に、ウェブからのデザインの剥離を促すための1つ以上の剥離層を含んでもよい。装飾的な積層品はまた、熱転写接着剤の外層などの更なる部品を含んでもよい。物品に装飾的な積層品を接触させるとすぐに、接着剤によって、物品へのデザインの保持と固着が促進される。
【0060】
好ましい実施形態では、熱転写ラベルアセンブリは、支持部材またはウェブと直接接触する非ワックス系の接着剤/剥離層を含む。接着剤/剥離層は、剥離層として機能し、装飾的な積層品が物品に接して押し付けられて、ウェブから物品へ転写されるにつれて、支持部材が加熱され、接着剤も加熱されるにつれて、支持部から装飾的な積層品の剥離が可能になる。熱転写ラベルアセンブリは、接着剤/剥離層と支持部との間に入るワックス系剥離層を含んでもよい。非ワックス接着剤/剥離層は、支持部材の加熱によって軟化して、転写中に支持部材から剥離される。この層はまた、転写中、物品に恒久的な接合材を形成する接着剤として機能できる。
【0061】
熱転写ラベルアセンブリは、インクデザインをさらに含む。任意で、熱転写ラベルアセンブリは、インク層の上に保護コーティング層を含む。しかし、この層は、多くの用途では省略されてもよい。
【0062】
任意で、熱転写ラベルアセンブリは、接着剤/剥離層とインク層との間に入るバリア層をさらに含む。バリア層は、含まれている場合、非ワックス接着剤/剥離層へのインクの吸収を防止するように機能する。
【0063】
本実施形態には、装飾的な積層品が、単色の装飾的なデザインでも、中間階調色を含む多色の装飾的なデザインでも構成できるという利点がある。実施形態の別の利点は、装飾的な積層品を、デザインの刷り込みに歪を引き起こすことなく、表面湾曲の形状または程度に関係なく、実質的にあらゆる種類の物品に転写できることである。このように、物品は、たとえば、陶器、ガラス、プラスチック、紙ホイル、およびさまざまな重合材料で構成されてもよく、転写基体が移される表面は、平坦であってもよく、または複合曲面、不規則表面、またはくぼんだパネルを含んでもよい。より詳細には、特定の用途では、デザイン(単数または複数)が転写される物品は、織生地および不織生地を含む布地または織地である。
【0064】
好ましい実施形態の熱転写ラベルアセンブリは、片面が装飾的な積層品を構成するさまざまな層でおおわれた紙シートまたはウェブを含む。装飾的な積層品は、支持部に接触する樹脂の被覆層(すなわち、接着剤/剥離層)と、樹脂の被覆層をおおうインク層と、およびインク層をおおう保護被覆層とを主に含む。
【0065】
さらに別の実施形態では、本明細書に記載したようなさまざまなラベル処理装置は、布地、織地、その他同種のものにデザインを貼付するために、熱転写ラベル貼付および浸透性すなわち「通気性」のある接着剤とともに使用できる。
【0066】
浸透性のある接着剤およびインクの両方または一方を備えた代表的な熱転写ラベルは、以下の通りである。一般的に、熱転写ラベルは、4枚の層、すなわち、一時的な支持部の層と、標(indicia)層と、熱転写接着剤の層と、標(indicia)層と支持部との間にありそれらと接触する剥離層とである。布地上に貼付するとき、ラベルは、布地に接触する熱転写接着剤層とともに布地に置かれる。ラベル貼付処理は、いくつかの既知の貼付処理、つまり、直接添付処理、チップオン処理、ブローオン処理などのうちのいずれかにより実施してから固定できる。好ましくは、本明細書に記載したラベル処理装置およびその柔軟な部材を使って、標(indicia)層および熱転写接着剤の層を布地に貼付することである。
【0067】
熱は、一時的な支持部の側から加えることができる。一時的な支持部は、次に、剥離層から取り外されて、接着剤によって布地面に添付された印刷された標(indicia)のみを残す。一時的な支持部および剥離層は、ラベルの支持部分を形成し、該支持部分は、ラベルのための搬送体として機能するが、布地には転写されない。標(indicia)層および熱転写接着剤の層は、ラベルの転写部分を形成し、該転写部分は、布地に転写される。ラベルの転写部分の各層は、望ましくは通気性がある。支持部分の各層は、布地に転写されないため、必ずしも通気性を有する必要はない。
【0068】
熱転写ラベルは、以下の層のうちの少なくとも1層を転写部分にさらに含むことができる、すなわち、標(indicia)と接着剤層との間に位置する白い層と、標(indicia)と剥離層との間に位置する透明な層と、白い層が使われた場合、白い層と接着剤層との間に位置する透明な層とである。白い層は、標(indicia)のために対照的な背景色を与えることができ、標(indicia)の様相が、布地の色によって、著しく裏移りされないようになる。透明層は、標(indicia)層を保護して、剥離層に対する標(indicia)層の粘着力を改良するのに使用できる。もう1つの透明層は、接着剤層と白い層との間の接着力を改良するのに使用できる。
【0069】
搬送支持部またはウェブは、処理と取扱いを容易にするために、ラベル構造に機械的強度を与える。搬送支持部またはウェブによって、ラベルシートは、衣類アイテムへの更なる処理または取り付けが生じるまでの保管のために、巻かれるか積み重ねられることが可能になる。紙またはポリマーフィルムを、搬送体として使うことができる。好ましい搬送体は、PETなどの熱的に安定なポリマーフィルムである。多種多様な材料を、搬送体、支持部材、またはウェブとして使用できる。本明細書に記載した材料に加えて、考えられることは、布地、織地、不織布、織物も、搬送体として使用できるであろう。さらに考えられることは、熱転写ラベルアセンブリも、1つ以上の布地または織地の層を含むことができるであろう。これらの材料のすべての組合せも考えられる。搬送体フィルムの好ましい厚みは、2〜7ミル(2/1000〜7/1000インチ)厚である。より好ましくは、4〜6ミル(4/1000〜6/1000インチ)厚である。
【0070】
剥離層は、使用時、標(indicia)層または透明被覆への好適な粘着力を有する低融点材料である。好適な粘着力とは、標(indicia)または透明被覆を剥離層に付着できるが、熱転写処理では剥離層から剥離することもできることを意味する。剥離層のための剥離は、ワックス系材料またはシリコーンであるとよい。剥離は、艶消し剤などの固着剤および他の添加剤をさらに含むとよい。ワックスを剥離のために選び、特定のタイプのワックスが、熱転写を行った後、通気性のあるラベルの表面を汚す可能性がある状況では、親水性ワックスが好ましい。ワックスのための好ましい融点は、70℃〜150℃の範囲である。融点が100℃〜120℃の範囲にあるワックスを使うのが、より好ましい。親水性ワックスの一例としては、23.5%が固体であるベーカーペトロライト社製の非イオンワックス乳剤、ユニソックスD−300がある。別の例としては、エイブリデニソンアールアイエスディビジョン社から入手可能なE6剥離がある。ワックス層は、溶媒または水性であるとよく、後で詳述する、ラベルの転写部分の層と同じ添加剤のセットを含むとよい。ワックス層は、印刷されるか、塗布される。ワックス剥離層の厚みは、約1〜約10ミクロンの間であるが、より望ましくは、約1〜約5ミクロンの間である。
【0071】
特定の実施形態では、物品に添付される熱転写ラベルの各層は、望ましくは、通気性を示すこと、つまり、湿気が浸透できることである。通気性は、空気を通すフィルムを形成できるポリマーの使用から生じる。それらのポリマーは、事実上親水性で、画一的なフィルム、つまり、微孔性相互接続構造のないフィルムを形成する。これらの親水性ポリマーの通気性は、水分子拡散および親水性ポリマーの側鎖に沿った伝導の結果である。このメカニズムは、非特許文献1(ジャーナルオブマテリアルケミストリー、2007、17、2775〜2784頁)に詳述されており、その全体を参照することにより、援用される。親水性ポリマーは、凝縮水を吸収することもできて、水にポリマーフィルムを通過させる、一般に水の毛細管現象と呼ばれる処理もできる。
【0072】
通気性の親水性ポリマーは、水性の分散および溶媒系の分散を含む。水性の親水性ポリマー分散の例としては、ペルマックス202、ペルマックス230、ペルマックス300、およびペルマックス803が含まれる。これらは、すべて、米国、オハイオ州、ウィクリフのルーブリゾール社製である。好ましい親水性の通気性ポリマーは、上記特許文献1(米国特許第6,897,281号)で、ルブニン(Lubnin)らによって記載されたような主バックボーンの一部の代わりに側鎖として結合されたポリアルキレンオキシドを有する。ペルマックス230は、33%の固体値を有する非イオン安定化ポリウレタン分散である。ペルマックス230は、直立水カップ(ASTM E96B)を使って500g/m/日、および倒立水カップ(ASTM E96BW)を使って4500g/m/日の乾燥フィルムのためのMVTR値を有する。ペルマックス230はまた、通気性ホットメルト接着剤の調剤が理想的になる250°F超の温度で溶解したとき、布地の中に流れ込むことができる溶融粘性を有する。
【0073】
溶媒系の親水性ポリマーの例としては、シュタール社製の通気性ポリウレタンSU−55−074が含まれる。それはトルエン/IPAの混合液に30%の固体溶媒である。そのようなポリマーはまた、日本ポリウレタン工業社製のHDI三量体コロネートHXLVなどのポリイソシアネートを使ってウレタン基を介して架橋結合もできる。そのようなポリマーの好ましい溶媒には、プロピレンおよびジプロピレングリコールが含まれる。
【0074】
親水性ポリマーの他に、転写部分の各層のための製剤には、液体搬送体、および以下の成分、すなわち、ポリマー、ワックス、添加物、顔料などのうちの1つ以上をさらに含んでもよい。添加物には、保湿剤、流動学的調整剤、表面張力調整剤、均染剤、剥離剤などの化学製品が含まれる。
【0075】
液体搬送体は、水または溶媒であってもよい。好適な溶媒の例としては、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、n−エチルピロリジノンなどが含まれる。液体搬送体として水が使われるとき、水は、製剤の安定性を助けるために、溶解共力剤の存在がまだ必要になる可能性がある。好適な溶解共力剤は、プロピレングリコールエーテル類、エステル類、およびエチレングリコールエーテル/エステル類を含む。溶解共力剤の例としては、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、およびモノプロピレングリコール系が含まれる。
【0076】
保湿剤は、処理中の製剤の流動性および湿気を保持する。保湿剤の例としては、以下を含む、すなわち、モノプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセロールなど、またはナズダル社製のアクアルーブAQ54などのグリコールとワックスの混合物。
【0077】
流動学的調整剤は、好適な流動特徴を製剤に与える。ニュートンまたは粘弾性流動特性は、製剤のために好ましい。スクリーン印刷の場合、製剤の粘度は、10,000cp〜100,000cpであることが好ましい。フレキソ印刷またはグラビア印刷などの他の印刷方法の場合、製剤の粘度は、望ましくは、低い範囲、たとえば、5〜250cpであり、ニュートン流体特性が好ましい。流動学的調整剤の例としては、コグニス社製のDSX1415、ボーチャーズ社製のボーチゲルL75Nなどの準親水性ポリウレタン、またはダウケミカル社製のUCARポリフォブス102および106などのアルカリ膨潤性増粘剤が含まれる。
【0078】
表面張力調整剤または界面活性剤は、陰イオン性または非イオン性であるとよい。低起泡性能力を有する非イオン性および非フッ化性のものが好ましい。好適な表面張力調整剤の例としては、テゴ社製のテゴウェット270、ビックケミー社製のデグサまたはBYK319などのアルコキシル化シリコーン類、ダウケミカル社製のトライトンCF−10などのエトキシル化炭化水素類、またはエアプロダクツアンドケミカルス社製のサーフィノール104Eなどのアセチレン誘導アルコール類が含まれる。
【0079】
ビックケミー社製のBYK24、28、19などの消泡剤も使用できる。
【0080】
顔料は、標(indicia)層および白い層にとって重要である。水または有機溶媒で事前分散された顔料ペーストは、好ましい。そのような顔料の例としては、ベーアーエスエフ社製の顔料濃縮物のアウラスペルス(Aurasperse)シリーズが含まれる。アウラスペルス(Aurasperse)W−308は、たとえば、71%の固体を含む白いTiO濃縮物である。これは、白い背景層に使うことができる。アウラスペルス(Aurasperse)W−7012は、35%の固体を含む黒い顔料の濃縮物である。これは、色層の黒色インクで使うことができる。
【0081】
pHバッファもまた、製剤の一部であるといえるであろう。バッファの役割は、製剤のpH値を維持して、架橋剤の反応性を和らげることによって液体インクのポットライフを延ばすことである。pHバッファはまた、あらゆる形のアルカリ誘導増粘が採用されるとき、製剤の流動学を制御するのにも用いられる。好適なpHバッファは、ダウケミカル社製のアミノアルコール製品、DMAMP−80であり、2−ジメチルアミノ、2−メチル、1−プロパノールの80%の水溶液である。DMAMP−80は、ダウケミカル社製のUCARポリフォボス102および106などのアルカリ膨潤性増粘剤を効果的に濃くできるであろう。
【0082】
任意の透明層は、摩滅およびすり減らし作用に対する抵抗力の増加をラベルに与えるために保護層またはニスとして機能する。透明層はまた、支持している剥離層へのラベルの接着力を調整するのに役立つ。この透明層は、一様に置かれるべきである。好ましい厚みは、約1〜約20ミクロンである。
【0083】
標(indicia)は、ラベルの視覚的情報を表示するために機能する色彩デザイン層である。この層は、通気性があるべきである、しかし、通気性は、インクの固体顔料含有量の機能であるといえる。色層にとって重要なことは、染料と比較した色顔料の使用量である。インクの色搬送体は、一般的に、環境要因に対する抵抗力の改善を提供して、熱昇華に対する傾向を示さない。標(indicia)に使われる好ましい色搬送体は、有機顔料および無機顔料である。標(indicia)の厚みは、顔料濃度(必須の色密度を実現できる下限または最少の必要量が好ましい)および通気性(高位ほど良い)の機能であるといえる。好ましい厚みは、約10〜約50ミクロンである。
【0084】
白い背景層は、色デザイン層に対して対照的な背景を提供する。この層は、一様に印刷されて、通気性があるべきである。好ましい厚みは、約20〜約200ミクロンである。白い背景層は、色デザイン層のすべての特徴を有し、加えて、そのマスキング力は、ラベルが接着される布地の背景色を克服する必要があり、白い着色のレベルの増加(固体フィルム混合物の50%超の顔料)も必要とする。白い背景層は、布地基体の色が白の場合、省略可能である。この層の場合、布地基体の色または特性を無視して、標(indicia)のために均一の背景を示すことは、好ましい。この層のための好ましい顔料は、シリカまたはアルミナ処理TiOであり、これらもまた、親水性である。
【0085】
任意の透明層は、白い背景層が、接着剤層に満足な粘着力を提供しない場合、結合層として機能する。これは、特に、若干大量にTiOが塗布された白い製剤にとっては、必要とされる。
【0086】
代表的な熱転写ラベルに使用される接着剤層は、以下の必要条件を満たす、すなわち、a)5秒〜約50秒間加熱したとき、約250〜350°Fの間で布地組織内に溶けて流れる、(b)一部の衣類製造業者によって要求される高温洗浄試験に耐える好適な係数を有する、およびc)合成繊維に対して好適な粘着力を有する。接着剤厚みは、約20〜約500ミクロンの間に分布してもよい。
【0087】
接着剤層は、熱転写処理の後、布地と接触していて、したがって標(indicia)層と、他の層(使われている場合)との後に隠れているため、接着剤層を通気性のある状態にするためには、2つの方法がある。すなわち、通気性のあるホットメルト接着剤の使用による方法、または通気性のないホットメルト接着剤のパターン印刷、あるいはその両方の組合せによる方法である。パターン印刷を使う場合、接着剤は、別々の場所に置き、湿気または凝縮水が貫通できるように、接着剤の間に間隔を残す。通気性のある接着剤は、通気性のない接着剤の間の間隔を少なくとも部分的に満たすように使用するとよい。
【0088】
本明細書に記載したように通気性のある熱転写ラベルを使用する場合、一般的に、熱転写ラベルは、ASTM 96E手順Dで測定した場合、少なくとも100g/m/日のMVTRを有する。好ましくは、ラベルのMVTRは、ASTM 96E手順Dで試験した場合、400〜900g/m/日に分布する。
【0089】
明白なように、好ましい実施形態の熱転写ラベル貼付方法は、前述のような特定のラベル、支持部材、および構成に限定されない。その代わりに、本発明は、本明細書に記載したように、好ましい実施形態の装置、すなわちラベル処理装置を使う熱転写ラベル貼付を実行する多種多様な別の方法および手法を含む。さまざまなラベル貼付装置の以下の説明は、一般に、ポリマーフィルムラベル、特に、感圧性ラベルおよび熱収縮性ラベルの両方または一方を貼付する観点からなされているが、該装置はまた、熱転写ラベルアセンブリの、たとえば装飾的な積層品の形で1つ以上のデザインを貼付するためにも使用できる。
【0090】
[柔軟な部材を使用するラベルの貼付]
具体的には、本発明は、柔軟なラベル貼付器またはラベル処理装置部材、および、本明細書に記載したような好ましい技術に従って使われたとき、曲面上に、ダーツやしわなどの不具合が発生する付随的な問題なしで、ラベルを貼付する関連アセンブリを提供する。該技術は、湾曲した容器面上に、独特の併行して行う加熱と摺動動作を用いて、不具合なく、ラベルの貼付をもたらす。
【0091】
柔軟な部材、そのさまざまな特徴、およびさまざまなフレームと、部材を支持し使用するための関連アセンブリとを、すべて詳細に本明細書に記載する。また、容器に貼付するためのラベルおよびフィルムの好ましい態様も本明細書に記載する。さらに、ラベルに関連する接着剤の好ましい態様、およびラベルの他の態様および詳細を、本明細書に記載する。さらにまた、柔軟な部材(単数または複数)を使用してラベルを貼付するための好ましい処理を、すべて詳細に本明細書に記載する。
【0092】
[柔軟な部材]
本発明は、ラベル、ラベルアセンブリ、フィルム(単数または複数)、または他の類似部品を接触させるように、およびラベルを容器の表面に接触させて接着するためにラベルに圧力を加えるように構成された柔軟な部材またはダイアフラムを提供する。一般的に、ラベルは、前述のように、湾曲している、または湾曲した輪郭または形状を示す容器の外面に貼付される。多くの例では、容器の特定の領域は、複合曲線を示すものである。本発明の使用によって、ラベルは、これらの領域に不具合のない方法で貼付できる。
【0093】
柔軟な部材は、該部材がラベル(単数または複数)または容器(単数または複数)と接触する前は、該部材自体の形状を維持するように十分に堅い。部材は、過度に堅くはなく、したがって、接触時、たとえば、ラベル接触力などの負荷が加えられた状態のとき、容易に変形するほどの柔軟性がある。この好ましい特徴は、より詳細に本明細書に記載するが、一般に、変形可能な柔軟な部材に言及しながら示す。
【0094】
柔軟な部材は、それが顕著な変形可能な特徴を示す限り、多種多様な異なる形状、サイズ、および構造を備えることができる。好ましくは、柔軟な部材は、ラベルおよび容器の両方または一方に接触するために、凸面のような外方にふくらんだ、またはドーム型の表面を画定する。柔軟な部材はまた、望ましくは、外方にふくらんだ接触面の反対側の位置から接触可能な内部中空領域も画定する。
【0095】
柔軟な部材が、ラベルおよび容器の両方または一方に熱を与えることも望ましい。したがって、柔軟な部材が、その外面の少なくとも一部に沿って、望ましくは、特にラベルに接触しているとき、ラベルおよび容器の両方または一方にそのような熱の引き続きの伝達のためにその外方にふくらんだ表面に沿って、熱を伝達することが好ましい。熱は、さまざまな異なる方法で、柔軟な部材の表面に沿って与えることができる。しかし、熱源は、柔軟な部材の内側の内部に設けられることが、通常、好ましい。柔軟な部材の内側の内部の熱は、次に、柔軟な部材の壁を通って、たとえば、部材の外面への伝導によって伝達される。本発明は、どのような加熱設備も含まない柔軟な部材を含むことは明らかである。本発明のこのバージョンでは、1つ以上の予熱器が、ラベルおよびフィルムの両方または一方の加熱に使用される。
【0096】
柔軟な部材のための好ましい熱源は、電気式抵抗加熱器などの無炎加熱器である。あるいは、加熱された媒体が通っている導管の1つ以上のコイルを柔軟な部材の内側の内部に配置してもよい。別の熱源は、直接、柔軟な媒体の中空内部の中に加熱した媒体を投入している。そのような媒体の例としては、限定はしないが、空気、他のガス、流体、または流動可能な液体がある。たとえば、油などの液体炭化水素は、柔軟な部材の内側中空領域の加熱および充填の両方または一方に使用できるであろう。しかし、空気は、容易に利用できて、漏れが心配ないため、多くの場合好ましい。
【0097】
加熱コイルまたは加熱ユニットが柔軟な部材の内側の内部に設けられている実施形態の場合、コイルまたはユニットの特定の構成を、柔軟な部材の望ましい領域、たとえば、ドーム型外面の領域の外周領域に熱の伝達を最適化するように設けるとよい。通常、加熱器の好ましい構成またはパターンは、柔軟な部材が接触するビンおよびそのそれぞれのラベルの特定の形状に依存する。好ましくは、貼付されるラベルの外側領域に対応する領域に沿って、柔軟な部材の内側壁面に比較的近接して加熱器が配置される状態で、楕円形または円形のパターンを使うとよい。この方法が好ましいのは、通常、すでに容器に貼付されているラベルの部分(単数または複数)、たとえば、内側中央領域(単数または複数)を加熱する必要はないからである。この方法は、より詳細に本明細書で説明する。
【0098】
柔軟な部材の好ましいバージョンでは、外側のドーム型領域および往々にしてそれに取り付けられた側壁は、部材が容器およびラベルに押し付けられるにつれて、曲げられ、変形されて、動かされる。したがって、たとえば、電気抵抗加熱素子などのどのような加熱設備も、柔軟な部材に直接取り付けないことが一般に好ましい。しかし、本発明では、そのような構成および配置の使用は可能であろうと考えている。たとえば、柔軟な印刷された加熱素子を、柔軟な部材の内側表面または外側表面に貼付できるであろう。電気式抵抗加熱器を柔軟な部材の内側に形成、または別の方法で該部材の内側に配置できるであろうとも考えている。
【0099】
柔軟な部材のラベルに接触しているドーム型の外側表面の加熱は、ほとんどどのような方法でも実施可能である。たとえば、複数の熱源、設備、および他の技術のすべてまたはいずれかの使用が可能である。特定の用途では、複数の加熱器を使用するのが好ましい場合がある。たとえば、第1の加熱器は、柔軟な部材の内側中空領域に入る空気を熱するのに使用できる。第1の加熱器は、たとえば、電気式抵抗加熱器であってもよい。第2の加熱器は、柔軟な部材の内側の内部に置いて、比較的固定してもよい。第2の加熱器は、電気式抵抗加熱器の形であっても、また熱伝達流体が流れる1つ以上のコイルを使用してもよい。柔軟な部材の加熱は、ラベル貼付動作中、柔軟な部材の外側温度が、少なくとも38℃、最も好ましくは、約120℃〜約150℃であるように実行される。明白なように、柔軟な部材の外面が加熱される温度または温度範囲は、たとえば、ラベルの熱収縮特性および接着剤特性を含む多数の要因に依存する。別の一式の加熱器を使って、ラベルおよび容器の両方または一方が柔軟な部材と接触する前に、それらを加熱できるであろうとも考えられる。これらの加熱器は、柔軟な部材の外部に配置してもよい。たとえば、1つ以上の赤外線加熱器を使用できるであろう。赤外線ランプは、対象、すなわち、ラベルを加熱するが、周囲の空気を加熱しない傾向があり好ましい。好ましくは、特定の用途では、ラベルは、最終的に容器に貼付される前に、少なくとも38℃の温度に加熱される。多種多様な加熱手法および技術を、柔軟な部材の外面の温度を上げるために使うことができる。
【0100】
特定の好ましい実施形態では、単一の熱源を使用することが望ましい。つまり、特定の用途では、柔軟な部材への空気の流入中またはその前に、流入空気を熱するために1つ以上の入口加熱器を使用して、柔軟な部材の内部に1つ以上の加熱器を使用しないことが好ましい。柔軟な部材の内側の内部に備える加熱器は、望ましくは、放射発熱体である。そのような内部の加熱器を排除または回避すると、著しい費用の削減ができる。しかし、明白なように、本発明は、加熱工程が、専ら柔軟な部材内部に設けられたシステムと、加熱工程が、入口加熱器および柔軟な部材内部の加熱器の両方によって、および入口加熱器および柔軟な部材の内側の内部の加熱器の両方または一方との組合せで、第3のまたは別の補助的加熱器を使用しているシステムによって実行されているシステムとを含む。
【0101】
特定の好ましい実施形態で備えられる別の装備は、柔軟な部材の実質的に内部に置かれる1つ以上のエアマニホルドの使用に関するものである。好ましいシステム構成では、ラベル貼付動作中、熱い空気が1つ以上の柔軟な部材を通って連続的に循環する。1つ以上の柔軟な部材が、ラベルを載せた対応する容器に接して押し付けられるにつれて、過剰な空気は排出される。次に、柔軟な部材が容器およびラベルから離されて、もはやそれらと接触しない位置に置かれると、新しい空気が導入される。そのような方法によって、そうしなければ柔軟な部材を冷やすことになる周囲温度の空気を使用しないように、新しい空気を加熱することが好ましい。
【0102】
好ましい実施形態の柔軟な部材、フレーム、および筐体アセンブリのすべてまたはいずれかの多くは、柔軟な部材の内部を囲む後部の壁に沿って流入してくる熱い空気のために単一の入口を使用している。熱い空気を柔軟な部材の内部、および特に単一の入口に誘導することは、柔軟な部材に沿ってより高い温度の領域を作り出す結果となる。不均一なそのような領域は、好ましくない。
【0103】
したがって、特定の用途については、柔軟な部材の内側の内部にエアマニホルドまたは拡散器アセンブリを使用することが好ましい。エアマニホルドは、多種多様な形状および大きさがある。エアマニホルドは、柔軟な部材の内側の内部に熱い空気を分散させ、それによって、より均一に柔軟な部材を熱する役割を果たす。
【0104】
気流マニホルドまたは拡散器は、さまざまな異なる形、大きさ、および構造のすべてまたはいずれかがある。たとえば、1つ以上の拡散器プレートは、流入する熱い空気の誘導される方向に対抗して設けられてもよい。流入する気流は、拡散器プレート(単数または複数)によって偏向され、それによって、柔軟な部材の内側の内部の他領域に誘導される。拡散器プレートは、たとえば、吸気口の開口部にわたってプレートを固定することによって、直接、流入気流内に配置するとよい。他の部材を、1つ以上のピンまたは他の流れ偏向部材などの拡散器プレートと組み合わせて使うことができる。一般に、柔軟な部材の内側の内部に乱気流を誘発または促進するあらゆる部材を、使用できる。
【0105】
エアマニホルドの特に好ましい実施形態は、チューブ拡散器である。散気管は、好ましくは、熱い空気の吸気口と流れ連通しているパイプまたは導管の形状で、柔軟な部材の内側の内部に嵌合するような大きさおよび形状である。パイプまたは導管は、縦方向に延在する内部流路を画定する。パイプまたは導管はまた、パイプの側壁およびどちらかの終端壁に複数の穴または別の開口部を画定する。入口を通って柔軟な部材に入った空気は、パイプの中を誘導されて、複数の穴を介してパイプを出る。開口部のパターンまたは配列は、パイプを出る熱い空気が柔軟な部材の内側、好ましくは、最終的にラベルに接触する柔軟な部材の前面壁を均一に加熱、または実質的に加熱するようになっている。たとえば、開口部の代表的なパターンは、パイプの長さに沿って延在する2列の開口部を含むとよい。各々の穴または開口部は、直径約1.5mmであり、約25mmの間隔をおいて配置される。2本の列は60°の間隔をおいて配置され、柔軟な部材の内側の内部で内側および前面の方に向けられている。列のそのような配向は、熱い空気が一般に必要である柔軟な部材の横側領域に熱い空気を誘導するのに役立つ。
【0106】
柔軟な部材の内側中空領域は、開放または大気と連通し、大気圧であるといえる。あるいは、内側領域と外気との間の連通は、内側領域が、大気圧より高い、または大気圧より低い圧力になるように、部分的に、または完全に制限されてもよい。また、柔軟な部材の変形の間、該部材の内側中空領域内の圧力が変化して、変形前の該領域内の圧力とは異なるように、柔軟な部材を構成または他の部品と連結してもよい。たとえば、本明細書でより詳細に説明するように、好ましい実施形態は、柔軟な部材の内側中空領域と外気との間の部分的に制限された連通を提供する。変形前には、制限は完全ではなく、内側中空領域は、大気圧になっている。変形時、内部中空領域の体積は、減少する。顕著な部分的な制限および体積の減少により、柔軟な部材の内側中空領域内の圧力は、大気圧より高い圧力に増加する。圧力の増加は、望ましくは、内側中空領域内の空気が、柔軟な部材の内側領域を出ることができるために一時的である。これらの態様は、より詳細に本明細書に記載する。
【0107】
好ましくは、柔軟な部材は、ラベル貼付処理前には加圧されない。つまり、望ましくは、柔軟な部材の内側中空領域は、大気圧である。ラベル貼付動作中、柔軟な部材を出る空気の流量制限を選択的に制御することによって、柔軟な部材内の圧力の制御された増加および保持を実現できる。好ましくは、柔軟な部材の内容は、各ラベル貼付動作後、排気され、それによって、柔軟な部材の内側の内部の圧力は、大気圧に戻るようになる。好ましくは、柔軟な部材の内部中空領域の内部で測定されるピーク圧は、34,500N/m未満であり、より望ましくは、27,600N/m未満であり、最も望ましくは、20,700N/m未満である。しかし、明白なように、本発明は、他の排気手法、およびこれらの言及された圧力より低いまたは高いピーク圧の使用を含む。通常、ラベル貼付動作の過程の間、柔軟な部材へのいくらか安定した一定の空気の流入は、開口排気ポートを通して行われる。柔軟な部材は、ラベルおよび容器に接触するにつれて、部分的にしぼみ、場合によっては、柔軟な部材がラベルおよび容器に完全に接触するにつれて、崩れる可能性もある。
【0108】
自明なように、本発明は、ラベルまたはフィルムを曲面に貼付するために、本明細書に記載した柔軟な部材の代わりに、特定の用途にまたは特定の用途に加えて、多種多様なアセンブリを使用できる。たとえば、特にばねまたは他の付勢部材を使うさまざまな機械的アセンブリを使うことができるであろう。圧縮可能な発泡材を使ったラベル貼付器またはラベル処理部材を使うことができるであろうことも考えられる。
【0109】
柔軟な部材は、部材が十分に柔軟で、すなわち変形可能で、良好な熱伝導率、耐久性、および摩耗特性を示す限り、ほとんどどのような材料からでも形成可能である。柔軟な部材のための材料の好ましい種類は、シリコーンである。
【0110】
より正確には、重合されたシロキサンまたはポリシロキサンと呼ばれるシリコーンは、化学式[RSiO]nの混合無機有機ポリマーである。ただし、Rは、メチル、エチル、またはフェニルなどの有機グループである。これらの材料は、一般的に、4配位であるケイ素原子に合成された有機側鎖基が結合した無機ケイ素酸素バックボーン(…−Si−O−Si−O−Si−O−…)を含む。
【0111】
場合によっては、有機側鎖基は、これら−Si−O−バックボーンのうちの2つ以上の結合に使用できる。−Si−O−鎖長、側鎖基、および架橋結合を変えることによって、シリコーンを、多種多様な特性および組成で合成できる。それらは、液体からジェルへ、ゴムへ、硬質プラスチックへと硬度が変化する。最も一般のシロキサンは、線形ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンオイルである。シリコーン材の2番目に大きなグループは、シリコーン樹脂に基づく。それは枝分かれした鳥かご状のオリゴシロキサンによってつくられる。
【0112】
柔軟な部材を形成するのに使用される特に好ましいシリコーンは、ロードルシル(登録商標)V−240と呼ばれる市販のシリコーンエラストマである。ロードルシル(登録商標)V−240は、米国、サウスカロライナ州、ロックヒルのブルースターシリコーン社から入手可能である。このシリコーンエラストマは、2成分、添加硬化、室温または熱加速硬化シリコーンゴム化合物である。それは、高強度特性、長いライブラリライフ、低収縮性、優れた詳細再生、良い剥離特性、および抑制に対する改良耐性を有する60デュロメータ(ショアA)のゴムと呼ばれる。ロードルシル(登録商標)V−240の配合物は、一般に、以下の表1で示すとおりである。
【0113】
【表1】

【0114】
本明細書で説明したように、特定の用途では、対象表面にラベルを貼付する前または貼付中、ラベルを加熱することが望ましい。前記のように、加熱設備は、柔軟な部材の内側中空領域の内部に組み込むとよい。したがって、柔軟な部材の材料は、柔軟な部材の外面への熱転送を促進するために、比較的高い熱伝導率を示すことが望ましい。好ましくは、柔軟な部材の熱伝導率は、少なくとも0.1W/(m・℃)であり、より望ましくは、少なくとも0.15W/(m・℃)であり、より望ましくは、少なくとも0.20W/(m・℃)であり、より望ましくは、少なくとも0.25W/(m・℃)であり、最も望ましくは、少なくとも0.275W/(m・℃)である。
【0115】
柔軟な部材がシリコーンエラストマで作られた実施形態の場合、柔軟な部材の壁の厚みは、望ましくは、約2.3mm〜約3.0mmである。明白なように、特定の壁厚は、材料選択、望ましい変形性特徴、および他の要因に依存する。したがって、決して、本発明は、これらの壁厚には限定されない。
【0116】
もっとも好ましくは、柔軟な部材は、ドーム型に外方に突出した変形可能な部材である。部材は、内側中空領域を形成するために配置された1つ以上の円弧状側壁または複数の直壁を含むことができる。好ましいバージョンでは、柔軟な部材は、ベースとドーム型のラベル接触面との間に延在する4つの側壁を含む。4枚の壁は、正方形または長方形の形をつくるために、隣接の壁で横に配置される。ベースは、望ましくは、4枚の側壁の共通縁端部に沿って延在する唇の形である。ドーム型の表面は、唇の反対側に側壁の縁端部から延在する。全ての柔軟な部材、すなわち、そのベース、側壁、およびドーム型の表面は、前述のロードルシル(登録商標)V−240などのシリコーンエラストマを成形することによって、容易に形成できる。柔軟な部材の正確な形状、大きさ、および構造は、主に、ラベルが貼付されるビンの形状、大きさ、および構造に依存する。多くの用途では、柔軟な部材は、ドーム型の前面で楕円形の形状であるといえる。しかし、自明なように、本発明は、ほとんどどのような形状の柔軟な部材も含む。
【0117】
柔軟な部材の特定の形状および構造の両方または一方は、主に、ラベルの形状と容器の形状または輪郭とに依存する。多くの用途では、円弧または丸い縁端部を備えた実質的に長方形で対称形の正面輪郭を有する柔軟な部材が、好適であるといえるが、特定の用途では、非対称の正面輪郭および側面輪郭の両方または一方を有する柔軟な部材の使用が好ましい場合もある。非対称輪郭を有する柔軟な部材の例を、本明細書で提供して説明する。
【0118】
[柔軟な部材のフレームおよびアセンブリ]
本発明はまた、ラベルおよび容器の両方または一方に対して部材を容易に位置決めして接触させるために、柔軟な部材を支持して、望ましくは、該部材を係合するためのフレームも提供する。フレームは、望ましくは、剛性であり、本明細書でより完全に説明するように、必要な特性を示す、1つ以上の金属、重合材料、または複合材料で構成されるとよい。
【0119】
好ましくは、1つの形状では、2つの対向する側面を画定して、比較的大きな中央開口部を画定する比較的平面形を有するフレームを提供する。開口部は、柔軟な部材を収容して受け入れるために、所定の大きさの形状にする。したがって、フレームの開口部内に柔軟な部材を位置付けると、フレームは、柔軟な部材の周りに延在して、該部材に対する支持を与え、柔軟な部材の動きまたは位置決めを容易にする。好ましい実施形態では、柔軟な部材は、複数の側壁を含む。このように、望ましくは、フレームは、柔軟な部材の複数の側壁と同じ形状を有する開口部を画定する。柔軟な部材の直線側壁の集合の場合、フレーム内に画定される開口部の形状は、望ましくは、側壁の集合の形状に対応する。望ましくは、直線側壁の数は、フレームの開口部の内側の直線縁端部の数に対応する。
【0120】
特定の用途では、フレームに結合したとき、フレームから延在して、柔軟な部材と概ね並行して延在する1つ以上のガイドを設けることは、好ましいといえる。1つ以上のガイド(単数または複数)が、柔軟な部材に対して位置決めおよび配向を行うため、該ガイドは、柔軟な部材の変形の範囲および方向の両方または一方を制限するのに役立つようになる。ガイドは、技術分野で周知の技術によって、フレームに添付、または別の方法で該フレームに形成できる。ガイドは、好ましくは、前述のフレームの開口部の周りに配置される。ガイドは、望ましくは、フレームの前面から延在し、または突出する。特定の実施形態では、ガイドは、フレームの前面から横方向に延在してもよい。
【0121】
各ガイドはまた、1つ以上の更なる部品を含んでもよい、あるいは、ガイド自体を柔軟な部材に対して望ましい方向に延在させてもよい。たとえば、調節可能に位置決めできる補助ガイド部材を、ガイドの遠位端部領域に沿って設けてもよい。補助ガイド部材は、ガイドの長手方向軸に対して横方向に、または若干の角度をつけて延在してもよい。補助ガイドの位置、および特に、その配向角度は、望ましくは、選択可能であり、それによって、ユーザは、要望通り、柔軟な部材に対する補助ガイド部材の配向および位置を変更できるようになる。
【0122】
多くの実施形態内の別の好ましい特徴は、ガイドの内側面、すなわち、柔軟な部材の方へ向いているガイドの面に沿った特定の形状または輪郭を有するガイドの提供である。形成されたまたは輪郭に合わせた内側面を有するガイドを使うことによって、柔軟な部材と容器またはラベルとの間に改善された接触が促進される。湾曲したまたは傾斜した側壁および弓状前面または後面のすべてまたはいずれかを有する特定の容器のために、輪郭に合わせた内側側面を有するガイドを使用することによって、柔軟な部材とラベルとの間に転がり接触が促進される。さらに、容器側面の輪郭に一致する、または実質的に対応する内側側面を有するガイドを提供することによって、容器の輪郭の周りで柔軟な部材の更なる変位が促進される。さらにまた、容器の形状に対応する内側側面を有するガイドを使用することによって、容器へのラベルの角および外側縁端領域のラベル貼付が促進されることも分かった。
【0123】
フレームは、多種多様な他の材料が考えられるが、望ましくは、鋼またはアルミニウムで作られる。ガイド部材および補助ガイド部材の両方または一方もまた、望ましくは、鋼またはアルミニウムで作られる。ガイドは、フレームと一体形成してもよい。あるいは、ガイドは、フレームの形成後、たとえば、溶接によって、または1つ以上の固定具を用いてフレームに添付してもよい。前述のように、補助ガイド部材(単数または複数)を、ガイド(単数または複数)およびフレームの両方または一方に対して位置決め可能にすることが好ましい。各補助ガイドを対応するガイドに取外し可能に添付するために、選択的に位置決めできるアセンブリを使用することが、好ましい。
【0124】
本発明はまた、筐体または他の載置アセンブリを提供する。好ましくは、フレームおよび柔軟な部材の両方または一方は、筐体に取り付けられる。筐体は、望ましくは、フレームに添付される、または固定されるように、大きさを設定され、形づくられて、構成される。筐体はまた、柔軟な部材に対する加熱設備を収容する役割を果たすことができる。これらの態様は、すべて、より詳細に本明細書に記載する。
【0125】
また、特定の実施形態のために、ガイドの位置を、フレームに対して選択的に調節できるような調整アセンブリを提供することは、好ましい。そのような調整アセンブリは、多くの形で提供可能であるが、好ましいアセンブリは、ガイドが選択的に位置付けられかつ係合できる対になった垂直に配向されたレールを含む。そのような調整アセンブリを使用すると、1つ以上のガイドの垂直位置を要望通りに容易にかつ簡便に位置付けることが可能になる。ガイドの垂直位置決めは、異なるサイズのラベルの貼付および対象容器上の配置位置の両方または一方に対応するために望ましいといえる。
【0126】
フレームおよび筐体、および最終的に柔軟な部材を含むアセンブリは、1つ以上の更なる部品をさらに含むことができる。前記のように、加熱設備を、好ましくは、柔軟な部材の内側中空領域の内部に備える。好ましくは、そのような加熱工程は、1つ以上の電気式抵抗加熱素子で行う。加熱素子としては、さまざまな異なる形状および構造を採用できる。また、前記のように、流動可能な発熱媒体を搬送する導管を、柔軟な部材の内側中空領域に配置してもよい。一般に、柔軟な部材との直接の接触を防止するために、適切な絶縁部材を、加熱素子とともに備えることは、好ましい。しかし、柔軟な部材が、高温に十分に耐える材料で作られている場合、そのような絶縁部材は必要でない場合がある。
【0127】
フレーム、柔軟な部材、および筐体のアセンブリは、望ましくは、柔軟な部材の開放後部領域にわたって延在する通気板をさらに含む。通気板は、柔軟な部材の内側中空領域への接近を可能にする。アセンブリに組み込むと、通気板は、柔軟な部材およびフレームの両方または一方の後方に向いた面に接触して、望ましくは密封的に接触する。通気板は、望ましくは、空気を通すことができる、通気板を通って延在する1つ以上の開口部を画定する。空気は、これらの開口部を通って導入され、柔軟な部材の内部の加圧、および柔軟な部材の加熱の両方または一方を行うことができる。柔軟な部材の変形時、たとえばラベルおよび容器との接触後、空気は、通気板で画定される1つ以上の開口部を通って柔軟な部材の中空内部から外へ誘導される。通気板の開口部の全流量領域は、柔軟な部材に対して流入または流出する空気の速度を制限する、または制御するために、選択または変更できる。この手法は、柔軟な部材の変形の速度を遅くするために使用できる。これらの態様は、より詳細に本明細書に記載する。
【0128】
特定の用途、特に、大量生産を要する用途では、部品が互いに平行する並列構造などのフレーム(単数または複数)、柔軟な部材(単数または複数)、および筐体(単数または複数)のすべてまたはいずれかの複数のアセンブリを使用することが望ましい。
【0129】
本発明の別の任意の特徴は、「迅速変更」ヘッドアセンブリの提供である。これらの実施形態では、柔軟な部材、柔軟な部材内の任意の加熱器(単数または複数)、フレーム、および電気部品を抱える解放可能なヘッドアセンブリを、提供する。解放可能なヘッドアセンブリは、比較的大きなフレームまたは支持アセンブリに対して係合および撤去を、または技術分野で周知のウォーキングビーム装置に対して係合および撤去を容易に実行できる。解放可能なヘッドアセンブリの提供によって、一方の柔軟な部材およびその対応するアセンブリを、他方の柔軟な部材およびその対応するアセンブリと迅速かつ効率的に交換することが可能になる。これは、特定の構造を有する柔軟な部材の使用が、異なる構造を有する別の柔軟な部材より好ましいときに望ましいといえる。解放可能なヘッドアセンブリは、望ましくは、それらが、他のフレームまたはウォーキングビーム装置に簡単に係合可能である、または固定可能であるように、構成される。電力および信号の接続は、望ましくは、プラグ接続によって行われる。しかし、本発明は、別の接続システムの使用を含む。これらおよび他の態様は、代表的な好ましい実施形態の説明とともに、より詳細に本明細書に記載する。
【0130】
[ラベル/フィルム]
前記のように、さまざまなシステム、器材、および部品が、熱転写ラベルおよび標(indicia)の両方または一方を物品に貼付するために使われることは、好ましい。明らかなように、システム、器材、および部品はまた、感圧性ラベルおよび収縮性ラベルの両方または一方を物品に貼付するためにも使用できる。
【0131】
本発明が対象としているラベル構造に有用な重合体フィルムの貼付は、望ましくは、バランスのよい収縮特性を備えている。バランスのよい収縮特性によって、フィルムは、複数の方向に収縮でき、それによって、ラベルが湾曲した表面に貼付されるとき、複合曲面の輪郭をなぞるようになる。バランスの悪い収縮性のフィルム、つまり、一方の方向に強度の収縮を有し、他方の方向には収縮を和らげる低い収縮を有するフィルムの使用は可能である。バランスのよい収縮性を有するフィルムの有用性によって、より広い種類のラベル形状をより広い種類の容器の形状に貼付することが可能になる。一般に、バランスのよい収縮特性を有するフィルムは、好ましい。
【0132】
一実施形態では、重合体フィルムは、ASTM手順D1204により測定したとき、少なくとも一方の方向に90℃で少なくとも10%の極限収縮率(S)を有し、他方の方向では、収縮は、S+/−20%の範囲内である。別の実施形態では、フィルムは、少なくとも一方の方向に70℃で約10%〜約50%の極限収縮率(S)を有し、他方の方向では、収縮は、S+/−20%の範囲内である。一実施形態では、極限収縮率(S)は、90℃で少なくとも10%であり、他方の方向では、収縮は、S+/−20%の範囲内である。一実施形態において、フィルムの収縮開始温度は、約60℃〜約80℃の範囲内である。
【0133】
収縮フィルムは、熱的に収縮可能であり、かつ、印刷、型抜き、およびラベル熱転写を含む従来のレベル貼付装置およびラベル貼付処理を使って供給されるために、十分な剛性を有していなければならない。必要とされるフィルムの剛性は、ラベルの大きさ、貼付速度、および使用されるラベル貼付装置に依存する。一実施形態では、収縮フィルムは、L&W曲げ抵抗試験により測定されたとき、少なくとも5mNの機械方向(Md)剛性を有する。一実施形態では、収縮フィルムは、少なくとも10mN、または少なくとも20mNの剛性を有する。収縮フィルムの剛性は、高いライン速度で剥離プレート上にラベルを適切に供給するために重要である。
【0134】
一実施形態では、型抜きラベルは、少なくとも毎分30ユニット、望ましくは、少なくとも毎分250ユニット〜少なくとも毎分500ユニットのライン速度の自動化ラベル貼付ライン処理で物品または容器に貼付される。本発明は、毎分700〜800ユニット以上の速度で動作する処理で使用できるであろうと考えられる。
【0135】
一実施形態では、収縮フィルムは、ASTM D882で測定したとき、約138,000,000N/m〜約2,760,000,000N/mの機械方向(MD)、および、約138,000,000N/m〜約2,760,000,000N/mの横(または交差)方向(TD)で、2%の正割係数を有する。別の実施形態では、フィルムの正割係数2%は、機械方向で約206,000,000N/m〜約2,060,000,000N/mであり、横方向で約206,000,000N/m〜約2,060,000,000N/mである。フィルムは、機械方向より横方向に低い係数を有し、ラベルは、簡単に供給(MD)される一方、TDでは、順応性および絞出し性のために十分に低い係数を維持するようになる。
【0136】
重合体フィルムは、従来の処理で作ることができる。たとえば、フィルムは、二軸延伸処理、幅出し処理を使って製造でき、あるいは、ブローフィルムを含んでもよい。
【0137】
ラベルに役立つ収縮フィルムは、単層構造または複層構造であってもよい。収縮フィルムの単層または複層は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ乳酸、共重合体、およびそれらの混合物から選ばれるポリマーから作ることができる。
【0138】
ポリオレフィンは、カーボン二重結合に1つ以上のカーボンを付加した脂肪族炭化水素であるオレフィンのホモポリマーまたは共重合体を含む。オレフィンは、1−ブテンなどのアルファ−オレフィンとして知られる1−アルケンと、2−ブテンなどのカーボンチェーンの非末端炭素原子の上のカーボン二重結合にカーボンがある内部アルケンとを含むアルケンと、シクロヘキセンおよびノルボルナジエンなどのカーボン二重結合に1つ以上のカーボンがある環状オレフィンと、
1,4−ブタジエンおよびイソプレンなどのカーボン二重結合に2つ以上のカーボンがある非環状脂肪族炭化水素である環状ポリエンとを含む。ポリオレフィンは、ポリプロピレンホモポリマなどの単一アルケンモノマーからのアルケンホモポリマと、プロピレンエチレン共重合体およびプロピレン−エチレン−ブタジエン共重合体などの第1にリストされたアルケンが共重合体の主要成分である少なくとも1つのアルケンモノマーおよび1つ以上の添加オレフィンモノマーからのアルケン共重合体と、単一環状オレフィンモノマーからの環状オレフィンホモポリマーと、第1にリストされた環状オレフィンは、共重合体の主要な成分である少なくとも1つの環状オレフィンモノマーおよび1つ以上の添加オレフィンモノマーからの環状オレフィン共重合体と、前述のオレフィンポリマーのうちのいずれかの混合物とを含む。
【0139】
一実施形態では、収縮フィルムは、コア層と少なくとも1枚の皮層とを含む多層フィルムである。皮層は、印刷可能な皮層であるとよい。一実施形態では、多層収縮フィルムは、コア層および2枚の皮層を含み、該多層収縮フィルムでは、少なくとも1枚の皮層で印刷が可能である。多層収縮フィルムは、同時押出し成形フィルムであってもよい。
【0140】
フィルムは、12〜500、または12〜300、または12〜200、または25〜75ミクロンの範囲の厚さであるとよい。フィルムの層の違いは、熱可塑性ポリマー成分、添加剤成分、配向、厚さ、またはそれらの組合せの相違を含むといえる。コア層の厚さは、フィルムの厚さの50〜95%、または60〜95%、または70〜90%であるとよい。皮層の、または2枚の皮層の組合せの厚さは、フィルムの厚さの5〜50%、または5〜40%、または10〜30%であるとよい。
【0141】
フィルムは、印刷適性または接着剤に対する接着力の観点から性能を強化するために、1つの表面または表裏両面をさらに処理されるとよい。この処理には、たとえば、ラッカーなどの表面被覆の塗布、表面にコロナ放電を含むために高エネルギ放電の印加、表面への火炎処理の適用、または前述の処理のうちのいずれかの組合せが、含まれる。本発明の実施形態では、フィルムは、両面とも処理される、別の実施形態では、フィルムは、一方の面は、コロナ放電で処理され、他方の面は、火炎処理される。
【0142】
収縮フィルムの層は、必要に応じて、顔料、充填剤、安定剤、光保護剤、または他の適切な調整剤を含むとよい。フィルムはまた、粘着防止剤、スリップ添加剤、および帯電防止剤を含むとよい。有用な粘着防止剤には、粘土、滑石、炭酸カルシウム、およびガラスなどの無機粒子が含まれる。本発明に有用なスリップ添加物には、ポリシロキサン、ワックス、脂肪アミド、脂肪酸、金属石鹸、および二酸化ケイ素、合成アモルファス二酸化ケイ素、およびポリテトラフルオロエチレン粉などの微粒子が含まれる。本発明に有用な帯電防止剤には、アルカリ金属スルホン酸塩、ポリエーテル変性ポリジオルガノシロキサン、ポリアルキルフェニルシロキサン、および三級アミンが含まれる。
【0143】
一実施形態では、収縮フィルムは、閉じ込められた空気を、ラベルとラベルが接着される物品との間の境界面から解放できるように、微小穿孔される。別の実施形態では、収縮フィルムは、流体が接着剤から、または物品の表面から逃げられるように透過性である。一実施形態では、通気孔または切れ込みが、収縮フィルムに設けられる。
【0144】
本発明は、多種多様なラベル、フィルム、および他の部材の貼付に、処理に、および別の方法でそれらと関連して使用できる。たとえば、本発明は、収縮ラベル、感圧性ラベル、感圧性の収縮ラベル、熱シールラベル、および包装およびラベル技術分野で周知のほとんどあらゆる種類のラベルまたはフィルムとともに使用できる。
【0145】
[接着剤およびラベルの更なる態様]
有用な感圧接着剤(PSA)の説明は、非特許文献2(ポリマー科学および工学の百科事典、第13巻、ワイリーインターサイエンス出版社(ニューヨーク、1988))で見ることができる。有用なPSAのさらなる説明は、非特許文献3(ポリマー科学および技術、第1巻、インターサイエンス出版社(ニューヨーク、1964))で見ることができる。アクリル系PSA、ゴム系PSA、およびシリコーン系PSAを含む従来のPSAは、有用である。PSAは、溶媒系接着剤であっても、または水性系接着剤であってもよい。ホットメルト接着剤を使ってもよい。一実施形態では、PSAは、アクリル乳化接着剤を含む。
【0146】
接着剤および接着剤が貼付されるフィルムの面は、良好な接着剤定着を可能にするために、十分な親和性を有する。一実施形態では、接着剤は、ラベルを、貼付後最高24時間以内にPET容器からきれいに除去できるように選択される。接着剤はまた、接着剤の成分が、フィルム内に移らないようにも選択される。
【0147】
一実施形態では、接着剤は、アクリル系ポリマーから作ることができる。基体に付着する十分な粘着性を有する接着剤層を形成できるあらゆるアクリル系ポリマーが、本発明で機能できると考えられる。特定の実施形態では、感圧性接着剤層のためのアクリルポリマーは、約4〜約12の炭素原子をアルキル基に含む少なくとも1つのアルキルアクリル酸塩モノマーの重合から作られる該アクリルモノマーを含み、上記特許文献2(米国特許第5,264,532号)で開示されたように、約35〜95重量%の量のポリマーまたは共重合体から得られる。任意で、アクリル系感圧接着剤は、単一重合種から作ってもよい。
【0148】
アクリルポリマーを含むPSA層のガラス転移温度は、上記特許文献2(米国特許第5,264,532号)によって教示されるように、共重合体内の極域または「剛直モノマー」の量を調節することによって変えることができる。アクリル共重合体に含まれる剛直モノマーの重量パーセントが大きいほど、ポリマーのガラス転移温度は高い。本発明にとって有用と考えられる剛直モノマーは、約0〜約35重量%のポリマーの範囲の重さによる濃度で、ビニルエステル類、カルボン酸、およびメタクリル酸塩を含む。
【0149】
PSAは、上記特許文献3(米国特許第5,164,444号)(アクリルエマルジョン)、上記特許文献4(米国特許第5,623,011号)(粘着しやすくしたアクリルエマルジョン)、および上記特許文献5(米国特許第6,306,982号)で教示されたPSAなどのアクリル系であるとよい。接着剤はまた、上記特許文献6(米国特許第5,705,551号)(ゴムホットメルト)で教示された接着剤などのゴム系であるとよい。接着剤はまた、上記特許文献7(米国特許第5,232,958号)(UV硬化アクリル)、および上記特許文献7(米国特許第5,232,958号)(EB硬化)で教示された接着剤などの開始剤および他の成分を含む放射線硬化可能混合物を含むこともできる。これらの特許はアクリル接着剤に関係する。これらの特許の開示は、参照により、本明細書に援用される。
【0150】
市販のPSAは、本発明に役立つ。これらの接着剤の例は、ミネソタ州、セントポールのH.B.フラー社から入手可能なHM−1597、HL−2207−X、HL−2115−X、HL−2193−XなどのホットメルトPSAを含む。他の有用な市販のPSAは、オハイオ州、コロンブスのセンチュリーアドヘッシブ社から入手可能なPSAを含む。別の有用なアクリルPSAは、上記特許文献5(米国特許第6,306,982号)の例2であまねく記載されたように、粘着性付与分散粒子を含むエマルジョンポリマー粒子の混合物を含む。ポリマーは、重量平均直径が約0.2ミクロンのラテックス粒径および約60%のジェル含有量をもたらす、上記特許文献3(米国特許第5,164,444号)で記載されたようなアクリル酸2−エチルヘキシル、酢酸ビニル、ジオクチルマレアート、およびアクリルとメタクリル酸コモノマーのエマルジョン重合によって作られる。
【0151】
ホットメルト接着剤の商業例は、ウィスコンシン州、ウォーワトサのアトフィンドリー社で売られているH2187−01である。さらに、上記特許文献8(米国特許第3,239,478号)で記載されたゴム系ブロック共重合体PSAもまた、本発明の接着剤構造で使用できる。この特許は、より完全に以下で記載するそのようなホットメルト接着剤の開示のために、参照することにより、本明細書に援用される。
【0152】
別の実施形態では、感圧接着剤は、ジブロック構造A−−B、トリブロックA−−B−−A、放射または連結構造(A−−B)nによって代表される、線形、枝分かれ、結合、または放射のブロック共重合体を含む有用なゴム系エラストマー材料を含むゴム系エラストマー材料と、これらの化合物とを含む。ただし、Aは、室温では、非ゴム様、ガラス質様、または結晶質様であるが、より高い温度では、流体である硬質熱可塑性相またはブロックを意味し、Bは、稼働温または室温で、ゴム様、またはエラストマー様である柔らかいブロックを意味する。これらの熱可塑性エラストマーは、約75〜約95重量%のゴムのような部分と、約5〜約25重量%の非ゴムのような部分とを含むとよい。
【0153】
非ゴムのような部分または硬いブロックは、単環式および多環式の芳香族炭化水素類のポリマー、より詳細には、事実上単環式または二環式であってもよいビニル置換芳香族炭化水素類を含む。ポリイソプレン、ポリブタジエン、およびスチレンブタジエンゴムなどのゴム様材料は、ゴム様ブロックまたは部分を作るのに使用できる。特に有用なゴムのような部分は、エチレン/ブチレンまたはエチレン/プロピレン共重合体のポリジエンおよび飽和オレフィンゴムを含む。後者の有用なゴムは、水素化処理によるポリブタジエンおよびポリイソプレンなどの対応する不飽和ポリアルキレン部分から得ることができる。
【0154】
ビニル芳香族炭化水素類のブロック共重合体と、使用可能な共役ジエンとは、エラストマー特性を示すそれらのうちのいずれかを含む。ブロック共重合体は、ジブロック、トリブロック、マルチブロック、スターブロック、ポリブロック、またはグラフトブロックの共重合体であるとよい。この明細書を通して、ブロック共重合体の構造特徴に関する用語、ジブロック、トリブロック、マルチブロック、ポリブロック、およびグラフトまたはグラフトブロックは、非特許文献4(ポリマー科学とエンジニアリングの百科事典、第2巻、(1985)ジョンワイリーアンドサンズ社、ニューヨーク、325〜326頁)、および非特許文献5(ジェーイーマクグラースによるブロック共重合体、科学技術、デールジェーマイヤー編、ハーウッドアカデミー出版社、1979、1〜5頁)などの文献で定義された通常の意味が与えられるものとする。
【0155】
そのようなブロック共重合体は、最高約40重量%のビニル芳香族炭化水素を含有するビニル芳香族炭化水素類を含むビニル芳香族炭化水素類にさまざまな比の共役ジエン含むことができる。したがって、線形、放射対称、または放射非対称であり、かつ、式A−−B、A−−B−−A、A−−B−−A−−B、B−−A−−B、(AB)0,1,2...BAなどによって表される構造を有するマルチブロック共重合体は、使用可能である。ただし、Aは、ビニル芳香族炭化水素のポリマーブロックである、あるいは、共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素漸減共重合体ブロックであり、Bは、共役ジエンのゴム状ポリマーブロックである。
【0156】
ブロック共重合体は、モノマーの連続添加、モノマーの漸増添加、またはたとえば、上記特許文献9(米国特許第3,251,905号)、上記特許文献10(米国特許第3,390,207号)、上記特許文献11(米国特許第3,598,887号)、および上記特許文献12(米国特許第4,219,627号)に図示されたような結合技術を含む周知のブロック重合手順または共重合手順のうちのいずれかによって調製できる。周知のように、漸減共重合体ブロックは、共役ジエンの混合物と、ビニル芳香族炭化水素モノマーとを、それらの共重合反応率の違いを使用して共重合することによりマルチブロック共重合体に組み込むことができる。上記特許文献9(米国特許第3,251,905号)、上記特許文献13(米国特許第3,639,521号)、および上記特許文献14(米国特許第4,208,356号)を含むさまざまな特許文献に、漸減共重合体ブロックを含むマルチブロック共重合体の調製が記載されている。
【0157】
ポリマーおよび共重合体を調製するために使用できる共役ジエンは、4〜約10の炭素原子、より一般には、4〜6の炭素原子を含む共役ジエンである。例は、1,3−ブタジエン、2−メチル−1、3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1、3−ブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、その他から含まれる。これらの共役ジエンの混合物もまた使用できる。
【0158】
共重合体を調製するために使用できるビニル芳香族炭化水素類の例は、スチレンおよびさまざまな置換スチレン、たとえば、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−第三−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、アルファ−メチルスチレン、ベータ−メチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、2,3−ジメチルスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、2−クロロ−4−メチルスチレン、その他を含む。
【0159】
共役ジエンおよびビニル芳香族化合物の上記の共重合体の多くは、市販である。水素化処理前のブロック共重合体の数平均分子量は、約20,000〜約500,000、または約40,000〜約300,000である。
【0160】
共重合体内の個々のブロックの平均分子量は、特定限度内で変動する。ほとんどの場合、ビニル芳香族のブロックは、約2000〜約125,000程度、または約4000と60,000との間の数平均分子量を有する。水素化処理の前か後の共役ジエンブロックは、約10,000〜約450,000程度、または約35,000〜150,000程度の数平均分子量を有する。
【0161】
また、水素化処理の前の共役ジエン部のビニル含有量は、一般に、約10%〜約80%、または約25%〜約65%であり、特に変性ブロック共重合体がゴム様の弾力を示すことが望まれる場合には、35%〜55%である。ブロック共重合体のビニル含有量は、核磁気共鳴によって測定できる。
【0162】
ジブロック共重合体の特定の例は、ブタジエンスチレン(SB)、スチレン−イソプレン(SI)、およびそれらの水素化された派生物を含む。トリブロックポリマーの例は、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、アルファ−メチルスチレン−ブタジエン−アルファ−メチルスチレン、およびアルファ−メチルスチレン−イソプレンアルファ−メチルスチレンを含む。本発明の接着剤として有効な市販のブロック共重合体の例は、クラトン商品名の下でクラトンポリマーズ有限責任会社から入手可能なものを含む。
【0163】
1,4と1,2異性体の混合物のゴム様の部分を含むSBS共重合体の水素化処理と同時に、スチレン−エチレン−ブチレンスチレン(SEBS)ブロック共重合体は、得られる。同様に、SISポリマーの水素化処理は、スチレン−エチレンプロピレンスチレン(SEPS)ブロック共重合体を産出する。
【0164】
ブロック共重合体の選択的な水素化処理は、レーニーニッケルのような触媒、プラチナ、パラジウム、その他などの貴金属、および可溶性遷移金属触媒の存在下で、水素化処理を含むさまざまな周知の処理によって実行できる。使用できる好適な水素化処理は、ジエン含有ポリマーまたは共重合体が、シクロヘキサンなどの不活性炭化水素希釈剤で溶かされて、可溶性水素化触媒の存在下で水素との反応によって水素化される水素化処理である。そのような手順は、上記特許文献15(米国特許第3,113,986号)および上記特許文献16(第4,226,952号)に記載されている。ブロック共重合体のそのような水素化処理は、水素化処理前のブロック共重合体の元の不飽和内容の約0.5%から約20%の残留不飽和内容をポリジエンブロック内に有する選択的水素化共重合体を作る程度まで、ある方法で実行される。
【0165】
一実施形態では、ブロック共重合体の共役ジエン部分は、少なくとも90%飽和され、より多くの場合、少なくとも95%飽和される一方、ビニル芳香族部分は、かなり水素化されない。特に有用な水素化ブロック共重合体は、スチレン−(エチレン/プロピレン)−スチレンブロックポリマーなどのスチレン−イソプレン−スチレンのブロック共重合体の水素化生成物である。ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体が水素化されるとき、ポリマーの1,2−ポリブタジエン対1,4−ポリブタジエンの比は、約30:70〜約70:30であることが望ましい。そのようなブロック共重合体が水素化されるとき、結果として生じる生成物は、エチレンおよび1−ブテン(EB)の規則性共重合体ブロックに類似している。上記したように、共役ジエンが、イソプレンとして使用されたとき、結果として生じる水素化生成物は、エチレンおよびプロピレン(EP)の規則性共重合体ブロックに類似している。
【0166】
いくつかの選択的水素化ブロック共重合体は、一般商標名称「クラトンG.」の下で、クラトンポリマーズ社から市販されている。一例は、約30重量%のスチレンエンドブロックを含む水素化SBSトリブロックと、エチレンおよび1−ブテン(EB)の共重合体であるミッドブロックとであるクラトンG1652である。G1652の低分子量バージョンは、クラトンG1650の名称の下で利用可能である。クラトンG1651は、約33重量%のスチレンを含む別のSEBSブロック共重合体である。クラトンG1657は、約13重量%のスチレンを含むSEBSジブロック共重合体である。このスチレン含有量は、クラトンG1650およびクラトンG1652のスチレン含有量より低い。
【0167】
別の実施形態では、選択的水素化ブロック共重合体を、次式に示す。すなわち、Bn(AB)oAp、ただし、n=0または1である。oは、1〜100である。pは、0または1である。水素化処理前の各Bは、主に、約20,000〜約450,000の数平均分子量を有する重合共役ジエン炭化水素ブロックである。各Aは、主に、約2000〜約115,000の数平均分子量を有する重合ビニル芳香族炭化水素ブロックである。Aのブロックは、共重合体の約5%〜約95重量%を構成している。ブロックBの不飽和は、元の不飽和の約10%未満である。別の実施形態では、ブロックBの不飽和は、水素化処理と同時に、その元の値の5%未満に減らされ、水素化ブロック共重合体の平均的不飽和は、その元の値の20%未満に減らされる。
【0168】
ブロック共重合体はまた、前述のように、アルファ、ベータオレフィン性不飽和モノカルボン酸またはジカルボン酸試薬をビニル芳香族炭化水素類および共役ジエンの選択的水素化ブロック共重合体に反応させることによって得ることができるような官能化重合体を含むことができる。グラフトブロック共重合体中のカルボン酸試薬の反応は、遊離基開始剤の存在の下で、溶液中でまたは溶融処理によって引き起こせる。
【0169】
カルボン酸試薬でグラフト化された共役ジエンおよびビニル芳香族炭化水素類のさまざまな選択的水素化ブロック共重合体の調製は、上記特許文献17(米国特許第4,578,429号)、上記特許文献18(米国特許第4,657,970号)、および上記特許文献19(米国特許第4,795,782号)など多数の特許文献に記載されている。これらの特許の開示は、共役ジエンおよびビニル芳香族化合物のグラフト化選択的水素化ブロック共重合体、およびそのような化合物の調製に関する。上記特許文献19(米国特許第4,795,782号)は、溶解処理および溶融処理によるグラフト化ブロック共重合体の調製を記載して例示している。上記特許文献17(米国特許第4,578,429号)は、二軸押出機内の溶融反応による2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペロキシ)ヘキサンを含む無水マレイン酸を含むクラトンG1652(SEBS)ポリマーのグラフトの例を含む。
【0170】
スチレンおよびブタジエンの市販のマレイン化された選択的水素化共重合体の例は、多くの場合、マレイン化された選択的水素化SEBS共重合体と呼ばれるクラトンFG1901X、FG1921X、およびFG1924Xを含む。FG1901Xは、無水コハク酸として結合官能性を約1.7重量%、および約28重量%のスチレンを含む。FG1921Xは、無水コハク酸として結合官能性を約1重量%、および約29重量%のスチレンを含む。FG1924Xは、約13%のスチレン、および無水コハク酸としての約1%の結合官能性を含む。
【0171】
有用なブロック共重合体はまた、日本国、東京都、千代田区、丸の内2−1、日本ゼオン社からも入手可能である。たとえば、クインタック3530は、日本ゼオン社から入手可能で、線形スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体であると考えられている。
【0172】
本質的に粘着性がない不飽和エラストマーポリマー、他のポリマー、および共重合体は、外用粘着付与剤と混合すると、粘着性を与えることができる。粘着付与剤は、通常、炭化水素樹脂、木材樹脂、松脂、松脂誘導体、その他同種類のものである。それらは、総粘着性の組成物の約40重量%〜約90重量%、または約45重量%〜約85重量%の範囲にわたる濃度で存在するとき、感圧接着剤特性をエラストマーポリマー接着剤調合物に与える。約40重量%未満の粘着付与添加物を含む配合物は、通常、十分な「急速貼付力」または初期粘着力を示さず、感圧接着剤として機能し、したがって、本質的に粘着性がない。他方、粘着性添加物の高過ぎる濃度を有する配合物は、一般に、粘着力が小さ過ぎるため、緊急の発明によって作られる構造の大部分の意図された使用法で適切な働きを示さない。
【0173】
エラストマーポリマー組成物と互換性を持つ、当業者には周知のあらゆる粘着付与剤が、本発明の実施形態で使用可能であると考えられる。有用性が見られるそのような粘着付与剤の1つは、ウィングタック10、合成ポリテルペン樹脂であり、これは、室温では液体であり、オハイオ州、アクロンのグッドイヤータイヤアンドラバー社によって販売されている。ウィングタック95もまた、主に、ピペリレンおよびイソプレンから誘導されるポリマーを含む、グッドイヤー社から入手可能な合成粘着付与剤樹脂である。他の適切な粘着性付与添加物は、エスコレッツ1310、脂肪族炭化水素樹脂、およびエコレッツ2596、C〜C(芳香族変性脂肪族)樹脂であり、両方ともテキサス州、アーヴィングのエクソンによって製造されている。もちろん、当業者には明白であるが、さまざまな異なる粘着性付与添加物は、本発明を実施するために使用できる。
【0174】
粘着性付与剤に加えて、他の添加物を、望ましい特性を与えるために、PSAに含めることができる。たとえば、可塑剤を含めることができる。それらは、エラストマーポリマーを含む粘着性組成物のガラス転移温度を低下させることが知られている。有用な可塑剤の例は、テキサス州のシェルルーブリカント社から入手可能なシェルフレックス371、ナフテン処理油である。酸化防止剤も、粘着性の組成物に含むことができる。適切な酸化防止剤は、ニューヨーク州、ホーソンのチバ‐ガイギー社から入手可能なイルガフォス168およびイルガノックス565を含む。ワックスおよび界面活性剤などのカッティング剤も、接着剤に含めてもよい。
【0175】
感圧接着剤は、溶媒、エマルジョン、または懸垂液から、あるいは、ホットメルトとして塗布してもよい。接着剤は、どのような既知の方法によってでも収縮フィルムの内側表面に塗布できる。たとえば、接着剤は、金型コーティング、カーテンコーティング、噴霧、浸漬、回転、グラビアまたはフレキソ印刷技術によって塗布できる。接着剤は、連続層、不連続層、またはパターンで収縮フィルムに塗布できる。パターン塗布された接着剤層は、実質的に、フィルムの内側表面全体を覆う。本明細書で使われるように、「実質的に覆う」は、フィルム面を連続的に覆うパターンを意味すると解釈され、フィルムの先端部または後端部に沿った細片、またはフィルム上の点溶接としてのみ塗布された接着剤を含むとは解釈されない。
【0176】
一実施形態では、粘着性の防音材は、ラベルをより容易に複合形状物品に貼付できるように、接着剤層の部分に塗布される。一実施形態では、インクドットまたはマイクロビーズなどの非接着材は、ラベルが貼付され、接着剤層が物品の表面を滑ること、およびラベルと物品との間の境界面に閉じ込められた空気が逃げることの両方または一方ができるように、接着剤面の少なくとも一部に塗布される。
【0177】
接着剤の単一層が使われてもよく、複数の接着剤層が使われてもよい。使用される収縮フィルムおよびラベルが貼付されるべき物品または容器によって、十分な粘着性、剥離強度、およびせん断強度のために、収縮フィルムに隣接する第1の接着剤層と、物品または容器に貼付されるべき表面に異なる組成物を有する第2の接着剤層とを使うことは望ましい。
【0178】
一実施形態では、感圧接着剤は、物品にラベルを配置した後、熱の働きで物品に貼付されたラベルの過度の収縮戻りを防止するための十分なせん断強度または結合強度と、ラベルから剥離するフィルムが物品から持ち上がるのを防ぐための十分な剥離強度と、ラベル貼付動作中、ラベルを物品に適切に取り付けることができるための十分な粘着性または接着力とを有する。一実施形態では、熱を加えると、収縮フィルムが縮むにつれて、接着剤がラベルとともに動く。別の実施形態では、収縮フィルムが縮むにつれて、ラベルが動かないように、接着剤が、ラベルを所定位置に保持する。
【0179】
熱収縮性フィルムは、単層または多層熱収縮性重合体フィルムに加えて他の層を含んでもよい。一実施形態では、薄い金属フィルムの金属化コーティングは、重合体フィルムの表面に置かれる。熱収縮性フィルムはまた、ポリマーフィルム上に印刷層を含んでもよい。印刷層は、熱収縮性層と接着剤層との間に配置されてもよい、あるいは、印刷層は、収縮層の外面上にあってもよい。一実施形態では、フィルムは、デザイン、イメージ、またはテキストとともに反転印刷され、皮層の印刷面は、フィルムが貼付される容器と直接接触するようになる。この実施形態では、フィルムは透明である。
【0180】
本発明のラベルはまた、重合収縮層、または、存在する場合、金属層の印刷適性を強化するインク受容組成物の層を含み、したがって、印刷層の品質も得られる。さまざまなそのような組成物は、技術分野では周知であり、これらの組成物は、結合剤と、二酸化ケイ素または滑石などの顔料を結合剤に分散させたものとを主に含む。顔料が存在すると、若干のインクの乾燥時間が減少する。そのようなインク受容組成物は、上記特許文献20(米国特許第6,153,288号)に記載されている。
【0181】
印刷層は、インクまたはグラフィックス層であってもよい。印刷層は、印刷されるメッセージおよび意図される絵のデザインの両方または一方によって、単色または多色印刷層であってよい。これらは、シリアル番号、バーコード、商標、などの可変刻印データを含む。印刷層の厚さは、一般的に、約0.5〜約10ミクロンの範囲内であり、一実施形態では、約1〜約5ミクロンであり、別の実施形態では、約3ミクロンである。印刷層で使われるインクは、市販の水性、溶剤性または放射硬化性のインクを含む。これらのインクの例は、サンシーン(アルコール希釈性ポリアミドインクと特定されるサンケミカル社の製品)、サンテックスMP(表面印刷アクリル被覆基体、PVDC被覆基体、およびポリオレフィンフィルム用に開発された溶剤性インクと特定されるサンケミカル社の製品)、X−セル(フィルム基体を印刷するための水性フィルムインクと特定されるウォーターインクテクノロジー社の製品)、ユビリスAR−109ルビンレッド(UVインクと特定されるダウインク社の製品)、およびCLA91598F(マルチボンドブラック溶剤性インクと特定されるサンケミカル社の製品)を含む。
【0182】
一実施形態では、印刷層は、ポリエステル/ビニルインク、ポリアミドインク、アクリルインク、およびポリエステルインクのすべてまたはいずれかを含む。印刷層は、従来の方法で、たとえば、グラビア、フレキソ印刷またはUVフレキソ印刷またはその種の他のもの、上述タイプの樹脂を含むインク組成物、好適な顔料または染料、およびフィルムの1つ以上の望ましい領域に1つ以上の好適な揮発性の溶媒によって形成できる。インク組成物の塗布の後、インク組成物蒸発堆積物(単数または複数)の揮発性溶媒成分(単数または複数)が、印刷層を形成するために、不揮発性インク成分のみを残す。
【0183】
ポリマー収縮フィルムまたは金属層、存在する場合、の表面へのインクの付着は、当業者には周知の技術によって、必要に応じて、改善できる。たとえば、上記のように、インク下塗り剤または他のインク粘着力促進剤を、インクの塗布前に、金属層または重合体フィルム層に塗布するとよい。あるいは、重合体フィルム層へのインクの粘着力を向上させるために、重合体フィルムの表面をコロナ処理または火炎処理するとよい。
【0184】
有用なインク下塗り剤は、透明または不透明であり、下塗り剤は、溶剤性または水性であるとよい。一実施形態では、下塗り剤は、放射硬化性(UVなど)である。インク下塗り剤は、ラッカーおよび希釈剤を含んでもよい。ラッカーは、1つ以上のポリオレフィン、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリエステル共重合体、ポリウレタン、ポリスルホン、塩化ポリビニリデン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレンアクリロニトリル共重合体、ナトリウムまたは亜鉛塩またはエチレンメタクリル酸に基づくイオノマー、ポリメタクリル酸メチル、アクリルポリマーおよび共重合体、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、およびこれらのうちの2つ以上の混合物で構成できる。使用できる希釈剤の例は、エタノール、イソプロパノール、およびブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、プロピルアセテート、および酢酸ブチルなどのエステル類、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類、アセトンおよびメチルエチルケトンなどのケトン類、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、およびそれらの混合物を含む。ラッカーと希釈剤との比は、インク下塗り剤の塗布のために必要とされる粘性に依存している。そのような粘性の選択は、当業者の技術の範囲内である。インク下塗り剤は、約1〜約4ミクロン、または約1.5〜約3ミクロンの厚さを有するとよい。
【0185】
透明なポリマー保護仕上げ塗り、または上塗り層は、本発明によって貼付されるラベルに存在できる。保護仕上げ塗りまたは上塗り層は、ラベルが容器などの基体に添付される前後に、ラベルに望ましい特性を与える。印刷層を覆う透明な仕上げ塗り層が存在すると、いくつかの実施形態では、静電気防止特性、剛直性、および耐候性のすべてまたはいずれかなどのさらなる特性を備えることができる。上塗り層は、印刷層を、たとえば、天候、太陽、摩滅、湿気、水などから保護できる。透明な上塗り層は、下にある印刷層の特性を強化して、より光沢があってより豊かな画像を実現できる。保護透明な保護層はまた、耐摩滅性、耐放射線性(UVなど)、耐化学薬品性、耐熱性を有するように設計され、それによって、そのような原因からの劣化からラベル、特に印刷層を保護できる。保護上塗り層も、帯電防止剤または粘着防止剤を含み、ラベルが高速で容器に貼付されているとき、取り扱いを容易にできる。保護層は、当業者に周知の技術によって、印刷層に塗布できる。ポリマーフィルムは、溶媒から堆積させる、予め形成された(印刷層に積層された)フィルムとして貼付される、などで形成できる。
【0186】
透明な仕上げ塗りまたは上塗り層が存在するとき、それは、単層または多層構造を有してよい。保護層の厚さは、通常、約12.5〜約125ミクロンであり、一実施形態では、約25〜約75ミクロンの範囲である。上塗り層の例は、上記特許文献21(米国特許第6,106,982号)に記載されている。
【0187】
保護層は、ポリオレフィン、エチレンとプロピレンの熱可塑性ポリマー、ポリエステル類、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリメタクリル、エポキシ、酢酸ビニルホモポリマー、共重合体または三元共重合体、イオノマー、およびそれらの混合物を含むことができる。
【0188】
透明な保護層は、紫外線吸収剤および他の光安定剤の両方または一方を含むことができる。紫外線吸収剤の中でも、「チヌビン」の商品名で、チバスペシャルティケミカル社から入手可能なヒンダードアミン吸収剤は有効である。使用できる光安定剤は、チバスペシャルティケミカル社から入手可能なヒンダードアミン光安定剤を含み、商品名は、チヌビン111、チヌビン123、(ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバシン酸塩)、チヌビン622(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールによるジメチルコハク酸ポリマー)、チヌビン770(ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−セバシン酸塩)、およびチヌビン783である。さらなる光安定剤は、チバスペシャルティケミカル社から入手可能なヒンダードアミン光安定剤を含み、商品名は、「チマソーブ」、特に、チマソーブ119およびチマソーブ944である。紫外線吸収剤および光安定剤の両方または一方の濃度は、最高約2.5重量%であり、一実施形態では、約0.05%〜約1重量%の範囲である。
【0189】
透明な保護層は、酸化防止剤を含むとよい。熱可塑性フィルムを作る際に有用なあらゆる酸化防止剤を使うことができる。これらは、ヒンダードフェノール類および有機亜リン酸塩を含む。例は、チバスペシャルティケミカル社から入手可能なものを含み、商品名は、イルガノックス1010、イルガノックス1076、またはイルガフォス168である。熱可塑性フィルム組成物の酸化防止剤の濃度は、最高約2.5重量%であり、一実施形態では、約0.05%〜約1重量%の範囲である。
【0190】
剥離ライナーは、ラベルを基体に貼付する前の輸送、保管、および取り扱い中に、接着剤層を保護するために、接着剤層に付着させるとよい。ライナーによって、ラベルがダイカットされて、マトリックスがフェイスストック材料の層から剥離された後、個々のラベルが順番にラベル貼付ライン上に供給される地点まで、多数の個々のラベルの効果的な取扱いが可能になる。剥離ライナーは、エンボス加工された表面と、ライナーの表面に塗布されるマイクロビーズまたは印刷されたインクドットなどの非接着材との両方または一方を有することができる。
【0191】
[柔軟な部材を使用するラベル貼付処理]
本発明は、ラベルを選択的かつ並行して加熱、収縮して、対象表面、望ましくは、容器の複合曲面に貼付する独特の処理を提供する。好ましい実施形態の柔軟な部材は、柔軟な部材と、ラベルを受け入れるために対象表面との間に位置するラベルと接触している。柔軟な部材のドーム型表面は、ラベルおよび柔軟な部材が、適切に整列配置されている限り、ラベルの中央領域で最初に生じるラベルと柔軟な部材との間のこの接触を促進する。柔軟な部材は、対象表面と接触しているラベルに接して押し付けられる。より詳細に本明細書で説明するように、好ましい方法では、ラベルと柔軟な部材との接触の前に、ラベルは、ラベルの少なくとも中心部またはラベルの領域に沿って部分的に対象表面に接触され付着されている。柔軟な部材がラベルに接して押し付けられるにつれて、さらなる接触が、柔軟な部材とラベルとの間で引き起こされ、その結果として、ラベルと対象表面との間の接触領域が増加する。(i)柔軟な部材とラベル、(ii)ラベルと対象表面との間の接触領域は、ラベル貼付の過程の間増加し、一般に、ラベルの中央部分と柔軟な部材のドーム型表面が最初に接触するラベルの場所との両方または一方から外方に向けて増加する。柔軟な部材がさらにラベルに接して押し付けられるにつれて、柔軟な部材のより広い面積がラベルに接触する。より詳細な本明細書の記載で、自明となるように、柔軟な部材は、ラベルが貼付される容器面の形状に変形されてその形状になる。その結果、ラベルは、容器の上にぴったりと貼付される。接触の増加、すなわち、中央位置から外方に漸進的に生じる方法を伴うこの特徴は、欠陥のないラベル貼付を可能にする重大な要因であると考えられる。
【0192】
さらに、本発明の別の態様によれば、この手法は、加熱された柔軟な部材を使用して実行される。この手法によって、ラベルを漸進的に外方へ貼付する間、並行して加熱することが可能になる。ラベルが感圧性の熱収縮性ラベルなどの熱収縮性材料を含む用途の場合、方法は、望ましくは、ラベルの領域を受け入れて接触しようとしている表面の領域とラベルの領域とが対応するように、曲面と接触して貼付される直前までに、ラベルがある程度加熱、収縮されるように、実行される。ラベルと対象表面との境界面に沿って閉じ込められた空気はすべて、柔軟な部材による漸進的な外方への接触によって、ラベル縁端部に向けて外方へ押しやられる。この処理は、ラベルの外側縁端部が対象表面に接触され付着されるまで続けられる。
【0193】
容器へのラベル貼付の間、柔軟な部材は、ラベルと容器とに対抗して接触している。柔軟な部材がラベルに与える力の量は、本明細書では、ラベル接触力と称する。通常、その力の量は、ラベル、容器、および接着剤の特性に依存する。しかし、一般的に、好ましくは、ラベル接触圧力は、少なくとも、約690N/m〜約6900N/mである。しかし、自明となるように、本発明は、これらの量より大きいまたは小さいラベル貼付力の使用を含む。
【0194】
本発明によれば、ラベルは、「中央から外方へ」の手法を使用して貼付される。このように、柔軟な部材とラベルとの間の接触も、中央から外方への処理で行われる。「中央から外方へ」という用語は、ラベルの領域または部分が貼付または接触される順番または順序を意味する。最初に、ラベルの1つ以上の中央領域が接触される。次に、その接触が維持されながら、ラベルの中央または中央領域から外方に位置するラベルの1つ以上のさらなる領域が、接触される。この処理は、中央領域から外方に位置するラベル領域が接触および付着した後、その接触は維持されて、前述の領域からさらに外方に位置するラベルの1つ以上のさらなる領域が、次に接触されるように続けられる。この処理は、ラベルの縁端領域が容器に接触され、付着されるまで続けられる。この技術の使用により、確実に、または少なくとも著しく、ラベルの下、またはラベルと容器との間に閉じ込められる気泡の発生は減少する。
【0195】
本発明は、広範囲にわたる周期の採用を含む。たとえば、大量生産の環境では、柔軟な部材とラベル/容器とが互いに向かい合って移動され、接触し、ラベルが容器に付着され、および柔軟な部材とラベル/容器とが次に互いから遠くへ移動される1周期のための総周期時間は、約0.5〜約2.0秒であるが、さらに、約0.9秒が好ましい。本発明は、これらの値より大きいまたは小さい周期時間を含む。
【0196】
使用できる特に好ましい1つの処理態様を、本明細書では、「二重打ち」動作と称する。特定のラベル貼付動作の場合、容器のまわりに横に延在する、または少なくとも部分的にそうであるラベルを貼付することが望まれる。たとえば、対になったラベルの各々が容器周辺のまわりで180°の巻き付けを展開、または該巻き付けに取り組む場合、柔軟な部材と各ラベルの外側周辺領域との間の接触を実現することは、難しい場合が多い。二重打ち手法の使用によって、第1の柔軟な部材と一方の容器面のそのラベルとの間で、および第2の柔軟な部材と他方の容器面のその対応するラベルとの間でより大きな接触を起こすことができる。二重打ち動作は、一方の柔軟な部材の特定のストローク遅れおよびストローク長の両方または一方の組合せに対する、対向する柔軟な部材の特定のストローク遅れおよびストローク長の両方または一方の組合せを使う。
【0197】
通常、容器の対向する面に沿ってラベルを貼付するためのこの特定の手法では、本明細書に記載したように、柔軟な部材を有する第1のラベル処理装置は、容器の方へ第1のストローク距離の分だけ部材をずらすまたは移動させることによって、容器の第1の面のラベルに漸進的に接触する。柔軟な部材を有し、概ね、容器の反対側に沿って配置された第2のラベル処理装置はまた、望ましくは、並行して、容器の第2の面のラベルに接触する。第2の面は、概ね、第1の面の反対側にある。第2のラベル処理装置の柔軟な部材は、容器の方へ第2のストローク距離の分だけ部材をずらすまたは移動させることによって、第2のラベルに漸進的に接触する。第1および第2のストローク長は、互いに異なることが好ましい。本説明の場合、第1のストローク長は、第2のストローク長より長い。第1および第2の柔軟な部材からの漸進的な接触の後、部材は、容器との接触から後退する。次に、第2のラベル処理装置のストローク長が、第1のラベル処理装置のストローク長より長いことを除けば、処理は繰り返される。好ましくは、「二重打ち」動作のこの第2の部分の第2のラベル処理装置のストローク長は、動作の第1の部分の第1のラベル処理装置のストローク長に等しい。
【0198】
より詳しくは、好ましい二重打ち動作において、容器の一方の側の第1の柔軟な部材は、容器の方へ、概ね、容器が置かれる搬送装置の方向に対して横方向に移動する。第1の柔軟な部材の動きと並行して、容器の反対側の第2の柔軟な部材も、容器の方へ、しかも横方向に移動する。しかし、第1の柔軟な部材のストロークまたは移動距離は、反対側の第2の柔軟な部材のストロークまたは距離より長い。これでより長いストロークの間動いている第1の柔軟な部材は、容器と第1のラベルのまわりでより完全に巻き付けができる。それは、第2の部材が、容器の外側領域の傍らで第1の柔軟な部材の巻き付けを妨害または邪魔をしないからである。次に、第1の柔軟な部材の完了または完全ストロークの際に、両方の柔軟な部材は後退する。次に、後退の際、第1および第2の柔軟な部材は、次に、容器の方へ再び置かれる。しかし、第2の柔軟な部材は、容器と第2のラベルに対して完全に延在して押し付けられる一方、第1の柔軟な部材はより短いストロークを移動する。第2のラベルと第2の柔軟な部材との間の接触が完了すると、第1および第2の柔軟な部材は、後退する。
【0199】
図1は、湾曲した外面、特に1つ以上の複合曲面を含む1つ以上の領域を有する代表的な容器10を例示する。容器10は、少なくとも1つの複合湾曲領域16を含む外面12を画定する。複合湾曲領域16は、通常、容器10の隣接する面が互いに交差または隣接する場所内で、または、その場所に沿って延在する。通常、1つ以上の平坦または実質的に平坦な領域14も、容器10の外面12内に含まれる。当然、容器は、球状容器の場合のように平坦な領域がほぼ、または全く含まれない場合もある。
【0200】
図2および図3は、容器10の外面12、および複合湾曲領域16の少なくとも一部に貼付されたラベル20を有する図1に示した代表的な容器10を例示する。ラベル20は、通常、ラベル20の中央領域22と外側周辺部の周りに延在する外側縁端部26とを画定する。また、ラベルの中央領域22と縁端部26との間に延在する1つ以上の外側周辺の領域(単数または複数)24をも画定する。図2は、ラベルにダーツや他の欠陥のないラベル20の好ましい貼付を例示する。図3は、ラベルを容器の複合湾曲領域に貼付した後、通常発生する好ましくない結果を例示する。図3に示した好ましくない貼付状態のラベルを、20'として示す。ラベル20'は、1つ以上のダーツ、しわなどの欠陥によって概ね特徴づけられ、まとめて21として示す。ダーツ21は、通常、容器10の複合湾曲領域16の上に横たわるラベルの領域に発生する。ダーツ21および他の欠陥の両方または一方は、通常はラベル20の外側領域(単数または複数)24内に存在する。当然、図2で示すような容器10および貼付されたラベル20は望ましい。図3に示す多数のダーツ21などの欠陥を含むラベル20'の状態は望ましくない。
【0201】
図4〜図6は、本発明による好ましい実施形態の柔軟な部材30を概略的に例示する。柔軟な部材30は、好ましくは、ベース32、ドーム型領域36、およびベース32とドーム型領域36との間に延在する1つ以上の側壁34を含む。部材30は、外側表面46および内側表面48を画定する。内側表面48は、柔軟な部材30内の内側中空領域を画定する。内側中空領域は、柔軟な部材の後部から接触可能であり、より詳細に本明細書に記載する。柔軟な部材30は、さまざまな領域の観点からも記載できる。ドーム型の領域36は、望ましくは、外方に隆起したまたは凸面の輪郭を示して、最遠位の場所40、つまり、ベース32またはベース32が延在する平面内から最も遠い柔軟な部材30の外側表面46に沿った位置を画定する。最遠位の場所40は、ドーム型領域36に沿って画定される中央領域38、望ましくは、ドーム型領域36の中間または中央内にある。ドーム型領域36の中央領域38と側壁34との間に延在するのは、ドーム型領域36の1つ以上の外側領域(単数または複数)42である。言うまでもなく、本発明は、さまざまな形状および構造を有する多種多様な柔軟な部材を含む。好ましい態様では、柔軟な部材の多くは、丸形または弓形の縁端部および角を採用する。
【0202】
図7〜図10は、フレーム50および筐体90によって保持され、支持され、および載置された、前述の柔軟な部材30の好ましいアセンブリを例示する。図7は、実質的に柔軟な部材30の後方に配置された通気板80を明示するために、部分的に組み立てられただけのアセンブリを例示する。図7に概略的に示すように、フレーム50は、後方に向けられた第1の面52と、反対側に向けられた、すなわち、前方に向けられた第2の面54と、フレーム50の外側円周の周りおよび面52と面54との間に延在する外側縁端部56と、内側縁端部58とを画定する。内側縁端部58は、好ましくは、柔軟な部材30を受け入れるために所定の寸法に形成された開口部60を画定する。図示した実施形態では、開口部60は、丸形または弓形の角を有する長方形である。この形は、柔軟な部材30の側壁34の形状に対応する。明らかなように、本発明は、開口部60について、ほぼすべての形状を含む。好ましくは、フレーム50は、平坦または比較的平面である。柔軟な部材30は、フレーム50で画定される開口部60を通って挿入される。好ましくは、柔軟な部材30のベース32(図7では不図示)は、フレーム50の第1の面52に接触し、直接隣接して配置される。および、柔軟な部材30の側壁34およびドーム型領域36は、開口部60を通って、フレーム50の第2の面54を越えて外方に延在する。
【0203】
図7はまた、好ましくは、フレーム50とともに設けられた1つ以上のガイド62をも示す。1つ以上のガイド62は、好ましくは、フレーム50に付けられ、またはフレームとともに形成されて、好ましくは、フレーム50の第2の面54から突出している。ガイド62は、遠位の端部64、内壁66(図8参照)、および反対方向に向いている外壁68を概ね画定する。特定の用途では、ガイド62は、好ましくは、フレーム50内に画定された開口部60に近接して配置される。図7〜図8に描かれた実施形態では、たとえば、フレーム50内に画定された開口部60の両側に沿って配置された2つのガイド62が採用される。しかし、言うまでもないが、多数の他の用途では、ガイドは、どこか他の場所に配置されてもよい。たとえば、ガイドは、柔軟な部材の固有の形状または既定の形状以外の形状に柔軟な部材を変形させるように配置してもよい。ガイド62は、好ましくは、互いに平行に、かつ、半長方形形状の開口部60の縦軸線に平行に配向される。図7はまた、ガイド62が、フレーム50の第2の面54から等距離延在し、柔軟な部材30が第2の面54から延在する距離の約10%〜約100%延在してもよいことを示す。多くの用途では、好ましくは、ガイド62は、フレームの第2の面54から測定した距離、つまり、第2の面54と柔軟な部材30の最遠位の場所40との間で測定された距離の約25%〜約75%の距離に延在する。
【0204】
図7〜図10をさらに参照する。アセンブリは筐体90も含む。好ましくは、筐体90は、さまざまな部品を載置して保持するためのハウジングなどの構造物である。通常、筐体90は、1つ以上の壁92および1つの後部壁94を含む。壁92は、天壁、底壁、および対向側壁を含むことができる。1つ以上の導管96および載置設備98を、好ましくは、筐体の後部に沿って設けることができる。これらの態様は、より詳細に図9および図10とともに記載する。
【0205】
前述のように、図7はまた、好ましいアセンブリで使われる通気板80を例示する。通気板80は、柔軟な部材30の内側中空領域を空気などの流体を出入りさせるために、プレート80を貫通して延在する図8に示したような1つ以上の通気路82を画定する。図7に示すように、通気板80は、好ましくは、フレーム50と筐体90との間に配置される。
【0206】
図8は、柔軟な部材30を破線で示し、それによって、柔軟な部材30の内側を明らかにした状態で、完全に組み立てられた図7のアセンブリを示す。前述のように、熱源を柔軟な部材30の内部に設けることは好ましい。したがって、アセンブリ100は、柔軟な部材30の内側中空領域の内部に好ましくは配置された加熱器100を含む。前記のように、加熱器は、多くの異なる形を採用できる。本実施形態の場合、加熱器100は、480ボルト600ワットの加熱器などの電気式抵抗加熱器である。反射器102などの保護シールドを備えるのが望ましい。反射器102は、望ましくは、加熱器100と柔軟な部材30の側壁34(不図示)との間に延在する。反射器102は、加熱器100からの放射熱エネルギを柔軟な部材30の隣接する側壁34から遠くへ反射するために、反射面を含めてもよい。加熱および温度状況に関する情報を得るために、1つ以上の温度センサ104を、柔軟な部材30の内側に配置することができる。図8はまた、通気板80の一部および通気板80内に画定された通気路82を例示する。
【0207】
図8はまた、筐体90の中、ガイド62の中、あるいは両方、などの部品の中に設けることができる1つ以上の任意の開口部91を例示する。筐体90の内側から柔軟な部材30の外面に沿って1つ以上の外部領域へ空気を循環させることができる開口部91を設けてもよい。任意の開口部91は、筐体90を出て柔軟な部材30の方へ向かうまたは少なくともその傍らにある比較的熱い空気によって、柔軟な部材の外側表面の加熱を促進する役割を果たすことができる。
【0208】
図9および図10は、柔軟な部材30、フレーム50、および筐体90の好ましいアセンブリのさらなる部品および設備を例示する。1つ以上の導管96は、望ましくは、筐体90の後部壁94から延在して、空気などの流体を柔軟な部材30の内側に誘導する役割を果たす。空気は通常加圧され、導管96で画定される入口95に誘導される。導管96の中を流れている空気は、通気路82を通って柔軟な部材30の内側中空領域に入る。
【0209】
インラインなど導管96に流れ連絡する予熱器110を備えることができる。加熱器110は、柔軟な部材30内に配置された加熱器100に負担がかかる加熱負荷を少なくするために、導管96に入る空気などの流体を加熱するのに役立つ。明らかなように、予熱器110には、導管と一体化している部分または導管の一部を含めてもよい。多種多様な加熱器および手法が、予熱器110のために使えるが、好ましい加熱器は、ニューハンプシャー州、エクセターのシルバニア社から入手可能な170ボルト、1,600ワットの加熱器などの電気式抵抗加熱器である。
【0210】
図9および図10をさらに参照する。筐体上に、たとえば筐体90の後部壁94に沿うような1つ以上の載置設備98を備えることも望ましい。載置設備98は、柔軟な部材30を含む筐体90の1つ以上の支持部材への簡便かつ確実な固定を可能にする。
【0211】
図10は、図9の線AAで切った柔軟な部材30、フレーム50、筐体90、および導管96の断面図である。図10は、1つ以上の通気路82を通って柔軟な部材30の中空内部に対して空気の出入りを管理するための、加熱器100および110と、導管96との好ましい構成を例示する。言うまでもなく、単一の通気路82を、柔軟な部材30の内部と導管96との間の連通を実現するために使用してもよい。このように、柔軟な部材30に入る空気は、導管96の中を通り、通気路82の中を通って進む。本発明はまた、空気が、導管96および通気路82を通って柔軟な部材30に入り、通気板80および筐体90の両方または一方に設けられた1つ以上の別の通気路(図10では明確に区別されていない)を通って柔軟な部材を出る気流構造を含む。
【0212】
図11および図12は、別の好ましい実施形態のフレーム150を例示する。図11は、柔軟な部材30と関連して組み立てられたフレーム150を示し、図12は、フレーム150自体を例示する。フレーム150は、第1の面152、第2の対向する面154、外側縁端部156、および内側縁端部158を画定する。内側縁端部158は、柔軟な部材30を係合して受け入れるために所定の寸法に形成された開口部160を画定する。フレーム150は、フレーム150の第2の面154から延在する2つのガイド162を含む。各ガイド162は、遠位の端部164、内壁166、および対向する外壁168を画定する。第2のガイド170または翼状の部材が、望ましくは、各ガイド162の遠位の領域に沿って配置される。第2のガイド170は、望ましくは、対応するガイド162に対して若干の傾斜をもって延在する。各第2のガイド170は、内側縁端部172および反対側の外側縁端部174を画定する。各第2のガイド170は、望ましくは、対応するガイド162に取外し可能に第2のガイド170の位置を選択的に変更できるように固定される。各第2のガイド170は、好ましくは、調節可能な添付アセンブリ176の使用によって、対応するガイド162に対して選択的に位置付けできる。添付アセンブリ176は、対応するガイド162の遠位の部分への第2のガイド170の確実な取り付けを実現し、最も好ましくは、第2のガイド170の相対的な位置を変更可能にする。例示のように第2のガイドのスロットを通って延在するねじ付き固定具が使用できる。第2のガイド170は、さらに柔軟な部材30の変形のために物理的な制限を設けるために役立つ。図11は、変形した状態の柔軟な部材30を例示する。部材30の側壁34は、柔軟な部材30の側壁34によって更なる外方への変形を制限するために、第2のガイド170の内側縁端部172に接触している。
【0213】
図13〜図18は、本発明による柔軟な部材30を使用して、容器、特に、1つ以上の複合湾曲領域(単数または複数)16を有する容器へのラベルの貼付を概略的に例示する。図13および図14を参照する。以前図1〜図3とともに説明した容器10がある。中央領域122、外側縁端部126、および中央領域122と縁端部126との間に延在する外側周辺領域124を画定するラベル120がある。言うまでもないが、ラベル120の厚さは、ラベルの表示を容易にするために、誇張されている。ラベル120はまた、外側面128および内側面130を画定する。感圧接着剤の有効量は、好ましくは、ラベル120の内側面130の全体に延在する。ラベル120は、熱収縮性材料、望ましくは、本明細書に記載したバランスのよい収縮特性を示すものを含む。
【0214】
好ましくは、ラベル120は、最初に容器10の領域に沿って接触され、保持される。好ましくは、ラベルの中央領域122内のラベルの内側面130が、容器10の平坦な領域14に接触される。容器10の複合湾曲領域16上に横たわる外側周辺領域124などのラベル120の他の領域は、容器と接触されない。ラベル120の内側面130は、望ましくは、感圧接着剤を含み、従って、前記の接触と同時に、ラベル120は、容器10と接触して保持される。当然、本発明は、多種多様なラベル貼付技術、ラベル、容器、およびラベル材料を含む。前記のように、本発明は、複合曲線を含む表面構造だけでなく別の表面構造上にフィルムおよびラベルを貼付するためにも使用できる。たとえば、本発明は、単純な曲線のみ、またはこれらの形状の組合せを含む平面である容器表面上にラベルを貼付するために使用できるであろう。
【0215】
図15〜図19は、容器10にラベル120を漸進的に接触させる工程を例示する。ラベル120と容器10との間の最初の接触の後、柔軟な部材30、特に、柔軟な部材のドーム型領域36は、ラベル120の外側面128と接触する状態になる。これを図15に示す。言うまでもないが、この接触は、(i)柔軟な部材30を静止した容器10およびラベル120の方へ移動させる工程、(ii)容器10およびラベル120を静止した柔軟な部材30の方へ移動させる工程、または(iii)容器10およびラベル120、および柔軟な部材30を接触するまで移動させる工程によって、実現できる。柔軟な部材30とラベル120との間の接触は、好ましくは、中央領域38内で最初に起こり、最も好ましくは、柔軟な部材30のドーム型の領域36に沿って画定される最遠位の場所40内、または、それを含む領域で起こる。ラベル120に関しては、柔軟な部材30との接触は、好ましくは、最初にラベル120の中央領域122内で起こる。
【0216】
柔軟な部材30は、図16〜図19で示すように、容器10およびラベル120に対して押し付けられる。部材30の柔軟な特性により、部材30は、変形し始めて、変形し続け、それによって、柔軟な部材は、容器120の輪郭および形状の両方または一方を受け入れる。柔軟な部材30は、負荷などの力を加えることによって、容器10およびラベル120に対して押し付けられる(または、容器およびラベルは、柔軟な部材に対して押し付けられる)。前述のように、負荷の量は、ラベルに加えられる圧力が、望ましくは、約690N/m〜約6900N/mとなるようにする。柔軟な部材30と容器10およびラベル120との間の漸進的な接触は、図15〜図19の一連の流れで見ることができる。図19です程度まで接触した後、柔軟な部材30およびラベル120が完全に付着される容器10の両方または一方は、互いから切り離される。その結果、ラベルは、容器上にぴったりと貼付される。
【0217】
図14〜図19の一連の流れで示す全処理を通して、柔軟な部材30は、望ましくは、加熱される。以前説明したように、加熱は、好ましくは、柔軟な部材のドーム型の領域36の外側領域42(図4参照)が、ドーム型の領域36の中央領域38と比較して優先的に加熱されるように、起こる。この実行は、ラベル120の外側周辺領域124だけの加熱を促進する。一般に、容器の複合曲面に接触するラベルの領域は、外側周辺ラベル領域124である。本発明によれば、熱量、加熱速度、柔軟な部材と容器/ラベルとの間の接触の増加速度、およびラベル貼付力などの要因は、次のように制御される。すなわち、ラベルの外側周辺領域は複合湾曲した容器表面との接触の際に、ラベルにダーツ、しわなどの欠陥がないように適度に加熱され収縮される。ラベルと容器との間の接触の際に、粘着性の接合剤が、容器に接触しているラベルの部分の以降の動きを防ぐ。
【0218】
図20は、柔軟な部材30と容器10との間の接触を例示する斜視図であり、柔軟な部材30の代表的な変形の程度を示している。この説明図では、容器10は透明であるため、容器に付着したラベル120が明らかになっている。ガイド162および第2のガイド170の機能が、明らかに示されている。たとえば、矢印Bの方向への柔軟な部材30の外方横方向の変形は、ガイド162および第2のガイド170の存在によって防がれている。柔軟な部材30の側壁34の領域とガイド162および170との間で、接触が起こる。
【0219】
図21は、複数の柔軟な部材のアセンブリ200を例示する。各柔軟な部材は、以前、ラベル貼付機210と総称して説明したように、対応するフレームおよび筐体内に支持され収容されている。具体的には、アセンブリ200は、ラベル貼付機210の第1のセット220と、ラベル貼付機210の第2のセット230とを含む。2つのセット220および230は、望ましくは、互いに対向して整列配置されて、搬送装置240などの製品輸送システムによって切り離される。アセンブリ200は、容器の両側(不図示)に、特に、6つの容器に同時にラベルを貼付するための構成として示される。本発明のこの態様によれば、互いから均等に間隔を置いて配置された複数の容器(不図示)が、移動中の搬送装置240上に置かれる。搬送装置240は、矢印Cの方向に容器を移動させる。ラベル貼付機210の各セット220、230は、図21に示すように、方向XおよびYに選択的に配置できる。各セット220、230の移動(すなわち方向および速度)は、搬送装置240で移動している6つの隣接する容器の一式と一致するように調整される。代表的な周期は次の通りである。セット220、230はそれぞれ、XおよびYの方向への移動によって後退する。対象容器(6個)の一式が、望ましくは、図13で示すように、部分的に接触されたラベルを載せてセット220、230のそばを移動するにつれて、次に、この一式はXの方向に移動する。各セット220、230のXの方向への速度は、搬送装置240上で移動している対象容器の速度と一致する。X方向への移動と同時に、各セット220、230は、搬送装置240上の対象容器に向かってYの方向に移動する。各柔軟な部材30と対応するラベルとの間で接触が起きるにつれて、各セット220、230の移動は続く。各ラベルは、以前、図14〜図19とともに説明したように、その対応する容器に貼付される。ラベルが貼付されるにつれて、セット220、230の集合体および6つの対象容器は、矢印CおよびXの方向に移動する。ラベル貼付の後、各セット220、230は、矢印Yの方向に移動することによって後退する。セット220、230が、Y方向に後退するとき、ビームは、まだX方向に動いている。ヘッドが、Y方向に完全に後退するまでは、ビームは、次の組になった対象容器の準備のためのX方向への移動は開始しない。
【0220】
セット220、230の移動は、さまざまな異なる技術およびアセンブリによって実行できる。1つの方法では、セットのそれぞれを、1つ以上の電動のサーボモータによって直線軌道上に選択的に配置できる可動摺動アセンブリに配置する。1つ以上のカムアセンブリを使用して、セット220、230のそれぞれに所望の動きを与えることができるであろうとも考えられる。
【0221】
前述の説明は、同時に6つの容器へのラベル貼付について行った。自明となるように、本発明は、本明細書では「n」と示したが、ほぼどのような数の容器にもラベルを同時に貼付できるように調整可能である。好ましくは、nは通常、約1〜約20、より望ましくは、約4〜約10の範囲である。言うまでもないが、決して、本発明は、これらの構成には限定されない。それよりむしろ、本発明は、20を超える数の容器一式にラベルを、同時あるいはほぼ同時に貼付するために使用できる。さらに、図21で示すアセンブリは、容器の対向する2面へのラベル貼付用であるが、本発明は、容器当たり1枚のラベルだけを貼付、または容器当たり3枚以上のラベルを同時に貼付する構成を含む。
【0222】
図22は、図20で示すアセンブリ200と組み合わせて使用できる予熱ステージ300の上面図である。図22を参照する。複数の容器310を搬送している搬送装置240が示されている。各容器310は、主要な2面のそれぞれにラベルを載せている。各ラベルは、部分的に接触して、図14で示したような方法で対応する容器面に付着している。容器310の集合は、容器310の第1の側面上のラベルを加熱するための第1の加熱器320と、容器310の第2の側面上のラベルを加熱するための第2の加熱器330などの加熱器の集合のそばを搬送される。前記のように、多種多様な加熱器種類、熱出力、および構成が使用可能である。しかし、加熱器320および330は、赤外線加熱器の種類であることが望ましい。この予熱ステージを出るラベルは、概ね約38℃の温度を示す。しかし、自明となるように、ラベルが加熱される特定の温度は、たとえば、ラベルの熱収縮の作動温度などの多数の要因に依存する。
【0223】
図23を参照する。図22の予熱ステージ300を出る容器310およびラベルは、図21とともに前述したように、アセンブリ200に入る。完全に貼付されたラベルを有する容器は、容器310'と呼ぶ。言うまでもないが、アセンブリ200の中を搬送される間、容器およびその対応するラベルは、図15〜図19で示す動作に従う。
【0224】
図24は、ベース432、ドーム型領域436、および1つ以上の側壁434を含む好ましい実施形態の柔軟な部材430の正面図を概略的に例示する。図示の通り、柔軟な部材430は、その前面に沿って見ると、実質的に丸い角または縁端部を有する長方形の形状を有する。ベース432は、実質的に、部材430の外側周辺のまわりに延在する。部材430は、実質的に、軸線Yで示された長手方向(および垂直)軸線に対して対称形である。部材430はまた、実質的に、Xとして示された幅(および水平)軸線に対しても対称形である。
【0225】
図25は、ベース532、ドーム型領域536、およびそれらの間に延在する1つ以上の側壁534を含む別の好ましい実施形態の柔軟な部材530の正面図を概略的に例示する。ドーム型領域536は、外方に延在する下側の角領域536aおよび536bを含む。この実施形態では、柔軟な部材530は、軸線、その長手方向の1本の軸線Yに対してのみ対称形であることを特徴とする。柔軟な部材530の形状は、軸線Xに対しては異なり、非対称的である。前述のように、柔軟な部材の形状および輪郭の両方または一方は、ラベルの形状と容器の形状または輪郭との両方または一方に依存する。図25で示す柔軟な部材530は、外方に延在する下側の角領域536aおよび536bによって、図24の柔軟な部材430より、ラベルの下側の縁端部および下側の角領域に、より完全に接触する。繰り返すが、本発明が、柔軟な部材として多種多様な形状および構造を含むことは明らかである。柔軟な部材の特定の形状および構造は、主に、ラベルおよび容器の性質によって規定される。したがって、言うまでもないが、本発明は、部材430および530などの本明細書に記載した特定の柔軟な部材に決して限定されない。
【0226】
図26は、一対のガイド662を例示する。このガイド662は、各ガイド662に画定された開口部687を通して延在するねじ付き部材685を使用して、フレームなどの支持部材とともに調節可能に、かつ、選択的に係合または位置付けできる。各ガイドは、上部領域664、下部領域666、およびそれらの間に延在する内側側面665を含む。図26で示すように、容器10は、間隔をあけて配置された一対のガイド662の間に配置される。容器10は、図26で示すように、湾曲した側面または側面領域を有する。各ガイド662には、望ましくは、容器10の横側面領域に一致、追従、または概ね対応するように形成されるか輪郭を付ける。このように、各ガイド662の内側側面665を、望ましくは、容器10のそばに延在させ、そこから比較的近接して間隔をあけて配置する。
【0227】
より詳しくは、図26で示すように、容器10は、外方に突出したまたは凸状の横領域10aを画定し、ガイド内側側面665は、内方にくぼんだ凹状の対応するガイド内側側面領域665aを画定する。さらに、容器10は、内方にくぼんだ凹状の横領域10bをさらに画定し、ガイド内側側面665は、外方に突出したまたは凸状の対応するガイド内側側面領域665bを画定する。多くの用途では、内側側面の構造が、対象容器の輪郭に密接に対応し、概ね従うことが特に望ましい。したがって、ガイドの内側側面と容器との間の間隔は、それらの適切な関係に位置付けられたとき、ガイド上部領域からガイド下部領域まで比較的均一かつ一定である。これは、比較的大きい間隔が容器とガイド内側側面との間に設けられ、ガイド下部領域で最も近く、およびガイド上部領域近くで比較的狭い間隔を設けた、図26で示す特定の構成と対照的である。
【0228】
図27は、好ましい実施形態の「迅速変更」システム700の斜視図をさらに例示する。迅速変更システムは、柔軟な部材730、ガイド762、およびフレームアセンブリ750を含む。ガイド762は、フレーム750に対して調節可能に、かつ、選択的に位置決めでき、1本以上のレール部材752を使用して、望ましくは、垂直に位置決めできる。システム700は、より大きなフレームまたは支持部に、または、前述のように、ウォーキングビーム装置(不図示)にシステム700を取外し可能に係合するための多種多様な設備を含む。そのような取外し可能な係合設備の例は、710として示すようなクランプ部材を含む。ねじ付き固定具などの他の締結手段を使用してもよい。
【0229】
図28および図29は、ラベル貼付グループ800と総称する複数の迅速変更システム700を例示する。図28は、斜視図であり、図29は、ラベル貼付グループ800の正面立面図である。各システム700は、図27に対して前述したとおりである。各システム700は、フレーム部分780に選択的に係合可能である。各フレーム部分780は、インライン式の電動加熱器743を備えた吸気口740などの、柔軟な部材730へ熱い空気を誘導するための設備と、排気口744とを含む。さらに図28および図29を参照すると、フレーム750には、吸気開口部741および排気開口部742が画定されている。図10で加熱器110に関連して前述したとおり、加熱器743は、内部の流れ領域または導管部を含んでもよい。このように、吸気口740を通って加熱器743を通過する加熱された気流は、開口部741を経由して柔軟な部材730の内部に入る。熱い空気は、柔軟な部材730の内部を循環し、望ましくは、エアマニホルドまたは拡散器(不図示)によってさらに分散されて、開口部742を介して排気口744を出る。加熱器790は、各柔軟な部材730の内部に配置される。他のフレーム780から柔軟な部材730、そのガイド762、およびそのフレーム750を選択的かつ取外し可能に取り外すために、クランプ部材710などの固定アセンブリを使用できる。
【0230】
図30は、700a、700b、700c、700d、および700eと呼ばれる5つの異なる迅速変更システムを例示する。各システムは、730a、730b、730c、730d、および730eとして示される異なるサイズの柔軟な部材を用いる。各システムは、762cおよび762eなどの1つ以上のガイドを含めてもよく、またはそのようなガイドがなくてもよい。さらに、各システムは、柔軟な部材内に配置された加熱器790a、790b、790c、790d、および790eの異なるサイズ、形状、および構造を含んでもよい。クランプなどの取外し可能な係合設備710は、各システム700a〜700eのために装備される。図30はまた、柔軟な部材730a〜730eに対する空気開口部741および742の好ましい配列を表す。柔軟な部材730a〜730eのサイズに関係なく、フレーム750をフレーム780(図28参照)に係合すると、空気開口部741および742は、吸気口740および排気口744と整列配置される。この構成は、システム700eをシステム700aと入れ換えるまたはその逆など、一方のシステム700の他方への迅速かつ容易な取外しおよび据え付けをさらに容易にする。言うまでもなく、これは、一方の柔軟な部材の他方との便利な交換を可能にする。このように、ラベルおよび容器形式の両方または一方のために指定された特定の構造を有する柔軟な部材を、別の容器およびラベルの両方または一方が使用されるとき、容易に変更できる。図30はまた、中空内部を有し、かつ、マニホルドの側壁中に延在する複数の開口部738を画定している代表的なエアマニホルド737を例示する。明らかなように、エアマニホルド737は、開口738の殆どどのようなパターンまたは配列でも使用でき、図30で示す特定の実施形態に決して限定されない。
【0231】
本発明はまた、ラベルを容器に接触させるためのさまざまなラベル処理システムを提供する。これらのシステムは、ラベルを加熱すると同時に容器に接触させるラベル処理装置を含む。ラベル処理装置は、望ましくは、本明細書に記載したとおりである。ラベル処理システムはまた、処理装置によって加熱して容器に接触させるための1枚以上のラベルを含む。
【0232】
[摺動部材を使ったラベル貼付]
概して、本発明は、ラベルまたはラベルアセンブリの1つ以上の領域を容器に選択的に貼付するためのさまざまな技術およびアセンブリを提供する。具体的には、該技術およびアセンブリは、容器と接触するラベルの領域を制御するために使用される。ラベル貼付動作中にラベル「旗」の形状およびサイズまたは特性を選択的に制御することによって、ラベル貼付処理のより広く全体的な制御を実現できる。本明細書に記載したような技術およびアセンブリは、熱収縮性ラベルおよび感圧接着剤を用いたラベル貼付動作に特定の重要性を有する。
【0233】
複合曲面上にラベルを貼付するなどの特定のラベル貼付動作の際には、多段階の手法を使用する。特に、この多段階手法は、感圧接着剤を用いた熱収縮性ラベルの貼付に有用である。ラベルまたはラベルアセンブリは、最初に、容器の所望の領域にラベルの一部だけを接触させることによって、容器などの受け入れ表面に貼付される。ラベルの後面に沿った感圧接着剤などのむき出しの接着剤は、容器と接触して、概ね搬送装置上で移動している容器に対してラベルを保持する。その結果として生じる容器と接触していないラベルの領域は、業界では、「旗」または「翼」と呼ばれることもある。
【0234】
ラベルは、次に、容器の形状およびラベルと接着剤の特性に大きく依存しながら、さまざまな異なる技術で容器に完全に接触されて付着される。感圧接着剤を用いた熱収縮性ラベルの場合、残りの接触していないラベルの部分、つまり「旗」は、好ましくは、変形可能な加熱した部材を使用して、容器に接触される。ラベルのその部分(単数または複数)で所望の程度の収縮を実現するために、加熱した部材の移動および温度によって、ラベルまたはラベルの一部(単数または複数)の所望の温度までの加熱は慎重に制御される。加熱は、ラベルと容器との接触の発生に対して慎重に制御され、その結果、貼付されたラベルのしわ、ダーツ、縁端部持ち上がりなどの欠陥の発生を低減または理想的に防止する目標に向かうことになる。
【0235】
本発明は、欠陥のない方法で、ラベルを移動中の容器に部分的に、または、完全に貼付するためのシステムおよび方法を提供する。ラベルは、最初に移動中の容器によって接触されて載せられる。本発明の一バージョンでは、ラベルは、容器にさらに貼付されるが、完全には貼付されず、1つ以上のラベル旗が残るようになる。加熱された柔軟な摺動部材の使用などの1つ以上の次の動作によって、ラベルは、容器に完全に貼付されて、ラベル旗は、容器の対応する領域に貼付される。本発明の別のバージョンでは、ラベルは、完全に容器に貼付される。このバージョンでは、最初の接触後、ラベルと容器との間に生じる旗は、容器と完全に接触される。
【0236】
図31は、ラベル820が、本発明に従って貼付される容器外面812を有する代表的な容器810を例示する。具体的には、ラベルは最初、1つ以上の所望のラベル部分が容器と未接触で残るように、容器または受け入れ表面に一部分のみ接触される。図31は、ラベル820が容器810に部分的に接触されて、該容器に部分的に付着されたような状態を例示する。
【0237】
ラベル820と容器810との間の最初の接触の領域は、図31および図32で領域830として示される。容器と接触していない残りのラベル領域は、旗832aおよび832bである。前記のように、本明細書で使用する用語「旗」は、通常1つ以上の縁端部領域を含むラベルの未接触の部分を指す。2つの別々の旗部832aおよび832bが、図31および図32に図示されているが、言うまでもなく、3つ以上の旗または1つの旗が、ラベルと容器へのその最初の貼付とに関連することがある。ラベル820の前面は、通常、前面824と呼ぶ。ラベル820の後面は、後面822と呼ぶ。感圧接着剤などの接着剤828の有効量は、概ねラベル820の後面822に沿って配置される。
【0238】
具体的には、本発明は、感圧性ラベルが、最初に、容器の外面に沿った所望の場所に部分的に接触される多段階ラベル貼付動作を趣旨とする。ラベルは、同時にかつ漸進的に摺動動作に従い、それによって、ラベルのさらなる領域が、容器に接触されて該容器に貼付されるようになる。好ましくは、摺動動作は、ラベル全体が容器と接触する前に終了される。最も好ましくは、摺動は、少なくとも1つ以上の旗が存在するまでしか実行されない。この時点で、摺動動作は完了されて、今や部分的に貼付されたラベルを載せた容器は、加熱した柔軟な部材からの接触などの別の処理工程に誘導される。しかし、前述のように、本発明は、ラベルおよび望ましくは感圧性ラベルが、貼付されたラベルに旗がなくなるように、容器に完全に接触されて該容器に貼付されるラベル貼付動作を含む。
【0239】
どのような特定の理論にも縛られることを望まないが、この多段階ラベル貼付動作は、熱収縮性の感圧性ラベルを湾曲した容器表面、特に複合曲面を示す容器に貼付するために特に好適であることが分かっている。通常、そのような容器は、容器の別の側面の対応する表面に出会う複合湾曲した肩または側面を形成するように、横領域に沿って、劇的に内方に湾曲するいくらか平坦またはわずかに弓形で凸状の前部または後部の領域を示す。ラベル、特に熱収縮性の感圧性ラベルを、欠陥のない方法で、鋭く湾曲した典型的な複合湾曲領域上に貼付する試みは、非常に難しい。驚くべきことに、本発明の使用によって、最初にラベルの選択領域を容器の一部に接触させて、次に、ラベルを選択的に摺動することによって、ラベルのさらなる量を容器に接触させて貼付することによって、ラベルを、容易に貼付できる。好ましくは、摺動は、容器に接触しない少なくとも1つ以上のラベル領域が残るような範囲まで実行される。容器と接触していないラベル部分が、ラベル旗である。好ましくは、複合湾曲を示す容器の領域に対応して形成される旗は、こうして該領域の上に横たわる。旗は、たとえば、前記の加熱した柔軟な部材などの1つ以上の以降の動作によって、複合湾曲した容器表面に引き続き貼付される。特定の用途では、ラベル旗がまったく残らないように、ラベルを完全に貼付することが可能であるといえる。これらの用途の場合、ラベルが付けられた容器を加熱した柔軟な部材にあてることは、不要であろう。
【0240】
図33は、本発明による好ましい実施形態の摺動アセンブリ840の斜視図である。本明細書に記載するさまざまな摺動アセンブリは、ラベルを選択的に貼付して、(i)図31および図32の領域830のような接触されたラベル領域の全体または一部、および(ii)図31および図32の領域832aおよび832bの一方または両方のような旗領域の全体または一部、を含むラベルの1つ以上の領域を制御可能に摺動、すなわち、漸進的に接触させるために使用される。好ましい実施形態の摺動アセンブリ840は、ラベルディスペンサー(図33に不図示)からのラベルを最初に貼付するために使用され、その後、ラベルを容器に漸進的に貼付して「摺動」するためにさらに使用される。摺動アセンブリ840は、フレーム850、摺動部材860、カム880、およびカム従動部材870を含む。これらの部品の各々は、より詳細に本明細書に記載する。
【0241】
フレーム850は、通常、摺動部材860を支持し位置決めするための1つ以上の部材を含む。好ましくは、フレーム850は、上部フレーム部材852、下部フレーム部材854、およびこれらの間に延在する垂直支持部材856などの1つ以上の支持部材を含む。フレームに使われる材料は、好適な強度および剛性を示すほぼどのような材料であってもよい。フレーム材料の非限定的な例は、鋼、アルミニウム、および比較的硬いプラスチックなどの材料を含む。1つ以上の取付台858などの添付部品は、摺動部材860をフレーム850に添付または取り付けるために使用できる。フレーム850は、図33に示すように、旋回軸842のまわりで旋回できるように、支持部などの固定具(不図示)旋回可能に載置する。好ましくは、フレーム850およびそれに添付される摺動部材860は、軸842のまわりで矢印Bの方向に旋回できる。フレームの旋回動作が実現される方法は、より詳細に本明細書で説明する。
【0242】
摺動部材860は、図34で切り離して例示する。本発明は、摺動部材860のためにさまざまな形状および構造を含むが、該部材860は、望ましくは、前面861および対向する後面863を画定する比較的平面の形状を有する。摺動部材860はまた、望ましくは、縁端部または側面領域から横外方に延在する1つ以上のブレード862を含む。ブレード862は、望ましくは、柔軟で変形可能であり、したがって、ブレードのために選ばれる材料は、それ相応に選ばれる。ブレード862用の材料として代表的な例は、シリコーン、ゴム、柔質プラスチック、およびさまざまな複合材料を含むが、これらに限定されない。摺動部材860はまた、好ましくは、ブレード862の遠位の端部またはその領域に沿って配置された摺動要素864を含む。摺動アセンブリ840の使用中、摺動要素864は、摺動要素864の1つ以上の接触中の領域866に沿ってラベルに接触する。摺動要素864として使用するために選択される材料(単数または複数)は、ラベル特性と、摺動要素864の滑らかさおよび該要素がラベルの端から端まで移動するための傾斜とに依存する。摺動要素864として好適である可能性がある材料の非限定的な例は、綿の織繊維および不織繊維の製品、高分子材料、成形されたエラストマー材料などを含むが、これらに限定されない。ラベルの材料とあらゆる印刷または上塗り層の特性とに依存して、摺動要素に沿って1つ以上の潤滑剤または摩擦低減剤を使用することもまた望ましいといえる。繰り返すが、本発明が、摺動部材860のために、多種多様な形状、構造、および材料を含むことは明らかである。本明細書に記載した特定の好ましい摺動アセンブリ840の場合、摺動要素864が、ブレード862の全長にわたって連続的に延在するまたは実質的にそうであることが望ましい。ブレード862が、摺動部材860の全長にわたって連続的に延在するまたは実質的にそうであることが望ましい。
【0243】
好ましい実施形態の摺動アセンブリ840はまた、カム従動部材870を含む。カム従動部材870は、部材870の動きがフレーム850に与えられるように、フレーム850に係合、好ましくは、添付される。図33で示すように、カム従動部材870は、1つ以上のボルトなどの固定具によって、フレーム850の上部フレーム部材852に添付することができる。カム従動部材870をフレーム850の1つ以上の部材と溶接、接着、または一体成形するなどの他の添付手段を使用してもよい。図33で示す好ましい構造は、より詳細に本明細書に記載する。カム従動部材870には、多種多様な形状および構造があるといえる。好ましくは、部材870は、該部材870が、フレーム850に取り付けられる近位端部876と、反対の遠位端部874とを画定する。遠位端部874は、好ましくは、カム部材880の方へ誘導されるカム従動面872を画定する。部材870の好ましい構造では、カム従動面872は、部材870の横方向に誘導される側面またはその縁端部領域に沿って、特に遠位端部874またはその一部に沿って設けられる。カム従動部材870は、たとえば、鋼およびアルミニウムを含む金属、または、レキサン、ポリエチレンなどの低表面エネルギ材料などのプラスチックなど、ほぼどのような材料からでも形成できる。
【0244】
特定の実施形態の摺動アセンブリ840はまた、カム部材880を含むことができる。カム部材880は、部材880の動きが動部材870の所定の周期的運動および好ましくは往復運動を誘発するように、カム従動部材870と機能的係合状態になるように位置付けられる。図33で示す代表的な構造では、カム部材880は、矢印Aの方向に直線的に移動する。該直線移動は、カム従動部材870との動作可能な係合によって、フレーム850および摺動部材860の矢印Bの方向の、具体的には、旋回軸842の周りの、往復旋回運動を誘発する。好ましくは、カム部材880は、カム従動部材870の方へ、特にカム従動面872の方へ誘導されるカム面882を画定する。明らかなように、カム部材880とカム従動部材870との間の係合時点およびその係合中、カム従動面872の一部は、カム面882の一部と接触している。本発明は多種多様な構造および装置を含むが、望ましくは、カム部材880およびカム従動部材870は、カム部材880の直線変位が、カム従動部材870の往復旋回運動をもたらすように配置される。
【0245】
図35は、部分的に接触しているラベル820を載せている容器810の代表的な位置決めおよび配向を例示する。ラベルは、上流で最初に容器に接触されて、好ましくは、直ちに摺動アセンブリ840の上流に入る。より詳細に本明細書に記載する特に好ましい処理では、ラベル820は、摺動アセンブリ840によって、最初に容器810に接触される。一旦ラベルと接触されると、容器は、部分的に貼付されたラベルを摺動アセンブリ840の方へ運び続け、該摺動アセンブリにおいて、ラベルは、さらに容器と接触されて該容器に貼付される。一般的に、容器810は、摺動アセンブリ840を通り越して移動する搬送装置890上に配置される。多種多様な搬送装置を、本発明のさまざまな摺動アセンブリとともに使用できる。通常、搬送装置は、容器が互いに等間隔で配置され、互いに一様に整列配置されるように、好ましくは、搬送装置上に配置された容器を輸送する。容器は、好ましくは、搬送装置上に一列縦隊で配置される。言うまでもないが、本発明は、別の容器配列を含む。搬送装置の構造に関しては、直線搬送装置、特に、直線である搬送装置部分を有して、摺動アセンブリ、特に摺動部材を通り越す一直線の方向に容器を輸送する搬送装置を使用することが通常は望ましい。容器が連続的に動くように搬送装置が容器を連続式に輸送することも望ましく、最も好ましいのは、それによって、容器が摺動部材を通り過ぎて移動するにつれて、容器が連続的に移動することである。搬送装置890の動きは、好ましくは、カム部材880(不図示)の動きに同期し、それによって、容器810が摺動アセンブリ840の方へ移動するにつれて、カム従動部材870は、最初に容器810から遠くへ移動され、それから容器810の方へ移動されるようになる。具体的には、搬送装置890とその上に配置された容器810とが、第1の漸進的な量Cだけ移動されるにつれて、カム従動部材870、フレーム850、および摺動部材860は、(図33に示す)軸線842のまわりで、容器810から遠くへ矢印Dの方向に旋回的に移動することが望ましい。第1の漸進的な量Cの完了などの搬送装置の十分な直線移動の際に、搬送装置890は引き続いて第2の漸進的な量Cなどのさらなる直線移動を行う。搬送装置890とその上に配置された容器810とが、第2の漸進的な量Cを移動するにつれて、カム従動部材870、フレーム850、および摺動部材860は、(図33に示された)軸線842のまわりで、容器810に向かって矢印Eの方向に旋回的に移動する。カム部材880およびカム従動部材870の相対的な位置と、カム面882およびカム従動面872の輪郭または形状とに依存して、容器810およびそのラベル820に対する摺動部材860の多種多様な動きを実現できる。容器810およびラベル820が、摺動部材860を通り越して移動するにつれて、容器810と接触していないラベル820の部分は、この時点では部材860の上流にあるが、次に、部材860を通り越して、具体的には、摺動要素864を通り越して引かれる。摺動要素864の形状および構造に依存して、ラベルの全体または選ばれた領域だけを、容器810の方へ押し付けてそれに接触させることができる。このように、前述の態様によって、1つ以上の旗の寸法、形状、および配向を選択的に制御できる。この処理が特に望まれるのは、熱収縮および容器への最終ラベル接着のために、容器および部分的に貼付されたラベルを加熱した柔軟な部材にあてる前である。
【0246】
本発明による別の好ましい実施形態では、摺動アセンブリ840は、カム部材880を含まず、カム部材がない。その代わりに、カム従動部材870は、摺動アセンブリを通り越して移動する容器に周期的に接触するように配置される。最も好ましくは、カム従動部材870は、キャップなどの容器閉止部材を受け入れる容器首の外側部分、または上方に延在するねじ付き領域などの各容器の上部領域に周期的に接触するように配置される。カム従動部材870が容器自体によって作動されるように、該部材を構成して配置することにより、関連する処理の動作の単純性、均一性、および正確性が促進される。この好ましい実施形態が可能であるのは、全てではないにしても殆どの高速の工業用容器ラベル貼付動作では、容器は、上部搬送装置部材によって移動中の搬送装置に沿って所定位置に保持されるからである。上部搬送装置部材の接触表面は、該部材と容器との間で係合を促進するために、通常は摩擦的に強化される。上下の搬送装置の間に配置された複数の容器は、所定の位置に十分に保持されるため、該複数の容器は、容器の集合が摺動アセンブリのそばを通り越して移動する際に、各容器に接触しているカム従動部材870を支持できるように、すなわち動かないようになる。
【0247】
言うまでもなく、本発明は、旗などの未接触のラベル領域のほぼどのような形状、サイズ、および配向の選択的な調整も可能にするアセンブリを提供する。したがって、本発明は、容器に部分的に貼付されたラベルのほぼどのような構成にでも対応でき、かつ、最終のラベル貼付およびラベル熱収縮の両方または一方の前に、ラベルに付随する1つ以上の旗の形成または修正に使用できる。または、本発明は、旗がまったく残らないように、部分的に貼付されたラベルを容器に完全に貼付するために使用できる。
【0248】
たとえば、図36は、部分的に接触されたラベル820を有する容器810を示す。容器810と接触しているラベル820の領域は、領域830として示され、容器810に接触していないラベル領域は、領域または旗832aおよび832bとして示されている。容器810は、矢印Fの方向に摺動要素864を通り越して移動している。したがって、旗832aは、摺動要素864の下流にあり、旗832bは、該要素の上流にある。この例では、摺動部材860(不図示)の摺動要素864は、領域830の中央位置で移動中の容器810と接触する状態になる。容器810およびラベル820が、摺動要素864を通り越して移動するにつれて、要素は、図37に示すように、最初の中央位置からラベル820の外側縁端領域に近い次の位置へラベル820に対して漸進的に接触または「摺動」する。図37に示したように、ラベル820が摺動された後、最初の旗832bは、該ラベル領域が容器810に接触されることによってまったく除去された。その結果、領域830の割合または表面積は、増加した。摺動または接触が、下流の旗832aに関してはまったく起こらず、その旗は不変のままである。言うまでもなく、摺動要素864による摺動動作の後、領域830および832aを指定するために、これらの領域に関連してプライム記号が使用される。
【0249】
図38および図39は、最初の容器810と、接触している領域830が、旗領域832aおよび832bに比べて比較的小さくなるように該容器に部分的に接触されたラベル820とを例示する。この例では、上流の旗832bの寸法または割合を単純に減らして、図36および図37の例の場合のように、その旗を完全に除去しないことが、望まれる。そのあと、加熱した柔軟な部材(不図示)が、ラベル旗832bを容器に貼付するために使用できるであろう。
【0250】
図40および図41は、ラベル820が、最初に、ラベル820の前部縁端部に沿って容器810に接触される別の例を示す。比較的大きな上流の旗832bが残る。好ましい実施形態のアセンブリは、容器810とラベル820との間、すなわち、領域830で接触領域を増やし、それによって、図41で示すように、上流の旗832bを減らすか、完全に除去するために使用できる。
【0251】
本発明による特に好ましい処理では、摺動アセンブリは、ラベルディスペンサーとともに使われる。図42〜図44および図46〜図49は、本発明による好ましい実施形態のラベル貼付処理中のさまざまな段階を例示する。図45は、ラベル貼付動作中に起こる可能性がある潜在的な問題を例示する。これらの図では、記載した好ましいアセンブリを使用して、ラベルを貼付してラベルを摺動する好ましい技術を示す一連の詳細な概略図を提供する。概ね、摺動アセンブリ、容器、およびラベルのさまざまな部品は、前述のとおりであり、900番台の類似参照番号で付番する。したがって、たとえば、図42〜図49内では、フレーム950と称する。フレーム950は、本明細書に前述したフレーム850に対応する。図42〜図49はそれぞれ、フレーム950に搭載する摺動部材960によってラベル920が容器の外面に貼付されるラベル貼付動作中の容器910を例示する。これらの図では、ラベルディスペンサーは、ラベル920が繰り出されるラベルディスペンサーシュート936を有する935として摸式的に示される。ほぼ全種類のラベルディスペンサーが、本明細書に記載するアセンブリ、システム、および方法で使用できる。通常、ラベルディスペンサーは、容器の所望の外面のそばに選択的にラベルを位置付けるように構成されるか適合される。
【0252】
図42を参照する。摺動部材960およびフレーム950は、邪魔にならないところで旋回され、ラベルを摺動部と容器との間に送り出すまたは繰り出すことができる。これは、容器の首に接触したり、容器の首から離れたりするカム従動部材、たとえば、図35に示す従動部材870によって実現する。具体的には、容器910が、摺動部材960およびフレーム950に向かって矢印Gの方向に移動するにつれて、摺動部およびフレームが、容器910から離れて矢印Hの方向にずらされる。好ましくは、摺動部960およびフレーム950の動きは、カム従動部材(不図示)と容器910の首915の外面との間の接触の結果である。ラベル貼付動作のこの特定の段階では、摺動部960およびフレーム950の矢印Hの方向への変位は、図42のフレーム950の上流にある容器910の中心902で示すように、通常は容器910の到着の前に起こる。中心902は、容器910の幾何学的な中心であり、容器を二分する平面902xおよび902yの交差によって画定される。図42はまた、ラベルディスペンサー935の遠位端部、シュート936の好ましい構成を示す。シュート936のこの好ましい配向で、ラベル920は、摺動部およびフレームの方へ向き、容器と平面902yの交点で容器910に接触する、容器910の面の接線に平行または少なくとも実質的に平行である方向にディスペンサー935を出る。この接線を破線Zとして図42に例示する。
【0253】
図43を参照する。容器910が摺動部およびフレームに接近し続けるにつれて、カム従動部材は、摺動部960が容器910の方へ移動できるように始動する。次に、摺動部は、ラベルを容器の方へ向け始める。具体的には、容器910は、矢印Gの方向に摺動部材960およびフレーム950のアセンブリの方へ移動し続ける。カム従動部材(不図示)のカム表面の形状によって、フレーム950は、次に、図43に示す矢印Iの方向に移動中の容器910に向かってずれる。矢印Iの方向への移動が続き、それによって、摺動部材960の接触領域966は、ラベル920に接触して、ラベルを容器910の方へずらす。処理のこの段階では、容器の中心902は、ラベルディスペンサー935のシュート936に接近している。
【0254】
図44を参照する。摺動部960は、カム従動部材(不図示)の形状によって決定される容器上の所定位置にラベルを置く。この動作は、ラベル旗を作り、旗の長さを制御する。重要なことは、ラベル内に気泡の形成を除去または防止するように、ラベルが摺動部によって容器に貼付されることである。摺動部がそのように動作する前にラベルが容器に貼付されると、望ましくない事前接着状態が起こり、多くの場合気泡を含むことになる。具体的には、図44で、摺動部材960およびフレーム950のアセンブリは、移動中の容器910に向かって、矢印Jの方向にさらにずれる。これによって、摺動部材960の接触領域966が容器910にラベル920を接触させる。なお、この接触は、ラベルの前部縁端部が、容器910と接触しないように行われ、よってラベル旗932aが生じることになる。ラベル貼付処理のこの段階では、容器の中心902は、ラベルディスペンサー935のシュート936にほぼ隣接している。
【0255】
図45は、事前接着の好ましくない状態を例示する。これは、摺動部材960の接触領域966の上流で、ラベル920と容器920の間で接触が起こる状態である。説明したように、この状態は通常、Tとして示すラベルの領域内でラベル920の下に気泡が形成されることになる。
【0256】
図46では、摺動部が、容器に沿って移動することによって、ラベルが容器上で摺動される。具体的には、ラベル貼付動作のこの段階では、容器910の中心902は、今や、ラベルディスペンサー935のシュート936の下流にある。容器は、矢印Gの方向に動き続ける。本発明の別の好ましい実施では、ラベルディスペンサー935からラベル920が繰り出される速度を調節する。これによって、処理のこの重要な時点で、移動中の容器910にラベルが接触しているため、ラベルディスペンサーからラベル920が、わずかに引っ張られる。この実施によって、容器へのラベルの無泡貼付が促進されることが分かった。
【0257】
次に、図47を参照する。ラベルは、シュート936から離れて、完全に出る。摺動部は、ラベル920を容器上に摺動し続ける。具体的には、容器が矢印Gの方向に動き続けるにつれて、ラベル920は、容器910と接触され、摺動部材960によって摺動される。ラベル貼付動作のこの段階では、容器の中心902は、摺動部960およびフレーム950の下流にある。
【0258】
図48を参照する。摺動部は、容器上へのラベルの摺動を終了するが、摺動部は、ラベルの後部縁端部を完全には摺動しない。これにより、後部縁端部の旗が残る。摺動部のストロークによって、摺動部は容器へのさらなる接触を制限されるため、旗が作られる。カム構造を変化させることによって、摺動部を容器から切り離すことができ、後部縁端部の旗の長さを制御できるようになると考えられる。具体的には、図48で示すラベル貼付の段階では、容器910の動きは、矢印Gの方向に続いている。ラベル920は、今や、前部縁端部旗932aおよび後部縁端部旗932bが存在するように、容器910に部分的に貼付されている。処理のこの段階では、摺動部材960の接触領域966は、容器の中心902の下流、かつ、中心902と容器910の後部縁端部表面910bとの間に置かれている。
【0259】
図49では、処理を次の容器に対して始めから行うために、摺動部が移動中の容器910の軌道から遠くへ移動し始める。つまり、摺動部材960およびフレーム950は、矢印Kの方向に容器910から遠くへずれる。この処理は、容器910に続く上流の別の容器(不図示)に対して繰り返される。
【0260】
本発明が、本明細書に示され記載されたいずれのラベル貼付の実施にも決して限定されないことは、明らかである。いかなる特定の実行にも限定されることを望まないが、通常、好ましい実行は以下の通りである。ラベルは、最初に、ラベルの上流、つまり前部縁端部または領域に沿って容器と接触される。縁端部または領域は、ラベルの最前部縁端部分を含む必要はないが、概ねラベルの最前部縁端部分の近辺に画定される。ラベルの最前部縁端部分は、容器と接触していない、したがって、旗を構成する。最前部縁端部の旗に対応し、その下にある容器の領域は、概ね複合湾曲している。該旗は、たとえば、後の動作で加熱した柔軟な部材によって、容器の複合湾曲領域に完全に接触されて貼付される。
【0261】
部分的に貼付されたラベルを載せた容器は、本明細書に記載するように、摺動アセンブリを通り越して移動する。摺動アセンブリは、次に、本明細書に記載した選択的な摺動動作によって、容器にラベルをさらに接触させる。好ましくは、前記の概ね複合湾曲した下にある容器領域と接触していない後部縁端部の旗が残されるように、摺動動作が終了される。後部縁端部の旗は、たとえば、後の動作で加熱した柔軟な部材によって、容器の複合湾曲領域に完全に接触されて貼付される。
【0262】
空圧または油圧の作動装置または電気サーボモータなどの他の部品を、さらなるラベルおよび容器の構成を実現するために、1つ以上の部品を選択的に配置するために使用できるであろうとも考えられる。たとえば、フレーム850に旋回機構を使う代わりに、ラベルを摺動するための位置、かつ、摺動部材860からの妨害なしに、容器およびラベル旗の両方または一方を通過させることができる邪魔にならない位置に摺動部材860を選択的に位置付けるために、軌道システムおよび1つ以上のサーボモータを使用できるであろう。
【0263】
本発明はまた、選択的にラベルに接触するための、たとえば、移動中の容器に載せられたラベルまたはそのラベルの一部を選択的に摺動するための、さまざまな方法を提供する。これらの方法は、概ね可動カム部材および可動フレームアセンブリの提供を含む。カムは、カムの動きが、容器と容器に載せたラベルとの動きに対応するように構成される。フレームは、好ましくは、垂直旋回軸のまわりで枢軸的に移動可能である。摺動部材は、可動フレームに添付または係合される。フレームは、フレームが旋回するにつれて、摺動部材が2つの位置の間で移動できるように、移動中の容器の経路に対して配置される。該位置のうちの一方の位置では、摺動部材は、容器の経路に接触する近さにある。他方の位置では、摺動部は、容器の経路から距離を隔てて配置される。摺動部材に関して本明細書で使用されるような用語「接触する近さ」は、容器が摺動部材を通り越して移動する際に、摺動部材の遠位の縁端部または終端領域が、容器に載せられたラベルに接触するような位置にある該部材のことを意味する。
【0264】
好ましい方法では、カム従動部材は、可動フレームと連動して備えられる。フレームは、カム従動部材が、カム部材と動作可能に係合するように配置され配向される。最も好ましくは、摺動部が容器に載せたラベルに接触するように、移動中の容器がフレームのそばにあるとき、摺動部が容器と接触する近さになるように、旋回軸の周りで旋回するように、カム、カム従動部材、および容器の動きが、互いに連動する。容器が、フレームを通り越して移動するにつれて、摺動部材が移動中の容器の経路からずらされるか遠ざけられるように、フレームが旋回軸のまわりで旋回する。
【0265】
また、これらの方法は、容器自体がカム部材としての役割を果たす、本明細書で述べるような、ラベルに選択的に接触する方法を提供する。方法は、カム従動部材のそばを移動する容器の集合によって動作するカム従動部材の提供を含む。カム従動部材と容器(容器の首など)との間の周期的な接触は、摺動部材の動きを制御するために使用できる。
【0266】
言うまでもないが、本発明は、この方法の変形例を含み、移動中の容器に載せられたラベルまたはラベルの一部に選択的に接触するための多数の技術を提供する。
【0267】
そのような技術の多種多様なラベル、フィルム、およびアセンブリのすべてまたはいずれかは、本明細書に記載するさまざまな装置、システム、および方法を使用して、容器に選択的に貼付できる。たとえば、ラベルまたはラベル基体への代表的な材料使用の例は、紙、ポリエステル(マイラー)、ポリエチレンなどを含むがこれらに限定されない。前述のように、ラベルまたはフィルムは、熱収縮性フィルムの形状であってもよい。ラベルに有用な収縮フィルムは、単層構造または複層構造であってもよい。収縮フィルムの単層または複層は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ乳酸、共重合体、およびそれらの混合物から選ばれたポリマから作ることができる。概ね、柔軟な部材の使用とともに本明細書に前述したあらゆるラベルまたはフィルム、接着剤、およびそれらのさらなる態様は、摺動部材を使うラベル貼付システムおよび手法とともに使用できる。本発明は、多種多様なラベル、フィルム、および他の部材を貼付するために使用できる。たとえば、本発明は、収縮ラベル、感圧性ラベル、感圧性の収縮ラベル、熱シールラベル、および包装およびラベル貼付技術分野で周知のほぼ全種類のラベルまたはフィルムとともに使用できる。本明細書に記載した装置、システム、および方法のすべてまたはいずれかを使用して貼付されるラベルは、好ましくは、次のいくつかの特性または態様を示す。ラベルは、ラベルを容器に完全に接触または付着させる際に、ラベルが容器の周辺全体に延在しないように概ね所定の寸法に作られる。最も好ましくは、容器との完全な接触の際に、ラベルの縁端部などの領域は、同じラベルなどの縁端部または領域と重ならない。
【0268】
本発明はまた、ラベル貼付された容器を生産するためのさまざまなラベル貼付システムを提供する。これらのシステムは、移動中の容器のそばでラベルを選択的に位置付けるラベルディスペンサー、ラベルまたは複数のラベル、およびラベルディスペンサーによって容器のそばに位置付けられたラベルの1つ以上の領域を選択的に接触させるアセンブリを含む。アセンブリは、可動フレームを含み、該フレームは、旋回軸のまわりで枢軸的に可動な少なくとも1つのフレーム部材を含む。アセンブリは、フレーム部材に係合され、それとともに可動な摺動部材をさらに含む。摺動部材は、ラベルに接触する摺動要素を含む。アセンブリはまた、フレームに添付され、それとともに可動なカム従動部材を含む。カム従動部材の動きは、容器の移動に対応し、それによって、摺動要素は、移動中の容器上のラベルに選択的に接触する。
【0269】
[後熱処理]
より詳細に本明細書に記載するように、以前に容器などの基体に接着剤で貼付されたラベルまたはフィルムを後処理するためのさまざまな方法およびシステムがある。これらの方法は、貼付されたラベルまたはラベルアセンブリを、比較的迅速に、かつ通常はラベル貼付直後に、特定の温度まで加熱する工程を主に含む。好ましくは、この加熱動作の間、ラベルと容器または基体の表面との間に配置された接着剤もラベルと同じ方法で加熱される。ラベルに関して本明細書で使用する用語「接着剤で貼付された」は、容器または基体の露出表面に沿って接着剤(単数または複数)の1つ以上の層によって貼付され保持されたラベルのことを意味する。本明細書に記載した特定の方法によって貼付され処理されたラベルは、本方法によらずに貼付された対応するラベルと比較して、欠陥率の低減、ラベルの保持性および接着性の改善、および優れた美観を示す。
【0270】
特に、本発明は、さまざまな容器の外側湾曲面などの曲面上にラベルおよびフィルムを貼付するための手法および方法を一層向上させる。本発明は、以前に容器に貼付されたラベルまたはフィルムに対する処理手法の観点から記載したが、本発明が容器に限定されないことは、明らかである。その代わりに、本発明は、ほぼすべての種類の物品の表面に以前に貼付されたさまざまなラベルまたはフィルムを後処理するために使用できる。本発明は、特に、湾曲した容器面に以前貼付された収縮ラベルの処理を対象としている。本発明はまた、特に、さまざまな容器の複合曲面に貼付された収縮性ラベルなどのラベルの処理を趣旨としている。
【0271】
明白なことは、本発明が、平面および単純な曲面を含む多種多様な表面に貼付されたラベルおよびフィルムの処理に使用できることである。しかし、より詳細に本明細書に説明するように、本発明は、特に、複合曲面に添付されたラベル、およびフィルム、およびそれらに関連する接着剤(単数または複数)の後処理に対して非常に好適である。
【0272】
通常、好ましい方法によれば、ラベルが容器に貼付された後、ラベルフィルム材料を熱的に焼鈍するために、貼付動作中の特定のタイミングかつ特定の時間内で、容器に以前に貼付された1枚以上のラベルに熱がかけられる。好ましくは、ラベルと受け入れ表面との間に配置された接着剤もまた、ラベルと同じ程度にすなわち相当な程度に加熱される。貼付されたラベルを特定の温度に加熱することによって、一般には経年変化によって発生するダーツ、しわ、泡、持ち上がり、その他のラベル欠陥が最小化されることが分かっている。ラベル貼付後に起こるそのような欠陥を、まとめて本明細書では「後欠陥」と総称する。
【0273】
特定のラベル貼付処理に依存して、後熱処理の方法はまた、1つ以上の予熱動作をなくすことができる場合がある。熱収縮性材料を含むラベルの場合、好ましい貼付後加熱は、ラベルの熱収縮後に実行される。熱は、赤外線ランプ、放射加熱器、熱風強制対流式オーブン、収縮トンネルなどを使用するようなさまざまな方法で、ラベル貼付された容器に加えることができる。熱量は、通常、ラベル材料の特性、ラベル貼付処理の速度、および後熱処理セクションの前にすでにラベルに与えられた熱量によって、決定される。熱収縮性材料を含むラベルの場合、熱量はまた、材料の収縮温度によっても決定される。貼付されたラベルを有する容器は、ほぼどのような種類であっても、本明細書に記載した処理技術を受け入れることができる。これらの態様は、すべてより詳細に本明細書に記載する。
【0274】
[好ましい処理方法]
好ましい処理法は、ラベル貼付動作内またはその後の特定の時間に、以前に貼付されたラベルおよび接着剤を特定の温度に加熱する工程を含む。好ましくは、貼付されたラベルおよび接着剤は、周囲温度、またはほぼ周囲温度であり、約30℃〜約150℃の温度に加熱され、より望ましくは、約50℃〜約100℃の温度に加熱される。通常、貼付されたラベルの加熱工程は迅速に行われ、たとえば、概ね5秒未満、望ましくは、3秒未満で、最も望ましくは、1秒未満である。そのような急速加熱時間を採用することにより、本明細書に記載する処理方法を高速ラベル貼付動作に使用することが可能になる。
【0275】
実際に、貼付されたラベルに対してこれらの特定の温度を実現するには、貼付されたラベルを少なくとも100℃以上の温度を有する環境にさらせばよい。加熱工程は、あらゆる好適な方法によって実行できる。通常、加熱工程は、伝導加熱、対流加熱、放射加熱、またはそれらの組合せなどの1つ以上の熱伝導機構によって実行可能である。多種多様な発熱装置またはデバイスが、貼付されたラベルおよび付随する接着剤の加熱に使用可能である。非限定的な例は、赤外線ランプ、放射加熱器、熱風強制対流式オーブン、加熱チャンバ、加熱トンネル、加熱接触面などを含むがこれらに限定されない。好ましくは、加熱工程は、チャンバ内に放射加熱器、またはチャンバ内に熱風ガンを使用して、どちらの場合も出口でラベルの温度を測定するための赤外線(IR)センサを備えて、実行される。加熱デバイスは、周知の技術であって、容易に入手可能である。
【0276】
好ましくは、処理工程は、容器または基体への貼付の直後にラベルおよび接着剤層を加熱する工程を含む。本明細書で使用する用語「直ちに」は、概ね加熱工程がラベル貼付に引き続いて行われるように、遅延なく貼付後にラベルの加熱工程が開始されることを意味する。実際の条件では、加熱工程は、好ましくは、ラベル貼付後5秒未満、最も好ましくは、ラベル貼付後1秒未満に行われる。しかし言うまでもなく、本発明は、ラベル貼付後の1分以上の時間後、あるいは特定の用途では数時間後など、ラベル貼付に引き続いて実行される加熱工程をも含む。さらにまた、本明細書に記載した加熱技術は、たとえば、ラベル貼付後最高24時間などのラベル貼付後に十分実行できるであろうと考えられる。特定の温度および時間は、主に、ラベルまたはフィルムに使われる材料、ラベルの特性、および接着剤に依存する。
【0277】
本明細書に記載する特定の方法によって処理された貼付されたラベルおよび接着剤は、本方法に準拠せずに貼付された対応するラベルと比較して、低減された欠陥率、改善されたラベルの保持力および接着力、および良好な美観を示す。具体的には、本明細書に記載した処理技術に準拠したラベルは、それらの貼付されたままの状態を維持して、しわが寄ったり、ダーツが形成されたり、または縁端部またはラベルと受け入れ表面との間の境界面に沿って持ち上がりまたは分離が表われたりしない傾向がある。したがって、本発明の処理技術に準拠したラベルおよび接着剤は、本明細書に記載した処理技術に準拠していない対応するラベルと比較して、下に横たわる表面に対して保持期間が長く強い全体的な接着力が強いと特徴付けられるような保持力の改善を示す。しわ、ダーツ、泡、および持ち上がりのすべてまたはいずれかなどの欠陥がないため、外観の改善と、優れた美観のラベルとなる。これらの特性は、商業的観点、特にラベルが小売環境に展示されている容器の上にある場合に望ましい。
【0278】
どのような特定の理論にも縛られることを望まないが、重合体ラベルまたはフィルム材料内のさまざまな内部応力が、ラベルの製造中、特にラベルの貼付中に発生、または増加すると考えられる。フィルム材料中の内部応力は、特に、熱収縮性ラベルの熱収縮工程および貼付工程の両方または一方の間で顕著である。ラベル接着剤により与えられた比較的恒久的な結合は、ラベルをその最初の貼付されたままの状態に保持するために役立つが、ラベル材料中の内部応力は、ラベルの引き続いて起こる変形、および貼付されたままの位置からの移動の原因となる可能性がある。これらの影響は、通常、しわ、ダーツなどの形でラベル欠陥として表われる。このように、本発明によれば、ラベルの後欠陥を防止するための方法およびシステムが提供される。通常、これらの方法は、接着剤で貼付される重合体ラベルを有する容器などの基体の提供を含む。これらの方法はまた、ラベルの貼付後、望ましくは、ラベルの接着剤貼付の直後に、貼付されたラベルをラベル材料内の内部応力の少なくとも一部を軽減するに十分な温度にまで加熱する工程を含むことで、そうしなければ発生するであろうラベルの後欠陥を防ぐまたは少なくとも低減させる。
【0279】
本明細書に記載した好ましい実施形態の方法によれば、貼付されたラベルを特定の温度に、かつ、ラベル貼付動作での特定の時点で加熱する工程は、ラベル材料(単数または複数)中の応力を、前記のラベル欠陥が発生しない程度に十分に軽減できることが分かった。前述のように、湾曲した容器面、特に複合湾曲した容器面に貼付されたラベルは、そのような欠陥を示しやすい。本明細書に記載した加熱技術によって、このような欠陥を除去できることは驚くべき予期できないことである。さらにまた、特定の加熱動作は、寸法の変化がラベルで生じないように実行される。これは、熱収縮性材料を使う際に重要である。さらに、本明細書に記載した後熱動作は、特定のラベル貼付動作で実行された場合、既知のラベル貼付処理で通常使われる1つ以上の予熱段階の必要性を排除することができる。
【0280】
[ラベルの後欠陥を減少させるシステム]
本発明はまた、本明細書に記載した前記の方法および技術を実行するために、さまざまなシステムおよび関連する装置アセンブリを提供する。好ましくは、システムは、ラベルの後欠陥を減らし、理想的には、除去するために役立つ。システムは、ラベルを容器に接着剤で貼付するアセンブリを主に含む。ラベル貼付アセンブリの例は、以下の米国特許または米国特許出願公開、つまり上記特許文献22(米国特許第4,192,703号)、上記特許文献23(米国特許第4,561,928号)、上記特許文献24(米国特許第4,724,029号)、上記特許文献25(米国特許第5,785,798号)、上記特許文献26(米国特許第7,318,877号)、上記特許文献27(米国特許出願公開第2005/0153427号)、および上記特許文献28(米国特許出願公開第2007/0113965号)のうちの1つ以上で提供される。明らかなように、本発明のシステムは、これらの代表的なラベル貼付アセンブリのうちの1つ以上の使用に限定されない。その代わりに、ラベルの後欠陥を減少させる本発明のシステムは、ほぼどのような種類のラベル貼付装置でも使用できる。本発明によるシステムはまた、ラベルを容器に接着剤で貼付した直後に貼付されたラベルを加熱する1つ以上の加熱器を含む。1つ以上の加熱器は、望ましくは、貼付されたラベルを周囲温度から約30℃〜約150℃の温度まで、約5秒未満の時間内で加熱できる。言うまでもなく、本発明のシステムは、5秒より長い時間で、貼付されたラベルの前記の加熱工程を実行する加熱器を使用できる。好適な加熱器の例は、本明細書で前述した加熱器である。好ましくは、これらのシステム、特に加熱器は、前記のラベルを約50℃〜約100℃の温度まで加熱できる。好ましくは、これらのシステム、特に加熱器は、前記のラベルを、指定された温度まで、3秒未満の時間内で、好ましくは、1秒未満の時間内で加熱できる。好ましくは、これらの加熱器は、放射加熱器である。しかし、本明細書に記すように、多種多様な加熱デバイスを使用できる。システムはまた、加熱動作中およびその後、ラベルの温度を簡便かつ正確に測定するために赤外線(IR)センサなどの1つ以上の温度センサを含む。
【実施例】
【0281】
ラベル貼付された容器が概ね欠陥なしとなる温度よりも低い温度で、容器にポリプロピレンラベルを貼付した。ラベルはすべて貼付時に欠陥なく貼付された。その後直ちに、ラベル貼付された容器をさまざまな休止時間で100℃のオーブンに置いた。ラベルの最終的な温度は、オーブンの経過終了時に測定した。その後、室温で1週間経過後に容器を検査した。
【0282】
後熱処理を行わなかった制御サンプルは、欠陥形成により1週以内に不合格となった。100℃の後熱(正方形)に少なくとも30秒間かけたサンプルはすべて、1週間エージング後の検査に合格した。これらの結果に基づいて、この特定のラベル材料の欠陥を防ぐためには、少なくとも50℃の出口温度が、後熱段階において十分であると考えられる。
【0283】
本明細書に記載したさまざまな処理手順を、ラベル貼付の前またはその間の1つ以上の加熱段階の除去とともに記載してきたが、言うまでもなく、本発明はまた、加熱工程を含むラベル貼付動作とともに使用される処理手順の使用も含む。したがって、本明細書に記載した処理手順は、ラベル動作の柱と考えられる。
【0284】
本発明およびそのさまざまな好ましい実施形態を、ラベル、特に、感圧性収縮ラベルを容器の湾曲面に貼付する工程の観点から記載してきたが、明らかなように、本発明は、ラベル、フィルムなどの薄い柔軟な部材を容器に付随する表面に加えて他の表面にも貼付する工程に適用できる。さらに、本発明は、そのような部品を比較的平坦な表面に貼付するためにも使用できると考えられる。
【0285】
感圧性ラベル、特に、感圧性収縮ラベルの貼付工程に関連するさらなる詳細は、上記特許文献29(国際公開第WO2008/124581号)、上記特許文献30(米国特許出願公開第2009/0038736号)、および上記特許文献31(米国特許出願公開第2009/0038737号)で提供される。
【0286】
熱転写ラベル貼付技術に関するさらなる詳細は、上記特許文献32(米国特許第4,610,744号)、上記特許文献33(米国特許第6,698,958号)、上記特許文献34(米国特許出願公開第2008/0185093号)、上記特許文献35(米国特許出願公開第2007/0275319号)、上記特許文献36(米国特許出願公開第2007/0009732号)、上記特許文献37(米国特許出願公開第2005/0100689号)、上記特許文献38(国際公開第WO2004/050262号)、上記特許文献39(国際公開第WO2005/069256号)、上記特許文献40(米国特許第7,758,938号)、上記特許文献41(米国特許第6,756,095号)、上記特許文献42(国際公開第WO2002/055295号)、上記特許文献43(米国特許第6,228,486号)、上記特許文献44(米国特許第6,461,722号)、上記特許文献45(国際公開第WO2000/20199号)、上記特許文献46(国際公開第WO2000/23330号)、上記特許文献47(米国特許第6,796,352号)、上記特許文献48(国際公開第WO2002/12071号)、上記特許文献49(米国特許公開第2007/0281137号)、および上記特許文献50(国際公開第WO2007/142970号)で提供される。
【0287】
他の多くの利点も、この技術の将来の用途および開発から確実に明らかになる。
【0288】
本明細書に記したすべての特許、公開出願、および物品は、それら全体を参照により本明細書に援用される。
【0289】
上に記載したように、本発明は、従来のタイプのデバイスおよび方法に関連する多くの問題を解決する。しかし、言うまでもなく、本発明の本質を説明するために本明細書に記載し、例示した部品または動作の材料および装置の詳細にわたるさまざまな変更が、添付の特許請求の範囲で表明するような本発明の原理および範囲を逸脱することなく、当業者によって、なされることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱転写デザインを支持部材またはウェブから容器へ貼付する方法であって、前記熱転写デザインは、前記支持部材上に配置されたインクまたは他の着色塗料の領域を含むものであり、前記方法は、
(i)第1の面と反対方向に向けられた第2の面とを画定し、前記第1の面と前記第2の面との間に延在する開口部を画定する剛性フレームと、(ii)前記フレームの前記第1の面および前記第2の面のうちの少なくとも一方に隣接して配置され、前記フレームの前記開口部を通って延在して、前記フレームの前記第2の面から外方に突出している柔軟な部材とを含むラベル処理装置を準備する工程と、ここで前記柔軟な部材は前記支持部材に接触するための外面を画定し、前記柔軟な部材は前記フレームの前記第1の面から接触可能な内側中空領域を画定し、前記柔軟な部材は前記フレームの前記第2の面から外方に突出している前記部材の一部にラベル接触力を加えたとき変形可能であり、
前記柔軟な部材を加熱する工程と、
前記柔軟な部材の前記外面と前記容器との間に前記熱転写デザインおよび前記支持部材を位置決めする工程と、
前記支持部材と前記柔軟な部材の前記外面とを接触させ、前記容器と前記熱転写デザインとを接触させる工程と、
前記柔軟な部材にラベル接触力を加え、それによって、前記柔軟な部材が変形されて、前記熱転写デザインが少なくとも部分的に前記容器に転写される工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記熱転写デザインは、前記インクまたは他の着色塗料と前記支持部材との間に剥離材の層を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記柔軟な部材は、前記支持部材から前記熱転写デザインを剥離するに十分な温度で加熱されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ラベル処理装置は、前記柔軟な部材の前記外面を加熱するために、前記柔軟な部材の前記内側中空領域内に配置された熱源をさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至3に記載の方法。
【請求項5】
前記熱源は、前記柔軟な部材の前記内側中空領域内に配置された、電気式抵抗加熱器を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記柔軟な部材は、シリコーン材を含むことを特徴とする、請求項1乃至5に記載の方法。
【請求項7】
前記柔軟な部材は、長手方向軸を画定し、前記長手方向軸に対して対称の形状であることを特徴とする、請求項1乃至6に記載の方法。
【請求項8】
前記フレームは、前記フレームの前記第2の面から延在する少なくとも1つのガイドを含み、前記少なくとも1つのガイドは、前記柔軟な部材の横側領域に少なくとも部分的に並行して延在していることを特徴とする、請求項1乃至7に記載の方法。
【請求項9】
前記フレームは、前記フレームの前記第2の面から延在する第1のガイドおよび第2のガイドを備え、前記第1のガイドおよび前記第2のガイドは、前記開口部の少なくとも一部によって分離されていることを特徴とする、請求項1乃至8に記載の方法。
【請求項10】
前記柔軟な部材は、前記第1のガイドと前記第2のガイドとの間に配置され、前記第1のガイドおよび前記第2のガイドは、前記柔軟な部材に前記ラベル接触力を加えたときの前記柔軟な部材の横外方への変形の範囲を制限するようはたらくことを特徴とする、請求項1乃至9に記載の方法。
【請求項11】
前記柔軟な部材は、
前記フレームの前記第1の面および前記第2の面の少なくとも一方に接触するベースと、
前記ベースから突出している複数の側壁と、
ドーム型の表面と、をさらに含み、前記ドーム型の表面は、ラベルと接触して加熱するための前記外面を含み、
前記複数の側壁は、前記ベースと前記ドーム型の表面との間に延在し、前記ベースおよび前記ドーム型の表面と一体形成されていることを特徴とする、請求項1乃至10に記載の方法。
【請求項12】
前記フレームの前記開口部は、4つの縁端部を画定し、前記柔軟な部材は、それぞれ対応する縁端部に並行して位置決めされる4つの側壁を含むことを特徴とする、請求項1乃至11に記載の方法。
【請求項13】
前記熱転写デザインは、ASTM 96E手順Dで測定した場合、少なくとも100g/m/日のMVTRを有することを特徴とする、請求項1乃至12に記載の方法。
【請求項14】
支持部材またはウェブと、前記支持部材上に配置されたインクまたは他の着色塗料の領域と、を含む熱転写ラベルと、
ラベルを容器に接触させて同時に加熱するラベル処理装置と、ここで前記ラベル処理装置は、(i)第1の面と反対方向に向けられた第2の面とを画定し、前記第1の面と前記第2の面との間に延在する開口部を画定する剛性フレームと、(ii)前記フレームの前記第1の面および前記第2の面のうちの少なくとも一方に隣接して配置され、前記フレームの前記開口部を通って延在して、前記フレームの前記第2の面から外方に突出している柔軟な部材とを含み、前記柔軟な部材は、ラベルに接触するための外面を画定し、前記柔軟な部材は、前記フレームの前記第1の面から接触可能な内側中空領域を画定し、前記柔軟な部材は、前記フレームの前記第2の面から外方に突出している前記部材の一部にラベル接触力を加えたとき変形可能であり、
を含むことを特徴とするラベル処理システム。
【請求項15】
前記熱転写ラベルは、前記インクの領域と前記支持部材との間に配置された剥離層をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載のラベル処理システム。
【請求項16】
前記熱転写ラベルは、ASTM 96E手順Dで測定した場合、少なくとも100g/m/日のMVTRを有することを特徴とする、請求項14または15に記載のラベル処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【公表番号】特表2013−518003(P2013−518003A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551159(P2012−551159)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/061272
【国際公開番号】WO2011/093958
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(504383645)エイブリィ デニソン コーポレーション (4)
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON CORPORATION
【Fターム(参考)】